JP5336358B2 - バッテリーに電線を接続するための瞬間接続システム - Google Patents

Description

本発明はバッテリーに電線を接続するための瞬間接続システムに関するものである。

バッテリーのターミナルに電線を接続する器具であるコネクターの分野においては、バッテリーへの接続が瞬時に行えるように、様々なインターロック式の端子を用いることが知られている。

例えば、本出願人により、仏国特許発明第２７４５１２３号明細書で提案されているのは、分解防止の留め金具システムを備え、自動車組み立て工程での生産性を向上させることのできる、バッテリー端子用コネクターである。

仏国特許発明第２７７６４２４号明細書でも瞬間接続システムが提案されているが、それはなんらかの工具を使わなくとも電線の接続ができるようにするものである。

この瞬間接続システムを用いれば、外気から保護する為の分離ケースの中でバッテリーの端子に嵌め込むことによりターミナルをロックすることができ、ターミナルとバッテリーの端子との密な接触を確保することができる。

ターミナルとバッテリーの端子との間のこのような接触は、従来の接続方法では、ねじ止めで固定したリングを用いて締めつけるようになっており、時間の経過とともに劣化していく傾向があるのが一般的であり、その結果、バッテリーの性能も損なわれ、時にはターミナルが酸化されることもある。車両から生じる振動も、時間の経過とともに、接続のずれを生じさせ、接触不良を起こすことにもなりうる。

仏国特許発明第２７７６４２４号明細書で提案された解決法は、その瞬間接続装置がバッテリーの端子に正確に嵌め合わされている限りにおいて、そのような問題を解消できるものではあるが、残念ながら、いつもそう都合よくはいかない。

事実、時間が足りなかったり、手入れのしにくいところだったり、作業条件が難しかったりすると、瞬間接続システムの嵌め込み方に不具合が生じることがよくあり、その結果、電線の導電性が損なわれ、モーターが停止したり、ターミナルとバッテリーの端子との間で不意に放電が起きたり、あるいは更に、ほとんどの場合、バッテリーの端子の周りでターミナルがずれたりして、従来のコネクターでしばしば生じるのと同じ問題に遭遇することになる。

それゆえ、バッテリーの端子に瞬間接続を行う際に嵌め込みの不具合に関連する問題を解消しなければならないことがある。

欧州特許第１４９８９８７号明細書に記載のバッテリー接続は、嵌め込みが正確に行われていない場合にはそのような接続がロックされてしまわないように、ロック防止システムが付いたものである。その為、レバーがバッテリーの端子の上面と接触している場合のみ、ロックができるようになっている。

しかしながら、バッテリーの端子の製造の際の許容誤差により、接続部の設置の不具合が生じることもある。

それゆえ、本発明は、このような困難の解消を目指し、既存の瞬間接続システムを改良する為、ターミナルがバッテリーの端子に不完全な嵌まり方をしないようなロック防止システムを提案するものである。

本発明は、ロックされた位置とロックの外れた位置との間で切り換えを行うレバーの付いた電線接続ケースを備える、ロック防止システムを用いたバッテリー接続部を提案するものであり、前記レバーが下がらないようにすることで、嵌め込みが正確に行われていない場合にはバッテリーの端子への接続がロックされてしまわないようにするロック防止システムを有し、そのロック防止システムには、ロックされた位置とロックの外れた位置とに対応する二つの態勢の間で可動の検知器（６）が備えられ、ロックされた位置に対応する態勢では、検知器が、バッテリーの、バッテリーの端子（９）の置かれた面に押しつけられる形で支えられるようになっていることを特徴とするものである。

本発明によるバッテリー接続のためのロック防止装置の利点は、以下のように多岐にわたるものである。
−接続部が正確に嵌めこまれているかどうかの検証を、バッテリーの端子との関係ではなく、バッテリーの表面との関係で行う。その為、特に製造上の許容誤差によってバッテリーの端子の寸法に差異がでても、接続の位置決めを正確に行うことが可能となる。
−装置をロックすることができるのは、接続部のターミナルが完全に嵌まっている場合だけなので、固定の不具合からよく起こりうる問題はすべて解消できる。
−接続が正確に行われていない場合には、ロック・レバーは上がったままになっているので、設置をする人にとっては、接続が行われていないことがはっきりと目に見える。
−ロック防止メカニズムは機能が単純かつ信頼できるものなので、時を経ても、機能性の面で満足のいく保守性を確保する。
−ロック防止装置は、ロックメカニズムに組み込まれ、接続部品の製造コストの追加費用は極めて僅かなものでしかなく、経済的にも有利である。

本発明のその他の特徴と利点は、添付図面を参照しつつ、以下の説明を読むことにより明らかになっていくのであるが、但し、図面はあくまで例を示すものであり、限定する趣旨のものではない。

本発明によるロック防止システムを備えた瞬間接続装置の斜視図である。 ロック防止メカニズムの側面断面図であり、ターミナルがバッテリーの端子に完全には嵌まっていないところを示している。 ターミナルが正確に嵌まっていて、ロックをしてよい態勢を示す側面断面図である。

図１に示すように、本発明によるロック防止システムを備えるバッテリーの接続部は、本出願人の仏国特許発明第２７７６４２４号明細書に記載のものに構成が近い。

より正確に言うと、ターミナルの周りに締めつけバネ２を取り付け、そのバネを用いて、ターミナル１をバッテリーの端子に固定している。

よく知られているように、バッテリーの接続部にはケース３が備えられ、そのケースの中に電線が来ていて、ターミナルに接続され、リング４は、バッテリーの固定接点電極と接触して、その電線を受け取っている。

ロックされた位置とロックの外された位置との間を、回転して切り換えるレバー５により、接続を固定して、ターミナルをバッテリーの端子にしっかりとつなぎ止めておくことができる。

ロック防止装置は、レバー５が下がらないようにすることで、嵌め込みが正確に行われていない場合にはバッテリーの端子に接続部がロックされてしまわないようにするものである。

より正確に言うと、ロック防止システムには、接続部をロックする位置とロックが外れる位置とに対応する二つの態勢の間で可動の検知器６が備えられている。

検知器６は、ターミナル１に直接つながれており、そのターミナルは、バッテリーの端子に嵌められるようになっている。

より正確に言うと、検知器６は、軸７を中心に回転可動な金属部品である。検知器は、戻しバネ８につながれており、そのバネは、検知器に回転を強制する働きをすることにより、接続部がロックされてしまわないようにする。

検知器６の回転軸７は、検知器の戻しバネ８の下に位置づけられているので、休止位置では、つまり、接続部がバッテリーの端子にロックされていない時には、検知器６はターミナル１に向かって傾斜した位置に倒れることになり、その態勢をロックの外れた態勢と言う。

バッテリーの端子にターミナルが正確に嵌まっている場合には、軸７を中心に回転した後、検知器６はほぼ垂直の位置に移動する。この態勢をロックされた態勢と言う。

そのようにして、検知器６を二つの態勢の間で移動させるのは、軸７を中心に回転させることによって行われるのであり、バッテリーの端子にターミナルが完全に嵌まっていない場合には、戻しバネが、検知器をロックの外れた態勢にもっていく働きをしている。

様々な図に示されているように、検知器の形は、細長くて湾曲しており、バッテリーの端子に向かう窪みがある。この部品の高さはバッテリーの端子よりも極めて僅かに高い。

図２及び図３に示されているのは、ロックされた態勢とロックの外れた態勢とで、検知器６が取り得る二つの位置である。

図２では、バッテリーの端子９は接続部に正確に嵌まってはおらず、戻しバネが検知器６をロックの外れた態勢に維持しており、つまり、バッテリーの端子に向かって倒れた態勢に維持している。レバー５は、ロックされる位置に向かって、つまり、図２で矢印で示された移動方向に回転運動をしている時には、検知器６の上部で止められる。

レバー５は、進路を阻まれて、起きた位置のままになっており、設置をする人に見やすくなっている。

検知器６は、その下部に、つまりバッテリーの上に近いところに、足１０を備えていて、その足は軸７よりも下にあり、前記検知器の回転を助けている。

図２及び図３に示されているように、検知器の足１０の位置は、軸７とバッテリーの端子９との間であり、且つ、軸７とバッテリーの上部との間である。

接続部がバッテリーの端子に正確に嵌まっていて、図３に示されているように、ターミナルの下部がバッテリーの上部に接触する場合には、検知器の足１０はバッテリーの上部に支えられることになり、その結果、検知器は押し戻されて、軸７を中心に軸旋回することになる。

この回転運動の結果、検知器は、ほぼ垂直な位置に向かって倒れかかり、それにより、レバー５が検知器とターミナルとの間に滑り込むのに必要なだけの空間が空くので、接続部をロックすることができるようになる。

このロックされた位置では、レバー５の一端はほぼ水平の位置にある。

ロックされた位置では、レバー５が締めつけバネ２を圧縮し、その締めつけバネがターミナルをバッテリーの端子にしっかりと固定された状態に維持する役目をする。

そういうわけで、本発明によると、検知器６の足１０を、回転軸７とバッテリーの端子９の下部との間に配置することにより、接続部が前記端子９に正確に嵌まり、前記足１０がバッテリーの上部で支えられている場合には、前記検知器６が垂直な位置、つまり、ロックされる位置に倒れ掛かるように誘導するようになっている。

レバー５が上げられている時には、検知器６のロックされた態勢とロックの外れた態勢との間の切り替えは、戻しバネ８を用いて行われる。

できれば、検知器６とロック防止システムの位置は、電線が届くところの向かい側にして、接続作業がその作業を担当する作業員に容易に成されるようにすることが望ましい。

好適には、本発明によると、締めつけバネ２と戻しバネ８が接続部のターミナル１に配置された単一の部品として形成され得る。

バッテリーの接続部に搭載するロック防止システムには幾つもの変形例が考えられるが、特に、レバーが下がらないようにするその他の異なる装置には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、異なる阻止メカニズム、レバーおよび複数の必須部品の形状を様々に変えることが考えられる。

検知器の足や、検知器そのものも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、形状を様々に変えてもよい。

接続部で用いられる様々な部品も、金属製が好適ではあるが、幾つかの部品は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、硬質プラスチックにしてもよい。

言うまでもなく、本発明は、ここで説明し、例として示した実施態様に限定されるものではなく、技術的に同等なものや、それらを組み合わせたものすべてをも含むものである。

１ ターミナル
２ 締めつけバネ
３ ケース
４ リング
５ レバー
６ 検知器
７ 軸
８ 戻しバネ
９ バッテリーの端子
１０ 足

仏国特許発明第２７４５１２３号明細書 仏国特許発明第２７７６４２４号明細書 欧州特許第１４９８９８７号明細書

Claims (9)

1. ロックされた位置とロックの外れた位置との間で切り換えを行うレバー（５）の付いた電線接続ケース（３）を備えるロック防止システムを用いるバッテリー接続部であって、前記レバー（５）が下がらないようにすることで、嵌め込みが正確に行われていない場合には、バッテリーの端子（９）への接続がロックされてしまわないようにするロック防止システムを有し、そのロック防止システムには、接続のロックされた位置とロックの外れた位置とに対応する二つの態勢の間で可動の検知器（６）が備えられ、ロックされた位置に対応する態勢では、検知器が、バッテリーの、バッテリーの端子（９）の置かれた面に押しつけられる形で支えられるようになっていることを特徴とする、バッテリー接続部。
2. 検知器（６）のロックされた態勢とロックの外れた態勢との間の移動は戻しバネ（８）を備えたメカニズムを用いて行われる、請求項１に記載のバッテリー接続部。
3. 検知器（６）につながれた戻しバネ（８）の位置は、前記検知器（６）がバッテリーの端子（９）に向かって回転するように強制することにより、接続がロックされてしまわないようにしている、請求項２に記載のバッテリー接続部。
4. 検知器（６）はターミナル（１）に直接つながれており、該ターミナルはバッテリーの端子（９）に嵌まるようになっている、請求項３に記載のバッテリー接続部。
5. 検知器（６）二つの態勢間の移動は、軸（７）を中心とした回転運動であり、接続のロックが外れた位置は、バッテリーの端子（９）に嵌まるようになっているターミナル（１）に向かって前記検知器（６）が傾斜する位置に対応している、請求項４に記載のバッテリー接続部。
6. 接続のロックがされた位置は、検知器（６）のほぼ垂直な位置づけに対応しており、その位置で、レバー（５）が、前記検知器（６）とターミナル（１）との間に滑り込めるのに必要な空間が空けられる、請求項５に記載のバッテリー接続部。
7. 検知器（６）の回転軸（７）は、前記検知器（６）の戻しバネ（８）の下に位置づけられている、請求項５に記載のバッテリー接続部。
8. 検知器（６）には、前記検知器（６）の回転軸（７）の下に位置する足（１０）が備えられる、請求項５〜７のいずれか一つに記載のバッテリー接続部。
9. 検知器（６）の足（１０）は、回転軸（７）とバッテリーの端子（９）のベースとの間に位置決めされ、それにより、接続部が前記端子９に正確に嵌まって前記足（１０）がバッテリーの上部で支えられている場合には、前記検知器（６）が垂直な位置、つまり、ロックされる位置に倒れ掛かるように誘導するようになっている、請求項８に記載のバッテリー接続部。
   

Images