JP5342711B2 - 組合せオイルリング - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに装着される組合せオイルリングに関し、更に詳しくは、エンジンの潤滑油の変性により生じるオイルスラッジの付着、堆積、及びそれらに起因する部材間の固着を効果的に防止し得る内燃機関用の組合せオイルリングに関する。
内燃機関においては、エンジンの長時間の運転に伴い、潤滑油が加熱され、ブローバイガスに曝されることにより、潤滑油中に炭化水素の未燃焼生成物やオイル添加剤の変性物が混在する状態となる。このような未燃焼生成物、オイル添加剤変性物を総じて、一般に「オイルスラッジ」と言う。オイルスラッジがエンジン部品に付着し更に堆積すると、部品を摩耗させたり、潤滑油の通路を塞いだりすることにより、オイルリング等のエンジン部品の機能に支障を及ぼすことがある。
図1にスチール組合せオイルコントロールリング(3ピース型オイルリング)10の断面図を示す。この3ピース型オイルリング10は、合口を有する一対の円環状サイドレール11と、サイドレール11を支持するスペーサエキスパンダ12とからなる。スペーサエキスパンダ12の、内周側には耳部13が形成され、外周側にはサイドレール11を支持する突起部16が形成されている。また、耳部13と突起部16を連結する部分に平坦な中手部(base dent)14が設けられている。スペーサエキスパンダ12とサイドレール11とを組合せると、耳部13、突起部16、中手部14とサイドレール11との間に空間15が形成される。
3ピース型オイルリング10ではスペーサエキスパンダ12の耳部13の角度により、サイドレール11が半径方向及び軸方向の分力によって押圧され、シリンダ壁面及びリング溝の上下面においてシール機能を発揮する。特に、軸方向幅、即ちh1寸法を小さくした薄幅化3ピース型オイルリングは、シリンダ壁面に対する追従性が良く、サイドシール機能もあることから、低張力であってもオイル消費を増加させることなく摩擦損失を低減できる。しかし、3ピース型オイルリング10では、スペーサエキスパンダ12の耳部13より外周側の中手部14と、サイドレール11との間の空間15に、オイルスラッジが堆積しやすい。特に、薄幅化した場合には、堆積したオイルスラッジによってサイドレール11がスペーサエキスパンダ12に固着する可能性がある。固着が発生すると、サイドレール11のシリンダ内周面への追従性が低下するため、オイル消費量が増大しやすくなる。
オイルリング等へのオイルスラッジの付着及び堆積防止法として、従来からフッ素含有皮膜等による撥液処理が検討されている。これは、オイルリングの表面に撥油性皮膜を形成することにより、潤滑油中のオイルスラッジの付着を防止しようとするものである。撥油処理に用いられるフッ素含有皮膜の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アルキルシラン等が挙げられる。例えば、特許文献1では、金属アルコキシドと、アルコキシ基(アルコキシル基)の一部がフルオロアルキル基により置換されたフルオロアルキル基置換金属アルコキシドからゾル−ゲル法により撥液膜を形成する方法が提案されている。フルオロアルキル基を含む物質は撥水撥油性を有することが知られている。そこで、このフルオロアルキル基が表面に存在する被覆膜を設けることでエンジン部品に撥液性を付与し、オイルスラッジの付着及び堆積の防止を図っている。特許文献2では、フッ素含有皮膜を厚膜化してオイルスラッジの付着及び堆積防止効果を高める技術が開示されている。厚膜化のためには、コーティング溶液を基材に塗布する前にフルオロアルキル基置換アルコキシドの重合を促進させている。
また、特許文献3には、所定の表面自由エネルギー及び被覆粗さを有する炭素系膜を内燃機関用部材に被覆することにより、デポジッド(オイルスラッジ)の弾き性が良好となるため、デポジットの堆積・固着が抑制され、性能劣化が少なく効率の良い燃焼運転の持続が実現されることが記載されている。ここで、炭素系膜としては、ポリプロピレン樹脂、パーフルオロエチレンプロピレン(FEP)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化アルキルシラン等が示されている。
特許文献4に記載された組合せオイルリングでは、スペーサエキスパンダの耳部の剪断面に窒化層が形成され、剪断面以外のスペーサエキスパンダの表面にはNiめっき皮膜が形成されている。また、スペーサエキスパンダのサイドレールに対向する面の最表面及び/又はサイドレールのスペーサエキスパンダと対向する面には、フッ素系有機物のみからなる薄膜が形成されている。ここでは、Niめっき皮膜を形成することにより、耳部剪断面以外の面への窒化が防止されるため、窒化層の深さバラツキに起因するスペーサエキスパンダの張力のバラツキが低減されることが示されている。また、フッ素系有機物のみからなる薄膜を被覆することにより、オイルスラッジの付着防止効果が得られることが記載されている。なお、具体的なフッ素系有機薄膜の原料としては、アルコキシ基の一部がフルオロアルキル基により置換されたフルオロアルキル基置換金属アルコキシドやフルオロアルキル基を有する金属ハロゲン化物等が挙げられている。
このようにオイルスラッジの付着及び堆積防止法としては、これまで、オイルリングの表面をフッ素含有皮膜で被覆する方法が検討されてきた。しかしながら、従来の皮膜構成では、オイルスラッジの付着及び堆積防止効果は十分とは言えず、長期間にわたる運転においても固着が生じず、優れたオイルコントロール機能を維持し得る内燃機関用組合せオイルリングが求められている。
特開2000−27995号公報 特開平10−157013号公報 特開2006−291884号公報 特開2006−300224号公報
従って、本発明の目的は、長期間のエンジン運転においても、オイルスラッジの付着及び堆積が防止され、部材間の固着が発生することなく、優れたオイルコントロール機能を維持し得る内燃機関用の組合せオイルリングを提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の撥油性を、スペーサエキスパンダ表面の撥油性より高くし、両者の撥油性に所定の差を設けることにより、撥油性の高いサイドレール側から撥油性の低いスペーサエキスパンダ側へのオイルの流れが生じるため、このようなサイドレールとスペーサエキスパンダを組合せることにより、オイルスラッジの付着及び堆積が効果的に防止されることを見出し、本発明に想到した。
即ち、本発明の組合せオイルリングは、スペーサエキスパンダと、スペーサエキスパンダに支持される上下一対のサイドレールとからなる組合せオイルリングであって、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)が、スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)より大きく、且つその差(θ−θ)が、30°以上であることを特徴とする。
本発明の組合せオイルリングでは、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の撥油性を、スペーサエキスパンダ表面の撥油性より高くし、両者の撥油性に所定の差を設けている。そして、この撥油性の差や温度差に起因して生じる対流により、サイドレール側からスペーサエキスパンダ側へのオイルの流れが加速されるため、生成したオイルスラッジを速やかに排出することができる。そのため、オイルスラッジの付着及び堆積が効果的に抑制され、組合せオイルリングの固着の発生を防止することができる。
また、本発明において、表面積の大きいスペーサエキスパンダに、放熱性に優れる金属皮膜を被覆することにより、組合せオイルリングからオイルへの放熱効果を高めることができる。それにより、組合せオイルリングの温度上昇が抑えられ、サイドレールにフッ素含有皮膜を被覆した場合でも、皮膜の熱分解又は劣化が抑制され、長期間にわたる運転においても優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が維持される。
スチール組合せオイルコントロールリング(3ピース型オイルリング)の一例を示す断面図である。 θ−θとオイルスラッジ付着量との関係を示すグラフである。
以下に本発明の組合せオイルリングについて詳細に説明する。
図1に、本発明の一例である3ピース型オイルリング(スチール組合せオイルコントロールリング)の断面図を示す。このオイルリング10は、合口を有する一対の円環状サイドレール11と、サイドレール11を支持するスペーサエキスパンダ12とからなる。スペーサエキスパンダ12の、内周側には耳部13が設けられ、外周側には、サイドレール11を支持する突起部16が設けられている。また、耳部13と突起部16との連結部分に平坦な中手部14が設けられている。スペーサエキスパンダ12とサイドレール11とを組合せると、耳部13、突起部16、中手部14とサイドレール11との間に空間15が形成される。
本発明では、サイドレール11のスペーサエキスパンダ12に対向する側面表面の撥油性を、スペーサエキスパンダ12表面の撥油性より高くし、両者の撥油性に所定の差を設けることを特徴とする。即ち、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)と、スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)との差(θ−θ)を30°以上とする。この撥油性の差に起因する対流によりサイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じ、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルを速やかに排出することができる。そのため、オイルスラッジの付着及び堆積が効果的に抑制され、オイルリングの固着の発生を防止することができる。サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)とスペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)との差(θ−θ)は35°以上とするのが好ましく、40°以上とするのがさらに好ましい。
サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、50°以上とするのが好ましく、70°以上とするのがより好ましい。一方、スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、10〜50°とするのが好ましく、10〜30°とするのがより好ましい。上記範囲では、サイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じやすくなり、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルをより円滑に排出することができる。
サイドレール及びスペーサエキスパンダの皮膜構成は特に限定されず、(θ−θ)が、前記範囲となる組合せであれば、サイドレール、及びスペーサエキスパンダの一方、又は両方に皮膜を被覆せず、基材のまま用いることもできる。
サイドレールとしては、スペーサエキスパンダに対向する側面に撥油性の高いフッ素含有皮膜等を被覆した構成が好ましく用いられる。一方、スペーサエキスパンダとしては、フッ素含有皮膜より撥油性が低く、放熱性に優れる金属皮膜を被覆した構成が好ましい。表面積の大きいスペーサエキスパンダに、このように放熱性に優れた皮膜を被覆することにより、組合せオイルリングからオイルへの放熱効果が向上する。このため、組合せオイルリングの温度上昇が抑えられ、サイドレールにフッ素含有皮膜を被覆した場合でも、その熱分解又は劣化が抑制され、長期間にわたる運転においても優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が維持される。その結果、本発明の組合せオイルリングでは長期間にわたって優れたオイルコントロール機能が維持できる。
(接触角の測定)
撥油性は、以下の測定方法により求められる150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角により評価する。
測定試料は、ヒーターが設置されたアルミニウム製のホットステージに固定し、試料表面の温度を熱電対により測定し、150±2℃になるように調整する。マイクロピペットにより、測定試料上に、0.2μLのパラフィン系潤滑油(新日本石油株式会社製 パラフィン系原料用潤滑油「スーパーオイルN100」)を滴下する。自動接触角計(協和界面科学株式会社製 Drop Master 500)を用いて、接触角を測定する。一試料につき、10箇所で測定を行い、平均値をその試料の接触角とする。ここで潤滑油は、サイドレールでは、スペーサエキスパンダに対向する側面に滴下し、スペーサエキスパンダでは、耳部13と突起部16との連結部分である中手部14に滴下する。
なお、平坦部の面積が微小で上記測定ができない場合には、例えば、自動極小接触角計(協和界面科学株式会社製 MCA−3)や顕微自動接触角測定装置(英弘精機株式会社製 OCA40マイクロ)のナノ滴下システム、又はピコ滴下システムを用いることができる。この場合、予め上記測定方法で接触角を確認した試料を用いて、測定法(滴下量)と接触角との相関を明らかにし、上記測定方法(0.2μL)で得られる値に換算する。
次に、本発明の組合せオイルリングのサイドレール及びスペーサエキスパンダについてそれぞれ説明する。
1)サイドレール
サイドレールの少なくとも一方の側面、即ち、スペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)より30°以上高くする。この撥油性の差や温度差に起因する対流によりサイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じ、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルを速やかに排出することができる。そのため、オイルスラッジの付着及び堆積が効果的に抑制され、組合せオイルリングの固着の発生を防止することができる。
具体的には、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、50°以上とするのが好ましく、70°以上とするのがより好ましい。サイドレール側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)を上記範囲とすることにより、サイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じやすくなり、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルをより円滑に排出することができる。このようなサイドレールとしては、フッ素含有皮膜等の撥油性皮膜を側面に被覆した構成が好ましく用いられる。θが前記範囲となる撥油性皮膜であれば、その組成は特に限定されない。フッ素含有皮膜の具体例としては、例えば、特開2010−18779号公報に記載され、[表1]に示す4種のモノマー((a),(b),(c)及び(d))を重合した組成物から得られる皮膜、WO2011/071117A1公報に記載され、[表1]に示す3種のモノマー((a),(b)及び(d))を重合した組成物から得られる皮膜やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を樹脂に分散させて得られるPTFE分散樹脂系皮膜等が挙げられる。
PTFE分散樹脂系皮膜では、PTFEに代えて、変性ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等のフッ素樹脂を用いることもできる。PTFEを分散させる樹脂としては、ポリエステル、液晶ポリエステル(LCP)、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミドイミド又はポリイミドとシリカのハイブリット樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクティックポリスチレン樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSU)、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。これらの樹脂は、共重合体、変性体であってもよく、2種類以上を混合してもよい。耐熱性及び取り扱い性の観点から、これらのうち、PI又はPAI系樹脂が好ましい。
PTFE分散樹脂系皮膜とする場合、PTFE粉末の平均粒径は0.2μm〜5.0μmとするのが好ましい。
前記フッ素含有皮膜の膜厚は、0.05μm〜3.0μmとするのが好ましく、0.1μm〜3.0μmとするのがより好ましく、0.3μm〜2.0μmとするのがさらに好ましい。フッ素含有皮膜の膜厚を0.1μm以上とすることにより、より長期にわたりオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。一方、フッ素含有皮膜の厚さを3.0μmより厚くしても、オイルスラッジの付着及び堆積防止効果は得られるが、厚膜化によるオイルリングの組合せ張力の増加や、材料コストの上昇等が問題となる可能性がある。
Figure 0005342711
オイルスラッジは、スペーサエキスパンダ12の耳部13と突起部16の間の中手部14と、サイドレール11のスペーサエキスパンダ12と対向する面との間に形成される空間15に堆積しやすい。そのため、サイドレール11のスペーサエキスパンダ12に対向する面にフッ素含有皮膜等の撥油性皮膜を形成すれば、優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。もちろん、サイドレール11の全表面に撥油性皮膜を被覆してもよい。
サイドレール11の材質は公知のものでよく、特に制限されない。例えば、バネ鋼からなる母材やマルテンサイト系ステンレス鋼からなる母材を窒化処理したもの等が用いられる。本発明で、サイドレールに撥油性皮膜等を被覆する場合は、スペーサエキスパンダ12と対向する側面に被覆されていればよく、外周面には硬質クロムめっき皮膜やイオンプレーティング法によるCrN皮膜等の耐摩耗性皮膜を被覆することもできる。
2)スペーサエキスパンダ
スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)より30°以上低くする。この撥油性の差や温度差に起因する対流によりサイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じ、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルを速やかに排出することができる。そのため、オイルスラッジの付着及び堆積が効果的に抑制され、組合せオイルリングの固着の発生を防止することができる。
具体的には、スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は、10〜50°とするのが好ましく、10〜30°とするのがより好ましい。スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)を上記範囲とすることにより、サイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが生じやすくなり、サイドレールとスペーサエキスパンダ間に滞留していたオイルスラッジを含むオイルをより円滑に排出することができる。このようなスペーサエキスパンダとしては、金属皮膜等を被覆した構成が好ましく用いられる。θが前記範囲となるような金属皮膜等であれば、その組成は特に限定されない。前記金属皮膜を構成しうる具体的な金属材料の例としては、Ni、Cu、Ni又はCuを含む合金等が挙げられる。皮膜の形成方法は、特に限定されず、電解めっき、無電解めっき、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法等が用いられる。
また、本発明の組合せオイルリングのスペーサエキスパンダ表面の60℃における表面自由エネルギーは、100mJ/m以下で、60℃における表面自由エネルギーの構成成分である水素結合成分(以下、「水素結合成分」という。)は、4mJ/m以下であることが好ましい。上記表面自由エネルギー及び水素結合成分は、それぞれ、40mJ/m以下及び1.0mJ/m以下であることがより好ましい。表面自由エネルギー及び水素結合成分は以下の方法で測定する。
(表面自由エネルギー及び水素結合成分の測定方法)
自動接触角計(協和界面科学株式会社製 Drop Master 500)を用いて、対象試料について蒸留水、エチレングリコール、及び1−ブロモナフタレンの接触角をそれぞれ測定する。ここで、測定試料は、ヒーターが設置されたアルミニウム製のホットステージに固定し、試料表面の温度を熱電対により測定し、60±2℃になるように調整する。 得られた接触角を用いて、協和界面科学株式会社製表面自由エネルギー解析アドインソフトウェア(FAMAS)により、表面自由エネルギー及び水素結合成分を求めることができる。
金属皮膜の60℃における表面自由エネルギー及び水素結合成分を上記範囲とすることにより、オイルスラッジの付着力が大幅に低減するため、より優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。
また、スペーサエキスパンダの金属皮膜が被覆された部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の転落角は、15°以下であることが好ましい。潤滑油の転落角をこの範囲に規定することにより、サイドレール側から流れてきたオイルを速やかにスペーサエキスパンダから排出できるため、さらに優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。
150℃におけるパラフィン系潤滑油の転落角は以下の方法で測定する。
(転落角の測定方法)
ヒーターが設置されたアルミニウム製のホットステージに測定試料を固定し、熱電対により、測定試料表面の温度を測定し、150±2℃になるように調整する。測定試料を水平に保持した状態で、マイクロピペットにより、30μLのパラフィン系潤滑油(新日本石油(株)製パラフィン系原料用潤滑油「スーパーオイルN100」)を試料の表面に滴下する。その後、測定試料を1°毎傾斜させ、油滴の後退側が動き始めた時の傾斜角度を転落角とする。なお、1°傾斜毎に1分間静止させ、油滴の後退側が移動しないことを確認してから、さらに試料を傾ける。それぞれの測定試料につき、5箇所で測定を行い、平均値をその試料の転落角とする。
前記金属皮膜の膜厚は、0.1μm〜10μmとするのが好ましい。金属皮膜の膜厚を0.1μm以上とすることにより、表面自由エネルギー及び水素結合成分が十分低下して、さらに優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。一方、金属皮膜の厚さを10μmより厚くしても、オイルスラッジの付着及び堆積防止効果は得られるが、厚膜化によるオイルリングの組合せ張力の増加や膜形成時間の増加、材料コストの上昇等の不都合が生じる可能性がある。したがってこれらを考慮すると上限値は10μmとするのが好ましい。電解めっき法においては、通常、めっき時間や電流値を調整することにより膜厚を制御することができる。
また、本発明の前記金属皮膜の表面粗さRaは、0.005μm〜0.4μmとするのが好ましく、0.005μm〜0.3μmとするのがより好ましい。金属皮膜の表面粗さを上記範囲に調整することにより、皮膜表面でのオイルの流動性が向上し、オイルスラッジの排出機能が促進される。このため、さらに優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。金属皮膜の表面粗さRaを上記範囲に制御するためには、オイルリングを構成する部材の表面粗さRaを0.005μm〜0.4μm、好ましくは、0.005μm〜0.3μmに調整するのが望ましい。構成部材の表面粗さRaは、研磨加工により、調整することができる。また、スペーサエキスパンダは、通常、ギア成形により製造されるが、この時のギアの面粗さを調整することにより、表面粗さを制御することもできる。
なお、本明細書において「表面粗さ」とは中心線平均粗さRaで表し、以下の方法で測定した値とする。
・表面粗さ測定機:(株)東京精密製 サーフコム1400D
・JIS規格:JIS B0601−1982
・カットオフ値λc:0.08mm
・評価長さ(3λc以上):0.25mm
スペーサエキスパンダ12の材質は公知のものでよく、特に制限されないが、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼等が用いられる。特に窒化処理した材料を用いると耳部の耐摩耗性に優れ好ましい。しかし、スペーサエキスパンダは複雑な形状をしているため、全体を窒化処理すると窒化層の深さにバラツキが生じ、これにより組合せオイルリングの張力にもバラツキが発生する。そこで、以下の方法により耳部のみを窒化するのが好ましい。予め、表面全体に、Niめっき又はCuめっき等の金属皮膜を被覆したスペーサエキスパンダ用の平板状線材を、塑性加工により波形形状に成形すると同時に、波形線材の内周部分に剪断により耳部を形成する。剪断により新たに形成された耳部の表面には金属皮膜は被覆されていない。Niめっき膜やCuめっき膜はオイルスラッジの付着及び堆積防止用皮膜としてのみならず、窒化防止皮膜としても機能するため、その後の窒化処理において金属皮膜が被覆されていない耳部のみが窒化され、金属皮膜が被覆されたその他の表面には窒化層は形成されない。このため、窒化層深さのバラツキに起因する組合せオイルリングの張力のバラツキが低減される。
オイルスラッジは、スペーサエキスパンダ12の耳部13と突起部16の間の中手部14と、サイドレール11のスペーサエキスパンダ12と対向する面との間に形成される空間15に堆積しやすい。そのため、スペーサエキスパンダ12の上下面に前記金属皮膜を形成すれば、より優れたオイルスラッジの付着及び堆積防止効果が得られる。
なお、本明細書においては、図1に示すような軸方向波形形状のスペーサエキスパンダからなる組合せオイルリングについて説明したが、径方向波形形状のスペーサエキスパンダからなる組合せオイルリングにも適用できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示す構成の組合せオイルリングのサイドレール及びスペーサエキスパンダに、それぞれ、表2に示す皮膜を被覆した。それらを組合せて得られた組合せオイルリングを内燃機関用エンジンに装着してオイルスラッジの付着及び堆積防止効果を評価した。詳細について以下に示す。
(実施例1)
(1)サイドレールの作製
密閉容器に、表2に記載の質量比で、各モノマー、重合溶剤、及び重合開始剤を仕込み、70℃で26時間反応を進行させ、重合組成物を得た。ここで、重合開始剤としては、和光純薬工業(株)製の開始剤V−601を用い、溶剤としては、メタキシレンヘキサフロライド(m−XHF)を用いた。得られた重合組成物を、重合体の含有率が5質量%になるように、m−XHFで希釈してコーティング溶液とした。17Crマルテンサイトステンレス鋼からなるサイドレールをコーティング溶液中に30秒間浸漬し、溶液中から引き上げた後、電気炉に入れて大気中にて、120℃で1時間熱処理した。得られたサイドレールのフッ素含有皮膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は52°で、フッ素含有皮膜の膜厚は0.4μmあった。
(2)スペーサエキスパンダの作製
端部R状のスペーサエキスパンダ用の圧延帯材(SUS304材)を、線材表面粗さRa(中心線平均粗さ)が0.02μm±0.01μmとなるように表面研磨した後、アセトン中で脱脂処理した。この圧延帯材を、線材めっき装置を用いて、速度3m/minの速度で巻き取りながらNiめっき処理を施した。めっき浴にはスルファミン酸ニッケル浴を用いた。得られたNiめっき膜の厚さは約5μmであった。めっき処理後、線材を電気炉に入れ、500℃で60分間熱処理を行った。
その後、線材をギア成形で軸方向波形に成形した。さらに、線材の一端部に軸方向の剪断で耳部を形成し、次いで耳部が内周側になるようにリング状に成形切断することにより、スペーサエキスパンダを成形した。得られたスペーサエキスパンダをガス窒化処理炉に入れ、アンモニアガスを流しながら、570℃で80分間窒化処理を行った。
剪断により生じたスペーサエキスパンダ耳部には窒化層が形成され、Niめっき膜に被覆されたその他の面には窒化層は形成されなかった。Niめっき膜が形成された中手部の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は18°、60℃における表面自由エネルギーは38mJ/m、水素結合力は0.4mJ/mであった。
(3)3ピース型オイルリングの作製
作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。リング呼び径(d1)は71mm、組合せ呼び幅(h1)は1.5mm、組合せ厚さ(a1)は1.9mm、張力は8.1Nであった。
(実施例2)
(1)サイドレールの作製
実施例1と同様にサイドレールを作製した。
(2)スペーサエキスパンダの作製
端部R状のスペーサエキスパンダ用の圧延帯材(SUS304材)を、線表面粗さRa(中心線平均粗さ)が0.02μm±0.01μmとなるように表面研磨した後、アセトン中で脱脂処理した。この圧延帯材を、線材めっき装置を用いて、速度3m/minの速度で巻き取りながら、硫酸銅220g/L、硫酸60g/L、及び塩素イオン50mg/Lを含有するめっき浴中でCuめっき処理した。得られたCuめっき膜の厚さは約5μmであった。めっき処理後、線材を電気炉に入れ、500℃で60分間熱処理を行った。
その後、線材をギア成形で軸方向波形に成形した。さらに、線材の一端部に軸方向の剪断で耳部を形成し、次いで耳部が内周側になるようにリング状に成形切断することにより、スペーサエキスパンダを成形した。得られたスペーサエキスパンダをガス窒化処理炉に入れ、アンモニアガスを流しながら、570℃で80分間窒化処理を行った。剪断により生じたスペーサエキスパンダの耳部には窒化層が形成され、Cuめっき膜に被覆されたその他の面には窒化層は形成されなかった。Cuめっき膜が形成された中手部の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は14°、60℃における表面自由エネルギーは35mJ/m、水素結合力は0.1mJ/mであった。
(3)3ピース型オイルリングの作製
作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。リング呼び径(d1)は71mm、組合せ呼び幅(h1)は1.5mm、組合せ厚さ(a1)は1.9mmであった。
(実施例3)
(1)サイドレールの作製
密閉容器に、表2に記載の質量比で、各モノマー、重合溶剤、及び重合開始剤を仕込み、70℃で26時間反応を進行させ、重合組成物を得た。ここで、重合開始剤としては、和光純薬工業(株)製の開始剤V−601を用い、溶剤としては、メタキシレンヘキサフロライド(m−XHF)を用いた。得られた重合組成物を、重合体の含有率が5質量%になるように、m−XHFで希釈してコーティング溶液とした。17Crマルテンサイトステンレス鋼からなるサイドレールをコーティング溶液中に30秒間浸漬し、溶液中から引き上げた後、電気炉に入れて大気中にて、120℃で1時間熱処理した。得られたサイドレールのフッ素含有皮膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は68°で、フッ素含有皮膜の膜厚は0.4μmであった。
(2)スペーサエキスパンダの作製
実施例1と同様にサイドレールを作製した。
(3)3ピース型オイルリングの作製
作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。リング呼び径(d1)は71mm、組合せ呼び幅(h1)は1.5mm、組合せ厚さ(a1)は1.9mmであった。
(実施例4)
(1)サイドレールの作製
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績株式会社製 HR−13NX)、PTFE粉末 (ダイキン工業株式会社製 ルブロン)、及びシクロヘキサノンを容器に入れ、攪拌機を用いて、十分に撹拌した後、ロール間隔を最小にした三本ロールミルに通し、コーティング溶液を調整した。ここで、PTFE粉末の添加量は、皮膜全体の質量に対して、75%となるように調整した。得られたコーティング液を17Crマルテンサイトステンレス鋼からなるサイドレールの上下側面にスプレーコーティングした後、電気炉中で加熱した。得られたサイドレールのフッ素含有皮膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑剤の接触角(θ)は77°で、フッ素含有皮膜の膜厚は1μmであった。
(2)スペーサエキスパンダの作製
実施例1と同様にサイドレールを作製した。
(3)3ピース型オイルリングの作製
作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。リング呼び径(d1)は71mm、組合せ呼び幅(h1)は1.5mm、組合せ厚さ(a1)は1.9mmであった。
(実施例5)
スペーサエキスパンダに金属皮膜を被覆しなかった他は実施例1と同様に作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。150℃に調整したスペーサエキスパンダ表面にパラフィン系潤滑油を滴下したが、液が基板上に広がり、液滴が形成されなかったため、正確な接触角(θ)の測定はできなかった(θ≦10°)。
実施例と同様のサイドレール及びスペーサエキスパンダを用いて、それぞれに表2に示す表面処理を行って作製した組合せオイルリングを比較例とした。得られた組合せオイルリングを内燃機関用エンジンに装着して実施例と同様にオイルスラッジの付着及び堆積防止効果を評価した。
それぞれの詳細について以下に示す。
(比較例1)
サイドレールにフッ素含有皮膜を被覆せず、スペーサエキスパンダにNiめっき膜を形成しなかった他は実施例1と同様に作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。150℃に調整したサイドレール表面にパラフィン系潤滑油を滴下したが、液が基板上に広がり、液滴が形成されなかったため、正確な接触角(θ)の測定はできなかった(θ≦10°)。スペーサエキスパンダでも同様の現象が生じ、正確な接触角(θ)は測定できなかった(θ≦10°)。
(比較例2)
サイドレールにフッ素含有皮膜を被覆しなかった他は実施例1と同様に作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。
(比較例3)
17Crマルテンサイトステンレス鋼からなるサイドレール用線材に、線材めっき装置を用いて、速度3m/minの速度で巻き取りながらNiめっき処理を施した。めっき浴にはスルファミン酸ニッケル浴を用いた。得られたサイドレールのNiめっき膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は18°であった。 前記サイドレールと実施例1と同様に作製したNiめっき被覆スペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。
(比較例4)
スペーサエキスパンダに、実施例1のサイドレールに被覆したフッ素含有皮膜と同様の皮膜を被覆した他は全て実施例1と同様に作製したサイドレール及びスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。得られたスペーサエキスパンダのフッ素含有皮膜が被覆された中手部の150℃におけるパラフィン系潤滑剤の接触角(θ)は52°であった。
(比較例5)
比較例3と同様の方法で、Niめっき膜を被覆したサイドレールと比較例4と同様の方法で、フッ素含有皮膜を被覆したスペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。
(比較例6)
パーフルオロアルコキシシラン(セイミケミカル社製 SRS−500)にイソプロピルアルコールを添加して粘度を調整して、コーティング溶液を作製した。17Crマルテンサイトステンレス鋼からなるサイドレールをこのコーティング溶液中に30秒間浸漬し溶液から引き上げた後、電気炉に入れて大気中にて、120℃で1時間熱処理した。得られたサイドレールのフッ素含有皮膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)は46°で、フッ素含有皮膜の膜厚は0.3μmあった。
前記サイドレールと実施例1と同様に作製したNiめっき被覆スペーサエキスパンダを組合せて3ピース型オイルリングとした。d1、h1、a1は実施例1と同じ値であった。
(実機試験)
実施例1〜5及び比較例1〜6の3ピース型オイルリングを1リットル3気筒エンジンに装着した。このエンジンを用いて、パターン運転を繰り返して実機試験を行った。200時間後及び300時間後に以下の評価方法に従い、オイルスラッジ付着量を測定した。それぞれのオイルリングについて、装着する気筒を代え、同一運転条件で、合計3回実機試験を行った。ここで、トップリング及びセカンドリングは以下の仕様のものを用いた。
(A)トップリング
材質:SWOSC−V、外周面窒化クロムイオンプレーティング処理
サイズ:d1=71mm、h1=1.0mm、a1=2.3mm
(B)セカンドリング
材質:SWOSC−V、全面リン酸亜鉛処理
サイズ:d1=71mm、h1=1.0mm、a1=2.3mm
運転直後のオイルリングの質量を測定し、予め測定した組み付け前のオイルリングの質量との差を算出し、3回の実機試験の平均値をオイルスラッジ付着量とした。結果を表2に示す。ここで、オイルスラッジ付着量は、サイドレール及びスペーサエキスパンダとも皮膜を形成していない比較例1の値を100として相対値で表した。
サイドレール及びスペーサエキスパンダとも皮膜を被覆していない比較例1に対して、スペーサエキスパンダのみにNiめっき膜を被覆した比較例2では、200時間後のオイルスラッジの付着量が30%程度減少し、Niめっき膜によるオイルスラッジの付着、堆積防止効果が確認された。Niめっき膜をサイドレールにも被覆した比較例3では、200時間後のオイルスラッジの付着量がさらに減少し、サイドレール及びスペーサエキスパンダにNiめっき膜を被覆する効果が認められた。
また、重合体からなるフッ素含有皮膜をサイドレール及びスペーサエキスパンダに被覆した比較例4でも、同様に、200時間後のオイルスラッジの付着量が減少し、サイドレール及びスペーサエキスパンダにフッ素含有皮膜を被覆する効果が認められた。
また、サイドレールにNiめっき膜を被覆し、スペーサエキスパンダに重合体からなるフッ素含有皮膜を被覆した比較例5では、比較例1に対して、200時間後のオイルスラッジの付着量が40%程度減少し、Niめっき膜とフッ素含有皮膜の組合せによりさらにオイルスラッジの付着、堆積防止効果が向上することがわかった。これに対して、サイドレールに重合体からなるフッ素含有皮膜を被覆し、スペーサエキスパンダにNiめっき膜を被覆した本発明の実施例1では、比較例5に比べ、さらに20%程度200時間後のオイルスラッジの付着量が減少し、本願発明の効果が確認された。
一方、サイドレールにフッ素系のパーフルオロアルコキシシランからなるコーティング溶液を被覆し、スペーサエキスパンダにNiめっき膜を被覆した比較例6の200時間後のオイルスラッジ付着量は、その他の比較例より少ないものの、実施例1より15%程度多かった。これは、実施例1では、θ−θが34°であるのに対して、比較例6では、28°と低いため、サイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが十分生じなかったためと考えられる。
スペーサエキスパンダにCuめっき膜を被覆した実施例2、サイドレールに親油基を含有するモノマーを用いず撥油性を高めた重合体からなる皮膜を被覆した実施例3及びサイドレールにPTFE分散PAI樹脂皮膜を被覆した実施例4では、実施例1より、さらにθ−θの値が増加すると共に、オイルスラッジの付着量も減少することがわかった。このことからからも、θとθとの差に起因するサイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れがオイルスラッジの排出に有効であると考えられる。
運転時間を300時間に延長することにより、全ての比較例で固着が生じたのに対し、実施例1〜4では、オイルスラッジ付着量はわずかに増加しただけであり、優れたオイルスラッジの付着、堆積防止効果が維持されていることが確認された。これは、実施例1〜4においては、(1)サイドレール表面に撥油性の高いフッ素含有皮膜を被覆し、スペーサエキスパンダ表面に撥油性の低い金属皮膜を被覆したことにより生じるサイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れと、(2)表面積の大きいスペーサエキスパンダに放熱性の優れる金属皮膜を被覆したことによる組合せオイルリングからオイルへの優れた放熱効果が相俟って、長期間にわたってフッ素含有皮膜が維持され、優れたオイルスラッジ排出効果が維持されたためと考えられる。
一方、サイドレールに重合体からなるフッ素含有皮膜を被覆し、スペーサエキスパンダには皮膜を被覆していない実施例5では、200時間後のオイルスラッジ付着量は、比較例1より30%程度減少したものの、比較例2〜6に比べると多かった。しかし、他の比較例で固着が生じている300時間後においても、固着は生じず、オイルスラッジ付着量はわずかに増加したのみであった。これは、初期状態においては、スペーサエキスパンダに皮膜を被覆していないことからオイルスラッジの顕著な付着防止効果は得られなかったが、サイドレールとスペーサエキスパンダの撥油性の差(θ−θ)が42°以上と大きいことから、サイドレールからスペーサエキスパンダへのオイルの流れが効果的に発生し、長期にわたり、オイルスラッジ付着防止効果が維持されたためと考えられる。
Figure 0005342711
(実施例6〜8、比較例7)
表3に記載の質量比で、各モノマーを仕込んだ他は、実施例1と同様にサイドレールを作製した。得られたサイドレールのフッ素含有皮膜が被覆された側面部分の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)及びθ−θを表3に示す。フッ素含有皮膜の膜厚は0.4μmあった。
得られたサイドレールを実施例1と同様のスペーサエキスパンダと組合せて3ピース型オイルリングを作製して、実施例1と同様に実機試験を行った。また、表3の比較例7の質量比で、各モノマーを仕込んだ他は実施例1と同様に作製した3ピース型オイルリングについても実施例1と同様に実機試験を行った。
図2に、実施例1、6〜8及び比較例7の結果に基づく、θ−θとオイルスラッジ付着量の関係を示す。ここで、オイルスラッジ付着量は、比較例7の値を100として相対値で表した。図2の結果から、θ−θが30°以上でオイルスラッジ付着量が大幅に低減し、θ−θが35°以上でさらに低減することが確認された。
Figure 0005342711
10・・・スチール組合せオイルコントロールリング(3ピース型オイルリング)
11・・・サイドレール
12・・・スペーサエキスパンダ
13・・・耳部
14・・・中手部
15・・・空間
16・・・突起部
h1・・・軸方向幅

Claims (9)

  1. スペーサエキスパンダと、前記スペーサエキスパンダに支持される上下一対のサイドレールとからなる組合せオイルリングであって、
    前記サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)が、前記スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)より大きく、且つθとθとの差(θ−θ)が30°以上であることを特徴とする組合せオイルリング。
  2. 前記サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)が、50°以上であることを特徴とする請求項1に記載の組合せオイルリング。
  3. 前記スペーサエキスパンダ表面の150℃におけるパラフィン系潤滑油の接触角(θ)が、10〜50°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組合せオイルリング。
  4. 前記サイドレールのスペーサエキスパンダに対向する側面に、フッ素含有皮膜が被覆されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の組合せオイルリング。
  5. 前記フッ素含有皮膜の膜厚が、0.05μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項4に記載の組合せオイルリング。
  6. 前記スペーサエキスパンダに、金属皮膜が被覆されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の組合せオイルリング。
  7. 前記金属皮膜が、Ni、Cu、Ni又はCuを含む合金からなる群から選ばれる一種を含有する金属皮膜であることを特徴とする請求項6に記載の組合せオイルリング。
  8. 前記金属皮膜の膜厚が、0.1μm〜10μmであることを特徴とする請求項6又は7に記載の組合せオイルリング。
  9. 前記金属皮膜の60℃における表面自由エネルギーが100mJ/m以下で、且つ60℃における水素結合成分が4mJ/m以下であることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の組合せオイルリング。
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