JP2009163915A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動作負荷条件演算部23は、誘導加熱装置の動作指令値および動作検出値から誘導加熱インバータ11の詳細な動作状態を演算し、比較部/負荷条件判定部24は、誘導加熱インバータ11の負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、負荷条件の適合または不適合を判定する。
【選択図】 図1
Description
図7は、誘導加熱インバータの回路構成を示す図である。
図7において、誘導加熱インバータには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続されている。そして、この直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端には、互いに直列接続された共振コンデンサCr1、Cr2が並列接続されるとともに、平滑コンデンサCdc2が並列接続され、さらにダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジに接続されている。
そして、交流電源51から出力された交流電圧は、ダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジにて直流に変換され、平滑コンデンサCdc2を介して直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端に供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングすることにより、加熱コイルに高周波電流が供給され、負荷を誘導加熱させることができる。
ここで、例えば、誘導加熱インバータが電磁調理器に適用された場合、平板状に巻かれた加熱コイルの上面に配置された天板上に鍋などの被加熱物を載せることで、被加熱物が誘導加熱される。
このため、電磁調理器に適用される誘導加熱インバータは、上記の2種類の不適切な負荷条件と、適正に電力を供給できる負荷条件を瞬時に判別し、その判別結果に応じた動作を決定する必要がある。すなわち、誘導加熱インバータは、小物類が天板上に載せられた場合には、加熱コイルへの電流の供給を瞬時に停止し、非磁性材料製の鍋が天板上に載せられた場合には、加熱コイルへの電流の供給を瞬時に停止するか、非磁性材料製の鍋を加熱可能な主回路構成や制御方式に瞬時に切り替える必要がある。
図8において、誘導加熱調理器には、交流電源40の交流を整流する整流部41と、整流された交流をフィルタリングするフィルタ部42とを含めて構成された電源供給部と、電源供給部から供給される電力により誘導加熱調理器を加熱するインバータ部43とが設けられている。
また、誘導加熱調理器には、誘導加熱調理器が動作される場合、インバータ部43の共振キャパシタの電圧及びスイッチングパルスを用いて容器材質が磁性か非磁性かを判別し、この判別結果による容器の材質に応じて加熱されるようにする容器材質判別部31が設けられている。
また、容器材質判別部31には、インバータ部43の共振キャパシタ電圧を検出し、半波整流及び分圧して、ロジック判断部33に伝達する電圧検出部32と、ロジック判断部33から出力されたパルス信号を直流電圧に変換する直流電圧平滑部34と、直流電圧に基づいて容器が磁性か非磁性かを判断し、この判断結果に応じてインバータ部43を動作させるマイコン35が設けられている。
特に、電圧検出部32は、容器の材質によって負荷が可変し、相異なる共振周波数を示す特性に基づいてインバータ部43の共振キャパシタ電圧を検出し、位相変移によって容器の材質を判別するように検出された共振キャパシタ電圧をロジック判断部33に伝達する。
また、直流電圧平滑部34はロジック判断部33の材質判別信号を平滑な直流電圧としてマイコン35に出力し、マイコン35は入力された直流電圧に基づいて容器の材質が磁性か非磁性か判断し、その判断結果に応じてインバータ部43を動作させる。
図9において、横軸は入力電流、縦軸は共振コンデンサ電圧を示している。そして、被加熱物の材質は、磁性材質である第1の材質、非磁性材質である第2の材質、および無負荷状態またはそれに近い第3の材質の3種類に分類され、入力電流と共振コンデンサ電圧の検出値から判別することができる。
また、電磁調理器の場合、鍋の形状や材質、天板上に置かれた位置などに依存して、負荷となるインピーダンスが大きく変動することから、誘導加熱インバータが所望の電力を供給できる負荷範囲を定量的に示すことが困難である。
このため、従来の誘導加熱装置では、所望の電力を供給できる負荷と、所望の電力を供給できない小物や非磁性材料からなる負荷とを正確に判別することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、誘導加熱に適した負荷かどうかの判別を精度よく行うことが可能な誘導加熱装置を提供することである。
また、請求項3記載の誘導加熱装置によれば、前記適合負荷範囲は、最大電流で動作する境界、最小電流で動作する境界、最高周波数で動作する境界および最低周波数で動作する境界で囲まれた範囲であることを特徴とする。
また、請求項5記載の誘導加熱装置によれば、前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最高周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置が適用される誘導加熱装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、誘導加熱インバータ11には、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15が設けられ、スイッチング回路15は平滑コンデンサCdc2を介してダイオードブリッジ回路13に接続されている。そして、スイッチング回路15の出力側には加熱コイル16が設けられ、ダイオードブリッジ回路13の出力側には交流電源12が接続されている。また、誘導加熱装置には、スイッチング回路15のスイッチング制御を行う制御回路部21が設けられている。
誘導加熱インバータ11の動作状態を把握するために誘導加熱装置で得る情報として、制御回路部21で必要となる情報を用いることで、誘導加熱装置用に別途検出しないようにすることができる。
ここで、図1の誘導加熱装置のモニタ部から得られる情報としては、以下の情報を挙げることできる。
・入力電圧Vin
・入力電力Pin
・スイッチング周波数fs
・出力電流IL0
・出力電流位相角θ
しかし、加熱コイルのインダクタンスL0と被加熱物の抵抗R0は、被加熱物と結合状態により大きく変化する上に、被加熱物の温度や供給電流量によって非線形に変化することから、これらのインダクタンスL0と抵抗R0を正確に測定することは困難である。
従って、これらのインダクタンスL0と抵抗R0の正確な値を求めることができるならば、誘導加熱インバータの詳細な動作状態を把握することができる。
図7の誘導加熱インバータでは、インバータ入力電圧vinv、インバータ出力電流iL0、インバータ出力電力Pout、動作周波数fsには、以下の関係式(1)〜(4)が成り立つ。
ここで、(1)式の直流中間電圧Vdcは入力電圧Vinから簡単に演算することができ、誘導加熱装置内の損失を無視すると、(3)式において、Pout=Pinが成り立つ。なお、誘導加熱装置内の効率ηを考慮すると、Pout=ηPinとなる。
以降では、図1の適合負荷範囲記憶部25の構成例について説明する。
誘導加熱インバータ11の適合負荷範囲は、誘導加熱インバータ11の固有であり、誘導加熱インバータ11の設計条件によって変化する。この適合負荷範囲は、誘導加熱インバータ11のメーカーから加熱コイル16の製作者に提供される重要な情報の一つである。
しかしながら、従来技術では適合負荷範囲を正確に求めることができなかった。それに対し、本発明によると、誘導加熱インバータに応じた適合負荷範囲を正確に求めることができる。
Q0=2πfsL0/R0 ・・・(5)
すなわち、最大電流で動作する境界KIx、最小電流で動作する境界KIn、最高周波数で動作する境界KFxおよび最低周波数で動作する境界KFnで囲まれた範囲を適合負荷範囲とすることができる。
また、これら4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnを結ぶ4つの頂点P1〜P4も以下の動作状態から求めることができる。
頂点P1:最小電流、最低周波数条件
頂点P2:最大電流、最高周波数条件
頂点P3:最大電流、最低周波数条件
頂点P4:最小電流、最高周波数条件
ここで、適合負荷範囲の4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnは、誘導加熱インバータ11の設計によって決められる。すなわち、定格電力に対して何%まで電力を供給できる負荷条件を適合負荷範囲とするかは、誘導加熱インバータ11の設計に依存する。
図3において、定格電力の100%まで供給可能な負荷範囲、定格電力の50%まで供給可能な負荷範囲および定格電力の25%まで供給可能な負荷範囲の3種類について示した。
図3から明らかなように、定格電力を供給可能な負荷範囲が最も狭く、供給電力が少なくなるに従って負荷範囲が広くなる。そして、適合負荷範囲は誘導加熱装置の用途に応じて決定され、定格電力が供給されなければならない用途については適合負荷範囲は最も狭く、定格電力の25%までしか供給することができなくても問題なければ、適合負荷範囲は最も広くなる。
また、比較部/負荷条件判定部24は、図2の適合負荷範囲の外側にあり、その適合負荷範囲を囲む4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnを結ぶ4つの頂点P1〜P4のうち、最大電流および最高周波数で動作する点P2に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することができる。
図4において、誘導加熱インバータ11aには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15aが設けられ、スイッチング回路15aは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13aに接続されている。
ここで、スイッチング回路15aには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13aにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15aに供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスL0と共振コンデンサCsとの共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
図5において、誘導加熱インバータ11bには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15bが設けられ、スイッチング回路15bは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13bに接続されている。
ここで、スイッチング回路15bには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続され、この直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端には、互いに直列接続された共振コンデンサCr1、Cr2が並列接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13bにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15bに供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスL0と共振コンデンサCr1、Cr2との共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
図6において、誘導加熱インバータ11cには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15cが設けられ、スイッチング回路15cは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13cに接続されている。
ここで、スイッチング回路15cには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1〜S4が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続され、さらにスイッチング素子S3、S4は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S3、S4には帰還ダイオードD7、D8がそれぞれ逆並列接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13aにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15aに供給される。そして、スイッチング素子S1、S4とスイッチング素子S2、S3とを交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスL0と共振コンデンサCsとの共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
なお、上述した回路構成以外にも、インダクタンスL0および共振コンデンサが直列共振または並列共振して負荷に電力を供給する回路ならば、演算式が異なる場合においても、本発明に適用することができる。
12 交流電源
13、13a〜13c ダイオードブリッジ回路
15、15a〜15c スイッチング回路
16 加熱コイル
21 制御回路部
22 負荷条件判別部
23 動作負荷条件演算部
24 比較部/動作条件判定部
25 適合負荷範囲記憶部
26 動作指令部
D1〜D4 ダイオード
Cdc 平滑コンデンサ
Cr1、Cr2、Cs 共振コンデンサ
S1〜S4 スイッチング素子
D5〜D8 帰還ダイオード
Claims (5)
- 加熱コイルに高周波電流を流して負荷を誘導加熱する誘導加熱インバータと、
前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報に基づいて前記誘導加熱インバータの負荷条件を演算する動作負荷条件演算部と、
前記誘導加熱インバータの負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、前記負荷条件の適合または不適合を判定する負荷条件判定部とを備えることを特徴とする誘導加熱装置。 - 前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報は、
供給電力と、
入力電圧またはインバータ直流中間電圧のいずれか少なくとも一方が得られる情報と、 負荷電流、動作周波数および出力電流位相のいずれか少なくとも2つが得られる情報とを備えることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。 - 前記適合負荷範囲は、最大電流で動作する境界、最小電流で動作する境界、最高周波数で動作する境界および最低周波数で動作する境界で囲まれた範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱装置。
- 前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最低周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、負荷が所定値よりも寸法の小さいと判別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の誘導加熱装置。
- 前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最高周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の誘導加熱装置。
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