JP3314124B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器

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JP3314124B2
JP3314124B2 JP7784695A JP7784695A JP3314124B2 JP 3314124 B2 JP3314124 B2 JP 3314124B2 JP 7784695 A JP7784695 A JP 7784695A JP 7784695 A JP7784695 A JP 7784695A JP 3314124 B2 JP3314124 B2 JP 3314124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱コイルからの高周
波磁界により生じる渦電流によって鉄鍋等の被加熱物を
加熱し、調理を行なう誘導加熱調理器の適正鍋判別機能
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱調理器は商用低周波交流をイン
バータにより20〜50KHzの高周波に転換して加熱
コイルに供給し、加熱コイルの上のたとえばガラス製の
トッププレートに載せられた鉄または一部のステンレス
等の誘導熱を発生しやすい鍋を高周波誘導で加熱するも
のである。
【0003】誘導加熱調理器のトッププレート上にスプ
ーン等の小物を置いて誤って加熱すると、火傷を起こす
危険があるため、一般に小さな金属物は加熱しないよう
適正鍋判別機能が付いている。
【0004】従来の誘導加熱調理器における適正鍋判別
機能は、たとえば特公昭60−4559号に示すよう
に、入力電流が無負荷時の所定の値より小さいときに発
振を停止させていた。この方式では、加熱モードの強弱
によりインバータの駆動パルスの幅が変動し、その幅の
最大と最小において入力電流が変化するため、大物の鍋
を最大出力で加熱しながら横にスプーン等を置き、その
鍋のみ横にずらしながらスプーン等をプレートの中央部
に置いた場合、スプーンが誤って加熱されるおそれがあ
った。
【0005】そのため、特開昭62−216191号に
示すように、高周波交流と低周波交流の値を検出演算
し、適正鍋判別を行なう方式がある。この方式では、演
算値が所定の基準値より小さい場合は、発振を中止させ
るようになっているが、この場合でも、大物鍋を一旦加
熱してから、鍋を横にずらしていけば、鍋の端部がトッ
ププレートの中心部にきても、また小物判別レベルに達
しないため加熱を持続し、さらにずらしていけばやっと
小物判別レベルに達し、加熱を停止することになるた
め、トッププレート中央部の裏面の鍋温度を検知する温
度センサに鍋温度が伝わらず、油等が鍋に入っている場
合には油が発火する危険性があった。
【0006】いずれの場合も、同一駆動パルス幅でも電
源電圧が変動すれば入力電流が変化するため、判別機能
の小物判別レベルが変化するという欠点があった。
【0007】そのため、特公昭62−7678号に示す
ように、第1の電圧検知回路と第2の電圧検知回路を差
動増幅回路に入力し、その出力値と電源電流とを比較し
小物検知レベルが変動する方式も提案されている。しか
しこの方式では回路が複雑化するという欠点があった。
【0008】前述の従来の小物判別方法を、インバータ
の入力電流とそれがONされるときの駆動パルス幅との
関係について考察する。図9,10および11は、誘導
加熱調理器の使用状態の要部側面図であって、それぞれ
トッププレート24の上に直径10cmの鉄鍋25を置
いた場合、これより大きい大物鍋26を置いた場合、大
物鍋26をトッププレート24の中心より外方にずらし
た場合である。トッププレート22の下方には加熱コイ
ル4およびその裏面中央部に温度センサ11等が設けら
れている。
【0009】図7は、特公昭60−4559号,特開昭
62−216191号に示されているような、無負荷時
または所定の基準値を判別の基準にした場合のグラフで
あり、横軸はパルス幅、縦軸はインバータ回路の入力電
流である。破線Aは小物判別レベルであり、パルス幅に
かかわらず一定とされる。以下、入力電圧はすべて10
0Vとする。○印の曲線は直径10cmの鉄鍋の各パル
ス幅に対する特性を示し、△印の曲線は直径10cmよ
り大きいたとえば直径20cmの鍋(以下大物鍋とい
う)の各パルス幅に対する特性を示し、両者とも鍋を図
9および図10のようにトッププレートの中心に置いた
場合である。×印の曲線は大物鍋を図11のように鍋の
端部がトッププレートの中心付近になるようにずらした
場合の特性を示している。
【0010】図7の場合の判別方法では、小物判別レベ
ルAのみで判別するため、5μs程度の小さなパルス幅
で駆動しているときは、大物鍋加熱時の入力電流が小物
判別レベルAに近いため、鍋をずらしていけば、だんだ
ん小物判別レベルAに近づいていき、さらに鍋をずらせ
ば、最終的には小物判別レベルAを下回るため、加熱を
停止する。しかし、このときでも図11のごとく、温度
センサ11の上部を鍋が外れた状態において、大物鍋2
6が加熱コイル4の磁界内にあり、入力電流が小物判別
レベルAより大きいときは加熱を続けている。
【0011】また、30μs程度の大きなパルス幅で駆
動しているときは、小物判別レベルAとの差がかなりか
け離れており、鍋は先程の5μsの時以上に鍋をずらさ
ないと加熱を停止しないため、最も危険な状態となる。
というのは、大きなパルス幅で駆動しているときは鍋の
加熱電力が大きいため、鍋に油が入っていれば油の発火
点まで油温が上がってしまうからである。
【0012】一般的に、小物判別レベルAは、缶詰等を
検知できるレベル等に設定され、たとえば、直径10c
mの鉄鍋を基準としている。
【0013】また、一般的に適正鍋かどうかを判別する
ための判別駆動パルスは、たとえば最も小さい5μs程
度に設定される。
【0014】次に図8について説明を行なう。基本的に
は図7と同じであるが、図8の場合は前述の特公昭62
−7678号に示されているように、各駆動パルス幅の
値に対して適正鍋判別レベルを変えていることが異なっ
ている。
【0015】図8において、○印の曲線,△印の曲線,
×印の曲線は図7の場合と同様である。この場合は○印
の曲線が小物判別レベルの基準になっている。そして◎
印の曲線は、鍋の位置が×印の曲線の場合の位置と同様
にずれた位置であるが、電源電圧がたとえば110Vに
上昇したときである。×印の場合より入力電流が増加し
ている。この場合の特徴は、30μs程度の大きなパル
ス幅で駆動しているときも、小さいパルス幅で駆動して
いるときと同様に、それぞれのパルス幅に対する判別レ
ベルで適正鍋判別機能が動作するという点である。換言
すれば、一旦大物鍋を加熱後図11のように鍋をずらし
ていったときの適正鍋判別レベルが、いかなるパルス幅
のときでも○印の曲線を基準にして、○印の曲線の場合
の対応するパルス幅の入力電流と同じということであ
る。
【0016】しかし、この例でも、大物鍋の場合、温度
センサより鍋が外れており、鍋が加熱コイルの磁界内に
あれば、入力電流が○印の基準レベル以下にならなけれ
ば、加熱が続けられ適正鍋判別機能が働かないのは、図
7の場合と同じである。これを防止するには適正鍋判別
レベルを高くすればよいが、(たとえば直径12cmの
鉄鍋のレベル)、そうするとミルクパンのような直径1
2cmの鍋より小さい直径の鍋が加熱されないという不
都合が生じる。図8において、◎印の曲線は、大物鍋を
ずらして図11に示されるように、鍋の端部をトッププ
レートの中心付近の位置に置いたときに、電源電圧がた
とえば110Vに上昇したときであり、このときは、さ
らに○印の適正鍋判別レベルより離れるため、より不都
合が増加することになる。また、電圧が下降した場合は
○印の曲線のレベル以下になることもあり得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
技術では、小物判別レベルを一定のレベルに固定する方
式では鍋を横にずらした場合に加熱が停止されないこと
があり、また電源電圧の変動に対応できないことがあっ
た。小物判別レベルを変動させる方式では、電源電圧の
変動には対応できるが、装置が複雑になり、また鍋を横
にずらした場合には十分対応することができない。
【0018】本発明の目的は、鍋の位置にかかわらず、
また電源電圧の変動にも対処し、かつ加熱中鍋を移動し
ても対応できるようにすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導加熱調理器
においては、適正鍋判別手段にインバータの各駆動パ
ス幅に対応する基準となる第1の判別レベルが記憶され
いる。また、誘導加熱調理器においては、所定の幅の
判別パルスにより装置を駆動したときの各鍋に対する入
力情報により第1の判別レベルに対応する各鍋の動作
の基準となる第2の判別レベルを設定するようにした。
また、第1の判別レベルは電源電圧の変動により補正さ
れ、第2の判別レベルは電源電圧の変動,鍋の大小,運
転中の鍋の移動により補正されることができる。
【0020】
【作用】本発明によれば、標準となる第1の判別レベル
を基準として、実際の運転時に使用される各鍋に対応し
て第2の判別レベルが設定されるようになっており、さ
らに第1の判別レベルは電源電圧の変動により補正さ
れ、第2の判別レベルは電源電圧の変動,鍋の大小,使
用中の鍋の移動に対しても十分対応できる。ICの使用
により従来の方式に比較して特に複雑になることはな
い。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例のブロック図であ
る。商用低周波交流の電源1は全波整流回路2に接続さ
れ、その出力は平滑コンデンサ3および図示されないチ
ョークコイルにより平滑化された後、高周波誘導加熱用
の加熱コイル4を経て、これに直列に接続された共振コ
ンデンサ5,トランジスタ6およびダイオードDからな
る並列回路に接続されている。これらは直流を交流に変
換するインバータを構成している。トランジスタ6は出
力制御回路10により制御され、出力制御回路10は適
正鍋判別手段9に接続されている。適正鍋判別手段9の
判別入力は、インバータの入力側に接続されインバータ
の入力電圧を検出する入力電圧検出手段8からの出力
と、電源側に接続された低周波交流検出手段7からの出
力とである。低周波交流検出手段7は電源1の回路の途
中に設けられた変流器20とそれに接続されたダイオー
ド21,抵抗22,コンデンサ23等よりなり、低周波
交流を直流電圧に変換して、その出力を適正鍋判別手段
9に供給する。また、出力制御回路10は温度センサ1
1に接続される。温度センサ11は鍋を載置するトップ
プレートの裏面ほぼ中央に設けられている。トッププレ
ートの裏面には前述の加熱コイル4が配置されている。
空炊きにより鍋が加熱したときは、温度センサ11の出
力により出力制御回路10を停止させ加熱を防止する。
出力制御回路10は図示されていないが、外部からの操
作により駆動パルスの幅を調節して加熱モードの強弱を
選択することができる。
【0022】図2は前記の適正鍋判別手段の一例のブロ
ック図である。CPU(中央処理装置)12には比較器
13の出力が供給されている。比較器13には低周波交
流検出手段7の出力と入力電圧検出手段8の出力情報が
供給される。これらの情報はインバータの入力側の他の
部分から取出すこともできる。CPU12は出力制御回
路10を制御する。CPU12および比較器13にはメ
モリ14が接続され、これには後述のように各種の判別
レベルが記憶されている。判別レベルには予め定められ
ているレベルと、電圧の変動,鍋の大きさ,位置により
補正される変動するレベルがある。
【0023】まず、本発明の原理について説明する。適
正鍋かどうか判別するためのパルス幅は、本実施例の場
合は10μsとする。このパルス幅は、大きいほうが低
周波交流検出手段7のダイオードの電圧降下分が無視さ
れるためよいが、しかし、大きすぎると後述の判別パル
スだけで缶詰等が加熱されてしまい問題となることがあ
る。
【0024】図3(a),(b),(c)において、そ
れぞれの曲線は図7および8の場合と同じ印のものは同
一の特性に対するものである。特に言及しない場合は入
力電圧は100Vとされる。すなわち、○印の曲線は直
径10cmの鉄鍋の各パルス幅に対する特性であるが、
本発明の場合はこれが第1の判別レベルとなる(以下判
別曲線aという)。△印の曲線は大物鍋をトッププレー
トの中心に置いた場合の各パルス幅に対する入力電流の
特性であり、×印の曲線は大物鍋の端部をトッププレー
トの中心付近の位置にずらして置いた場合の各パルス幅
に対する入力電流の特性である。◎印の曲線は電源電圧
が110Vになった場合の×印の曲線に対応する特性で
ある。□印の曲線は第2の判別レベルbであって、後述
のように第1の判別レベルaに対して、たとえば1.4
を乗じた数値の曲線(以下判別曲線bという)である。
●印の曲線は電源電圧が110Vになった場合の○印の
曲線に対応する特性で、電圧補正を行なった第1の判別
レベルa′である。▽印の曲線は電源電圧が110Vに
なった場合の△印の曲線に対応する特性である。☆印は
缶詰等の小物類におけるパルス幅10μsに対する入力
電流の値である。
【0025】まず、図3(a)は通常の電源電圧の場合
である。トッププレートの上に鍋を置いてスタートする
と、適正鍋判別手段9から出力制御回路10を介して鍋
検出のための判別パルス、すなわちたとえば判別曲線a
のパルス幅10μsの信号がインバータに与えられる。
このときのインバータの入力電流の値が低周波交流検出
手段7により比較器13に供給され、予めメモリ14に
記憶されている判別曲線aの10μsのパルス幅に対応
する値と比較され、これより小さければ小物と判別さ
れ、CPU12は出力を停止しその後再び判別パルスが
出力される。缶詰等の小物の場合は、この動作が繰返さ
れるが、☆印のレベルが判別曲線aのレベルより低く、
加熱は開始されない。
【0026】次に、トッププレートの中心に大物鍋を置
くと、判別曲線aのパルス幅10μsに対応する△印の
位置まで入力電流が流れる。この入力電流は比較器13
において判別曲線aと比較される。このとき入力電流の
△印のレベルは判別曲線aの○印のレベルより大きいか
ら、大物鍋と判断し、加熱モードに入る。加熱モードに
入れば、使用者が設定した加熱モードの強弱に対応する
入力電流になるまで、CPU12によりパルス幅を拡げ
たり縮めたりして加熱を継続する。
【0027】たとえば、入力電流10Aに制御するよう
に使用者が設定すれば、図3(a)の場合は約25μs
までパルス幅が広がることになる。逆に入力電流3Aに
制御するように設定すれば、約0.8μsまでパルス幅
が縮まることになる。この第1の判別レベルaは予め工
場出荷の段階でメモリ14に設定しておくことができ
る。
【0028】次に第2の判別レベルについて説明する。
直径10cmの鉄鍋の各パルス幅に対する入力電流の特
性は第1の判別レベルすなわち○印の判別曲線aであ
る。判別パルス(10μs)出力時の○印の値は2Aで
あり、大物鍋に対する△印の値は約3.6Aである。よ
って、このときの△印の値は○印の値の約1.8倍であ
る。たとえば、その中間を取って、判別曲線aの1.4
倍の判別レベルを設け、これを第2の判別レベルとす
る。すなわち、判別曲線aに対しすべてのパルス幅にお
いて、1.4を乗じた曲線を判別曲線b(□印の曲線)
とし、加熱開始後はこの判別曲線bを境界として適正鍋
判別をすれば、大物鍋をずらした場合に、入力電流が減
少していっても、大物鍋の端部がトッププレートの中心
付近の位置までずれる前、すなわち×印の曲線のレベル
に達する前に、判別曲線b以下になっているため、必ず
非適正鍋と判断し加熱を停止することができる。
【0029】前記の判別曲線aに乗ずる係数は、比較器
13における入力電流と判別曲線aとの比較結果により
CPU12により決定され、判別曲線bによる第2の判
別レベルはメモリ14に記憶される。このようにして、
判別曲線aを基準にした判別パルスによる入力電流の比
較により加熱モードが開始され、その後は判別曲線bを
基準にして加熱の停止が行なわれる。また、加熱を停止
した後、次にどのような鍋が置かれるかわからず、判別
曲線bを得るための係数もわからないので、メモリ14
に記憶された判別曲線bは加熱停止後キャンセルされ
る。
【0030】次に図3(b)により、電源電圧が変動し
た場合に入力電圧による補正を行なうときの説明を行な
う。●印の曲線は前述のように直径10cmの鉄鍋を用
い入力電圧が110Vのときの特性である。電圧変動に
より補正された判別曲線a′となる。この値は予めメモ
リ14に記憶させておくこともできるし、入力電圧検出
手段により検出された電圧とメモリ14の基準電圧との
比較により求めることもできる。また、▽印の曲線は前
述のように大物鍋をトッププレートの中心に置いた場合
で、かつ入力電圧が110Vのときの特性である。◎印
の曲線は大物鍋の端部がトッププレートの中心付近にな
るように位置をずらした場合で、かつ、入力電圧が11
0Vのときの特性である。この図からわかるように、大
物鍋の加熱スタート時に△印の特性曲線であったもの
が、加熱中に外部からの要因で入力電圧が10%上がっ
たとすると、同一パルス幅での入力電流が同図の▽印の
特性曲線のように上昇する。この変化は比較器13によ
り検出される。これにより判別曲線bはその上昇分だけ
補正され、判別曲線b′が得られる。判別曲線b′は図
示されていない。
【0031】使用中の変動でなく、最初から電圧が11
0Vに上昇していたときは、比較器13により予めメモ
リに記憶されている標準電圧と入力電圧検出器8からの
電圧とを比較して判別曲線aを補正し、これに伴って補
正された判別曲線b′を得られる。このようにして、電
源電圧の変動に応じ、その都度判別曲線aおよびbとも
にその変動の比率だけ係数、たとえば1.1を乗じて補
正された判別曲線a′およびb′が得られる。もし、判
別曲線bが補正されていないと、鍋をずらしていった場
合の◎印の特性曲線は判別曲線bの上にくるため、非適
正鍋と判断されず加熱を続けるという不都合が生じてく
る。しかし、本発明のように電源電圧の変動に応じて判
別曲線a,bともに補正することにより前記の不都合を
除くことができる。電圧が下降した場合は、前述の逆と
なる。
【0032】次に図3(c)によって、実際に使用され
る鍋と判別曲線aの基準とした標準鍋との差が小さい場
合の対応について説明する。○印の曲線は前述の直径1
0cmの鉄鍋に対する特性、すなわち判別曲線aであ
り、点線はたとえば直径10.5cmの鉄鍋の各パルス
幅に対する入力電流の特性を示す。10.5cm直径の
鉄鍋の場合、判別パルスで判定するとき、その点線で示
される入力電流のレベルは判別曲線aのレベルより上の
ため適正鍋と判断され加熱を開始する。しかし、両者の
大きさの差が小さいため、鍋の少しの移動により入力電
流のレベルが判別曲線aのレベルより下になると、非適
正鍋と判断し加熱を停止する。この場合も判別パルスに
より判別曲線bの演算が行なわれるが、鍋の大きさの差
が小さいため、ほぼ判別曲線aと同一になる。しかし、
鍋の少しの移動で上記のような状態になれば、使用者は
非常に煩わしい。このため、判別パルスによる鍋の判別
の際に比較器13で検出した入力電流のレベルが判別曲
線aのレベルの1.1倍以下のときは、これから0.1
を減じた値を係数として判別曲線aに乗じ、これを第3
の判別レベルである判別曲線c(図の黒四角印の曲線)
とし、この判別曲線cを基準に判別を行なえば、鍋が若
干移動しただけでは非適正鍋と判断せず、使用者は安心
して楽に使用できる。
【0033】次に加熱開始時に、使用者が、大物鍋(た
とえば直径20cm)をトッププレートより若干(たと
えば5cm)はずれた位置においた場合、一旦判別パル
スを出し判別するが、そのとき大物鍋がずれているた
め、判別曲線aに基づきたとえば直径15cmの鍋と判
断して加熱を開始する。加熱開始後は図3(a)につい
て説明したように、判別曲線bに基づいて運転を継続す
る。その後、使用中に前記の大物鍋の端部がたとえばト
ッププレートの中心に位置するように大きくずれて置か
れた場合も、そのままの基準で加熱を継続する。その後
使用中に大物鍋をトッププレートの中心に置き直したと
きには各パルス幅に対する入力電流が大きくなる方向に
変化する。このときの変化レベルをDとし、Dの分だけ
第2の判別レベルである判別曲線bを補正したものを第
4の判別レベルである判別曲線dとし、これに基づいて
非適正鍋判定をすれば、その後鍋の端がトッププレート
中心付近からずれた時点では、判別レベルが上がってい
るから非適正鍋と判断し加熱を停止することになる。入
力電流の増加を検出して判別曲線を補正する点では電源
電圧の変動に対する場合と同様であるが、電源電圧の上
昇は通常110V位までで約10%であるのに対し、鍋
の位置による入力電流の変化はそれ以上の値となるので
区別することは容易である。出力変化が10%以内のと
きは、電源電圧変動の場合と同じである。
【0034】図4,5および6は、図3(a),(b)
および(c)のそれぞれのフローチャートである。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、加熱中に
鍋がずれた場合使用者への煩わしさもなく、かつ、温度
センサが正確に動作する範囲内でのみ鍋を加熱すること
ができ、また、電源電圧の変動,鍋の位置の変動,鍋の
寸法の大小等に対しても適正に対応し、非適正鍋と判断
することができ安全な誘導加熱調理器を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】図1の適正鍋判別手段の一例のブロック図であ
る。
【図3】(a),(b)および(c)はそれぞれ本発明
の説明図である。
【図4】図3(a)に対応する説明のフローチャートで
ある。
【図5】図3(b)に対応する説明のフローチャートで
ある。
【図6】図3(c)に対応する説明のフローチャートで
ある。
【図7】従来の判別方法の一例の説明のグラフである。
【図8】従来の判別方法の他の例の説明のグラフであ
る。
【図9】鍋の置き方の一例の側面図である。
【図10】鍋の置き方の一例の側面図である。
【図11】鍋の置き方の一例の側面図である。
【符号の説明】
1 電源 2 全波整流回路 3 平滑コンデンサ 4 加熱コイル 5 共振コンデンサ 6 トランジスタ 7 低周波交流検出手段 8 入力電圧検出手段 9 適正鍋判別手段 10 出力制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源回路と、インバータ回路と、電源電
    圧および入力電流等の入力情報を検出する手段と、イン
    バータ回路にその駆動パルスを与える出力制御回路と、
    基準となる第1の判別レベルを記憶し前記入力情報を処
    理し出力制御回路を制御する適性鍋判別手段とを備え、 適性鍋判別手段には、適性鍋かどうかを判別するため、
    所定の幅の判別パルスによって一定期間装置を駆動させ
    たときの入力電流と、前記第1の判別レベルとを比較す
    る手段を設け、比較した結果が第1の判別レベルを超え
    たときは装置が加熱モードに入るようにされており、加
    熱モードに入った後は前記所定の幅の判別パルスによっ
    て一定期間装置を駆動させたときの入力電流と前記第1
    の判別レベルとの比較結果により決定される係数を前記
    第1の判別レベルに乗じた第2の判別レベルを記憶さ
    せ、これを基準とし運転状態における入力電流が前記第
    2の判別レベル以上のときは加熱モードを続け、運転状
    における入力電流が前記第2の判別レベル未満になれ
    ば加熱を停止する制御手段を設けたことを特徴とする誘
    導加熱調理器。
  2. 【請求項2】 加熱を停止すれば適正鍋判別手段に記憶
    されている第2の判別レベルの情報をキャンセルするこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 【請求項3】 第1の判別レベルは鉄製の所定の大きさ
    の鍋を誘導加熱したときの各駆動パルス幅に対する入力
    電流の変化曲線を基準としたことを特徴とする請求項1
    記載の誘導加熱調理器。
  4. 【請求項4】 電源電圧の変動に応じて第1および第2
    の判別レベルを補正させる手段を有することを特徴とす
    る請求項1記載の誘導加熱調理器。
  5. 【請求項5】 判別パルスにより駆動して得られた入力
    電流の値が第1の判別レベルの値の1.1倍以下のとき
    は、その倍率から0.1を減じた値を第1の判別レベル
    の補正係数として得られた第3の判別レベルを加熱停止
    の基準として駆動させることを特徴とする請求項1記載
    の誘導加熱調理器。
  6. 【請求項6】 加熱モードで運転中鍋の位置の変動によ
    り入力電流が大きい方向に変化したときは、その変化量
    により再度係数を計算しこれを第2の判別レベルの補正
    係数として得られた第4の判別レベルを加熱停止の基準
    とすることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理
    器。
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