JP4821517B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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Description

本願発明は、非金属製の内鍋を採用した電磁誘導加熱式の電気炊飯器に関するものである。
最近の電気炊飯器では、高出力で加熱効率が高く出力制御の応答性も高いために、早く、しかも美味しい御飯を炊き上げることができることから、内鍋(飯器)自体を金属材料で形成するとともに、その炊飯加熱手段として、電磁誘導によって当該内鍋内に渦電流を誘起させて自己発熱させる電磁誘導加熱手段を採用した電磁誘導加熱式のものが多くなっている。
このような電気炊飯器の場合、上記電磁誘導加熱手段として、所謂ワークコイルを採用し、内鍋を収納する有底筒状の内ケース(保護枠)の底壁面に対し、巻き幅の広い1組のワークコイルを沿わせて設置するか、または同底壁面の中央部側に位置して巻かれた第1のワークコイルと同底壁面の外周部側(湾曲面)に第1のワークコイルと所定の間隔を置いて巻かれた第2のワークコイルとの内外2組のワークコイルを内鍋の底面形状に沿わせて曲面型に設置した誘導加熱構造が採用されている(特許文献1参照)。もちろん、さらに必要に応じて内ケースの側面側にもワークコイルを設けたものもある。
ところで、最近では、このような電磁誘導式加熱手段を採用した電気炊飯器において、ご飯の炊き上がりをより良好ならしめるために、上記従来の金属材料よりなる内鍋に替えて、例えばセラミック等の非金属材料よりなる内鍋(いわゆる土鍋)の採用が検討されている(例えば特許文献2参照)。
この場合、当然ながら内鍋自体が電磁誘導によっては発熱しないために、例えば内鍋の外周面又は内周面、あるいは内外両面に特に電磁誘導効率の高い金属製の誘導発熱体(例えば銀ペーストなど)を配設し、この誘導発熱体を上記ワークコイル等の対応する電磁誘導加熱手段によって誘導発熱させることにより、内鍋を加熱する間接的な加熱構造が採用されている(例えば特許文献3参照)。
特開2004−201804号公報(明細書1−12頁、図1−7)。
実用新案登録第3110038号公報(明細書1−3頁、図1)。
特願2006−113285号(明細書1−10頁、図1−4)。
ところが、上記のように土鍋等非金属製の内鍋を採用した場合、内鍋自体の熱伝導性がよくないために、誘導発熱体の発熱量の割には内鍋自体の温度が上昇しにくい。
したがって、例えば炊飯開始後吸水加熱を実行し、さらに昇温工程に移行しても、内鍋に設けた内鍋温度検出手段の検出温度は上記内鍋自体の熱伝導性の悪さから殆んど上昇せず、かつ水が入っている場合と比較して余り差がないために空炊き検知を行うことができない。
しかし、誘導発熱体G1,G2の方は急激な温度上昇を招き、空炊きの場合、内ケースが損傷する恐れもある。また、過度の温度上昇は、誘導発熱体の劣化を招く。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、土鍋等の熱伝導性の悪い非金属製の内鍋を採用した場合にも、応答性良く空炊き検知を行うことができる信頼性の高い電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋に設けられた誘導発熱体と、上記内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記誘導発熱体に渦電流を誘起することにより上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋に接して内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、同内鍋の温度が所定の温度になるように上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段と、上記炊飯加熱手段に電源を供給する電源回路の入力電流を検出する入力電流検出手段と、該入力電流検出手段により検出された入力電流の大きさに基いて空炊きを判定する空炊き判定手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、上記内鍋の有無を検知し、上記内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、内鍋に設けられた誘導発熱体の急激な温度変化を利用し、同温度の変化によって異なる通常炊飯時と空炊き時の炊飯加熱手段の電源回路の入力電流の変化を速かに検出することにより、応答性良く内鍋の空炊きを検出することができる。
したがって、応答性の悪い内鍋温度検知センサー等の内鍋自体の温度を検出する温度検出手段を使用しなくても済み、炊飯開始後、確実かつ速かに空炊きの発生を防止して、電磁誘導加熱式電気炊飯器の内ケースの保護、誘導発熱体の劣化の防止を含めた安全性、信頼性を確保することができる。
しかも、この発明の電気炊飯器では、以上の構成において、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、内鍋の有無を検知し、内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴としている。
内鍋が収納されていない場合に空炊き判定を行なっても意味がないので、内鍋が存在することを検知した上で初めて空炊きの判定を行う。その結果、実用的に有効な空炊き判定が実現される。
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋に設けられた誘導発熱体と、上記内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記誘導発熱体に渦電流を誘起することにより上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋に接して内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、同内鍋の温度が所定の温度になるように上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段と、上記炊飯加熱制御手段の制御量を検出する制御量検出手段と、該制御量検出手段により検出された制御量の大きさに基いて空炊きを判定する空炊き判定手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、上記内鍋の有無を検知し、上記内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、内鍋に設けられた誘導発熱体の急激な温度変化を利用し、同温度の変化によって異なる通常炊飯時と空炊き時の炊飯加熱制御手段の制御量の変化を速かに検出することにより、応答性良く内鍋の空炊きを検出することができる。
したがって、応答性の悪い内鍋温度検知センサー等の内鍋自体の温度を検出する温度検出手段を使用しなくても済み、炊飯開始後、確実かつ速かに空炊きの発生を防止して、電磁誘導加熱式電気炊飯器の内ケースの保護、誘導発熱体の劣化の防止を含めた安全性、信頼性を確保することができる。
しかも、この発明の電気炊飯器では、以上の構成において、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、内鍋の有無を検知し、内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴としている。
内鍋が収納されていない場合に空炊き判定を行なっても意味がないので、内鍋が存在することを検知した上で初めて空炊きの判定を行う。その結果、実用的に有効な空炊き判定が実現される。
以上の結果、本願発明によると、土鍋等の非金属製の内鍋を採用した場合にも、応答性良く空炊き検知を行うことができ、信頼性の高い電気炊飯器を提供することができるようになる。
図1〜図6は、すでに述べた土鍋等の非金属製の内鍋を採用した場合にも、応答性良く空炊き検知を行うことができる信頼性の高い電気炊飯器を提供することができるようにした本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体の構成およびその空炊き検知制御の内容を示している。
(炊飯器本体の構成)
先ず本願発明の最良の実施の形態における電気炊飯器では、図1に示すように、例えば内鍋(飯器ないし保温容器)3として非金属材料からなる鍋(例えば、セラミック製の土鍋)が採用されており、その底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
すなわち、該電気炊飯器は、同構成の内鍋3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された下部側合成樹脂製の皿状の底壁部4および上部側筒状の側壁部6よりなる内ケース(保護枠)46と、該内ケース46を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース46とを一体化して形成された炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋体)2とから構成されている。
上記内ケース4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイルカバー93が設けられ、その下部にはフェライトコア7を配置し、またその上部には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が設けられており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。該第1,第2のワークコイルC1,C2は、例えば相互に直列に接続されている(したがって、以下の動作説明および図4の制御回路図では単にワークコイルCとして示す)。
内ケース46の皿状の底壁部4は、底面部4aの中央部にセンターセンサーCSのセンサー部嵌合口が形成されているとともに、同センサー部嵌合口の外周側上面にドーナツ状の遮熱板50が設けられている。また、外周側側面部4bの上端側には、所定幅半径方向外方に張り出したフランジ状の段部4cが設けられ、この段部4c部分に上部側筒状の側壁部6の下端6b側が係合載置されている。
他方、上部側筒状の側壁部6の上端6aは、内枠部材9を介して炊飯器本体側上端の肩部材11に連結して固定されている。
そして、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、例えば図3、図4の制御回路図に示すように整流回路35および平滑回路36を介した電源ラインに、また他端はIGBT(パワートランジスタ)37のコレクタにそれぞれ接続されている。
また、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する側面ヒータ(保温ヒータ)H1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。この側面ヒータH1部分には、同部分の温度を検出する側部温度センサS3が設けられている。
そして、それら2種の加熱手段C1,C2、H1と後述する蓋ユニット2側の蓋ヒータH2を例えば図3の制御回路図に示すようにマイコン制御ユニットによって適切に駆動制御することによって適切な炊飯機能と保温機能とを実現できるようになっている。
ところで、本実施の形態の場合、例えば図1に詳細に示されるように、上記皿状の下部側底壁部4および筒状の上部側側壁部6からなる内ケース46の内周面と内鍋3の外周面との間には、その底部側から側部上方に到る送風通路を形成する隙間5a〜5gが設けられている。
この隙間5a〜5gは、上記ドーナツ板状の遮熱板50の内側センターセンサーCSの外周部5a部分では広く、遮熱板50と内鍋3の底壁部3aとの間5b部分では狭く、内鍋3の底壁部3a外周の設置用凸部31,31,31部分5cでは平面リング状の凹溝部に形成され、さらに内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る湾曲部5d部分では狭い状態から徐々に広くなって上下方向にストレートな側壁部3bの下部に達した部分5eでは最も広くなって断面積の大きな熱風留り空間を形成している。
そして、同内鍋3の側壁部3bの下部部分から肩部開口縁部3cに到るまでの上下方向にストレートな部分5fでは、上記内ケース46の上部側側壁部6と内鍋3の側壁部3bとが近接する位の狭い隙間に形成され、やがて外ケース1側の肩部材11と内鍋3の開口縁部3cとの間の広い隙間5gを介して炊飯器本体と蓋ユニット2との間の隙間から外部に開放されている。
一方、本実施の形態では、図示はしなかったが、上下方向に対向する電磁誘導加熱手段としての第1のワークコイルC1と外ケース1の底部材1bとの間に位置してファン(図3の16,17を参照)を設けるとともに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4部分に同ファンからの風を上記内ケース46と内鍋3との間の送風通路に導入する第1,第2の風導入口を設け、この第1,第2の風導入口を介して上記ファンからの風を、上記第1のワークコイルC1を冷却した後に上記内ケース46と内鍋3との間に導入し、その底部側から側部外周側全体に上昇させて行くようにしている。
この場合、上記第1,第2の風導入口は、例えば上記第1のワークコイルC1の内周側と外周側に位置して設けられており、内周側に位置する第1の風導入口から導入された風は、上記内ケース46の底壁部4中央のセンターセンサーCSの外周部5a部分から半径方向外周に放射状に広がって流れて行き、炊飯時における内鍋3の底壁部3aの第1の誘導発熱体G1から上記内ケース46の底壁部4側への輻射熱を可及的に吸収冷却する。
そして、半径方向外周側では、上記第2の風導入口から導入された風と合流し、同第2の風導入口から導入された風と共に湾曲部5dから側壁部5e側の熱風留り空間方向に流れて行くが、この場合、第2の風導入口から導入された温度の低い風が内ケース46側(外側)に位置する2層状態となり、内ケース46側を効果的に冷却する。
このような構成によると、上記ファンからの風が、発熱部材である第1のワークコイルC1を冷却した後に内ケース46の底壁部4の第1,第2の風導入口を介して内ケース46と内鍋3との間に導入されることから、電気的に発熱して温度が上昇する第1のワークコイルC1が効果的に冷却され、温度の上昇が抑制されるとともに、同第1のワークコイルC1の熱によって加熱(熱交換)され、温度が上昇した温風が、先ず内ケース46底部の第1,第2の風導入口を介して内ケース46の底壁部4と内鍋3の底壁部3aとの間に導入され、内鍋3の底壁部3aの誘導発熱体G1,G2で加熱されることにより、さらに温度を上昇させた熱風状態で、上記内鍋3の側壁部3bの全周を加熱しながら上端部側まで上昇する。
その結果、ワークコイルC1,C2の余熱により保温ヒータH1の出力を増大させることなく内鍋3の側壁部3b部分の加熱効率を向上させることができ、上述のように伝熱性の悪い内鍋3全体の加熱性能を可及的に均一に向上させることができ、その分ご飯の加熱ムラがなくなる。
しかも、その場合において、上記送風通路を形成している内鍋3と内ケース46との間の隙間5eは、特に内鍋3の底壁部3aの外周部分から上下方向にストレートな側壁部3bの下部に到る湾曲面に対応する5d〜5e部分では、内鍋3の厚さを側壁部3b部分よりも薄くして壁部外周面に段差を形成することにより特に断面積を広くして、熱風留り空間を形成するようにしており、同空間内に熱風を滞留させ、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分を熱風で効率良く包んで補助加熱し、例えば吸水工程からむらし工程までの各炊飯工程において、有効なかまど加熱状態を実現するようになっている。
したがって、上記内鍋3の加熱効率改善効果(伝熱性向上、加熱量の均一分布性)が、より向上する。
また、逆に内鍋3の上下方向にストレートな側壁部3b部分の厚さは、上記湾曲部および底壁部3a側よりも厚くなっていて保熱性(蓄熱性)が高くなっているとともに、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6との間の隙間5fが小さく、近接状態で送風通路を形成するようにしている。
したがって、同構成では、上記内ケース46の上部側筒状の側壁部6の外周に設けられた側面ヒータH1からの熱が同内鍋3の側壁部3bに対して可及的有効に作用して、内鍋3側の側壁部3b部分の加熱効率が、さらに有効に向上する。
また、以上の構成における上記送風通路を形成している隙間5a〜5fは断熱保温空間としても機能するとともに、特に誘導発熱体G1,G2に対応する隙間5b,5d部分では内ケース46の耐熱性合成樹脂よりなる下部側皿状の底壁部4の耐熱限界を一層高くする輻射熱遮断空間としての作用も有している。
さらに、この実施の形態の場合、上記ファンは、ご飯の炊き上げが完了した後(むらし工程が終了して、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の電源がOFFされた後)のご飯の冷却作用も有しており、目標保温温度に速やかに移行させることができる。
一方、上述の炊飯、保温機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニューの選択、それら各メニューに対応した各工程における加熱出力、加熱時間、保温温度、保温時間などの操作設定は、当該電気炊飯器本体の前面部に設けられた、図2のような操作パネル20の各種入力スイッチ群22a〜22iを介してユーザーにより行われ、その設定内容に応じて最終的に上記第1,第2のワークコイルC1,C2および側面ヒータH1、蓋ヒータH2が適切に制御されるようになっている。
上記操作パネル20面のスイッチ22a〜22iは、例えば炊飯スイッチ22a(ON表示部23a)、タイマー予約スイッチ22b(ON表示部23c)、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d(ON表示部23b)、再加熱スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時・設定スイッチ22g、分・設定スイッチ22h、保温OFF制御モード選択スイッチ22i(ON表示部23d)、火かげんスイッチ22jよりなっている。
また、上記操作パネル20の中央部には、炊飯、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間並びに現在時刻および炊飯完了までの残時間、空炊き報知、その他の各種必要事項を表示する液晶表示部21が設けられている。
そして、上記外ケース1内の上記操作パネル20の裏側空間には、図示しない操作基板P1、マイコン基板P2がそれぞれ傾斜状態で設置されている。
また、上記内ケース4の前面部側(図1参照)には、例えば図3、図4に示されるような、第1,第2のワークコイルC1,C2、側面ヒータH1、蓋ヒータH2等を駆動制御する、上記IGBT37や側面ヒータ駆動回路33、蓋ヒータ駆動回路45、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路35、平滑回路(平滑コンデンサ)36、チョークコイル39、マイコン制御ユニット32、その他の制御部品を備えた図示しない制御基板P3が上下方向に立設して設けられている。
また上記外ケース1は、例えば金属部材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース46の底壁部4との間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。
さらに、上記内ケース46の下部側皿状の底壁部4の中央部には、上述の如く上下方向に同心状に貫通したセンターセンサー嵌合口(センターセンサー収納空間部)が形成されており、該センターセンサー収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態で内鍋底部の温度を検知する内鍋温度センサS1および内鍋の有無を検知する内鍋検出スイッチS2を備えたセンターセンサーCSが設けられている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成するとともに中央部に調圧パイプ15を備えた合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12の内側に嵌合一体化して設けられた合成樹脂製の内枠13と、該内枠13の内側開口部内にパッキン14aおよび金属製の放熱板16aと、該放熱板16aの上面に設けられた蓋ヒータH2と、上記放熱板16の温度を検知する蓋温度センサS4と、上記放熱板16aの下方に設けられた金属製の内蓋16bとを備えて構成されている。また、放熱板16aの外周縁部下方および内蓋16bの外周縁部下方には、それぞれパッキン14a,14bが設けられており、内蓋16bは、同パッキン14bを介して内鍋3の開口縁部3cの上面部に接触させられている。また、符号15aは調圧パイプ15内の調圧弁、さらに符号15bはその下部側キャップである。
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の後端側で肩部材11に対してヒンジ機構8を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構10が設けられている。
したがって、該構成では、先ず炊飯時には、上記内鍋3は、上記第1,第2の2組のワークコイルC1,C2の駆動により生じる渦電流によって、その底壁部3aから側壁部3b側にかけて設けられている第1,第2の誘導発熱体G1,G2が発熱して内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに亘る部分が加熱されるとともに、側面ヒータH1によって内鍋3の側壁部3bが加熱され、さらに蓋ヒータH2によって内鍋3の上部が加熱される。
しかも、同状態において、上述のようにファン17による熱風が供給されて内鍋3の底部から側部全体を包み込む。その結果、例えば炊飯量が多い時などにも内鍋3の全体を略均一に加熱して加熱ムラなく効率良く炊き上げることができる。また、沸騰工程以降の水分がなくなった状態における内鍋3の底壁部3aの局部的な熱の集中を防止して、焦げ付きの発生をも防止することができる。
次に、炊飯が完了した保温時には、上記第1,第2のワークコイルC1,C2がOFFにされる一方、内鍋3の側壁部3bに対応して設けられた上記側面ヒータH1および放熱板16aに設けられた蓋ヒータH2の駆動により、内鍋3の底壁部3aから側壁部3bおよび上方部の全体が適切な加熱量で均一に保温加熱されて、結露の生じない土鍋特有の熱保持力(蓄熱力)を利用した余熱の活用による効率的な(省エネ性能の高い)保温性能が実現される。
一方、上記マイコン基板P2のマイコン制御ユニット32には、上記各入力スイッチ22a〜22jを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は保温機能、保温OFF機能、所望の炊飯(又は保温)メニュー、それら炊飯又は保温メニューに対応した所定の加熱パターン(加熱出力、加熱時間)、火かげんレベルを設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段、保温OFF制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御、保温OFF制御を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、上記各入力スイッチ22a〜22jを使って炊飯又は保温、タイマー予約、予約時刻設定、白米又は玄米、早炊、おかゆ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常保温モード又は省エネ保温モード、保温OFFモード、火かげん調節モードその他の各種機能の選択設定内容を入力すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して炊飯および保温加熱パターン等設定部に自動的に設定入力され、対応する炊飯又は保温加熱制御、保温OFF制御、火かげん制御が適切になされるようになる。
なお、以上の内鍋3の構成では、誘導発熱体G1,G2を内鍋3の外周面側に設けるようにしたが、これは例えば内鍋3の内周面側あるいは外周面側と内周面側の両面に設けるようにしてもよい。内周面側に誘導発熱体あると、水および飯米への熱伝達効率が高くなるとともに内鍋3内の対流が生じやすくなり、内鍋3内全体の均一な加熱が可能となる。
さらに、内鍋3の外周面と内周面の両方に誘導発熱体があると、内鍋3自体の加熱効率が一層向上するとともに全体の加熱性能が均一になり、加熱ムラが解消される。この場合、例えば内周面側の誘導発熱体を誘導性はないが熱伝導率の高い金属体に変更することができる。そのようにした場合、外周面側の誘導発熱体に対応する部分の熱を内鍋3の内周面全体に応答性良く伝達することができるようになるので、外周面だけの誘導発熱体の場合にも確実に従来のような局部的な加熱ムラを解消することができるとともに、さらに内鍋3内に対流を効率良く生じさせることができる。
さらに、また上記誘導発熱体は、例えば内鍋3の底壁部又は側壁部内に埋設することもできる。
そして、これら各誘導発熱体の形成は、ペースト状のものの場合のほか、例えば金属溶射により発熱層を形成するなど各種の方法の採用が可能である。
(炊飯器本体側制御回路部分の構成)
次に、図3および図4は、上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯又は保温、空炊き検知制御を行うマイコン制御ユニット32を中心とする制御回路部分の構成を示している。
図3中において、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、内鍋温度検知手段、内鍋有無検知手段、空炊き検知(判定)手段、液晶表示制御手段、ブザー報知手段、火かげん制御手段等を備えた炊飯・保温等各種制御用のマイコン制御ユニット(CPU)である。
該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成されており、例えば内鍋3の底部の温度を検知する内鍋温度検知回路43、ワークコイルC(ワークコイル回路)を駆動するIGBT37の駆動回路42、内鍋3のセット状態を検知する内鍋検知回路44、メインクロック信号発振回路59、リセット回路54、側面ヒータH1を駆動する側面ヒータ駆動回路33、蓋ヒータH2を駆動する蓋ヒータ駆動回路24、ブザー駆動回路60、ワークコイル用整流平滑回路35,36、DC電源用整流平滑回路49、入力電圧検出回路52、ファンモータ駆動回路16、省エネ回路57、EEPROM58、入力電流検出回路47、ゼロクロス信号検出回路48、フィードバック値調整回路55、フィードバック制御回路56、同期トリガー回路40、DC電源回路51、マイコン電源回路53、液晶表示部21、動作表示用LED23a〜23d、各種操作スイッチ22a〜22j、ノイズフィルタ回路70等がそれぞれ入出力可能に接続されている。
そして、先ず上記内鍋3の底部3a側センターセンサーCS部の内鍋温度検知センサS1に対応して設けられた内鍋温度検知回路43および内鍋検知スイッチS2に対応して設けられた内鍋検知回路44には、内鍋温度検知センサーS1による内鍋3の底部3aの温度検知信号、内鍋検知スイッチS2による内鍋検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、上記ワークコイル回路C(37・38)に対応したIGBT駆動回路42は、上記マイコン制御ユニット32により、例えば炊飯工程の各工程に応じて上記ワークコイルC(C1,C2)の出力値(ワット数)および同出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、同炊飯工程の各工程における上記土鍋等非金属製の内鍋3の加熱温度と加熱パターンを炊飯量を考慮して適切に可変コントロールし、均一な吸水作用と加熱ムラのないご飯の炊き上げを実現するフィードバック制御を行うようになっている。
このマイコン制御ユニット32によるフィードバック制御は、ワークコイル回路C(37・38)の出力状態に対応したフィードバック値調整回路55およびフィードバック制御回路56の制御信号に基いてなされる。
また同マイコン制御ユニット32により、それぞれ上記側面ヒータ駆動回路33および蓋ヒータ駆動回路34を制御することにより、例えば炊飯又は保温の各工程に応じて上記側面ヒータH1、蓋ヒータH2の所定の出力値での通電率(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯又は保温の各工程における内鍋3の加熱温度と加熱パターンとを実際の炊飯量を考慮して適切に可変コントロールするようになっている。
一方、上記入力電流検出回路47は、例えば図4の電気回路図に示すように、カレントトランスCTをAC電源30と整流回路35との電源ラインに設け、同カレントトランスCTを入力電流検出手段として整流回路35への入力電流を検出するようになっている。
そして、同カレントトランスCTを介して検出されたAC電源30から整流回路35への入力電流は、マイコン制御ユニット32に入力され、通常時(内鍋3内に水と米が収納されている場合)の入力電流値と空炊き時(内鍋3内に水も米も収納されていない場合)の入力電流値の相違(基準値との差)に基いて、通常時又は空炊き時の何れであるかを判定し、空炊き時にはワークコイルC(C1,C2)への通電を停止するとともに空炊きであることを報知する。
(空炊き検知に関する課題)
上記土鍋等の非金属製の内鍋3においては、同内鍋3の表面に貼りつけた上記銀ペースト等誘導発熱体G1,G2が渦電流により発熱するが、水を入れずに空炊きした場合、薄い誘導発熱体G1,G2の温度が急激に上がり、例えば図5のグラフに示すように、ワークコイル出力1200Wの加熱では30秒で200℃近くまで温度上昇してしまう。
しかし、他方内鍋3の底部3a中央に設けた内鍋温度検知センサーS1の検知温度は上記内鍋3の熱伝導性の悪さから殆んど上昇せず、かつ水が入っている場合と比較して余り差がないため、同内鍋温度検知センサーS1によっては空炊き検知を行うことができない。
一方、誘導発熱体G1,G2は急激な温度上昇により、その電気抵抗が急低下し(温度係数が正)、入力電流の値が一定であったとしても、そのワット数(出力)が低下する。
これに対し、上記電気炊飯器のフィードバック制御回路(インバータ回路)56では、このワット数の低下を受け、同低下分だけ自動的に電流を増加させて一定の出力を確保するように出力のフィードバック制御がなされる。
そのために、本実施の形態では、上述のようにAC電源30からワークコイル回路C(37,38)への入力電流検出回路47を設けているが、これを利用すれば、各炊飯コースの吸水工程終了後、連続通電モード(昇温工程)が開始された際、例えば同連続通電開始時の入力電流値Aと同連続通電開始後30秒後の入力電流値Bとを比較し、その差A−Bが所定の基準値以上であるか否かを判定することにより、空炊きを検知することができる。
(空炊き検知制御)
次に、図6のフローチャートは、そのような観点から構成された本実施の形態における空炊き検知制御と同空炊き検知に対応する空炊き報知制御の内容を示すものである。
すなわち、該制御では、炊飯の開始に際して上述の炊飯開始スイッチ22aがONされたことを前提として、先ず内鍋検知回路44からの内鍋検知信号に基いて内鍋3の有無を検知した後に吸水工程に入り、吸水タイマー(例えば設定時間15分)をスタートさせて、吸水加熱制御を開始する(ステップS1)。
この吸水工程においては、例えばワークコイルC(C1,C2)が定格出力の60%、通電率3/16程度で通電され、かつセンタセンサーCSの内鍋温度検知センサーS1の検出温度が従来の金属製の内鍋の場合(例えば50℃)に比べて相当に低い設定吸水温度30℃となるように温度調節が行われる。
この従来の金属製の内鍋の場合(例えば50℃)に比べて相当に低い設定吸水温度30℃への温度調節制御は、ワークコイルC(C1,C2)の出力は定格出力の60%、通電率3/16程度の小さな電力量で、また側面ヒータH1は通電率0/16でOFF、さらに蓋ヒータH2は通電率6/16で駆動され、上述した蓋温度検知センサーS4の検出温度が30℃となるように温度調節が行われるようになっており、従来の金属製の内鍋の場合よりも小さな電力量(小さなワット数、低い通電率)、低い設定吸水温度で、内鍋3の全体を包み込むような加熱方法が採用され、十分な時間(例えば設定時間15分)吸水させる。
このようにする理由は、上記土鍋等非金属材料からなる内鍋3の熱伝導性の悪さを考慮してのものであり、上記ワークコイルC(C1,C2)および蓋ヒータH2への通電により、内鍋3の底部外周面の温度は比較的速く従来一般の吸水温度に対応した50℃程度に上昇するが、内鍋温度検知センサS1の検知温度(内鍋3の内側の温度)は実際に30℃程度にしか上昇しない。そこで、上述のような内鍋3の実際の伝熱特性に合った緩やかな加熱方法を採用し、上記内鍋3底部中央の内鍋温度検知センサーS1が30℃を示すようになった時には、内鍋3内の水および飯米の全体が実際にも均一な一定の温度(30℃)になるようにしている。
そして、同均一な一定の温度30℃で内鍋内全体を所定の吸水時間15分内吸水状態に維持することにより、加熱ムラ、吸水ムラのない可及的に有効な吸水性能が実現される。
この時、設定吸水温度自体も30℃と従来の50℃に比べて相当に低いので、上述の小さな電力量(小さなワット数、低い通電率)でも、それほど長い時間を要することなく目標とする吸水温度30℃に達する。
なお、この実施の形態の場合、上述のように内鍋3側部の側面ヒータH1へは通電されないが、上述の送風通路(隙間)5a〜5gを通る熱風が上述したように内鍋3の側部に有効に作用して適切な補助加熱が行われる。
したがって、内鍋3は、底部、側部、上部の全面を包み込む形で、緩やかではあるが確実かつ均一に加熱される。その結果、上述した土鍋等非金属製の内鍋特有の炊きムラ、吸水ムラが確実に解消される。
次に、ステップS2に進み、上述した吸水工程の設定された吸水時間15分が経過したか否かの判定がYESとなるまで繰り返し行われる。
その結果、吸水設定時間15分が経過してYESの判定がなされると、次にステップS3に進んで、その時の入力電流検出回路47で検出された入力電流値「A」をセット(メモリ)する。
そして、その上でステップS4の昇温工程に進み、上述のワークコイルC(C1,C2)を連続的にON駆動(出力70〜100%)するとともに側面ヒータH1を通電率8/16でON駆動して、内鍋3の温度を昇温させる。
続いて、ステップS5で、同昇温後30秒が経過したか否かを判定し、YESの場合(昇温後30秒経過した時)には、次にステップS6に進んで、その時の入力電流検出回路47で検出された入力電流値「B」をセット(メモリ)する。
そして、その上で次にステップS7に進み、上記各々セットされた入力電流値「A」と「B」の差「A−B」の値(30秒間の誘導発熱体G1,G2の昇温度合に応じて増加した入力電流値)が通常炊飯時と空炊き時とを分ける所定の基準値a以上に大きくなっているか否かを判定する。
同判定の結果、上記各々セットされた入力電流値「A」と「B」の差「A−B」の値が通常炊飯時と空炊き時とを分ける所定の基準値a以上に大きくなっていないNOの場合には、内鍋3内に水および米が入っている通常炊飯の場合であり、空炊き状態ではないので、そのまま続くステップS8,S9に進んで、以後通常の炊飯工程(昇温〜合数判定〜沸とう加熱〜沸とう維持〜火かげん(焦げめ調節)〜むらし)、保温工程を実行する。
他方、これに対して上記各々セットされた入力電流値「A」と「B」の差「A−B」の値が、上記所定の基準値a以上に大きくなっているYESの場合には、先ずステップS10の方に進んで上記連続ON状態にあるワークコイルC(C1,C2)をOFF(通電停止)にし、続いてステップS11で、空炊き状態である旨の報知を行う(例えば先ず上記液晶表示部21の表示画面上に空炊きマークと水および米を入れる旨の指示内容を表示し、その後、少し時間をおいてからブザー駆動回路60を作動させてアラーム音を発生させる)。
以上の結果、ユーザーは、焦ることなく安全に適切な対応を取ることができる。
以上のように、土鍋等非金属製の内鍋3を採用した場合、炊飯開始後吸水加熱を実行し、さらに昇温工程に移行しても、内鍋3の底部3a中央に設けた内鍋温度検知センサーS1の検知温度は上記内鍋3自体の熱伝導性の悪さから殆んど上昇せず、かつ水が入っている場合と比較して余り差がないために、従来の方法では空炊き検知を行うことができない。
しかし、誘導発熱体G1,G2の方は急激な温度上昇により電気抵抗が急低下し(温度係数が正)、入力電流値が一定であったとしても、ワット数(出力)が低下する。
そして、上記電気炊飯器のフィードバック制御回路(インバータ回路)56では、このワット数の低下を受け、自動的に電源からの入力電流を増加させて一定の出力を確保するようにフィードバック制御がなされる。
そこで、本実施の形態では、上述のように電源回路にワークコイル回路C(37,38)への入力電流検出回路47を設け、各炊飯コースの吸水工程終了後、連続通電モード(昇温工程)が開始された際に、例えば同連続通電開始時の入力電流値Aと同連続通電開始後30秒後の入力電流値Bとを比較し、その差A−Bが所定の基準値a以上であるか否かを判定するようにしたので、従来のように内鍋温度検知センサーS1を使用することなく、確実かつ速かに空炊きを検知することができるようになる。
なお、以上の制御に関し、必要に応じて、次のような各種の制御が付加され、また変形される。
(a) 例えば予じめ実験に基いて、上記入力電流値と内鍋3の温度とそれらの相関関係をデータとしてメモリしておき、同データにより、上記実施の形態の場合のように低温域だけは内鍋温度検知センサーS1を外し、上記入力電流検出回路47によって内鍋3の温度に対応した制御情報を得るようにするが、沸騰検知などは蓋温度検知センサーS4により行うようにする。
(b) 入力電流値の変化量だけでは正確性に欠ける場合、炊飯スタート時の初期入力電流値による補正をすることで、初期水温等による誤差を少なくさせることができる。
(c) 吸水終了後昇温開始時のひとつの所定時間(30秒)だけで決めず、複数箇所での所定時間毎の変化量を知ることで、内温温度の詳細を把握できるようにする。そのようにすると、空炊き検知を早く行うことができる。
(d) 空炊き検知後の空炊き報知は、内鍋が十分に冷えてから行う。空炊き検知直後に空炊き報知すると、あわてて内鍋に触る恐れがあるが、上記のようにすると、これを防止することができる。
(e) 空炊き報知処理の順番として、内鍋に触らないように、まず空炊き検知後は液晶表示による報知のみを行う。このとき、冷却ファンにて内鍋の冷却も行う。そして、その後、内鍋の温度が十分下がった時点で、初めて上述のようにブザー等の音声による報知を行う。
(f) 空炊きを検知した場合、上述のようにワークコイル出力を停止させると同時に、空炊き報知を行うことなく速やかに保温動作を行わせるようにする。このように、保温動作に移行させるのは、生産ラインでのエージングを実施するためである(例えば空炊き検査、保温検査が実行できる)。また電気炊飯器では、従来から空炊きであっても保温に移行しており、あえて「空炊き」報知を行わなくても問題はないと考えられる。
ブザー報知や、特別なLEDフラッシング等は、ユーザーがあわてて内鍋を取り出す恐れがあるので、あえて実施しない。
(g) 上記誘導発熱体G1,G2は急激な温度上昇により、その電気抵抗が急低下し(温度係数が正)、入力電流の値が一定であったとしても、そのワット数(出力)が低下する。
これに対して、上記電気炊飯器のフィードバック制御回路(インバータ回路)56では、このワット数の低下を受け、同低下分だけ自動的に制御量を増加させて一定の出力を確保するように出力のフィードバック制御がなされる。
そこで、他の実施の形態として、これを利用し、各炊飯コースの吸水工程終了後、連続通電モード(昇温工程)が開始された際、例えば同連続通電開始時の制御量と同連続通電開始後30秒後の制御量とを比較し、その差が所定の基準値以上であるか否かを判定することにより、入力電流の場合と同様に空炊きを検知することができる。
本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体全体の構成を示す縦断面図である。 同電気炊飯器の液晶表示部を中心とする操作パネル部分の拡大正面図である。 同電気炊飯器の全体的な制御回路構成を示すブロック図である。 同電気炊飯器の図3の制御回路の要部の構成を示す回路図である。 同電気炊飯器における誘導発熱体温度とワークコイル出力、内鍋温度検知センサーの検知温度との関係を示す特性図である。 同電気炊飯器の空炊き検知とそれに対応した空炊き報知制御の内容を示すフローチャートである。
C1,C2,Cはワークコイル、H1は側面ヒータ、H2は肩ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、20は操作パネル、21は液晶表示部、32はマイコン制御ユニット、47は入力電流検出回路である。

Claims (2)

  1. 水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋に設けられた誘導発熱体と、上記内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記誘導発熱体に渦電流を誘起することにより上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋に接して内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、同内鍋の温度が所定の温度になるように上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段と、上記炊飯加熱手段に電源を供給する電源回路の入力電流を検出する入力電流検出手段と、該入力電流検出手段により検出された入力電流の大きさに基いて空炊きを判定する空炊き判定手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、上記内鍋の有無を検知し、上記内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴とする電気炊飯器
  2. 水および米を収容する非金属材料製の内鍋と、この内鍋に設けられた誘導発熱体と、上記内鍋を取り出し可能に収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、上記誘導発熱体に渦電流を誘起することにより上記内鍋を加熱する電磁誘導加熱式の炊飯加熱手段と、上記内鍋に接して内鍋の温度を検出する内鍋温度検出手段と、該内鍋温度検出手段により検出された内鍋温度に基いて、同内鍋の温度が所定の温度になるように上記炊飯加熱手段の加熱出力を制御する炊飯加熱制御手段と、上記炊飯加熱制御手段の制御量を検出する制御量検出手段と、該制御量検出手段により検出された制御量の大きさに基いて空炊きを判定する空炊き判定手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記空炊き判定手段による空炊きの判定は、炊飯開始後、上記内鍋の有無を検知し、上記内鍋が存在することを条件としてなされるようになっていることを特徴とする電気炊飯器。
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