JP2006153141A - エントランスチャンネル付微小流量制御装置。 - Google Patents

エントランスチャンネル付微小流量制御装置。 Download PDF

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言彦 世古口
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Abstract

【目的】流体の微小流量を正確に制御するために、流体流動の不安定を誘起することなく所要の弁特性を実現するため、絞り溝の入口側にエントランスチャンネルを付置することによって、メインチャンネルの断面積を流動方向に単調に変化させても所要の弁特性が実現できる微小流量制御装置を提供することである。
【構成】本発明に係る微小流量制御装置2は、流体の微小流量を制御するメインチャンネル24mの始端24aに先行してエントランスチャンネル24eが配置されているので、メインチャンネル24mに流入する前に制御される流体に流動抵抗が付与される。弁の全開近傍における大きな開口断面25が流体流出口として選択されても、流体にはその前段階でエントランスチャンネル24eにより流動抵抗が付与されているから、流量の急激な変化を抑制することができメインチャンネル24mの直線的な断面積変化に対しリニア型の弁特性を実現できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体や気体の流量を制御する流量制御装置に関し、更に詳細には、マイクロサイズ等の極微小サイズの流路・流体動作環境・反応器等における流体(液体や気体)の微小流量を制御する微小流量制御装置に関する。
近年、半導体技術やナノ技術等に代表される超微細技術が新しい技術として注目されている。こうした技術動向の中で、反応容積がナノリッターからマイクロリッターの微細空間における化学反応、いわゆるマイクロリアクタを対象として反応収率の向上、反応時間の短縮、環境負荷の軽減などを目的とした新しい研究開発が推進されようとしている。このような微細空間に供給する液体あるいは気体については、既存の技術にはない微小かつ正確な流量制御が不可欠とされている。
従来、流体の微小流量調整に使用される弁の形式としては、通常、ニードル弁タイプが用いられる。ニードル弁は、弁の開放後に流量が急激に増大するため、前記した微細空間に供給される流量、例えば、液体については最大流量が10ml/m〜1ml/m、気体については1〜0.01sccmの微小流量を調整する手段として使用することは困難であり、従ってこのような目的に適した新しい微小流量制御技術の開発が必要となっている。
ニードル弁タイプとは異なる方式の微小流量制御弁の先行技術として、特開2001−187977号(特許文献1)及び特開2003−278934号(特許文献2)が公表されている。この先行技術のいずれもが流体の流量を制御する絞り溝を円弧状に配置した形状を特徴としている。
特開2001−187977号公報 特開2003−278934号公報
図21は、特許文献1に記載されている従来の電動流量制御弁の縦断面図である。電動流量制御弁200はステップロータを駆動源として、ロータ組立体201と弁本体組立体202とロータ組立体201の外周に配置されたコイル組立体206から構成されている。弁本体組立体202は筒状の弁室207を備え、その軸線方向直下に出口継手212が設けられ、弁室207と入口継手214の境界部に弁座208が形成されている。弁座208に隣接して弁体210が密接回動可能に配置され、弁室207の側部に形成された入口継手214から流入した流体の流量を制御する。
図22は、図21の電動流量制御弁における弁本体の組立分解斜視図である。弁本体は中心軸Zを中心として弁座208と弁体210から構成され、弁座208と弁体210との間には絞り溝224を形成した金属弁222が配置されている。弁座208には出口流路208aが設けられ、弁体210に入口流路用溝部210cが形成されている。入口継手214から流入した流体は、弁体210に形成された入口流路用溝部210cを経て、金属弁222に形成された絞り溝224に導かれ、弁座208にある出口流路208aの軸Zを中心とする回転角度により流量を制御され、弁座208に形成されたL字状の出口流路208aから出口継手212へ導かれる。この弁座208の回転は上部に配置されたステップモータにより行われる。
図23は、図21の電動流量制御弁における弁本体の金属弁222に形成された絞り溝224の平面図である。Z軸を中心として半径Rの円弧上に絞り溝224が形成され、深さは一定で、幅は先端部が最大で後端部に向かって次第に狭くなる形状を有している。絞り溝224の始端224aには、入口流路用溝部210cに連通する貫通孔209が形成されている。この貫通孔209から導入された流体の流量は、弁座208に形成されたL字状の出口流路208aのZ軸を中心とする回転角度により制御される。
従って、流体流量を微小に調整するためには、弁座208を微小回転することが重要になる。しかし、回転による円周変位量は円半径と回転角度の積に比例するので、円半径が大きい場合には回転角度量は相対的に小さくなる。一般に、ニードル弁に限らず、図21の電動流量制御弁の場合にも、開弁直後の極めて僅かな円周変位量を精細に制御するには、回転角度もまた精細に制御する必要があるが、円半径が大きい場合には回転角度の調整を一層微細としなければならなくなり、それだけ微小流量制御が難しくなることを意味している。他方、円半径が小さい場合には、そのような円弧状絞り溝を正確に刻設することが逆に困難になる。従って、円弧状絞り溝では、円半径が必然的に大きくなり、微小角度制御の困難性が出現する。
図24は、従来型微小流量制御装置における弁本体の概略拡大説明図である。絞り溝224の始端224aから終端224bまでの長さをLとし、出口流路208aが形成する絞り溝224の開口断面225から絞り溝の終端224bまでの長さをLとする。開口部の長さLとその最大長さLとの比をL*とする。L*は0〜1の範囲で変化し、弁が直線的に移動する場合はリフトの無次元長さを意味する(相対トラベルともいう)。以下では、L*を無次元リフトと称する。
本発明者等は、図24に示される微小流量制御装置の弁開度と流量の関係、即ち流量特性が、流体の物性値及び最大流量の大きさによってどのように影響を受けるかについて検討した。なお、流量調整弁の流量特性は弁特性ともいわれ、これにはリニア特性とイコールパーセンテージ特性とがあり、通常、いずれかの特性を付与するように設計される。微小流量制御装置の流量特性にみられる基本的特徴を、リニア型の弁特性を付与する場合について説明する。図25は、弁特性をリニア型とするために絞り溝の断面積を流れの方向にどのように変化させる必要があるかについて示している。
図25は、従来型微小流量制御装置における絞り溝の直径Dと流量との相関図である。流体は粘度が0.0316Pa・sのトランス油で、流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、Lは10mm、絞り溝は長方形の断面を有し、高さ0.5mm一定で、溝の始端におけるアスペクト比(縦横比)が0.5の場合である。溝の断面積は、始端の位置における断面積に対する比、即ち無次元断面積A*の変化として示されている。また、流量は弁が全開したときの最大流量に対する比、即ち無次元流量Q*がとられている。リニア特性及びイコールパーセンテージ特性のいずれにおいても開弁直後に生じるQ*の値をQ* とすると、その逆数1/Q* は当該弁の流量調整能力を開弁直後の流量の倍数で表したときの大きさに相当しており、これをレンジアビリティ(以下、Rと書く)という。図25ではR=20の場合を示している。図が明らかにしているように、絞り溝の断面積は無次元リフトに対して単調に変化するのではなく、L*=0〜1の間で最大値を取る曲線となる。このことは、流路断面積の拡大部が出現することを意味する。一般的傾向として、流量が大きくなり、粘度が低くなるにつれて無次元断面積A*の最大値は著しく大きな値をとるようになる。従って、マイクロリアクタで問題とされる10ml/mあるいはこれ以下のきわめて微小な流量の場合には、粘度の比較的低い流体においても急峻なピークを持つ曲線となるという性質がある。このような性質は、溝の加工を困難にするだけでなく、流路断面積の急拡大に伴う流れの剥離を誘発し、流動特性を不安定にする可能性がある。また、使用条件の変化に対して、弁特性がリニア型から逸脱した流量変化をもたらすことになる。以上の性質は、弁特性がイコールパーセンテージ特性の場合についても同様に現れ、問題になりうるものである。
一方、特開2003−278934号(特許文献2)に記載されている電動流量制御弁は上部弁と下部弁から構成され、上部弁の開閉により流体圧力を下部弁に付加して弁の密閉性を高めている。しかし、特許文献1に記載の電動流量制御弁と機構的に同様であるから、流路断面積の急拡大に伴う流体の流れの剥離を誘発し、流動特性を不安定にするなどの上記問題点を有している。本発明者等はこの問題を解決すべく鋭意研究した結果、絞り溝の前段に流動圧力を付与することを着想して本発明を完成させたものである。
本発明の目的は、流体の微小流量を安定かつ正確に制御するために、図25に見られるような流れの急拡大部を形成することによる流動の不安定を誘起することなく、所要の弁特性を実現することにある。すなわち、絞り溝の入口側にエントランスチャンネルを付置することによって、絞り溝の断面積を流動方向に単調に変化させても所要の弁特性が実現できる微小流量制御装置を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり本発明の第1の形態は、流体を導入する流入路と、この流入路から導入された流体を始端から終端に向けて流動させる絞り溝と、この絞り溝を所望の位置まで密閉できる流量調整部材と、この流量調整部材により開口される前記絞り溝の所望断面である流体流出口と、この流体流出口から流出する流体を導出する流出路から構成され、前記絞り溝は始端から終端に向けて断面積が減少するように形成され、この絞り溝の始端位置に先行して流動抵抗を発揮させるエントランスチャンネルを形成した微小流量制御装置である。
本発明の第2の形態は、エントランスチャンネルの断面積は一定に形成され、その断面積は絞り溝の始端断面積と等しく形成される微小流量制御装置である。
本発明の第3の形態は、エントランスチャンネルの断面積は流体の流動方向に増大するように形成され、しかも絞り溝の始端断面積に連続するように形成される微小流量制御装置である。
本発明の第4の形態は、絞り溝は弁体の平面に直線状又は略直線状に形成され、流量調整部材は前記平面上を摺接する流量調整スライダであり、弁体と流量調整スライダを相対移動自在に設けた微小流量制御装置である。
本発明の第5の形態は、絞り溝は軸状部材の外周面に軸方向に形成され、流量調整部材は軸状部材の外周面に摺接する挿通孔を有した孔状部材であり、軸状部材と挿通孔を有した孔状部材を軸方向に相対移動自在に設けた微小流量制御装置である。
本発明の第6の形態は、絞り溝は回転可能な弁体の平面に同心的に円弧状に形成され、流量調整部材は前記平面に回転摺接可能な流量調整スライダであり、弁体と流量調整スライダを相対回転移動自在に設けた微小流量制御装置である。
本発明の第7の形態は、絞り溝の断面形状は半円形、半楕円形、三角形、矩形又は台形等の加工の可能な任意の形状で、前期絞り溝の深さが一定又は変化する形状である微小流量制御装置である。
本発明の第8の形態は、流量調整スライダに加圧装置が付設され、流量調整スライダと弁体平面との接触圧を調節できる微小流量制御装置である。
本発明の第9の形態は、流体を流通させる弁孔と、流体流出側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒と、前記弁孔開口縁と弁棒周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、弁棒を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁棒の先端に先端方向に向かって弁棒の断面積が等しいか増大するエントランス先端部を形成する微小流量制御装置である。
本発明の第10の形態は、流体を流通させる弁孔と、流体流入側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒と、この弁棒先端周縁と弁孔周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、前記弁棒先端を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁孔開口部に流体流入側に向かってエントランス部周りの流路開口部面積が等しいか減少するエントランス弁孔部を形成する微小流量制御装置である。
本発明の第1の形態によれば、流体の微小流量を制御する絞り溝の始端に先行してエントランスチャンネルが配置されているので、絞り溝に流入する前に制御される流体に流動抵抗が付与される。以下、エントランスチャンネルと区別するために絞り溝をメインチャンネルと称し、メインチャンネルとエントランスチャンネルとを総称して絞り溝と称す。弁の全開近傍における大きな開口断面が流体流出口として選択されても、流体にはその前段階で、エントランスチャンネルにより流動抵抗が付与されているから、流量の急激な変化を抑制することができる。エントランスチャンネルを付置することによって、メインチャンネルの断面積変化を直線に近いものとしても、所要のリニア型の弁特性を実現することができる。
本発明の第2の形態によれば、エントランスチャンネルの断面積は一定であるから、付与される抵抗の大きさはエントランスチャンネルの長さに比例する。この流動抵抗は、流体の粘度や密度などの物性、エントランスチャンネルの断面形状などにより変化する。このエントランスチャンネルの長さを調整することにより任意の流動抵抗を設定することができる。また、エントランスチャンネルの断面積はメインチャンネルの始端断面積と等しく形成されるので、流体の流線は乱れることがなく、しかもメインチャンネルの始端における流量の連続性を保証でき、微小流量を正確に制御することができる。
本発明の第3の形態によれば、エントランスチャンネルの断面積は流体の流動方向に増大するように形成されるので、付与される流動抵抗はエントランスチャンネルの距離に比例する以上に大きく形成することができる。従って、このエントランスチャンネルは、等断面で形成されているエントランスチャンネルよりも短く形成しても、同等の効果を発現することができる。また、メインチャンネルの始端断面に連続するように形成されるので、制御される流体の流線は乱れることがなく、微小流量を正確に制御することができる。
本発明の第4の形態によれば、流体の微小流量を制御する絞り溝(メインチャンネル及びエントランスチャンネル)が弁体の平面に形成され、この絞り溝が形成された弁体の平面に流量調整部材である流量調整スライダが摺接され、弁体と流量調整スライダが相対移動自在に設けられているので、流量調整スライダの位置を微小に変化させるだけで、流体の微小流量を容易に制御することができる。流体の漏洩防止のために前記流量調整スライダは前記弁体平面に密着摺接してもよいし、スライダと弁体平面間にパッキング等の漏洩防止用の中間部材を介装してもよい。絞り溝が直線状又は略直線状に形成され、その断面が絞り溝の始端から終端に向かって減少し、流動抵抗を生じる溝の長さは流量調整スライダを絞り溝の始端から終端に向かって移動させるにつれて増加するので、流量調整スライダを絞り溝の直線方向に微小変位することにより、流量調整スライダにより形成される絞り溝の断面積と長さを正確に微小変化させることができる。絞り溝の断面積の変化には絞り溝の幅だけでなく、その深さをも変化させて最適な断面積変化を付与することが可能である。従って、本発明に係る微小流量制御装置は流体の微小流量を容易に、しかも正確に制御することができる。更に、流体の微小流量を制御する絞り溝が直線状又は略直線状に形成されるから絞り溝の加工が容易である。
本発明の第5の形態によれば、流体の微小流量を制御する絞り溝が軸状部材の外周面に軸方向に形成され、流量調整部材が前記軸状部材の外周面に摺接する挿通孔を有した孔状部材で構成されているので、前記絞り溝と流量調整部材との密着度は高く、流体の漏流が発生することがない。従って、流体の微小流量を高精度に制御することができるだけでなく、絞り溝と流量調整部材との密着度を高める為の圧接装置が簡単になり、制御装置を安価に製作することができる。また、機構が簡単なので耐久性やメンテナンスにおいても利点がある。孔状部材の挿通孔の形状は軸状部材の形状と同一で、円形、楕円形、多角形等の加工上容易な形状を任意に設定できる。
本発明の第6の形態によれば、流体の微小流量を制御する絞り溝が回転可能な弁体の平面に円弧状に形成されるので、この弁体の平面に回転摺接可能な流量調整部材を回転制御するだけで、流体の微小流量を制御することができる。絞り溝が円弧状に形成されているので、直線状絞り溝よりも長く設定でき、流体の微小流量をより精密に制御することができる。また、弁体構造の小型化が可能となり駆動装置を含めた微小流量制御装置全体を小型化することができ、省エネルギーの観点からも利点がある。
本発明の第7の形態によれば、流体の微小流量を制御する絞り溝の断面形状は特定の形状とすることなく、半円形、半楕円、三角形、矩形又は台形等の各種に形成することができるので、加工方法に適した断面形状を選択できる。半円形の場合には、角部が無いため付着物を生じにくい利点がある。
本発明の第8の形態によれば、流量調整スライダに加圧装置を付設でき、流量調整スライダと弁体平面との接触圧を調節することができる。その結果、流体の一次側と二次側との圧力差に応じて流量調整スライダと弁体平面との接触圧を調節でき、流量調整スライダと弁体平面との高密着度を維持することができる。流体の漏流も発生することがないので、精度の高い流量制御が可能となり、流体の種類に応じて流量調整スライダと弁体平面との接触圧を調節して、流体の微小流量を正確に制御することができる。
本発明の第9の形態によれば、流体を流通させる弁孔と、流体流出側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒と、前記弁孔開口縁と弁棒周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、弁棒を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁棒の挿入側先端に先端方向に向かって等断面又は増加断面を有するエントランス先端部が形成されているので、制御される流体に流入段階で流動抵抗を付与することができる。流動抵抗を付与された流体は、弁の全開近傍で暴流することがなく、流量の単調制御が実現できる。流体の微小流量制御には種々の要因が関与しているが、特に流体の流量特性において、この微小流量制御装置の弁特性は好適である。この微小流量制御装置は、弁孔、弁棒及びエントランス先端部が軸対称に形成されているので、流体に生じる流動抵抗が軸対称性を有し、流体の流線が乱れることが少ない。従って、この微小流量制御装置の弁特性は、流体の微小流量を正確に制御する上で利点がある。
本発明の第10の形態によれば、流体を流通させる弁孔と、流体流入側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒の先端と、この弁棒先端周縁と弁孔周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、前記弁棒先端を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁孔開口部に流体流入側に向かって前記開口部の断面積が等しいか減少するエントランス弁孔部が形成されているので、制御される流体に流入段階で流動抵抗を付与することができる。流動抵抗を付与された流体は、弁の全開近傍で暴流することがなく、弁棒の軸方向の変位に応じて流体の微小流量を正確に制御することができる。この微小流量制御装置は、弁孔及び弁棒が軸対称に形成されているので、流体に生じる流動抵抗が軸対称性を有し、流体の流線が乱れることが少ない。従って、この微小流量制御装置は、流体の微小流量を正確に制御できる弁特性を有している。
以下に、本発明に係る電動流量制御弁の実施形態を図により説明する。
図1は本発明に係る微小流量制御装置の概略説明図である。微小流量制御装置の基本構造は、弁体23と弁体23の上面をスライドする流量調整スライダ12から構成されている。弁体23には流体の流量を調節するためにエントランスチャンネル24eとメインチャンネル24mで構成される付き絞り溝24が流量調整スライダ12と摺接する面に形成されているほか、流体の流入孔26と流出孔28が設けられている。メインチャンネル24mは始端24aから終端24bに向かって細く絞られている。メインチャンネル24mの始端24aにはエントランスチャンネル24eが配置され、流体に流動抵抗を付与することができる。流入孔26から矢印方向に導入された流体は、エントランスチャンネル付き絞り溝24に導かれてエントランスチャンネル24eで流動抵抗を付与され、続くメインチャンネル24mにて所要の微小流量に制御され、流出孔28から矢印方向へ流出する。
図2は本発明に係る微小流量制御装置の概略縦断面図である。制御される流体は弁体23に設けられた流入孔26から矢印方向へ流入し、エントランスチャンネル付き絞り溝24へ導かれる。流体にはエントランスチャンネル24eとメインチャンネル24mの始端24aから開口断面25までの間で流動抵抗を付与される。この流動抵抗のうちメインチャンネルによる流動抵抗は、流量調整スライダ12の水平移動に伴うメインチャンネル流路長Lqの伸縮によって調整され、流量制御がなされる。
図3は本発明に係るエントランスチャンネル付き絞り溝の断面斜視図である。(3A)は絞り溝の断面の形状が半円形又は半楕円形であるエントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(3B)はエントランスチャンネル付き絞り溝の断面の形状がV字型である絞り溝24の断面斜視図である。(3C)は絞り溝の断面の形状が長方形型であるエントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(3D)は絞り溝の断面の形状が逆台形型であるエントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。エントランスチャンネル付き絞り溝24はメインチャンネル24mとエントランスチャンネル24eから構成されている。メインチャンネル24mは始端24aの断面が最大で終端24bに行くほど小さくなるよう絞られ、始端24aと終端24bとの距離をLとする。エントランスチャンネル24eは、メインチャンネル24mの最大断面積に等しい等断面積をもって接続される空間から構成されている。(3A)において流量調整スライダ12の水平摺動により形成されるメインチャンネル24mの開口断面25とその終端24bとの長さをLとし、開口断面25の直径をDとすると、直径Dはエントランスチャンネル付き絞り溝24の軸方向変位により決定される。
図4は本発明に係る強化エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(4A)は絞り溝の断面の形状が半円形である強化エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(4B)は絞り溝の断面の形状がV字型である強化エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(4C)は絞り溝の断面の形状が箱型である強化エントランス付き絞り溝24の断面斜視図である。(4D)は絞り溝の断面の形状が逆台形型である強化エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。強化エントランスチャンネル付き絞り溝24はメインチャンネル24mと強化エントランスチャンネル24eから構成されている。 強化エントランス24eとは、エントランスチャンネルがメインチャンネル24mの始端24aに向かって広がった空間を有し、メインチャンネル24mの始端24aの断面と等断面で繋がって、エントランスチャンネルが付与する流動抵抗よりも高い流動抵抗を流体に付与できる。
図5は本発明に係るアール型エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。ここでアール型とはエントランスチャンネルの断面の拡がり方が直線的でなく曲線的であることを意味する。(5A)は絞り溝の断面の形状が半円形であるアール型エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(5B)は絞り溝の断面の形状がV字型であるアール型エントランス付き絞り溝24の断面斜視図である。(5C)は絞り溝の断面の形状が箱型であるアール型エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。(5D)は絞り溝の断面の形状が逆台形型であるアール型エントランスチャンネル付き絞り溝24断面斜視図である。アール型エントランスチャンネル24は、流動抵抗をより一層高めるためにエントランスチャンネルがメインチャンネル24mの始端24aに向かってアール状に広がった空間を有している。このアール形状は外側に向かったアール状でも、内側に向かったアール状のいずれでもよい。
図6はニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。(6A)は閉弁状態におけるニードル弁型微小流量制御装置の縦断面図である。ニードル弁型微小流量制御装置110は、針弁(軸状部材)123とこの針弁の外周面に摺接する挿通孔を有した孔状部材112から構成されている。針弁(軸状部材)123には絞り溝124が設けられ、流体の微小流量を制御するために、針弁(軸状部材)123の先端123aから基端123bに向かって断面積が減少するように形成されている。絞り溝124のメインチャンネル124mの終端124bと針弁123の基端123bとの間隔は限りなくゼロに近いものとする。(6B)は閉弁状態におけるニードル弁型微小流量制御装置のaa’線における断面図である。針弁(軸状部材)123に形成された絞り溝124が摺接する挿通孔を有した孔状部材112により密閉されている。(6C)は開弁状態におけるニードル弁型微小流量制御装置の縦断面図である。針弁123を上方に摺動させてその先端123aから導入された流体は、エントランスチャンネル124eに導かれて流動抵抗を付与され、メインチャンネル124mが呈する流動抵抗の大小により微小流量に制御され、開口断面25から矢印方向に流出する。
図7は本発明に係るロータリ型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。このロータリ型微小流量制御装置は円筒状の弁体23と流量調整ディスクスライダ12から構成されている。円筒状の弁体23には円弧状の絞り溝24が形成され、絞り溝24はメインチャンネル24mとエントランスチャンネル24eから構成されている。エントランスチャンネル24eはメインチャンネル24mの始端24aに先行して配置され、始端24aの断面と等しい断面の空間から構成されている。また、流体の流動抵抗をより高める為に前記始端24aに向かって広がりながら連続した断面から構成される強化エントランスチャンネル24eがある。流量調整ディスクスライダ12には流出誘導流路と一体となった流出口28が配置され、円筒状の弁体23には流入口26が配置されている。流体は流入口26から矢印方向へ導入されて、絞り溝24に導かれエントランスチャンネル24eを経てメインチャンネル24mの開口断面25の位置を調整することにより微小流量に制御される。制御された流体は、流量調整ディスクスライダ12に形成された流出誘導流路と一体となった流出口28より流出する。
図8は図7におけるロータリ型微小流量制御装置の組立分解斜視図である。このロータリ型微小流量制御装置は円筒状の弁体23と流量調整ディスクスライダ12から構成され、流量調整ディスクスライダ12が弁体23に対して摺動回転する機構となっている。流体の流量は、流量調整ディスクスライダ12に形成された流出誘導流路と一体となった流出口28の回転変位により形成されるエントランスチャンネル24eの入り口からメインチャンネル24mの開口断面25までの流動抵抗により微小に制御され、矢印O方向への回転変位で増加する一方、矢印S方向への回転変位で減少して流出口28から流出する。
図9は針弁の先端にエントランスチャンネルを付置したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。ニードル弁型微小流量制御装置110は針弁123と弁座112から構成され、針弁123の先端には円柱からなるエントランスチャンネル123eが付置されている。針弁123を上下に摺動して流体の流量を制御する。弁座112に設けられた流入孔126から矢印方向へ導入された流体は、針弁123の先端に付置されているエントランスチャンネル123eにより流動抵抗を付与される。流動抵抗を付与された流体は、針弁123の上下摺動に応じて正確に微小流量に制御されて、流入孔126の反対側に形成された流出孔128から流出する。付置されるエントランスチャンネル123eの端部の形状は、曲面でもよく任意の形状である。
図10は針弁の先端に強化エントランスチャンネルを付置したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。針弁型微小流量制御装置110は針弁123と弁座112から構成され、針弁123の先端には異形円柱からなる強化エントランスチャンネル123eが付置されている。強化エントランスチャンネル123eは針弁123の先端から広がった異型円柱から構成され、前記エントランスチャンネルより高い流動抵抗を流体に付与できる。弁座112に設けられた流入孔126から矢印方向へ導入された流体は、強化エントランスチャンネル123eによりエントランスチャンネルが付与する流動抵抗より高い流動抵抗を付与される。この流体は、針弁123の上下摺動に応じて正確に微小流量に制御され、流入孔126の反対側に形成された流出孔128から流出する。付置される強化エントランスチャンネル123eの端部の形状は、曲面でもよく任意の形状である。
図11は弁座にエントランスチャンネルを形成したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。ニードル弁型微小流量制御装置110は弁座112と針弁123から構成されている。弁座112に形成された流入孔126の断面は針弁123の基端123aの断面より大きく形成され、流出孔128の断面は針弁123の先端123bの断面より小さく形成され、全体として断面が、流入孔126から流出孔128へと減少している。この減少の形状が直線的でも曲線的でもよい。流入孔126には等断面からなるエントランス弁孔112eが設けられて、流入孔126から導入された流体に流動抵抗を付与し、針弁123の上下摺動により形成される弁座112と針弁123との環状間隙125の大小により微小流量に制御され、弁座112の流入孔126の対向側に設けられた流出孔128から流出する。
図12は弁座に強化エントランスチャンネルを形成したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。流入孔126には流出孔128に向かって断面が増加するように形成された強化エントランスチャンネル112eが設けられ、流入孔126から導入された流体に前記エントランスチャンネルより高い流動抵抗を付与することができる。流動抵抗を付与された流体は前記と同様、針弁123の上下摺動により形成される弁座112と針弁123との環状間隙125の大小により微小流量に制御され、弁座112の流入孔126の対向側に設けられた流出孔128から流出する。強化エントランスチャンネル112eの形状は直線状でも曲線状でもよい。
実施例として、本発明に係る微小流量制御装置の駆動体に圧電体を用いた場合と、ステップモーターを用いた場合を挙げた。これらの微小流量制御装置の弁本体は全く同構造である。
図13は実施例1における圧電体の駆動による微小流量制御装置の縦断面図である。微小流量制御装置2は弁本体10とそれを作動させる駆動体30から構成され、駆動体30は弁本体10にボルトなど一般的な方法で固着されている。例えば、接着法、融着法、圧着法などが利用できる。
弁本体10はブロックAとブロックBから形成され、ブロックAには流量調整スライダ12が配置され、ブロックBは弁体23を構成し流量調整スライダ12との摺接面に絞り溝24が形成されている。流量調整スライダ12にはコイルバネ16が配置され、圧力板14を介して流量調整スライダ12に鉛直方向の分力を付与している。圧力板14と流量調整スライダ12との間には緩衝材22が設けられ、流量調整スライダ12の水平方向運動の円滑性と鉛直方向の分力の調整を図っている。弁体23には流入口26と流出口28が配置され、流入口26は絞り溝24の始端24aと連通している。流入口26から導入された流体は、終端24bが絞られた絞り溝24を通過して、流量調整スライダ12により形成された絞り溝24の始端24aから開口断面25までの流動抵抗の大きさにより制御され、流量調整スライダ12に形成された凹部18を経て流出口28から流出する。
弁本体10を作動させる駆動体30は、円筒状部材31から構成され内部に弁棒32が配置されている。円筒状部材31と弁棒32との間には押圧バネ34が設けられ、ロッド20を介して基準位置である流量停止位置に流量調整スライダ12を移動している。積層圧電体36に電圧を印加すると積層圧電体36の長さが伸び、弁本体10に固定された固定部38を基準面とし、弁棒32が矢印方向に移動して、ロッド20を介して流量調整スライダ12を同方向に摺動させる。具体的な仕様においては適宜調製するものとする。
図14は実施例1に係る微小流量制御装置の流量停止位置における弁本体の拡大縦断面図である。調整スライダ12に形成された凹部18の外縁部18aにより絞り溝24は遮蔽されるので、流入口26は密閉され導入された流体は停止する。弁体23と流量調整スライダ12の密着度はコイルバネ16により圧力板14を介して形成される。圧力板14と流量調整スライダ12との間には緩衝材22が設けられ、コイルバネ16の圧力を適度に調整している。流量調整スライダ12は圧電体の水平方向の移動により、ロッド20を介して水平方向に摺動する。
図15は実施例1に係る微小流量制御装置の流量制御位置における弁本体の拡大縦断面図である。弁体23に摺接する流量調整スライダ12をロッド20により矢印の方向へ摺動して、流量調整スライダ12に形成された凹部18を介して流入口26と流出口28は連通し、流入口26から導入された流体の流量は流量調整スライダ12に設けられた凹部18の外縁部18aにより形成された開口断面25から絞り溝24の始端24aまでの流動抵抗の大きさにより制御され、凹部18を経て流出口28から流出する。
本実施例においては、密閉性及び磨耗性の観点から弁体23には耐食性を有する金属を使用し、流量調整スライダ12には軟質性の弾力性に富む合成樹脂を使用したが、密閉性及び磨耗性を有するならばその材質は問わない。緩衝材22の材質は流量調整スライダ12の水平方向運動の円滑性と鉛直方向の分力の調整を確保できる、弾力性に富む合成樹脂が好ましい。圧力板14の材質には耐食性を有する金属又は硬質の合成樹脂を使用する。
図16は実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の縦断面図である。ステップモータによる微小流量制御装置60は、弁本体70と弁本体70を制御する回転駆動体80と回転駆動体80を外包するケース90の外周に配置された電動コイル100から構成されている。弁本体70の構造は前記本実施形態1と同様であるので、以下の記述において弁本体については、実施例1と同じ図番号を使用する。
回転駆動体80はマグネット82と一体的に形成されたロータ84と、ロータ84の回転運動を上下運動に変換するマイクロネジ86から構成されており、ロータ84は合成樹脂製で軽量に形成され、ケース90の軸受け92とマイクロネジ86の上端部により支持され、水平方向に回転する構造になっている。マイクロネジ86は軸受け台87にベアリング88により固定され、ロータ84の回転運動を鉛直方向の運動に微小変換でき、ロッド20を介して弁本体の流量調整スライダを微小摺動させることができる。
図17は実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の弁本体の拡大縦断面図である。弁本体70の構造は実施例1と同様であるが、ロッド20を鉛直軸方向に配置できるので、流入口26及び流出口28を水平方向に配置できる。
図18は実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の弁本体の拡大斜視図である。弁本体10の構造は実施例1と同様であり、ブロックAとブロックBから構成され、ブロックAには流量調整スライダ12が配置され、ロッド20を介して鉛直方向に移動する構造になっている。ブロックBは弁本体10のベースとなる弁体23を構成し、流入口26と流出口28が設けられている。絞り溝24は流量調整スライダ12に摺接するよう形成され、絞り溝24の基端部(最大断面部)で流入口26と結合している。弁本体10のブロックAとブロックBはボルトなどで接合され、弁本体10の気密性はOリングなどにより保持されている。
図19は実施例におけるエントランスチャンネル付き微小流量制御装置の弁本体の概略説明図である。Lは絞り溝24のメインチャンネルの距離を示し、Leはエントランスチャンネルの距離で、Lは絞り溝24の終端24bと流量調整スライダ12の末端との距離(リフト)を示す。Dは絞り溝24の半円形断面の直径を示し、流量調整スライダ12を矢印方向に摺動することによりリフトL及び絞り溝24の直径Dは増加する。流体としてトランス油を用いて、リフトLと絞り溝の直径及び流量との相関関係を調べて、その結果を図20に示した。
図20は実施例におけるエントランスチャンネル付き微小流量制御装置における、流量調整スライダの軸方向変化に対する絞り溝の直径(半円形断面)と流量との相関図である。横軸は無次元リフト(L*=L/L)を示し、縦軸は絞り溝24の直径D(mm)と流量Q(ml/m)を示している。流体の種類はトランス油(粘度μ:0.0316Pa・s)で、流入口と流出口との圧力差は0.1MPaで、メインチャンネルの長さLとエントランスチャンネルの長さLeは10mmである。
図20における弁特性は、レンジアビリティRが無限大(流量が開弁直後で0、弁の全開時に100%となるように流量調製ができる特性)で、リニア特性を呈する場合を示している。一般に、このような弁特性を付与するためには溝の軸線に沿うメインチャンネルの断面積変化が複雑な曲線になるが、図の場合にはエントランスチャンネル効果によって直線的に変化する断面積となり、半円形の直径としては無次元長さL*の平方根に比例する曲線となっている。図20の例にみられるように、エントランスチャンネルの長さを適切に与えれば、メインチャンネルの軸方向断面積変化を直線もしくは単調に変化する曲線とすることによって所要の弁特性を実現することができる。チャンネルの断面積変化を単純化することは、絞り溝の加工を容易にし、より正確な弁特性を付与することに寄与するものである。
全ての実施例において、液漏れ又はガス漏れを防止するために、前記流量調整スライダを前記弁体又は軸状部材と密着して摺接するように配設するか、若しくは前記流量調整スライダと弁体又は軸状部材との間に漏れ防止用のパッキング材を挿入してもよい。本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を構成する成分要素を含んでおれば本発明の作用及び効果を奏するものである。従って、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更なども本発明の技術的範囲内に抱合されることは云うまでもない。
本発明に係る微小流量制御装置は流体の微小流量を正確に制御できるので、マイクロサイズやナノサイズのリアクタ管の超微細技術分野のみならず、ファインケミカル分野、ナノ技術分野、バイオ技術分野などの広範囲の先端技術分野に活用することができる。
本発明に係る微小流量制御装置の概略説明図である。 本発明に係る微小流量制御装置の概略縦断面図である。 本発明に係るエントランスチャンネル付き絞り溝の断面斜視図である。 本発明に係る強化エントランスチャンネル付き絞り溝24の断面斜視図である。 本発明に係るアール型エントランスチャンネル付き絞り溝の断面斜視図である。 ニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 本発明に係るロータリ型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 図7におけるロータリ型微小流量制御装置の組立分解斜視図である。 針弁の先端にエントランスチャンネルを付置したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 針弁の先端に強化エントランスチャンネルを付置したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 弁座にエントランスチャンネルを形成したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 弁座に強化エントランスチャンネルを形成したニードル弁型微小流量制御装置の概略拡大説明図である。 実施例1に係る圧電体の駆動による微小流量制御装置の縦断面図である。 実施例1に係る微小流量制御装置の流量停止位置における弁本体の拡大横断面図である。 実施例1に係る微小流量制御装置の流量制御位置における弁本体の拡大横断面図である。 実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の縦断面図である。 実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の弁本体の拡大縦断面図である。 実施例2に係るステップモータの駆動による微小流量制御装置の弁本体の拡大斜視図である。 実施例におけるエントランスチャンネル付き微小流量制御装置の弁本体の概略説明図である。 実施例におけるエントランスチャンネル付き微小流量制御装置における、流量調整スライダの軸方向変化に対する絞り溝の直径と流量との相関図である。 特許文献1に記載されている従来の電動流量制御弁の縦断面図である。 図21の電動流量制御弁における弁本体の組立分解斜視図である。 図21の電動流量制御弁における弁本体の金属弁222に形成された絞り溝224の平面図である。 従来型微小流量制御装置における弁本体の概略拡大説明図である。 従来型微小流量制御装置における絞り溝の直径Dと流量との相関図である。
符号の説明
2 微小流量制御装置
10 弁本体
12 流量調整スライダ
14 圧力板
16 コイルバネ
18 貯留部
20 ロッド
22 緩衝材
23 弁体
24 絞り溝
24a 始端
24b 終端
24e エントランスチャンネル
24m メインチャンネル
25 開口断面
26 流入口
28 流出口
30 駆動体
31 円筒状部材
32 弁棒
34 押圧バネ
36 積層圧電体
38 固定部
60 ステップモータによる微小流量制御装置
70 弁本体
80 回転駆動体
82 マグネット
84 ロータ
86 マイクロネジ
87 軸受け台
88 ベアリング
90 ケース
100 電動コイル
110 ニードル弁型微小流量制御装置
112 挿通孔を有した孔状部材
112a 外縁部
112e エントランス弁孔
123 針弁(軸状部材)
123a 先端
123b 基端
123e エントランスチャンネル
124 絞り溝
124a 始端
124b 終端
124e エントランスチャンネル
124m メインチャンネル
125 環状間隙
200 電動流量制御弁
201 ロータ組立体
202 弁本体組立体
203 マグネット
204 ロータ
206 コイル組立体
207 弁室
208 弁座
208a 出口流路
209 貫通孔
210 弁体
210c 入口流路用溝部
212 出口継手
214 入口継手
222 金属弁
224 絞り溝
224a 絞り溝の始端
225 開口断面
A 断面積
* 無次元断面積
D 直径
* 無次元リフト
L リフト
メインチャンネルの全長
Le エントランスチャンネルの長さ
Lq 流体の流路長
Q 流量
無次元流量
開弁直後の無次元流量
R 半径
レンジャビリティ

Claims (10)

  1. 流体を導入する流入路と、この流入路から導入された流体を始端から終端に向けて流動させる絞り溝と、この絞り溝を所望の位置まで密閉できる流量調整部材と、この流量調整部材により開口される前記絞り溝の所望断面積である流体流出口と、この流体流出口から流出する流体を導出する流出路から構成され、前記絞り溝は始端から終端に向けて断面積が減少するように形成され、この絞り溝の始端位置に先行して流動抵抗を発揮させるエントランスチャンネルを形成することを特徴とする微小流量制御装置。
  2. 前記エントランスチャンネルの断面積は一定に形成され、その断面積は前記絞り溝の始端断面積と等しく形成される請求項1に記載の微小流量制御装置。
  3. 前記エントランスチャンネルの断面積は流体の流動方向に増大するように形成され、しかも絞り溝の始端断面積に連続するように形成される請求項1に記載の微小流量制御装置。
  4. 前記絞り溝は弁体の平面に直線状又は略直線状に形成され、前記流量調整部材は前記平面上を摺接する流量調整スライダであり、弁体と流量調整スライダを相対移動自在に設けた請求項1、2又は3に記載の微小流量制御装置。
  5. 前記絞り溝は軸状部材の外周面に軸方向に形成され、前記流量調整部材は前記軸状部材の外周面に摺接する挿通孔を有した孔状部材であり、軸状部材と挿通孔を有した孔状部材を軸方向に相対移動自在に設けた請求項1、2又は3に記載の微小流量制御装置。
  6. 前記絞り溝は回転可能な弁体の平面に同心的に円弧状に形成され、前記流量調整部材は前記平面に回転摺接可能な流量調整スライダであり、弁体と流量調整スライダを相対回転移動自在に設けた請求項1、2又は3に記載の微小流量制御装置。
  7. 前記絞り溝の断面形状は半円形、半楕円形、三角形、矩形又は台形等の加工の可能な任意の形状で、前期絞り溝の深さが一定又は変化する形状である請求項1、2又は3に記載の微小流量制御装置。
  8. 前記流量調整スライダに加圧装置が付設され、流量調整スライダと弁体平面との接触圧を調節できる請求項4,6又は7に記載の微小流量制御装置。
  9. 流体を流通させる弁孔と、流体流出側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒と、前記弁孔開口縁と弁棒周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、弁棒を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁棒の先端に先端方向に向かって弁棒の断面積が等しいか増大するエントランス先端部を形成することを特徴とする微小流量制御装置。
  10. 流体を流通させる弁孔と、流体流入側となる前記弁孔の開口部から弁孔内に進退自在に挿入される弁棒と、この弁棒先端周縁と弁孔周面により形成される流体流出口となる環状開口部と、前記弁棒先端を弁孔内に進入させるに従って前記環状開口部の面積が減少する微小流量制御装置において、前記弁孔開口部に流体流入側に向かってエントランス部周りの流路開口部面積が等しいか減少するエントランス弁孔部を形成することを特徴とする微小流量制御装置。
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