JP3281732B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP3281732B2 JP26269794A JP26269794A JP3281732B2 JP 3281732 B2 JP3281732 B2 JP 3281732B2 JP 26269794 A JP26269794 A JP 26269794A JP 26269794 A JP26269794 A JP 26269794A JP 3281732 B2 JP3281732 B2 JP 3281732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導作用により磁
性体にて形成した炊飯鍋を発熱させる誘導加熱装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭では、通常の電気ヒ−タの加熱
によりアルミニウムのみで形成した鍋を加熱する電気炊
飯器や、金物店等で発売されておりガスコンロ等の火に
かけて加熱するステンレス(SUS304)やアルミニ
ウムで形成した調理用の深鍋等の形状が似通った多くの
鍋が使用されている。
【0003】一方、最近では、よりおいしい御飯を求め
て電磁誘導加熱炊飯器が提案され商品化されたが、この
炊飯器に使用される炊飯鍋は、アルミニウムと磁性体と
なるステンレスの所謂クラッド鋼が用いられている。こ
の誘導加熱装置に最も適しているステンレスの材質とし
てはSUS430が知られている。
【0004】ところが、誘導加熱炊飯器に使用される鍋
は、磁路を構成する前記SUS430で代表されるステ
ンレス等の磁性体であって、その大きさや厚みはインバ
−タの出力等に応じて規定の材料や寸法で設計されてお
り(以下規定鍋という)、アルミニウムで形成した調理
用の深鍋は仮に大きさや厚みがほぼ同一であっても磁性
体でないために材料が異なり発熱がなく炊飯ができな
い。
【0005】また、ステンレス製の鍋であっても規定の
大きさや厚さでなければ十分な発熱量が得られない。
【0006】しかし、前述のように多くの種類の鍋を有
した家庭では、誘導加熱炊飯器の使用者が誤って誘導加
熱炊飯器の規定鍋以外の鍋を使用してしまう機会も多く
なっており、その結果、電気回路内に大電流が流れてス
イッチング素子や、電源回路の破損等の問題が発生して
いる。
【0007】このような問題発生を未然に防止するため
に、例えば特開平2−95315号公報(先行技術)で
は、規定鍋以外の不適正な鍋(以下異鍋という)で加熱
されたときにはインバータ回路の動作を停止して使用者
の誤使用の防止を図っている。
【0008】この先行技術は、アルミニウムで形成した
異鍋で加熱されると、規定鍋で加熱されたときに比べて
インバータ回路への入力電流が少なく、この入力電流を
検出した入力検出回路はその信号を小物検知回路に出力
する。また、インバータ回路内のパワースイッチング半
導体の端子間電圧がかなり大きくなるのを検出した電圧
検出回路もその信号を小物検知回路に出力して、該小物
検知回路はそれぞれの信号を比較して入力検出回路の信
号出力が電圧検出回路の信号出力より小さいことを判定
し異鍋であると判断する。
【0009】この結果、小物検知回路はインバータ回路
が加熱コイルへの高周波電流の供給を停止して炊飯動作
を止めるようになされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが前述の先行技
術は、パワースイッチング半導体の端子間電圧とインバ
ータ回路への入力電流の変化によって規定鍋か異鍋であ
るかを検出しているが、この2つのパラメ−タをマイコ
ンで取り扱えるデータ量に変換する際、それぞれの入力
手段の動作は、検出した値を電圧変換手段で変換してお
り、その後、A/D変換を行ってデジタル量になると
き、部品定数のバラツキや変換手段に供給される電源電
圧の変動によって変換誤差が生じるなどの問題があり、
回路の調整が必要となるなどの欠点があった。
【0011】また、前述のインバータ回路への電流の検
出は、前記加熱コイルに直列接続した電流変成器(カレ
ントトランス)により行っているので回路基板が大型化
し重量も増加してその扱いや組立てが面倒であった。こ
の電流変成器は巻線部品であるため、その特性上、電流
電圧の変換誤差が大きく前述のように回路の調整が必要
となった。
【0012】そこで本発明は、その誘導加熱装置の規定
の負荷(規定鍋)以外の負荷が使用された場合には不適
正の負荷(異鍋)であることを確実に判定し各部品の過
熱による危険を防止し、且つ、回路調整が必要な電流変
成器を不要として回路の簡素化を図ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、商用電源を直
流電圧に変換する直流電源回路と、その直流電源に直列
に接続された誘導加熱コイルと半導体スイッチング素子
とを有し該半導体スイッチング素子をオン,オフさせて
高周波電流を前記誘導加熱コイルに流すインバータ回路
と、該インバータ回路の制御回路からなる誘導加熱装置
において、前記制御回路は、前記半導体スイッチング素
子に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、前記半
導体スイッチング素子のスイッチング周波数を検出する
周波数検出手段と、前記周波数検出手段より検出された
周波数に応じた基準値と前記電圧検出手段より検出され
た値とを比較して規定の負荷であるか否かを検出する負
荷判定手段を有したものである。
【0014】また、前記負荷判定手段は、前記周波数検
出手段より検出された周波数に応じた基準値と、電圧検
出手段より検出された値とに基づき規定の負荷であるか
否かを判定し、この判定結果に基づき前記インバータ回
路のスイッチング素子のオン・オフ時間を制御するもの
である。
【0015】さらに、前記制御回路は、あらかじめプロ
グラムされた内容を基準周波数発生器に基づいて作動す
るマイクロコンピュータで構成し、前記周波数検出手段
は、前記基準周波数発生器の基準周波数を用いて前記半
導体スイッチング素子のスイッチング周波数を検出する
ものである。
【0016】
【作用】本発明は、半導体スイッチング素子をオン,オ
フさせて高周波電流を誘導加熱コイルに流すインバータ
回路を制御する制御回路は、前記半導体スイッチング素
子に印加される電圧を検出する電圧検出手段と前記半導
体スイッチング素子のスイッチング周波数を検出する周
波数検出手段と前記周波数検出手段より検出された周波
数に応じた基準値と前記電圧検出手段より検出された値
とを比較して規定の負荷であるか否かを検出する負荷判
定手段を有し、部品定数のバラツキに影響のない半導体
スイッチング素子のスイッチング周波数を検出して不適
正な負荷を検出することからその判定が確実となる。
【0017】また、前記負荷判定手段は、前記周波数検
出手段より検出された周波数に応じた基準値と電圧検出
手段より検出された値とに基づき規定の負荷であるか否
かを判定してその判定結果に基づき前記インバータ回路
のスイッチング素子のオン・オフ時間を制御することに
より、不適正な負荷の制御を停止したり、使用者に誤使
用を報知する。
【0018】さらに、前記周波数検出手段は、マイクロ
コンピュータを作動する基準周波数発生器の基準周波数
を用いて前記半導体スイッチング素子のスイッチング周
波数を検出することにより、また、周波数検出手段の動
作はパルスの同期が伝わればよく部品定数に影響され
ず、その検出精度が向上する。
【0019】
【実施例】本発明による誘導加熱装置を図面に基づいて
説明する。図1は本発明の一実施例である電気炊飯器の
回路図、図2は同じく略構造断面図、図3は同じく半導
体スイッチング素子の両端電圧目標上限値と半導体スイ
ッチング素子のスイッチング周波数のグラフ、図4は制
御フローチャート、図5は不適正の負荷(異鍋=SUS
304、アルミニウム)を検出する制御フローチャー
ト、図6は電圧が一定の場合の電源の入力電流と半導体
スイッチング素子のスイッチング周波数の関係図、図7
は規定の負荷(規定鍋=SUS430)と不適正の負荷
(異鍋=SUS304、アルミニウム)のそれぞれの負
荷を使用した場合の半導体スイッチング素子の両端電圧
とスイッチング周波数の関係図である。
【0020】(1)は電気炊飯器本体で、鍋本体(2)
と蓋本体(3)とから構成している。
【0021】(4)は前記鍋本体内に設けた本電気炊飯
器本体の能力等に適合させて成形した例えば材料として
SUS430とアルミニウムを用いた負荷となる規定鍋
で、詳図していないが内側をアルミニウム材とし外側を
SUS430としたクラッド鋼により成形している。前
記規定鍋(4)は炊飯器本体(1)に装着した場合に電
磁的結合が一定になるように構成している。
【0022】(5)は前記規定鍋(4)を収納する金属
性の収納ケース、(6)は前記収納ケース(5)の下部
に結合した底ケース、(7)は前記底ケース(6)の下
面に密着固定したリング状の2組の誘導加熱コイル、
(8)は前記誘導加熱コイル(7)の下方に設けた支持
板、(9)は前記支持板(8)の中央部に設けられ常時
規定鍋(4)の外底面に密着するように構成したサーミ
スタ、(10)は前記収納ケース(5)の外周囲に巻装
した保温ヒータの一部を構成する側面ヒータ、(11)
は前記鍋本体(2)の上部壁面に設けた操作表示部、
(12)は前記支持板(8)の下方に設けた後述する種
々の電気部品を取り付けた制御基板である。
【0023】(13)は前記蓋本体(3)内に設けられ
前記規定鍋(4)内と外気とを連通する蒸気抜部で、規
定鍋(4)内が所定圧以上になると上昇して蒸気通路
(14)を開放する弁体(15)を設けている。(1
6)は前記蓋本体(3)内に設けた保温ヒータの一部を
構成する蓋ヒータ、(17)は前記蓋本体(3)の下面
に取り付けられ前記規定鍋(4)の上部周縁と密着して
密閉するパッキング(18)を備えた中蓋である。
【0024】(19)は低周波の商用交流電源、(2
0)は電流ヒューズ、(21)は前記交流電源(19)
を全波整流するブリッジダイオード、(22)(23)
はノイズフィルタを構成するコンデンサとコイル、(2
4)は前記ブリッジダイオードによって変換された直流
電圧を平滑にするコイル(25)とコンデンサ(26)
(26)よりなる平滑回路である。
【0025】前記電流ヒューズ(20)、コンデンサ
(22)とコイル(23)、ブリッジダイオード(2
1)と平滑回路(24)は、直流電源回路(27)を構
成する。
【0026】(28)は前記加熱コイル(7)の両端に
接続した共振コンデンサ、(29)は加熱コイル(7)
に直列接続したターンオフ制御可能なトランジスタより
なる半導体スイッチング素子(以下トランジスタとい
う)、(30)は前記トランジスタ(29)にその導通
方向と逆方向に並列接続したダイオード、(31)は後
述する発振回路(34)のパルスによって前記トランジ
スタ(29)を駆動制御(オン・オフ)するトランジス
タ駆動回路である。
【0027】前記共振コンデンサ(28)、トランジス
タ(29)、ダイオード(30)、トランジスタ駆動回
路(31)は、高周波電流を前記加熱コイル(7)に流
すインバータ回路(32)を構成する。
【0028】(33)は前記トランジスタ(29)の両
端電圧(Vce)が0Vになる点で該トランジスタのオ
ンパルスを発生させる発振同期回路である。
【0029】(34)は前記トランジスタ(29)のオ
ンパルス幅を制御する後述のオンパルス制御回路(4
8)の出力によって前記トランジスタ(29)のオン時
間を制御する発振回路であり、入力端子は前記発振同期
回路(33)とオンパルス制御回路(48)に接続し、
出力端子は前記トランジスタ駆動回路(31)に接続し
ている。
【0030】(35)は前記トランジスタ(29)のコ
レクタに接続してその両端電圧(Vce)を検出する電
圧検出手段、(36)は前記発振回路(34)の出力側
に接続してトランジスタ(29)のスイッチング周波数
を検出する周波数検出手段である。
【0031】(37)は吸水−炊飯−保温工程等の一連
の炊飯工程をあらかじめプログラムされた内容に基づい
て実行するマイクロコンピュータからなる制御回路(以
下マイコンとする)で、以下に示す手段により構成され
ている。
【0032】(38)は前述のプログラム内容を保存し
前記サーミスタ(9)等の温度情報に基づいて演算処理
を行う制御手段、(39)は前記マイコン(37)をあ
らかじめプログラムされた内容に基づいて正確、且つ計
時的に作動させる基準周波数発生器、(40)は前記基
準周波数発生器(39)による基準周波数に基づいて前
記周波数検出手段(36)の出力パルスをカウントする
パルスカウンタで、周波数検出手段(36)の出力パル
ス数が所定数の範囲内であるか否かによって出力レベル
を変えるものである。(41)はしきい値変換回路で、
前記パルスカウンタ(40)によりカウントした周波数
検出手段(36)の出力に基づき前記トランジスタ(2
9)の両端電圧(Vce)がそれ以下であれば規定鍋、
それ以上であれば異鍋であることを判定するためのしき
い値を決定する。(42)はトランジスタ(29)のス
イッチング周波数補正回路で、後述する図3及び図7の
周波数補正直線のレベルを決定するもので、ステンレス
(SUS430)の規定鍋とその特性が最も近いステン
レス(SUS304)の異鍋との判定を行うと共に、こ
の直線に対し、吸水工程、炊飯工程、保温工程等の電力
を設定する前記トランジスタ(29)の両端電圧(Vc
e)は図3の破線のようになる。
【0033】(43)は前記電圧検出手段(35)によ
り検出された値と前記周波数検出手段(36)により検
出されたスイッチング周波数に応じた基準値を比較する
負荷判定手段で、アルミニウムの不適正の負荷(異鍋)
の異鍋の場合は第一負荷判定手段(44)で判定し、ス
テンレス(SUS304)の不適正の負荷(異鍋)の場
合は第二負荷判定手段(45)で判定する。
【0034】この場合の各判定は、特にステンレス(S
US304)の異鍋の時には電圧検出手段(35)の電
圧に応じたレベル値と第二負荷判定手段(45)の入力
側の周波数補正回路(42)の補正直線によるレベルと
を比較し各工程の目標電力を設定する電力設定回路(4
9)の目標値を比較する。
【0035】特にアルミニウムの異鍋の時には同じく電
圧検出手段(35)のレベル値と第一負荷判定手段(4
4)の入力側のしきい値変換回路(41)で設定される
基準値の基準値とを比較する。
【0036】前記各回路と手段は前記インバータ回路
(32)の制御回路(46)を構成する。
【0037】ここで、前述の周波数補正回路(42)の
補正値について詳述する。図3のトランジスタの両端電
圧目標上限値とトランジスタのスイッチング周波数の制
限関数グラフを説明する。このグラフは、規定鍋の場合
の領域(A)の範囲内でスイッチング周波数が所定の範
囲であれば破線で示す吸水−炊飯−保温工程の各電力に
相当するトランジスタ(29)の両端電圧(Vce)の
目標値は、トランジスタ(29)の両端電圧(Vce)
に制限をかけず誘導加熱コイル(7)を定格の範囲内で
トランジスタ(29)を損失なく動作させることができ
る値である。(点Sは規定鍋の一位置を示す) ステンレス(SUS304)の異鍋の場合は、スイッチ
ング周波数が所定の範囲を超えて高くなり実線のように
トランジスタ(29)の両端電圧の制限にかけてトラン
ジスタ(29)の電力損失を抑え込む。本発明では、炊
飯(電力1200W)以外の吸水(電力750W)、保
温(電力300W)の各電力は補正がかからないことに
なる。
【0038】また、アルミニウムの異鍋の場合は、スイ
ッチング周波数が所定の範囲を大きく超えて高くなるこ
とから実線のようにトランジスタ(29)の両端電圧に
一定の制限をかけて同様に電力損失を抑え込む。但し、
後述の異鍋検出にかからなくなってしまうため、抑え込
みを一定周波数以上は一定にしている。
【0039】すなわち、この図3では規定鍋(SUS4
30)ではスイッチング周波数が低くて所定の範囲内と
なることからトランジスタ(29)の両端電圧を高くし
て誘導加熱コイル(7)をフルに制御し、異鍋(SUS
304)ではスイッチング周波数が高くて所定の範囲外
となることからトランジスタ(29)の両端電圧に制限
をかけて該トランジスタのオン・オフ時間を制御し誘導
加熱コイル(7)の電力量を減少させる。
【0040】図6は規定鍋(SUS430)と異鍋(S
US304、アルミニウム)を使用した場合のインバー
タ回路(32)のトランジスタ(29)の両端電圧を一
定に制御した場合の回路電流とトランジスタ(29)の
スイッチング周波数の関係を示しており、この図からは
規定鍋の場合には回路電流が小さくスイッチング周波数
も低いことがわかる。異鍋(SUS304)の場合には
回路電流がかなり大きくスイッチング周波数も若干高い
ことからトランジスタ(29)の電力損失が大きいこと
がわかる。異鍋(アルミニウム)の場合には回路電流は
小さいがスイッチング周波数がかなり高く、やはりトラ
ンジスタ(29)の損失が大きいことがわかる。
【0041】すなわち、異鍋を使用した場合は、回路電
流とスイッチング周波数の両方或は一方が所定の範囲を
超えるためにインバータ回路(32)の動作に損失を招
くことになる。
【0042】図7は規定鍋と異鍋を判定する周波数補正
直線と判定直線とを作図したもので、斜線の領域(P)
は規定鍋(SUS430)、領域(Q)は異鍋(SUS
304)、領域(R)は異鍋(アルミニウム)を示して
おり、しきい値変換回路(41)で設定される判定直線
は(Y)であり、周波数補正回路(42)で設定される
周波数補正直線は(X)である。
【0043】周波数補正直線(X)は、特にステンレス
鍋(SUS304)を使用した場合におけるトランジス
タ(29)の両端電圧とスイッチング周波数を考慮して
設定され、同様に判定直線(Y)は、特にアルミニウム
を使用した場合における両端電圧とスイッチング周波数
を考慮して設定されている。
【0044】前述の図7でそれぞれの鍋の特性を表わす
図が弓形の曲線領域を作図しているのは、前述のように
一連の炊飯工程は基本的に吸水−炊飯−保温の各工程を
経て終了するものであり、マイコン(37)のプログラ
ムによって炊飯工程の場合には誘導加熱コイル(7)へ
の電力量を増加することからトランジスタ(29)の両
端電圧が高くスイッチング周波数が低くなり、保温工程
では大きな発熱量を必要としないことからトランジスタ
の両端電圧が低くスイッチング周波数が高くなるためで
ある。
【0045】従って、図7よりトランジスタ(29)の
両端電圧とスイッチング周波数が判定直線(Y)の左側
であれば、使用されている鍋がステンレス(SUS43
0)の規定鍋であり、右側であれば使用されている鍋が
アルミニウムの異鍋であり、また、周波数補正直線
(X)の左の変曲点より左であれば、使用されている鍋
がステンレス(SUS304)の異鍋であるものと判定
できることになる。
【0046】また図7でそれぞれの鍋の特性を表わす図
が左右に幅をもった斜線の領域で表わしているのは、そ
れぞれの鍋の使用時における各工程での交流電圧の変動
や鍋自身の若干の寸法バラツキ等によって生ずるもので
ある。図7ではステンレス(SUS304)とアルミニ
ウムの異鍋の場合はバラツキの発生で重なりあってお
り、ステンレス(SUS304)の異鍋とステンレス
(SUS430)の規定鍋の場合はバラツキによる重な
り部分がないものの、実線にはそれぞれのバラツキが大
きくなった場合には重なり傾向となる。
【0047】(47)は前記負荷判定手段(43)の判
定結果の出力に基づいて出力する駆動手段、(48)は
前記駆動手段(47)の出力に基づいて前記発振回路
(34)の発振周波数を調整して前記トランジスタ(2
9)のオンパルス幅を制御するオンパルス制御回路であ
る。
【0048】次に動作について述べる。始めに図3に示
したトランジスタの目標上限値の設定動作について説明
する。
【0049】交流電圧を直流電源回路(27)によって
直流に変換し整流する。基準周波数発生器(39)が基
準周波数を発振しマイコン(37)をあらかじめプログ
ラムされた内容に基づき動作させる。一連の炊飯動作を
開始するためにスタートスイッチ(図示せず)を操作す
ると、制御手段(38)は時間経過やサ−ミスタ(9)
の検出温度に基づき炊飯工程を実行し、吸水、炊飯、保
温工程に応じた電力設定値に相当するトランジスタ(2
9)の両端電圧設定値を電力設定回路(49)に設定す
る。
【0050】また、発振同期回路(33)はトランジス
タ(29)の両端電圧(Vce)が0Vになる点で該ト
ランジスタのオンパルスを発生し、発振回路(34)に
入力し、該発振回路はトランジスタ駆動回路(31)を
駆動してトランジスタ(29)をオンにし共振コンデン
サ(28)との共振により誘導加熱コイル(7)に電力
を供給して交番磁束を発生させ鍋を発熱させる。
【0051】炊飯工程の進行に伴ない鍋の温度が上昇す
ると、この温度を検出したサーミスタ(9)は、詳図し
ていないがその抵抗値の変化をマイコン(37)に入力
して制御手段(38)等によりオンパルス制御回路(4
8)に与える信号を変え、その信号を電圧の大小に変換
して発振回路(34)に入力する。この信号を受けた発
振回路(34)は吸水、炊飯、保温工程に応じたトラン
ジスタ(29)のパルスオン時間を変えて誘導加熱コイ
ル(7)の電力量を制御し鍋の発熱量を変化させる。
【0052】前述の動作説明は、基本動作として説明し
たものであるが、実際には周波数検出手段(36)の出
力に基づいて図3及び図7で示したトランジスタ(2
9)の両端電圧(Vce)の周波数補正直線(X)によ
る目標上限値を求める。(図4のフローチャート参照) すなわち、規定鍋(SUS430)を鍋本体(2)に収
納して使用した場合は、発振回路(34)から出力され
るスイッチング周波数を周波数検出手段(36)によっ
て検出し、パルスカウンタ(40)によって単位時間当
りのパルス数、すなわち周波数値に変換しその出力によ
り図3の周波数補正直線(X)から端子電圧の上限値
(Vlim)求め(S2)、この上限値が一連の炊飯の
各工程時における設定目標値よりも大きいか否かを判定
する(S3)。例えば、炊飯工程においては、大きな電
力量を必要とすることから、前述のように周波数補正直
線(X)の基準レベルは周波数補正回路(42)によっ
て図3の実線位置と同一線上にあり、今、検出したスイ
ッチング周波数に基づく図3の補正直線の基準レベルか
ら求められた炊飯工程時のトランジスタ(29)の両端
電圧(Vce)が設定目標値よりも小さい場合には、目
標値に達するまでの制御目標値を制御手段(38)によ
り演算処理し、電圧検出手段(35)によりトランジス
タの両端電圧を検出し、その電圧を炊飯工程の設定目標
値と等しくなるようにスイッチング周波数を制御する
(S4)(S5)。
【0053】ここで、規定鍋の特性に最も近いステンレ
ス鍋(SUS304)が使用されていた場合には前述の
ステップ(S3)の判定のようにスイッチング周波数に
基づく図3の補正直線の基準レベルから求められる両端
電圧(Vce)が設定目標値よりも小さく、設定目標値
を制御目標値と等しくなるように第二負荷判定手段(4
5)の出力により制御する(S3)(S6)。
【0054】保温工程の場合は周波数補正直線(X)の
基準レベルよりもその両端電圧設定が完全に下回るた
め、その設定目標値とその工程進行中におけるトランジ
スタの両端電圧を求めて制御目標値と等しくなるように
制御する。
【0055】つづいて、異鍋の検出動作について説明す
る。(図5のフローチャート参照) 例えばアルミニウムの鍋を鍋本体内に収納しスタートス
イッチを操作し、その操作に伴ないオンパルス制御回路
(48)からオンパルスが出力されると共に発振同期回
路(33)及び発振回路(34)の出力によりトランジ
スタ駆動回路(31)を作動してトランジスタ(29)
をオンとし誘導加熱コイル(7)に電力を供給する。
【0056】周波数検出手段(36)はこの時のスイッ
チング周波数を検出し(S10)、しきい値変換回路(4
1)により図7に示す判定直線(Y)から得られるしき
い値の電圧(Vref)を求める(S11)。また、電圧
検出手段(35)はこの時のトランジスタ(29)の両
端電圧(Vce)のピーク電圧を検出する(S12)。
【0057】前述の判定直線(Y)から得られるしきい
値の電圧(Vref)と両端電圧(Vce)を第一負荷
判定手段(44)により比較して(S13)、もし、両端
電圧(Vce)がしきい値の電圧(Vref)よりも高
い場合には異鍋が収納されているものと判定し前記第一
負荷判定手段(44)の出力によって駆動手段(47)
の出力を変えオンパルス制御回路(48)を制御し発振
回路(34)の出力パルスを抑えてトランジスタ(2
9)のオン・オフ時間を制御し制御を停止する
(S14)。また、この時、図示していないが異鍋報知ブ
ザーを鳴らして使用者に知らしめる(S15)。
【0058】両端電圧(Vce)がしきい値の電圧(V
ref)よりも低い場合は、規定鍋であるものと判定し
次の処理を実行する。
【0059】
【発明の効果】以上の様に本発明は、半導体スイッチン
グ素子のスイッチング周波数と半導体スイッチング素子
の両端電圧を比較して不適正な負荷であるか否かを検出
するため、重量があり外径寸法の大きいカレントトラン
スを不要とし回路の簡素化を図ると共に精度の高い負荷
判定を行うことができる。特に規定の負荷とその特性が
近い不適正な負荷であっても回路電流を増加させない制
御を行うことができる。
【0060】この結果、誤って不適正な負荷を使用した
場合であっても誘導加熱装置内のスイッチング素子や、
電源回路が発熱し該素子や回路が破損するといった問題
がない。
【0061】また、負荷の判定結果に基づきスイッチン
グ素子のオン・オフ時間を制御して負荷の制御を停止し
たり、使用者に誤使用を報知するため回路の保護を図る
と共に注意を喚起することができる。
【0062】さらに、スイッチング周波数の検出は、マ
イクロコンピュータの基準周波数を用いて行うことか
ら、より検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱装置の一実施例である電気炊
飯器の回路図である。
【図2】同じく略構造断面図である。
【図3】同じく半導体スイッチング素子の両端電圧目標
上限値とスイッチング素子の開閉周波数(スイッチング
周波数)の関数グラフである。
【図4】同じく制御フローチャートである。
【図5】不適正の負荷(異鍋SUS304、アルミニウ
ム)を検出する制御フローチャート図である。
【図6】同じく電圧が一定の場合の電源の入力電流と半
導体スイッチング素子の開閉周波数(スイッチング周波
数)の関係図である。
【図7】同じく規定の負荷(規定鍋SUS430)と不
適正の負荷のそれぞれの負荷を使用した場合の半導体ス
イッチング素子の両端電圧とスイッチング周波数の関係
図である。
【符号の説明】
4 規定鍋 7 誘導加熱コイル 29 半導体スイッチング素子 32 インバータ回路 35 電圧検出手段 36 周波数検出手段 37 マイコン 39 基準周波数発生器 41 しきい値変換回路 42 周波数補正回路 43 負荷判定手段 44 第一負荷判定手段 45 第二負荷判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 伸夫 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (72)発明者 斎藤 祐二 鳥取県鳥取市南吉方3丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−95315(JP,A) 特開 平6−132075(JP,A) 特開 昭59−114786(JP,A) 特開 平4−370692(JP,A) 実公 昭63−4400(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 H05B 6/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源を直流電圧に変換する直流電源
    回路と、その直流電源に直列に接続された誘導加熱コイ
    ルと、半導体スイッチング素子とを有し、該半導体スイ
    ッチング素子をオン,オフさせて高周波電流を前記誘導
    加熱コイルに流すインバータ回路と、該インバータ回路
    の制御回路からなる誘導加熱装置において、前記制御回
    路は、前記半導体スイッチング素子に印加される電圧を
    検出する電圧検出手段と、前記半導体スイッチング素子
    のスイッチング周波数を検出する周波数検出手段と、前
    記周波数検出手段より検出された周波数に応じた基準値
    と前記電圧検出手段より検出された値とを比較して規定
    の負荷であるか否かを検出する負荷判定手段を有したこ
    とを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】前記負荷判定手段は、前記周波数検出手段
    より検出された周波数に応じた基準値と、電圧検出手段
    より検出された値とに基づき規定の負荷であるか否かを
    判定し、この判定結果に基づき前記インバータ回路のス
    イッチング素子のオン・オフ時間を制御することを特徴
    とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】前記制御回路は、あらかじめプログラムさ
    れた内容を基準周波数発生器に基づいて作動するマイク
    ロコンピュータで構成し、前記周波数検出手段は、前記
    基準周波数発生器の基準周波数を用いて前記半導体スイ
    ッチング素子のスイッチング周波数を検出することを特
    徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
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