JP5222584B2 - コンクリート構造体 - Google Patents

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本発明は、コンクリート内に鋼材を配置させたコンクリート構造体に関する。
従来、橋梁、道路などに使用されるプレキャスト床版や、コンクリート構造体では、コンクリート内にH型鋼や溝形鋼等の鋼材(スチール)を入れることで強度を向上させたSRC(Steel frame Reinforced Concrete)造のものが用いられ、例えば、特許文献1、特許文献2などによって知られている。特許文献1、2のコンクリート構造体は、シールド工法によって地山に掘削穴を掘削しつつ、その内面に円弧板状のセグメントを周方向および軸方向に複数連結して構築されるセグメントである。
すなわち、特許文献1に記載のセグメントは、トンネル周方向に沿って湾曲形成された補強用鉄骨材(鋼材)を備え、その補強用鉄骨材の表面に凹部や凸部を設けることでコンクリートとの付着力を向上させるようにしたものである。
また、特許文献2に記載のセグメントは、トンネル周方向に沿って湾曲形成された補強用鉄骨材(鋼材)がトンネル軸方向に所定間隔をもって複数備えられ、それら補強用鉄骨材の間にトンネル周方向にセグメント同士を接合するための継手部が配置された構成となっている。
特開平8−109704号公報 特開2001−27099号公報
しかしながら、従来のSRC造のセグメントなどのコンクリート構造体では以下のような問題があった。
すなわち、一般にトンネル内に組み立てられたセグメントには、地山から外力(地山の荷重)がかかっている。そのため、トンネルの周方向に接合するためのセグメントの接合面には、曲げ変形が作用することになり、セグメントの内周面側で接合面同士が開くように引張力が作用するとともに、外周面側でトンネル周方向に圧縮力が作用している。
そして、特許文献1及び特許文献2のSRC造のセグメントでは、継手部からコンクリート内に設けられた補強用鉄骨材に、上述したトンネル周方向に作用する圧縮力が伝達される構造になっていないうえ、接合面における継手部を除いた部分がコンクリートとなっているため、とくにセグメントの外周面側における前記圧縮力によってコンクリートに割れや欠けが生じて破壊されるという問題があった。さらに、前記圧縮力に対応させるためにセグメントの厚さ寸法を大きくすると、材料コストが増大するという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、低コストで且つ高強度な構造とすることで、コンクリートの破壊を抑制することができるコンクリート構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るコンクリート構造体では、コンクリート内に鋼材が配置され、連結方向に接合面と該接合面同士を連結するボルト継手を有するコンクリート構造体であって、鋼材は、連結方向に沿って延びる主鋼材を有し、主鋼材の長手方向の両端部が接合面に露出してなり、
接合面同士を接合させたときに、前記ボルト継手とは別個に主鋼材の端部同士が接するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係るコンクリート構造体では、コンクリート内に鋼材が配置され、連結方向に接合面と該接合面同士を連結するボルト継手を有するコンクリート構造体であって、鋼材は、連結方向に沿って延びる主鋼材を有し、主鋼材の長手方向の両端部に伝達部材が固定され、伝達部材が接合面に露出してなり、接合面同士を接合させたときに、前記ボルト継手とは別個に伝達部材同士が接するように構成されていることを特徴としている。
本発明では、連結方向に沿った主鋼材の長手方向の両端部(或いは両端部に固定された伝達部材)がコンクリート構造体の接合面に露出しているので、複数のコンクリート構造体が連結された状態において、隣接するコンクリート構造体のそれぞれの主鋼材同士が連結方向に連続した状態となるため、その連結方向に作用する力を主鋼材の長手方向に伝達することができる。そのため、コンクリート構造体の連結方向に作用する圧縮力に抵抗する構造となり、コンクリート構造体におけるコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させ、コンクリートの破壊を抑制することができる。
例えば、コンクリート構造体がセグメントの場合において、セグメントの厚さ方向で外周側に主鋼材を配置させ、そのセグメントをトンネル内にリング状に配設させたときに、地山から受ける外力によってセグメントに曲げ変形が生じ、セグメントの外周側の位置で周方向に圧縮力が作用し、同じく内周側の位置で引張力が作用する。このとき、外周側の圧縮力が隣接するセグメント外周側に配置される主鋼材の長手方向に伝達することになり、主鋼材によって圧縮力に抵抗するので、セグメントのコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させることができる。したがって、セグメントの厚さ寸法を小さくすることができるという効果を奏する。
また、コンクリート構造体が床版の場合において、床版の厚さ方向に複数の主鋼材を配置させたときには、床版の接合面全体にわたって連結方向に圧縮力が作用する。このとき、その圧縮力が隣接する床版の全ての主鋼材の長手方向に伝達され、主鋼材が圧縮力に抵抗することになるので、床版のコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させることができる。したがって、床版の厚さ寸法を小さくすることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリート構造体では、主鋼材は、その長手方向に略直交する方向に複数設けられ、それらの端部同士が連結部材で連結されていることを特徴とする。
本発明では、外部からの荷重によってコンクリート構造体の連結方向に作用する圧縮力を、複数の主鋼材のそれぞれにほぼ均等となるように分散させて負担させることができる。
本発明のコンクリート構造体によれば、コンクリート構造体の連結方向に作用する力がその連結方向に配置される主鋼材の長手方向に伝達され、例えばコンクリート構造体の連結方向に作用する圧縮力に抵抗することができるので、コンクリート構造体のコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させることができ、コンクリートの破壊を抑制する高強度な構造を実現することが可能となる。したがって、コンクリート構造体の厚さ寸法を小さくすることができ、材料コストの低減を図ることができる。
以下、本発明に係るコンクリート構造体の第1の実施の形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態によるセグメントの斜視図、図2は図1に示す鋼材の斜視図、図3は図1に示すセグメントのA−A矢視図、図4は図1に示すセグメントのB−B断面図、図5はセグメントの接合面の状態を示す要部側面図である。
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態によるセグメント1(コンクリート構造体)を示す。このセグメント1は、例えばシールド工法によって道路などのトンネルの内壁に構築されるトンネル覆工体(筒状壁体)を形成するものであり、コンクリート3内に鋼材2を配置させて略円弧板状に湾曲されたSRC(Steel frame Reinforced Concrete)造のセグメントである。
そして、図1に示すように、セグメント1の短辺側(トンネルの軸方向に沿う辺側)の側面である接合面4には、トンネル周方向(セグメント間)を連結するためのボルト継手(図示省略)が設けられている。また、長辺側(トンネルの周方向に沿う辺側)の側面である主桁面6には、トンネルの軸方向(リング間)を連結するためのボルト継手(図示省略)が設けられている。
次に、セグメント1の鋼材2について図面に基づいて説明する。
図2に示すように、鋼材2は、セグメント1におけるトンネルの地山側に寄った外周面側に配置される第1主鋼材10A、11A、12Aと、トンネルの内空側に寄った内周面側に第1主鋼材10A、11A、12Aのそれぞれに対向して配置される第2主鋼材10B、11B、12Bとを備えている。ここで、以下の説明では、必要に応じて主構造を単に符号10、11、12で表すものとする。
図3に示すように、第1主鋼材10A、11A、12A、及び第2主鋼材10B、11B、12Bは、それぞれが平板形状をなし、トンネル周方向に沿うように湾曲して形成されている。対向する主鋼材10A、10Bと、対向する主鋼材11A、11Bと、対向する主鋼材12A、12Bとのそれぞれは、トンネル軸方向に所定間隔をもって略平行に配置されている。
図3及び図4に示すように、第1主鋼材10A、11A、12A、及び各第2主鋼材10B、11B、12Bは、コンクリート3に埋設されている。なお、図4では符号10(10A、10B)の主鋼材を示した図をなしているが、符号11(11A、11B)、12(12A、12B)の主鋼材についても符号10と同様の構成となっている。そして、第1主鋼材10A、11A、12A、及び第2主鋼材10B、11B、12Bのそれぞれは、長辺方向の両端部10a、11a、12aが接合面4に面一の状態で露出した状態となっている。
そして、対向配置されている第1主鋼材10A及び第2主鋼材10B、同じく第1主鋼材11A及び第2主鋼材11B、同じく第1主鋼材12A及び第2主鋼材10Bは、側面視で略V字状をなすラチス13によって互いに連結されている。
次に、上述したように構成されるセグメント1をトンネル内に配設したときに生じる作用について図面に基づいて説明する。
図5に示すように、セグメント1は、トンネル内に配設された状態で地山から受ける外力P(すなわち、地山の荷重等)によってセグメント1に曲げ変形が生じ、セグメント1の内周面側の位置で矢印F1、F2に示すように接合面4、4同士がトンネル周方向に開く方向への引張力が作用し、セグメント1の外周面側の位置で矢印E1、E2に示すように接合面4、4同士が互いにトンネル周方向へ押圧される方向への圧縮力が作用する。
ここで、図3に示すように、セグメント1は、トンネル周方向に沿った第1主鋼材10A、11A、12A、及び第2主鋼材10B、11B、12Bのそれぞれの長手方向の両端部10a、11a、12aが接合面4に露出しているので、トンネル周方向に隣接するセグメント1、1のそれぞれの主鋼材10、10同士、主鋼材11、11同士、及び主鋼材12、12同士がトンネル周方向(連結方向)に連続した状態となり、セグメント1の外周側の圧縮力が隣接するセグメント外周側に配置される第1主鋼材10A、11A、12Aの長手方向に伝達され、それら第1主鋼材10A、11A、12Aが圧縮力に抵抗することになるので、セグメント1のコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させることができ、コンクリート3の破壊を抑制することができる。
なお、セグメント1には、接合面4に引張部材をなす継手金物(図示省略)が設けられており、互いの接合面4,4の継手金物同士が接合された状態となっているので、内周面側に作用する引張力(つまり接合面4,4どうしが開く方向に作用する力)に抵抗することができ、外周面側にかかる圧縮力を低減させることができる。そのため、セグメント1の厚さ寸法(桁高寸法)を薄くすることが可能となる。
上述した本第1の実施の形態によるコンクリート構造体では、セグメント1のトンネル周方向(連結方向)に作用する力が主鋼材10、11、12の長手方向に伝達され、セグメント1の連結方向に作用する圧縮力に抵抗することができるので、セグメント1のコンクリート部分で負担する圧縮力を低減させることができ、コンクリート3の破壊を抑制する高強度な構造を実現することが可能となる。したがって、セグメント1の厚さ寸法を小さくすることができ、材料コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態の第1乃至第3変形例、および第2の実施の形態について、図6乃至図9などに基づいて説明するが、上述の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施の形態と異なる構成について説明する。
図6は第1の実施の形態の第1変形例によるセグメントの構造を示す図であって、(a)は図2に対応する図、(b)は(a)のC−C断面図である。
図6(a)に示すように、第1変形例によるセグメント1Aは、セグメント1の外周面側に位置する第1主鋼材10A、11A、12Aのそれぞれの端部10a、11a、12a同士が接合面4の面方向に沿う第1連結部材14、14によって連結され、セグメント1の内周面側に位置する第2主鋼材10B、11B、12Bのそれぞれの端部10a、11a、12a同士が接合面4の面方向に沿う第2連結部材15、15によって連結された構成となっている。
第1変形例では、上述した第1の実施の形態と同様の作用、効果が得られるとともに、地山の荷重(外力)によってセグメント1Aの外周面側でトンネル周方向に作用する圧縮力を、各主鋼材10、11、12にほぼ均等となるように分散させて負担させることができる。
次に、図7は第2変形例によるセグメントの構造を示す図であって、(a)は図2に対応する図、(b)は(a)のD−D断面図である。
図7(a)及び(b)に示すように、第2変形例によるセグメント1Bは、第1主鋼材10A、11A、12A及び第2主鋼材10B、11B、12Bの長手方向の両端部10a、11a、12aに伝達部材16が固定され、その伝達部材16が接合面4に露出された構成となっている。つまり、上述した第1変形例と同様に主鋼材10、11、12のそれぞれを接合面4に沿って連結した構成となっている。伝達部材16は、セグメント1Bの短手方向に延びる帯状板をなし、その裏面16aに主鋼材10、11、12の端部10a、11a、12aが固定されている。
第2変形例では、トンネル周方向に隣接するセグメント1B、1Bが接合面4、4で接合されたときに、互いの伝達部材16、16同士が当接する状態となり、隣接するセグメント1B、1Bにおけるそれぞれの主鋼材10、11、12同士が連続した状態となり、トンネル周方向に作用する力を主鋼材10、11、12の長手方向に伝達することができることから、上述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏する。
次に、図8は第3変形例によるセグメントの構造を示す図であって、図7(a)に対応する図である。
図8に示すように、第3変形例では、上述した第2変形例の伝達部材16を長手方向に3分割させた形状となっている。各伝達部材16A、16B、16Cの裏面には、それぞれに対応する主鋼材10、11、12が固定されている。本第3変形例では、各伝達部材16A、16B、16Cを介して隣接するセグメント1C、1Cの主鋼材同士が長手方向に連続し、伝達可能な構造となるので、上述した第2変形例と同様の効果を奏する。
次に、図9は本発明の第2の実施の形態によるプレキャスト床版の構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)は(a)のE−E断面図である。
第1の実施の形態、第1乃至第3変形例ではコンクリート構造体としてシールドトンネルに構築されるセグメント1、1A、1B、1C(図1、図6、図7、図8参照)としているが、図9に示す第2の実施の形態では、セグメント1、1A、1B、1Cに代えて橋梁、道路等に採用され、工場などで製造されるプレキャスト床版1Dを用いたものである。
図9(a)及び(b)に示すように、本プレキャスト床版1Dは、平面視略長方形の箱形状をなし、長辺方向の端面を接合面20a、20aとし、その接合面20a、20aに備えた図示しない継手によって隣接するプレキャスト床版1Dに接合される構成となっている。プレキャスト床版1Dは、コンクリート26内にプレキャスト床版1Dの短手方向に延びる上下一対の主鋼材21(21A、21B)、22(22A、22B)、23(23A、23B)、24(24A、24B)が設けられている。一対の主鋼材21、22、23、24同士は、第1及び第2の実施の形態と同様の平板部材25(接続部材)によって連結されている。そして、一対の主鋼材21、22、23、24の両端部21a、22a、23a、24aは、接合面20a、20aに露出した状態となっている。
第2の実施の形態によるプレキャスト床版1Dでは、複数のプレキャスト床版1Dが接合面20a、20aで連結されたとき、主鋼材21、22、23、24の端部21a、22a、23a、24a同士が接する状態となり、隣接するプレキャスト床版1D、1Dのそれぞれの主鋼材21、22、23、24同士が連結方向に連続した状態となる。
そのため、例えば設置されたプレキャスト床版1Dの上部を車両が走行するなどして荷重Pがかかったときに曲げ応力が作用して、内部の主鋼材21、22、23、24に沿った方向(つまりプレキャスト床版1Dの短手方向)に圧縮力が働いたときに、その圧縮力が主鋼材21、22、23、24の長手方向に伝達され、それら主鋼材21、22、23、24が圧縮力に抵抗することになるので、プレキャスト床版1Dのコンクリート部分で負担をする圧縮力を低減させることができ、コンクリート26の破壊を抑制する高強度な構造を実現できる。したがって、プレキャスト床版1Dの厚さ寸法(桁高寸法)を薄くすることが可能となり、上述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏する。
以上、本発明によるコンクリート構造体の第1及び第2の実施の形態、第1乃至第3変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、コンクリート構造体として、第1の実施の形態、第1乃至第3変形例ではセグメント1、1A、1B、1Cを対象とし、第2の実施の形態ではプレキャスト床版1Dを対象としているが、これらに制限されることはない。要は、コンクリート内に主鋼材が配置されたSRC造の構造体であって、その主鋼材の長手方向の端部がコンクリート構造体の接合面に露出していればよいのである。
また、本第1の実施の形態ではコンクリート3の内部にその厚さ方向で外周面側と内周面側とに主鋼材を配置させた構造であるが、主鋼材の位置は例えばセメントの厚さ方向で任意に設定することができる。そして、セグメントの構成として、例えば外周面にスキンプレートを配したセグメントであってもかまわない。つまり、外周面側の主鋼材が外周面のコンクリートと面一となるように配置され、その主鋼材とスキンプレートの内周面とが溶接手段等で接続された構成のセグメントを用いることもできる。
また、本第1の実施の形態及び第1及び第2変形例では1つのセグメント1に対して対向する主鋼材10、11、12をトンネル軸方向に3箇所設けているが、これに限定されることはなく、2箇所であっても、4箇所以上であってもかまわない。また、第2の実施の形態についても同様で1つのプレキャスト床版1Cに対して一対の主鋼材21、22、23、24が4つ設けられているが、この数量に限定されることはない。
すなわち、主鋼材、ラチスや平板部材の接続部材等の配置、形状、箇所数に限定されることはなく、トンネル外径寸法、セグメントやプレキャスト床版の形状、大きさ等の条件に応じて任意に設定することができる。例えば他の主鋼材として、断面形状で十字形、I字形、H字形、L字形、T字形などを採用することができ、さらに断面視で四角形状、円形状などの鋼管が採用できる。また、他の接続部材として、第2の実施の形態では、複数の平板部材25、25、…を主鋼材の長手方向に所定間隔をもって配置させているが、これに代えて一枚の平板部材を一対の主鋼材同士の間を塞ぐようにして、主鋼材の長手方向に沿って配置させるようにしてもよい。
さらに、コンクリート構造体として、セグメント1、1A、1Bやプレキャスト床版1Cであることに限定されることはなく、例えばSRC造をなす建築構造物の梁材や柱材などとして使用されるコンクリート構造体であってもかまわない。つまり、本発明のコンクリート構造体では、主鋼材のみならず、主鋼材の周りなどに適宜鉄筋が配置された周知のSRC構造が適用対象とされる。
さらにまた、コンクリート構造体の断面形状として、本実施の形態で示したセグメントやプレキャスト床版では略四角形状となっているが、この四角形状に制限されることはなく、この他に、例えば円形、多角形、十字形、I字形、H字形、L字形、T字形などの断面形状であってもかまわない。
また、コンクリート構造体の形態として、主鋼材が断面視で四角形や円形などの鋼管であって、その内部にコンクリートが充填されていない中空状態のコンクリート構造体であってもよい。
また、本第1の実施の形態では配置される主鋼材10、11、12のすべての両端部10a、11a、12aが接合面4に露出した状態としているが、このような形態に限定されることはなく、例えば地山の荷重等によってセグメント1の外周面に生じる圧縮力に対応できる範囲、つまり第1主鋼材10A、11A、12Aのみを接合面4に露出させるようにしてもかまわない。また、第2の実施の形態のプレキャスト床版1Cについても同様に、例えば上面側寄りに配置される第1主鋼材21A、22A、23A、24Aのみを接合面20aに露出させるようにしてもかまわない。要は、コンクリート構造体を設置して構築される構築物に作用する力の大きさや方向等に応じて接合面に露出させる主鋼材(或いは伝達部材)の形態を設定すればよいのである。
本発明の第1の実施の形態によるセグメントの斜視図である。 図1に示す鋼材の斜視図である。 図1に示すセグメントのA−A矢視図である。 図1に示すセグメントのB−B断面図である。 セグメントの接合面の状態を示す要部側面図である。 本第1の実施の形態の第1変形例によるセグメントの構造を示す図であって、(a)は図2に対応する図、(b)は(a)のC−C断面図である。 第2変形例によるセグメントの構造を示す図であって、(a)は図2に対応する図、(b)は(a)のD−D断面図である。 第3変形例によるセグメントの構造を示す図であって、図7(a)に対応する図である。 本発明の第2の実施の形態によるプレキャスト床版の構造を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)は(a)のE−E断面図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C セグメント(コンクリート構造体)
1D プレキャスト床版(コンクリート構造体)
2 鋼材
3、26 コンクリート
4 接合面
10、11、12、21、22、23、24 主鋼材
10a、11a、12a、21a、22a、23a、24a 端部
13 ラチス
14 第1連結部材
15 第2連結部材
16 伝達部材

Claims (3)

  1. コンクリート内に鋼材が配置され、連結方向に接合面と該接合面同士を連結するボルト継手を有するコンクリート構造体であって、
    前記鋼材は、連結方向に沿って延びる主鋼材を有し、
    前記主鋼材の長手方向の両端部が前記接合面に露出してなり、
    前記接合面同士を接合させたときに、前記ボルト継手とは別個に前記主鋼材の前記端部同士が接するように構成されていることを特徴とするコンクリート構造体。
  2. 前記主鋼材は、その長手方向に略直交する方向に複数設けられ、それらの端部同士が連結部材で連結されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造体。
  3. コンクリート内に鋼材が配置され、連結方向に接合面と該接合面同士を連結するボルト継手を有するコンクリート構造体であって、
    前記鋼材は、前記連結方向に沿って延びる主鋼材を有し、
    前記主鋼材の長手方向の両端部に伝達部材が固定され、該伝達部材が前記接合面に露出してなり、
    前記接合面同士を接合させたときに、前記ボルト継手とは別個に前記伝達部材同士が接するように構成されていることを特徴とするコンクリート構造体。
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