JP6449040B2 - 沈埋函体同士の接続構造、海底トンネルの施工方法 - Google Patents

沈埋函体同士の接続構造、海底トンネルの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、海底トンネルで用いられる沈埋函体同士の接続構造等に関する。
従来、海底トンネルの施工方法として、沈埋函体を用いた工法が提案されている。沈埋函体を用いた沈埋トンネルは、別途ドライドッグで製造された沈埋函体をドライドッグから曳航し、所定の場所で沈設し、沈埋函体同士を接続することで施工される。
このような沈埋トンネルとしては、例えば、沈埋函計画線の両側に一対の山留材を打設し、山留材の上部にレールを設置して、レールに沿って掘削を行ってトレンチを形成し、トレンチに沈埋函体を沈設する沈埋トンネルがある(特許文献1)。
また、このような沈埋函体同士の接続構造としては、例えば、沈埋トンネルの軸方向に略直交する断面に配置する可撓性機構を、一つの函体の軸方向の長さより短い間隔をおいて少なくとも二箇所以上に配置した沈埋トンネルがある(特許文献2)。
特開平4−247198号公報 特開2003−138585号公報
沈埋函体は、通常、ドライドッグで打設されて製造される。この際、施工性を考慮して、沈埋函体は断面矩形の箱型で構築される。このため、沈設後の水圧などに対する強度を確保するためには、それに応じた肉厚を確保する必要がある。
また、沈埋函体は、ドライドッグで打設されて製造されるため、曳航および沈設の効率を考慮すると、ある程度以上の長さで製造される。このため、剛体である沈埋函体同士の接続部には、特許文献2のように可撓性機構を形成するなど、構造が複雑化するという問題がある。
例えば、従来の沈埋函体同士の接続は、沈埋函体の端部に鋼殻のバルクヘッドを設け、バルクヘッド同士を、可撓性のある連結ケーブルで連結するとともに、変形に追従するような止水ゴム板をバルクヘッドにまたがるように固定する。このようにすることで、バルクヘッド同士の間で、所定量の変形を吸収することできる。
しかし、従来の可撓性機構を有する接続構造では、沈埋函体同士の接続部のみで変形を受けるため、接続部における許容変形量を大きくする必要がある。このため、沈埋函体同士の接続構造がさらに複雑化するとともに、止水性を確保することも困難となる。また、沈埋函体自体は剛体であり、接続部のみが変形に追従するため、沈埋トンネルの長手方向に対して、その剛性が接続部において大きく変化し、接続部に応力が集中する恐れがある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、沈埋トンネル全体として変形に追従可能であり、簡易な構造で沈埋函体同士を接続することが可能な沈埋函体同士の接続構造等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、海底トンネルにおける沈埋函体同士の接続構造であって、沈埋函体は、複数のセグメントが周方向および長手方向に連結し、長手方向にプレストレスが付与されて構築され、前記沈埋函体の端部同士が対向した状態で、前記沈埋函体の間に函体接続セグメントが配置され、前記函体接続セグメントは、それぞれの前記沈埋函体の端部に固定される端部部材と、前記端部部材同士の間に設けられるシール部材と、前記端部部材同士にまたがるように設けられ、前記端部部材の内周側に前記端部部材と一体となるように設けられるコンクリートスリーブと、を具備し、前記コンクリートスリーブは、長手方向において、前記端部部材の一方の前記沈埋函体側の端部の位置から、他方の前記沈埋函体側の端部の位置まで設けられ、前記沈埋函体は、複数の前記セグメントが周方向に連結してなる環状部材が長手方向に複数連結して構築され、前記環状部材同士の個々の連結部において、変形が許容されていることを特徴とする沈埋函体同士の接続構造である。
周方向に連結した前記複数のセグメントには、周方向にプレストレスが付与されて構築されてもよい。
前記シール部材の内周側には、止水板と、前記止水板および前記端部部材同士の隙間を埋める充填樹脂と、をさらに具備してもよい。
前記端部部材の内周側には、カプラーが設けられ、複数の鉄筋が接続されてもよい。
第1の発明によれば、沈埋函体がドライドッグで場所打ちで打設されるのではなく、シールドトンネルなどに用いられるセグメントを組み立てて構成される。すなわち、周方向に複数のセグメントが連結して構成される環状部材が、長手方向に複数連結されて、所定長さの沈埋函体となる。このため、環状部材同士の個々の連結部において、それぞれ、わずかに変形を許容させることができる。この結果、沈埋函体同士の接続構造に大きな変形を許容する可撓性機構などを設ける必要がない。このため、極めて簡易な構造かつ高い止水性を有する沈埋函体同士の接続構造を得ることができる。
具体的には、接続部に函体接続セグメントを用い、函体接続セグメントが、それぞれの沈埋函体の端部に固定される端部部材と、端部部材同士の間に設けられるシール部材と、端部部材同士にまたがるように設けられ、端部部材の内周側に端部部材と一体となるように設けられるコンクリートスリーブと、からなるため、函体接続セグメント内における可撓性機構が形成されない。したがって、構造が簡易であり止水性が高い。
また、複数のセグメントの周方向にプレストレスを付与することで、周方向のセグメント同士の接続部の止水性を高めることができる。
また、シール部材の内周側には、止水板および端部部材同士の隙間を埋める充填樹脂を設けることで、さらに高い止水性を確保することができる。
また、端部部材の内周側にカプラーが設けられ、端部部材が、カプラーにより連結された複数の鉄筋を介してコンクリートスリーブに接続されることで、端部部材同士が確実に連結され、端部部材同士を一体化した剛体として接合することができる。
第2の発明は、海底トンネルの施工方法であって、複数のセグメントを周方向および長手方向に連結して沈埋函体を構築する工程と、前記沈埋函体を浮かせた状態で海上を移動し、前記沈埋函体の設置場所で前記沈埋函体を沈設する工程と、隣り合う沈埋函体同士を函体接続セグメントで接続する工程と、を具備し、前記函体接続セグメントは、端部部材と、前記端部部材同士の間に設けられるシール部材と、前記端部部材の内周側に前記端部部材と一体となるように設けられる鉄筋コンクリートスリーブと、を具備し、前記沈埋函体同士を接続する際、前記沈埋函体の端部同士が対向した状態で、それぞれの前記沈埋函体の端部に、前記端部部材を固定する工程と、前記端部部材同士の間にシール部材を配置する工程と、少なくとも一方の前記沈埋函体を他方の前記沈埋函体に押し付ける工程と、前記端部部材同士にまたがるように、長手方向において、前記端部部材の一方の前記沈埋函体側の端部の位置から、他方の前記沈埋函体側の端部の位置まで鉄筋コンクリートスリーブを構築する工程と、を具備することを特徴とする海底トンネルの施工方法である。
複数のセグメントを長手方向に連結して函体を構築する際に、長手方向に連結する前記セグメント同士の個々の連結部において、前記函体の変形が許容されるように、長手方向に緊張材を配置してプレストレスを付与する工程を具備してもよい。複数のセグメントを連結して函体を構築する際に、周方向に緊張材を配置してプレストレスを付与する工程を具備してもよい。
第2の発明によれば、沈埋函体がシールドトンネルなどに用いられるセグメントで構成されるため、環状部材同士の個々の連結部において、それぞれ、わずかに変形を許容させることができる。この結果、沈埋函体同士の接続構造に大きな変形を許容する可撓性機構などを設ける必要がなく、函体接続セグメントによって容易に沈埋函体同士を接続することができる。このため、極めて簡易な構造かつ高い止水性を有する沈埋函体同士の接続構造を得ることができる。
また、沈埋函体を製造する際に、長手方向や周方向にプレストレスを付与することで、確実に止水性を得ることができる。
また、函体接続セグメントが、それぞれの沈埋函体の端部に固定される端部部材と、端部部材同士の間に設けられるシール部材と、端部部材同士にまたがるように設けられ、端部部材の内周側に端部部材と一体となるように設けられるコンクリートスリーブと、から構成されることで、函体接続セグメント内に可撓性機構を形成する必要がなく、構造が簡易であり止水性が高い。
本発明によれば、沈埋トンネル全体として変形に追従可能であり、簡易な構造で沈埋函体同士を接続することが可能な沈埋函体同士の接続構造等を提供することができる。
海底トンネル1の長手方向の概略断面図。 図1のA−A線断面図。 沈埋函体7を曳航する工程を示す図。 図3のB−B線断面図。 沈埋函体7を沈設する工程を示す図。 沈埋函体7を連結する工程を示す図。 (a)、(b)は、沈埋函体7を連結する工程を示す図であって、図6のE部拡大図。 (a)、(b)は、沈埋函体7を連結する工程を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、海底トンネル1の長手方向の概略断面図である。海底トンネル1は、海底トンネル部3と陸上トンネル部5とが連結して構成される。
海底トンネル部3は、海底11の下部に埋設される。海底トンネル部3と陸上トンネル部5とは接続部9で接続される。本発明の海底トンネル1は、少なくとも海底トンネル部3が、複数の沈埋函体7が連結されて構成される。
図2は、図1のA−A線断面図であり、海底トンネル部3の長手方向に垂直な断面図である。海底トンネル部3を構成する沈埋函体7の断面は、一対の略円形の断面形状が結合した形状である。すなわち、海底トンネル部3は、外周部にアーチ形状を有する。
沈埋函体7の内面には、場所打ちコンクリートによる二次覆工15が設けられ、車道17および避難通路19等が形成される。図した例では、それぞれの円断面形状部において、車道17および避難通路19が形成される。なお、海底トンネル1の内部の構造については、図示した例には限られない。
また、図示した例では、二つの円断面が連結した形態であるが、本発明はこれに限られず、一つの円断面形状であってもよく、3つ以上の円断面が連結した複数連結型の断面形状であってもよい。いずれの形状でも、少なくとも沈埋函体の上下および両側方に、アーチ形状を形成することができる。なお、沈埋函体7の詳細は後述する。
沈埋函体7は、海底11に埋設される。例えば、沈埋函体7は、砕石13で埋設される。この場合、海底11を所定深さまで掘削した後、所定の厚みで砕石13を配置し、その上に沈埋函体7を沈設した後、沈埋函体7の全体を砕石13で埋設すればよい。また、必要に応じて、砕石13を敷設する下部の地盤に対して地盤改良を行ってもよい。
次に、海底トンネル1の施工方法について詳細に説明する。まず、沈埋函体7を他のドライドッグ等で製造して、図3に示すように、沈設場所まで曳航する(図中矢印C)。この際、前述した様に、沈埋函体7の沈設場所の海底11は、予め所定の深さまで掘削されて、前述した様に砕石13が敷設される。なお、海底11を掘削して砕石13が敷設された底を、海底11aとする。すなわち、沈埋函体7は海底11aに沈設される。また、沈埋函体7を沈設する工程とは別に、別途陸上トンネル部の施工および接続部9の施工が行われる。
図4は、図3のB−B線断面図であり、沈埋函体7の長手方向に垂直な断面図である。沈埋函体7は、複数のセグメント27で構成される。セグメント27は、例えば、従来シールドトンネルに用いられるRCセグメントと同様の構造である。すなわち、略円弧状のセグメント27同士は、周方向に接続されて、例えば、略円形の形状となる。なお、本実施例では、二つの円形が連結した形状となるように、セグメント27を周方向に連結する。
セグメント27の周方向の連結部には、図示を省略したシール部材が設けられる。セグメント27を周方向に連結して閉断面形状とすると、セグメント27の幅に応じた環状部材(図では2連)が形成される。この環状部材を長手方向に複数連結することで、所定の長さの沈埋函体7が製造される。
なお、環状部材同士を長手方向に連結する際には、縦締め緊張材25によって沈埋函体7の長手方向に対してプレストレスが付与される。このようにすることで、環状部材同士の連結部の止水性を保つことができる。なお、環状部材同士の連結部には、図示を省略したシール部材が設けられる。
さらに、本発明では、必要に応じて、セグメント27の周方向の連結に対しても、横締め緊張材23を配置してプレストレスを付与することができる。このようにすることで、セグメント27の周方向の連結部の止水性を高めることができる。
沈埋函体7の内部には、例えばバラスト用のスペース21が設けられる。また、沈埋函体7の両端は塞がれる。
沈埋函体7を沈設場所まで曳航した後、図5に示すように、バラスト用のスペース21に水を導入し、沈埋函体7を沈設する(図中矢印D)。以上により、所望の場所の海底11aに沈埋函体7を沈設することができる。なお、海底トンネル部端部に設置される沈埋函体7は、接続部9に接続される。接続部9は、例えば地上まで連続するように施工された例えばケーソン等で構成される。なお。接続部9に接続される陸上トンネル部5は、従来の開削工法で構築される。
以上の沈埋函体7の製造、曳航および沈設を繰り返す。図6は、図5の状態からさらに他の沈埋函体7を沈設した状態を示す図である。複数の沈埋函体7を沈設した後、隣り合う沈埋函体7同士を接続する。
図7は、図6のE部における、沈埋函体7同士の接続工程を示す断面図である。まず、図7(a)に示すように、沈埋函体7同士の端部同士を対向させた状態で、それぞれの端部に端部部材31を接合する(図中矢印F)。
端部部材31は、例えばRCセグメントであり、セグメント27と略同一の厚みである。略円弧状の端部部材31は、セグメント27と同様に、周方向に分割されており、複数の端部部材31を周方向に連結することで、沈埋函体7の端部形状と同様の形状となる。端部部材31には、内面方向に向けて、複数の鉄筋33が配置される。鉄筋33は、端部部材31の内面側において、カプラー35と接続される。カプラー35の使用方法については後述する。
なお、前述した通り、セグメント27同士の間にはシール部材29が設けられ、セグメント27(沈埋函体7)と端部部材31の間にもシール部材29が設けられる。また、沈埋函体7は、縦締め緊張材25によってプレストレスが付与されており、縦締め緊張材25が、沈埋函体7の端部に設けられた定着部に定着される。定着部は、セグメント27の側端面に形成された凹部である。
端部部材31を接続する際には、定着部において定着された縦締め緊張材25に縦締め緊張材25aを接続して、端部部材31の側端面に形成された定着部に定着させる。すなわち、端部部材31と沈埋函体7とが縦締め緊張材25aによってプレストレスを付与された状態で連結される。なお、沈埋函体7の端部に設けられた定着部は、モルタル37が充填される。モルタル37は、例えば膨張性のモルタルである。
次に、図7(b)に示すように、それぞれの端部部材31同士の間に、シール部材39を配置する(図中矢印G)。シール部材39は、例えばリング状のゴム部材である。なお、シール部材39と端部部材31の端面とを密着させるため、端部部材31の端面に形成されたそれぞれの定着部(凹部)にはモルタル37が充填される。
次に、図8(a)に示すように、一方の沈埋函体7を他方の沈埋函体7に押し付けて(図中矢印H)、沈埋函体7同士でシール部材39を挟み込んで接続する。なお、沈埋函体7同士の接続は、水圧接合で行われる。水圧接合は、まず、シール部材39を端面に取り付けた端部部材31を、他方の端部部材31に取り付けられ、図示を省略した引寄せジャッキで引き寄せる。この際、引寄せジャッキの力で、シール部材39を圧縮し、止水効果を得る。次に、端部部材31の端面とシール部材39で囲まれた部分の水を排水すると、沈埋函体7の反対側端面の外部水圧と差圧を生じ、シール部材39は更に圧縮量を増し、安全性の高い止水効果が得られる。
その後、端部部材31同士の間であって、シール部材39の内側に、止水板43を固定する。止水板43は、仮にシール部材39を超えて水が外部から浸入した場合でも、止水性を維持するために機能する。なお、シール部材39による止水が十分であれば、止水板43は必ずしも必要ではない。
次に、図8(b)に示すように、シール部材39の内面側の隙間に充填樹脂45が充填される。すなわち、充填樹脂45によって、止水板43が埋設される。なお、充填樹脂45は、例えばウレタンである。
また、カプラー35には鉄筋33aが接続される。鉄筋33aが埋設するように、コンクリートを打設して、コンクリートスリーブ41を形成する。すなわち、コンクリートスリーブ41は、端部部材31同士にまたがるように端部部材31の内周側に設けられ、端部部材31と一体となる。なお、一対の端部部材31およびこれを接続するコンクリートスリーブ41を合わせて、函体接続セグメント47とする。すなわち、沈埋函体7の間に函体接続セグメント47が配置され、沈埋函体7同士が函体接続セグメントで接続される。
また、沈埋函体7の内面側には、二次覆工15が打設される。なお、二次覆工15は、コンクリートスリーブ41と略同厚で形成され、内面が連続する。以上により、沈埋函体7同士の接続が完了する。海底トンネル部3の全長にわたって沈埋函体7を沈設して接合が完了して、沈埋函体7を埋め戻すことで、海底トンネル1が完成する。
以上、本実施の形態によれば、海底トンネル1に用いられる沈埋函体7を、従来のシールドトンネルに用いられるセグメントを連結して構成するため、断面にアーチ形状を容易に形成することができる。したがって、従来のように、ドライドッグにおいて場所打ちで形成される箱型の沈埋函体と比較して、耐外圧特性が向上する。このため、肉厚を薄くすることができる。
なお、本発明は、沈埋トンネルに対して、シールドトンネルに用いられるセグメントを利用し、セグメントを連結して構築した沈埋函体7を用いたものである。同様のトンネルを、シールド工法で構築しようとすれば、トンネルが複数のセグメントで構築される点では同様となるが、シールド工法は所定の厚さの土被りが必要であることから、より深くにトンネルを構築する必要がある。本発明では、セグメントで構成した沈埋函体7を沈設するため、このような制約がなく、比較的浅い地中にトンネルを構築することができる。
また、セグメント同士は例えば長手方向に対してプレストレスが付与されるため、高い止水性を確保することができる。さらに、周方向にもプレストレスを付与すれば、さらに高い止水性を確保することができる。
また、セグメントを組み立てることで沈埋函体7を製造することができるため、作業が容易であり、また、作業者の熟練度等によって、品質に対する影響を受けにくい。
また、沈埋函体7同士の接続には、函体接続セグメント47が用いられる。函体接続セグメント47は、シール部材39による止水と、止水板43および充填樹脂45による止水と、コンクリートスリーブ41による止水の3重構造となる。このため、極めて高い止水性能を得ることができる。
函体接続セグメント47には、従来の沈埋函体同士の接続部に設けられるような可撓性機構が形成されない。このため、極めて構造が簡易であり、接続作業も容易であり、高い止水性を確保することができる。
なお、本発明では、函体接続セグメント47には可撓性機構が形成されない。しかし、沈埋函体7自体が、多数の環状部材で構成されるため、環状部材同士の接続部において、わずかに変位を許容することができる。例えば、本発明の沈埋函体7は、80〜100の環状部材が長手方向に連結されて構成される。一方、従来使用される接続構造における可撓性機構が100mm程度の変形を許容するとすれば、本発明では、環状部材同士の接続部でそれぞれ1mm程度に分散して変形を許容できればよいこととなる。このため、函体接続セグメント自体には、可撓性機構が不要となる。
この結果、本発明の沈埋函体7を用いた沈埋トンネルは、長手方向において、略一定の剛性となるため、従来のように、接続部で大きな剛性変化部が形成されることがなく、応力集中も生じにくい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、沈埋函体7は、長手方向にまっすぐに形成される例を示したが、本発明はこれに限られず、テーパーセグメントなどを用いれば、所望の角度および方向に曲がったトンネルを構築することもできる。その場合には、縦締め緊張材25をいくつかの区間ごとに分けて配置してもよい。
1………海底トンネル
3………海底トンネル部
5………陸上トンネル部
7………沈埋函体
9………接続部
11、11a………海底
13………砕石
15………二次覆工
17………車道
19………避難通路
21………スペース
23………横締め緊張材
25、25a………縦締め緊張材
27………セグメント
29………シール部材
31………端部部材
33、33a………鉄筋
35………カプラー
37………モルタル
39………シール部材
41………コンクリートスリーブ
43………止水板
45………充填樹脂
47………函体接続セグメント

Claims (7)

  1. 海底トンネルにおける沈埋函体同士の接続構造であって、
    沈埋函体は、複数のセグメントが周方向および長手方向に連結し、長手方向にプレストレスが付与されて構築され、
    前記沈埋函体の端部同士が対向した状態で、前記沈埋函体の間に函体接続セグメントが配置され、
    前記函体接続セグメントは、
    それぞれの前記沈埋函体の端部に固定される端部部材と、
    前記端部部材同士の間に設けられるシール部材と、
    前記端部部材同士にまたがるように設けられ、前記端部部材の内周側に前記端部部材と一体となるように設けられるコンクリートスリーブと、
    を具備し、
    前記コンクリートスリーブは、長手方向において、前記端部部材の一方の前記沈埋函体側の端部の位置から、他方の前記沈埋函体側の端部の位置まで設けられ、
    前記沈埋函体は、複数の前記セグメントが周方向に連結してなる環状部材が長手方向に複数連結して構築され、前記環状部材同士の個々の連結部において、変形が許容されていることを特徴とする沈埋函体同士の接続構造。
  2. 周方向に連結した前記複数のセグメントには、周方向にプレストレスが付与されて構築されることを特徴とする請求項1記載の沈埋函体同士の接続構造。
  3. 前記シール部材の内周側には、止水板と、前記止水板および前記端部部材同士の隙間を埋める充填樹脂と、をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の沈埋函体同士の接続構造。
  4. 前記端部部材の内周側には、カプラーが設けられ、複数の鉄筋が接続されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の沈埋函体同士の接続構造。
  5. 海底トンネルの施工方法であって、
    複数のセグメントを周方向および長手方向に連結して沈埋函体を構築する工程と、
    前記沈埋函体を浮かせた状態で海上を移動し、前記沈埋函体の設置場所で前記沈埋函体を沈設する工程と、
    隣り合う沈埋函体同士を函体接続セグメントで接続する工程と、
    を具備し、
    前記函体接続セグメントは、
    端部部材と、
    前記端部部材同士の間に設けられるシール部材と、
    前記端部部材の内周側に前記端部部材と一体となるように設けられる鉄筋コンクリートスリーブと、
    を具備し、
    前記沈埋函体同士を接続する際、前記沈埋函体の端部同士が対向した状態で、それぞれの前記沈埋函体の端部に、前記端部部材を固定する工程と、
    前記端部部材同士の間にシール部材を配置する工程と、
    少なくとも一方の前記沈埋函体を他方の前記沈埋函体に押し付ける工程と、
    前記端部部材同士にまたがるように、長手方向において、前記端部部材の一方の前記沈埋函体側の端部の位置から、他方の前記沈埋函体側の端部の位置まで鉄筋コンクリートスリーブを構築する工程と、を具備することを特徴とする海底トンネルの施工方法。
  6. 複数のセグメントを長手方向に連結して函体を構築する際に、長手方向に連結する前記セグメント同士の個々の連結部において、前記函体の変形が許容されるように、長手方向に緊張材を配置してプレストレスを付与する工程を具備することを特徴とする請求項記載の海底トンネルの施工方法。
  7. 複数のセグメントを連結して函体を構築する際に、周方向に緊張材を配置してプレストレスを付与する工程を具備することを特徴とする請求項5または請求項6記載の海底トンネルの施工方法。
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