JP2009016210A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Katsuharu Matsuo
勝春 松尾
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Abstract

【課題】回路構成が複雑化することなく、インバータへの入力電流および加熱コイルに供給される高周波電流を精度良く検出できる誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】カレントトランスCT3と電流検出回路41とからなる電流検出部35は、インバータ32の出力電流Ioを検出し、出力電流Ioに基づいて、その全期間を平均化した電圧信号VIo0(全電流成分に相当)と、有効電流成分に相当する期間を抽出し平均化した電圧信号VIo1と、無効電流成分に相当する期間を抽出し平均化した電圧信号VIo2とを制御回路11に出力する。制御回路11は、これら電圧信号のうち、いずれか2つの電圧信号を用いてインバータ32の入力電流Iiの平均値を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電力を整流して直流化する直流電源部を電源として高周波電流を生成するインバータと、この高周波電流が供給されることにより被加熱調理器具を誘導加熱する加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器においては、インバータへの入力電流および入力電圧やインバータから加熱コイルに供給される高周波電流などを検出することにより、調理器本体への入力電力の検出や被加熱調理器具の材質検知を行うようにしたものがある(例えば特許文献1、2参照)。
図9は、上記誘導加熱調理器の電気的構成の一例を示している。図9に示す誘導加熱調理器1は、2つのIH加熱部を備えたものであり、それらに対応する2つのインバータ2、3を備えている。なお、インバータ2、3は基本構成が同じであるため、以下ではインバータ2とそれに対応する構成について説明し、インバータ3とそれに対応する構成については( )内に符号のみ示す。誘導加熱調理器1は、インバータ2(3)と、直流電源部4(5)と、入力電流検出部6(7)と、高周波電流検出部8(9)と、入力電圧検出部10と、制御回路11とから構成されている。
直流電源部4(5)は、ダイオードブリッジDB1(DB2)、平滑用のコイルL1(L2)および平滑用のコンデンサC1(C2)から構成され、交流電源12からの交流出力を直流化してインバータ2(3)に供給する。インバータ2(3)は、インバータ駆動回路13(14)、インバータ主回路15(16)、加熱コイルL3(L4)および共振コンデンサC3、C4(C5、C6)から構成され、加熱コイルL3(L4)に高周波電流を供給することで被加熱調理器具17(18)を誘導加熱する。入力電流検出部6(7)は、カレントトランスCT1(CT2)および電流検出回路19(20)から構成され、直流電源部4(5)への入力電流を検出する。高周波電流検出部8(9)は、カレントトランスCT3(CT4)および電流検出回路21(22)から構成され、加熱コイルL3(L4)に流れる高周波電流を検出する。入力電圧検出部10は、トランスT1および電圧検出回路23から構成され、直流電源部4(5)への入力電圧を検出する。
上記構成によれば、制御回路11は、入力電流検出部6(7)により検出される直流電源部4(5)への入力電流、すなわちインバータ2(3)への入力電流と、高周波電流検出部8(9)により検出される加熱コイルL3(L4)に流れる高周波電流と、入力電圧検出部10により検出される直流電源部4(5)への入力電圧とに基づいて、調理器本体への入力電力および被加熱調理器具17(18)の材質検知を行い、その結果に基づいてインバータ2(3)を制御するので、被加熱調理器具17(18)の材質に適した加熱を行うことができるようになっている。
特開2002−260835号公報 特開2004−185909号公報
しかしながら、従来技術の構成においては、インバータ2(3)の入力電流と高周波電流とを検出するため、1つのインバータ2(3)につき、2つのカレントトランスCT1、CT3(CT2、CT4)と、2つの電流検出回路19、21(20、22)とが必要になってしまう。また、複数のIH加熱部つまり複数のインバータを備えた誘導加熱調理器の場合、各インバータ2(3)への入力電流を個別に検出する必要があるが、上記構成ではこの入力電流を直流電源部4(5)への入力電流から検出している関係上、インバータ2(3)の数だけ直流電源部4(5)を設けなければならない。
さらに、各インバータ2(3)のインバータ主回路15(16)に別々の電源が供給されることに伴い、インバータ駆動回路13(14)の電源についても同様に、別々の電源供給が必要となる。このため、1つの制御回路11で複数のインバータ駆動回路13(14)を制御する場合には、その制御信号を、絶縁用素子、例えばフォトカプラPH1(PH2)を介して出力しなければならない。以上のように、従来技術のものでは、部品点数が増大し、複雑な回路構成になってしまうとともに、装置の製造コストが高騰してしまうという問題がある。
また、インバータ2(3)からの回生電流は平滑用のコンデンサC1(C2)に流れるが、コンデンサC1(C2)の容量は力率との兼ね合いから十分に大きくできない。このため、回生電流の一部が高周波電流として交流電源12側に流れ込んでしまい、この影響により、直流電源部4(5)への入力電流を精度良く検出できなくなってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路構成が複雑化することなく、インバータへの入力電流および加熱コイルに供給される高周波電流を精度良く検出できる誘導加熱調理器を提供することにある。
本発明の誘導加熱調理器は、調理器本体と、交流電源より供給される交流電力を整流して直流化する直流電源部と、前記直流電源部を電源として高周波電流を生成するインバータと、前記高周波電流が供給されることにより被加熱調理器具を誘導加熱する加熱コイルと、前記インバータを制御することにより前記被加熱調理器具に対する加熱を制御するインバータ制御部とを備えた誘導加熱調理器において、前記高周波電流を検出する高周波電流検出部と、前記高周波電流検出部の検出値に基づいて、前記高周波電流の全電流成分、有効電流成分および無効電流成分のうち少なくとも2つの電流成分を検出し、それら電流成分に基づいて前記インバータへの入力電流を検出するインバータ入力電流検出部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、高周波電流検出部により検出された高周波電流の検出値に基づいて、インバータへの入力電流を検出するので、回路構成が複雑化することなく、インバータへの入力電流および加熱コイルに供給される高周波電流を精度良く検出することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。
図1は、2つのIH加熱部を備えた誘導加熱調理器の電気構成を概略的に示しており、図9と同一の構成部分には同一符号を付している。図1に示す誘導加熱調理器31は、インバータ32、33と、直流電源部34と、電流検出部35、36(高周波電流検出部に相当)と、インバータ入力電圧検出部37と、制御回路11とを備えている。なお、インバータ32、33は、基本構成が同じであるため、以下では従来技術と同様に、インバータ32とそれに対応する部分について説明し、インバータ33とそれに対応する部分については説明を省略し、( )内に符号のみ示す。
直流電源部34は、ダイオードブリッジDB1、平滑用のコイルL1、L2および平滑用のコンデンサC1、C2から構成されている。ダイオードブリッジDB1は、4つのダイオードをブリッジ状に接続した周知構成であり、その交流入力端子には商用交流電源12からの交流出力が与えられている。ダイオードブリッジDB1の一方の直流出力端子はコイルL1を介して電源線38に接続されるとともに、コイルL2を介して電源線39に接続されている。ダイオードブリッジDB1の他方の直流出力端子は電源線40に接続されている。電源線38と電源線40との間にはコンデンサC1が接続され、電源線39と電源線40との間にはコンデンサC2が接続されている。このような構成により、直流電源部34は、交流電源12からの交流出力を直流化した出力をインバータ32、33に供給するようになっている。
インバータ32(33)は、インバータ駆動回路13(14)、インバータ主回路15(16)、加熱コイルL3(L4)および共振コンデンサC3、C4(C5、C6)から構成されている。インバータ駆動回路13(14)には、制御回路11から制御信号が与えられており、この制御信号に基づいてインバータ主回路15(16)を駆動するようになっている。インバータ主回路15(16)は、例えばIGBTであるトランジスタQ1、Q2(Q3、Q4)およびフライホイールダイオードD1、D2(D3、D4)を備えた周知のハーフブリッジ形の構成である。
トランジスタQ1(Q3)のコレクタは電源線38(39)に接続され、トランジスタQ2(Q4)のエミッタは電源線40に接続されている。トランジスタQ1、Q2(Q3、Q4)の各ゲートには、インバータ駆動回路13(14)から駆動信号が与えられている。トランジスタQ1とQ2(Q3とQ4)の共通接続点は、加熱コイルL3(L4)の一端に接続されている。加熱コイルL3(L4)の他端は、共振コンデンサC3(C5)を介して電源線38(39)に接続されるとともに、共振コンデンサC4(C6)を介して電源線40に接続されている。このような構成により、インバータ32(33)は、インバータ駆動回路13(14)から与えられる駆動信号に応じて加熱コイルL3(L4)に高周波電流を供給し、被加熱調理器具17(18)を誘導加熱するようになっている。
電流検出部35(36)は、カレントトランスCT3(CT4)および電流検出回路41(42)とから構成されている。カレントトランスCT3(CT4)の一次巻線は、加熱コイルL3(L4)の他端と、共振コンデンサC3およびC4(C5およびC6)の共通接続点との間に介在するように設けられている。一方、カレントトランスCT3(CT4)の二次巻線は、一次巻線に流れる電流と逆極性となる電流が自身に流れるように構成されており、その両端は、電流検出回路41(42)の入力端子c1、c2に接続されている。電流検出回路41(42)の入力端子vには、加熱コイルL3(L4)の一端が接続されている。詳細は後述するが、電流検出回路41(42)は、これらの入力に基づいた検出信号を制御回路11に出力するための出力端子I、P1、P2を有している。
インバータ入力電圧検出部37は、抵抗R31、R32とコンデンサC31とから構成されている。抵抗R31とR32とは直列に接続されており、その直列回路の両端には、直流電源部34のダイオードブリッジDB1の直流出力端子が接続されている。コンデンサC31は、抵抗R32に対し並列に接続されている。このような構成により、インバータ入力電圧検出部37は、ダイオードブリッジDB1の直流出力端子における全波整流された直流出力を分圧した電圧Vvdoを制御回路11に出力するようになっている。
制御回路11(インバータ制御部に相当)は、CPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御回路11および電流検出回路41、42には、電源端子Vdと電源線40とから電源Vdが供給されるようになっている。また、インバータ駆動回路13、14には、電源端子Vcと電源線40とから電源Vcが供給されるようになっている。すなわち、上記構成の全ての回路には電源供給用の電源線40が接続されており、これにより、基準電位Ve(グランド電位)を共通にしている。なお、本実施形態では、電流検出回路41(42)と制御回路11とからインバータ入力電流検出部が構成される。
図2は、電流検出回路41の詳細構成を示している。なお、電流検出回路42は、電流検出回路41と同様の構成であるので説明を省略する。電流検出回路41は、位相検出回路51および出力回路52から構成されている。このうち、位相検出回路51(位相差検出部に相当)は、ダイオードブリッジDB51、抵抗R51〜R58、トランジスタQ51、ANDゲート53、54、バッファゲート55、インバータゲート56およびダイオードD51、D52から構成されている。
ダイオードブリッジDB51は、周知の構成であり、その交流入力端子は、電流検出回路41の入力端子c1、c2に接続されている。ダイオードブリッジDB51の直流出力端子は、電源線57および電源線40に接続されている。電源線57と電源線40との間には、ダイオードブリッジDB51から出力される電流を電圧に変換するための抵抗R51が接続されている。
入力端子c1は、抵抗R52を介してトランジスタQ51のベースに接続され、トランジスタQ51のベースは、抵抗R53を介してそのエミッタに接続されている。トランジスタQ51のエミッタは電源線40に接続されており、コレクタは抵抗R54を介して電源端子Vdに接続されている。トランジスタQ51のコレクタは、ANDゲート53の一方の反転入力端子およびANDゲート54の一方の非反転入力端子に接続されている。ANDゲート53の他方の反転入力端子およびANDゲート54の他方の非反転入力端子には、入力端子vの電圧、つまり加熱コイルL3の一端の電圧を抵抗R55およびR56により分圧した電圧Vvoが与えられている。
ANDゲート53、54は、オープンドレイン出力であり、それらの出力端子は、それぞれ抵抗R57、R58を介して電源端子Vdに接続されている。また、ANDゲート53、54の各出力端子は、ダイオードD51、D52のアノードにそれぞれ接続されている。ダイオードD51、D52の各カソードは共通に接続されるとともに、バッファゲート55の入力端子およびインバータゲート56の入力端子に接続されている。
出力回路52(電流成分検出部に相当)は、抵抗R59〜R63およびコンデンサC51〜C53から構成されている。電源線57と電源線40との間には、抵抗R59とコンデンサC51との直列回路、抵抗R60とコンデンサC52との直列回路および抵抗R61とコンデンサC53との直列回路が接続されている。
抵抗R59とコンデンサC51との共通接続点は、抵抗R62を介して位相検出回路51のバッファゲート55の出力端子に接続されるとともに、電圧信号VIo1の出力端子P1に接続されている。抵抗R60とコンデンサC52との共通接続点は、抵抗R63を介して位相検出回路51のインバータゲート56の出力端子に接続されるとともに、電圧信号VIo2の出力端子P2に接続されている。抵抗R61とコンデンサC53との共通接続点は、電圧信号VIo0の出力端子Iに接続されている。なお、抵抗R62および抵抗R63の抵抗値は、抵抗R59および抵抗R60の抵抗値に比べ非常に小さい値に設定されている。
次に、本実施形態の作用について図3および図4も参照しながら説明する。
まず、被加熱調理器具17を誘導加熱する際におけるインバータ32の発振動作について説明する。図3は、インバータ32の駆動時における各部の電圧波形および電流波形を示している。インバータ主回路15のトランジスタQ1、Q2がスイッチングされインバータ32が駆動されると、トランジスタQ1、Q2の共通接続点の電圧Voおよび加熱コイルL3に流れる電流Io(インバータ32の出力電圧および出力電流)は、図3(a)および(b)に示すような波形となる。すなわち、出力電圧Voは、トランジスタQ1、Q2のスイッチング周期(インバータ32の発振周波数)に応じた周期で変化する矩形波となる。これに対し、出力電流Ioは、出力電圧Voと同じ周期で変化する正弦波となるが、その位相が出力電圧Voの位相よりもθdだけ遅れたものとなる。
なお、図3(a)における電圧Viは、平滑用のコンデンサC1の端子電圧であり、インバータ32の入力電圧である。この電圧Viは、商用交流電源12からの交流出力(正弦波)を全波整流したものであり、商用交流電源12の周期(約50Hzまたは約60Hz)で変動している。しかし、インバータ32の発振周波数は例えば30kHzであり、インバータ32の発振の数サイクル程度の短い時間においては、電圧Viは、ほとんど変化しない。このため、図3(a)中では、電圧Viを略一定として示している。
続いて、インバータ32の駆動時の発振の1サイクル(図3の時刻t0〜t4)において、インバータ32に流れる高周波電流について説明する。図4は、この高周波電流の流れる経路を示すものであり、図1におけるインバータ32に関連する部分を拡大して示す図である。なお、図4では、高周波電流の流れに関係しない構成部分については一部省略している。
[1]時刻t0〜t1の期間について
時刻t0〜t1の期間においては、インバータ駆動回路13からインバータ主回路15に対し、トランジスタQ1をオンさせ、トランジスタQ2をオフさせるような駆動信号が与えられる。この期間に流れる高周波電流の経路を、図4中にて破線+△印で示す。すなわち、時刻t0〜t1の期間には「コンデンサC1→トランジスタQ1→加熱コイルL3→共振コンデンサC4→コンデンサC1…」という経路と、「共振コンデンサC3→トランジスタQ1→加熱コイルL3→共振コンデンサC3…」という経路とに高周波電流が流れる。
[2]時刻t1〜t2の期間について
時刻t1〜t2の期間においては、インバータ駆動回路13からインバータ主回路15に対し、トランジスタQ1およびQ2をいずれもオフさせるような駆動信号が与えられる。この期間に流れる高周波電流の経路を、図4中にて実線+△印で示す。すなわち、時刻t1〜t2の期間には「共振コンデンサC3→コンデンサC1→ダイオードD2→加熱コイルL3→共振コンデンサC3…」という経路と、「加熱コイルL3→共振コンデンサC4→ダイオードD2→加熱コイルL3…」という経路とに高周波電流が流れる。
[3]時刻t2〜t3の期間について
時刻t2〜t3の期間においては、インバータ駆動回路13からインバータ主回路15に対し、トランジスタQ1をオフさせ、トランジスタQ2をオンさせるような駆動信号が与えられる。この期間に流れる高周波電流の経路を、図4中にて実線+▲印で示す。すなわち、時刻t2〜t3の期間には「コンデンサC1→共振コンデンサC3→加熱コイルL3→トランジスタQ2→コンデンサC1…」という経路と、「共振コンデンサC4→加熱コイルL3→トランジスタQ2→共振コンデンサC4…」という経路とに高周波電流が流れる。
[4]時刻t3〜t4の期間について
時刻t3〜t4の期間においては、インバータ駆動回路13からインバータ主回路15に対し、トランジスタQ1およびQ2をいずれもオフさせるような駆動信号が与えられる。この期間に流れる高周波電流の経路を、図4中にて破線+▲印で示す。すなわち、時刻t3〜t4の期間には「共振コンデンサC4→加熱コイルL3→ダイオードD1→コンデンサC1→共振コンデンサC4…」という経路と、「共振コンデンサC3→加熱コイルL3→ダイオードD1→共振コンデンサC3…」という経路とに高周波電流が流れる。
インバータ32駆動時において、上記[1]〜[4]のように高周波電流が流れるため、インバータ32の入力電流Iiの波高値は、図3(b)に示すように、加熱コイルL3を流れるインバータ32の出力電流Ioの波高値(ピーク値)の1/2となる。また、入力電流Iiは、[1]、[3]の期間ではコンデンサC1側からインバータ32側に対して流れ込むもの(有効電流成分)となり、[2]、[4]の期間ではインバータ32側からコンデンサC1側に対して流れ込む回生電流(無効電流成分)となる。
上記のとおり発振動作を行うインバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaは、[1]、[3]の期間の入力電流Iiの絶対値の平均値を電流Ii1(有効電流成分)で示し、[2]、[4]の期間の入力電流Iiの絶対値の平均値を電流Ii2(無効電流成分)で示すと、下記(1)式で表される。そして、インバータ32の入力電力Piは、インバータ32の入力電圧Viと上記入力電流Iiの平均値Iiaとから下記(2)式で表される。
Figure 2009016210
また、インバータ32の入力電力Piは、前述した入力電流Iiと出力電流Ioとの関係(Ii=1/2×Io)から、下記(3)式のようにインバータ32の出力電流Ioに基づいても算出することができる。
Figure 2009016210
ただし、Io1は、[1]、[3]の期間の出力電流Ioの絶対値の平均値(有効電流成分に相当)を示し、Io2は、[2]、[4]の期間の出力電流Ioの絶対値の平均値(無効電流成分に相当)を示す。
上記したとおり、インバータ32の入力電流Iiおよび入力電力Piを、インバータ32の出力電流Ioに基づいて算出することができる。そこで、本実施形態の誘導加熱調理器31では、電流検出部35により、インバータ32の出力電流Ioを検出し、その検出結果に基づいて、制御回路11がインバータ32への入力電流Iiおよび入力電力Piを算出するように構成されている(詳細は後述する)。
続いて、電流検出部35の検出動作について説明する。インバータ32の出力電流Ioは、カレントトランスCT3を介してダイオードブリッジDB51により全波整流され、抵抗R51により電圧に変換される。この出力電流Ioに基づく電圧は、電源線57を介して出力回路52に与えられる。また、出力電流Ioは、カレントトランスCT3および抵抗R52を介してトランジスタQ51のベースに入力される。そして、トランジスタQ51のコレクタから電圧信号Vioとして出力される。一方、インバータ32の出力電圧Vo、すなわち、インバータ主回路15のトランジスタQ1、Q2の共通接続点の電圧は、抵抗R55、R56により分圧され、これら抵抗R55、R56の共通接続点から電圧信号Vvoとして出力される。
インバータ32の出力電圧Voに基づく電圧信号Vvoおよび出力電流Ioに基づく電圧信号Vioの波形は、図3(c)および(d)に示すようになる。すなわち、電圧信号Vvoは、出力電圧Voと同位相、同周期の方形波となる。一方、電圧信号Vioは、出力電流Ioと同位相、同周期の方形波であり、電圧信号Vvoよりもθdだけ遅れた波形となる。このように、電圧信号VvoおよびVioは、それぞれ出力電圧Voおよび出力電流Ioの位相を示す位相信号に相当する。電圧信号Vioは、ANDゲート53の一方の反転入力端子とANDゲート54の一方の非反転入力端子とに共通に与えられており、電圧信号Vvoは、ANDゲート53の他方の反転入力端子とANDゲート54の他方の非反転入力端子とに共通に与えられている。
これにより、電圧信号VioとVvoの論理レベルが一致した場合には、バッファゲート55から出力される電圧信号Po1はHレベルとなり、インバータゲート56から出力される電圧信号Po2はLレベルとなる。これに対し、電圧信号VioとVvoの論理レベルが一致しない場合には、電圧信号Po1はLレベルとなり、電圧信号Po2はHレベルとなる。すなわち、電圧信号Po1、Po2は、図3(e)、(f)に示すとおりの波形となる。図3に示すように、電圧信号Po1がHレベルの期間は、入力電流Iiが有効電流成分となる[1]、[3]の期間と一致し、電圧信号Po2がHレベルの期間は、入力電流Iiが無効電流成分となる[2]、[4]の期間と一致している。
さて、電流検出回路41の出力回路52においては、出力電流Ioに基づく電源線57の電圧が、抵抗R59〜R61とコンデンサC51〜C53とからなるローパスフィルタにより、平滑化(平均化)されて出力端子I、P1、P2から出力されるようになっている。このうち、出力端子Iからは、出力電流Ioに基づく電圧の全期間を平均化した電圧信号VIo0(全電流成分に相当)が出力される。
これに対し、出力端子P1には、抵抗R62を介して電圧信号Po1が与えられており、出力端子P2には、抵抗R63を介して電圧信号Po2が与えられている。前述したように、これら抵抗R62、R63は、抵抗R59、R60に比べて小さい抵抗値としている。このため、電圧信号Po1、Po2がLレベルのときには、出力端子P1、P2から出力される電圧信号は極めて小さい値(ほぼLレベル)となる。従って、出力端子P1からは、出力電流Ioに基づく電圧の[1]、[3]の期間(Po1がHレベルの期間)を抽出し平均化した電圧信号VIo1(有効電流成分に相当)が出力され、出力端子P2からは、[2]、[4]の期間(Po2がHレベルの期間)を抽出し平均化した電圧信号VIo2(無効電流成分に相当)が出力される。
上記のようにして、電流検出部35において検出された電圧信号VIo0、VIo1、VIo2は、制御回路11に与えられている。制御回路11は、これら電圧信号VIo0、VIo1、VIo2に基づいて入力電流Iiの平均値Iiaを以下のとおり算出する。すなわち、入力電流Iiの平均値Iiaは、上記(1)式〜(3)式と、出力電流Ioの各期間の電流成分に相当する電圧信号VIo0、VIo1、VIo2とに基づいて、以下の(4)式〜(6)式により算出することができる。制御回路11は、電圧信号VIo0、VIo1、VIo2のうち、いずれか2つの電圧信号を用いて(4)式〜(6)式のいずれかの式により、インバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaを算出する。
Figure 2009016210
ただし、Kは、電流検出部35における種々の回路特性や回路定数などに応じて、予め設定される定数であり、電流検出部35から出力される各電圧信号と上記(4)式〜(6)式とから入力電流Iiの平均値Iiaを精度良く算出できるような値となっている。
制御回路11は、上記のとおり検出したインバータ32の出力電流Io、入力電流Iiの平均値Iiaに基づいて、被加熱調理器具17の材質を以下のように検知する。図5(a)は、被加熱調理器具の材質に応じた入力電流Iiと出力電流Ioとの関係を示す図であり、図5(b)は加熱コイルの等価回路図である。すなわち、被加熱調理器具17の材質が鉄などの磁性体の場合、加熱コイルL3で発生した磁束は被加熱調理器具17を通り易くなり、被加熱調理器具17と鎖交し易くなる。その結果、漏れ磁束が少なくなり、加熱コイルL3の等価インダクタンスL(図5(b)参照)は小さくなる。また、磁性体材料は比抵抗が大きく、表皮効果(鍋底のトッププレート側に渦電流が集中する効果)も大きいので加熱コイルL3の等価抵抗R(図5(b)参照)が大きくなる。
一方、アルミや銅のように非磁性で比抵抗が小さい材料の場合、加熱コイルL3で発生した磁束は被加熱調理器具17に通り難くなり、漏れ磁束が多くなるので加熱コイルL3の等価インダクタンスLが大きくなる。そして、比抵抗が小さく表皮効果も小さいので等価抵抗Rも小さくなる。また、土鍋などの非金属鍋の場合あるいは無負荷の場合は、誘導電流が全く流れないので等価インダクタンスLは最も大きくなり、等価抵抗Rは最も小さくなる。
そして、出力電流Ioは、加熱コイルL3の等価インピーダンスZに反比例し、入力電流Iiは、出力電流IoとR/Zに比例する。その結果、被加熱調理器具17の材質に応じて図5(a)に示すような関係となる。すなわち、
材質 出力電流Io 入力電流Ii
鉄 小(Rが大 →Zが大) 大(R/Zが大)
アルミ 大(Rが小 →Zが小) 小(R/Zが小)
非金属(土鍋) 小(ωLが大→Zが大) 小(R/Zが小)
従って、入力電流Iiの平均値Iiaおよび出力電流Ioの大小関係に基づいて、被加熱調理器具17の材質を検知(判定)することができる。
また、制御回路11には、インバータ入力電圧検出部37からインバータ32の入力電圧Viに基づく電圧Vvdoが与えられている。制御回路11は、算出した入力電流Iiの平均値Iiaと電圧Vvdoとからインバータ32の入力電力Piを算出する。そして、制御回路11は、検知した被加熱調理器具17の材質や検出したインバータ32の入力電力Piなどに基づいてインバータ32の制御を行うことにより、被加熱調理器具17の誘導加熱を制御するようになっている。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果を奏する。
カレントトランスCT3と電流検出回路41とから構成された電流検出部35は、インバータ32の出力電流Ioを検出するとともに、この出力電流Ioに基づいて、その全期間を平均化した電圧信号VIo0(全電流成分に相当)と、有効電流成分に相当する期間を抽出し平均化した電圧信号VIo1と、無効電流成分に相当する期間を抽出し平均化した電圧信号VIo2とを制御回路11に出力する。制御回路11は、これら電圧信号のうち、いずれか2つの電圧信号を用いてインバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaを算出する。これにより、従来技術とは異なり、インバータ32の入力電流Iiを直接検出するための電流検出部(カレントトランスおよび電流検出回路)を設ける必要がなくなる。従って、装置の回路構成が複雑化することなく、インバータ32の入力電流Iiおよび出力電流Ioを検出することができる。
制御回路11は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、出力電流Ioの各期間の電流成分に相当する電圧信号VIo0、VIo1、VIo2のうち、いずれか2つの電圧信号を用いて、上記した(4)式〜(6)式のいずれかの式による簡単な演算から、インバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaを算出する。従って、装置の回路構成が複雑化することなく、インバータ32の入力電流Iiを精度良く検出できる。
また、電流検出回路41および42は、インバータ32および33の各出力電流に基づいて電圧信号(VIo0、VIo1、VIo2)を制御回路11に出力し、制御回路11が、その電圧信号に基づいてインバータ32および33の各入力電流を検出する。このように構成すれば、本実施形態のように、2つのIH加熱部を有する誘導加熱調理器31において、2つのインバータ32、33の入力電流を個別に検出する必要がなくなるため、インバータ32、33に直流電源を供給する直流電源部の構成を共通使用することが可能となる。具体的には、直流電源部34を構成するダイオードブリッジDB1、コイルL1、L2、コンデンサC1、C2のうち、最も高価なダイオードブリッジDB1をインバータ32および33にて共通使用することができる。従って、装置の回路構成を簡単化するとともに、製造コストの低減を図ることができる。
上記したように直流電源部34の共通化を行ったことにより、インバータ駆動回路13、14およびインバータ主回路15、16に電源供給用の電源線40を接続してインバータ32、33の基準電位(グランド電位)を共通することが可能となる。これに伴い、制御回路11を含む他の回路にも電源供給用の電源線40を接続し、インバータ32、33と他の回路との基準電位(グランド電位)を共通にした。従って、1つの制御回路11(マイクロコンピュータ)で複数のインバータ32、33の駆動を制御する場合であっても、その制御信号の伝送経路を絶縁する必要がなくなる。つまり、フォトカプラなどの絶縁用素子が不要となるので、装置の回路構成を簡単化するとともに、製造コストの低減を図ることができる。
上記したとおり、本実施形態の構成では、インバータ32(33)の出力電流に基づいてインバータ32(33)の入力電流を算出するようにしたので、インバータ32(33)の入力電流を直接検出することがない。このように構成すれば、インバータ32(33)からの回生電流(図3における時刻t1〜t2の期間および時刻t3〜t4の期間)の一部が交流電源12側に流れ込んだ場合であっても、入力電流の検出精度に影響を及ぼすことがない。従って、インバータ32(33)の入力電流を精度良く検出できる。
制御回路11は、上記のとおり検出したインバータ32の出力電流Io、入力電流Iiの平均値Iiaに基づいて被加熱調理器具17の材質を検知する。そして、制御回路11は、この検知結果に基づいて、インバータ32の駆動を制御する。このように構成すれば、装置の回路構成が複雑化することなく、検知した被加熱調理器具17の材質に応じて最適な加熱を実行することができる。
インバータ入力電圧検出部37は、インバータ32(33)の入力電圧Viを抵抗R31、R32により分圧し、コンデンサC31により平滑化した電圧Vvdoを制御回路11に出力する。制御回路11は、この電圧Vvdoと、入力電流Iiの平均値Iiaとからインバータ32(33)の入力電力Piを算出する。そして、制御回路11は、この入力電力Piに基づいてインバータ32(33)の駆動を制御する。このように構成すれば、装置の回路構成を簡単化するとともに、インバータ32(33)の入力電力Piに基づいて、交流電源12の電源電圧変動などに対応した加熱制御を実行することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照しながら説明する。
図6は、第1の実施形態における図2相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図6に示す電流検出回路61は、図2に示す電流検出回路41に対し、位相検出回路51に替えて位相検出回路62(位相差検出部に相当)を備えている点と、出力回路52に替えて出力回路63を備えている点と、出力端子P1およびP2に替えて出力端子Pを備えている点とが異なっている。
位相検出回路62は、位相検出回路51におけるオープンドレイン出力のANDゲート53、54に替えて、プッシュ−プル出力のANDゲート64、65を有している。また、位相検出回路62は、位相検出回路51におけるダイオードD51、D52および抵抗R57、R58に替えてORゲート66を有している。ANDゲート64、65の各出力端子は、それぞれORゲート66の非反転入力端子に接続されている。このORゲート66の出力端子からは、電圧信号Vθが出力されるようになっている。
出力回路63は、出力回路52における抵抗R59、R60、R62、R63およびコンデンサC51、C52に替えて、抵抗R71およびコンデンサC71を有している。抵抗R71とコンデンサC71とは、位相検出回路62のORゲート66の出力端子と電源線40との間に直列に接続されている。抵抗R71とコンデンサC71の共通接続点は、電圧信号Vθaの出力端子Pに接続されている。すなわち、電流検出回路61は、第1の実施形態における電流検出回路41に比べて回路構成が簡素化されている。なお、本実施形態では、電流検出回路61と制御回路11とからインバータ入力電流検出部が構成される。
次に、上記構成の作用について図7も参照しながら説明する。
図7は、第1の実施形態における図3相当図であり、インバータ32の駆動時における各部の電圧波形および電流波形を示している。電流検出回路61のANDゲート64、65の各入力端子には、電流検出回路41におけるANDゲート53、54の各入力端子と同様に、電圧信号VvoおよびVioが与えられている。これにより、電圧信号VioとVvoの論理レベルが一致した場合には、ORゲート66から出力される電圧信号VθはHレベルとなり、電圧信号VioとVvoの論理レベルが一致しない場合にはLレベルとなる。すなわち、電圧信号Vθは、図7(e)に示すとおり、第1の実施形態における電圧信号Po1(図3(e)参照)と同じ波形となる。また、電圧信号Vθは、電圧信号Vvo(図7(c))と電圧信号Vio(図7(d))との位相差θを示す信号となっている。つまり、電圧信号Vθは、出力電圧Voと出力電流Ioとの位相差θを示すようになっている。
電流検出回路61の出力回路63においては、ORゲート66の出力端子における電圧信号Vθが、抵抗R71とコンデンサC71とからなるローパスフィルタにより、平滑化(平均化)されて出力端子Pから出力されるようになっている。これにより、出力端子Pからは、出力電圧Voと出力電流Ioとの位相差θを示す電圧信号Vθの全期間を平均化した電圧信号Vθaが出力される。
さて、インバータ32の入力電流Iiの全期間の絶対値の平均値Ii0と、入力電流Iiの[1]、[3]の期間(第1の実施形態参照)の絶対値の平均値Ii1と、入力電流Iiの[2]、[4]の期間(第1の実施形態参照)の絶対値の平均値Ii2とは、出力電流Ioのピーク値Iop(図7(b)参照)と、出力電圧Voおよび出力電流Ioの位相差θとに基づいて、下記(7)式〜(9)式によって算出することができる。
Figure 2009016210
制御回路11には、電流検出回路61において検出された電圧信号Vθa(図7(e))と、電流検出回路41と同様にして検出された電圧信号VIo0(図7(f))とが与えられている。制御回路11は、電圧信号Vθaから算出される位相差θと、電圧信号VIo0から算出されるピーク値Iopと、これら(7)式〜(9)式とからインバータ32の入力電流Iiの各期間における絶対値の平均値Ii0(全電流成分に相当)、Ii1(有効電流成分に相当)、Ii2(無効電流成分に相当)を算出する。そして、制御回路11は、算出したIi0、Ii1、Ii2のうち、いずれか2つを用いて、下記(10)式〜(12)式のいずれかの式により、インバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaを算出する。
Figure 2009016210
以上に説明した本実施形態のように、第1の実施形態における電流検出回路41に比べ、簡素化された回路構成の電流検出回路61を用いた場合においても、マイクロコンピュータを主体として構成された制御回路11による簡単な演算によって、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図8を参照しながら説明する。
図8は、第1の実施形態における図2相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図8に示す電流検出回路71(位相信号出力部に相当)は、図2に示す電流検出回路41に対し、位相検出回路51に替えて位相検出回路72を備えている点と、出力回路52に替えて出力回路73を備えている点と、出力端子P1およびP2に替えて出力端子P3およびP4を備えている点とが異なっている。
位相検出回路72は、位相検出回路51に対し、ANDゲート53、54、バッファゲート55、インバータゲート56、ダイオードD51、D52および抵抗R57、R58を省略した構成となっている。また、出力回路73は、出力回路52に対し、抵抗R59、R60、R62、R63およびコンデンサC51、C52を省略した構成となっている。そして、位相検出回路72のトランジスタQ51のコレクタは、電圧信号Vioを出力するための出力端子P3に接続され、抵抗R55とR56との共通接続点は、電圧信号Vvoを出力するための出力端子P4に接続されている。すなわち、電流検出回路71は、第2の実施形態における電流検出回路61よりもさらに回路構成が簡素化されている。なお、本実施形態では、電流検出回路71と制御回路11とからインバータ入力電流検出部が構成される。
上記構成により、電流検出回路71は、制御回路11に対し、インバータ32の出力電流Ioに基づく電圧信号Vio、インバータ32の出力電圧Voに基づく電圧信号Vvoおよび電流検出回路41と同様にして検出された電圧信号VIo0を出力するようになっている。制御回路11は、これら電圧信号Vio、Vvo、VIo0とから、第2の実施形態において電圧信号Vθaと電圧信号VIo0とから算出した出力電圧Voと出力電流Ioとの位相差θおよび出力電流Ioのピーク値Iopを算出する。
制御回路11は、上記のように算出した位相差θおよびピーク値Iopと、上記(7)式〜(9)式とからインバータ32の入力電流Iiの各期間における絶対値の平均値Ii0(全電流成分に相当)、Ii1(有効電流成分に相当)、Ii2(無効電流成分に相当)を算出する。そして、制御回路11は、算出したIi0、Ii1、Ii2のうち、いずれか2つを用いて、上記(10)式〜(12)式のいずれかの式により、インバータ32の入力電流Iiの平均値Iiaを算出する。
以上に説明した本実施形態のように、第2の実施形態における電流検出回路61に比べ、さらに簡素化された回路構成の電流検出回路71を用いた場合においても、マイクロコンピュータを主体として構成された制御回路11による簡単な演算によって、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
誘導加熱調理器31を製造する工程において、インバータ32(33)の入力電流を定格値(例えば15A/200V、3kW相当)に調整し、その調整値に相当する補正値を不揮発性メモリ(制御回路11のマイクロコンピュータ内蔵のものでもよいし、外付けのものでもよい)に記憶させておき、その補正値により、算出した入力電流Iiの平均値Iiaを補正するようにしてもよい。すなわち、例えば、入力電流の目標値が15Aのとき、部品のばらつきなどの原因により、制御回路11により算出された入力電流の平均値Iiaが14.5A相当であった場合には、不揮発性メモリに補正値として「15/14.5=1.034」を記憶させる。そして、その後は制御回路11による算出値に補正値を掛けて補正した値を入力電流の平均値Iiaとする。このように構成すれば、より正確な入力電流Iiの平均値Iiaを検出することが可能となる。
カレントトランスCT3(CT4)を用いて加熱コイルL3(L4)に流れる電流を検出することにより、インバータ32(33)の出力電流を検出したが、これに替えて、共振コンデンサC3、C4(C5、C6)に流れる電流を検出するように構成してもよい。
共振コンデンサC3、C4(C5、C6)に流れる電流を検出する場合には、各共振コンデンサに流れる電流を直接検出する構成にしてもよいし、各共振コンデンサと並列に小容量のコンデンサを接続し、この小容量のコンデンサに流れる電流を検出する構成にしてもよい。また、各共振コンデンサの電圧Vrを検出し、この電圧Vrに基づいて下記(13)式から各共振コンデンサに流れる電流Irを算出してもよい。
Figure 2009016210
ただし、Crは、共振コンデンサの静電容量を示す。
電流検出部35(36)は、カレントトランスCT3(CT4)に替えて、シャント抵抗やホール素子などの他の電流検出手段を用いて構成してもよい。電流検出部35は、トランジスタQ1、Q2の共通接続点の電圧Voからインバータ32の出力電圧の位相を検出したが、インバータ駆動回路13の出力(トランジスタQ1、Q2のベース)など、インバータの出力電圧と位相的に相関のある波形から検出してもよい。
インバータ32(33)の出力電流Ioと入力電流Iiとに基づく被加熱調理器具17(18)の材質検知は、必要に応じて行えばよい。また、同様に、インバータ32(33)の入力電力Piの検出についても必要に応じて行えばよい。従って、インバータ入力電圧検出部37は必要に応じて設ければよい。
インバータ32、33は、ハーフブリッジ形に限らず、フルブリッジ形など、他の構成を用いてもよい。
上記各実施形態においては、本発明を2つのIH加熱部(2つのインバータ)を有する誘導加熱調理器31に適用した例を示したが、本発明は、1つのIH加熱部(1つのインバータ)を有する誘導加熱調理器や、3つ以上のIH加熱部(3つ以上のインバータ)を有する誘導加熱調理器にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す誘導加熱調理器の電気的構成図 電流検出回路の詳細構成を示す図 インバータ駆動時における各部の電圧波形および電流波形を示す図 高周波電流の流れる経路を示す図 (a)は被加熱調理器具の材質に応じたインバータの入力電流と出力電流との関係を示す図、(b)は加熱コイルの等価回路図 本発明の第2の実施形態を示す図2相当図 図3相当図 本発明の第3の実施形態を示す図2相当図 従来技術を示す図1相当図
符号の説明
図面中、11は制御回路(インバータ制御部、マイクロコンピュータ、インバータ入力電流検出部)、12は交流電源、17、18は被加熱調理器具、31は誘導加熱調理器、32、33はインバータ、34は直流電源部、35、36は電流検出部(高周波電流検出部)、37はインバータ入力電圧検出部、41、42、61は電流検出回路(インバータ入力電流検出部)、51、62は位相検出回路(位相差検出部)、52は出力回路(電流成分検出部)、71は電流検出回路(位相信号出力部)、L3、L4は加熱コイルを示す。

Claims (6)

  1. 調理器本体と、交流電源より供給される交流電力を整流して直流化する直流電源部と、前記直流電源部を電源として高周波電流を生成するインバータと、前記高周波電流が供給されることにより被加熱調理器具を誘導加熱する加熱コイルと、前記インバータを制御することにより前記被加熱調理器具に対する加熱を制御するインバータ制御部とを備えた誘導加熱調理器において、
    前記高周波電流を検出する高周波電流検出部と、
    前記高周波電流検出部の検出値に基づいて、前記高周波電流の全電流成分、有効電流成分および無効電流成分のうち少なくとも2つの電流成分を検出し、それら電流成分に基づいて前記インバータへの入力電流を検出するインバータ入力電流検出部とを備えていることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. インバータ入力電流検出部は、インバータの出力電圧と高周波電流との位相差を検出する位相差検出部と、高周波電流検出部の検出値と前記位相差とから前記高周波電流の有効電流成分および無効電流成分のうちの一方もしくは双方を検出する電流成分検出部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. インバータ入力電流検出部は、インバータの出力電圧と高周波電流との位相差を検出する位相差検出部を備え、高周波電流検出部の検出値と前記位相差とから前記高周波電流の全電流成分、有効電流成分および無効電流成分のうち少なくとも2つの電流成分を検出することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. インバータ入力電流検出部は、インバータの出力電圧および高周波電流のそれぞれの位相を示す位相信号を出力する位相信号出力部と、前記位相信号および高周波電流検出部の検出値が入力されるマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、前記検出値と前記位相信号とから前記高周波電流の全電流成分、有効電流成分および無効電流成分のうち少なくとも2つの電流成分を検出することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  5. インバータ制御部は、高周波電流検出部により検出される高周波電流と、インバータ入力電流検出部により検出されるインバータへの入力電流とに基づいて、前記インバータを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  6. インバータへの入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出部を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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