JP5331831B2 - 流体制御弁 - Google Patents
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Description
図11に示すように、流体制御弁100は、弁室113が成形されており弁室113には、第1流路121及び第2流路122が連通している。第1流路121及び第2流路122は、図示しない流体を供給するチューブと連通している。弁室113と第1流路121が連通する周辺部には弁座115が形成されており、弁座115に対して当接離間可能なダイアフラム弁体104が成形されている。第1流路121は、第1ポート連通流路121a及び第1弁孔連通流路121bを有する。第1流路121及び第2流路122は、流体制御弁100内部で直角に連結している。第1ポート連通流路121a及び第1弁孔連通流路121bと連結部のうち弁座115の下部には弁座肉部125が成形されている。
チューブを介して第1流路121を流れた流体は、弁室113を流れ第2流路122へと流入する。
すなわち、流体制御弁100に流体を流す場合と、流体制御弁100に連通するチューブに流体を流す場合とでは流路内径が同じであるにも関わらず、流体制御弁100の方が流路構造が複雑なため圧力損失が大きい。そのため、流体の流れが悪くなりCv値が低下し流量が少なくなるため問題となる。
また、流体は、圧力が高い箇所から低い箇所へ最短距離を流れる性質を有するが、第1流路121から第2流路122へ向かう途中の流路には弁座肉部125が形成されているため流路が曲がり長くなり流れの妨げとなる。それにより、流体の流れが悪くなりCv値が低下し流量が小さくなることも問題となる。
また、流体は流れの妨げとなる弁座肉部125にぶつかり流体に乱流が生じる。乱流は主流以外のその他の流体の流れの妨げとなりCv値を低下させる原因となるため問題となる。
(1)第1流路と第2流路が弁室を介して連通する樹脂製弁本体と、前記樹脂製弁本体の上面に連結される樹脂製弁上体と、前記樹脂製弁本体と前記樹脂製弁上体との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体とを備えること、前記第1流路が前記弁室の底面に開口する部分に弁孔を備え、前記ダイアフラム弁体が当接又は離間する弁座を前記弁孔の周辺部に設けること、前記第1流路は、一端が第1ポートに連通する円筒状の第1ポート連通流路と他端が前記弁孔に連通する円筒状の第1弁孔連通流路とを備え、前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路が直角に連通すること、前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路との連結部の内側に凹形状の曲面を成形して傾斜を設けること、前記第2流路が、前記第1ポート連通流路に対して段違いに平行に設けられ、一端が第2ポートに連通し、他端が前記弁室の側壁に開口すること、が好ましい。
(1)第1流路と第2流路を備える樹脂製弁本体と、前記樹脂製弁本体の上面に連結される樹脂製弁上体と、前記樹脂製弁本体と前記樹脂製弁上体との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体とを備えること、前記第1流路は、一端が第1ポートに連通する円筒状の第1ポート連通流路と他端が弁孔に連通する円筒状の第1弁孔連通流路とを備え、前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路が連通すること、前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路との内角側の連結部にテーパ形状の曲面が成形されていることにより、第1流路の流路面積を大きくすることができる。流路面積を大きくすることによりCv値の低下を防止でき流量を増大することができる。すなわち、連結部にテーパ形状の曲面が成形されることにより、第1ポート連通流路と第1弁孔連通流路との間に、斜め形状の流路が追加成形される。それにより、斜め形状の流路が追加成形されることによりその分だけ流路面積が大きくなるため、流量を多くすることができるのである。
また、連結部にテーパ形状の曲面が成形されることにより、第1流路内に流体の流れの妨げとなる部分がなくなる。そのため、第1流路から第2流路への流路が直線に近くなり実質的な流路長さが短くなり流体がスムーズに流れる。そのためCv値の低下を防止することができ流量を増大させることができる。また、第1流路内に流体の流れの妨げとなる部分がないことにより、流体が弁座肉部にぶつかり発生する乱流が少なくなる。乱流が少なくなることにより、Cv値を低下させることを防止することができる。
また、テーパ形状の曲面の傾斜角度を調整し、流体が第1流路から第2流路に直接流れる向きを成形して第1流路から第2流路への流路が直線に近くすることができる。そのため、第1流路から流れる流体の勢いをそのままに第2流路へ流体を流すことができCv値の低下を防止することができる。
また、流体制御弁を現状より大きくすることなく流量を増やすことができるため、省エネルギーにつながる。
<流体制御弁の全体構成>
図1は、本実施形態に係る流体制御弁1の断面図(閉弁時)を示す。図2は、本実施形態に係る流体制御弁1の断面図(開弁時)を示す。
図1及び図2に示す流体制御弁1は、従来技術と同様、半導体製造装置に組み付けられ、薬液の供給をする。流体制御弁1は、ノーマルクローズタイプのエアオペレイト式開閉弁である。流体制御弁1は、樹脂製弁本体2の上面に樹脂製弁上体3を連結し、樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間にダイアフラム弁体4が狭持されている。流体制御弁1は、樹脂製弁上体3内のピストン35を摺動させることにより、ダイアフラム弁体4を弁座15に当接又は離間させる。流体制御弁1は、半導体製造装置に取り付けるための取付板5が樹脂製弁本体2の下面に固設されている。
樹脂製弁本体2は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等、耐腐食性や耐熱性に優れた樹脂を成形したものである。
図6乃至図9に樹脂製弁本体2におけるテーパ曲面21cの成形工程(1)〜(4)の断面斜視図を示す。
テーパ曲面21cの成形方法は、図6に示すテーパ曲面21cが成形されていない状態の樹脂製弁本体2に対してテーパ曲面21cを成形する工程である。図6に示すテーパ曲面21cを成形するまでの樹脂製弁本体2の成形方法は従来と変わるところがないため説明を割愛する。
なお、本実施形態においては、連結角面21dに対して切削加工工具50の切削部52の中心である径Bに係る部分が水平に当接するように移動させているが、連結角面21dに当接する切削部52の部分は適宜変更することができる。
図1に示す樹脂製弁上体3は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPFA、PP、PVDF等、耐腐食性や剛性を有する樹脂を材質とする。樹脂製弁上体3は、シリンダ32とカバー33とで構成され、ピストン室34を成形する。樹脂製のピストン35は、ピストン室34に摺動可能に装填され、カバー33との間に縮設される復帰ばね31により図中弁閉方向に常時付勢されている。ピストン35は、操作ポート33aからピストン室34に供給される操作エアの圧力と復帰ばね31の反発力とのバランスに応じて、ピストン室34を図中上下方向に移動する。ピストン35には、ピストンロッド36が一体成形されている。ピストンロッド36は、ピストン35に一体的に構成されシリンダ32に摺動可能に組み込まれ、ダイアフラム弁体4に連結されている。
ダイアフラム弁体4は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等、耐腐食性及び耐熱性に優れた樹脂を材質とし、切削により形作られている。ダイアフラム弁体4は、弁座15に当接又は離間する円柱状の弁体部4aと、弁体部4aの外周面に接続する薄膜部4bと、薄膜部4bの外縁に沿って肉厚に設けられた周縁部4cとから構成されている。ダイアフラム弁体4は、周縁部4cが樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間で挟み込まれて環状溝26の内壁にシールすることにより固定されている。弁体部4aには、弁座15と当接するシール部41が突起部として成形されている。
(流体の入力出力)
図1に示すように、流体制御弁1は、第1流路21に第1ポート23と第2流路22に第2ポート24が接続される。流体制御弁1は、操作ポート33aに操作エアが供給されない場合には、復帰ばね31の付勢力によりダイアフラム弁体4を弁座15に当接させている。そのため、第1ポート23から第1流路21を介して弁孔16に流入した薬液は、弁座15においてダイアフラム弁体4に遮断され、第2流路22から第2ポート24へ出力されない。
一方、図2に示すように、流体制御弁1は、操作ポート33aに操作エアが供給されると、ピストン35が上昇してダイアフラム弁体4が弁座15から離間する。そのため、第1ポート23から第1流路21に流入した流体は、弁孔16を介して弁室13、第2流路22へ供給され第2ポート24へ出力される。
図3に、流体制御弁(1)の流体解析結果におけるイメージ図を示す。図4に、流体制御弁(2)の流体解析結果におけるイメージ図を示す。図5に、従来技術に係る流体制御弁の流体解析結果におけるイメージ図を示す。
図3乃至図5のイメージ図は、それぞれの流体制御弁に対して流体を流した場合の流速の変化を調べたシミュレーション(模擬実験)結果である。流速の変化は、流速R1〜R11として、点描によって表す。流速の速い流速R1に近いほど点描の密度が高く、流速の遅い流速R11に近いほど点描の密度が低くなるように示す。
図5に、従来技術に係る流体制御弁100の流体解析結果における流速変化の分布図を示す。図5に示すように、流体制御弁100は、弁室113が成形されており弁室113には、第1流路121及び第2流路122が連通している。第1流路121は、第1ポート連通流路121a及び第1弁孔連通流路121bを有する。第1流路121及び第2流路122は、流体制御弁100内部で直角に連結している。図5に示す、第1ポート連通流路121a及び第1弁孔連通流路121bと連結部のうち弁座肉部125と接する内角側の面には連結曲面121dが成形されている。
図3に、本実施形態に係る流体制御弁1の流体解析結果における流速変化の分布図を示す。図3に示すように、流体制御弁1は、第1ポート連通流路21aと第1弁孔連通流路21bの連結部のうち弁座肉部25と接する面は、断面テーパ形状である傾斜角度45度のテーパ曲面21cが成形されている点に特徴を有する。流体制御弁1におけるその他の構成は、上記構成において詳細に説明したため説明を割愛する。
さらに、図3に示す実施形態においてはテーパ曲面21cの傾斜角度が45度に成形されている。傾斜角度が45度であることによりテーパ曲面21c付近を流れた流体の進行方向は直接領域Q1へと向かう。流体が領域Q1に直接向かうことにより、第1流路21を流れた流体の勢いをそのままに第2流路へ流すことができるためCv値の低下を防止することができる。
したがって、流体がスムーズに流れるため流速が速くなりCv値の低下を防止することができる。
図4に、本実施形態に係る流体制御弁1のテーパ曲面21cの傾斜角度を60度としたテーパ曲面221cを有する流体制御弁200の流体解析結果における流速変化の分布図を示す。図4に示すように、流体制御弁200は流体制御弁1と比較して、テーパ曲面21cの傾斜角度が60度であること以外異なる点はないため詳細な説明を割愛する。
第1ポート連通流路21aと第1弁孔連通流路21bとの連結部にテーパ形状のテーパ曲面21cが成形されていることにより、第1流路21の流路面積を大きくすることができる。流路面積を大きくすることによりCv値の低下を防止することができ流量を増大することができる。すなわち、連結部にテーパ曲面21cが成形されることにより、第1ポート連通流路21aと第1弁孔連通流路21bとの間に、斜め形状の流路が追加成形される。斜め形状の流路が追加成形されることによりその分だけ流路面積が大きくなるため、流量を多くすることができる。
また、連結部にテーパ曲面21cが成形されることにより、第1流路21内に流体の流れの妨げとなる部分がなくなる。そのため、第1流路21から第2流路22へとつながる流路が直線に近くなり実質的な流路長さが短くなるので流体がスムーズに流れ、Cv値の低下を防止することができる。また、第1流路21内に流体の流れの妨げとなる部分がないことにより、流体に乱流が生じなくなる。乱流が生じなくなることにより、流体のスムーズな流れを阻害することがないためCv値の低下を防止することができる。
また、連結部にテーパ曲面21cの傾斜角度を調整し、第2流路22に直接流れる向きを成形することにより、第1流路21から流れる流体の勢いをそのままに第2流路22へ流体を流すことができCv値の低下を防止することができる。
また、流体制御弁1を大きくすることなく小さいままで流量を増やすことができるため、省エネルギーにつながる。
図示しないが、切削加工工具300のシャフト310の根元にはモータ等の回転機構が備えられ、回転機構が回転することによりシャフト310も回転する。シャフト310が回転することによりシャフト310に固設された切削部320も同様に回転する。テーパ曲面を成形する際には、切削加工工具300は、テーパ面を成形する位置にまで下降し、その後切削する方向に回転横移動をする。回転横移動をすることにより、切削加工工具300の回転軌跡が円錐状となり、テーパ面を成形することができる。
16 弁孔
2 樹脂製弁本体
21 第1流路
21a 第1ポート連通流路
21b 第1弁孔連通流路
21c テーパ曲面
22 第2流路
23 第1ポート
24 第2ポート
25 弁座肉部
25a 第1連結角面
25b 第2連結角面
3 樹脂製弁上体
4 ダイアフラム弁体
50 切削加工工具
Claims (2)
- 第1流路と第2流路が弁室を介して連通する樹脂製弁本体と、前記樹脂製弁本体の上面に連結される樹脂製弁上体と、前記樹脂製弁本体と前記樹脂製弁上体との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体とを備えること、
前記第1流路が前記弁室の底面に開口する部分に弁孔を備え、前記ダイアフラム弁体が当接又は離間する弁座を前記弁孔の周辺部に設けること、
前記第1流路は、一端が第1ポートに連通する円筒状の第1ポート連通流路と他端が前記弁孔に連通する円筒状の第1弁孔連通流路とを備え、前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路が直角に連通すること、
前記第1ポート連通流路と前記第1弁孔連通流路との連結部の内側に凹形状の曲面を成形して傾斜を設けること、
前記第2流路が、前記第1ポート連通流路に対して段違いに平行に設けられ、一端が第2ポートに連通し、他端が前記弁室の側壁に開口すること、
を特徴とする流体制御弁。 - 請求項1に記載する流体制御弁において、
前記曲面は、回転軌跡が円錐状である切削加工工具により成形されたものであること、
を特徴とする流体制御弁。
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