JP6812256B2 - 内面材嵌着装置 - Google Patents
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Description
ここで、ライニング体には第1係合部が形成される一方で、接続部材には第2係合部が形成され、第1係合部と第2係合部との係合により、隣り合うライニング体が接続部材を介して接合されている。
このライニング装置は、接続部材上を転動可能な回転部材と、回転部材を接続部材に押し付けるための推力を発生するエアシリンダと、既設管の内周面に対し反力をとる固定パッドとを備え、回転部材に設けられたフランジ状の凸部を接続部材の撓み領域に設けられた凹部に嵌め込み、既設管の内周面に対し固定パッドで反力をとりながらエアシリンダからの推力を回転部材に伝達して回転部材を接続部材に押し付けながら転動させることにより、ライニング体の第1係合部と接続部材の第2係合部とを係合させて隣り合うライニング体を接続部材を介して接合することができるように構成されている。
この場合、回転部材に設けられたフランジ状の凸部を内面材に突き当てた点接触状態で回転部材から内面材へと押圧力が加えられることになる。
このため、内面材における回転部材の凸部が突き当てられた点接触部分に局所的に強い力が作用し、これによって内面材が傷付いたり、変形したりするといった不具合が発生する恐れがある。
なお、上記回転部材として転動面に凸部等を有しない単なるローラを用いることも考えられるが、この場合、内面材に対しローラが線接触となり、内面材におけるローラの線接触部分に強い力が集中的に作用することになり、上記不具合と同様の不具合が発生する恐れがある。
(1)作業者が、内面材固定部材の位置で、その都度、嵌着予定部位又はその近傍部位に位置する内面材取付用骨格構造に対し反力支持体で反力をとりながら内面材押圧装置を操作する必要があるため、作業性が低く、施工に時間を要する。
(2)作業者が管内に入って内面材押圧装置を操作する必要があるため、小径(呼び径:800〜1000mm以下)の管には適用できず、また、雨水による事故の危険性がある。
(3)施工の確実性が、内面材押圧装置を操作する作業者の技術力に左右される。
図1〜図3に、本発明の内面材嵌着装置の一実施例を示す。
この内面材嵌着装置1は、管Pの内周面に設置された内面材固定部材4に、内部に係合爪21bが形成され、かつ表面に管Pの長手方向に延びる溝21aを備えた内面材21を嵌着するために用いられるもので、管Pの長手方向に移動する移動体10と、移動体10に設けられ、内面材21の表面を内面材固定部材4に対して押圧する圧力伝達部11と、移動体10の圧力伝達部11より(移動方向の)後側に設けられ、内面材21の溝21aに沿って移動するとともに、溝21aに形成された係合爪21bに係止して反力を得る嵌入摺動部12とを備え、嵌入摺動部12によって案内されることで移動体10を管Pの長手方向に移動しながら、嵌入摺動部12によって反力を得るとともに、圧力伝達部11によって内面材21の表面を内面材固定部材4に向けて押圧することで内面材21を内面材固定部材4に嵌着するようにするものである。
内面材21は、ファスナ22と組み合わせて用いることによって、内面材構造体2を構成するもので、管Pの長手方向に沿って延びる、例えば、合成樹脂製の帯板状部材よりなり、表面に管Pの長手方向に延びる溝21aを備えるようにしている。
すなわち、内面材構造体2は、内面材固定部材4に嵌着して取り付けられる内面材21と、内面材固定部材4に取り付けられた隣接する内面材21同士を接続するファスナ22とからなる。
そして、内面材21には、ファスナ22を取り付けるための溝21aが設けられるとともに、溝21aの内部には、ファスナ22と係合する係合爪21bが形成されている。また、内面材21には、内面材固定部材4に形成された内面材装着部42に嵌着される嵌着部21cを形成するようにする。
ここで、内面材21を取り付けるための骨格構造としては、特許文献3や本件出願人の出願である特願2016−90985に記載のものを適用することができる。
この骨格構造は、図4〜図7に示すように、管Pの長手方向に間隔をあけて、管Pの内周面に沿って設けられるリング状支持部材3と、背面側にリング状支持部材3に沿って取り付けるための嵌合部41を備え、表面側に内面材21を取り付けるための内面材装着部42を備えた内面材固定部材4と、この内面材固定部材4を介して管Pの長手方向に沿って取り付けられることによって、隣接するリング状支持部材3間の距離を規定する連結スペーサ5とからその主要部が構成されている。
なお、リング状支持部材3には、鉄製棒材や異形鉄筋を用いることが好ましいが、断面形状が四角形や多角形の棒状部材や中空体(パイプ部材)を用いることもでき、また、金属製の部材以外の合成樹脂製や複合材料製の部材も使用することができる。
ここで、内面材固定部材4の嵌合部41には、リング状支持部材3に嵌合した内面材固定部材4の嵌合部41が外れないようにするための突起41a、41bを形成するようにしている。
これにより、連結スペーサ5の内面材固定部材4への取り付けを簡易に行うことができる。
そして、連結スペーサ5に備えた連結部52bを、その幅を他の部分より大きくなるように段状に形成して、内面材固定部材4の挿通空間43に挿通した連結スペーサ5がこの位置で止まるようにするとともに、連結スペーサ5の中間位置に連結スペーサ5の挿通空間43の反対側の開口縁に当接する係止爪51aを形成して、連結スペーサ5の嵌着部51を構成するようにしている。
これにより、連結スペーサ5同士を連結することによって、相互に隣接するリング状支持部材3間の距離を規定することができる。
なお、連結スペーサ5を、内面材固定部材4に対して挿通方向に摺動しないように固定するための手段は、これに限定されず、例えば、嵌着部51の両側に係止爪51aを形成して、連結スペーサ5をいずれの側からも内面材固定部材4に挿通できるようにしたり(この場合、連結スペーサ5に備えた連結部52bの幅を他の部分と同一にする。)、内面材固定部材4側に連結スペーサ5に嵌着する嵌着部を形成するようにしたり、内面材固定部材4及び連結スペーサ5の所定位置にピン孔を形成し、ピン孔に固定ピンを挿入する等、任意の固定方式を採用することができる。
なお、係止爪51aは、連結スペーサ5の中間位置の側面に形成するほか、連結スペーサ5の中間位置の上面に形成することもでき、また、係止爪51aを含めて嵌着部51を形成する位置も、自由に設定することができる。
そして、連結スペーサ5を挿通しない挿通空間43には、必要に応じて、鉄製棒材や異形鉄筋等からなる補強部材(図示省略)を挿通して、管Pの長手方向に沿って取り付けることができる。
この補強部材は、管Pの内周面と内面材21によって区画された環状の隙間に充填される硬化材6中に埋設され、管Pの強度を高めることができる。
これにより、管Pの内周面に沿って設けられるリング状支持部材3を、内面材固定部材4を介して、安定して設置することができる。
ここで、内面材固定部材4は、そのすべてを管Pの内周面に接地して設ける必要はなく、内面材固定部材4を介してリング状支持部材3を安定して設置することができる限りにおいて、リング状支持部材3に沿って取り付けた内面材固定部材4のうちの任意の位置の内面材固定部材4を接地して設けるようにすればよい。
以下、図1〜図3に基づいて、管Pの内周面に設置された内面材固定部材4に、表面に管Pの長手方向に延びる溝21aを備えた内面材21を嵌着するために用いられる内面材嵌着装置1の詳細について説明する。
これにより、圧力伝達部11の押圧力を内面材21に円滑に伝達することができるようにするとともに、押圧力の大きさを調整することができるようにして、管Pの内周面に設置された内面材固定部材4に内面材21を嵌着する作業を確実性を以て行うことができる。
なお、圧力伝達部11は、第2圧力伝達部13のように、内面材21の溝21aに入り込むフランジを形成したローラから構成したり、橇形状部材(コッター)で構成することができる。
また、伸縮機構11aの長さに若干の遊びを形成し、内面材固定部材4に形成された内面材装着部42に内面材21の嵌着部21cを嵌着させることができる付勢力を備えたばね(図示省略)によって当該遊びをなくすようにすることによって、管径の変動を吸収することができる。
この第2圧力伝達部13を備えるようにすることにより、圧力伝達部11がてこの力点、嵌入摺動部12がてこの支点、第2圧力伝達部13がてこの作用点となり、管Pの内周面に設置された内面材固定部材4に内面材21を嵌着する作業を確実性を以て行うことができる。
また、第2圧力伝達部13を内面材21の溝21aに沿って円滑かつ正確に案内することができる。
なお、第2圧力伝達部13は、圧力伝達部11のように、伸縮機構を介して取り付けたり、橇形状部材(コッター)で構成することができる。
また、伸縮機構の長さに若干の遊びを形成し、内面材固定部材4に形成された内面材装着部42に内面材21の嵌着部21cを嵌着させることができる付勢力を備えたばね(図示省略)によって当該遊びをなくすようにすることによって、管径の変動を吸収することができる。
これにより、作業者が管P内に入ることなく、内面材嵌着装置1(移動体10)を管Pの長手方向に移動させながら、圧力伝達部11によって、内面材21の表面を内面材固定部材4に向けて押圧することで内面材21を内面材固定部材4に嵌着するようにすることができる。
この場合、内面材嵌着装置1を管Pの長手方向に移動させる起点より上流側の内面材21は、事前に手動で、内面材21の表面を内面材固定部材4に向けて押圧することで内面材21を内面材固定部材4に嵌着させておくようにする。
なお、内面材嵌着装置1を管Pの長手方向に移動させる手段としては、管Pの内部を走行する走行台車や作業者が、牽引するようにしたり、押し移動するようにすることもできる。
1 内面材嵌着装置
10 移動体
11 圧力伝達部
12 嵌入摺動部
13 第2圧力伝達部
14 牽引部
2 内面材構造体
21 内面材
21a 溝
21b 係合爪
21c 嵌着部
22 ファスナ
3 リング状支持部材
4 内面材固定部材
41 嵌合部
42 内面材装着部
5 連結スペーサ
6 硬化材
Claims (6)
- 管の内周面に設置された、内面材を取り付ける骨格構造を構成する内面材固定部材に、内部に係合爪が形成され、かつ表面に管の長手方向に延びる溝を備えた内面材を、内面材固定部材に形成された内面材装着部に内面材に形成された嵌着部を介して嵌着するために用いられる内面材嵌着装置であって、
前記管の長手方向に移動する移動体と、
前記移動体に設けられ、内面材の表面を内面材固定部材に対して押圧する圧力伝達部と、
前記移動体の圧力伝達部より後側に設けられ、内面材の溝に沿って移動するとともに、内面材固定部材に形成された内面材装着部に内面材に形成された嵌着部を介して嵌着された位置において溝に形成された係合爪に係止して反力を得る嵌入摺動部とを備え、
前記嵌入摺動部によって案内されることで移動体を管の長手方向に移動しながら、嵌入摺動部によって反力を得るとともに、圧力伝達部によって内面材の表面を内面材固定部材に向けて押圧することで内面材を内面材固定部材に嵌着するようにしたことを特徴とする内面材嵌着装置。 - 前記移動体の嵌入摺動部より後側に設けられ、内面材の表面を内面材固定部材に対して押圧する第2圧力伝達部を備えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内面材嵌着装置。
- 前記圧力伝達部及び/又は第2圧力伝達部が、ローラからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の内面材嵌着装置。
- 前記圧力伝達部及び/又は第2圧力伝達部が、内面材の溝に入り込むフランジを形成したローラからなることを特徴とする請求項3に記載の内面材嵌着装置。
- 前記圧力伝達部及び/又は第2圧力伝達部が、移動体に伸縮機構を介して取り付けられてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の内面材嵌着装置。
- 前記移動体が、牽引することにより管の長手方向に移動するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の内面材嵌着装置。
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