JP2009163915A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導加熱に適した負荷かどうかの判別を精度よく行うことが可能な誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】動作負荷条件演算部23は、誘導加熱装置の動作指令値および動作検出値から誘導加熱インバータ11の詳細な動作状態を演算し、比較部/負荷条件判定部24は、誘導加熱インバータ11の負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、負荷条件の適合または不適合を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は誘導加熱装置に関し、特に、一般家庭やレストランなどで使用される誘導加熱調理器や金属溶解、シームレス溶接などに使用される産業用誘導加熱装置の負荷の適合または不適合を判定する方法に適用して好適なものである。
誘導加熱装置は、高周波電流を加熱コイルに供給し、電磁誘導の原理で負荷(被加熱物)に渦電流を発生させ、そのジュール熱で負荷を加熱することができ、スイッチング素子を用いて交流電源から高周波電流を生成する電力変換回路が設けられている。
図7は、誘導加熱インバータの回路構成を示す図である。
図7において、誘導加熱インバータには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続されている。そして、この直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端には、互いに直列接続された共振コンデンサCr1、Cr2が並列接続されるとともに、平滑コンデンサCdc2が並列接続され、さらにダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジに接続されている。
そして、ダイオードD1、D3の接続点とダイオードD2、D4の接続点との間には交流電源51が接続され、スイッチング素子S1、S2の接続点と共振コンデンサCr1、Cr2の接続点との間には加熱コイルのインダクタンスLおよび被加熱物の抵抗Rが接続される。
そして、交流電源51から出力された交流電圧は、ダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジにて直流に変換され、平滑コンデンサCdc2を介して直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端に供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングすることにより、加熱コイルに高周波電流が供給され、負荷を誘導加熱させることができる。
ここで、誘導加熱インバータは、加熱コイルのインダクタンスLと共振コンデンサCr1、Cr2との共振周波数以上の周波数で動作され、正弦波状の電流を加熱コイルに供給することで、負荷を加熱することが一般的に行われている。
ここで、例えば、誘導加熱インバータが電磁調理器に適用された場合、平板状に巻かれた加熱コイルの上面に配置された天板上に鍋などの被加熱物を載せることで、被加熱物が誘導加熱される。
この場合、加熱されると危険なスプーンやナイフなどの小物類、誘導加熱することが一般に困難な非磁性材料製(銅やアルミニウム)の鍋などの電力を適切に供給できない被加熱物が天板上に配置されることがある。
このため、電磁調理器に適用される誘導加熱インバータは、上記の2種類の不適切な負荷条件と、適正に電力を供給できる負荷条件を瞬時に判別し、その判別結果に応じた動作を決定する必要がある。すなわち、誘導加熱インバータは、小物類が天板上に載せられた場合には、加熱コイルへの電流の供給を瞬時に停止し、非磁性材料製の鍋が天板上に載せられた場合には、加熱コイルへの電流の供給を瞬時に停止するか、非磁性材料製の鍋を加熱可能な主回路構成や制御方式に瞬時に切り替える必要がある。
図8は、従来の誘導加熱調理器の容器材質判別部の概略構成を示すブロック図である(特許文献1)。
図8において、誘導加熱調理器には、交流電源40の交流を整流する整流部41と、整流された交流をフィルタリングするフィルタ部42とを含めて構成された電源供給部と、電源供給部から供給される電力により誘導加熱調理器を加熱するインバータ部43とが設けられている。
また、誘導加熱調理器には、誘導加熱調理器が動作される場合、インバータ部43の共振キャパシタの電圧及びスイッチングパルスを用いて容器材質が磁性か非磁性かを判別し、この判別結果による容器の材質に応じて加熱されるようにする容器材質判別部31が設けられている。
ここで、容器の材質を判別するための容器材質判別部31には、検出されたインバータ部43の共振キャパシタ電圧とインバータ部43のスイッチングパルスとを比較して容器材質によって可変するパルス幅の信号を出力するロジック判断部33が設けられている。
また、容器材質判別部31には、インバータ部43の共振キャパシタ電圧を検出し、半波整流及び分圧して、ロジック判断部33に伝達する電圧検出部32と、ロジック判断部33から出力されたパルス信号を直流電圧に変換する直流電圧平滑部34と、直流電圧に基づいて容器が磁性か非磁性かを判断し、この判断結果に応じてインバータ部43を動作させるマイコン35が設けられている。
電圧検出部132は、インバータ部43と連結されてインバータ部43の共振キャパシタの電圧を検出し、検出された電圧の半波だけを整流し、半波整流された電圧を分圧してロジック判断部33に伝達する。
特に、電圧検出部32は、容器の材質によって負荷が可変し、相異なる共振周波数を示す特性に基づいてインバータ部43の共振キャパシタ電圧を検出し、位相変移によって容器の材質を判別するように検出された共振キャパシタ電圧をロジック判断部33に伝達する。
このとき、ロジック判断部33は、電圧検出部32の出力電圧及びインバータ部43のスイッチングパルスを受けて、両入力値を比較し、スイッチングパルスと検出された共振キャパシタ電圧の位相変位幅内で容器の材質によってパルス幅が可変される材質判別信号を出力する。
また、直流電圧平滑部34はロジック判断部33の材質判別信号を平滑な直流電圧としてマイコン35に出力し、マイコン35は入力された直流電圧に基づいて容器の材質が磁性か非磁性か判断し、その判断結果に応じてインバータ部43を動作させる。
マイコン31には、直流電圧平滑部34から出力された直流電圧とマイコン31の内部基準値とを比較し、直流電圧に基づいて容器が磁性か非磁性かを判断する磁性判断部35aと、磁性材質と判断された場合、インバータ部43を動作させて容器を加熱させるインバータ制御部35bが設けられている。すなわち、磁性判断部35aは、直流電圧が内部基準値の1/4以上である場合は、容器が磁性材質からなっていると判断し、それ以外の場合は非磁性材質からなっていると判断する。
また、特許文献2には、材質判別手段の判別結果に応じて容量変更手段の開閉を制御するとともに、容量変更手段の開または閉を検知する開閉検知手段を設け、磁性または非磁性により異なる共振特性を利用して容器材質の判別を行い、その判別結果に基づいて共振コンデンサの容量を変更することによりそれぞれの材質に適した共振状態を取得し、最適な加熱状態を得られるようにする方法が開示されている。
図9は、従来の誘導加熱調理器における各種被加熱物の材質判別特性図である。
図9において、横軸は入力電流、縦軸は共振コンデンサ電圧を示している。そして、被加熱物の材質は、磁性材質である第1の材質、非磁性材質である第2の材質、および無負荷状態またはそれに近い第3の材質の3種類に分類され、入力電流と共振コンデンサ電圧の検出値から判別することができる。
また、特許文献3、4には、インバータ駆動回路の駆動周波数、加熱コイルに供給される電流の値、その電流と電圧の位相差などを監視することで、金属容器の有無、位置、材質などを判別する方法が開示されている。
特開2005−129539号公報 特開2007−165122号公報 特開平4−269488号公報 特開平11−121159号公報
しかしながら、従来の誘導加熱装置では、負荷が金属の塊であり、負荷に流れる電流や負荷にかかる電圧を直接測定できないことから、負荷の正確なインピーダンスを検出することができず、動作負荷条件を正確に求めることができない。
また、電磁調理器の場合、鍋の形状や材質、天板上に置かれた位置などに依存して、負荷となるインピーダンスが大きく変動することから、誘導加熱インバータが所望の電力を供給できる負荷範囲を定量的に示すことが困難である。
このため、従来の誘導加熱装置では、所望の電力を供給できる負荷と、所望の電力を供給できない小物や非磁性材料からなる負荷とを正確に判別することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、誘導加熱に適した負荷かどうかの判別を精度よく行うことが可能な誘導加熱装置を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の誘導加熱装置によれば、加熱コイルに高周波電流を流して負荷を誘導加熱する誘導加熱インバータと、前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報に基づいて前記誘導加熱インバータの負荷条件を演算する動作負荷条件演算部と、前記誘導加熱インバータの負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、前記負荷条件の適合または不適合を判定する負荷条件判定部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の誘導加熱装置によれば、前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報は、供給電力と、入力電圧またはインバータ直流中間電圧のいずれか少なくとも一方が得られる情報と、負荷電流、動作周波数および出力電流位相のいずれか少なくとも2つが得られる情報とを備えることを特徴とする。
また、請求項3記載の誘導加熱装置によれば、前記適合負荷範囲は、最大電流で動作する境界、最小電流で動作する境界、最高周波数で動作する境界および最低周波数で動作する境界で囲まれた範囲であることを特徴とする。
また、請求項4記載の誘導加熱装置によれば、前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最低周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、負荷が所定値よりも寸法の小さいと判別することを特徴とする。
また、請求項5記載の誘導加熱装置によれば、前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最高周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、誘導加熱インバータの負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、負荷条件の適合または不適合を判別することが可能となり、所望の電力を供給できる負荷と、所望の電力を供給できない小物や非磁性材料からなる負荷とを正確に判別することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る誘導加熱装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置が適用される誘導加熱装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、誘導加熱インバータ11には、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15が設けられ、スイッチング回路15は平滑コンデンサCdc2を介してダイオードブリッジ回路13に接続されている。そして、スイッチング回路15の出力側には加熱コイル16が設けられ、ダイオードブリッジ回路13の出力側には交流電源12が接続されている。また、誘導加熱装置には、スイッチング回路15のスイッチング制御を行う制御回路部21が設けられている。
ここで、制御回路部21には、誘導加熱インバータ11の負荷条件を判別する負荷条件判別部22および負荷条件判別部22にて判別された負荷に応じた動作指令を誘導加熱インバータ11に下す動作指令部26が設けられている。そして、負荷条件判別部22には、誘導加熱インバータ11の動作状態を示した情報に基づいて負荷条件を演算する動作負荷条件演算部23、誘導加熱インバータ11の適合負荷範囲を演算または記憶する適合負荷範囲記憶部25および動作負荷条件演算部23にて演算された負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、負荷条件の適合または不適合を判定する比較部/負荷条件判定部24が設けられている。
そして、動作負荷条件演算部23は、誘導加熱装置の動作指令値および動作検出値から誘導加熱インバータ11の詳細な動作状態を演算する。そして、比較部/負荷条件判定部24は、誘導加熱インバータ11の負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、負荷条件の適合または不適合を判定することができ、所望の電力を供給できる負荷と、所望の電力を供給できない小物や非磁性材料からなる負荷とを正確に判別することが可能となる。
以降では、図1の誘導加熱装置の動作指令値および動作検出値から得られる情報に基づいて、誘導加熱インバータ11の動作状態を推定する方法について説明する。
誘導加熱インバータ11の動作状態を把握するために誘導加熱装置で得る情報として、制御回路部21で必要となる情報を用いることで、誘導加熱装置用に別途検出しないようにすることができる。
ここで、図1の誘導加熱装置のモニタ部から得られる情報としては、以下の情報を挙げることできる。
・入力電圧Vin
・入力電力Pin
・スイッチング周波数f
・出力電流IL0
・出力電流位相角θ
例えば、図7の誘導加熱インバータでは、加熱コイルの負荷は加熱コイルと被加熱物とが磁気結合し、インダクタンスLと抵抗Rからなり、誘導加熱インバータの負荷条件に相当する。
しかし、加熱コイルのインダクタンスLと被加熱物の抵抗Rは、被加熱物と結合状態により大きく変化する上に、被加熱物の温度や供給電流量によって非線形に変化することから、これらのインダクタンスLと抵抗Rを正確に測定することは困難である。
従って、これらのインダクタンスLと抵抗Rの正確な値を求めることができるならば、誘導加熱インバータの詳細な動作状態を把握することができる。
図7の誘導加熱インバータでは、インバータ入力電圧vinv、インバータ出力電流iL0、インバータ出力電力Pout、動作周波数fには、以下の関係式(1)〜(4)が成り立つ。
Figure 2009163915
Figure 2009163915
Figure 2009163915
Figure 2009163915
以上の(1)〜(4)式は、簡単化のため、動作周波数fの基本波周波数成分のみ記述しているが、高周波成分についても同様の関係式を導出することができる。
ここで、(1)式の直流中間電圧Vdcは入力電圧Vinから簡単に演算することができ、誘導加熱装置内の損失を無視すると、(3)式において、Pout=Pinが成り立つ。なお、誘導加熱装置内の効率ηを考慮すると、Pout=ηPinとなる。
すなわち、入力電圧Vinや入力電力Pinは、誘導加熱インバータに供給される電圧とインバータ出力電力Poutを得るために検出されるため、それらの値が得られるならば、どのような検出器を用いるようにしてもよい。例えば、AC−AC直接変換回路の場合では、直流中間電圧Vdcは存在しないが、入力電圧Vinから動作状態を求めることができる。また、入力電流と入力力率から直流中間電圧Vdcまたは入力電圧Vinを換算する方法もあるが、検出器が多いだけで本質的に同じ方法で動作状態を求めることができる。
また、Cは誘導加熱インバータの共振コンデンサ容量であり、図7の構成では、C=Cr1+Cr2が成り立つ。従って、以上の(1)〜(4)式のうち、未知数は、加熱コイルのインダクタンスLと被加熱物の抵抗Rだけとなり、(1)〜(4)式と上述した情報から様々の組み合わせによってインダクタンスLと抵抗Rを求めることが可能となることから、誘導加熱インバータの負荷条件を正確に求めることが可能となるとともに、誘導加熱インバータの詳細な動作状態を把握することができる。
上記の動作負荷条件の演算法では、供給電力の大きさに依らずに、負荷のインダクタンスLと被加熱物の抵抗Rの値を詳細かつ正確に演算することができる。
以降では、図1の適合負荷範囲記憶部25の構成例について説明する。
誘導加熱インバータ11の適合負荷範囲は、誘導加熱インバータ11の固有であり、誘導加熱インバータ11の設計条件によって変化する。この適合負荷範囲は、誘導加熱インバータ11のメーカーから加熱コイル16の製作者に提供される重要な情報の一つである。
しかしながら、従来技術では適合負荷範囲を正確に求めることができなかった。それに対し、本発明によると、誘導加熱インバータに応じた適合負荷範囲を正確に求めることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る負荷適合判別方法に用いられる適合負荷範囲を示す図である。ここで、図2は定格負荷を供給できる負荷を適合負荷として判定する場合の適合負荷範囲を求めている。なお、図2の例では、横軸をインダクタンスL、縦軸をクオリティファクタQとして、適合負荷範囲を示した。ここで、クオリティファクタQは、以下の(5)式で定義することができる。
=2πf/R ・・・(5)
図2において、誘導加熱インバータ11の動作状態は、横軸をインダクタンスL、縦軸をクオリティファクタQとした適合負荷範囲の表現方法に結び付けられて示されている。
すなわち、最大電流で動作する境界KIx、最小電流で動作する境界KIn、最高周波数で動作する境界KFxおよび最低周波数で動作する境界KFnで囲まれた範囲を適合負荷範囲とすることができる。
また、これら4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnを結ぶ4つの頂点P1〜P4も以下の動作状態から求めることができる。
頂点P1:最小電流、最低周波数条件
頂点P2:最大電流、最高周波数条件
頂点P3:最大電流、最低周波数条件
頂点P4:最小電流、最高周波数条件
そして、誘導加熱インバータ11から得られた情報に基づいて演算した負荷条件(インダクタンスLと抵抗Rの値)と、動作周波数fから求められる負荷条件(インダクタンスLとクオリティファクタQの値)を図2の適合負荷範囲上に重なるようにプロットすることで、負荷条件の適合または不適合を判定することができる。
ここで、適合負荷範囲の4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnは、誘導加熱インバータ11の設計によって決められる。すなわち、定格電力に対して何%まで電力を供給できる負荷条件を適合負荷範囲とするかは、誘導加熱インバータ11の設計に依存する。
図3は、本発明の一実施形態に係る負荷範囲の演算結果を示す図である。
図3において、定格電力の100%まで供給可能な負荷範囲、定格電力の50%まで供給可能な負荷範囲および定格電力の25%まで供給可能な負荷範囲の3種類について示した。
図3から明らかなように、定格電力を供給可能な負荷範囲が最も狭く、供給電力が少なくなるに従って負荷範囲が広くなる。そして、適合負荷範囲は誘導加熱装置の用途に応じて決定され、定格電力が供給されなければならない用途については適合負荷範囲は最も狭く、定格電力の25%までしか供給することができなくても問題なければ、適合負荷範囲は最も広くなる。
ここで、図3の負荷範囲のデータは適合負荷範囲記憶部25に記憶することができる。そして、例えば、動作負荷条件演算部23にて演算された負荷条件が図3の×印の位置にあるものとすると、比較部/負荷条件判定部24は、この×印の位置と図3の負荷範囲とを比較する。そして、比較部/負荷条件判定部24は、この×印の位置が定格電力の25%まで供給可能な負荷範囲の外側にあると判断すると、定格電力の25%の電力を負荷に供給できないため、不適切な負荷条件の被加熱物が電磁調理器の天板上に載っていると判断することができる。
また、負荷が適切か不適切かを判断するだけでなく、どのような負荷条件で不適切か(スプーンやナイフなどの小物類が載っているのか、非磁性材料製の鍋が載っているのか)についても判断する場合、比較部/負荷条件判定部24は、図2の適合負荷範囲の外側にあり、その適合負荷範囲を囲む4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnを結ぶ4つの頂点P1〜P4のうち、最大電流および最低周波数で動作する点P3に最も近い負荷条件に基づいて、負荷が所定値よりも寸法の小さいと判別することができる。
すなわち、スプーンやナイフなどの小物類が天板上に載っている場合、このような小物は加熱コイル16よりも小さいことから、加熱コイル16との結合が悪くなり、インダクタンスが大きく、抵抗成分が小さい。インダクタンスが大きく、抵抗成分が小さい条件は、最大電流および最低周波数で動作する点P3に対応するので、負荷条件が図2の適合負荷範囲の外側にあり、点P3に最も近い場合を、スプーンやナイフなどの小物類が天板上に載っていると判別することができる。
なお、インダクタンスが大きく、抵抗成分が大きい右下の不適合負荷範囲も含めて、スプーンやナイフなどの小物類が天板上に載っていると判別するための負荷条件としてもよい。
また、比較部/負荷条件判定部24は、図2の適合負荷範囲の外側にあり、その適合負荷範囲を囲む4つの境界KIx、KIn、KFx、KFnを結ぶ4つの頂点P1〜P4のうち、最大電流および最高周波数で動作する点P2に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することができる。
すなわち、非磁性材料製の鍋が天板上に載っている場合、このような被加熱物は、加熱コイル16との結合が良いことから、インダクタンスが小さく、抵抗成分が小さい。インダクタンスが小さく、抵抗成分が小さい条件は、最大電流および最高周波数で動作する点P2に対応するので、負荷条件が図2の適合負荷範囲の外側にあり、点P2に最も近い場合を、非磁性材料製の鍋が天板上に載っていると判別することができる。
図4は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成の一例を示す図である。
図4において、誘導加熱インバータ11aには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15aが設けられ、スイッチング回路15aは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13aに接続されている。
ここで、スイッチング回路15aには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続されている。
そして、ダイオードD1、D3の接続点とダイオードD2、D4の接続点との間には交流電源12が接続され、加熱コイル16には共振コンデンサCsが直列接続され、共振コンデンサCsが直列接続された加熱コイル16はスイッチング素子S2に並列接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13aにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15aに供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスLと共振コンデンサCsとの共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
図5は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成のその他の例を示す図である。
図5において、誘導加熱インバータ11bには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15bが設けられ、スイッチング回路15bは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13bに接続されている。
ここで、スイッチング回路15bには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1、S2が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続され、この直列接続されたスイッチング素子S1、S2の両端には、互いに直列接続された共振コンデンサCr1、Cr2が並列接続されている。
そして、ダイオードD1、D3の接続点とダイオードD2、D4の接続点との間には交流電源12が接続され、スイッチング素子S1、S2の接続点と共振コンデンサCr1、Cr2の接続点との間には加熱コイル16が接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13bにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15bに供給される。そして、スイッチング素子S1、S2を交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスLと共振コンデンサCr1、Cr2との共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成のさらにその他の例を示す図である。
図6において、誘導加熱インバータ11cには、スイッチング動作に基づいて高周波電流を生成するスイッチング回路15cが設けられ、スイッチング回路15cは平滑コンデンサCdcを介してダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路13cに接続されている。
ここで、スイッチング回路15cには、スイッチング動作を行うスイッチング素子S1〜S4が設けられ、スイッチング素子S1、S2は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S1、S2には帰還ダイオードD5、D6がそれぞれ逆並列接続され、さらにスイッチング素子S3、S4は互いに直列接続されるとともに、スイッチング素子S3、S4には帰還ダイオードD7、D8がそれぞれ逆並列接続されている。
そして、ダイオードD1、D3の接続点とダイオードD2、D4の接続点との間には交流電源12が接続され、加熱コイル16には共振コンデンサCsが直列接続されている。そして、スイッチング素子S1、S2の接続点とスイッチング素子S3、S4の接続点との間には、共振コンデンサCsが直列接続された加熱コイル16が接続されている。
そして、交流電源12から出力された交流電圧は、ダイオードブリッジ回路13aにて直流に変換され、平滑コンデンサCdcを介してスイッチング回路15aに供給される。そして、スイッチング素子S1、S4とスイッチング素子S2、S3とを交互にスイッチングし、加熱コイル16のインダクタンスLと共振コンデンサCsとの共振周波数以上の周波数で動作させながら、加熱コイル16に高周波電流を供給することで、負荷を誘導加熱させることができる。
なお、上述した回路構成以外にも、インダクタンスLおよび共振コンデンサが直列共振または並列共振して負荷に電力を供給する回路ならば、演算式が異なる場合においても、本発明に適用することができる。
本発明の一実施形態に係る誘導加熱装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る負荷適合判別方法に用いられる適合負荷範囲を示す図である。 本発明の一実施形態に係る負荷範囲の演算結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成のその他の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る誘導加熱インバータの回路構成のさらにその他の例を示す図である。 誘導加熱インバータの回路構成を示す図である。 従来の誘導加熱調理器の容器材質判別部の概略構成を示すブロック図である。 従来の誘導加熱調理器における各種被加熱物の材質判別特性図である。
符号の説明
11、11a〜11c 誘導加熱インバータ
12 交流電源
13、13a〜13c ダイオードブリッジ回路
15、15a〜15c スイッチング回路
16 加熱コイル
21 制御回路部
22 負荷条件判別部
23 動作負荷条件演算部
24 比較部/動作条件判定部
25 適合負荷範囲記憶部
26 動作指令部
D1〜D4 ダイオード
dc 平滑コンデンサ
r1、Cr2、Cs 共振コンデンサ
S1〜S4 スイッチング素子
D5〜D8 帰還ダイオード

Claims (5)

  1. 加熱コイルに高周波電流を流して負荷を誘導加熱する誘導加熱インバータと、
    前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報に基づいて前記誘導加熱インバータの負荷条件を演算する動作負荷条件演算部と、
    前記誘導加熱インバータの負荷条件を適合負荷範囲と比較することで、前記負荷条件の適合または不適合を判定する負荷条件判定部とを備えることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記誘導加熱インバータの動作状態を示した情報は、
    供給電力と、
    入力電圧またはインバータ直流中間電圧のいずれか少なくとも一方が得られる情報と、 負荷電流、動作周波数および出力電流位相のいずれか少なくとも2つが得られる情報とを備えることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 前記適合負荷範囲は、最大電流で動作する境界、最小電流で動作する境界、最高周波数で動作する境界および最低周波数で動作する境界で囲まれた範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱装置。
  4. 前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最低周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、負荷が所定値よりも寸法の小さいと判別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の誘導加熱装置。
  5. 前記負荷条件判定部は、前記適合負荷範囲の外側にあり、前記適合負荷範囲を囲む4つの境界を結ぶ4つの頂点のうち、前記最大電流および前記最高周波数で動作する点に最も近い負荷条件に基づいて、被加熱物の材質が非磁性体であると判別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の誘導加熱装置。
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