JP5739299B2 - トンネルのインバート構造及びインバートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の請求項1記載のトンネル11のインバート構造は、トンネル内円周の円弧37と該円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され前記弦39に凹状切欠部41を有する埋設仕切板29と、
トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板29を連結する連結板31と、
隣接する前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの底辺部41aに架橋される底板33と、
隣接する前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの側辺部41bに当接される側壁板35と、
で枠組構造体25が組み立てられ、
前記底板33と前記側壁板35とによって前記凹状切欠部41への打設が堰き止められたコンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体25を埋設して前記枠組構造体25と前記コンクリート27とが前記トンネル底部15に一体に構築されたことを特徴とする。
隣接する2枚の前記埋設仕切板29のそれぞれに形成される仕切板切込み43と、
それぞれの前記連結板31に形成される平行な2つの連結板切込み45と、
を相互に噛み合わせて前記枠組構造体25が井桁状となることを特徴とする。
前記埋設仕切板29には、前記凹状切欠部41の底辺部41aを延長して切り欠いて前記底板33の底板両側縁49を挿入する底板係止溝51が形成されることを特徴とする。
前記埋設仕切板29には、仕切板貫通部57が形成されることを特徴とする。
前記埋設仕切板29,前記連結板31,前記底板33,及び前記側壁板35が樹脂板からなり、かつ前記埋設仕切板29,前記連結板31,前記底板33,及び前記側壁板35の前記コンクリート27の打設される打設面には複数の平行なリブ67が打設面全面に形成されていることを特徴とする。
前記リブ67の先端に膨出形状部が形成されていることを特徴とする。
複数の前記リブ67が平行に形成された前記打設面には、前記リブ67を奥拡がりの形状で切り欠いた凹状切欠溝69が前記リブ67の並設方向に沿って形成されていることを特徴とする。
前記底板33と前記側壁板35とによって前記凹状切欠部41への打設を堰き止めながらコンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体25を埋設して前記枠組構造体25と前記コンクリート27とを前記トンネル底部15に一体に構築することを特徴とする。
図1は本発明に係る実施形態のインバート構造を備えたトンネルの斜視図である。
本実施形態に係るトンネル11のインバート構造は、複数のセグメント13を連結してなるシールドトンネルのトンネル底部15にインバート17を構築する際に好適に用いることができる。インバート17は、トンネル底部15において、トンネル軸線19に沿って連続する凹状の排水溝21と、この排水溝21を挟み左右に形成されて上面が平坦な作業床23と、を有する。本実施形態のインバート構造では、トンネル軸線19に沿って複数の枠組構造体25を設置したトンネル底部15にコンクリート27を打設し、その枠組構造体25を、一部分の埋設される仮枠として利用し、インバート17を構築する。すなわち、枠組構造体25は、コンクリート27に埋設される部分(埋め殺し部分)と、コンクリート27の表面を覆う部分となる溝内面被覆部分とに分かれて使用されることになる。
枠組構造体25は、埋設仕切板29と、連結板31と、底板33と、側壁板35と、からなる。埋設仕切板29は、トンネル内円周の円弧37と円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され弦39に凹状切欠部41を有する。この凹状切欠部41が排水溝21を形成する。凹状切欠部41を挟む左右の弦39は、作業床23に沿って直下で埋設される。
埋設仕切板29には、仕切板貫通部57が形成されることが好ましい。仕切板貫通部57は、図4(a)に示す丸穴61とすることができる。内周が閉じた丸穴61とすることで、埋設仕切板29の強度を低下させずに済む。また、仕切板貫通部57は、図4(b)に示すように、埋設仕切板29の上縁を切り欠いたU溝59であってもよい。上縁を切り欠いたU溝59によれば、作業床23の仕上げを容易にすることができる。また、仕切板貫通部57は、図4(c)に示すように、下縁を切り欠いたU溝59とすることもできる。下縁を切り欠いたU溝59とすることで、コンクリート27の打設の当初から枠組構造体相互間におけるコンクリート27の流動を良好にできる。
埋設仕切板29は、トンネル内円周の円弧37に合わせて円弧37を自在に形成することができる。例えば図3に示した埋設仕切板29を標準とした場合、それよりも小径のトンネル11の場合には、図5(a)に示すように、半径の小さい円弧の埋設仕切板63を作成する。また、図3に示した標準の埋設仕切板29よりも大径のトンネル11の場合には、図5(b)に示すように、半径の大きい円弧の埋設仕切板65を作成する。これにより、埋設仕切板を変更するのみで種々の内径のトンネル11に対応したインバート17を構築することができる。
埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35は、樹脂板からなる。樹脂板には、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形材料を好適に用いることができる。なお、樹脂板の材質としては、この他、押出成形された塩化ビニル樹脂製の板を用いることもできる。埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35のコンクリート27の打設される打設面には、複数の平行なリブ67が打設面全面に形成されている。埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35は、リブ67を一体に形成した射出成形品として製作される。リブ67は2〜3cmおきに略等間隔となって形成されている。
インバート構造では、底板33の大きさを複数種類用意することで、所望のトンネル曲線、所謂カーブ部分に対応する間隙の無いインバート部が形成可能となる。例えば、底板33は、一端の幅が同一であり、他端の幅が異なる小テーパー底板71と、中テーパー底板73と、大テーパー底板75と、の3種類を形成しておく。これら3種類の小テーパー底板71、中テーパー底板73、大テーパー底板75を組み替えて使用することで、トンネルカーブ半径の異なる種々のトンネル曲線に対応可能とすることができる。なお、この際、側壁板35の幅長も合せたものにする。
図8は両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図、図9は両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル直線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図である。
インバート17の製造方法は、例えばトンネル11の内径が約1.8mの下水用のシールドトンネルに好適に用いることができる。インバート17の製造は、シールドトンネルを掘りながら、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35がトンネル内に搬入されて進められる。
なお、インバート17の製造方法では、上記した小テーパー底板71や大テーパー底板75で対応できない小径や大径のカーブ半径となったトンネル曲線でも対応を可能にすることができる。すなわち、大テーパー底板75を連結して得られるカーブ半径よりも小さいトンネル曲線の場合、例えば半径50m以下の場合には、図10(a)に示すように、長辺同士の部分に隙間77を設けて構築する。また、小テーパー底板71を連結して得られるカーブ半径よりも大きいトンネル曲線の場合、例えば半径50m以上の場合には、図10(b)に示すように、短辺同士の部分に隙間77を設けて構築する。
さらに、形状の変更も可能であることから種々のトンネル底部15の曲率に対応可能となる。排水溝21の両側及び底面が樹脂板にて形成され、水はけが良くなる。トンネル内径にも各種対応可能となるなどの効果を奏する。
15…トンネル底部
17…インバート
25…枠組構造体
27…コンクリート
29…埋設仕切板
31…連結板
33…底板
35…側壁板
37…円弧
39…弦
41…凹状切欠部
41a…底辺部
41b…側辺部
43…仕切板切込み
45…連結板切込み
49…底板両側縁
51…底板係止溝
57…仕切板貫通部
67…リブ
69…凹状切欠溝
Claims (9)
- トンネル内円周の円弧と該円弧の両端を結ぶ弦とによって輪郭が形成され前記弦に凹状切欠部を有する埋設仕切板と、
トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板を連結する連結板と、
隣接する前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの底辺部に架橋される底板と、
隣接する前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの側辺部に当接される側壁板と、
で枠組構造体が組み立てられ、
前記底板と前記側壁板とによって前記凹状切欠部への打設が堰き止められたコンクリートによりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体を埋設して前記枠組構造体と前記コンクリートとが前記トンネル底部に一体に構築されたことを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項1記載のトンネルのインバート構造であって、
隣接する2枚の前記埋設仕切板のそれぞれに形成される仕切板切込みと、
それぞれの前記連結板に形成される平行な2つの連結板切込みと、
を相互に噛み合わせて前記枠組構造体が井桁状となることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項1または2に記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板には、前記凹状切欠部の底辺部を延長して切り欠いて前記底板の底板両側縁を挿入する底板係止溝が形成されることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項1,2,3のいずれか1つに記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板には、仕切板貫通部が形成されることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板,前記連結板,前記底板,及び前記側壁板が樹脂板からなり、かつ前記埋設仕切板,前記連結板,前記底板,及び前記側壁板の前記コンクリートの打設される打設面には複数の平行なリブが打設面全面に形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項5記載のトンネルのインバート構造であって、
前記リブの先端に膨出形状部が形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - 請求項5または6記載のトンネルのインバート構造であって、
複数の前記リブが平行に形成された前記打設面には、前記リブを奥拡がりの形状で切り欠いた凹状切欠溝が前記リブの並設方向に沿って形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。 - トンネル内円周の円弧と該円弧の両端を結ぶ弦とによって輪郭が形成され前記弦に凹状切欠部を有する埋設仕切板と、トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板を連結する連結板と、隣接する2枚の前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの底辺部に架橋される底板と、隣接する2枚の前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの側辺部に当接される側壁板と、で枠組構造体を組み立て、
前記底板と前記側壁板とによって前記凹状切欠部への打設を堰き止めながらコンクリートによりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体を埋設して前記枠組構造体と前記コンクリートとを前記トンネル底部に一体に構築することを特徴とするインバートの製造方法。 - 請求項8記載のインバートの製造方法であって、
対向配置される一対の前記側壁板が、該側壁板の間に挟入される支持枠によって、打設時のコンクリートによる圧力に対して支持されることを特徴とするインバートの製造方法。
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