JP5050441B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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Description

本願発明は、非金属製の内鍋を採用した電磁誘導加熱式の電気炊飯器に関するものである。
最近の電気炊飯器では、高出力で加熱効率が高く出力制御の応答性も高いために、早く、しかも美味しい御飯を炊き上げることができることから、内鍋(飯器)自体を金属材料で形成するとともに、その炊飯加熱手段として、電磁誘導によって当該内鍋内に渦電流を誘起させて自己発熱させる電磁誘導加熱手段を採用した電磁誘導加熱式のものが多くなっている。
このような電気炊飯器の場合、上記電磁誘導加熱手段として、所謂ワークコイルを採用し、内鍋を収納する有底筒状の内ケース(保護枠)の底壁面に対し、巻き幅の広い1組のワークコイルを沿わせて設置するか、または同底壁面の中央部側に位置して巻かれた第1のワークコイルと同底壁面の外周部側(湾曲面)に第1のワークコイルと所定の間隔を置いて巻かれた第2のワークコイルとの内外2組のワークコイルを内鍋の底面形状に沿わせて曲面型に設置した誘導加熱構造が採用されている(特許文献1参照)。もちろん、さらに必要に応じて内ケースの側面側にもワークコイルを設けたものもある。
今、図7のフローチャートおよび図8のタイムチャートは、そのような従来の電磁誘導加熱式電気炊飯器の標準モードでの白米炊飯時における一般的な炊飯〜保温制御の内容を示している。
すなわち、該炊飯〜保温制御フローでは、先ず所定の炊飯メニュー(例えば白米・ふつう)が選択設定され、炊飯器本体側の炊飯開始スイッチが押された時点で、上述のワークコイルをONにして炊飯を開始し、その制御動作をスタートさせる(ステップS1)。
その後、ステップS2で、吸水タイマーのタイマー動作をスタートさせた上で吸水工程に入る。
そして、この吸水工程では、例えばワークコイル出力800W、通電率16/16(100%)、保温ヒータの通電率0/16(OFF)、肩ヒータの通電率6/16(肩ヒータ単独の温度調節制御なし)で、吸水設定温度50℃に制御される(例えば初期水温20℃の場合)。
その後、内鍋内の水温が吸水設定温度50℃になると、同様の加熱状態で50℃に維持しながら合数(炊飯量)を判定する(ステップS3)。そして、同合数の判定が終わると、ステップS4の昇温工程に進む。
該昇温工程では、上記合数の判定結果(例えば大量,中量,小量の3ランク)に対応して、その飯量の炊飯に必要な以後のワークコイルの出力電力量1150W〜920W(通電率16/16=100%)、保温ヒータの通電率0/16(0%=OFF)、肩ヒータの通電率6/16(38%)を設定し、沸とうするまで(100℃になるまで)炊き上げる。
次に内鍋内の水が沸とう状態になると、上記ワークコイル出力を700W(通電率8/16=50%)に落とす一方、保温ヒータの通電率10/16(63%)、肩ヒータの通電率6/16(38%)に設定して同状態で所定時間内沸とう維持工程を実行する。
そして、その後、ステップS7の炊き上げ検知判定に進み、内鍋底部の内鍋温度検知センサによって検知される内鍋の温度が、炊き上げ検知温度(130℃)以上に高くなったか否かを判定し、検知温度よりも低い場合は上記ステップS5の沸とう維持工程を継続するが、検知温度以上に高い時は炊き上げ完了と判断して、ステップS7のむらし工程に進む。
このむらし工程では、ワークコイル出力800W、保温ヒータの通電率10/16(63%)、肩ヒータの通電率6/16(38%)で、内鍋温度が110℃になるように所定時間内制御して、十分なむらしを行う。
そして、同むらし工程が終了(むらし時間が経過)すると、それにより炊飯を完了し、以後ステップS9の保温工程に移行する。
そして、同保温工程では、ユーザーにより設定された所定の保温時間、所定の保温温度で、保温制御が実行される。
ところで、最近では、このような電磁誘導式加熱手段を採用した電気炊飯器において、ご飯の炊き上がりをより良好ならしめるために、上記従来の金属材料よりなる内鍋に替えて、例えばセラミック等の非金属材料よりなる内鍋(いわゆる土鍋)の採用が検討されている(特許文献2参照)。
この場合、当然ながら内鍋自体が電磁誘導によっては発熱しないために、例えば内鍋の底部又は側部に特に電磁誘導効率の高い金属製の誘導発熱体(例えば銀ペーストその他の金属よりなる発熱体層)を配設し、この誘導発熱体部分を上記ワークコイル等の対応する電磁誘導加熱手段によって誘導発熱させることにより、内鍋を加熱する間接的な加熱構造が採用されている(例えば特許文献2,3参照)。
特開2004−201804号公報(明細書1−12頁、図1−7)。
実用新案登録第3110038号公報(明細書1−6頁、図1−3)。
特願2006−113285号(明細書1−10頁、図1−4)。
ところが、上記のように土鍋等非金属製の内鍋を採用した場合、内鍋自体の熱伝導性がよくないために誘導発熱体の発熱量の割には内鍋自体の温度が上昇しにくく、内鍋内の水の温度の上昇も遅い。そのため、内鍋の温度を検知する温度検知センサの温度検知の応答性も悪い。
したがって、例えば図9に示すように、上述した図7および図8のような従来の金属製の内鍋と同様の出力、同様の通電率での加熱制御を行ったとしても、図8に示す従来の金属製の鍋のような炊飯加熱特性を実現することはできない。
つまり、土鍋等非金属製の鍋の場合には熱伝導性が悪いため、金属製の鍋と同じ電力をかけても誘導発熱体に対応する部分のみが局部的に熱くなり、内鍋全体に熱が行き渡らない。
そのため、吸水工程から従来と同様の出力および通電率で加熱を行うと、土鍋等非金属性の鍋特有の炊きムラが生じ、その後の炊飯状態に影響を与え、炊飯不良を招き、良好な炊飯性能を得ることが難しい。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、吸水工程の開始から終了まで小さな電力量で土鍋全体を加熱し、低い温度で包み込むような加熱を行うことによって、可及的有効な吸水性能を実現した電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、底壁部下面および該底壁部から側壁部に至る間の湾曲面外周に相互に分離された状態で第1,第2の誘導発熱体を有し、かつ水および米を収容する金属に比べて熱伝導性が悪く、上記第1,第2の誘導発熱体の部分で局部加熱が生じる土鍋と、該土鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記第1,第2の誘導発熱体を発熱させることにより、上記土鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記土鍋の温度を検出する土鍋温度検出手段と、該土鍋温度検出手段により検出された土鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備えた電気炊飯器であって、上記炊飯加熱制御手段は、沸騰に到る昇温工程に先立って行われる吸水工程における炊飯加熱手段の出力値を、定格電力の70%以下で、かつ通電率が50%以下になるように設定し、上記土鍋の伝熱特性に合わせて、ゆっくりと時間をかけて緩やかに加熱するようにし、最終的に土鍋内全体の水の温度が有効な所定の設定吸水温度となるように吸水工程が終了するまで炊飯加熱手段の出力値を下げることなく、吸水加熱制御を継続するようにしたことを特徴としている。
土鍋は土鍋自身が発熱することなく、しかも熱伝導性が悪い。そのため、発熱手段としての誘導発熱体を設けて加熱されるが、金属製の鍋と同じ電力をかけても当該誘導発熱体に対応する部分のみが局部的に熱くなるだけで、すぐには土鍋全体に熱が行き渡らず、時間をかけて昇温してゆく特性がある。
ずない。
したがって、従来の金属製の内鍋の場合と同様の出力および通電率で吸水加熱を行うと、加熱ムラ、吸水ムラが生じ、その後の炊飯状態に影響を与えて、炊飯不良を招き、良好な炊飯性能を得ることが難しい。
そこで、上記のように、金属に比べて熱伝導性が悪く、局部加熱を生じやすい土鍋の底壁部下面および該底壁部から側壁部に至る間の湾曲面外周に、例えば内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な第1,第2の誘導発熱体を相互に分離した状態で設け、電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段により、それら第1,第2の誘導発熱体を発熱させて加熱する構成とし、上記土鍋の底壁部下面および同底壁部から側壁部に到る湾曲面の2ケ所の可能な限り広い範囲から土鍋を加熱して、できるだけ土鍋底部全体の均一かつ速やかな加熱昇温が可能となるようにしている。
しかし、それでも炊飯開始直後の吸水工程など、内鍋温度が上昇していない加熱初期状態では、第1,第2の誘導発熱体部分と内鍋側との温度差が大きすぎるため、大きな加熱量を与えても、その熱量が直ぐには内鍋側に伝わらず、局部加熱を生じるのみで、効率的で均一な吸水加熱を行うことができない。
そこで、以上の第1,第2の誘導発熱体の設置構造に加えて、上記のように、炊飯加熱手段の出力値を、定格電力の70%以下で、かつ通電率が50%以下の小さな電力量に設定し、上述した緩やかに昇温する土鍋の伝熱特性に合わせて、ゆっくりと時間をかけて緩やかに加熱するようにし、最終的に土鍋内全体の水の温度有効な所定の設定吸水温度となるように、吸水工程が終了するまで炊飯加熱手段の出力値を下げることなく吸水加熱制御を行って水温を均一に上昇させるようにしている。
そして、それにより均一な同温度で土鍋内全体を所定の時間内吸水状態に維持することにより、加熱ムラ、吸水ムラのない可及的に有効な吸水性能を実現している。
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1の発明の構成において、炊飯加熱制御手段は、所定の標準温度よりも室温が低いときには、吸水工程における設定吸水温度が標準室温以上のときと同じであっても、炊飯加熱手段の通電率を標準室温時の通電率よりも高くして制御することにより、吸水性能を向上させるようにしたことを特徴としている。
冬などの室温が低い場合には、吸水工程における初期水温も低い。
したがって、そのような場合には、設定された吸水温度自体が夏などの室温が高い場合と同じであっても、同じ電力を供給したのでは加熱量が不足する。
しかし、かと言って出力(ワット数)そのものを大きくしたのでは、上述のような加熱ムラ、吸水ムラを招く。
そこで、上記のように、炊飯加熱手段の出力(ワット数)自体ではなく、炊飯加熱手段の通電率を上げることにより、炊飯加熱手段の出力自体の増大による瞬間的かつ局部的な土鍋温度の上昇による加熱ムラ、吸水ムラを回避しながら、実質的な加熱量の不足を補充し、可及的有効に吸水性能を向上させるようにする。
以上の結果、本願発明によると、土鍋を採用した場合にも、十分に良好な吸水性能を実現することができ、最終的に良好な炊飯性能の電気炊飯器を提供することができるようになる。
(最良の実施の形態1)
図1〜図5は、土鍋等の非金属製の内鍋を採用した場合にも、十分に良好な吸水性能を実現することができ、最終的に良好な炊飯性能の電気炊飯器を提供することができるようにした本願発明の最良の実施の形態1に係る電気炊飯器の炊飯器本体の構成およびその炊飯〜保温制御の内容を示している。
(炊飯器本体の構成)
先ず本願発明の最良の実施の形態1における電気炊飯器では、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として非金属材料からなる鍋(セラミック製の土鍋)が採用されており、その底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側合成樹脂製の皿状の底壁部4および上部側筒状の側壁部6よりなる内ケース(保護枠)46と、該内ケース46を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース46とを一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋体)2とから構成されている。
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー93が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。該第1,第2のワークコイルC1,C2は、例えば相互に直列に接続されている(したがって、以下の動作説明および図3の制御回路図では単にワークコイルCとして示す)。
内ケース46の皿状の底壁部4は、底面部4aの中央部にセンターセンサーCSのセンサー部嵌合口が形成されているとともに、同センサー部嵌合口の外周側上面にドーナツ状の遮熱板50が設けられている。また、外周側側面部4bの上端側には、所定幅半径方向外方に張り出したフランジ状の段部4cが設けられ、この段部4c部分に上部側筒状の側壁部6の下端6b側が係合載置されている。
他方、上部側筒状の側壁部6の上端6aは、内枠部材9を介して炊飯器本体側上端の肩部材11に連結して固定されている。
そして、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、例えば図3の制御回路図に示すように整流回路35および平滑回路36を介した電源ラインに、また他端はIGBT(パワートランジスタ)37のコレクタにそれぞれ接続されている。
また、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する保温ヒータ(側面ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。この保温ヒータH1部分には、同部分の温度を検出する側部温度センサS3が設けられている。
そして、それら2種の加熱手段C1,C2、H1と後述する蓋ユニット2側の蓋ヒータH2を例えば図3の制御回路図に示すようにマイコン制御ユニットによって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。
ところで、本実施の形態の場合、例えば図1に詳細に示されるように、上記皿状の下部側底壁部4および筒状の上部側側壁部6からなる内ケース46の内周面と内鍋3の外周面との間には、その底部側から側部上方に到る送風通路を形成する隙間5a〜5gが設けられている。
この隙間5a〜5gは、上記ドーナツ板状の遮熱板50の内側センターセンサーCSの外周部5a部分では広く、遮熱板50と内鍋3の底壁部3aとの間5b部分では狭く、内鍋3の底壁部3a外周の設置用凸部31,31,31部分5cでは平面リング状の凹溝部に形成され、さらに内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る湾曲部5d部分では狭い状態から徐々に広くなって上下方向にストレートな側壁部3bの下部に達した部分5eでは最も広くなって断面積の大きな熱風留り空間を形成している。
そして、同内鍋3の側壁部3bの下部部分から肩部開口縁部3cに到るまでの上下方向にストレートな部分5fでは、上記内ケース46の上部側側壁部6と内鍋3の側壁部3bとが近接する位の狭い隙間に形成され、やがて外ケース1側の肩部材11と内鍋3の開口縁部3cとの間の広い隙間5gを介して炊飯器本体と蓋ユニット2との間の隙間から外部に開放されている。
一方、本実施の形態では、図示はしなかったが、上下方向に対向する電磁誘導加熱手段としての第1のワークコイルC1と外ケース1の底部材1bとの間に位置してファンを設けるとともに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4部分に同ファンからの風を上記内ケース46と内鍋3との間の送風通路に導入する第1,第2の風導入口を設け、この第1,第2の風導入口を介して上記ファンからの風を、上記第1のワークコイルC1を冷却した後に上記内ケース46と内鍋3との間に導入し、その底部側から側部外周側全体に上昇させて行くようにしている。
この場合、上記第1,第2の風導入口は、例えば上記第1のワークコイルC1の内周側と外周側に位置して設けられており、内周側に位置する第1の風導入口から導入された風は、上記内ケース46の底壁部4中央のセンターセンサーCSの外周部5a部分から半径方向外周に放射状に広がって流れて行き、炊飯時における内鍋3の底壁部3aの第1の誘導発熱体G1から内ケース46の底壁部4側への輻射熱を可及的に吸収冷却する。
そして、半径方向外周側では、上記第2の風導入口から導入された風と合流し、同第2の風導入口から導入された風と共に湾曲部5dから側壁部5e側の熱風留り空間方向に流れて行くが、この場合、第2の風導入口から導入された温度の低い風が内ケース46側(外側)に位置する2層状態となり、内ケース46側を効果的に冷却する。
このような構成によると、上記ファンからの風が、発熱部材である第1のワークコイルC1を冷却した後に内ケース46の底壁部4の第1,第2の風導入口を介して内ケース46と内鍋3との間に導入されることから、電気的に発熱して温度が上昇する第1のワークコイルC1が効果的に冷却され、温度の上昇が抑制されるとともに、同第1のワークコイルC1の熱によって加熱(熱交換)され、温度が上昇した温風が、先ず内ケース46底部の第1,第2の風導入口を介して内ケース46の底壁部4と内鍋3の底壁部3aとの間に導入され、内鍋3の底壁部3aの誘導発熱体G1,G2で加熱されることにより、さらに温度を上昇させた熱風状態で、内鍋3の側壁部3bの全周を加熱しながら上端部側まで上昇する。
その結果、ワークコイルC1,C2の保温ヒータH1の出力を増大させることなく内鍋3の側壁部3b部分の加熱効率を向上させることができ、伝熱性の悪い内鍋3全体の加熱性能を可及的に均一に向上させることができ、その分ご飯の加熱ムラがなくなる。
しかも、その場合において、上記送風通路を形成している内鍋3と内ケース46との間の隙間5eは、特に内鍋3の底壁部3aの外周部分から上下方向にストレートな側壁部3bの下部に到る湾曲面に対応する5d〜5e部分では、内鍋3の厚さを側壁部3b部分よりも薄くして壁部外周面に段差を形成することにより特に断面積を広くして、熱風留り空間を形成するようにしており、同空間内に熱風を滞留させ、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分を熱風で効率良く包んで補助加熱し、後述する吸水工程からむらし工程までの各炊飯工程において、有効なかまど加熱状態を実現するようになっている。
したがって、上記内鍋3の加熱効率改善効果(伝熱性向上、加熱量の均一分布性)が、より向上する。
また、逆に内鍋3の上下方向にストレートな側壁部3b部分の厚さは、上記湾曲部および底壁部3a側よりも厚くなっていて保熱性(蓄熱性)が高くなっているとともに、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6との間の隙間5fが小さく、近接状態で送風通路を形成するようにしている。
したがって、同構成では、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周に設けられた保温ヒータH1からの熱が同内鍋3の側壁部3bに対して可及的有効に作用して、内鍋3側の側壁部3b部分の加熱効率が、さらに有効に向上する。
また、以上の構成における上記送風通路を形成している隙間5a〜5fは断熱保温空間としても機能するとともに、特に誘導発熱体G1,G2に対応する隙間5b,5d部分では内ケース46の耐熱性合成樹脂よりなる下部側皿状の底壁部4の耐熱限界を一層高くする輻射熱遮断空間としての作用も有している。
さらに、この実施の形態の場合、後に述べるように、上記ファン17は、ご飯の炊き上げが完了した後(第1,第2のワークコイルC1,C2の電源がOFFされた後)のご飯の冷却作用も有しており、目標保温温度に速やかに移行させることができる。
一方、上述の炊飯、保温機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニューの選択、それら各メニューに対応した各工程における加熱出力、加熱時間、保温温度、保温時間などの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面部に設けられた、図3のような操作パネル20の各種入力スイッチ群22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記第1,第2のワークコイルC1,C2および保温ヒータH1、蓋ヒータH2が適切に制御されるようになっている。
上記操作パネル20面のスイッチ22a〜22iは、例えば炊飯スイッチ22a(ON表示部23a)、タイマー予約スイッチ22b(ON表示部23c)、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d(ON表示部23b)、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h、保温OFF制御モード選択スイッチ22i(ON表示部23d)よりなっている。
また、上記操作パネル20の中央部には、炊飯、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間その他の必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。
そして、上記外ケース1内の上記操作パネル20の裏側空間には、図示しない操作基板P1、マイコン基板P2がそれぞれ傾斜状態で設置されている。
また、上記内ケース4の前面部側(図1参照)には、例えば図3に示されるような、第1,第2のワークコイルC1,C2、保温ヒータH1、蓋ヒータH2等を駆動制御する、上記IGBT37や保温ヒータ駆動回路33、肩ヒータ駆動回路45、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路35、平滑回路36、マイコン制御ユニット32などを備えた図示しない制御基板P3が上下方向に立設して設けられている。
また上記外ケース1は、例えば金属部材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース46の底壁部4との間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。
さらに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4の中央部には、上述の如く上下方向に同心状に貫通したセンターセンサー嵌合口(センターセンサー収納空間部)が形成されており、該センターセンサー収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で内鍋底部の温度を検知する内鍋温度センサS1および内鍋の有無を検知する内鍋検出スイッチS2を備えたセンターセンサーCSが設けられている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成するとともに中央部に調圧パイプ15を備えた合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12の内側に嵌合一体化して設けられた合成樹脂製の内枠13と、該内枠13の内側開口部内にパッキン14aおよび金属製の放熱板16aと、該放熱板16aの上面に設けられた蓋ヒータH2と、上記放熱板16の温度を検知する蓋温度センサS4と、上記放熱板16aの下方に設けられた金属製の内蓋16bとを備えて構成されている。また、放熱板16aの外周縁部下方および内蓋16bの外周縁部下方には、それぞれパッキン14a,14bが設けられており、内蓋16bは、同パッキン14bを介して内鍋3の開口縁部3cの上面部に接触させられている。また、15aは調圧パイプ15内の調圧弁、15bはその下部側キャップである。
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の後端側で肩部材11に対してヒンジ機構8を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構10が設けられている。
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記第1,第2の2組のワークコイルC1,C2の駆動により生じる渦電流によって、その底壁部3aから側壁部3b側にかけて設けられている第1,第2の誘導発熱体G1,G2が発熱して内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分が加熱されるとともに保温ヒータH1によって内鍋3の側壁部3bが、蓋ヒータH2によって内鍋3の上部が加熱される。
しかも、同状態において、上述のようにファン17による熱風が供給されて内鍋3の底部から側部全体を包み込む。その結果、例えば炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して、焦げ付きの発生を防止することができる。
次に、炊飯が完了した保温時には、上記第1,第2のワークコイルC1,C2がOFFにされる一方、内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記保温ヒータH1および放熱板16aに設けられた蓋ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に保温加熱されて結露の生じない土鍋の熱保持力(蓄熱力)を利用した余熱活用による効率的な保温が実現される。
一方、上記マイコン基板P2のマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22iを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は保温機能、保温OFF機能、所望の炊飯(又は保温)メニュー、それら炊飯又は保温メニューに対応した所定の加熱パターン(加熱出力、加熱時間)を設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段、保温OFF制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御、保温OFF制御を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22iを使って炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常保温モード又は省エネ保温モード、保温OFFモードその他の各種機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御、保温OFF制御が適切になされるようになる。
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図3は上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯又は保温制御を行うマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示す。
図3中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯・保温・保温中止判定等制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の底部、側部の各温度検知回路部、放熱板16の温度検知回路部、ワークコイル駆動制御回路部、内鍋3のセット状態検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび蓋ヒータ等駆動制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a側センターセンサーCS部の内鍋温度検知センサS1、内鍋3の側部3bの側部温度センサS3、蓋2側放熱板16の蓋温度センサS4等に対応して設けられた温度検知回路43および内鍋検知スイッチS2に対応して設けられた鍋検知回路44には、内鍋3の底壁部3aの温度検知信号、側壁部3bの温度検知信号、蓋2側放熱板16の温度検知信号、内鍋検知スイッチS2による内鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、上記ワークコイル駆動制御回路部は、例えばパルス幅変調回路41、同期トリガー回路40、IGBT駆動回路42、IGBT37、共振コンデンサ38によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のワークコイル駆動制御回路部により、上記パルス幅変調回路41を制御することにより、例えば炊飯工程の各工程に応じて上記ワークコイルC(C1,C2)の出力値および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、同炊飯工程の各工程における非金属製の内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのないご飯の炊き上げを実現するための適切な出力制御が行われるようになっている(図5参照)。
また同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御回路部および蓋ヒータ駆動制御回路部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および蓋ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば炊飯又は保温の各工程に応じて上記保温ヒータH1、蓋ヒータH2の出力値および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯又は保温工程の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするための適切な出力制御が行われるようになっている。
なお、図3中の符号39は、上記IGBT37のフライホイールダイオード、35は、家庭用AC電源30との間に挿入された上記ワークコイル駆動用のダイオードブリッジを内蔵した電源側整流回路、36はその平滑回路である。
さらに、符号17は前述のファン、16は同ファン17の駆動回路、21は液晶表示部である。この実施の形態の場合、上記液晶表示部21には、上記入力スイッチ22a〜22iのON操作に対応して所望のメニューや時刻等の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
なお、図3の制御回路では、繁雑さを避けるために、上記マイコン制御ユニット32側への定電圧電源回路は省略して示している。
(炊飯〜保温制御)
次に、図4のフローチャートおよび図5タイムチャートは、本実施の形態の炊飯〜保温工程における制御内容と対応する制御状態を示すものである。
すなわち、該炊飯〜保温制御では、炊飯の開始に先立って上述の炊飯開始スイッチ22aがONされたことを前提として、炊飯加熱制御を開始する。
先ず、ステップS1において、例えばメニュースイッチ22fの操作により所定の炊飯コース(白米/ふつう)が選択され、かつ炊飯開始スイッチ22aが押されて炊飯が開始されると、続くステップS2において吸水タイマーをスタートさせて吸水工程が実行される。
この吸水工程においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の60%、通電率3/16(19%)で通電され、且つセンタセンサーCSの内鍋温度検知センサーS1の検出温度が30℃となるように温度調節が行われる。
この従来の金属製の内鍋の場合(50℃・・・図8参照)に比べて相当に低い設定吸水温度30℃への温度調節制御は、ワークコイルC1,C2の出力は定格出力の60%、通電率3/16程度の小さな電力量で、また保温ヒータH1は通電率0/16でOFF、さらに蓋ヒータH2は通電率6/16(38%)で駆動され、蓋温度検知センサーS4の検出温度が30℃となるようにして温度調節が行われるようになっており、金属製の内鍋の場合よりも小さな電力量(小さなワット数、低い通電率)、低い設定吸水温度で、内鍋3の全体を包み込むような加熱方法が採用され、十分な時間(設定時間15分)吸水させる。
この場合、吸水開始時の初期水温状態(例えば20℃)から上記設定吸水温度30℃まで上昇させる加熱方法としては、最初から上述の比較的小さな電力で目標温度30℃まで加熱する場合の他に、例えば最初は上記よりも小さな電力量からスタートし、徐々に電力量を上げて行くことにより、最終的に上述の設定吸水温度30℃に時間をかけて上昇させる方法も必要に応じて採用される。
このようにする理由は、非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さを考慮してのものであり、例えば図5のタイムチャートに示すように、上記ワークコイルC1,C2および蓋ヒータH2への通電により、内鍋3の底部外周面の温度(2点鎖線参照)は比較的速く50℃に上昇するが、内鍋温度検知センサS1の検知温度(内鍋3の温度:実線参照)は実際に30℃にしか上昇しない。そこで、上述のような内鍋3の実際の伝熱特性に合った緩やかな加熱方法を採用し、上記内鍋3底部中央の内鍋温度検知センサーS1が30℃を示すようになった時には、内鍋3内の水および飯米の全体が実際に均一な一定の温度(30℃)になるようにしている。
そして、同均一な一定の温度30℃で内鍋内全体を所定の時間内吸水状態に維持することにより、加熱ムラ、吸水ムラのない可及的に有効な吸水性能を実現する。
この時、設定吸水温度自体も30℃と従来の50℃に比べて相当に低いので、上述の小さな電力量(小さなワット数、低い通電率)でも、それほど長い時間を要することなく目標とする吸水温度30℃に達する。
なお、以上の場合、上述のように内鍋3側部の保温ヒータH1(側面ヒータ)へは通電されないが、上述の送風通路(隙間)5a〜5gを通る熱風が上述したように内鍋3の側部に有効に作用して適切な補助加熱が行われる。
したがって、内鍋3は、底部、側部、上部の全面を包み込む形で、緩やかではあるが確実かつ均一に加熱される。その結果、上述した土鍋等非金属製の鍋特有の炊きムラ、吸水ムラが確実に解消される。
つまり、土鍋等非金属製の鍋の場合には熱伝導性が悪いため、金属製の鍋と同じ電力をかけても誘導発熱体G1,G2に対応する部分のみが局部的に熱くなるだけで、内鍋3の全体には中々熱が行き渡りにくい。
そのため、吸水工程から従来と同様の電力で同様の加熱を行うと、土鍋等非金属性の鍋特有の炊きムラ、吸水ムラが生じ、その後の炊飯状態に影響を与え、炊飯不良を招き、良好な炊飯性能を得ることができなかったが、上記の加熱方法によると、そのような問題が確実に解決される。
ところで、冬などの室温が低い場合には、当該吸水工程における初期水温もより低くなる(上記20℃よりも低下する)。
したがって、そのような場合には、例えば設定された吸水温度が同じ上記30℃の場合でも、実際の室温が標準的な室温(例えば15℃)よりも低く、初期水温が15℃よりも低いような時には加熱量が不足する。そこで、そのような場合には、その分ワークコイルC1,C2の出力を上げることにより、加熱量を大きくして吸水性能を向上させることが考えられるが、単にワークコイルC1,C2の出力を増大させたのでは、瞬間的に内鍋3の誘導発熱体G1,G2に対応する部分の温度のみが上昇し、局部的な加熱による加熱ムラ、吸水ムラが生じ、その後の炊飯状態に影響を与え、炊飯不良を招く。
そこで、そのような場合にも、本実施の形態では、ワークコイルC1,C2の出力自体(ワット数)ではなく、その通電率(n/16)を上げることにより(例えば3/16→8/16等)、ワークコイル出力の増大による瞬間的な内鍋誘導発熱体G1,G2部分の温度上昇による局部的な加熱ムラ、吸水ムラを回避しながら、実質的な加熱量の不足を補充し、可及的有効に吸水性能を向上させるようにしている。
これらの結果、以上のような吸水制御によると、伝熱性の悪い土鍋等の非金属製の内鍋3を採用した場合にも、十分に良好な吸水性能を実現することができ、最終的に良好な炊飯性能の電気炊飯器を提供することができるようになる。
次にステップS3においては、上述した吸水工程の終段において、第1の合数判定(第1の炊飯量判定)が行われる。
この第1の合数判定においては、例えば図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の80%、通電率6/16で通電される一方、保温ヒータH1および蓋ヒータH2が共にOFFにされて、わずかに昇温させる過程(例えば、その後所定時間後に内鍋温度検知センサーS1の検出温度が50℃となる過程)において合数の判定がワークコイルC1,C2のON/OFF制御におけるOFF時間の積算値により行われる。
この場合、上述の如く非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さに起因して、ワークコイルC1,C2のOFF時間の積算値は炊飯量が最小の場合を除いてあまり差がでないところから、最小量Mminとその他の合数Mとの2つのランクに分けることによる仮の合数判定(大量と小量の少なくとも2つのランクに分ける程度の予備的な合数判定)が行われる。
次にステップS4においては、昇温1工程が行われる。この昇温1工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の70%〜100%の高出力で通電されるとともに、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、十分に電力を上げて加熱を開始し、蓋温度検知センサーS4にて沸騰温度を検知するまで加熱される。なお、この沸騰により多量の蒸気が出るようになるまでの間は蓋ヒータH2には通電されない。
上記昇温1工程中においては、またステップS5で第2の合数判定(第2の炊飯量判定)が行われる。この第2の合数判定は、昇温1工程の区間の時間を計測して最終の合数判定が行われる。この場合、上記昇温1工程では上記吸水工程の場合と異なって温度上昇幅が大きくとれるところから、非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さがあったとしても、上記第1の合数判定において最小量Mminと判定された以外の合数Mを、さらに2つ以上の複数のランクに分ける合数判定が行われる。この結果、例えば上記炊飯量は、Mmin、M1、M2、M3(M1<M2<M3)のように少なくとも4つのランクに分けられることとなる。
上記したように、第1の合数判定によって予備的に大雑把なランク分けを行った後に、該第1の合数判定による判定結果に基づいてワークコイルC1,C2への合数に応じた電力供給量を制御しつつ、さらに第2の合数判定によって最終的に正確な炊飯量判定が行われるようにすると、熱伝導性に劣る(加熱応答性に劣る)非金属材料からなる内鍋3を使用した場合であっても、次の昇温工程2〜4に到るまでには的確な炊飯量判定を行うことができることになる。
すなわち、続くステップS6,S7,S8においては、上記第2の合数判定によって判定された正確な炊飯量に対応した適切な加熱量で昇温2工程、昇温3工程および昇温4工程が行われる。これらの昇温2〜4工程においては、上記判定量に応じてワークコイルC1,C2が出力60%〜80%、通電率16/16で通電されるとともに、保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、ご飯全体が十分高温(例えば、120℃)になるまで加熱される。なお、このときも、蓋ヒータH2には通電されない。
次にステップS9においては、炊き上げ1工程が行われる。この炊き上げ1工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が定格出力の60%、通電率16/16で通電されるとともに、蓋ヒータH2および保温ヒータH1が通電率8/16(50%)で通電されるようになっており、ワークコイルC1,C2の電力を下げて沸騰を維持させるようになっている。このように沸騰維持の際にワークコイルC1,C2の電力を下げるのは、すでに述べたように非金属材料製の内鍋3は蓄熱性が極めて良好であり、その蓄熱温度による加熱量を有効に利用できることによる。
次にステップS10においては、炊き上げ2工程が行われる。この炊き上げ2工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2の出力が定格出力の70%(通電率16/16)に少し引き上げられるとともに、蓋ヒータH2および保温ヒータH1が共に通電率6/16(38%)で通電されるようになっており、ワークコイルC1,C2の電力を少し上げて温度を沸騰点以上に維持させる。
次にステップS11においては、さらに炊き上げ3工程が行われる。この炊き上げ3工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2が例えば一定時間のOFFとONとの繰り返しで通電されるとともに、蓋ヒータH2および保温ヒータH1が共に通電率8/16(50%)で通電されることとなっており、ワークコイルC1,C2への間欠的な通電により、ご飯の焦げ付きを防止しつつ沸騰を維持させて水分を消失させるようにしている。
つまり、ここでは、非金属材料よりなる内鍋3の蓄熱性の良さを活用し、ワークコイルC1,C2の通電を間欠的にして焦げ付きの防止を図りながら消費電力を低減する意図で、ご飯の温度が所定の温度に下がる度に一定時間(30秒)の加熱を繰り返して沸とう状態の高温を維持するようにしている。
そして、ステップS12においては、むらし工程が行われる。このむらし工程においては、図5のタイムチャートに示すように、ワークコイルC1,C2への通電が停止されるとともに、蓋ヒータH2および保温ヒータH1が共に通電率8/16(50%)で通電されるようになっているが、非金属材料製の内鍋3では蓄熱性が非常に良いから、このようにワークコイルC1,C2への通電を停止した状態であっても、ご飯のむらしが十分に行える。この点でも、有効に消費電力が節減される。
さらに、ステップS13においては、保温工程が行われる。この保温工程においては、ワークコイルC1,C2、蓋ヒータH2および保温ヒータH1への通電が停止される。
そして、内鍋温度検知センサS1の検出温度が設定された保温温度まで低下した後には、従来の保温制御と同様の保温制御が実行される。
なお、以上の説明では、吸水工程におけるワークコイルC1,C2の出力を定格出力の60%、通電率3/16(19%)、設定吸水温度を30℃としたが、これらはそれぞれ70%以下、8/16(50%)以下、45℃以下の有効な範囲で任意に設定可能である。
(最良の実施の形態2)
次に図6のタイムチャートは、本願発明の最良の実施の形態2に係る電気炊飯器における吸水工程〜炊き上げ検知工程までの内鍋3の内面温度の変化と内鍋温度検知センサーS1 の検知温度の変化を対比して示している。
すでに述べて来たように土鍋等の非金属製の内鍋3では、その伝熱性の悪さゆえに、加熱時、例えば図9に示すように、センターセンサCS部の内鍋温度検知センサーS1の検知温度の上昇が内鍋3の底部外周面の温度の上昇に対して、大幅に遅れ、吸水工程などでは応答性の良い温度検知が不可能である。また、同非金属製の内鍋3の場合、内鍋3内に加熱による対流が生じにくい特徴もある。
そのため、最初から大きな電力で加熱したのでは、内鍋3の内周面部のみ100℃近くの温度に上昇するにもかかわらず、内鍋3の中央部まで熱が伝わらずに鍋肌部分の米のみが糊化してしまう問題があった。
そこで、この実施の形態では、例えば図6に示すように、吸水工程での加熱による温度上昇時、最初は特に小さな電力設定で時間をかけてゆっくりと温度上昇を図りながら、徐々に通電割合を増して行って加熱不足を補完することにより、内鍋3の温度を検知する温度検知センサーS1の内鍋温度検知特性との差を可及的に小さくする。
そして、そのようにした上で、内鍋温度検知センサーS1の検知温度が例えば設定された吸水温度40℃付近まで上昇すると、同温度40℃付近に所定時間内維持して吸水させるようにする。
このようにすると、可能な限り吸水性能を向上させることができるとともに、途中から補完的に温度検知センサーS1を利用することが可能となり、鍋肌部分の米の糊化が防止され、良好な炊飯が可能となる。
しかも、特別なコストも要しない。
本願発明の最良の実施の形態1に係る電気炊飯器の炊飯器本体全体の構成を示す縦断面図である。 同電気炊飯器の液晶表示部を中心とする操作パネル部分の拡大正面図である。 同電気炊飯器の制御回路構成を示す図である。 同電気炊飯器の標準コース(ふつう)で白米メニューを選択した時の炊飯〜保温制御の内容を示すフローチャートである。 同図4の制御の内容に対応するタイムチャートである。 本願発明の最良の実施の形態2に係る電気炊飯器における吸水工程〜炊き上げ検知工程までの内鍋の内面温度の変化と内鍋温度検知センサーの検知温度の変化を対比して示すタイムチャートである。 従来の電気炊飯器の標準コースで白米メニューを選択した時の炊飯〜保温制御の内容を示すフローチャートである。 同図7の制御の内容に対応するタイムチャートである。 電気炊飯器における吸水工程〜炊き上げ検知工程の内鍋の内面温度の変化と温度検知センサーの検知温度の変化を対比して示すタイムチャートである。
C1,C2,C3,Cはワークコイル、H1は保温ヒータ、H2は肩ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、20は操作パネル、21は液晶表示部、32はマイコン制御ユニットである。

Claims (2)

  1. 底壁部下面および該底壁部から側壁部に至る間の湾曲面外周に相互に分離された状態で第1,第2の誘導発熱体を有し、かつ水および米を収容する金属に比べて熱伝導性が悪く、上記第1,第2の誘導発熱体の部分で局部加熱が生じる土鍋と、該土鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記第1,第2の誘導発熱体を発熱させることにより、上記土鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記土鍋の温度を検出する土鍋温度検出手段と、該土鍋温度検出手段により検出された土鍋温度に基いて、上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段とを備えた電気炊飯器であって、上記炊飯加熱制御手段は、沸騰に到る昇温工程に先立って行われる吸水工程における炊飯加熱手段の出力値を、定格電力の70%以下で、かつ通電率が50%以下になるように設定し、上記土鍋の伝熱特性に合わせて、ゆっくりと時間をかけて緩やかに加熱するようにし、最終的に土鍋内全体の水の温度が有効な所定の設定吸水温度となるように吸水工程が終了するまで炊飯加熱手段の出力値を下げることなく、吸水加熱制御を継続するようにしたことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 炊飯加熱制御手段は、所定の標準温度よりも室温が低いときには、吸水工程における設定吸水温度が標準室温以上のときと同じであっても、炊飯加熱手段の通電率を標準室温時の通電率よりも大きくして制御することにより、吸水性能を向上させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
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