JP5344539B2 - 光学素子及び光学機器 - Google Patents

光学素子及び光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5344539B2
JP5344539B2 JP2008139360A JP2008139360A JP5344539B2 JP 5344539 B2 JP5344539 B2 JP 5344539B2 JP 2008139360 A JP2008139360 A JP 2008139360A JP 2008139360 A JP2008139360 A JP 2008139360A JP 5344539 B2 JP5344539 B2 JP 5344539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
refractive index
optical element
optical
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008139360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009288406A (ja
Inventor
大介 佐野
裕 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008139360A priority Critical patent/JP5344539B2/ja
Priority to EP09161085.7A priority patent/EP2128666B1/en
Priority to CN2009101456379A priority patent/CN101598832B/zh
Priority to US12/473,526 priority patent/US8243368B2/en
Publication of JP2009288406A publication Critical patent/JP2009288406A/ja
Priority to US13/456,090 priority patent/US8339708B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5344539B2 publication Critical patent/JP5344539B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements

Description

本発明は、光学異方性媒質を用いた光学素子、及びこれを用いたプロジェクタ等の光学機器に関する。
光学異方性を用いた光学素子は、偏光制御や光束分離等の用途に広く用いられている。例えば、λ/4板やλ/2板に代表される位相板、偏光分離素子に代表される偏光板、及び光学ローパスフィルタとして用いられている。
光学異方性とは、入射する偏光の振動方向によって屈折率が異なる性質を指す。これを利用すると、例えば、同じ方向から入射する光であっても、その偏光方向によって振る舞いを異ならせることが可能となる。
このような光学異方性を持つ材料としては、水晶、方解石等の結晶材料や、液晶材料や、プラスチック、高分子等の有機材料がある。これらの材料の光学異方性の程度は、偏光方向に対する屈折率で表される。
光学異方性を得る方法として、使用する光の波長(以下、使用波長という)よりも小さい構造による構造異方性を用いる方法が特許文献1,2にて開示されている。
使用波長よりも小さい構造では、光はその構造を直接は認識できずに均質な媒質のように振舞うことが知られている。このとき、光はその構造の充填率に準じた屈折率を示し、該屈折率は有効屈折率法と呼ばれる手法により求めることができる。構造の充填率に応じて、偏光方向によって屈折率が異なる性質を構造異方性と呼ぶ。そして、構造の充填率を任意に設定することで、屈折率を調整することができる。また、構造異方性を利用することにより、通常の光学異方性材料に比べて偏光方向による屈折率の差を大きくすることができるため,所望の複屈折特性を得るための厚みを薄くすることができる。
特許文献1には、構造異方性を利用した位相板が開示されている。該位相板では、構造異方性によって屈折率が調整できることを利用し、複数の構造異方性層(周期構造体)を組み合わせることで位相差特性の波長による変化を抑えている。
特許文献2には、基板の一方の面に面法線方向の構造異方性層が形成され、他方の面に面内方向の構造異方性層が形成された光学素子が開示されている。各面での構造異方性により屈折率を調整し、それら屈折率を組み合わせることで、位相補償板を得ている。また、反射防止層を挿入することで、反射防止機能を付与している。
特開2004−139001号公報 特開2007−156441号公報
特許文献1では、高屈折率の媒質を用いた構造異方性の上部に、同じ周期性を有する低屈折率の材料を配置する例が開示されている。これにより、各構造異方性層の屈折率に比べて低い屈折率の材料が上部に積層される形となるため、表面での反射はある程度抑えられる。しかし、この構成では、反射防止性能としては不十分である。
また、特許文献2には,構造異方性の層に反射防止膜を付与しているが、反射防止機能を発揮させるための必要な構成が開示されていない。
このように偏光方向による屈折率の差が大きな材料を用いると、偏光方向に対する反射-透過特性が大きく異なってくる。また、反射防止コーティングを付与しようとしても、屈折率が大きく異なるために、偏光方向ごとに特性を最適化することは困難である。
本発明は、光学異方性を用いた光学素子であって、十分な反射防止性能を有する光学素子及びこれを備えた光学機器を提供する。
本発明の一側面としての光学素子は、光学異方性を持つ媒質により形成された第1の層を含む。該光学素子に入射する、偏光方向が互いに異なる第1の偏光及び第2の偏光に対する中心波長λでの第1の層の屈折率n (n>n)の差が0.1以上である。そして、第1の層の両側において該第1の層に光学的に隣接し、等方性媒質により形成された第2の層及び第3の層の中心波長での屈折率をそれぞれnt1 t2し、第1の層の屈折率n h、 のうち第2の層及び前記第3の層の屈折率n t1 、n t2 との差が大きい方の屈折率をnとし、第1の層の厚みをdとするとき、以下の条件を満足することを特徴とする。
本発明によれば、光学異方性を持つ媒質を用いたときに光学異方性層(第1の層)を薄く形成できることを利用して、第1の層を干渉層として機能させることができる。特に、第1の層とこれに光学的に隣接する等方性媒質により形成された第2及び第3の層との屈折率の関係を適切に設定することで、光学異方性の強い媒質を用いた場合でも、反射防止性能と偏光ごとの反射・透過特性に優れた光学素子を実現することができる。そして、この光学素子を用いることで、高性能な光学機器を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、具体的な実施例の説明に先立って、各実施例の光学素子に共通する特徴について説明する。図1には、光学素子の基本的な構成例を示す。
011は光学異方性を持つ媒質により形成された第1の層である。012,013は均質な等方性の薄膜により構成され、第1の層011の両側に該第1の層011に隣接して形成された第2の層及び第3の層である。014は基板であり、015は第1、第2及び第3の層011〜013により構成される反射防止層(反射防止膜)を示す。
以下の説明では、第1の層011を形成する光学異方性媒質は、図中のy軸方向に光学軸を持つ一軸性の異方性材料とする。また、該光学素子に入射するx,z方向に振動する光(x,z方向を偏光方向とする第1の偏光)の中心波長(以下、使用中心波長という)に対する第1の層011の屈折率をnとする。また、y方向に振動する光(x,z方向に直交するy方向を偏光方向とする第2の偏光)の使用中心波長での屈折率をn(n>n)とする。以下の説明においても、屈折率とは、使用中心波長での屈折率をいう。また、両偏光の波長範囲を使用波長ともいう。
なお、各実施例では、光学異方性媒質は一軸性であるが、本発明の別の実施例の光学素子においては、光学異方性媒質を二軸性としてもよい。また,x,z方向に振動する光の屈折率をnl,y方向に振動する光の屈折率をnh(nh>nl)としてもよい。
また、各実施例では、これら屈折率n,nの差が0.1以上であるとする。この条件を満足することで、所望の複屈折特性を得るための第1の層011の厚みを薄くすることができる。また、第1の層011の厚みが十分に薄いために、第1の層011を干渉層として機能させることができる。上記屈折率差が0.1未満である場合には、偏光ごとの屈折率差が小さいために所望の複屈折特性を得るには厚みを大幅に増加させる必要がある。
次に、各実施例における屈折率構造について、図2を用いて説明する。図2では、横軸がx,y方向での光学的な層の厚み(以下の説明では、光学膜厚という)を、縦軸が各層のx,y方向での屈折率を表している。光は、図中の右側から光学素子に入射する。
021,025は第1の層011のx,y方向での屈折率(n,n)と光学膜厚を示す。022は第2の層012のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を、023は第3の層013のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。024は基板014のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。また、図2中の「up」及び「down」は、層間の界面での屈折率変化が基板014の逆側から見て「増加」及び「減少」であることをそれぞれ示す。
第1の層011では、x,y方向で屈折率が異なるが、第2及び第3の層012,013及び基板014では、これらが等方性媒質であるため、屈折率は方向にかかわらず同じである。このため、光学素子全体として、x,y方向で屈折率が異なる構造になる。また、第1の層011の光学膜厚も、x,y方向の屈折率の比に応じて異なる。
反射防止構造では、基板に入射する光を複数の界面で反射させ、その反射光同士を波に見立てて干渉させることで反射防止機能を得る。ここで、反射防止構造における干渉の方法について簡単に説明する。
まず、基板のみにより構成される光学素子について考える。その構成例を図16に示す。161は基板であり、等方性媒質により形成されている。
この光学素子の屈折率構造を図3に示す。図3でも、横軸が光学膜厚を、縦軸が屈折率を表している。なお、このことは、後述する他の屈折率構造を示す図でも同じである。図3において、031は基板161の屈折率、033は基板161と入射媒質との界面である。
光は界面033で反射し、その反射光の波の振幅は入射媒質と基板161との屈折率差から求められる。該振幅はフレネル係数で表され、界面033での屈折率変化が入射側から見て屈折率増加の場合は負の値に、屈折率減少の場合は正の値になる。これは界面033で反射する光の位相変化量を表している。
図16の構成に、単層の反射防止層としての薄膜層を設けた構成例を図17に示す。171は基板であり、172は反射防止層としての薄膜層である。この光学素子の屈折率構造を図4及び図5に示す。041,051は基板171のx,y方向での同一の屈折率を、042,052は薄膜層172のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。また、043は基板171と薄膜層172との界面を、044は入射媒質と薄膜層172との界面を、053は基板171と薄膜層172との界面を、054は入射媒質と薄膜層172との界面を示す。
図4に示す構成は、基板と入射媒質との間に、該基板の屈折率と入射媒質の屈折率との中間の屈折率を有する薄膜層を挿入した例である。この構成における光の反射は、界面043での反射と界面044での反射との重ね合わせとなる。この重ね合わせ反射の状態は、薄膜層172の光学膜厚によって決まる。
この例のように、薄膜層172の両側の界面043,044での屈折率変化が両者とも増加である場合は、両界面043,044で反射光の波の位相変化は同じになる。これらの波同士が打ち消し合う条件は光学膜厚がλ/4であり、強め合う条件は光学膜厚がλ/2である。後者では、図3に示した界面033での反射光と同じ強さの反射光が生ずる。この例では、両界面043,044での屈折率変化がともに増加である場合について述べたが、両界面ともに屈折率変化が減少の場合でも同様となる。
この構成の場合、各界面での反射光の振幅は、エネルギー保存則により、図3の界面033での反射光の振幅より大きくはならない。波の干渉を考えると、波同士が強め合う条件でも図3に示す構成での反射光量と同等の反射光量しか生じないため、図4の構成での反射の波の総量は、図3の構成よりも減少する。つまり、両界面での屈折率変化の方向が同じ薄膜層は「反射光量を減らす」層になることが分かる。
図5に示す構成は、基板と入射媒質との間に、該基板と入射媒質の屈折率よりも高い屈折率を有する薄膜層を挿入した例である。
この構成での光の反射は、界面053と界面054での反射の重ね合わせとなる。この重ね合わせの方法は、薄膜層172の光学膜厚によって決まる。薄膜層172の両側での界面053,054での屈折率の変化がそれぞれ増加と減少というように異なる場合には、両界面053,054で反射した光の波の位相変化は逆となる。これらの波同士が打ち消しあう条件は光学膜厚がλ/2であり、波同士が強め合う条件は光学膜厚がλ/4である。前者では、図3に示す界面033の反射光と同じ強さの反射光が生ずる。なお、この例では、両界面での屈折率変化が増加と減少である場合を述べたが、両界面での屈折率変化が減少と増加である場合でも同様となる。
この構成の場合、どちらか一方の界面での反射光の振幅は、図3の界面033での反射光の振幅より大きくなる。波の干渉を考えると、打ち消し合う条件でも図3の反射光量と同等の反射光量が生ずるため、図5での反射の波の総量は図3の構成よりも大きくなる。つまり、両界面での屈折率変化の方向が異なる薄膜層は、「反射光量を増やす」層となることがわかる。
反射防止層としては、上記の2種類の薄膜層を組み合わせて形成する場合が多い。前者の構成は単純に用いるだけで反射光量が低下する。しかし、反射防止層として用いることが可能な材料は、離散的かつ選択的であるため、前者の構成だけでは高性能な反射防止機能は得られにくい。そこで、後者の構成を併せ用いることで、一部の反射光の強度を調整し、前者の構成で反射光の強度を減少させる。これにより、高性能な反射防止層(反射防止膜)が得られる。
上述したように、波の干渉を考えると、λ/4とλ/2の光学膜厚は正反対の特性を持つ。また、「λ/4」という光学膜厚は、mを自然数としたときに、(2m+1)λ/4と表すこともでき(つまり、同じ特性が得られ)、「λ/2」という光学膜厚は、mλ/2と表すこともできる。
この理論を元にすると、反射光をそれぞれの薄膜層ごとに減らすためには、薄膜層の光学膜厚を、該薄膜層の両側の界面での屈折率変化に対応した膜厚に設定することが良いと分かる。例えば、基板の屈折率に対して順に低くなる屈折率の薄膜層を2層積層した場合には、それぞれの薄膜層の界面での屈折率変化は全て正(増加)となる。このため、これらの薄膜層の光学膜厚は、2層ともλ/4に設定するほうが良いことが分かる。厳密には、界面の屈折率差から求められる反射光の強度を考慮する必要があるが、ここでの説明は省略する。
上記理論を元に、図2に示す光学素子での屈折率構造を考えると、第1の層011の光学膜厚021,025がx,y方向で異なっている。これは屈折率が方向によって異なるため、物理膜厚は一定でも光学膜厚が方向によって異なってしまうためである。このような光学素子の場合、例えばλ/4板の場合では、両偏光の光学膜厚差はλ/4となる。このため、光学膜厚が偏光方向に対してそれぞれλ/4,λ/2となってしまい、前述した反射防止構造において正反対の性質を持つ層になることがある。
この場合の屈折率構造を図18に示す。181,185は第1の層011のx,y方向での屈折率(n,n)と光学膜厚を、182は図4の薄膜層042に相当する第2の層012のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。また、183は図5の薄膜層052に相当する第3の層013のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。184は基板014のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚を示す。
第1の層011のx方向での光学膜厚181は3λ/4であり、y方向での光学膜厚185はλ/2である。また、第2の層012の屈折率182は第1の層011の屈折率181(n)及び185(n)より小さく、かつ第3の層013の屈折率183は基板014の屈折率184と第1の層011の屈折率185(n)との中間の値である。
x方向の構成では、第1の層011の屈折率181の両界面での屈折率変化は逆のため、3λ/4の光学膜厚では反射防止層としては適していない。
y方向の構成では、第1の層011の屈折率185の両界面での屈折率変化は逆であるが、λ/2の光学膜厚で反射防止層の構成として適している。つまり、全ての層で理想的な構成となるため、反射防止性能は非常に良くなる。
このように、x,y方向の双方において良好な反射防止機能を得るためには、特定の条件が必要となる。
そこで、実施例の光学素子は、以下の式(1)又は式(2)に示す条件を満足する。これらの条件式において、該光学素子に入射する、互いに偏光方向が直交する第1の偏光及び第2の偏光(x偏光,y偏光)に対する使用中心波長λでの第1の層の屈折率をn,nとする。また、第1の層の両側にて該第1の層に光学的に隣接する第2の層及び第3の層の屈折率をnt1,nt2とする。第1の層は光学異方性を有する媒質により形成され、第2及び第3の層はそれぞれ、等方性媒質により形成されている。
「光学的に隣接する」とは、図1に示すように第1の層と第2及び第3の層とが1つの界面で接する(機械的に隣接する)場合はもちろん、第1の層と第2及び第3の層との間に、各層に比べてきわめて薄く、光学的な影響が少ない挿入層を挟んでいる場合を含む。なお、以下の説明において、光学的に隣接することを、単に隣接するともいう。
(1)
(2)
図1に示した構成では、第1の層011がx,y方向においてそれぞれ、屈折率(以下、最大屈折率という)nと屈折率(以下、最小屈折率という)nを有する。また、第1の層011の両側において、第2の層012及び第3の層013が第1の層011に隣接している。
式(1)及び式(2)は、第2及び第3の層012,013の屈折率nt1,nt2がともに第1の層011の最小屈折率n以下もしくは最大屈折率n以上であることを示している。該条件を満足することにより、第1の層011の界面での屈折率変化は、両偏光に対して同じ方向となり、かつ第1の層011の両界面での屈折率変化は互いに逆となる。これにより、両偏光に対して、前述した「反射光量を増やす」層構成となる。この層構成により、両偏光に対する第1の層011は、反射防止層015の中で反射光量を調整する層となり、実際に反射光量を低下させる層は、第2の層012もしくは第3の層013となる。
反射光量を調整する層は、反射光量を低下させる層に比べて光学膜厚に対する特性変化が鈍感であるという特徴がある。このため、上記構成を採用することで、両偏光に対する反射率特性をともに良好とすることができる。
一方、この条件を満足しないと、偏光方向に対する第1の層011の屈折率構造は、両偏光のうち少なくとも一方に対して「反射光量を減らす」層になる。これにより、偏光ごとの反射特性が大きく異なってしまうため、好ましくない。
また、実施例では、第1の層011の使用中心波長λにおける最小屈折率nと最大屈折率nのうち、第2及び第3の層012,013の屈折率nt1、nt2との差が大きい方の屈折率をnとし、第1の層011の厚みをdとする。このとき、以下の式(3)に示す条件を満足することが好ましい。
(mは自然数) (3)
式(8)の条件について、図2の屈折率構造を例として説明する。この屈折率構造でのn−nt1、n−nt2、n−nt1、n−nt2を比較すると、n−nt1で示される屈折率差が最も大きくなる。このため、式(3)のnはnとなる。つまり、図2の屈折率構造では、図2(a)における第1の層011の光学膜厚021が、λ/2の自然数倍となっている。このような屈折率構造を採用することで、屈折率の変化に対して第1の層011の光学膜厚021は、理想的な値であるλ/2となる。
一方、図2(b)に示す屈折率構造では、屈折率の変化に対して第1の層011の光学膜厚025は理想的な値にはならない。しかし、第1の層011は、第2及び第3の層012,013との屈折率差が小さいため、反射率は上がりにくい。
以上のような屈折率構造は、光学異方性が強い媒質を用いた光学素子の全てに有効である。例えば、λ/4板の場合は、偏光ごとの光学膜厚差がλ/4ある。つまり、第2及び第3の層012,013のうち一方の光学膜厚をλ/2に設定すると、他方の光学膜厚はλ/4となる。これにより、第2及び第3の層012,013の反射防止機能においては、偏光方向によって互いに正反対の性質を持つ。しかし、実施例のように第2及び第3の層012,013のうち一方の光学膜厚がλ/2となる偏光を設定することで、光学膜厚がλ/4となる偏光と反射−透過特性のバランスをとることが可能となる。
また、本発明をλ/4板以外の光学異方性媒質を用いた光学素子に適用する場合には、λ/4板に比べて光学膜厚の差は反射防止性能への影響が少ない。このため、全ての光学異方性媒質を用いた光学素子において、両偏光に対する反射−透過特性を良好にすることができる。
次に、屈折率がnである第1の層011の光学膜厚025をλ/2に設定した場合を考える。この場合、図2(b)に示す屈折率構造が、屈折率の変化に対して理想的な構造になっている。しかし、図2(a)に示す屈折率構造では、屈折率の変化に対して、第1の層011の光学膜厚021が理想的な値にはならない。さらに、図2(a)に示す屈折率構造では、第2及び第3の層022,023と第1の層011との屈折率差が大きい。このため、図2(a)に示す屈折率構造と図2(b)に示す屈折率構造とでは、反射率が大きく異なってしまう。
また、実施例では、第1の層011と第2の層012との間、及び第1の層011と第3の層013との間のうち少なくとも一方に挿入層を配置してもよい。この場合も、上記式(1)又は式(2)が成り立つ。挿入層の屈折率は、n以上である。
そして、第1の層011と第2の層012との間に挟まれた挿入層を第1の挿入層とし、第1の層011と第3の層013との間に挟まれた挿入層を第2の挿入層とする。使用中心波長での第1の挿入層の屈折率をnO1、層の厚みをdO1とし、第2の挿入層の屈折率をnO2、層の厚みをdO2とするとき、以下の式(4)に示される条件を満足するとよい。
(4)
図19には、挿入層を設けた光学素子の構成例を示す。191は第1の層、192は第2の層、193は第3の層である。196は第1の層191と第3の層193との間に配置された挿入層(第2の挿入層)である。挿入層193は、均質な等方性媒質により形成された薄膜である。194は基板、195は第1〜第3の層191〜193と挿入層196とにより構成される反射防止層(反射防止膜)である。
図19の光学素子の屈折率構造を図20に示す。201,205は第1の層191のx,y方向での屈折率と光学膜厚であり、202は第2の層192のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚である。203は第3の層193のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚であり、204は基板194のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚である。206は挿入層196のx,y方向での同一の屈折率と光学膜厚である。
図20に示すように、挿入層196の屈折率206はn,nより高い。このため、挿入層196がない光学素子について上述した条件からは外れてしまう。しかし、挿入層196の光学膜厚は、他の層の光学膜厚に比べてきわめて薄いため、光学素子の特性への影響は少ない。すなわち、挿入層196が設けられている場合でも、第1の層191と第3の層193は、光学的には隣接しているとみなすことができる。第1の層191と第2の層192との間に挿入層が配置されている場合も同様である。
挿入層196の光学膜厚は、λ/8以下とすることがより好ましく、さらに好ましくはλ/10以下がよい。挿入層196としては、ハードコート層、防眩層及び接着層等が該当する。
また、実施例では、第1の層として、使用中心波長λより小さい構造が複数形成されることにより実現される構造異方性を有する層であってもよい。
構造異方性を有する第1の層の構造例を図6に示す。061は基板、062は構造異方性を有する第1の層である。第1の層062には、材料063で形成された矩形の格子と、材料063とは異なる材料064で形成された矩形の格子とが、一次元方向に交互に、かつ周期的に形成されている。材料063による格子063と材料064による格子とにより使用中心波長λより小さい1つの構造が構成され、該構造が第1の層062に複数形成されている。該構造は、xz方向で均一であり、かつy方向で周期的である。aは材料063による格子の幅であり、bは材料064による格子の幅(材料063による格子間の間隔)である。そして、a+bが使用中心波長λよりも小さい。
入射する光の波長よりも小さい構造に対して、該光はその構造を直接は認識できず、均質な媒質が存在するかのように振舞う。図6の場合、第1の層062は均質な膜と等価な屈折率を持つ層として機能し、その周期構造に応じた特性を持つ。
材料063の屈折率をnとし、材料064の屈折率をnとすると、第1の層062のx方向を偏光方向とする偏光に対する屈折率nと、y方向を偏光方向とする偏光に対する屈折率nはそれぞれ、以下の式(5),(6)により表される。
(5)
(6)
式(5),(6)は、0次の有効屈折率法と呼ばれる手法に基づく。この手法は、構造異方性層を構成する材料とその充填率ff{=a/(a+b)}によって、その層の屈折率を求めることができる。厳密には、構造の間隔や使用する波長等も影響するが、ここではこれらの説明は省略する。
構造異方性層に強い異方性を持たせるためには、該構造異方性層を構成する材料(図6に示す材料063と材料064)の屈折率差を大きくすることが有効である。このため、材料063として高屈折率の材料を用い、材料064として空気を用いることが一般的である。
例えば、材料063としてTiO(屈折率2.3)、材料064に空気(屈折率1.0)を用いてa=bとすると、n(n)は1.77、n(n)は1.30となり、非常に大きな屈折率差が得られる。
このようにして異方性を強くすることで、所望の位相差を得るための該構造異方性層の厚みを非常に薄くできる。例えば、構造異方性層(第1の層)062をλ/4板として使用する場合において、使用中心波長λが550nmであるとき、厚みは320nmとなる。
なお、図6には、矩形格子により構成される構造が一次元方向に周期的に配列された場合について説明したが、構造は2次元方向又は3次元方向に周期的に配列されていてもよい。また、構造は矩形格子によるものに限らず、円柱や球形の格子によるものであってもよい。さらに、1つの構造が使用中心波長よりも小さければ、該構造を周期的に配列しなくてもよい。
また、実施例において、光学異方性を有する媒質として無機材料を用いてもよい。無機材料は、有機系材料に比べて、耐候性や耐熱性に優れる。この特性を利用することで、厳しい環境条件や温度条件で用いられる光学素子においても、十分な性能を発揮できる。
以下に、具体的な実施例を、設計値(実験値)及び入射角0°での反射率特性とともに示す。各実施例での使用波長範囲は500〜600nmであり、使用中心波長は550nmである。ただし、これらは例に過ぎず、本発明の実施例はこれらの条件に限定されるものではない。
実施例1では、屈折率1.53の基板を用意し、その表面に屈折率1.63、物理膜厚(以下、単に膜厚ともいう)84nmの薄膜(第3の層)を積層し、さらにその表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。また、光学異方性層の表面に、屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜(第2の層)を積層した。
光学異方性層の屈折率は、n(n)が1.92で、n(n)が1.80であった。光学異方性層の物理膜厚は1108nmとした。本実施例の反射率特性を図7に示す。
光学異方性層に隣接する薄膜の屈折率(1.38,1.63)は、条件式(1)を満足している。ただし、条件式(3)は満足していない。図7によれば、波長550nmで両偏光(x偏光及びy偏光)に対する反射率が十分に低下している。
実施例2では、屈折率1.53の基板を用意し、その表面に屈折率1.63、膜厚84nmの薄膜(第3の層)を積層し、さらにその表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。また、光学異方性層の表面に、屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜(第2の層)を積層した。光学異方性層には、屈折率2.3の構造を、使用波長より小さい一次元格子状に形成した。充填率は0.85とした。
光学異方性層の屈折率は、n(n)が2.16で、n(n)が1.80であった。光学異方性層の物理膜厚は、382nmとした。本実施例の反射率特性を図8に示す。
光学異方性層に隣接する薄膜の屈折率(1.38,1.63)は、条件式(1)を満足している。また、条件式(3)も満足している。図8によれば、波長550nmで両偏光に対する反射率が十分に低下している。
実施例3では、屈折率2.0の基板を用意し、その表面に屈折率1.63、膜厚169nmの薄膜(第3の層)を積層し、さらにその表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。また、光学異方性層の表面に、屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜(第2の層)を積層した。光学異方性層には、屈折率2.5の構造を、使用波長より小さい一次元格子状に形成した。充填率は0.9とした。
光学異方性層の屈折率は、n(n)が2.40で、n(n)が2.00であった。光学異方性層の物理膜厚は、344nmとした。本実施例の反射率特性を図9に示す。
光学異方性層に隣接する薄膜の屈折率(1.38,1.63)は、条件式(1)を満足している。また、条件式(3)も満足している。図9によれば、波長550nmで両偏光に対する反射率が十分に低下している。
実施例4では、屈折率1.80の基板を用意し、その表面に屈折率2.00、膜厚138nmの薄膜(第3の層)を積層し、さらにその表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。また、光学異方性層の表面に、屈折率2.00、膜厚138nmの膜(第2の層)を積層し、さらにその表面に屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜を積層した。光学異方性層の屈折率は、n(n)が1.87でn(n)が1.60であった。光学異方性層の物理膜厚は、516nmとした。本実施例の反射率特性を図10に示す。
光学異方性層に隣接する薄膜の屈折率(2.00,2.00)は、条件式(2)を満足している。また、条件式(3)も満足している。図10によれば、両偏光に対する反射率が波長550nmで極小値となっている。すなわち、波長550nmで両偏光に対する反射率が十分に低下している。
実施例5では、屈折率2.0の基板を用意し、その表面に屈折率1.63、膜厚169nmの薄膜(第3の層)を積層し、その表面に屈折率2.30、膜厚10nmの薄膜(第2の挿入層)を積層し、その表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。さらに、その光学異方性層の表面に、屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜(第2の層)を積層した。光学異方性層の屈折率は、n(n)が2.41でn(n)が2.00であった。光学異方性層の物理膜厚は、335nmとした。本実施例の反射率特性を図11に示す。
膜厚10nmの薄膜は、式(4)により計算される光学膜厚(no2・do2)が23nmと非常に薄いため、光学異方性層は光学的に屈折率1.63の薄膜と隣接しているとみなせる。これにより、光学異方性層に隣接する薄膜の屈折率(1.63,1.38)は、条件式(1)を満足している。また、条件式(3)も満足している。図11によれば、両偏光に対する反射率が波長550nmで極小値となっている。すなわち、波長550nmで両偏光に対する反射率が十分に低下している。
以上の実施例1〜5の数値及び条件を満足する(○)か否かを表1にまとめて示す。ここで、表1中の*1は、請求項4を元に考え、光学異方性層に光学的に隣接するのは、屈折率1.63、膜厚169nmの薄膜(第3の層)の薄膜の層(第3の層)であると見なして計算を行ったことを示す。
以下に、実施例1〜5に対する比較例1,2を示す。これらの比較例は、表2に示すように、条件式(1),(2)を満足していない(×)例である。
(比較例1)
比較例1では、屈折率1.80の基板を用意し、その表面に光学異方性層(第1の層)を形成した。さらに、その表面に屈折率1.38、物理膜厚100nmの薄膜を積層した。光学異方性層には、屈折率1.8の構造を使用波長より小さい一次元格子状に形成した。充填率は、0.80とした。光学異方性層の屈折率は、nが1.67で、nが1.50であった。光学異方性層の物理膜厚は825nmとした。本比較例の反射率特性を図12に示す。
本比較例では、反射防止のために、低屈折率の薄膜を上部に積層しているが、屈折率の関係や膜厚が適切ではないため、両偏光に対する反射率(特に、波長550nmでの反射率)が大きく異なり、好ましくない。
(比較例2)
比較例2では、屈折率1.53の基板を用意し、その表面に屈折率2.30、膜厚120nmの薄膜を積層し、さらにその表面に光学異方性層(第1の層)を積層した。また、光学異方性層の表面に、屈折率1.38、膜厚100nmの薄膜を積層した。光学異方性層には、屈折率2.3の構造を、使用波長より小さい一次元格子状に形成した。充填率は0.80とした。光学異方性層の屈折率は、nが2.11で、nが1.69であった。光学異方性層の物理膜厚は、325nmとした。本比較例の反射率特性を図13に示す。
本比較例では、光学異方性層の両界面に薄膜を積層しているが、反射防止機能を果たしていない。

以下、上記実施例1〜5の光学素子を用いた光学機器の例として、液晶プロジェクタと光ピックアップ装置を示す。ただし、各実施例の光学素子は、これら以外の光学機器にも使用することができる。
まず図14には、液晶プロジェクタの構成を示す。140は光源(ランプ)、141rは赤色光の光路、141gは緑色光の光路、141bは青色光の光路を示す。142は偏光変換素子であり、143はダイクロイックミラーである。144は偏光板であり、145は波長選択性位相差板である。
146iは緑色用偏光ビームスプリッタ、146pは青・赤色用偏光ビームスプリッタである。147r,147g,147bはそれぞれ赤、緑、青色用の1/4λ板である。148r,148g,148bはそれぞれ、赤、緑、青色用の反射型液晶パネル(画像形成素子)である。149は色合成プリズム、1401は投射レンズである。
光源140からの光束は、偏光変換素子142で特定の偏光方向を有する光束に変換される。さらに、この偏光光束は、波長選択性位相差板145及び1/4λ板147r,147g,147bによって色ごとにP偏光又はS偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ146i,146pにて反射又は透過する。これにより、各色光は、対応する光路を辿って投射レンズ1401により不図示のスクリーン等の被投射面に投射され、該被投射面上にカラー画像を形成する。
実施例1〜5の光学素子は、波長選択性位相板145及び1/4λ板(位相板)147r,147g,147bとして用いることができる。
実施例1〜5の光学素子は、その厚みを薄くできるために小型化が可能であり、かつ入射するP偏光及びS偏光に対する位相板としての高い透過率を実現することができる。この結果、高性能なプロジェクタを提供することができる。また、光学素子の第1の層に無機材料を使用することで、耐熱性や耐候性に優れたプロジェクタを提供することができる。
図15には、光ディスク用の光ピックアップ装置における光源の周辺の光学系を示している。151は光源(レーザ)であり、151aは偏光板である。152は偏光ビームスプリッタであり、153,155は集光レンズである。154,156は受光器である。157は光学ディスクであり、158は位相板である。
光源151からの光束は、偏光板151aによって特定の偏光方向を有する光束(ここでは、P偏光とする)として偏光ビームスプリッタ152に入射する。該偏光光束の一部は、偏光ビームスプリッタ152で反射され、集光レンズ153を介して受光器154によりモニタされる。
一方、偏光ビームスプリッタ152を透過した偏光光束は、位相板158を介して集光レンズ155で光学ディスク157上に結像する。光ディスク157で光変調された反射光は、位相板158でその偏光方向が90°回転されてS偏光となり、偏光ビームスプリッタ152にて反射される。そして、この反射光は、再生信号光を検出するための受光器156で検出される。
実施例1〜5の光学素子は、位相板158に使用することができる。実施例1〜5の光学素子は、その厚みを薄くできるために小型化が可能であり、かつ入射するP偏光及びS偏光に対する位相板としての高い透過率を実現することができる。この結果、高性能な光ピックアップ装置を提供することができる。また、光学素子の第1の層に無機材料を使用することで、耐熱性や耐候性に優れた光ピックアップ装置を提供することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例である光学素子の基本構成を示す断面図。 実施例の光学素子の屈折率と光学膜厚を示す図。 光学素子の基板のみの屈折率と光学膜厚を示す図。 基板上にこれよりも低い屈折率の薄膜を形成した場合の屈折率構造を示す図。 基板上にこれよりも高い屈折率の薄膜を形成した場合の屈折率構造を示す図。 構造異方性層を有する実施例の光学素子の模式図。 実施例1の光学素子の反射率特性を示す図。 実施例2の光学素子の反射率特性を示す図。 実施例3の光学素子の反射率特性を示す図。 実施例4の光学素子の反射率特性を示す図。 実施例5の光学素子の反射率特性を示す図。 比較例1の光学素子の反射率特性を示す図。 比較例1の光学素子の反射率特性を示す図。 実施例1〜5の光学素子を用いた液晶プロジェクタの構成を示す図。 実施例1〜5の光学素子を用いた光ピックアップ装置の構成を示す図。 基板のみにより構成される光学素子の断面図。 基板上に薄膜を形成した光学素子の断面図。 基板上に光学異方性層及び薄膜を積層した光学素子の屈折率構造を示す図。 図1の基本構成に挿入層を追加した実施例の光学素子の断面図。 図19の光学素子の屈折率構造を示す図。
符号の説明
011,191 第1の層
012,192 第2の層
013,193 第3の層
014,061,161,171,194 基板
015,195 反射防止層
062 構造異方性層(第1の層)
063,064 材料

Claims (9)

  1. 光学異方性を持つ媒質により形成された第1の層を含む光学素子であって、
    該光学素子に入射する、偏光方向が互いに異なる第1の偏光及び第2の偏光に対する中心波長λでの前記第1の層の屈折率n (n>n)の差が0.1以上であり、
    前記第1の層の両側において該第1の層に光学的に隣接し、それぞれ等方性媒質により形成された第2の層及び第3の層の前記中心波長での屈折率をそれぞれnt1 t2し、前記屈折率n h、 のうち前記第2の層及び前記第3の層の屈折率n t1 、n t2 との差が大きい方の屈折率をnとし、前記第1の層の厚みをdとするとき、以下の条件を満足することを特徴とする光学素子。
  2. 光学異方性を持つ媒質により形成された第1の層を含む光学素子であって、
    該光学素子に入射する、偏光方向が互いに異なる第1の偏光及び第2の偏光に対する中心波長λでの前記第1の層の屈折率n (n>n)の差が0.1以上であり、
    前記第1の層の両側において該第1の層に光学的に隣接し、それぞれ等方性媒質により形成された第2の層及び第3の層の前記中心波長での屈折率をそれぞれnt1 t2とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする光学素子。
  3. 前記屈折率n のうち前記第2の層及び前記第3の層の屈折率nt1 t2との差が大きい方の屈折率をnとし、前記第1の層の厚みをdとするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第1の層と前記第2の層との間に配置された第1の挿入層、及び前記第1の層と前記第3の層との間に配置された第2の挿入層のうち少なくとも一方を有し、
    前記中心波長での前記第1の挿入層の屈折率をnO1、層の厚みをdO1とし、前記第2の挿入層の屈折率をnO2、層の厚みをdO2とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学素子。
  5. 光学異方性を持つ媒質により形成された第1の層を含む光学素子であって、
    該光学素子に入射する、偏光方向が互いに異なる第1の偏光及び第2の偏光に対する中心波長λでの前記第1の層の屈折率n h、 (n >n )の差が0.1以上であり、
    前記第1の層の両側において該第1の層に光学的に隣接し、それぞれ等方性媒質により形成された第2の層及び第3の層の前記中心波長での屈折率をそれぞれn t1 、n t2 とし、
    前記第1の層と前記第2の層との間に配置された第1の挿入層、及び前記第1の層と前記第3の層との間に配置された第2の挿入層のうち少なくとも一方を有し、
    前記中心波長での前記第1の挿入層の屈折率をn O1 、層の厚みをd O1 とし、前記第2の挿入層の屈折率をn O2 、層の厚みをd O2 とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする光学素子。


  6. 前記第1の層は、前記中心波長より小さい構造が複数形成されることによる構造異方性を有する層であることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子。
  7. 前記第1の層は、無機材料により形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子。
  8. 該光学素子は、位相板であることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子。
  9. 請求項1からのいずれか1つに記載の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
JP2008139360A 2008-05-28 2008-05-28 光学素子及び光学機器 Expired - Fee Related JP5344539B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008139360A JP5344539B2 (ja) 2008-05-28 2008-05-28 光学素子及び光学機器
EP09161085.7A EP2128666B1 (en) 2008-05-28 2009-05-26 Optical element and optical apparatus
CN2009101456379A CN101598832B (zh) 2008-05-28 2009-05-27 光学元件和光学装置
US12/473,526 US8243368B2 (en) 2008-05-28 2009-05-28 Optical element and optical apparatus
US13/456,090 US8339708B2 (en) 2008-05-28 2012-04-25 Optical element and optical apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008139360A JP5344539B2 (ja) 2008-05-28 2008-05-28 光学素子及び光学機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009288406A JP2009288406A (ja) 2009-12-10
JP5344539B2 true JP5344539B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=40888406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008139360A Expired - Fee Related JP5344539B2 (ja) 2008-05-28 2008-05-28 光学素子及び光学機器

Country Status (4)

Country Link
US (2) US8243368B2 (ja)
EP (1) EP2128666B1 (ja)
JP (1) JP5344539B2 (ja)
CN (1) CN101598832B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5361302B2 (ja) * 2008-09-17 2013-12-04 キヤノン株式会社 光学素子及び光学機器
KR101074808B1 (ko) * 2009-12-16 2011-10-19 삼성모바일디스플레이주식회사 청색 발광 소자 및 이를 포함하는 유기 발광 디스플레이
JP6089689B2 (ja) * 2012-12-26 2017-03-08 株式会社リコー 面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置
JP6027199B2 (ja) * 2015-08-12 2016-11-16 デクセリアルズ株式会社 位相差素子及びその製造方法
JP6857384B2 (ja) * 2016-11-24 2021-04-14 国立大学法人大阪大学 光学素子
CN112526647B (zh) * 2020-12-28 2022-04-29 上海中航光电子有限公司 镀膜衬底及显示系统

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08110406A (ja) * 1994-10-11 1996-04-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学多層膜
US6074730A (en) * 1997-12-31 2000-06-13 The Boc Group, Inc. Broad-band antireflection coating having four sputtered layers
JP4337164B2 (ja) * 1999-03-17 2009-09-30 セイコーエプソン株式会社 光学製品及びその製造方法
JP4562157B2 (ja) * 2000-11-16 2010-10-13 キヤノン株式会社 反射防止膜および光学素子
JP2002243902A (ja) * 2001-02-13 2002-08-28 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルム
JP4125114B2 (ja) 2001-12-27 2008-07-30 キヤノン株式会社 光学素子、光学変調素子、画像表示装置
JP2003207636A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Ricoh Co Ltd 波長板、光ピックアップ装置及び光ディスク装置
US7386205B2 (en) 2002-06-17 2008-06-10 Jian Wang Optical device and method for making same
JP2005534981A (ja) 2002-08-01 2005-11-17 ナノオプト コーポレーション 精密位相遅れ装置およびそれを製造する方法
US8164721B2 (en) * 2003-12-11 2012-04-24 Tan Kim L Grating trim retarders
US7203001B2 (en) 2003-12-19 2007-04-10 Nanoopto Corporation Optical retarders and related devices and systems
JP4814002B2 (ja) * 2005-09-30 2011-11-09 株式会社リコー 位相板の製造方法・光学素子および画像投射装置
EP1783520A3 (en) 2005-11-07 2008-01-09 JDS Uniphase Corporation Optical grating trim retarders
US7848020B2 (en) 2006-06-02 2010-12-07 Jds Uniphase Corporation Thin-film design for positive and/or negative C-plate
KR100837398B1 (ko) * 2006-06-14 2008-06-12 삼성전자주식회사 편광분리박막 및 이를 채용한 백라이트 유닛

Also Published As

Publication number Publication date
EP2128666A2 (en) 2009-12-02
US20090296214A1 (en) 2009-12-03
CN101598832B (zh) 2012-06-06
CN101598832A (zh) 2009-12-09
US8243368B2 (en) 2012-08-14
JP2009288406A (ja) 2009-12-10
US20120257277A1 (en) 2012-10-11
US8339708B2 (en) 2012-12-25
EP2128666B1 (en) 2014-11-26
EP2128666A3 (en) 2010-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5344539B2 (ja) 光学素子及び光学機器
US6947215B2 (en) Optical element, optical functional device, polarization conversion device, image display apparatus, and image display system
JP4574439B2 (ja) 偏光分離素子及びそれを有する投影装置
JP4843617B2 (ja) 多層ワイヤグリッド偏光子
US7155073B2 (en) Polarization element and optical device using polarization element
JP4593894B2 (ja) 光学式エンコーダ
JP4814002B2 (ja) 位相板の製造方法・光学素子および画像投射装置
JP4979549B2 (ja) 偏光分離素子及びそれを有する光学機器
JP4510547B2 (ja) 偏光分離素子及びそれを有する投影装置
US7012747B2 (en) Polarizing beam splitter and polarizer using the same
JP4125114B2 (ja) 光学素子、光学変調素子、画像表示装置
JP5361302B2 (ja) 光学素子及び光学機器
CN111051936B (zh) 光学膜、光学元件和成像装置
TW200935090A (en) Display system
JP4657895B2 (ja) 透過位相板、偏光ビームスプリッタ及び投射型表示装置
JPWO2014080716A1 (ja) 平板型機能性偏光子及びガラス偏光子型偏光ビームスプリッター
JP4537115B2 (ja) 偏光分離プリズム
JP2007212694A (ja) ビームスプリッタ
US8164716B2 (en) Polarization beam splitter and optical system
JP6175800B2 (ja) スクリーンおよび投射システム
JP5188524B2 (ja) 偏光分離素子
JP6451793B2 (ja) スクリーンおよび投射システム
JP2005157110A (ja) 波長選択性位相変換子及びそれを有する光学系
JP5528171B2 (ja) 画像投射装置
JP2011209545A (ja) 画像投射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130808

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5344539

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees