JP4530978B2 - 補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法 - Google Patents

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本発明は、例えば既設水路の更生に好適な補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法に関する。
水路、下水道、汚水処理槽、浄化槽等の構築物は、一般にコンクリートで製造されている。ところが、下水や下水汚泥中の細菌等により、コンクリートが腐食し、損傷するという問題が発生した。そのため、下水道施設等のコンクリート製構築物の内壁面に、硬質塩化ビニル等の合成樹脂により成型されたライニング板を添設し、コンクリートの腐食保護が行われている。このライニング板は、一方の面に多数のリブ片が垂直に、かつ各々が互いに平行に突設された形状となっている。
このライニング板を用いた構築物を建造するには、まず、ベースコンクリートを打設し、このベースコンクリート上に壁面を作る。この壁面は、内型枠となる合板型枠で内壁面を形成し、桟木等で補強する。次に、この内型枠の合板にライニング板を固定し、鉄筋を組立てる。また、梁、スラブ部分の型枠を壁面同様合板、桟木で組み立て、ライニング板を固定し、鉄筋を組立てる。そして外型枠を組立てた後に、これら内外型枠間にコンクリートを打設して、コンクリートの養生後、脱型を行い、型枠を撤去する。その後に内壁面となるライニング板のコーナー部等、細部の仕上げを行って完成となる。
特開平8−303192号公報 特開2005−163419号公報
しかしながら、上記したライニング板を用いた構築物は、材料コストの点からライニング板を好適な厚みに形成できないため、ライニング板に撓みが生じ易く、取り扱いが容易でない問題があった。
また、上述したコンクリート製の構築物は、内壁面の成形を重要視するため、内壁面を形成する内型枠の組立てが重要となる。この内型枠の組み立てが、合板や杉などの木材を現場で切断加工し、組み立てるという型枠工を行うが、この切断・組立作業は容易でないため、作業員の熟練が必要となる。このため、既設の補修対象壁との間に、コンクリート注入間隙を容易かつ高精度に確保することが困難であった。これに加え、コンクリート打設後、内型枠が構築物の内部に残される状態となるため、脱型作業が狭い空間での作業となり、脱型作業が容易でないという問題もあった。
これに対し、特許文献1には、水路の断面より若干小さくなるように補修用筒体を形成し、補修用筒体と車輪により構成した補修ユニットを組立てた後に水路内レール上に載置し、所要数の補修用筒体を順次連結し、補修用筒体外面と水路内面の間にモルタルを打設する水路内面のライニング用補修ユニット及びそのライニング工法が開示されている。また、特許文献2には、水路内周面に沿って合成樹脂帯状材料を成形フレームにより螺旋状に巻回し、水路内周面と水路内周ライニング層との隙間に裏込め材を注入して一体化し、被覆部を水路の開口縁に沿って切除する水路の内周面改修方法が開示されている。
しかしながら、いずれの技術も大掛かりな重機、搬送装置、ライニング装置等の施工機器が必要で、施工作業が大掛かりとなり、コストの増大が問題となることから、隣接する補修用パネル同士を容易に連結しながら、既存の補修対象壁に対し、大面積の平坦な更生壁を容易に形成することが可能となる施工方法の要請があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、撓みが生じ難く、かつ好適な厚みに形成可能となり、取り扱いが容易な補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法を得ることにある。
また、第2の目的は、既設の補修対象壁との間に、コンクリート注入間隙を容易に確保することができる補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法を得ることにある。
第3の目的は、隣接する補修用パネル同士を容易に連結しながら、既存の補修対象壁に対し、大面積の平坦な更生壁を容易に形成することが可能となる補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法を得ることにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の補修用パネル100は、熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板11と補修対象壁側外板13とがコンクリート板15の表裏に挟着されて四角形状に一体成形される補修用パネル100であって、
前記仕上げ内板11は、前記コンクリート板側の面に、該コンクリート板15に埋入される先端の拡幅された複数条の平行なアンカー突起17が設けられるとともに、反対面が平坦面19に形成され、
前記補修対象壁側外板13は、補修対象壁側の面13aに、複数の補修対象壁面当接脚21が突設されるとともに、前記四角形状の平行な一対の辺23,25の一方に沿う辺部13bには雄型係合手段27が設けられ、平行な一対の辺23,25の他方に沿う辺部13cには該雄型係合手段27に係合する雌型係合手段29が設けられたことを特徴とする。
この補修用パネル100では、コンクリート15に熱可塑性樹脂を表面となるように積層した三層構造となり、撓みが生じ難く、かつ好適な厚みに形成可能となる。また、仕上げ内板11が熱可塑性樹脂からなり、老朽化した補修対象壁の更生に最適となる。さらに、補修対象壁側外板13に突設された補修対象壁面当接脚21が既設の補修対象壁41aに当接されることで、コンクリート注入間隙47が容易に形成可能となる。雄型係合手27と雌型係合手段29とが係合されることにより、隣接する補修用パネル100,100同士が連結され、大面積の平坦な更生壁が容易に形成可能となる。
請求項2記載の補修用パネル100は、前記補修対象壁側外板13が、前記四角形状の平行な一対の辺23,25に挟まれる他の平行な辺31,33に沿って長い短冊状に形成され、複数枚が、前記コンクリート板15を表出させて所定間隔で前記コンクリート板15の補修対象壁側の面に貼着され、かつ前記雄型係合手段27と前記雌型係合手段29との間に設けられた他の係合手段29Aが前記コンクリート板15に埋入されたことを特徴とする。
この補修用パネル100では、補修対象壁側外板13が、短冊状に形成されることで、熱可塑性樹脂の使用量が少量となる。また、補修対象壁側外板13の両端に設けられた雄型係合手段27と雌型係合手段29との間に他の係合手段29Aが配設され、この他の係合手段29Aがコンクリート板15に埋入されることで、短冊状の補修対象壁側外板13が強固にコンクリート板15に一体化される。
請求項3記載の水路構造は、請求項1又は請求項2記載の補修用パネル100を用いた水路構造であって、
既設水路41の補修対象壁41aに、前記補修対象壁面当接脚21を当接させ、複数の前記補修用パネル100,100同士を、前記雄型係合手段27と前記雌型係合手段29との相互係合によって連結して、平坦面45を形成し、
前記補修対象壁41aと前記補修用パネル100との間に充填されたコンクリート61が固化されたことを特徴とする。
この水路構造では、更生された水路構造の内周面200aが熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板11となり、耐摩耗性が改善され、流下性能も高まる。また、補修対象壁面当接脚21が、打設コンクリート61に埋入され、補修用パネル100が打設コンクリート61と強固に一体化される。
請求項4記載の水路構造は、請求項1又は請求項2記載の補修用パネル100を用いて隅部を挟み交わる二方向の内壁面を連結する水路構造であって、
所定角度の二方向から付き合わされる二枚の前記補修用パネル100,100の隅部に隅部連結部材51が介装され、
該隅部連結部材51は、背面51aが前記二枚の補修用パネル100,100の仕上げ内板隅部周縁11a,11aに当接するとともに、表面51bが前記平坦面45,45同士を連続させる湾曲面に形成される塞ぎ部53と、
該塞ぎ部53の背面51aから延出され、前記二枚の補修用パネル100,100の補修対象壁側の面に係止する複数の係止部55とからなることを特徴とする。
この水路構造では、既存水路41の隅部を挟み交わる所定角度の二方向の補修用パネル100,100が隅部連結部材51によって連結され、補修用パネル100の仕上げ内板平坦面45,45同士が隅部連結部材51表面の湾曲面によって連続に接続される。
請求項5記載の水路構造の施工方法は、請求項3又は請求項4記載の水路構造の施工方法であって、
既設水路41の補修対象壁41aに、前記補修対象壁面当接脚21を当接させ、複数の前記補修用パネル100,100同士を、前記雄型係合手段27と前記雌型係合手段29との相互係合によって連結して、平坦面45を形成し、
該平坦面45に支持体を当接して前記補修用パネル100を支持し、
前記補修対象壁41aと前記補修用パネル100との間にコンクリート61を打設し、
該コンクリート61の固化の後、前記支持体を除去することを特徴とする。
この水路構造の施工方法では、補修対象壁面当接脚21が既設水路41の補修対象壁41aに当接されながら、複数の補修用パネル100,100同士が連結されて、支持体によって支持されることで、補修用パネル100自体が型枠となる。これにより、コンクリート注入間隙47の確保が容易となる。また、型枠となった補修用パネル100がそのまま更生内壁面200aとなり、型枠除去作業が軽減されるとともに、仕上がりも良好となる。
本発明に係る請求項1記載の補修用パネルによれば、仕上げ内板と補修対象壁側外板とがコンクリート板の表裏に挟着されるので、コンクリートの表面に熱可塑性樹脂を積層した三層構造となり、撓みが生じ難く、かつ好適な厚みに形成可能となり、取り扱いを容易にできる。また、仕上げ内板が熱可塑性樹脂からなるので、老朽化した補修対象壁の更生に最適となる。さらに、補修対象壁側外板には複数の補修対象壁面当接脚が突設されるので、既設の補修対象壁との間に、コンクリート注入間隙を容易に確保することができる。また、補修対象壁側外板の両端辺部に設けられた雄型係合手段と雌型係合手段とを係合することにより、隣接する補修用パネル同士を容易に連結しながら、既存の補修対象壁に対し、大面積の平坦な更生壁を容易に形成することが可能となる。
請求項2記載の補修用パネルによれば、補修対象壁側外板が、短冊状に形成されることで、熱可塑性樹脂の使用量を少なくし、製造コストを安価にすることができる。これに加え、補修対象壁側外板の両端に設けられた雄型係合手段と雌型係合手段との間に他の係合手段を配設し、この他の係合手段をコンクリート板に埋入させる構造としたので、比較的面積の小さい短冊状の補修対象壁側外板を、強固にコンクリート板に一体化させることができる。
請求項3記載の水路構造によれば、既設水路の補修対象壁に、補修対象壁面当接脚を当接させてコンクリート注入間隙を形成し、このコンクリート注入間隙にコンクリートを打設することで、既設水路の補修対象壁を更生するので、更生された水路構造では、内周面が熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板となり、耐摩耗性を改善し、流下性能を向上させることができる。また、コンクリート注入間隙確保のために、既設の補修対象壁に当接した補修対象壁面当接脚が、打設コンクリートに埋入されるので、補修用パネルが打設コンクリートと強固に一体となり、崩落が防止されるとともに、耐震性も向上させることができる。
請求項4記載の水路構造によれば、既存水路の所定角度の隅部を挟み交わる二方向の補修用パネルを、隅部連結部材によって連結し、この隅部連結部材は、補修用パネルの仕上げ内板平坦面同士を連続させる湾曲面を有するので、隅部における補修用パネル同士の接続品質を向上させることができる。
請求項5記載の水路構造の施工方法によれば、補修用パネルの補修対象壁面当接脚を、既設水路の補修対象壁に当接させながら、複数の補修用パネル同士を、雄型係合手段と雌型係合手段との相互係合によって連結し、連結した補修用パネルを支持体により支持することで、補修用パネル自体が型枠となり、コンクリート注入間隙の確保が容易に行える。したがって、少ない型枠部材、型枠作業によって、補修水路構造を施工することができる。この結果、施工性が向上し、未熟練者によっても高品質、かつ容易な補修施工を可能にできる。
以下、本発明に係る補修用パネル及びそれを用いた水路構造並びにその施工方法の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る補修用パネルを補修対象壁側から見た斜視図、図2は図1に示した補修用パネルの分解斜視図である。
本実施の形態による補修用パネル100は、熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板11と補修対象壁側外板13とがコンクリート板15の表裏に挟着されて四角形状に一体成形されてなる。熱可塑性樹脂としては、硬質塩化ビニル樹脂等の硬質プラスチックを挙げることができる。
図2に示すように、仕上げ内板11は、コンクリート板15側の面に、パネル成形時の充填コンクリートに埋入される先端の拡幅された複数条の平行なアンカー突起17が設けられている。また、アンカー突起17の形成面と反対側の面は、平坦面19に形成される。後述するように、この平坦面19は、補修対象壁の更生面となる。このような、複数条のアンカー突起17を片面に突設した仕上げ内板11は、例えば同一断面形状の口金から押し出される押出成形材として得ることができる。
一方、同じく熱可塑性樹脂からなる補修対象壁側外板13は、補修対象壁側の面13aに、複数の補修対象壁面当接脚21が突設される。また、補修用パネル100の平行な一対の辺23,25の一方23に沿う辺部13bには雄型係合手段27が設けられ、平行な一対の辺23,25の他方25に沿う辺部13cにはこの雄型係合手段27に係合する図2に示す雌型係合手段29が設けられる。
雄型係合手段27は、先端鉤片状に形成され、雌型係合手段29は、この鉤片を弾性係止する奥拡がりな略蟻溝状の凹溝状に形成される。雄型係合手段27と雌型係合手段29は、雄型係合手段27の溝開口に対し、雄型係合手段27を圧入することで、弾性係止可能となる。
仕上げ内板11及び補修対象壁側外板13には、紫外線吸収剤が練り込まれていることが好ましい。これにより、特に補修用パネル100が、上部の開口する水路に用いられた場合、太陽光の直射による仕上げ内板11の紫外線劣化を低減させ、水路の耐久性を向上させることができる。
また、コンクリート板15には、補強繊維材を混練したファイバーコンクリートを用いることが好ましい。このようなファイバーコンクリートを用いることにより、コンクリート板15の強度を高め、崩落し難く、耐震性に優れた三層構造の補修用パネル100を得ることができる。
本実施の形態では、補修対象壁側外板13が、四角形状の平行な一対の辺23,25に挟まれる他の平行な辺31,33に沿って長い略短冊状に形成される。したがって、補修対象壁側外板13は、複数枚が、コンクリート板15を表出させて、所定間隔でコンクリート板15の補修対象壁側の面に貼着される。また、補修対象壁側外板13の長手方向両端に設けられた雄型係合手段27と雌型係合手段29との間には、図2に示すように、他の複数の係合手段29Aが配設される。この他の複数の係合手段29Aは、図1に示すように、例えば先端が膨出形状の略T字状などの形状とされコンクリート板15に埋入される。
補修対象壁側外板13は、短冊状に形成されることで、熱可塑性樹脂の使用量が少量となり、製造コストを安価にすることができる。これに加え、補修対象壁側外板13の両端に設けられた雄型係合手段27と雌型係合手段29との間に他の複数の係合手段29Aが配設され、この他の複数の係合手段29Aがコンクリート板15に埋入されることで、短冊状の補修対象壁側外板13が強固にコンクリート板15に一体化される。
このように、上記の補修用パネル100によれば、コンクリート板15の表面に熱可塑性樹脂を積層した三層構造となり、撓みが生じ難く、かつ好適な厚みに形成可能となる。また、仕上げ内板11が熱可塑性樹脂からなり、老朽化した補修対象壁の更生に最適となる。さらに、補修対象壁側外板13に突設された補修対象壁面当接脚21が既設の補修対象壁に当接されることで、コンクリート注入間隙が容易に形成可能となる。また、雄型係合手段27と雌型係合手段29とが係合されることにより、隣接する補修用パネル100同士が連結され、大面積の平坦な更生壁が容易に形成可能となる。
次に、上記の補修用パネル100を用いた水路構造について説明する。
図3は既設水路の補修対象壁に連結接続された補修用パネルの断面図、図4は隅部連結部材によって連結された二方向の補修用パネルの隅部断面視を(a)、隅部連結部材の断面視及び側面視を(b)で表した説明図、図5は隅部連結部材の拡大斜視図、図6は変形例に係る隅部連結部材によって連結された二方向の補修用パネルの隅部断面視を(a)、変形例に係る隅部連結部材の断面視及び側面視を(b)で表した説明図である。
上記の補修用パネル100を用いた水路構造では、図3に示すように、既設水路41の補修対象壁41aに、補修対象壁面当接脚21を当接させ、複数の補修用パネル100同士を、雄型係合手段27と雌型係合手段29とを相互係合によって連結し、平坦面45が形成される。そして、補修対象壁41aと補修用パネル100との間隙47には、不図示のコンクリートが打設され、固化される。
更生された水路構造の内周面は、熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板11の平坦面45となり、耐摩耗性が改善され、流下性能も高まる。また、補修対象壁面当接脚21が、打設コンクリートに埋入され、補修用パネル100が打設コンクリートと強固に一体化される。
また、図4(a)に示すように、隅部を挟み二方向から直角に交わる補修用パネル100、100同士を接合するには、隅部連結部材51が用いられる。隅部連結部材51は、図4(b)に示す背面51aが二枚の補修用パネル100,100の仕上げ内板11の隅部周縁11aに当接するとともに、表面51bが平坦面45、45同士を連続させる湾曲面に形成される塞ぎ部53を有する。また、この塞ぎ部53の背面51aには図5に示す複数の係止部55が延出して形成され、係止部55は二枚の補修用パネル100,100の補修対象壁側の面13aに係止する。これにより、隅部を挟み交わる二方向の補修用パネル100、100は、隅部連結部材51を介して接続される。
このように、既設水路41の隅部を挟み交わる二方向の補修用パネル100,100は、隅部連結部材51によって連結され、補修用パネル100,100の仕上げ内板平坦面45、45同士が隅部連結部材51の湾曲面51bによって連続に接続される。これにより、隅部における補修用パネル100,100同士の接続品質を向上させることができるようになっている。
したがって、この水路構造によれば、既設水路41の補修対象壁41aに、補修対象壁面当接脚を当接させてコンクリート注入間隙を形成し、このコンクリート注入間隙にコンクリートを打設することで、既設水路の補修対象壁を更生するので、更生された水路構造では、内周面が熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板となり、耐摩耗性を改善し、流下性能を向上させることができる。また、コンクリート注入間隙確保のために、既設の補修対象壁に当接した補修対象壁面当接脚が、打設コンクリートに埋入されるので、補修用パネルが打設コンクリートと強固に一体となり、崩落が防止されるとともに、耐震性も向上させることができる。
なお、上記した隅部連結部材51は、図6に示すように、隅部を挟み二方向から90度以外の角度(例えば120度)で交わる補修用パネル100、100同士を接合可能とする形状の隅部連結部材51Aであってもよい。
次に、上記の水路構造の施工方法について説明する。
図7は水路構造の施工手順を表した説明図、図8は補修用パネルを用いて更生された水路構造の隅部断面図である。
上記の補修用パネル100を用いた水路構造の施工方法は、先ず、既設水路41の補修対象壁41aに、補修対象壁面当接脚21を当接させ、複数の補修用パネル100,100同士を、雄型係合手段27と雌型係合手段29との相互係合によって連結して、平坦面45を形成して行く。この際、既設水路41の補修対象壁41aである底面と、側面とには、それぞれの補修用パネル100が連結され、底面の補修用パネル100と、側面の補修用パネル100との間には例えば上記の隅部連結部材51Aが挟入される。
次いで、補修用パネル100の平坦面45に、図示しない端太材などの支持体を当接して、補修用パネル100を支持する。既設水路41の補修対象壁41aの全てが補修用パネル100によって覆われたなら、図8に示すように、補修対象壁41aと補修用パネル100との間隙47に、コンクリート61を打設する。所定時間の養生を経て、打設コンクリート61が固化したなら、不図示の端太材を除去する。なお、その後に、隣り合う各補修用パネル100同士の目地部分や、隅部連結部材51との接合部分における目地部分には、シーリング材が施され、互いの接着とともに、防水性の向上が図られる。
したがって、図8に示すように、補修対象壁面当接脚21が打設コンクリート61に埋入された補修用パネル100は、既設水路41の補修対象壁41aの更生壁となってそのまま更生水路200の内壁面200aとなる。すなわち、補修対象壁面当接脚21が既設水路41の補修対象壁41aに当接されながら、複数の補修用パネル100,100同士が連結されて、端太材によって支持されることで、補修用パネル100自体が型枠となる。これにより、コンクリート注入間隙の確保が容易となる。また、型枠となった補修用パネル100がそのまま更生内壁面200aとなり、型枠除去作業が軽減されるとともに、仕上がりも良好となる。
この水路構造の施工方法によれば、補修用パネル100の補修対象壁面当接脚21を、既設水路41の補修対象壁41aに当接させながら、複数の補修用パネル100,100同士を、雄型係合手段27と雌型係合手段29との相互係合によって連結し、連結した補修用パネル100を端太材により支持することで、補修用パネル100自体が型枠となり、コンクリート注入間隙47の確保が容易に行える。これにより、少ない型枠部材、型枠作業によって、補修水路構造を施工することができる。この結果、施工性が向上し、未熟練者によっても高品質、かつ容易な補修施工を可能にできる。
本発明に係る補修用パネルを補修対象壁側から見た斜視図である。 図1に示した補修用パネルの分解斜視図である。 既設水路の補修対象壁に連結接続された補修用パネルの断面図である。 隅部連結部材によって連結された二方向の補修用パネルの隅部断面視を(a)、隅部連結部材の断面視及び側面視を(b)で表した説明図である。 隅部連結部材の拡大斜視図である。 変形例に係る隅部連結部材によって連結された二方向の補修用パネルの隅部断面視を(a)、変形例に係る隅部連結部材の断面視及び側面視を(b)で表した説明図である。 水路構造の施工手順を表した説明図である。 補修用パネルを用いて更生された水路構造の隅部断面図である。
符号の説明
11…仕上げ内板
11a…仕上げ内板隅部周縁
13…補修対象壁側外板
13a…補修対象壁側の面
13b…平行な一対の辺の一方に沿う辺部
13c…平行な一対の辺の他方に沿う辺部
15…コンクリート板
17…アンカー突起
21…補修対象壁面当接脚
23,25…平行な一対の辺
27…雄型係合手段
29…雌型係合手段
29A…他の係合手段
41…既設水路
41a…補修対象壁
45…平坦面
51…隅部連結部材
51a…背面
53…塞ぎ部
55…係止部
61…コンクリート
100…補修用パネル

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂からなる仕上げ内板と補修対象壁側外板とがコンクリート板の表裏に挟着されて四角形状に一体成形される補修用パネルであって、
    前記仕上げ内板は、前記コンクリート板側の面に、該コンクリート板に埋入される先端の拡幅された複数条の平行なアンカー突起が設けられるとともに、反対面が平坦面に形成され、
    前記補修対象壁側外板は、補修対象壁側の面に、複数の補修対象壁面当接脚が突設されるとともに、前記四角形状の平行な一対の辺の一方に沿う辺部には雄型係合手段が設けられ、平行な一対の辺の他方に沿う辺部には該雄型係合手段に係合する雌型係合手段が設けられたことを特徴とする補修用パネル。
  2. 前記補修対象壁側外板が、前記四角形状の平行な一対の辺に挟まれる他の平行な辺に沿って長い短冊状に形成され、複数枚が、前記コンクリート板を表出させて所定間隔で前記コンクリート板の補修対象壁側の面に貼着され、かつ前記雄型係合手段と前記雌型係合手段との間に設けられた他の係合手段が前記コンクリート板に埋入されたことを特徴とする請求項1記載の補修用パネル。
  3. 請求項1又は2記載の補修用パネルを用いた水路構造であって、
    既設水路の補修対象壁に、前記補修対象壁面当接脚を当接させ、複数の前記補修用パネル同士を、前記雄型係合手段と前記雌型係合手段との相互係合によって連結して、平坦面を形成し、
    前記補修対象壁と前記補修用パネルとの間に充填されたコンクリートが固化されたことを特徴とする補修用パネルを用いた水路構造。
  4. 請求項1又は2記載の補修用パネルを用いて隅部を挟み交わる二方向の内壁面を連結する水路構造であって、
    所定角度の二方向から付き合わされる二枚の前記補修用パネルの隅部に隅部連結部材が介装され、
    該隅部連結部材は、背面が前記二枚の補修用パネルの仕上げ内板隅部周縁に当接するとともに、表面が前記平坦面同士を連続させる湾曲面に形成される塞ぎ部と、
    該塞ぎ部の背面から延出され、前記二枚の補修用パネルの補修対象壁側の面に係止する複数の係止部とからなることを特徴とする請求項3記載の水路構造。
  5. 請求項3又は4記載の水路構造の施工方法であって、
    既設水路の補修対象壁に、前記補修対象壁面当接脚を当接させ、複数の前記補修用パネル同士を、前記雄型係合手段と前記雌型係合手段との相互係合によって連結して、平坦面を形成し、
    該平坦面に支持体を当接して前記補修用パネルを支持し、
    前記補修対象壁と前記補修用パネルとの間にコンクリートを打設し、
    該コンクリートの固化の後、前記支持体を除去することを特徴とする水路構造の施工方法。
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