JP2011209545A - 画像投射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 偏光制御素子への光束の入射角度が大きくても漏れ光が少なく、コントラストの高い投射画像が容易に得られる画像投射装置を得ること。
【解決手段】 光源手段と、偏光分離素子と、少なくとも1つの反射型の液晶表示素子と、前記偏光分離素子と前記液晶表示素子との間の光路中に配置される負の屈折率異方性の波長板と、液晶表示素子を介した画像光を投射する投射光学系と、を有する画像投射装置であって、液晶表示素子の面の法線方向をz方向、偏光分離素子の偏光分離面の法線方向とz方向に垂直な方向をx方向、z方向とx方向の両方に垂直な方向をy方向とするときに、液晶表示素子が正の屈折率異方性を有する場合には、波長板は、その光学軸がy方向と平行な方向となるように配置され、液晶表示素子が負の屈折率異方性を有する場合には、波長板は、その光学軸がx方向と平行な方向となるように配置されること。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像投射装置に関し、例えば液晶パネル(画像表示素子)に基づく投射像原画をスクリーン面上に拡大投影するプロジェクターに好適なものである。
従来、液晶パネル等の画像表示素子に基づく投影像原画をスクリーン面上に拡大投影するようにした画像投射装置(プロジェクター)が種々と提案されている。一般的に画像投射装置では、液晶表示素子が黒表示状態であるにもかかわらず、不要な光が投射光学系側に漏れることがある。そうすると投射画像のコントラストが低下してくる。画像投射装置を構成する素子(部材)のうち、偏光分離素子や位相板等の偏光制御素子は光束の入射角度の違いにより光学特性が変化する。
そのためこれらの素子に入射する光が偏光光束のときは偏光の特性も入射角度に依存して変化する。この偏光状態の変動により偏光制御素子に入射した光のうち本来ならば出射してはならない光(投射光学系に入射し、スクリーンに投射されてはならない光)が出射してしまい、所謂漏れ光が生じる。偏光制御素子から漏れ光が生じると投射画像のコントラストが低下してくる。従来よりこの漏れ光を軽減した画像投射装置が知られている(特許文献1〜3)。
特許文献1では偏光素子と液晶表示素子との間に1/4波長板を配置することで漏れ光を軽減した画像投射装置を開示している。特許文献2では、入射角度による位相変化が小さい波長以下の微細な周期構造を有する波長板を用いた画像投射装置を開示している。また特許文献3では、偏光分離素子と液晶表示素子の間に1/4波長板と位相板を配置し、かつその光学軸の方向を規定することにより、高い位相補償効果を得るようにした画像投射装置を開示している。
特開平02-250026号公報 特開2005-106901号公報 特開2006-039135号公報
画像投射装置において、偏光制御素子からの漏れ光を軽減し、投射画像のコントラストを高めるためには、偏光分離素子、1/4波長板、液晶表示素子の入射角度特性や屈折率異方性等を考慮して適切な構成、配置とすることが求められている。
本発明は偏光制御素子への光束の入射角度が大きくても漏れ光が少なく、コントラストの高い投射画像が容易に得られる画像投射装置の提供を目的とする。
本発明の画像投射装置は、光源手段と、前記光源手段から放射される照明光のうち所定の偏光方向の光を透過し、それと直交する偏光方向の光を反射する偏光分離素子と、前記照明光を画像光に変換する少なくとも1つの反射型の液晶表示素子と、前記偏光分離素子と前記液晶表示素子との間の光路中に配置される負の屈折率異方性の波長板と、前記液晶表示素子を介した画像光を投射する投射光学系と、を有する画像投射装置であって、
前記液晶表示素子の面の法線方向をz方向、前記偏光分離素子の偏光分離面の法線方向とz方向に垂直な方向をx方向、z方向とx方向の両方に垂直な方向をy方向とするときに、前記液晶表示素子が正の屈折率異方性を有する場合には、前記波長板は、その光学軸がy方向と平行な方向となるように配置され、前記液晶表示素子が負の屈折率異方性を有する場合には、前記波長板は、その光学軸がx方向と平行な方向となるように配置されることを特徴としている。
本発明によれば、偏光制御素子への光束の入射角度が大きくても漏れ光が少なく、コントラストの高い投射画像が容易に得られる画像投射装置が得られる。
本発明の実施例1の画像投射装置の構成外略図 1軸性の屈折率楕円体を示す図 1/4波長板の屈折率異方性と位相差入射角度特性の相関を示す図 実施例1のG帯域用光路の構成を示す図 実施例1の各素子を透過後の偏光状態を示す図 比較例1のG帯域用光路の構成を示す図 比較例1の各素子を透過後の偏光状態を示す図 光束最大入射角度と漏れ光量の相関を示す図 微細1次元格子波長板の構造概略図 有効屈折率とフィリングファクタの相関を示す図 表1の1次元格子波長板の位相差の波長特性を示す図 実施例2のG帯域用光路の構成を示す図 実施例2の各素子を透過後の偏光状態を示す図 比較例2のG帯域用光路の構成を示す図 比較例2の各素子を透過後の偏光状態を示す図 光束最大入射角度と漏れ光量の相関を示す図 本発明の実施例3の画像投射装置の構成外略図 実施例3のG帯域用光路の構成を示す図 光束最大入射角度と漏れ光量の相関を示す図 位相板リタ-ダンス量と漏れ光量の相関を示す図 積層薄膜の位相板の構造概略図 実施例4のG帯域用光路の構成を示す図 光束最大入射角度と漏れ光量の相関を示す図
以下に、本発明の画像投射装置の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の画像投射装置は、白色光を放射する光源手段1を有する。更に、光源手段1から放射される照明光のうち所定の偏光方向の光(一方向に振動する光)を透過し、それと直交する偏光方向の光(他方向に振動する光)を反射する偏光分離面9a1、9b1を含む偏光分離素子9a、9bを有する。照明光を画像光に変換する少なくとも1つの反射型の液晶表示素子11g、11b、11rと、偏光分離素子9a、9bと液晶表示素子11g、11b、11rとの間の光路中に配置される負の屈折率異方性の波長板12g、12b、12rを有する。更に液晶表示素子11g、11b、11rを介した画像光を投射する投射光学系20と、を有する。
いま座標軸として液晶表示素子11g、11b、11rの面の法線方向をz方向、偏光分離素子9a、9bの偏光分離面9a1、9b1の法線方向とz方向に垂直な方向をx方向、z方向とx方向の両方に垂直な方向をy方向とする。このとき液晶表示素子11g、11b、11rが正の屈折率異方性を有する場合には、波長板12g、12b、12rは、その光学軸がy方向と平行な方向となるように配置される。また液晶表示素子11g、11b、11rが負の屈折率異方性を有する場合には、波長板12g、12b、12rは、その光学軸がx方向と平行な方向となるように配置される。波長板12g、12b、12rは、格子形状が可視光域の光の波長以下の格子周期を持つ1次元格子構造を1層以上有する。または無機誘電体の負結晶または負の屈折率異方性を有する液晶材料を有する。
[実施例1]
図1は本発明の実施例1の投射型の画像投射装置100の概略構成図である。光源(光源手段)1から照射される光束(白色光)は、リフレクタRaによって反射され略平行光束2となって偏光変換素子3に入射する。図1においては、この白色の平行光束2を緑・青・赤色の3原色の光に分解して図示しており、それぞれを緑色光2g、青色光2b、赤色光2rとして図示している。勿論、この緑、青、赤色光2g、2b、2rのそれぞれは、図上では便宜上空間的に分離して記載しているが、この3つの光2g、2b、2rはこの段階では空間的に分離されていない。以下、緑色光はG,青色光はB、赤色光はRと省略して示す。
光源1から発せられる各色の光は様々な偏光を含んでおり、偏光変換素子3を透過することにより、一様な偏光方向へ揃えられてG偏光4g、B偏光4b、R偏光4rとなり、ダイクロイックミラー5へ入射する。ダイクロイックミラー5はG帯域のみ反射する特性を有しており、G偏光4gは反射され、R、B偏光4r、4bは透過することでG偏光4gが色分離される。G偏光8gはそのまま偏光分離素子9aに入射し、偏光分離面9a1、1/4波長板12gを透過してG用液晶表示素子11gに照射される。
色分離されたR偏光4rとB偏光4bの各偏光は偏光板6を透過することにより偏光度が向上した後に色選択性位相板7に入射する。色選択性位相板7はB偏光4bのみ偏光方向を90°変換させる特性を有しており、これによりR偏光8rの偏光状態は維持したまま、B偏光8bは90°偏光方向が回転した状態で偏光分離素子9bに入射する。偏光分離素子9a、9bはP偏光を透過し、S偏光を反射する素子である。
このような作用を有する素子は例えば屈折率の異なる薄膜を積層した構成より成っている。偏光分離素子9bの偏光分離面9b1によりB偏光8bは反射、R偏光8rは透過して色分離され、1/4波長板12b、12rを透過して各色に対応する液晶表示素子11b、11rに照射される。液晶表示素子11b、11r、11gに照明された光は画像信号に応じて画素ごとに照明光の偏光方向を90°変換され、反射されることにより画像光となる。B偏光8bとR偏光8rの画像光は再び1/4波長板12b、12rを透過した後に偏光分離素子9bに再入射する。
ここでB偏光8bの画像光は透過され青色光15bとなり、R偏光8rの画像光は偏光分離面9b1に反射され赤色光15rとなって偏光分離素子9bを出射することで青色光15bと赤色光15rが合成される。G偏光15gの画像光も1/4波長板12gを透過した後に偏光分離素子9aの偏光分離面9a1により反射され、合成プリズム18に入射する。合成プリズム18内のダイクロイック膜19により、Gの画像光15gは反射され、RとBの画像光15b、15rは透過することでGとRとBの画像光15g、15b、15rが合成されて出射される。色合成された画像光15b、15r、15gは投射光学系20によりスクリーンSに投影、結像される。ここで本実施例の画像表示装置において用いている、1/4波長板12g,12b,12rは光学軸方向に相対的に小さな屈折率を有する負の屈折率異方性を有している。負の屈折率異方性を有する1/4波長板を用いることで、入射角度増大時に生じる位相ズレに起因する漏れ光を抑えている。
以下で屈折率異方性と位相差の入射角度特性について説明する。波長板、位相板等の偏光制御素子は、ある互いに直交する3つの方向のうち少なくとも1つの方向に振動する偏光に対して、他方と異なる屈折率を持つ。この屈折率差によって2つの偏光成分の間に光路長差が生じ、出射光に位相差を生む。このような偏光方向に対して屈折率が異なる特徴を屈折率異方性という。また前記3つの方向に対する屈折率の分布を回転楕円体表示したものを屈折率楕円体といい、このような屈折率異方性を有する媒質において、どのような偏光を入射しても屈折率差が生じない方向を光学軸という。光学軸が1軸(1軸性楕円体)の場合には前記3つの方向の屈折率のうち2方向の屈折率が等しく、光学軸が2軸(2軸性楕円体)の場合には3つの方向の屈折率が全て異なる値を持つ。なお、屈折率異方性や光学軸に関しては「応用光学」(応用物理学会編、山口一郎著、オーム社発行、p71−p84)に詳細に記載されている。
図2(A)、(B)に1軸性楕円体の2つの例を示す。どちらの図もy方向と光学軸が平行となるように示してある。図2aに示すように光学軸方向に大きな屈折率を持つ場合(ny>nx,nz)を正の屈折率異方性、図2bのように光学軸方向に小さな屈折率を持つ場合(ny<nx,nz)を負の屈折率異方性という。負の屈折率異方性を有する材料を負結晶という。屈折率異方性を示す2つの屈折率のうち、一方の屈折率(n0=nx=nz)は光線の入射方向に依らず一定であるが、もう一方の屈折率(=neと表す)は入射角度により屈折率n0から屈折率nyの範囲で偏光に対する屈折率が変化する場合がある。この変化は透過光に生じる位相差の入射角度に大きな影響を与える。
ここで図3に1/4波長板により生じる位相差の入射角度特性を示す。図3の横軸に入射角度を示し、縦軸は位相差を表す。1/4波長板の光学軸方向(図2のy方向に対応)は板面と平行であり、入射角度は波長板面法線(図2のz方向に対応)と成す角度としている。図3の3本の特性曲線のうち、黒太線31は図2におけるxz面内で入射する場合の1/4波長板の位相差角度依存性を示し、黒細線32と点線33は、図2におけるyz面内で入射する場合の1/4波長板の位相差角度依存性を示す。
このうち細線32は1/4波長板の屈折率異方性が負の場合、点線33は1/4波長板の屈折率異方性が正の場合を示している。なお屈折率異方性は正負異なるが屈折率差は等しい場合の比較としている。xz面内入射では位相差の入射角度特性に屈折率異方性の正負の差は殆ど表れない。しかしxy面内入射では、負の屈折率異方性を有する波長板は、正の屈折率異方性を有する波長板に比べて角度に対して緩やかな特性を示していることが分かる。yz面内入射では入射角度の増大に伴なって波長板の屈折率差が減少することにより位相差は減少する。負の屈折率異方性の場合、入射角増大に伴い屈折率neは増大し、正の屈折率異方性の場合は逆に入射角増大に伴い屈折率neは減少する。屈折率異方性の大きさが同程度であれば、負の屈折率異方性の1/4波長板の方が媒質中における屈折角度が相対的に小さくなり、入射角度特性が緩やかになる。その結果小さいFno(Fナンバー)でも入射角度に起因する位相ズレを小さく抑え、結果として漏れ光を低減することができる。そのため本実施例の投射型の画像投射装置においては負の屈折率異方性を有する波長板を用いることが望ましい。
次に負の屈折率異方性の波長板の配置方法について説明する。本実施例の投射型の画像投射装置においては、1/4波長板12g,12b,12rの光学軸方向は偏光分離素子9a、9bの偏光分離面9a1、9b1の方向、液晶表示素子12g、12b、12rの屈折率異方性により決定される。図4は実施例1の画像投射装置(図1)のうち、G用光学系110aの部分を抜き出して示した説明図である。図4においてG用光学系110a中9aはG用の偏光分離素子、9a1は偏光分離面、11gpは正の屈折率異方性のG用液晶表示素子、12gはG用の1/4波長板を示す。以後の説明はG用光学系110aの部分を用いて行うが、本実施例の構成は特にG帯域に限定するものではなく、R帯域、B帯域についても同様に扱うことが出来る。
まず、座標軸として液晶表示素子11gの面法線方向をz方向、偏光分離素子9aの偏光分離面9a1の法線方向とz方向の両方に垂直な方向をx方向、z方向とx方向の両方に垂直な方向をy方向として3次元軸方向を規定する。上記のように規定した座標軸を図4右下に記載している。以後、座標軸について特に記載のない場合は全て上記と同様の方法により規定しているものとする。
上記の座標軸において、液晶表示素子11gが正の屈折率異方性を有する場合には図4のG用光学系110aのように1/4波長板12gの光学軸はy方向と平行な方向となるように配置する。(図4の1/4波長板12g内の矢印は光学軸方向を示す。)このように配置することで特にパネル面法線(Z方向)に角度を持って入射する偏光に対する漏れ光を抑制する。斜入射光の漏れ光抑制のためには、液晶表示素子11gの面の法線に対して角度を持って入射する光線の偏光状態が、偏光分離素子9a,液晶表示素子11g,1/4波長板12gの各素子を透過した際にそれぞれどのように変化するかを考慮する必要がある。
ここで図4のG用光学系110aにおいて、z軸に対して12°、xy面内においてx軸に対し方位+45°の方位から光線が入射した場合の各素子を通過後の偏光状態を図5に示す。4つのグラフは横軸x方向振幅、縦軸y方向振幅として、それぞれの偏光状態を楕円表示で示している。
図5中の番号1a、2a、3a、4aは図4中の番号と対応しており、各素子透過後の偏光状態を表している。1aは光源側から偏光分離素子9a透過直後、2aは光源側から1/4波長板12g透過後、3aは液晶表示素子11gp反射後、4aは液晶側から入射した時の1/4波長板透過後の偏光状態を表す。なお液晶表示素子は黒表示状態で、セル内の液晶分子はほぼ垂直配向している状態である。また1aで偏光分離素子9aを透過した後、偏光軸がy軸に対して傾いた直線偏光となっている。これは偏光分離素子面9a1に方位45°で斜入射したため起こるものであり、z軸と平行に入射した場合にはy方向に振動する直線偏光となる。
比較例1として実施例1の1/4波長板12gの光学軸をxy面内で90°回転させて配置した、図6のG用光学系110bの素子配置における各素子透過後の偏光状態を図7に示す。図5と図7を比較すると、2aまでは同じ偏光状態に見えるが、実際には楕円偏光の回転方向が左右反対になっている。1/4波長板によって与えられる位相差の大きさ自体はG用光学系110a,110bで差はないが、両者の位相状態は図5では右回り、図7では左回り楕円偏光となり、異なっている。
その結果、液晶表示素子11gpを通過する際に光線に与える偏光特性が変化し、液晶表示素子11gpで反射後の偏光状態3a(楕円形状)に差が生じる。ここで図5、図7中の4aに重ねて示されている矢印は偏光分離素子面9a1の液晶側表示素子11gpから入射した時の透過偏光方向を表す。入射偏光がy方向に対して傾いているのと同様に偏光分離素子の透過偏光方向も傾いているため、4aの時点で矢印方向に対して最適な偏光状態にすることが望ましい。つまり図5、図7中4aの偏光状態と前記矢印が重なっていれば偏光は偏光分離素子9aを透過して光源側に戻るため、漏れ光は最小限に抑えられる。
図5と図7の偏光状態4aを比較すると、図5の4aの方が偏光状態と矢印の重なりが大きい。つまり実施例1の構成は比較例1の構成に比べて漏れ光が小さくなる。ここまでの説明はx方向に対して45°の方位についての説明であったが、方位対称性から他の方位に関しても概ね同様の傾向が見られる。他の方位から斜入射した偏光であっても実施例1は比較例1に対して漏れ光を低減する傾向を有する。
以上の説明から、1/4波長板12gの光学軸の最適な方向は、液晶表示素子11gpの屈折率異方性、1/4波長板12gの屈折率異方性によって決定される。どれか1つの屈折率異方性が反転すると偏光状態2a、3aに大きく影響する。実施例1のように液晶表示素子11gpが正の屈折率異方性を有し、1/4波長板12gが負の屈折率異方性を有する場合には、1/4波長板12gの光学軸方向は図4の座標系においてy方向と平行な方向に配置することが望ましい。
図8に本発明の実施例1の構成(図4)と比較例の構成(図6)において、光束の最大入射角度と漏れ光量の相関を計算した結果を示す。横軸は入射光束の最大の入射角度(4deg〜16deg)であり、横軸が大きいほど入射する光束のFナンバーFnoが小さくなる。縦軸は各光束におけるG光路の漏れ光量を示している。縦軸の漏れ光量は入射光量に対する比率(%)である。これは以下同じである。図8の計算において偏光分離素子9aの材料の屈折率は1.8、波長板のリタ−ダンス(波長板が与える位相差)を138nm、液晶表示素子のリタ−ダンスをおよそ250nmとした。ここでいうリタ−ダンスは屈折率異方性を有する層の最大屈折率差と層の厚さの積である。図8から実施例1は、どの入射角度の光束であっても比較例1に比べて漏れ光量を小さく抑えていることが分かる。特に入射角度の大きな領域で効果が大きく、本実施例の構成とすることでFナンバーFnoを小さくして光量を得つつ、高いコントラストの投射画像を得ることができる。
以上のように本実施例の投射型画像表示装置では、1/4波長板として負の屈折率異方性の材料を用いることが望ましい。このような屈折率異方性を持つ波長板としてはニオブ酸リチウム等の無機誘電体の負結晶の厚みを制御して位相差を1/4波長としたものが一般的であり、他には負の屈折率異方性を有する液晶材料を用いることもできる。またその他の波長板として光の波長以下の微細な1次元格子を用いた波長板も適用できる。
図9には、1次元格子構造を用いた波長板12の模式図である。詳細な構成については後述する。1次元格子構造50の格子形状部分(格子形状)53及び54の格子周期が可視光域の光の波長以下であれば、その微細な周期構造により構造複屈折が生じる。ここでいう光とは主として波長400nm〜700nmの可視光域を指している。例えば偏光方向が1次元格子周期方向と平行でない直線偏光が格子を透過する場合、格子周期に平行な方向と直交する方向とでは、各偏光に対する屈折率が異なるので、その格子高さに応じた位相差が生じる。
ここで有効屈折率法について説明する。有効屈折率法とは、回折限界以下の微細な周期構造体について、構造の持つ見かけの屈折率(=有効屈折率)を求める手法である。実際の設計においては厳密結合波解析などの手法を用いる必要があるが、有効屈折率法を用いることにより微細構造全体で生じる位相差を簡易に算出することができる。図9の各格子層(53および54)において、格子周期に直交する偏光成分をTE偏光、TE偏光と入射面に垂直な偏光成分をTM偏光とする。このときTE,TM偏光に対する有効屈折率n(TE),n(TM)は以下の式(2)(3)で与えられる。
ここでnは格子材質の屈折率である。nは格子層に充填される媒質の屈折率であり、通常ではna=1.0(空気)である。また、フィリングファクタffは構造周期をP,格子幅をWとすると、式(4)
ff=W/P ・・・(4)
で定義される量である。
図10に有効屈折率n(TE),n(TM)とフィリングファクタffの関係を示す。図10から明らかなように1次元格子の有効屈折率は常に
(TE)>n (TM)
となっていることがわかる。また図9のz方向と平行に振動する偏光成分に対する有効屈折率は、周期構造の対称性から前記TE方向に同等と近似できるとすると、1次元格子構造は周期方向(y方向)に光学軸を持つ負の屈折率異方性を持つと考えることができる。
構造複屈折は材料の屈折率異方性には依存しないので材料の自由度が高い。例えば格子材質として透明無機誘電体を用いれば、高分子延伸フィルムの波長板に比べて耐熱性の高い波長板を得ることができる。また形状によって位相差特性を制御でき、広い帯域で位相分散の小さい波長板を設計することも可能である。
表1に広帯域位相差波長特性を有する1次元格子構造より成る波長板の設計値を示す。表1に示す波長板の概略構造は図9と対応しており、表1記載の1層目は図9中の格子形状部分54、2層目は図9中の格子形状部分53、3層目は図9中の中間層52、基板は図9中の基板51と対応している。
表1に示した1次元格子波長板の設計値の分光位相差特性を厳密結合波解析の手法を用いて計算すると図11のようになる。広帯域の1次元格子波長板の設計指針としては、格子の材料の屈折率に1.6以上の材質を用い、フィリングファクタを0.65以上とすることが望ましい。即ち1次元格子構造の格子周期をP,格子幅をW,格子材料の屈折率をnとする。このとき、
n>1.60 かつ W/P>0.65
を満たすのが良い。位相差の広帯域化のためには、位相差と屈折率差、波長の関係が式(5)
位相差Δ=2π・屈折率差Δn/波長λ ・・・(5)
である。これより互いに直交する偏光方向の光に対する屈折率の差(以下、端に「屈折率差」という。)Δnの波長変化を1/λと相殺させる必要がある。フィリングファクタffが0.65以下では屈折率差Δnの波長変化が1/λの変化と相殺しない方向となるので望ましくない。また格子屈折率が小さいと得られる屈折率差Δn自体が小さくなり、屈折率差Δnの波長変化量が小さくなってしまうので広帯域化の観点からは望ましくない。
図11のような特性を有する1/4波長板を用いれば、設計中心波長λ0から離れた波長でも位相ズレを少なく抑え、漏れ光を低減できる。高い漏れ光抑制効果を得る為には使用波長帯域内で設計中心波長λ0からの位相ズレ量を±5°以内に抑えることが望ましい。
以上の結果から本実施例の画像投射装置においては、1/4波長板として負の屈折率異方性を有する1/4波長板を用いることが好ましい。さらに光の波長以下の周期構造の1次元格子構造を1層以上有する1/4波長板を用いることが好ましい。また本実施例の構成の説明においては、入射偏光がP偏光として偏光分離素子9aの透過側に液晶表示素子および1/4波長板の構成としているが、これに限定されない。図1のB光路の様に液晶表示素子に入射する偏光が偏光分離素子で反射して入射されるS偏光であるような構成であっても、本実施例の構成であればこれまでの説明と同等の漏れ光抑制効果を得ることが出来る。
本実施例及び以下の各実施例において、例えば1/4波長板を光学軸がy方向又はx方向に平行となるように配置するとは厳密に平行でなくとも、ある程度の許容範囲(例えば±10度以内)に配置されていれば良い。このことは他の光学素子においても同様である。
[実施例2]
次に本発明の実施例2の画像投射装置について説明する。実施例2の構成概略図については図1の実施例1と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。実施例2の画像投射装置は実施例1の正の屈折力異方性の液晶画像表示素子11g,11b,11rの代わりに負の屈折率異方性の液晶画像表示素子を用いている点が異なっている。図12は、実施例2の画像投射装置のうちG光路を抜き出したG用光学系120aを示した説明図である。
図中11gnは負の屈折率異方性の液晶表示素子を示している。実施例1では図4のG用光学系110aの様に1/4波長板12gの光学軸はy方向と平行な方向を向いているのに対し、実施例2では図12のG用光学系120aの様に1/4波長板12gの光学軸はx方向と平行な方向を向く様に配置する。
図13は実施例2の各素子を透過後の偏光状態を示す図である。入射条件は実施例1の図5と同じである。比較例2として図14のG用光学系120bのように1/4波長板12gの光学軸をy方向に向けた場合の偏光状態を図15に示す。図13、図15を実施例1の図5、図7と同様に比較すると、偏光状態4aの比較から実施例2は比較例2に比べて漏れ光が少ないことがわかる。実施例2の構成の投射型画像表示装置においては、液晶表示素子11gnの屈折率異方性が負の屈折率異方性を有する。そのため液晶表示素子11gnによる偏光状態の変化が実施例1の場合とは異なる。実施例2では1/4波長板12gの光学軸をx方向と平行な方向に配置することで、漏れ光をより低減することができる。
図16に本発明の実施例2の構成(図12)と比較例2の構成(図14)における、光束の最大入射角度と漏れ光量の相関を計算した結果を示す。横軸は光束の最大入射角度(4deg〜16deg)、縦軸に漏れ光量を示している。計算条件については液晶表示素子の屈折率異方性の正負を除いて実施例1と同一とした。2つの曲線を比較すると、比較例2に比べ実施例2の構成の方が漏れ光量を小さく抑えていることが分かる。
[実施例3]
図17は本発明の実施例3の投射型の画像投射装置200の概略構成図である。本実施例を構成する各要素のうち、位相板13g,13b,13r以外の要素は図1の実施例1の構成要素と同じであるため詳細な説明は省略する。
実施例3の画像投射装置200では、各色帯域に対応した位相板13g,13b,13rが液晶表示素子11g,11b,11rと1/4波長板12g,12b,12rとの間に配置されている。位相板13g,13b,13rは面法線に平行な方向(Z方向)に光学軸を持ち、通常液晶表示素子11g,11b,11rの面法線に対して斜入射した偏光に生じる所望しない位相差を補正する為に用いられる。そのため通常では位相板が液晶表示素子の屈折率異方性の符号と反対の屈折率異方性を有するものが用いられている。ここで液晶表示素子の屈折率差ΔnLC、液晶セル厚dLCとし、位相板の屈折率差ΔnCP、位相板の屈折率異方性層の厚さdCPとする。このときにそれぞれのリタ−ダンスが等しくなるように、位相板13g,13b,13rの特性が選択される。すなわちΔnLC・dLC=ΔnCP・dCPの条件を各帯域ごとに満たす位相板を用いることにより、液晶表示素子に斜入射した時に生じる位相差をキャンセルしている。
上記の条件は液晶表示素子で生じる位相差を、位相板単体で補償する場合の最適な条件である。本実施例の投射型の画像投射装置のように液晶表示素子11g,11b,11rの周りに偏光分離素子9a,9bや1/4波長板12g,12b,12rが配置されている場合には、それらの影響を受けて位相板13g,13b,13rの位相補償条件は変化する。そのため光学系全体としての位相補償については前述の条件が最適とは言えない。
図18は実施例3の画像投射装置(図17)のうち、G用光学系210aの部分を抜き出して示した説明図である。図中9aはG用偏光分離素子、9a1は偏光分離面、11gpは正の屈折率異方性のG用液晶表示素子、12gはG用の負の屈折率異方性の1/4波長板、13gnはG用負の屈折率異方性の位相板を示す。図18のように液晶表示素子11gpが正の屈折率異方性を有する場合には、位相板13gnは負の屈折率異方性を有し、かつ負の屈折率異方性の波長板12gの光学軸をy方向と平行な方向に配置する。負の屈折率異方性の1/4波長板12gを用いることにより入射角度特性に優れ、光束のFno(Fナンバー)の小さく高輝度の画像投射装置を得ることが出来る。このとき液晶表示素子11gpが正の屈折率異方性を有する場合には、また面法線方向に光学軸を持つ、負の屈折率異方性の位相板13gnを加えることにより高い位相補償効果が得られる。
図19に入射光束の最大入射角度と漏れ光量の相関を計算した結果を示す。具体的には図18中の偏光分離素子9aの材料の屈折率を1.8、1/4波長板12gのリターダンスは138nmとしている。また屈折率n0=1.94、ne=1.75を有する負の屈折率異方性の位相板13gnのリターダンスを220nm、液晶表示素子11gpのリターダンスをおよそ250nmとした場合の相関を示している。
図19において実線は図18で示される実施例3の構成を示し、点線は比較例3として図18の1/4波長板12gの光学軸がx方向と平行な場合を示している。比較例3に比べて実施例3の漏れ光が非常に小さいことが見て取れる。また位相板13gnのリタ−ダンスは液晶表示素子11gpの88%という小さいリターダンスでも高い位相補償効果が得られている。これは図18に示されるG用光学系210a全体で、斜入射の偏光状態を考慮した補償を行った結果得られたものである。
図20は実施例3において光束の最大入射角度15°の場合における、位相板13gnのリタ−ダンス量と漏れ光量の相関を示している。図20において曲線の極小値が最適なリターダンス条件を示している。また横軸は以下の式(6)で示されるReでプロットしており、位相板13gnのリタ−ダンスと液晶表示素子11gpのリタ−ダンスの比率を表す量である。
Re=ΔnCP・dCP / ΔnLC・dLC ・・・(6)
3本の曲線A,B,CはそれぞれG用光学系210aの構成要素を変えている。曲線Aは図19の実施例3の計算条件と等しく、曲線Bは位相板13gnの屈折率異方性が(リターダンスは変えずに)変化した場合、曲線Cは液晶表示素子11gpのリタ−ダンスがAに比べ30%減少した場合を示している。曲線A,B,CともにRe<100%、つまり液晶表示素子より小さなリタ−ダンスで最適に補償できることがわかる。位相板13gnによる位相補償の効果を効果的に得るには次の如く設定することが望ましい。
Δn(pc)を位相板13gの最大屈折率と最小屈折率の差、d(pc)を位相板13gの厚さ、Δn(lc)を液晶表示素子の最大屈折率と最小屈折率の差、d(lc)を液晶表示素子の厚さとする。このとき、
0.40<(Δn(pc)・d(pc))/Δn(lc)・d(lc)<1.4
なる条件式を満たすのが良い。更に好ましくは、
0.55<(Δn(pc)・d(pc))/Δn(lc)・d(lc)<0.95
とするのが良い。即ち位相板のリターダンスを液晶表示素子のリターダンスより小さく設定するのがより好ましい。
従来例では、1/4波長板の屈折率異方性および軸方向、かつ斜入射偏光の位相状態まで含めた形で光学系全体における位相状態を最適化しておらず、光学系の持つ性能を最大限に引き出せていなかった。それに対し本実施例では液晶表示素子の屈折率異方性、位相板の屈折率異方性、偏光分離素子の偏光分離面方向、及び1/4波長板の屈折率異方性と光学軸方向から、斜入射での漏れ光を効果的に低減する配置を決定するものである。これにより入射角度の大きい領域でも良好に漏れ光を補正して、コントラストの高い画像投射装置を得ることができる。このような負の屈折率異方性を示す位相板13gnとしては、誘電体結晶(無機誘電体材料)や液晶材料を用いたものがある。それ以外に屈折率の異なる2つ以上の等方性材質を積層した構造を面法線方向に光学軸を有する位相板として用いることができる。
図21は積層構造の位相板300の構成略図である。高屈折率膜と低屈折率膜の屈折率の異なる2つの薄膜301、302を図21のように繰り返し積層する。このとき全体として10層以上積層するのが良い。この積層構造の位相板300の面法線に対して角度を持って入射した偏光は、薄膜間の干渉の影響によって透過光に位相差を生じる。この位相差は入射角度が大きい程大きく、面法線と平行に入射した光線に対しては位相差は付与されない。積層数や膜厚によって制御でき、所望の位相差の位相板を構造制御により得ることができる。
本実施例ではこのような位相板13gnを用いる場合に、1/4波長板12gの光学軸を最適な方向とすることで少ない位相差で位相補償できる。その場合には位相板の積層数を低減することができる。実施例3の構成に合わせた具体的な位相板の設計値を表2に示す。16層という層数と1μm以下の厚さで、少なくとも入射角度20°までの範囲において図19の実施例3に示した特性と同等の位相補償効果を得ることが出来る。また積層薄膜であるので、1/4波長板の液晶表示素子側、または液晶表示素子面上に反射防止層とともに形成することで、部品点数を減らして低コストで高い位相補償効果を得られる。
[実施例4]
次に本発明の実施例4の画像投射装置について説明する。実施例4の構成概略図は図17の実施例3と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。実施例4の画像投射装置は実施例3の正の屈折率異方性の液晶表示素子11g,11b,11rの代わりに負の屈折率異方性の液晶表示素子を用いた点が異なっている。図22は実施例4の画像投射装置のうちG光路を抜き出したG用光学系220aを示している。
図中11gnは負の屈折率異方性の液晶表示素子を示し、13gpは正の屈折率異方性の位相板を示している。実施例3では図18のように負の屈折率異方性の位相板13gnを配置し、かつ図17の様に1/4波長板12gの光学軸はy方向と平行な方向を向いていた。それに対し実施例4では図22の様に正の屈折率異方性を有する位相板13gpを配置し、また1/4波長板12gの光学軸はx方向と平行な方向を向くように配置する。実施例4の画像投射装置においては、液晶表示素子11gnの屈折率異方性が実施例3に対して正負逆転したことにより、液晶表示素子11gnによる偏光状態の変化が実施例3とは異なる。このような構成においては1/4波長板12gの光学軸をx方向と平行な方向に配置することで、漏れ光を効果的に低減することができる。
図23は入射光束の最大入射角度と漏れ光量の相関を示す。具体的な構成は液晶表示素子11gn及び位相板13gpの屈折率異方性の正、負を除いて実施例3の構成と同一である。図23中の実線は図22に示す実施例4の構成220aの場合を示し、点線は比較例4として図22中の1/4波長板の光学軸がx方向と平行な方向を向いている場合を示している。比較例4に比べて実施例4の漏れ光が非常に小さいことが見て取れる。また位相板13gpのリタ−ダンスは液晶表示素子11gnの89%で、小さいリターダンスでも高い位相補償効果が得られている。これは図22に示される光学系220a全体で、斜入射の偏光状態を考慮した補償を行った結果得られたものである。
以上のように各実施例によれば、偏光分離素子の入射角度特性、液晶表示素子の屈折率異方性等を考慮して負の屈折率異方性の1/4波長板の配置を光学軸を参照して決定する。その結果、光学系全体に最適な位相補償が行なわれるので漏れ光を効果的に軽減することが出来る。また入射角度特性に優れた負の屈折率異方性を有する1/4波長板を用いることで高い入射角でも漏れ光が少なくコントラストの高い高品位な投射画像が得られる画像投射装置を得ることができる。
1 光源 9a,9b 偏光分離素子 11g,11b,11r 液晶表示素子
20 投射光学系 12g,12b,12r 波長板 9a1,9b1 偏光分離面

Claims (9)

  1. 光源手段と、前記光源手段から放射される照明光のうち所定の偏光方向の光を透過し、それと直交する偏光方向の光を反射する偏光分離素子と、前記照明光を画像光に変換する少なくとも1つの反射型の液晶表示素子と、前記偏光分離素子と前記液晶表示素子との間の光路中に配置される負の屈折率異方性の波長板と、前記液晶表示素子を介した画像光を投射する投射光学系と、を有する画像投射装置であって、
    前記液晶表示素子の面の法線方向をz方向、前記偏光分離素子の偏光分離面の法線方向とz方向に垂直な方向をx方向、z方向とx方向の両方に垂直な方向をy方向とするときに、前記液晶表示素子が正の屈折率異方性を有する場合には、前記波長板は、その光学軸がy方向と平行な方向となるように配置され、前記液晶表示素子が負の屈折率異方性を有する場合には、前記波長板は、その光学軸がx方向と平行な方向となるように配置されることを特徴とする画像投射装置。
  2. 前記波長板は、格子形状が可視光域の光の波長以下の格子周期を持つ1次元格子構造を1層以上有することを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
  3. 前記1次元格子構造の格子周期をP,格子幅をW,格子材料の屈折率をnとするとき、
    n>1.60 かつ W/P>0.65
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載の画像投射装置。
  4. 前記液晶表示素子と前記波長板との間の光路中に、光学軸が前記Z方向と平行な位相板が配置されており、
    前記位相板は、前記液晶表示素子の屈折率異方性の符号と反対の符号の屈折率異方性を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像投射装置。
  5. Δn(pc)を前記位相板の最大屈折率と最小屈折率の差、d(pc)を前記位相板の厚さ、Δn(lc)を前記液晶表示素子の最大屈折率と最小屈折率の差、d(lc)を前記液晶表示素子の厚さとするとき、
    0.40<(Δn(pc)・d(pc))/Δn(lc)・d(lc)<1.4
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項4の画像投射装置。
  6. 前記位相板は高屈折率膜と低屈折率膜を全体として10層以上積層した構造を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像投射装置。
  7. 前記波長板、および前記位相板は無機誘電体材料からなることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の画像投射装置。
  8. 前記波長板は無機誘電体の負結晶を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像投射装置。
  9. 前記波長板は負の屈折率異方性を有する液晶材料を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像投射装置。
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