JP5801567B2 - ブロック継手およびセグメント - Google Patents
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Description
そのため、この種の継手をさらに改良してセグメントを同士をがたつきなく確実堅固に接合し得る継手の開発が望まれているのが実情である。
なお、以上のことはトンネル覆工用のコンクリートセグメント同士を接合する場合に限らず、各種のブロックフレーム同士をワンタッチで接合する構造の継手全般において共通している解決課題でもある。
また、ブロック継手の素材としては長さ方向に同一断面形状の部材でC形断面の形鋼の安価な市販品を採用可能であり、それらの部材を適宜組み合わせて必要強度に応じて任意の形状・寸法に切断し加工することのみで所望形状、所望強度のブロック継手を容易に製作することが可能であり、しかもそのブロック継手をセグメントに対して取り付ける際には嵌合部を単に傾斜させれば良いから、従来の継手に比較してその製作コストや加工コストを大幅に軽減することができる。
本第1実施形態はトンネル覆工用のコンクリート製のセグメント同士を接合する場合の適用例であって、図1は接合対象のセグメント1に本実施形態のブロック継手2を取り付けた状態を示し、図2〜図4はそのセグメント1(1A、1B)同士を接合するための手順を示す図である。
すなわち、上記の嵌合部4の傾斜角は、互いに接合される双方の嵌合部4のそれぞれの軸線がほぼ平行となっており、かつ、それら嵌合部4同士を嵌合させていくに伴って双方の嵌合部4同士が互いに引き寄せ合っていき、嵌合部4同士が最終的に嵌合した状態では双方の嵌合部4同士が自ずと密着してがたつきなく嵌合するように設定されている。
その傾斜角はブロック継手2の長さや嵌合部4の遊び代、ブロック継手2全体の伸び代を考慮して最適に設定すれば良いが、たとえば図示例のように上記の摺動方向に対して1/20程度の勾配としているが、1/4〜1/100程度の勾配が考えられる。
この場合、定着部3としての板部は、その端部が、一方の嵌合部と同形状の他方の嵌合部となっているので、この他方の嵌合部がアンカーとなり、そのままセグメント1に対して定着されてこのブロック継手2の全体がセグメント1に対して確実堅固に固定されるから、従来一般のこの種のブロック継手のようにセグメントに対してアンカーするための格別のアンカー筋等の定着手段は省略することも可能であり、したがって汎用の安価な鋼矢板を利用できることと相俟って継手としての製作コストを大幅に軽減することが可能である。
勿論、この直線形鋼矢板の他方の嵌合部を含めて板部の中間部で切断し、この切断された板部端部付近に定着機構のアンカー筋を固着するようにしても良い。このようにすると、板部と他方の嵌合部からなる切断部分も本発明の継手として利用できる。
この場合、双方のセグメント1(1A,1B)に予め取り付けておくブロック継手2(2A、2B)は同一形状・同一寸法としておくが、互いに嵌合可能な状態でそれらの向きのみを逆にして取り付けておく。具体的には、図示例のように一方のセグメント1Aの接合端面1aに取り付けているブロック継手2Aの向きを上向き(図2(b)ではその向きで取り付けたブロック継手2の嵌合部4に斜線を付してある)とした場合、他方のセグメント1Bに取り付けておくブロック継手2Bの嵌合部4の向きを逆に下向きとしておく。
この際、上記のようにブロック継手2A,2Bの双方の嵌合部4のそれぞれの軸線はほぼ平行となっており、かつその軸線方向が当該セグメント1Aを他のセグメント1Bに対して摺動させる方向に向かうにつれて他のセグメント1B側に近づくように傾斜していることから、嵌合当初は双方の嵌合部4の間に遊びが生じており、したがって仮に若干の寸法誤差があっても双方の嵌合部4同士を支障なく嵌合させることができる。
そして、嵌合部4同士が最終的に嵌合した状態では双方の嵌合部4同士が自ずと密着してがたつくことなく堅固に接合される。
なお、1リング分のセグメント1を構成するためのピース数は、施工するべきトンネルの規模その他の条件に応じて任意に設定すれば良いが、たとえばキーセグメントを含めて全6ピースにより構成することが考えられる。
勿論、従来一般のセグメントの場合と同様に、各セグメント1に予め取り付けておくブロック継手2の位置やその向き、溝5の位置や長さ等の仕様は、各ピースの寸法・形状や組み立て順序を考慮してそれらを支障なく順次接合し得るように予め設定しておくべきことは当然である。
この点に関し、従来の継手でがたつきをなくすためには個々の継手を高精度にテーパー加工する必要があり、そのためにコスト高とならざるを得ないのであったが、本発明のブロック継手2は上記のような汎用の安価な部材を利用してそれをセグメント1に対して単に傾斜状態で設置するだけで同様の効果を得ることができるから、極めて合理的である。
すなわち、ブロック継手2Bには定着部3と嵌合部4との間が2段のアコ−ディオイン形状ないし蛇腹形状に折り曲げ加工された折り曲げ部6が形成されていて、そこではブロック継手2Bが長さ方向に弾性的に伸縮するように若干の変形が許容されるようになっている。
従来においてそのような緊結力を付与するためには、継手部に格別の緊結手段を設けておくしかなく、そのために継手としての構成が過度に複雑化し、必然的にコスト高とならざるを得ないが、本第2実施形態ではブロック継手2の素材としての平鋼板を単に折り曲げ加工することのみで、格別の緊結手段を必要とすることなく、したがって継手としての構成の複雑化やコスト上昇を招くことなく、同様の効果が得られるから、極めて合理的である。
また、図示例では折り曲げ部6をブロック継手2Bに対して設けたが、折り曲げ部6を他方のブロック継手2Aに対して設けても良いし、ブロック継手2A,2Bの双方に設けることでも良い。
さらに、上記では折り曲げ部6をセグメント1の接合端面1aから突出させて設け、他方のセグメント1にはその折り曲げ部6を挿入可能な溝5を設けたが、図8に示すように、折り曲げ部6をセグメント1に埋設して溝5は嵌合部4のみが挿入される程度に浅くしても良い。この場合、折り曲げ部6の変形がセグメント1によって拘束されないように、少なくとも折り曲げ部6の周囲には適宜の緩衝材7を装着してセグメント1に対して構造的に絶縁しておけば良い。
また、本発明のブロック継手は上記実施形態のようにトンネル覆工用のセグメント同士を接合するためのものとして好適であるが、本発明はそれに限定されるものではなく、セグメント以外の様々なセグメント同士を接合するための継手としても広く適用可能であることは言うまでもない。
Claims (2)
- コンクリート製の一対のセグメントの双方の接合端面に設けられ前記一対のセグメントの接合端面同士をトンネル軸方向の一方向に摺動させて嵌合接合する嵌合部を有するブロック継手であって、
前記ブロック継手は、前記接合端面に形成される溝内に突出する嵌合部と、セグメントに定着される定着部と、からなり、
前記嵌合部はセグメントの摺動方向に延在設置されるとともに摺動方向では同一断面をなし、
前記嵌合部が延在する方向の嵌合部軸は、前記トンネル軸方向で一方のセグメントを他方のセグメントに対して近づく方向に摺動させるに従い、前記一方のセグメントが前記他方のセグメントにトンネル周方向に近づくように傾斜させて配置され、
前記嵌合部の傾斜角は、互いに接合される双方の嵌合部のそれぞれの軸線がほぼ平行となり、
前記嵌合部同士の嵌合当初において双方の嵌合部の間に遊びが生じており、
前記嵌合部は直線形鋼矢板の嵌合部であり、前記定着部は直線形鋼矢板の板部であり、
前記板部は、前記嵌合部との接続部まで前記セグメントのコンクリートに埋設され、
前記嵌合部は、断面C形状をなし、当該嵌合部のうちC状外周面の一部分が前記セグメントの前記接合端面のコンクリートに埋設され、埋設されていない他の部分の一部分が前記溝内に位置し、
一対のセグメントの嵌合部同士を嵌合させた状態で、前記一対のセグメント同士が接合されていることを特徴とするブロック継手。 - 請求項1記載のブロック継手が組み込まれて、該ブロック継手により接合されることを特徴とするセグメント。
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