JP5338130B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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Description

本願発明は、電磁誘導加熱式の電気炊飯器の電力制御に関するものである。
最近の電気炊飯器では、高出力で加熱効率が高く、出力制御の応答性も高いために、早く、かつ美味しい御飯を炊き上げることができるメリットがあることから、内鍋(飯器)自体を金属材料で形成するとともに、その炊飯加熱手段として、電磁誘導によって当該内鍋内に渦電流を誘起させて自己発熱させる電磁誘導加熱手段を採用した電磁誘導加熱式のものが多くなっている。
このような電気炊飯器の場合、上記電磁誘導加熱手段として、所謂ワークコイルを採用し、内鍋を収納する有底筒状の内ケース(保護枠)の底壁面に対し、巻き幅の広い1組のワークコイルを沿わせて設置するか、または同底壁面の中央部側に位置して巻かれた第1のワークコイルと同底壁面の外周部側(湾曲面)に第1のワークコイルと所定の間隔を置いて巻かれた第2のワークコイルとの内外2組のワークコイルを内鍋の底面形状に沿わせて曲面型に設置した誘導加熱構造が採用されている(特許文献1参照)。もちろん、さらに必要に応じて内ケースの側面側にもワークコイルを設けたものもある。
また、このような電磁誘導式加熱手段を採用した電気炊飯器において、ご飯の炊き上がりをより良好ならしめるために、上記従来の金属材料よりなる内鍋に替えて、さらにセラミック等の非金属材料よりなる内鍋(いわゆる土鍋)の採用も開始されている(例えば特許文献2を参照)。
後者の場合、当然ながら内鍋自体が電磁誘導によっては発熱しないために、例えば内鍋の外周面に電磁誘導効率の高い金属製の誘導発熱体を配設し、この誘導発熱体を上記ワークコイル等の対応する電磁誘導加熱手段によって誘導発熱させることにより、内鍋を加熱する加熱構造が採用されている(例えば特許文献3参照)。
ところで、これら電磁誘導加熱手段を用いた各種電気炊飯器に関し、内鍋を誘導加熱するワークコイルと、このワークコイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、このインバータ回路の発振周波数を可変するインバータ制御回路と、上記内鍋または内鍋近傍の温度を検知する内鍋温度検知センサーと、この内鍋温度検知センサーで検知した温度により炊飯量を判定する炊飯量判定手段とを備え、電力量の加減制御時、上記インバータ制御回路は上記炊飯量判定手段で検出した炊飯量に応じて一定の電力が得られるように各炊飯工程における上記インバータ回路の発振周波数を可変することによって入力電力量を調整するようにしたものがある。
このような入力電力量の調整によって電力量を加減制御する方法によると、次のような作用を得ることができる。
(1) 炊飯量に応じてインバータ回路の発振周波数を可変してワークコイルによる誘導加熱量を可変するので、微妙な加熱量を制御することができ、炊飯量に応じたきめ細かな加熱により理想炊飯曲線に近い加熱制御を可能とし、おいしいご飯を炊き上げることができる。
(2) 炊飯量に応じてインバータ回路の発振周波数を可変してワークコイルによる誘導加熱量を可変するので、内鍋の温度上昇カーブが滑らかになり、内鍋温度検知センサーの温度検知精度を高めることができ、内鍋温度検知センサーの検知温度により炊飯量を判定する場合、その炊飯量の判定精度も高まり、正確な炊飯量による適切な加熱量でご飯を炊き上げることができる。
特開2004−201804号公報(明細書1−12頁、図1−7)。
実用新案登録第3110038号公報(明細書1−3頁、図1)。
特願2006−113285号(明細書1−10頁、図1−図4)。
特公平7−36799号公報(明細書1頁−第3頁、第1図−第2図)。
ところで、上記特許文献4に示されるような入力電力量調整方式による電力量制御方法では、各炊飯工程において炊飯量に応じて設定された目標電力値に対して入力電圧検出手段および入力電流検出手段によって検出された入力電圧および入力電流の積V・I=W(電力値)が大きいか、小さいかを比較し、その偏差値に応じて入力電力量を増減制御(フィードバック制御)することになる。
しかし、そのような構成の場合、例えば、電源インピーダンスの変動による入力電圧の変動、外部配電系統からの電源電圧変動やワークコイル自らのON,OFF動作(負荷動作)による入力電圧の変動等の影響により電流波形が歪み、目標電力値通りの一定の安定した電力制御を行えない問題がある。
すなちわ、上記電気炊飯器の電源回路に印加される交流電源入力の電圧波形が、例えば図7のVacのように理想的な正弦波の場合には、力率がほぼ1であるため、その入力電流の波形も図7のIacのようにほぼ正弦波形となる。
ところが多くの場合、外部AC電源の電圧の低下や家庭内の同じ電源ラインに接続されているエアコンや冷蔵庫等各種電気機器の影響やラインインピーダンスの影響で、実際には図8のVacのように波形が歪む。そのため、例えば図8のIacのように、当然その入力電流波形も歪むことになる。
一般に電気炊飯器の電力制御では、電圧は実効値(平均値)を使用しているが、電流はピーク値を検出しているため、図8のVacように電源波形が歪んだ場合には、検出した電圧のピーク値VpがVp′のように低くなり、実際よりも電圧を低く検出してしまうことになる。また、電流値Iacのピーク値IpもIp′のように低くなる。そして、それによってフィードバック制御される出力電力は上昇する。その結果、当該電源環境により炊飯器の炊き上がり状態が違ってくる問題が生じる。
特に土鍋等非金属製の内鍋(焼き物)を採用した場合、上記のような原因による電源電圧の変動のほか、内鍋自体に製品毎の寸法上のバラツキがあり、誘導発熱体との関係で誘導回路のインダクタンスに差が生じ、これによっても電源インピーダンスが変動する。したがって、より制御される電力値が不安定になりやすい。その結果、お焦げコントロールの精度に影響が出ることも懸念される。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、通常の金属製の内鍋の場合はもちろん、土鍋等の非金属製の内鍋を採用した場合にも、従来のような入力電圧の歪に影響されることなく、常に安定した一定の電力制御、一定の炊飯性能を実現することができる信頼性の高い電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、水および米を収容する内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記炊飯加熱手段に電源を供給する電源回路の入力電流を検出する入力電流検出手段と、上記電源回路の入力電圧を検出する入力電圧検出手段と、上記入力電流検出手段により検出される入力電流を可変することにより所定の出力が得られるように上記炊飯加熱手段に供給する電力を制御する炊飯制御手段と、上記入力電圧検出手段により検出された入力電圧の歪の割合を演算する歪割合演算手段と、該歪割合演算手段で演算された歪の割合に応じて上記入力電流検出手段で検出された入力電流の値を補正する入力電流補正手段とを設け、上記炊飯制御手段は、該入力電流補正手段によって補正された入力電流の値に基いて上記加熱手段に供給する電力を制御するようにしてなる電気炊飯器であって、上記歪割合演算手段における入力電圧の歪の割合は、ピーク値検出手段で実際の入力電圧のピーク値を検出する一方、平均値演算手段で入力電圧の平均値を演算し、かつ同平均値演算手段で演算された入力電圧の平均値に対して、入力電圧が正弦波であるときの入力電圧のピーク値と入力電圧の平均値との関係により決まる所定の係数を乗じることによって理想的な入力電圧のピーク値を算出し、該理想的な入力電圧のピーク値と上記実際の入力電圧のピーク値とを比較し、それらの比を取ることによって演算されるようになっていることを特徴としている。
このような構成によれば、入力電圧の歪量に対応して、電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段の駆動回路に供給する制御出力形成のための入力電流値自体が適正に補正されるようになるので、入力電圧の波形に歪があっても制御出力形成のための電流値が不必要に増大制御されるようなことはなく、常時一定の出力が確保されるようになる。しかも、電流で制御するため、電源インピーダンス変動の影響を受けない。
特に、この発明では、その場合において、上記のように、歪割合演算手段における入力電圧の歪の割合は、ピーク値検出手段で入力電圧のピーク値を検出する一方、平均値演算手段で入力電圧の平均値を演算し、かつ同平均値演算手段で演算された入力電圧の平均値に対して、入力電圧が正弦波であるときの入力電圧のピーク値と入力電圧の平均値との関係により決まる所定の係数を乗じることによって理想的な入力電圧のピーク値を算出し、該算出された理想的な入力電圧のピーク値と上記ピーク値検出手段で検出された実際の入力電圧のピーク値とを比較し、それらの比を取ることによって演算されるようになっている。
このように、歪割合演算手段において演算される入力電圧の歪の割合を、ピーク値検出手段で実際の入力電圧のピーク値を検出する一方、平均値演算手段で同入力電圧の平均値を演算し、該平均値演算手段で演算された実際の入力電圧の平均値に対して、入力電圧が正弦波であるときの入力電圧のピーク値と入力電圧の平均値との関係により決まる所定の係数を乗じることによって本来の理想的な入力電圧のピーク値を算出し、該算出された理想的な入力電圧のピーク値と実際の入力電圧のピーク値とを比較し、それらの比を取ることによって演算するようにすると、ほぼ正確に入力電圧波形の歪み量を特定することができるようになり、同歪量を相殺して容易かつ低コストに安定した電力制御を実現することができるようになる。
したがって、入力電源電圧の波形が理想的な正弦波形であることを前提とし、検出された入力電圧の平均値のみを見てピーク電流を補正する従来の電力制御方法の場合のような入力電源電圧の歪みの影響を受けることなく、常に一定の安定した電力制御を行うことができるようになる。
その結果、常に安定した一定の炊飯性能を維持することができ、常に美味しいご飯を炊き上げることができるようになる。また、土鍋等のお焦げコントロールの精度も有効に確保される。
以上の結果、本願発明によると、従来のように外部AC電源電圧の変動や家庭内電源環境の悪さによる入力電源電圧の歪みに影響されることなく、常に一定の安定した電力制御、加熱出力制御を行うことができるようになり、信頼性の高い高品質の電気炊飯器を提供することができるようになる。
図1〜図5は、すでに述べた外部電源電圧の変動や家庭内電源環境による入力電源電圧の歪みに影響されることなく、常に一定の安定した電力制御を行うことができるようにした本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の構成を示している。
(炊飯器本体の構成)
先ず本願発明の最良の実施の形態における電気炊飯器では、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として非金属材料からなる鍋(例えば、セラミック製の土鍋)が採用されており、その底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側合成樹脂製の皿状の底壁部4および上部側筒状の側壁部6よりなる内ケース(保護枠)46と、該内ケース46を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース46とを一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋体)2とから構成されている。
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー93が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。該第1,第2のワークコイルC1,C2は、例えば相互に直列に接続されている(したがって、以下の動作説明および図3、図4の制御回路図では単にワークコイルCとして示す)。
内ケース46の皿状の底壁部4は、底面部4aの中央部にセンターセンサCSのセンサー部嵌合口が形成されているとともに、同センサー部嵌合口の外周側上面にドーナツ状の遮熱板50が設けられている。また、外周側側面部4bの上端側には、所定幅半径方向外方に張り出したフランジ状の段部4cが設けられ、この段部4c部分に上部側筒状の側壁部6の下端6b側が係合載置されている。
他方、上部側筒状の側壁部6の上端6aは、内枠部材9を介して炊飯器本体側上端の肩部材11に連結して固定されている。
そして、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、例えば図3、図4の制御回路図に示すように整流回路35および平滑回路36を介した電源ラインに、また他端はIGBT(パワートランジスタ)37のコレクタにそれぞれ接続されている。
また、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する側面ヒータ(保温ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。この側面ヒータH1部分には、同部分の温度を検出する側部温度センサS3が設けられている。
そして、それら2種の加熱手段C1,C2、H1と後述する蓋ユニット2側の蓋ヒータH2を例えば図3の制御回路図に示すようにマイコン制御ユニットによって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。
ところで、本実施の形態の場合、例えば図1に詳細に示されるように、上記皿状の下部側底壁部4および筒状の上部側側壁部6からなる内ケース46の内周面と内鍋3の外周面との間には、その底部側から側部上方に到る送風通路を形成する隙間5a〜5gが設けられている。
この隙間5a〜5gは、上記ドーナツ板状の遮熱板50の内側センターセンサCSの外周部5a部分では広く、遮熱板50と内鍋3の底壁部3aとの間5b部分では狭く、内鍋3の底壁部3a外周の設置用凸部31,31,31部分5cでは平面リング状の凹溝部に形成され、さらに内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る湾曲部5d部分では狭い状態から徐々に広くなって上下方向にストレートな側壁部3bの下部に達した部分5eでは最も広くなって断面積の大きな熱風留り空間を形成している。
そして、同内鍋3の側壁部3bの下部部分から肩部開口縁部3cに到るまでの上下方向にストレートな部分5fでは、上記内ケース46の上部側側壁部6と内鍋3の側壁部3bとが近接する位の狭い隙間に形成され、やがて外ケース1側の肩部材11と内鍋3の開口縁部3cとの間の広い隙間5gを介して炊飯器本体と蓋ユニット2との間の隙間から外部に開放されている。
一方、本実施の形態では、図示はしなかったが、上下方向に対向する電磁誘導加熱手段としての第1のワークコイルC1と外ケース1の底部材1bとの間に位置してファン(図3の16,17を参照)を設けるとともに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4部分に同ファンからの風を上記内ケース46と内鍋3との間の送風通路に導入する第1,第2の風導入口を設け、この第1,第2の風導入口を介して上記ファンからの風を、上記第1のワークコイルC1を冷却した後に上記内ケース46と内鍋3との間に導入し、その底部側から側部外周側全体に上昇させて行くようにしている。
この場合、上記第1,第2の風導入口は、例えば上記第1のワークコイルC1の内周側と外周側に位置して設けられており、内周側に位置する第1の風導入口から導入された風は、上記内ケース46の底壁部4中央のセンターセンサCSの外周部5a部分から半径方向外周に放射状に広がって流れて行き、炊飯時における内鍋3の底壁部3aの第1の誘導発熱体G1から上記内ケース46の底壁部4側への輻射熱を可及的に吸収冷却する。
そして、半径方向外周側では、上記第2の風導入口から導入された風と合流し、同第2の風導入口から導入された風と共に湾曲部5dから側壁部5e側の熱風留り空間方向に流れて行くが、この場合、第2の風導入口から導入された温度の低い風が内ケース46側(外側)に位置する2層状態となり、内ケース46側を効果的に冷却する。
このような構成によると、上記ファンからの風が、発熱部材である第1のワークコイルC1を冷却した後に内ケース46の底壁部4の第1,第2の風導入口を介して内ケース46と内鍋3との間に導入されることから、電気的に発熱して温度が上昇する第1のワークコイルC1が効果的に冷却され、温度の上昇が抑制されるとともに、同第1のワークコイルC1の熱によって加熱(熱交換)され、温度が上昇した温風が、先ず内ケース46底部の第1,第2の風導入口を介して内ケース46の底壁部4と内鍋3の底壁部3aとの間に導入され、内鍋3の底壁部3aの誘導発熱体G1,G2で加熱されることにより、さらに温度を上昇させた熱風状態で、上記内鍋3の側壁部3bの全周を加熱しながら上端部側まで上昇する。
その結果、ワークコイルC1,C2、保温ヒータH1の出力を増大させることなく内鍋3の側壁部3b部分の加熱効率を向上させることができ、上述のように伝熱性の悪い内鍋3全体の加熱性能を可及的に均一に向上させることができ、その分ご飯の加熱ムラがなくなる。
しかも、その場合において、上記送風通路を形成している内鍋3と内ケース46との間の隙間5eは、特に内鍋3の底壁部3aの外周部分から上下方向にストレートな側壁部3bの下部に到る湾曲面に対応する5d〜5e部分では、内鍋3の厚さを側壁部3b部分よりも薄くして壁部外周面に段差を形成することにより特に断面積を広くして、熱風留り空間を形成するようにしており、同空間内に熱風を滞留させ、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分を熱風で効率良く包んで補助加熱し、例えば吸水工程からむらし工程までの各炊飯工程において、有効なかまど加熱状態を実現するようになっている。
したがって、上記内鍋3の加熱効率改善効果(伝熱性向上、加熱量の均一分布性)が、より向上する。
また、逆に内鍋3の上下方向にストレートな側壁部3b部分の厚さは、上記湾曲部および底壁部3a側よりも厚くなっていて保熱性(蓄熱性)が高くなっているとともに、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6との間の隙間5fが小さく、近接状態で送風通路を形成するようにしている。
したがって、同構成では、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周に設けられた側面ヒータH1からの熱が同内鍋3の側壁部3bに対して可及的有効に作用して、内鍋3側の側壁部3b部分の加熱効率が、さらに有効に向上する。
また、以上の構成における上記送風通路を形成している隙間5a〜5fは断熱保温空間としても機能するとともに、特に誘導発熱体G1,G2に対応する隙間5b,5d部分では内ケース46の耐熱性合成樹脂よりなる下部側皿状の底壁部4の耐熱限界を一層高くする輻射熱遮断空間としての作用も有している。
さらに、この実施の形態の場合、上記ファンは、ご飯の炊き上げが完了した後(むらし工程が終了して、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の電源がOFFされた後)のご飯の冷却作用も有しており、目標保温温度に速やかに移行させることができる。
一方、上述の炊飯、保温機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニューの選択、それら各メニューに対応した各工程における加熱出力、加熱時間、保温温度、保温時間などの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面部に設けられた、図2のような操作パネル20の各種入力スイッチ群22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記第1,第2のワークコイルC1,C2および側面ヒータH1、蓋ヒータH2が適切に制御されるようになっている。
上記操作パネル20面のスイッチ22a〜22iは、例えば炊飯スイッチ22a(ON表示部23a)、タイマー予約スイッチ22b(ON表示部23c)、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d(ON表示部23b)、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時・設定スイッチ22g、分・設定スイッチ22h、保温OFF制御モード選択スイッチ22i(ON表示部23d)、火かげんスイッチ22jよりなっている。
また、上記操作パネル20の中央部には、炊飯、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間、空炊き報知、その他の各種必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。
そして、上記外ケース1内の上記操作パネル20の裏側空間には、図示しない操作基板P1、マイコン基板P2がそれぞれ傾斜状態で設置されている。
また、上記内ケース4の前面部側(図1参照)には、例えば図3、図4に示されるような、第1,第2のワークコイルC1,C2、側面ヒータH1、蓋ヒータH2等を駆動制御する、上記IGBT37や側面ヒータ駆動回路33、蓋ヒータ駆動回路45、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路35、平滑回路(平滑コンデンサ)36、チョークコイル39、マイコン制御ユニット32、その他の制御部品を備えた図示しない制御基板P3が上下方向に立設して設けられている。
また上記外ケース1は、例えば金属部材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース46の底壁部4との間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。
さらに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4の中央部には、上述の如く上下方向に同心状に貫通したセンターセンサ嵌合口(センターセンサ収納空間部)が形成されており、該センターセンサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で内鍋底部の温度を検知する内鍋温度センサS1および内鍋の有無を検知する内鍋検出スイッチS2を備えたセンターセンサCSが設けられている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成するとともに中央部に調圧パイプ15を備えた合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12の内側に嵌合一体化して設けられた合成樹脂製の内枠13と、該内枠13の内側開口部内にパッキン14aおよび金属製の放熱板16aと、該放熱板16aの上面に設けられた蓋ヒータH2と、上記放熱板16の温度を検知する蓋温度センサS4と、上記放熱板16aの下方に設けられた金属製の内蓋16bとを備えて構成されている。また、放熱板16aの外周縁部下方および内蓋16bの外周縁部下方には、それぞれパッキン14a,14bが設けられており、内蓋16bは、同パッキン14bを介して内鍋3の開口縁部3cの上面部に接触させられている。また、符号15aは調圧パイプ15内の調圧弁、さらに符号15bはその下部側キャップである。
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の後端側で肩部材11に対してヒンジ機構8を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構10が設けられている。
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記第1,第2の2組のワークコイルC1,C2の駆動により生じる渦電流によって、その底壁部3aから側壁部3b側にかけて設けられている第1,第2の誘導発熱体G1,G2が発熱して内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分が加熱されるとともに、側面ヒータH1によって内鍋3の側壁部3bが加熱され、さらに蓋ヒータH2によって内鍋3の上部が加熱される。
しかも、同状態において、上述のようにファン17による熱風が供給されて内鍋3の底部から側部全体を包み込む。その結果、例えば炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して、焦げ付きの発生をも防止することができる。
次に、炊飯が完了した保温時には、上記第1,第2のワークコイルC1,C2がOFFにされる一方、内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記側面ヒータH1および放熱板16aに設けられた蓋ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に保温加熱されて、結露の生じない土鍋特有の熱保持力(蓄熱力)を利用した余熱の活用による効率的な(省エネ性能の高い)保温性能が実現される。
一方、上記マイコン基板P2のマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22jを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は保温機能、保温OFF機能、所望の炊飯(又は保温)メニュー、それら炊飯又は保温メニューに対応した所定の加熱パターン(加熱出力、加熱時間)、火かげんレベルを設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段、保温OFF制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御、保温OFF制御を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22jを使って炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常保温モード又は省エネ保温モード、保温OFFモード、火かげん調節モードその他の各種機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御、保温OFF制御、火かげん制御が適切になされるようになる。
なお、以上の内鍋3の構成では、誘導発熱体G1,G2を内鍋3の外周面側に設けるようにしたが、これは例えば内鍋3の内周面側あるいは外周面側と内周面側の両面に設けるようにしてもよい。内周面側に誘導発熱体があると、水および飯米への熱伝達効率が高くなるとともに内鍋3内の対流が生じやすくなり、内鍋3内全体の均一な加熱が可能となる。
さらに、内鍋3の外周面と内周面の両方に誘導発熱体があると、内鍋3自体の加熱効率が一層向上するとともに全体の加熱性能が均一になり、加熱ムラが解消される。この場合、例えば内周面側の誘導発熱体を誘導性はないが熱伝導率の高い金属体に変更することができる。そのようにした場合、外周面側の誘導発熱体に対応する部分の熱を内鍋3の内周面全体に応答性良く伝達することができるようになるので、外周面だけの誘導発熱体の場合にも確実に従来のような局部的な加熱ムラを解消することができるとともに、さらに内鍋3内に対流を効率良く生じさせることができる。
さらに、また上記誘導発熱体は、例えば内鍋3の底壁部又は側壁部内に埋設することもできる。
そして、これら各誘導発熱体の形成は、ペースト状のものの場合のほか、例えば金属溶射により発熱層を形成するなど各種の方法の採用が可能である。
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図3および図4は、上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯又は保温制御を行うマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示している。
図3中において、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、内鍋温度検知手段、内鍋有無検知手段、空炊き検知(判定)手段、液晶表示制御手段、ブザー報知手段、火かげん制御手段、入力電源電圧の歪みに対応した出力補正制御手段等を備えた炊飯・保温等各種制御用のマイコン制御ユニット(CPU)である。
該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成されており、例えば内鍋3の底部の温度を検知する内鍋温度検知回路43、ワークコイルC(ワークコイル回路)を駆動するIGBT37の駆動回路42、内鍋3のセット状態を検知する内鍋検知回路44、メインクロック信号発振回路59、リセット回路54、側面ヒータH1を駆動する側面ヒータ駆動回路33、蓋ヒータH2を駆動する蓋ヒータ駆動回路24、ブザー駆動回路60、ワークコイル用整流平滑回路35,35、DC電源用整流平滑回路(整流器49、平滑コンデンサC1・・・図5参照)49、入力電圧検出回路52、ファンモータ駆動回路16、省エネ回路57、EEPROM58、入力電流検出回路47、ゼロクロス信号検出回路48、同期トリガー回路40、DC電源回路51、マイコン電源回路53、液晶表示部21、動作表示用LED23a〜23d、各種操作スイッチ22a〜22j、ノイズフィルタ回路70等がそれぞれ入出力可能に接続されている。
そして、先ず上記内鍋3の底部3a側センターセンサCS部の内鍋温度検知センサS1に対応して設けられた内鍋温度検知回路43および内鍋検知スイッチS2に対応して設けられた内鍋検知回路44には、内鍋温度検知センサーS1による内鍋3の底部3aの温度検知信号、内鍋検知スイッチS2による内鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、上記ワークコイル回路C(37・38)に対応したIGBT駆動回路42は、上記マイコン制御ユニット32により、例えば炊飯工程の各工程に応じて上記ワークコイルC(C1,C2)の出力値(ワット数)および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、同炊飯工程の各工程における上記土鍋等非金属製の内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのないご飯の炊き上げを実現するフィードバック制御を行うようになっている。
このマイコン制御ユニット32によるフィードバック制御は、ワークコイル回路C(37・38)の出力状態に対応したフィードバック値調整回路およびフィードバック制御回路の制御信号に基いてなされる(詳細は後述)。
また同マイコン制御ユニット32により、それぞれ上記側面ヒータ駆動回路33および蓋ヒータ駆動回路24を制御することにより、例えば炊飯又は保温の各工程に応じて上記側面ヒータH1、蓋ヒータH2の所定の出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯又は保温の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするようになっている。
一方、上記入力電流検出回路47は、例えば図4の電気回路図に示すように、カレントトランスCTをAC電源30と整流回路35との間の電源ライン(入力ライン)中に設け、同カレントトランスCTを入力電流検出手段として整流回路35およびワークコイル回路C(37,38)への入力電流Iac(図7、図8参照)を検出するようになっている。
そして、同カレントトランスCTを介して検出されたAC電源30から整流回路35およびワークコイル回路C(37,38)への入力電流Iacは、マイコン制御ユニット32に入力され、上記ワークコイルCに供給する高周波電流をインバータ制御するIGBT駆動回路42のパルス幅コントロール(電力制御)に使用される。
また、入力電圧検出回路52は上記電源回路の入力電圧Vac(図7、図8参照)を検出してマイコン制御ユニット32内の入力電流補正回路部に入力し、同入力電流補正回路部により、入力電圧Vacの歪割合に応じた入力電流の補正値iαを演算する。そして、この入力電流の補正値iαにより、IGBTフィードバック制御回路の制御電流値が電源電圧Vacの歪に影響されない適正な値に補正される。
すなわち、本実施の形態の場合、上記IGBT駆動回路42をフィードバック制御するマイコン制御ユニット32内のフィードバック制御回路(機能ブロック回路)は、例えば図4のように構成されており、IGBT駆動回路42を制御対象、電流−パルス幅変換回路(PWM回路)59を制御手段、電流値設定手段50を目標値設定手段、カレントトランスCT・入力電流検出回路47〜電流−パルス幅変換回路59をフィードバックライン、入力電圧検出回路52・入力電流補正値演算部53〜57を入力電流値補正ライン、入力電流Iacをワークコイル出力(IGBT出力)をフィードバック制御するためのフィードバック値とし、上記フィードバックライン上にフィードバック制御のための電流偏差演算用の比較器(減算器)A、パルス幅に変換する最終電流値Iw演算用の加算器B等を備えてワークコイル出力の制御系が構成されている。
そして、同制御回路では、その時の炊飯メニュー、炊飯量、炊飯工程に応じて上述した図3の回路のEEPROM58中の炊飯プログラムにより設定された上記電流値設定手段50からの電流値Irefを制御目標値(基準値)としてパルス幅信号Pwに変換する最終的な入力電流値Iwの制御を行なうようになっているが、本実施の形態の場合、上記入力電流検出回路47で検出された入力電流Iacは、入力電流補正回路58部分で上記入力電圧検出回路52によって検出された入力電圧Vacを基に、その平均値Va(図6参照)を演算し、同演算値Vaに対して後述する所定の係数1.57を掛けることによって上記検出された実際の入力電圧Vacの理想的なピーク値(歪がない場合の本来のピーク値)Vp(図6参照)を予測し、これを上記実際に検出した入力電圧Vacのピーク値(図8のVp′)と比較し、その差が所定の許容値を超えている時には、その時の歪の割合に応じて歪がないレベルに補正された後に比較器A、加算器Bに供給されるようになっている。
そのために、同制御回路の上記入力電流補正回路部は、入力電圧検出回路52で検出された入力電圧Vacの平均値Vaを演算する平均値演算回路54、同平均値演算回路54で演算された入力電圧Vacの平均値Vaに所定の係数1.57を掛けて入力電圧Vacの理想的な(歪のない本来の)ピーク値Vpeを演算するピーク値演算回路55、入力電圧検出回路52で検出された入力電圧Vacの実際のピーク値Vp(Vp′)を検出するピークホールド回路53、上記ピーク値演算回路55で演算された入力電圧Vacの理想的なピーク値Vpeと上記ピークホールド回路53で検出された入力電圧Vacの実際のピーク値Vp(Vp′)との比Vpe/Vp(Vp′)から入力電圧Vacのピーク値の歪割合(歪度合=VP/Vp′)を演算する歪割合演算回路56、同歪割合演算回路56で演算された入力電圧Vacの歪割合に応じて入力電流Iacの補正値iαを演算する電流補正値演算回路57、同電流補正値演算回路57で演算された電流補正値iαにより入力電流Iacの値を歪のないレベルに補正する入力電流補正回路58を備えている。
すなわち、上記電気炊飯器の電源回路に印加される交流電源入力の電圧波形が、例えば図7のVacに示すように歪のない理想的な正弦波の場合には、力率がほぼ1であるため、その入力電流の波形も図7のIacのようにほぼ正弦波形となる。
ところが多くの場合、外部AC電源の電圧の低下や家庭内の同じ電源ラインに接続されているエアコンや冷蔵庫等各種電気機器の影響やラインインピーダンスの影響で、実際には図8のVacのように波形が歪む。そのため、例えば図8のIacのように、当然その入力電流波形も歪むことになる。
一般に電気炊飯器の電力制御では、電圧は実効値(又は平均値)を使用しているが、電流はピーク値Ipを検出しているため、図8のように電源波形が歪んだ場合には、検出した入力電圧Vacのピーク値VpがVp′のように低くなり、実際よりも電圧を低く検出してしまうことになる。そして、それによってフィードバック制御されるIGBTの出力電力は上昇する。その結果、電源環境により電気炊飯器の炊き上がり状態が違ってくる問題が生じる。
一方、上記AC電源が適正な正弦波の時の入力電圧Vacのピーク値Vpと平均値Vaとの間には、周知のように次の関係がある。
Vp=1.57×Va
そこで、本実施の形態では、この関係を使用し、上記検出された実際の電源電圧Vacの平均値Vaとピーク値Vp′を同時に検出し、上記の関係(Vp=1.57×Va)を演算すると、本来の歪のない理想的なピーク値Vpを得ることができ、このVpと実際のピーク値Vp′との比Vp/Vp′から、上記電源電圧波形の歪みの割合を演算することができる。そして、同演算により求めた歪みの割合を上記入力電流検出回路47で検出した電流値Iacの補正値iαとして掛けることによって、実際の電流値Iacを入力電圧Vacの歪み割合に応じて適切に補正し、ワークコイルC1,C2の出力電力をより安定に制御するようにしている。
(電源電圧の歪の割合に対応した出力補正制御)
今図5のフローチャートは、そのような観点から構成されたワークコイル出力補正制御の内容を示している。
この制御は、図3、図4のAC電源プラグ30がAC電源に接続され、かつ炊飯スイッチ22a(又は保温スイッチ22d)がON操作されることによって開始される。
そして、先ずステップS1で、上記入力電圧検出回路52を介して検出される実際の入力電圧のピーク値Vp(図6参照)を検出し、デジタルデータに変換した上でピーク値メモリに記憶する。次にステップS2で、上記平均値演算回路54により上記入力電圧検出回路52、ピークホールド回路53で検出された入力電圧Vacの平均値Va(図6参照)を演算し、デジタルデータに変換した上で平均値メモリに記憶する。
次にステップS3で、上記ピーク値メモリに記憶されている実際の入力電圧Vacのピーク値Vpと上記平均値メモリに記憶されている実際の入力電圧Vacの平均値Vaとから入力電圧Vacの歪の割合(歪み度合い)を演算する。
すなわち、この入力電圧Vacの歪の割合の演算は、上記ステップS2で演算した入力電圧Vacの平均値Vaに対して、上述の係数1.57を掛けることによって理想的なピーク値Vpeを算出(Vpe=Va×1.57)し、同入力電圧Vacの理想的なピーク値Vpeと上記実際の入力電圧のピーク値Vp(Vp′)とを比較し、それらの比Vpe/Vp(Vp′)を取ることにより行う。
そして、さらにステップS4に進み、同演算された歪みの割合が、所定レベル以下の許容値の範囲内にあるか否かを判定する。その結果、同演算された歪みの度合が小さく入力電流Iacの補正が必要でない許容値内のYESの場合は、入力電流Iacに対する補正値iαを演算することなくステップS5に進み、その時の入力電流Iacを上述した入力電流検出回路47を介して検出し、続くステップS6で同検出された入力電流Iacを制御電流Iacとして確定し、デジタルデータに変換した上で電流値メモリに記憶する。
そして、続くステップS7で、同最終的に確定された入力電流Iacの値に基いて上述したIGBT制御のためのフィードバック値(F/B値)を決定して出力制御を行う。
他方、上記ステップS4での判定結果がNOの、入力電圧Vacの歪み度合が所定値以上に大きく、入力電流Iacの補正が必要な場合(許容値を超えている場合)には、先ずステップS8に移って入力電流Iacに対する補正値Iαを演算する。次に、その上でステップS9に進み、その時の入力電流Iacを上述した入力電流検出回路47を介して検出した後、続くステップS10で同検出値Iacに補正値iαを掛けて補正し、該補正された電流値Iac・iαを制御電流値として確定し、デジタルデータに変換した上で電流値メモリに記憶する。
なお、上記ステップS4における入力電圧Vacの歪の割合が許容値内にあるか否かの判定は、上記ステップS2で演算した入力電圧Vacの理想的なピーク値Vpeと上記実際のピーク値Vp(Vp′)とを比較し、それらの差が所定の基準差内にあるか否かで行う。
また、上記実際の入力電流Iacに対する補正値Iαは、それら入力電圧Vacの理想的なピーク値Vpeと実際に検出されたピーク値Vp′との比(Vp/Vp′)を対応する電流値の比に換算して形成する。
次に、以上のようにしてステップS10での電流値Iacの補正が完了すると、さらにステップS7に進み、同最終的に確定された入力電流Iac・iαの値に基いて上述したIGBT制御のためのフィードバック値(F/B値)を決定して出力制御を行う。
この結果、同制御によれば、諸般の事情により各家庭の電源電圧波形が歪んでいても、当該歪割合に応じて本来の歪のない理想的な入力電圧Vacのピーク値Vpを予測し、同ピーク値に合わせて、その時の入力電流Iacのピーク値Ipをも理想的なピーク値Ipに補正した出力制御が可能となり、常にワークコイルC1,C2に対して安定した出力電力を供給することができるようになる。その結果、常に安定した炊飯性能が実現される。
しかも、同構成では、単に入力電圧Vacの平均値Vaを演算し、該平均値Vaに対して1.57を掛けることによって本来の理想的なピーク値Vpeを予測するだけで電流値Iacの補正ができることから、従来同様の8bit程度の汎用的なマイコンで十分に対応することが可能であり、特別な高機能マイコンや入力電圧および入力電流の高速サンプリングを必要としない。
本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体全体の構成を示す縦断面図である。 同電気炊飯器の液晶表示部を中心とする操作パネル部分の拡大正面図である。 同電気炊飯器の全体的な制御回路構成を示すブロック図である。 同電気炊飯器の図3の制御回路の要部の構成を示す回路図である。 同電気炊飯器における図4の回路の制御動作を示すフローチャートである。 同電気炊飯器の入力電圧波形を示す波形図である。 一般的なAC電源の正常時の入力電圧波形Vacと入力電流波形Iacを示す図である。 一般的なAC電源の歪発生時の入力電圧波形Vacと入力電流波形Iacを示す図である。
C1,C2,Cはワークコイル、H1は側面ヒータ、H2は肩ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、20は操作パネル、21は液晶表示部、32はマイコン制御ユニット、47は入力電流検出回路、52は入力電圧検出回路である。

Claims (1)

  1. 水および米を収容する内鍋と、この内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記炊飯加熱手段に電源を供給する電源回路の入力電流を検出する入力電流検出手段と、上記電源回路の入力電圧を検出する入力電圧検出手段と、上記入力電流検出手段により検出される入力電流を可変することにより所定の出力が得られるように上記炊飯加熱手段に供給する電力を制御する炊飯制御手段と、上記入力電圧検出手段により検出された入力電圧の歪の割合を演算する歪割合演算手段と、該歪割合演算手段で演算された歪の割合に応じて上記入力電流検出手段で検出された入力電流の値を補正する入力電流補正手段とを設け、上記炊飯制御手段は、該入力電流補正手段によって補正された入力電流の値に基いて上記加熱手段に供給する電力を制御するようにしてなる電気炊飯器であって、上記歪割合演算手段における入力電圧の歪の割合は、ピーク値検出手段で実際の入力電圧のピーク値を検出する一方、平均値演算手段で入力電圧の平均値を演算し、かつ同平均値演算手段で演算された入力電圧の平均値に対して、入力電圧が正弦波であるときの入力電圧のピーク値と入力電圧の平均値との関係により決まる所定の係数を乗じることによって理想的な入力電圧のピーク値を算出し、該理想的な入力電圧のピーク値と上記実際の入力電圧のピーク値とを比較し、それらの比を取ることによって演算されるようになっていることを特徴とする電気炊飯器。
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