JP4751207B2 - 円形鋼管柱とh形断面鋼梁の接続構造及び当該接続構造を用いた橋脚 - Google Patents

円形鋼管柱とh形断面鋼梁の接続構造及び当該接続構造を用いた橋脚 Download PDF

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Description

本発明は、円形鋼管柱とH形断面鋼梁により構成される建造物の接続構造、及び円形鋼管柱の外周に嵌挿された円形さや管とH形断面鋼梁との接続構造に関する。更には、当該接続構造を用いて円形鋼管柱を連結して構成される橋脚に関する。
図3に示すように、円形鋼管柱1とH形断面鋼梁2(以下 鋼梁と称する)の接続構造としては、円形鋼管柱1内部にダイヤフラム3を配置し、ダイヤフラム3と鋼梁2のフランジ5を接続する通しダイヤフラム形式と、図4に示すように、円形鋼管柱1の外周に環状の外ダイヤフラム4を配置し、外ダイヤフラム4と鋼梁2のフランジ5を接続する外ダイヤフラム形式とが知られている。
さらに、前記外ダイヤフラム形式において、外ダイヤフラム4が外側に突出することによる、輸送性の難点および建築物の内部空間の制約を回避し、かつ鋼梁の荷重を柱部材に伝達する手段として、特許文献1および特許文献2が開示されている。
特許文献1に記載の発明は、外ダイヤフラムを鋼管柱の周面約90度に分割したリングスチフナーを用いることで、鋼管柱と鋼梁の接続構造を省スペース的に構成する発明である。一方、特許文献2に記載の発明は、コンクリート柱の周囲に配置された接続用鋼管と鋼梁の接続構造において、鋼梁フランジが接続用鋼管に近づくにつれて拡幅することで建築物内部空間を広くすることを特徴とする発明である。
また、円形鋼管柱1と鋼梁2の施工誤差を許容し、施工の簡略化を図る手段として、特許文献3、特許文献4および特許文献5には、図5に示すように、円形さや管7を介して接続する方法が開示されている。
特許文献3および特許文献4に記載の発明は、鋼管柱の外径より内径が大径で柱との間に所要のクリアランスを形成する鋼管製リングとガセットからなる接合リングを鋼管柱に嵌挿する接続構造であり、鋼管柱の運搬や施工時にガセットが配置されていないために、作業性を改善することができる。さらに、クリアランスを有するために柱の施工誤差の吸収が容易である。
特許文献5に記載の発明は、鋼管柱内に中空内筒管を内挿し、コンクリートを充填して一体化する接続構造であり、現場溶接の品質信頼性を解決することができる。
なお、これら特許文献3から5に記載の円形さや管と鋼梁の接続構造において、円形さや管内に通しダイヤフラムを配置すると嵌挿を阻害するとともに、コンクリート打設の充填性を低下することから、一般に外ダイヤフラム形式が用いられる。
ところで、特許文献6では、複数本の円形鋼管柱(特許文献6では「鋼管杭」と記載)を、低降伏点鋼材を用いた鋼梁(特許文献6では「つなぎ部材」と記載)で連結して1組の橋脚を構成する耐震橋脚に関する発明が開示されている。この発明は、地震力が作用した場合に、円形鋼管柱より鋼梁が先に降伏することにより、円形鋼管柱を損傷させずに地震力から保護することができる。
特開2002−161581号公報 特開2004−108063号公報 特開平5−214736号公報 特開平7−180165号公報 特開平5−311746号公報 特開2005−299080号公報
通しダイヤフラム形式や外ダイヤフラム形式は、鋼梁2のフランジ5に作用する荷重をダイヤフラムに伝達するため、強固な接続構造とすることができる。ここで、通しダイヤフラム形式の製作は、鋼管柱1を切断し、ダイヤフラム3を溶接した後に再度鋼管柱を溶接接続することにより行われているため、ダイヤフラム形式は、鋼管の切断、再溶接といった加工に多大な手間がかかることが課題である。また、鋼管内にコンクリートを充填する場合にはダイヤフラム3が充填性を阻害するばかりでなく、ダイヤフラム3近傍に未充填部が発生する課題がある。
一方、外ダイヤフラム形式の製作は、鋼管柱1の外周に丁度嵌る大きさの環状の外ダイヤフラム4を鋼板から切り出しにより製作し、この外ダイヤフラム4を鋼管柱1に嵌め通して、鋼梁2のフランジ5の接続位置で鋼管柱1に溶接接合することにより行われている。ここで、このような外ダイヤフラム形式では、外ダイヤフラム4の製作時に鋼板から環状の板を切り出すために、鋼板に多くの無駄が生じ、材料の歩留まりが悪くなる課題がある。
また、外ダイヤフラム形式では鋼梁接続範囲以外にも突出部があるため、輸送性に課題があるとともに、輸送時および建て込み時に他物に衝突して突出部が変形や損傷を生じる恐れがある。
また、特に敷地制約がある場合には、突出部の分だけ鋼管柱を内側に配置する必要があることから、空間の有効利用の妨げとなり、不経済な構造となる。さらには、突出部は雨水や埃などが溜まりやすいために耐久性が好ましくなく、美観上も好ましくないことが課題である。
特許文献1に記載の発明では、外ダイヤフラムを分割しているが、鋼管柱の鋼梁の接続部と直交する断面において、従来の外ダイヤフラムと同様な突出部があるために、輸送性の難点は解決されておらず、さらには空間の有効利用の妨げとなり不経済な構造となる。
一方、特許文献2に記載の発明は、コンクリート柱を対象とした発明であり、本発明が対象とする円形鋼管柱とは荷重伝達機構が異なる構造ではあるが、接続部においてフランジが拡幅されている構造を有している。
しかしながら、文献記載の発明で示されているフランジの拡幅は、鋼梁の曲げ耐力を補強しているものであり、鋼梁に荷重が作用すると、接続用鋼管に容易に変形が生じるために、鋼梁の荷重を接続用鋼管に確実に伝達できないことが課題である。さらには、隣り合って接続される鋼梁の拡幅部同士が離間していることが示されているが、円形鋼管断面の中心角度は90度未満としていることが判る。
また、円形さや管を用いた接続構造においては、外ダイヤフラム形式となるために、円形さや管形式の課題は前述の外ダイヤフラム形式と同様の課題がある。
ところで、特許文献4の図5には、接合リングとH型鋼梁が、外ダイヤフラムを用いずに直接固着された構造が示されている。しかし、円形さや管に鋼梁フランジが直接固着された場合には、鋼梁に作用する荷重に対して円形さや管が容易に変形が生じるために、鋼梁の荷重を円形鋼柱に確実に伝達することができない。

本発明においては、(1)鋼管の切断、再溶接などの製作手間を抑制して加工費用を削減し、材料の無駄を少なくした、安価な、(2)円形鋼管柱の輸送が容易で、輸送時や施工時における突出部の変形や損傷の恐れや、空間の有効利用の妨げがない、(3)鋼梁に作用する荷重を円形鋼管柱に確実に伝達し、円形鋼管柱の変形を抑制することができる強固な、円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造及び当該接続構造を用いた橋脚を提供することを目的とする。
前記の目的を有利に解決するために次のように構成する。
第1の発明は、ウエブ及びその両端に2つのフランジを有するH形断面鋼梁と円形鋼管柱との接続構造であって、前記鋼管柱の軸方向と前記鋼梁のフランジ間方向とを揃え、且つ前記鋼管柱の表面の形状に前記鋼梁の端部の形状を合せて、前記鋼管柱の表面に前記鋼梁の端部を固着し、更に、前記固着部における前記鋼梁のフランジは、前記鋼管柱周方向の固着範囲が前記鋼管柱断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されており、その拡幅部は、一枚の板厚でかつH形断面鋼梁のフランジが延長するようにフランジと同一厚とされていることを特徴とする。
第2の発明は、ウエブ及びその両端に2つのフランジを有するH形断面鋼梁と円形鋼管柱の外周に嵌挿された鋼製円形さや管との接続構造であって、前記さや管の軸方向と前記鋼梁のフランジ間方向とを揃え、且つ前記さや管の表面の形状に前記鋼梁の端部の形状を合せて、前記さや管の表面に前記鋼梁の端部を固着し、更に、前記固着部における前記鋼梁のフランジは、前記さや管周方向の固着範囲が前記さや管断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されており、その拡幅部は、一枚の板厚でかつH形断面鋼梁のフランジが延長するようにフランジと同一厚とされていることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、円形鋼管柱内にコンクリート又はモルタル等の充填硬化材が充填されていることを特徴とする。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、さや管と鋼管柱との間にコンクリート又はモルタル等の充填硬化材が充填されていることを特徴とする。
第5の発明は、橋脚において、2本の円形鋼管柱同士を、第1〜4の発明のいずれかの円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造を用いて連結したことを特徴とする。
第6の発明は、橋脚において、4本の円形鋼管柱をそれぞれ四隅に配置し、隣り合う前記鋼管柱同士を、第1〜4の発明のいずれかの円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造を用いて連結したことを特徴とする。
本発明によると、円形鋼管柱と鋼梁の接続構造において、鋼管の切断、再溶接などの製作手間を極力抑制することができる。
また、外ダイヤフラムの製作における、材料の無駄をなくすことができることにより、加工費用を削減した安価な接続構造とすることができる。
さらに従来の外ダイヤフラム形式と異なり、鋼梁接続範囲以外には円形鋼管柱から外側への突出部がなく、円形鋼管柱の輸送が容易となり、輸送時や施工時における突出部の変形や損傷の恐れや、空間の有効利用の妨げがなくなる。また、雨水や埃などの溜まりがなく、耐久性や美観性に優れた接続構造を提供することができる。
また、円形鋼管柱1内にコンクリート15を充填する構造の場合には、施工においてコンクリート充填の障害となる通しダイヤフラムがないために、密実にコンクリートを充填することができ、品質に優れた接続構造とすることができる。
さらには、鋼梁2に作用する荷重を円形鋼管柱1に確実に伝達し、円形鋼管柱1の変形を抑制することができるために、強固な接続構造を提供することができる。
本発明は、円形鋼管柱と鋼梁の接続構造において、製作費用が安価で、空間の有効利用を可能とし、強固な接続構造の形成を目的とした発明である。以下、この発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
ウエブ及びその両端に2つのフランジを有するH形断面鋼梁と円形鋼管柱との接続構造であって、前記鋼管柱の軸方向と前記鋼梁のフランジ間方向とを揃え、且つ前記鋼管柱の表面の形状に前記鋼梁の端部の形状を合せて、前記鋼管柱の表面に前記鋼梁の端部を固着し、更に、前記固着部における前記鋼梁のフランジは、前記鋼管柱周方向の固着範囲が前記鋼管柱断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されている
図1は、本発明の第一実施形態に係る円形鋼管柱1と鋼梁2の接続構造を示す図である。図1に示すように、円形鋼管柱1とウエブ6及びその両端に2つのフランジ5を有するH型断面の鋼梁2が、円形鋼管柱1の軸方向(図の上下方向)と鋼梁2のフランジ間方向(図の上下方向)とを揃え、且つ円形鋼管柱1の表面の形状に鋼梁2の端部の形状を合せて(鋼管柱の曲率に合わせる)、前記鋼管柱の表面に前記鋼梁の端部を固着して、円形鋼管柱1と鋼梁2が接続されている。円形鋼管柱1の軸方向(図の上下方向)と鋼梁2のフランジ間方向(図の上下方向)とは平行に同面上に揃えられていることにより、前記鋼管柱周方向の固着範囲が前記鋼管柱断面の中心との成す角を、円形鋼管柱の軸方向に直角な平面上で規定する単純化ができる。
円形鋼管柱1表面への鋼梁2の固着は、鋼梁2のフランジ5およびウェブ6が溶接により固着されている。
固着部における鋼梁2のフランジ5は、円形鋼管柱1周方向の固着範囲が円形鋼管柱1の断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されている。すなわち、鋼管断面の中心11とフランジ拡幅部巾方向両端部のフランジ接続外縁12を結ぶ各直線13間の角度を中心角度9(α)とすると、中心角度9(α)は90度以上180度以下となるようにフランジ拡幅部10が形成されている。
尚、図1においては、フランジ拡幅部10の側部は直線形状としているが、曲線形状や、直線を複数組合せた折れ線形状であっても構わない。特に、円形鋼管柱1周方向の固着範囲が円形鋼管柱1の断面の中心との成す角において180度とした場合は、曲線又は折れ線形状とすることが必要となる。
また、円形鋼管柱1周方向の固着範囲が円形鋼管柱1の断面の中心との成す角において90度以上とは、制作上の誤差は許容するものであり、僅かに90度を下回る程度(例えば90度マイナス数度)は、発明の作用効果上問題ない。
また、図1に示すように、フランジ拡幅部10はウエブ6に対して略対称形とすることが加工が容易で好ましいが、対称形となっていなくても構わない。
これにより、通しダイヤフラム形式や外ダイヤフラム形式と異なり、加工度を飛躍的に省略することができ、製作費を安価にすることができる。また、外ダイヤフラム形式のように鋼梁接続範囲以外の突出部がないために、輸送が容易となり、かつ輸送時や施工時における突出部の変形や損傷の恐れがない。
また、敷地制約がある場合には、鋼管柱を最外縁に配置することができ、空間の有効利用を図り、かつ経済的な構造物の構築を可能とする。さらには、中心角度9(α)が90度以上の範囲にフランジ拡幅部10が形成されているために、フランジ5の荷重を確実に円形鋼管柱1に伝達し、強固な接続構造とすることができる。また、中心角度9(α)が、180度超になると、フランジ5の巾が鋼管柱1の直径以上となるため、突出部を生じるようになり好ましくないため、上限を180度以下に設定する。
なお、拡幅部10の寸法形状については、フランジ接続外縁12からフランジ5一般部へなめらかに荷重が伝達されるように、フランジ接続外縁12における鋼管接線14よりもフランジ拡幅部10が大きくなるように形成されることが望ましい。
なお、円形鋼管柱1とフランジ5(拡幅部10)との接続は溶接により接続されるものであり、一般に突き合わせ溶接が望ましい。また、フランジの拡幅部の加工においては、拡幅部を形成した厚板の溶接組み立て、もしくは圧延H形鋼の一部に厚板を接続することにより製作される。
さらに、図1では鋼梁2は一体構造で図示されているが、現場での組み立てを考慮すると、工場加工にて拡幅部付近まであらかじめ円形鋼管柱に接続した部材を現地で建て込み、連結する鋼梁をボルト接続により連結する構造としても構わない。
図2は、本発明の第二実施形態に係る円形鋼管柱1と鋼梁2の接続構造を示す図である。図2に示すように、第二実施形態では、円形鋼管柱1の外周に円形鋼管柱1の外径より大きな内径を有する円形さや管7が嵌挿されており、この円形さや管7の表面に鋼梁2が、第一実施形態と同様に固着されることで、円形鋼管柱1と鋼梁2が接続される。
すなわち、円形さや管7に鋼梁2のフランジ5およびウェブ6が溶接により固着されている。鋼管の断面中心11とフランジ接続外縁12を結ぶ直線(法線)13の角度を中心角度9(α)とすると、中心角度9(α)は少なくとも90度となるようにフランジ拡幅部10が形成されている。従来の外ダイヤフラム形式を用いた接続構造と異なり、加工度を飛躍的に省略することができ、製作費を安価にすることができる。また、中心角度9(α)が90度以上の範囲にフランジ拡幅部がされているために、フランジ5の荷重を確実に円形さや管7に伝達し、強固な接続構造とすることができる。
円形鋼管柱1と円形さや管7の間隙にはコンクリート8又はモルタル等の充填硬化材が充填されることが好ましい。充填硬化材としては、エポキシやアクリル等の有機系のものでも構わない。尚、充填硬化材を充填しない場合は、円形鋼管柱1と円形さや管7を接続するために、さや管上下部にリング状の鋼材を溶接して固着接続することができる。
本発明の第三実施形態は、図1および図2の円形鋼管柱1内にコンクリートを充填した構造(図示せず)である。また、図2の円形鋼管柱1と円形さや管7の接続範囲において、せん断力を伝達することを目的として、円形鋼管柱1の外面と円形さや管7の内面に突起などのずれ止め(図示せず)を配置してもよい。
ここで、鋼管断面の中心角度9(α)が90度以上の範囲にフランジ拡幅部10が形成されていることにより、強固な接続構造となる理由を説明する。
図6(a)はコンクリートを充填した円形鋼管柱1と鋼梁2のフランジ5が拡幅せずに直接固着した構造を示している。この場合、一般的には鋼管断面の中心角度9(α)は20度から50度程度である。フランジ5に矢印で示す引張力が作用した場合には、円形鋼管柱1に面外方向の荷重が作用するため、図6(b)に示すように円形鋼管柱1は容易に面外方向に変形が生じる。これはフランジ5に均等な引張力が作用しても、円形鋼管柱1と鋼梁2の接続部ではフランジ接続外縁12に荷重が集中するためである。すなわち、フランジ接続外縁12での力は、鋼管(円形鋼管柱)の接線方向力17と法線方向力16に分割することができるが、鋼管の接線方向力17には鋼管は高い抵抗力を発揮するが、法線方向力16の抵抗力が極めて小さいために面外方向に変形が生じる。本来、円形鋼管柱1と鋼梁2の接続構造には強固な耐力と剛度が必要とされるが、鋼管断面の中心角度9(α)が小さい場合には、面外方向への変形が大きくなり必要な接続耐力および接続剛度を確保できなくなる。
図7(a)は、コンクリートを充填した円形鋼管柱1と鋼梁2のフランジ5との接続部において、フランジ5が円形鋼管柱1の鋼管断面の中心角度9(α)が90度以上に拡幅されて固着した構造を示している。フランジ5に引張力が作用した場合には、図7(b)に示すように、図6(b)と同様に円形鋼管柱1に面外変形が生じる。しかし、フランジ接続外縁12において、鋼管の接線方向力17と法線方向力16に分割すると、鋼管断面の中心角度9(α)が90度以上の場合には、法線方向力16は小さくなるため面外変形量が飛躍的に小さくなる。一方、接線方向力17が大きくなるため円形鋼管柱1への伝達力が飛躍的に増加することとなる。従って、鋼管断面の中心角度9(α)が90度以上の場合には、外ダイヤフラムを配置することなく、強固で剛度の高い接続構造となる。
ここで、鋼管断面の中心角度(α)の異なる接続構造を対象とした解析例を示す。図8は、外径が610mm、板厚が12.7mmのコンクリートを充填した円形鋼管柱と板幅120mm、板厚12mmのフランジを接続した構造を対象とした解析を行った。解析のケースはフランジの拡幅がないケース、中心角度(α)が46度の範囲にフランジを拡幅したケース、および中心角度(α)が90度の範囲にフランジを拡幅したケースである。ここで、フランジの拡幅がないケースの中心角度(α)は23度である。また、フランジの降伏強度は570kNである。
図8は、前記の3ケースで得られたフランジに作用した引張荷重を縦軸に、フランジの変位量を横軸に示した図である。フランジの拡幅がない(中心角度23度)ケースは荷重の増大に伴い大きな変形が生じており、フランジの降伏荷重(570kN)まで達していない。このことは、フランジに拡幅部がない場合には、フランジの伸びに加えて、フランジと鋼管の接続部の変形が累加されて発生し、その結果フランジの降伏荷重より小さな荷重で鋼管接続部が破壊に至っていることを示している。
中心角度(α)が46度のケースでは、フランジの拡幅がないケースと比較してフランジ変位が小さくなっており、最終的には降伏荷重(570kN)には達しているが、この段階で既に鋼管接続部に大きな変形が生じていることを示している。
一方、中心角度(α)が90度のケースでは、降伏荷重(570kN)まで線形で変形を生じており、フランジの降伏荷重(570kN)に達した後に、明確な折れ曲がりを生じて変形が増加している。このことは、鋼管接続部の変形が生じずに、フランジの変形のみが発生していることを示している。すなわち、中心角度(α)23度ではフランジの降伏荷重に達する前に接続部が破壊し、中心角度46度では降伏荷重には達しているが鋼管接続部に大きな変形が生じるために接合部の剛性を確保されていない。一方、中心角度(α)90度であれば、フランジの降伏荷重と接続部の剛性が確保できることを示している。
本発明の第四実施形態である橋脚を図9に示している。第四実施形態は、4本の円形鋼管柱1を四隅に配置し、4本の鋼梁2で隣合う円形鋼管柱1同士を連結した構造である。鋼梁フランジ5と円形鋼管柱1との取り付け範囲が鋼管断面の中心角度9(α)が90度以上に拡幅することにより、4本の鋼管柱の外周への突出がなくなるために、特に敷地制約がある場合には、円形鋼管柱1を最も外縁に配置することができ、空間を有効に利用することができる。さらには、景観性にも優れ、耐久性にも優れた構造とすることができる。
また、円形鋼管柱1の外周に化粧壁18を配置する場合にも断面形状を小さくすることができる。
一方、図11には4本の円形鋼管柱1を4本の鋼梁2で連結した構造において、従来の外ダイヤフラム形式を用いた断面図を示している。本発明の図9と比較して、外ダイヤフラム4が円形鋼管柱1の外側に突出するために、敷地制約がある場合には、円形鋼管柱1を内側に配置する必要があり、空間の有効利用ができない。さらには、景観性や耐久性の課題もある。また、化粧壁を配置する場合には、さらに外部へ張り出すことが必要となり、敷地制約や、基礎構造寸法の制約がある場合には、空間の有効利用ができず、不経済な構造となる。
なお、図9では4本の円形鋼管柱を対象として示したが、図10に2本の円形鋼管柱1を鋼梁2で連結した本発明の実施例を示している。このように、本発明は2本の円形鋼管柱より構成される橋脚にも同様に適用される。
本発明の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造の一形態を示す図であり、(a)は接続構造の縦断面図を、(b)は接続構造の横断面図を示すものである。 本発明の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造の別な形態を示す図であり、(a)は接続構造の縦断面図を、(b)は接続構造の横断面図を示すものである。 従来の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造を示す図であり、(a)は接続構造の縦断面図を、(b)は接続構造の横断面図を示すものである。 従来の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造を示す図であり、(a)は接続構造の縦断面図を、(b)は接続構造の横断面図を示すものである。 従来の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造を示す図であり、(a)は接続構造の縦断面図を、(b)は接続構造の横断面図を示すものである。 従来の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造の荷重伝達メカニズムを説明する図であり、(a)は横断面図を、(b)は荷重作用時の変形図である。 本発明の円形鋼管柱と鋼梁の接続構造の荷重伝達メカニズムを説明する図であり、(a)は横断面図を、(b)は荷重作用時の変形図である。 円形鋼管柱と鋼梁接続構造の解析例の結果を示す図である。 本発明による4本の鋼管柱と4本の鋼梁で接続した断面図である。 本発明による2本の鋼管柱と2本の鋼梁で接続した断面図である。 従来技術による4本の鋼管柱と4本の鋼梁で接続した断面図である。
符号の説明
1 円形鋼管柱
2 H形断面鋼梁
3 通しダイヤフラム
4 外ダイヤフラム
5 フランジ
6 ウェブ
7 円形さや管
8 コンクリート
9 鋼管断面の中心角度
10 拡幅部
11 鋼管断面の中心
12 フランジ接続外縁
13 フランジ接続外縁の鋼管法線
14 フランジ接続外縁の鋼管接線
15 コンクリート
16 フランジ接続外縁の法線方向力
17 フランジ接続外縁の接線方向力
18 化粧壁

Claims (6)

  1. ウエブ及びその両端に2つのフランジを有するH形断面鋼梁と円形鋼管柱との接続構造であって、前記鋼管柱の軸方向と前記鋼梁のフランジ間方向とを揃え、且つ前記鋼管柱の表面の形状に前記鋼梁の端部の形状を合せて、前記鋼管柱の表面に前記鋼梁の端部を固着し、更に、前記固着部における前記鋼梁のフランジは、前記鋼管柱周方向の固着範囲が前記鋼管柱断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されており、その拡幅部は、一枚の板厚でかつH形断面鋼梁のフランジが延長するようにフランジと同一厚とされていることを特徴とする円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造。
  2. ウエブ及びその両端に2つのフランジを有するH形断面鋼梁と円形鋼管柱の外周に嵌挿された鋼製円形さや管との接続構造であって、前記さや管の軸方向と前記鋼梁のフランジ間方向とを揃え、且つ前記さや管の表面の形状に前記鋼梁の端部の形状を合せて、前記さや管の表面に前記鋼梁の端部を固着し、更に、前記固着部における前記鋼梁のフランジは、前記さや管周方向の固着範囲が前記さや管断面の中心との成す角において90度以上180度以下になるように、拡幅されており、その拡幅部は、一枚の板厚でかつH形断面鋼梁のフランジが延長するようにフランジと同一厚とされていることを特徴とする円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造。
  3. 前記円形鋼管柱内にコンクリート又はモルタル等の充填硬化材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2記載の円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造。
  4. 前記さや管と前記鋼管柱との間にコンクリート又はモルタル等の充填硬化材が充填されていることを特徴とする請求項2又は3記載の円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造。
  5. 2本の円形鋼管柱同士を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造を用いて連結したことを特徴とする橋脚。
  6. 4本の円形鋼管柱をそれぞれ四隅に配置し、隣り合う前記鋼管柱同士を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の円形鋼管柱とH形断面鋼梁の接続構造を用いて連結したことを特徴とする橋脚。
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