JP4134370B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱調理器はその加熱応答性の良さを生かして、負荷となる鍋等の近傍に温度検出素子等を載置し、鍋等の温度を検出し、それに応じて火力の調節を行うことで、きめ細かな調理を実現すると共に、炎を用いず、熱効率が高いことから、室内の空気を汚すことも少ないので安全かつ清潔であるという特性が注目され、その需要が急速に伸びてきている。
【0003】
また、誘導加熱調理器は、スイッチング素子等から成るインバータ回路を用いているので、一般的にスイッチング素子の導通期間を変化させることにより、任意の火力を得ることができ、火力の制御性が極めて良好である。それ故、従来の誘導加熱調理器では、カレントトランス等を用いて、インバータ回路への入力電流を検知し、その入力電流値が所望の入力電流になるようにスイッチング素子の導通時間を増減して負荷への火力を制御している。
【0004】
以下に従来の誘導加熱調理器の動作について図面に基づいて説明する。図3は従来例の構成を示すブロック図、図4は本従来例の入力電流検知手段と零点検知手段の動作波形図である。
【0005】
図3において、21は商用電源、22は整流回路、23はスイッチング手段23aと加熱コイル23bを含み、加熱コイル23bに高周波電流を印加することにより負荷鍋24を誘導加熱するインバータ回路、制御回路25は、スイッチング手段23aの導通時間を制御する入力電流制御手段26と、インバータ回路23への入力電流を検知する入力電流検知手段27と、商用電源21の零点を検知する零点検知手段28とを有している。
【0006】
上記構成において動作を説明する。インバータ回路23は商用電源21を整流回路22で整流した直流を高周波交流に変換し、加熱コイル23aに高周波電流を流すことで、負荷鍋24に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋24を誘導加熱している。入力電流制御手段26は、入力電流検知手段27で検知した値が所望の火力に対応する入力電流値になる様に、インバータ回路23のスイッチング手段23bの導通時間を変化させて、入力電流を制御している。
【0007】
また、零点検出手段28が検出した商用電源21の零点を基準に、次の零点の検出までを1周期として、零点を検知してからT2秒後のタイミングで入力電流制御手段26が入力電流検知手段27の出力値を読み取り、この値に基づいて零点周期毎に入力電流を制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来の誘導加熱調理器では、検出される零点のタイミングはエッジを検出しているので図4に示すようになり、商用電源1周期内の零点検出の2周期においては、High期間とLow期間の期間長に差が生じるので、真の零点と検知した零点とに差が生じる。それ故、零点を検知してから一定時間T2秒後に入力電流制御手段26が、入力電流検知手段27の検知した入力電流を読み取る構成にしてあるので、商用電源の1周期の中での2データであっても、検知される入力電流値に差が生じるので、入力電流制御手段26が制御目標とする入力電流値が零点周期1周期毎に変化し、インバータ回路23の入力電流が変動して、結果として入力電流精度が悪化するという不具合点を有していた。
【0009】
また、入力電流検知手段27は図3に示すような構成が一般的で、カレントトランスCT2の出力を整流器DB2で全波整流した信号を、抵抗R2とコンデンサC2の並列接続で形成するピークホールド回路を介して入力電流制御手段26に出力するものである。ピークホールド回路を使用しているのは、商用電源21の1周期内で入力電流制御手段26が入力電流値の読み込みタイミングずれによる、入力電流値の検知ばらつきを抑制するためであり、コンデンサC2は、容量が比較的大きく(0.1〜0.47μF程度)、容量ばらつき小、温度特性良好なフィルムコンデンサを用いている。入力電流はボリューム抵抗VR2により所望の入力電流になるように微調整できる。しかし、この調整は製造工程で、日本国内製品等では、ある1つの電源周波数(60Hzあるいは50Hz)で調整されるため、調整時の周波数でない他方の周波数で使用する際には、カレントトランスCT2の周波数特性によって入力電流検知手段27の検出値に差が生じて、制御目標の入力電流値がずれるという不具合点を有すると共に、全波整流器DB2や基準電位補償用ダイオードD21、D22等の部品点数及びコストが増加するという不具合点を有していた。裏を返せば、カレントトランスCT2の周波数特性のため検出電流のばらつきが大きくなり、製造工程でのボリューム抵抗VR2の調整が必要になっている。更に本従来例では、製造工程で、商用電源電圧の定格値に対して、所望の加熱火力(入力電力)が得られる様に入力電流を調整しているので、商用電源電圧が変動しても、入力電流を一定に保つ様制御するので、商用電源電圧が定格よりずれた状態で使用すると、所望の入力電力が得られず調理性能が低下するという不具合点を有していた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するもので、零点検知のズレや電源周波数の差等による入力電流の検知ばらつき及び制御している入力電流の変動と、電源電圧変動による入力電力のばらつきを低減して調理性能を向上すると共に、入力電流検知手段の構成部品を削減することでコスト及び工数削減、信頼性向上を図った誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、入力電流検知手段によってインバータ回路の入力電流を検知し半波整流した信号を出力段の抵抗に出力し、零点検知手段が検知した零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ入力電流検知手段の出力の前記零点周期2周期分を比較し大きい方の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断するか、または前記入力電流検知手段の出力電圧が所定の値より大きくなる正期間側の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断して設定した火力に対応した前記入力電流に達するまで商用電源の1周期毎に入力電流制御手段がスイッチング手段の導通期間を変化させて、インバータ回路の入力電流を制御することができる。また、入力電流制御手段は、インバータ回路の入力電流を入力電流検知手段の出力から読み込み、商用電源の1周期毎に入力電流を制御する構成としたことにより、入力電流検知手段の構成電子部品の点数を削減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、商用電源と、加熱コイルとスイッチング手段を含み、直流を高周波交流に変換し、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記インバータ回路の入力電流を検知し半波整流した信号を出力段の抵抗に出力する入力電流検知手段と、商用電源の零点を検知する零点検知手段と、前記スイッチング手段の導通時間を変化させることにより前記入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記入力電流制御手段は、前記零点検知手段が検知した零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ前記入力電流検知手段の出力の前記零点周期2周期分を比較し大きい方の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断するか、または前記入力電流検知手段の出力電圧が所定の値より大きくなる正期間側の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断して設定した火力に対応した入力電流に達するまで前記商用電源の1周期毎に前記導通時間を増減させて前記入力電流を制御する構成としたものであり、入力電流制御手段により、インバータ回路のスイッチング手段を駆動して、加熱コイルに高周波電流を供給し、加熱コイルから発生する磁束により鍋等の負荷を誘導加熱することができる。
【0013】
入力電流検知手段が、インバータ回路への入力電流を検知し、読み込んだ入力電流検知手段の出力の零点周期2周期分を比較し大きい方の零点周期における入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断するか、または入力電流検知手段の出力電圧が所定の値より大きくなる正期間側の零点周期における入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断して設定した火力に対応した入力電流に達するまでスイッチング手段の導通期間を変化させるので、所望の火力が得られる様にインバータ回路の入力電流を制御することができる。更に、入力電流検知手段が入力電流を検知し半波整流した信号を出力段の抵抗に出力し、入力電流制御手段が零点検知手段の検知した零点の1周期毎に零点から所定時間後に入力電流検知手段の出力を読み込み、商用電源の1周期毎に導通時間を増減させて入力電流を制御する構成であるので、商用電源の1/2周期毎に制御する場合に比較して、入力電流検知手段を構成する電子部品の点数を削減し簡潔にできるという作用を有する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御回路が、前記商用電源の周波数を検知する周波数検知手段を有し、前記入力電流制御手段が周波数特性を有する部品で構成されると共に入力電流補正手段を有し、前記周波数検知手段の出力に応じて、前記入力電流補正手段が前記入力電流検知手段の出力を、前記周波数特性を有する部品の周波数による出力ばらつきが低減されるように補正する構成としたものであり、周波数検知手段を有するので、商用電源の周波数を検知することができ、この検知した商用電源の周波数に応じて、入力電流補正手段が入力電流検知手段の出力を、周波数特性を有する部品の周波数による出力ばらつきを低減するように補正できる。故に、入力電流検知手段を構成する電子部品が周波数特性を有しており、これによって検知する入力電流値がばらついた場合でも、インバータ回路の入力電流を所望の入力電流に制御できるという作用を有する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記制御回路が、前記商用電源の電圧を検知する電源電圧検知手段を有し、前記入力電流制御手段が入力電流補正手段を有し、前記電源電圧検知手段の出力と前記入力電流検知手段の出力の積が一定となるように、前記入力電流補正手段が前記入力電流検知手段の出力を補正する構成としたものであり、電源電圧検知手段を有するので、商用電源の電圧を検知することができ、この検知した商用電源の電圧に応じて、入力電流補正手段が入力電流検知手段の出力を補正できる。それ故、入力電流と電源電圧の積である入力電力を、電源電圧に影響されず、精度良く制御することができるという作用を有する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3記載の発明において、前記制御回路が、前記商用電源の零点を検知する零点検知手段を有し、隣り合う零点の概中間で、前記入力電流検知手段が前記インバータ回路の入力電流を検知する構成としたものであり、零点検知手段を有しているので、商用電源の零点を検知することができると共に、隣り合う零点の間隔を検知できるので、この間隔の概中間のタイミングで入力電流検知手段がインバータ回路の入力電流を検知することが可能である。このため、インバータ回路の入力電流のほぼピーク値を検知できるので、入力電流検知手段の構成回路の定数設計が容易になると共に、商用電源周波数の差による入力電流の検知タイミングのずれに対するインバータ回路の入力電流のばらつきを低減することができるという作用を有する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記零点検知手段、前記商用電源を半波整流した電圧を所定の電圧と比較することによって前記商用電源の零点を立ち上がりエッジ出力及び立ち下りエッジ出力で検知し、前記零点検知手段の検出する零点が、前記立ち上がりエッジに対して、真の零点よりもt1秒だけ遅れ、前記立ち下がりエッジに対しては真の零点よりも前記t1秒だけ進んでいることを予め記憶すると共に、前記零点検知手段が、前記立ち上がりエッジの検出から前記t1秒進んだ時点と、前記立ち下りエッジの検出から前記t1秒遅れた時点の双方を真の零点とするように前記立ち上がりエッジ出力と真の零点とのタイミング差と、前記立ち下りエッジ出力と真の零点とのタイミング差の双方を補正する零点補正手段を有する構成としたものであり、零点補正手段を有しているので、零点検知手段が商用電源の半波整流にて商用電源の零点を検知することによって生ずる、真の零点とのずれを補正することができるので、入力電流検知手段がインバータ回路の入力電流を検知するタイミングのばらつきを抑制可能で、検知電流値のばらつきを低減できるという作用を有する。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記制御回路が、前記インバータ回路に流れる電流を検知する電流検知手段または前記インバータ回路に発生する電圧を検知する電圧検知手段のいずれか一方、もしくは両方を有し、前記入力電流制御手段前記零点検知手段が検知した零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ前記電流検知手段または前記電圧検知手段の出力に応じて前記インバータ回路に流れる電流または電圧が前記インバータの構成部品に必要以上に電気・熱ストレスを与えないレベルになるまで前記インバータ回路の入力電流を前記零点周期毎に前記導通時間を変化させて制御を行う構成としたものであり、電流検知手段または電圧検知手段を有しているので、インバータ回路の動作状態をモニタでき、電流検知手段または電圧検知手段の出力に応じて、インバータ回路を構成するスイッチング手段等が電気・熱ストレスを必要以上に受けない様に、零点周期毎に入力電流制御手段がインバータ回路の入力電流を制御することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記制御回路が報知手段を有し、前記時系列で隣り合う零点周期2周期の値の差が所定値以下であるならば、前記入力電流制御手段が、異常と判断してインバータ回路の動作止しかつ前記報知手段が報知を行う構成としたものであり、信頼性・使い勝手を向上することができる
【0021】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施例の入力電流検知手段及び零点検知手段の動作波形図である。
【0022】
図1において、1は商用電源、2は整流回路、3はスイッチング手段3aと加熱コイル3bを含み、加熱コイル3bに高周波電流を印加することにより負荷の鍋4を誘導加熱するインバータ回路、制御回路5は、スイッチング手段3aを駆動しその導通時間を変化させることによってインバータ回路3の入力電流を制御する入力電流制御手段6と、インバータ回路3への入力電流を検知する入力電流検知手段7と、商用電源1の零点を検知する零点検知手段8と、商用電源1の周波数を検知する周波数検知手段9と、商用電源1の電圧を検知する電源電圧検知手段10と、加熱コイル3bに流れる高周波電流を検知する電流検知手段11と、スイッチング手段3aの両端電圧を検知する電圧検知手段12と、入力電流制御手段6の出力に基づいてインバータ回路13の動作状態を使用者に報知する発光素子あるいは圧電素子等で構成された報知手段13と、インバータ回路3の動作開始を入力電流制御手段6に行わさせる信号を出力させると共に、負荷4の加熱火力を設定する、スイッチ等で構成された火力設定手段14とを有している。また、入力電流制御手段6は入力電流補正手段6aを備え、零点検知手段8は検知した商用電源1の零点と真の零点との差を補正する零点補正手段8aを備えている。
【0023】
上記構成において、以下その動作を説明する。使用者が火力設定手段14にて入力電流制御手段6にスイッチング手段3aの駆動を開始する信号を出力させると、入力電流制御手段6がインバータ回路3のスイッチング手段3aをオンオフ駆動させ、商用電源1を整流回路2で整流した直流を高周波交流に変換し、加熱コイル3bに高周波電流を供給し、加熱コイル3bから発生する磁束により鍋等の負荷4の誘導加熱を開始する。
【0024】
次に、入力電流制御手段6は入力電流検知手段7で検知した入力電流が、火力設定手段14で設定した火力に対応した所望の入力電流に達するまでスイッチング手段3aの導通時間を増減させ、加熱コイル3bに供給する高周波電流を変化して負荷4の加熱火力を制御している。
【0025】
この時入力電流制御手段6は、零点検知手段8が検知した商用電源の零点から次に検知した零点を1周期として、この1零点周期毎に、検知した零点から所定時間後に、電流検知手段11と電圧検知手段12と入力電流検知手段7の出力を順次読み込んで、それらの値に基づいて、1零点周期毎にスイッチング手段3aの導通期間を変化させることで、インバータ回路3の入力電流を制御している。
【0026】
ここで、入力電流制御手段6が入力電流の制御を行うにあたって読み込んでくる電流検知手段11と電圧検知手段12と入力電流検知手段7の出力の中での優先順位の高さは、インバータ回路3の構成電子部品に必要以上の電気・熱ストレスを与えないために、電圧検知手段12の出力、電流検知手段11の出力、入力電流検知手段7の出力の順としている。つまり、火力設定手段14で設定された火力を得るために、入力電流制御手段6は、インバータ回路3の構成電子部品に必要以上の電気・熱ストレスを与えない負荷4の場合は、設定火力となる様に入力電流を制御し、必要以上に電気・熱ストレスを与える負荷4の場合は、電流検知手段11や電圧検知手段12の出力に応じて、必要以上に電気・熱ストレスを与えないレベルになるまで、設定火力より小さい加熱火力になる様に入力電流を制御する。
【0027】
本実施例では入力電流制御手段6は電流検知手段11と電圧検知手段12の出力に対しては1零点周期毎に制御を行う様にしてあるのに対し、入力電流検知手段7の出力に対しては、零点周期2周期分を比較し、大きい方の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断し、これに基づいて制御を行う様にしてある。あるいは零点検知手段8の出力がHighである周期の入力電流検知手段7の出力が現在の入力電流値に対する出力と判断しても良い。但し前者の方が、カレントトランスCTに流れる電流や出力電圧の方向を考慮せずに設計できるので便利である。
【0028】
このため、インバータ回路3の構成電子部品に必要以上の電気・熱ストレスを与えると言う様な重要度の高い要素については、1零点周期毎に入力電流を制御し、必要以上の電気・熱ストレスを与えない場合における入力電流の制御は、2零点周期毎に行うことができ、入力電流検知手段7の構成を簡単にできる。
【0029】
また、本実施例では、零点補正手段8aが、零点検知手段8の検出する零点の、立ち上がりエッジに対して、真の零点よりもt1秒だけ遅れ、立ち下がりエッジに対しては真の零点よりもt1秒だけ進んでいることを予め記憶しているので、零点検知手段8の立ち上がりエッジ出力を検知してから(T-t1)秒後に、立ち下がりエッジ出力を検知してからは(T+t1)秒後に、入力電流制御手段6は電流検知手段11と電圧検知手段12と入力電流検知手段7の各出力を読み込む。こうすることで、商用電源1の正期間と負期間での読み込みタイミングのズレを無くすことができるので、各値のほぼピーク値を読み込むことが可能となり、精度良く入力電流を制御できる。
【0030】
また、本実施例では各値の読み込みは、各々4回ずつ行い、その平均値を検出値としているので、雑音の影響も低減でき、更に精度良く制御している。そして、従来であれば、この読み込みタイミングのズレの影響を低減するために、入力電流検知手段7の出力段は抵抗Rに比較的大きめの容量のコンデンサC(0.1〜0.47μF程度)を並列接続して、RCの時定数を大きくすることでピークホールド回路を形成すると共に、このコンデンサCは容量のばらつきが小さく温度特性の良い、高価なフィルムコンデンサを使用していたが、本実施例では、コンデンサCは雑音防止用程度の小容量(1000〜10000pF程度)で安価なセラミックコンデンサで良く、構成回路のコストダウンが可能である。
【0031】
次に、本実施例では入力電流補正手段6aが、上記と同様のタイミングで商用電源の電圧ピークを読み込んだ電源電圧検知手段10の出力と入力電流検知手段7の出力との積が一定になる様に、読み込んだ入力電流検知手段7の出力値を補正するので、負荷4の加熱火力を商用電源1の電源電圧に関係なく一定に保つことができ、加熱火力のばらつきを抑制し、精度良く加熱火力を制御することができる。
【0032】
また、本実施例では周波数検知手段9の検知した商用電源1の周波数に応じて、入力電流補正手段6aが入力電流検知手段7の出力を補正して読み込むので、周波数特性を有するカレントトランスCT等の周波数による出力ばらつきを低減でき、精度良く入力電流を制御することができる。
【0033】
更に、本実施例では入力電流制御手段6が、商用電源1の1周期、つまり零点検知手段が検知した零点周期2周期に読み込んだ入力電流検知手段7の出力値を比較して、その差がv0以下であるならば、入力検知手段7が異常であると判断して、インバータ回路3の動作を停止すると共に、報知手段13で異常であることを報知するので、信頼性・使い勝手を向上することができる。
【0034】
以上のように本実施例によれば、入力電流検知手段7の構成電子回路点数を削減し、尚かつ入力電流の検知精度及び制御精度を向上すると共に、インバータ回路に過大な電気・熱ストレスを与えることなく、入力電流を制御することができる。
【0035】
尚、本実施例ではインバータ回路3はスイッチング手段を1個含む構成としているが2個以上有する構成であっても、同様の効果が得られるのは言うまでもないことである。また、電圧検知手段12が検知する電圧はスイッチング手段3aの両端電圧に限らないし、電流検知手段11が検知する電流は加熱コイル3bに流れる電流に限らない。
【0036】
なお、本実施例では、入力電流の制御周期を商用電源の1周期にて説明しているが、本制御周期は1周期に限定せずとも、所望の入力電流の許容値が慣用的な範囲を逸脱しなければ、3〜6周期等、適宜設計変更することはやぶさかではない。具体的には、例えば、10周期近い間隔で制御を行えば、フィードバックの応答の悪化により、極端な場合は接続ライン上の電源ブレーカの遮断等に至るケースが生じ得るが、かかる不具合を是正できる間隔であれば、商用電源の1周期に限るものではない。
【0037】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、入力電流検知手段がインバータ回路の入力電流を検知し半波整流した信号を出力段の抵抗に出力し、入力電流制御手段が、零点検知手段の検知する零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ入力電流検知手段の出力の零点周期2周期分を比較し大きい方の零点周期における入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断するか、または入力電流検知手段の出力電圧が所定の値より大きくなる正期間側の零点周期における入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断して商用電源の1周期毎にスイッチング手段の導通期間を変化させて、設定火力になる様にインバータ回路の入力電流を制御することができるので、入力電流検知手段の構成を簡単にして、部品点数を削減することができる。
【0038】
また、請求項2記載の発明によれば、入力電流検知手段を構成する電子部品が周波数特性を有、検出する入力電流値が周波数によって変化するため、入力電流検知手段が検知した入力電流値を、周波数検知手段が検知した商用電源の周波数に応じて、入力電流補正手段が入力電流検知手段の出力を、周波数特性を有する部品の周波数による出力ばらつきが低減されるように補正することができるので、入力電流検知手段が検知する入力電流値が商用電源の周波数によって変動することを抑制し、入力電流制御手段が精度良く入力電流を制御できる。
【0039】
また、請求項3記載の発明によれば、電源電圧検知手段の出力と入力電流検知手段の出力の積が一定となるように入力電流検知手段の出力を入力電流補正手段が補正することができるので、入力電流と商用電源の電圧の積である入力電力を一定に保つことが可能となり、入力電流制御手段が精度良く負荷への加熱火力を制御できる。
【0040】
また、請求項4記載の発明によれば、1零点周期内での入力電流のピークとなるタイミング即ち隣り合う零点の概中間点で、これに対応する入力電流検知手段の出力を入力電流制御手段が読み込むことが可能となるので、入力電流検知手段の構成回路の定数設計が容易かつ構成部品のコスト低減になると共に、商用電源周波数の差による入力電流の検知タイミングのずれに対するインバータ回路の入力電流のばらつきを低減できる。
【0041】
また、請求項5記載の発明によれば、零点検知手段、商用電源を半波整流した電圧を所定の電圧と比較することによって商用電源の零点を立ち上がりエッジ出力及び立ち下りエッジ出力で検知し、零点検知手段の検出する零点が、立ち上がりエッジに対して、真の零点よりもt1秒だけ遅れ、立ち下がりエッジに対しては真の零点よりもt1秒だけ進んでいることを予め記憶すると共に、零点補正手段が、立ち上がりエッジの検出からt1秒進んだ時点と、立ち下りエッジの検出からt1秒遅れた時点の双方を真の零点とするように立ち上がりエッジ出力と真の零点とのタイミング差と、立ち下りエッジ出力と真の零点とのタイミング差の双方を補正するので、零点検知手段が商用電源の半波整流にて前記商用電源の零点を検知することによって生ずる、真の零点とのずれを補正することができ、入力電流制御手段が入力電流検知手段の出力を読み込むタイミングのばらつきを抑制可能で、精度の良い入力電流の制御ができる。
【0042】
また、請求項6記載の発明によれば、インバータ回路に流れる電流またはインバータ回路に発生する電圧等に対しては、1零点周期毎に入力電流を制御できる。
【0043】
また、請求項7記載の発明によれば、入力電流制御手段が読み込んだ入力電流検知手段の出力値において、時系列で隣り合う2つの値の差が所定値以下であるならば、入力電流制御手段が、異常と判断してインバータ回路の動作を停止すると共に、報知手段が報知を行うことが可能なので、より信頼性の高い誘導加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図2】同誘導加熱調理器の各部動作波形図
【図3】従来の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図4】同誘導加熱調理器の各部動作波形図
【符号の説明】
1 商用電源
3 インバータ回路
3a スイッチング手段
3b 加熱コイル
5 制御回路
6 入力電流制御手段
6a 入力電流補正手段
7 入力電流検知手段
8 零点検知手段
8a 零点補正手段
9 周波数検知手段
10 電源電圧検知手段
11 電流検知手段
12 電圧検知手段
13 報知手段

Claims (7)

  1. 商用電源と、加熱コイルとスイッチング手段を含み、直流を高周波交流に変換し、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記インバータ回路の入力電流を検知し半波整流した信号を出力段の抵抗に出力する入力電流検知手段と、商用電源の零点を検知する零点検知手段と、前記スイッチング手段の導通時間を変化させることにより前記入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記入力電流制御手段は、前記零点検知手段が検知した零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ前記入力電流検知手段の出力の前記零点周期2周期分を比較し大きい方の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断するか、または前記入力電流検知手段の出力電圧が所定の値より大きくなる正期間側の前記零点周期における前記入力電流検知手段の出力を現在の入力電流値に対する出力と判断して設定した火力に対応した前記入力電流に達するまで前記商用電源の1周期毎に前記導通時間を増減させて前記入力電流を制御する誘導加熱調理器。
  2. 制御回路が、商用電源の周波数を検知する周波数検知手段を有し、入力電流制御手段が周波数特性を有する部品で構成されると共に入力電流補正手段を有し、前記周波数検知手段の出力に応じて、前記入力電流補正手段が入力電流検知手段の出力を、前記周波数特性を有する部品の周波数による出力ばらつきが低減されるように補正してなる請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 制御回路が、商用電源の電圧を検知する電源電圧検知手段を有し、入力電流制御手段が入力電流補正手段を有し、前記電源電圧検知手段の出力と前記入力電流検知手段の出力の積が一定となるように、前記入力電流補正手段が入力電流検知手段の出力を補正してなる請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
  4. 制御回路が、商用電源の零点を検知する零点検知手段を有し、隣り合う零点の概中間で、入力電流検知手段がインバータ回路の入力電流を検知してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 零点検知手段、商用電源を半波整流した電圧を所定の電圧と比較することによって前記商用電源の零点を立ち上がりエッジ出力及び立ち下りエッジ出力で検知し、前記零点検知手段の検出する零点が、前記立ち上がりエッジに対して、真の零点よりもt1秒だけ遅れ、前記立ち下がりエッジに対しては真の零点よりも前記t1秒だけ進んでいることを予め記憶すると共に、前記零点検知手段が、前記立ち上がりエッジの検出から前記t1秒進んだ時点と、前記立ち下りエッジの検出から前記t1秒遅れた時点の双方を真の零点とするように前記立ち上がりエッジ出力と真の零点とのタイミング差と、前記立ち下りエッジ出力と真の零点とのタイミング差の双方を補正する零点補正手段を有してなる請求項4記載の誘導加熱調理器。
  6. 制御回路が、インバータ回路に流れる電流を検知する電流検知手段または前記インバータ回路に発生する電圧を検知する電圧検知手段のいずれか一方、もしくは両方を有し、入力電流制御手段は、前記零点検知手段が検知した零点の1周期毎に前記零点から所定時間後に読み込んだ前記電流検知手段または前記電圧検知手段の出力に応じて前記インバータ回路に流れる電流または電圧が前記インバータの構成部品に必要以上に電気・熱ストレスを与えないレベルになるまで前記インバータ回路の入力電流を零点周期毎に前記導通時間を変化させて制御してなる請求項4または5記載の誘導加熱調理器。
  7. 制御回路が報知手段を有し、時系列で隣り合う零点周期2周期の値の差が所定値以下であるならば、入力電流制御手段が、異常と判断してインバータ回路の動作を停止し、かつ前記報知手段により報知してなる請求項6記載の誘導加熱調理器。
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