JP2007162788A - エントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法、 - Google Patents

エントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法、 Download PDF

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Abstract

【目的】 流体の微小流量を正確に制御し、流体流動の不安定を誘起することなく所望の弁特性を実現し、前記流体流量を制御する絞り溝が簡単な形状を有する微小流量制御装置の設計方法を提供することである。
【構成】 流体を導入する流入路12と、導入された流体を始端から終端に向けて流動させるメイン絞り溝6が形成された弁体2と、流量調整部材により任意断面で開口される流体流出口20と、この流体流出口20から流出する流体を導出する流出路14から構成される微小流量制御装置において、前記メイン絞り溝6の始端位置に連通的に先行するエントランス絞り溝8を設け、前記エントランス絞り溝8及びメイン絞り溝6を流動する流体の運動量方程式から導出された関係式に基づいて所望の流動抵抗を発揮するようにエントランス絞り溝8の寸法を決定するエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体や気体の流量を制御する流量制御装置に関し、更に詳細には、マイクロサイズ等の極微小サイズの流路・流体動作環境・反応器等における流体(液体や気体)の微小流量を制御する微小流量制御装置の設計方法に関する。
近年、化学反応システムの微小化及び集積化が合成化学、分析化学、半導体産業及びバイオテクノロジー産業における新たな技術的課題として注目されており、免疫分析システム、環境分析システム、細胞生化学実験システム、化学気相成長システム及び合成化学実験システム等の化学反応制御の高精度化及び効率化において重要な役割を果たすと考えられる。こうした技術動向の中で、反応容積がナノリッターからマイクロリッターの微細空間における化学反応、いわゆるマイクロリアクタを対象として反応収率の向上、反応時間の短縮、環境負荷の軽減などを目的とした新しい研究開発が推進されようとしている。このような微細空間に供給する液体あるいは気体については、既存の技術にはない微小で正確な流量制御が不可欠とされている。
従来、流体の微小流量調整に使用される弁の形式としては、通常、ニードル弁タイプが用いられる。ニードル弁は、弁の開放後に流量が急激に増大するため、前記した微細空間に供給される流量、例えば、液体については最大流量が10mL/min〜1mL/min、気体については1〜0.01sccmの微小流量を調整する手段として使用することは困難であり、従ってこのような目的に適した新しい微小流量制御技術の開発が必要となっている。
ニードル弁タイプとは異なる方式の微小流量制御弁の先行技術として、特開2001−187977号(特許文献1)及び特開2003−278934号(特許文献2)が公表されている。この先行技術のいずれもが流体の流量を制御する絞り溝を円弧状に配置した形状を特徴としている。
特開2001−187977号公報 特開2003−278934号公報
図21は、特許文献1に記載されている従来の流量制御弁の組立分解斜視図である。弁本体は中心軸Zを中心として弁座110と弁体103から構成され、弁座110と弁体103との間には絞り溝104を形成した金属弁102が配置されている。弁座110には出口流路114が設けられ、弁体103には入口流路用溝部103aが形成されている。流体は弁体110に形成された入口流路用溝部103aを経て、金属弁102に形成された絞り溝104に導かれ、弁座110にある出口流路114の軸Zを中心とする回転角度により流量を制御され、弁座に形成されたL字状の出口流路114から弁出口114aへ導かれる。この弁座110の回転は上部に配置されたステップモータにより行われる。
図22は、図21の金属弁102に形成された絞り溝104の平面図である。Z軸を中心として半径rの円弧上に絞り溝104が形成され、深さhは一定で、幅Wは先端部が最大で後端部に向かって次第に狭くなる形状を有している。絞り溝104の始端位置には、入口流路用溝部103a(図23)に連通する貫通孔113が形成されている。この貫通孔113から導入された流体の流量は、弁座110に形成されたL字状の出口流路114のZ軸を中心とする回転角度により制御される。
従って、流体流量を微小に調整するためには、弁座114を微小回転することが重要になる。しかし、回転による円周変位量は円半径と回転角度の積に比例するので、円半径が大きい場合には回転角度量は相対的に小さくなる。一般に、ニードル弁に限らず、流量制御弁の場合、開弁直後の極めて僅かな円周変位量を精細に制御するには、回転角度もまた精細に制御する必要があるが、円半径が大きい場合には回転角度の調整を一層微細としなければならなくなり、それだけ微小流量制御が難しくなることを意味している。他方、円半径が小さい場合には、そのような円弧状絞り溝を正確に刻設することが逆に困難になる。従って、円弧状絞り溝では、円半径が必然的に大きくなり、微小角度制御の困難性が出現する。
絞り溝104の始端位置104aから終端位置104bまでの長さをLとし、出口流路114aが形成する絞り溝104の開口断面114bから絞り溝の終端104bまでの長さをLとする。開口部の長さLとその最大長さLとの比をL*とする。L*は0〜1の範囲で変化し、弁が直線的に移動する場合はリフトの無次元長さを意味する(相対トラベルともいう)。以下では、L*を無次元リフトと称する。
本発明者は、微小流量制御装置の弁開度と流量の関係、すなわち流量特性が所要の特性となるためには絞り溝の断面積を流路に沿ってどのように変化させる必要があるかについて解析を行い、流体の物理的性質、弁の前後の圧力差、絞り溝の断面形状、また、断面形状が長方形である場合には溝の高さとアスペクト比(縦横比)、溝の長さ等、各種の設計パラメータの相違によって絞り溝の断面積の軸方向変化にみられる特徴を調査した。なお、流量調整弁の流量特性は弁特性ともいわれ、これにはリニア特性とイコールパーセンテイジ特性とがあり、通常、いずれかの特性を付与するように設計される。微小流量制御装置の流量特性にみられる基本的特徴を、リニア型の弁特性を付与する場合について説明する。図23は、流体の物性値として20℃の水を基準とし、粘性係数がこの水の10倍及び20倍となった場合に、弁特性を所要のリニア型とするために絞り溝の断面積を流れの方向にどのように変化させる必要があるか、について示している。
図23は、従来型微小流量制御装置において、絞り溝の全長を基準とした無次元長さL(弁の全開時にL=1となるように溝の長さをとれば、Lは無次元リフトに相当する)を横軸とし、任意の位置の断面積と溝の入口断面積との比(無次元断面積A)と、弁の全開時の流量を基準とした無次元流量Q(体積流量比)とをそれぞれ縦軸にとった相関図である。絞り溝断面の形状は長方形であり、その全長L0は10mm、高さHは0.5mm一定で、溝のアスペクト比Caが絞り溝の入口において1.5の場合である。また、弁の入口と出口の圧力差は、0.001MPa(全開時の流量は約12mL/min)としている。通常、リニア特性及びイコールパーセンテイジ特性のいずれにおいても開弁直後に生じるG*(質量流量比:液体の場合はQと同じ)の値をG とすると、その逆数1/G は当該弁の流量調整能力を開弁直後の流量の倍数で表したときの大きさに相当しており、これをレンジアビリティ(以下、Rと書く)という。図25ではR=20の場合を示している。絞り溝の断面積は無次元リフトに対して単調に変化するのではなく、図25に示されるようにL=0〜1の間で最大値を取る曲線となることがあり、粘度の増加に伴ってより急峻なピークを持つ曲線となる。一般的傾向として、無次元断面積Aの最大値は、溝の深さの減少、及び溝の入口におけるアスペクト比の増加とともに大きくなる。これらのことは、流量が小さいほどAの最大値が大きくなることを意味している。従って、マイクロリアクタで問題とされる10mL/min、あるいはこれ以下のきわめて微小な流量の場合には、粘度の比較的低い流体においても顕著なピークを持つ曲線となるという性質がある。このような性質は、溝の加工を困難にするだけでなく、流路断面積の急拡大に伴う流れの剥離を誘発し、流動特性を不安定にする可能性がある。また、使用条件の変化に対して、弁特性がリニア特性型から逸脱した流量変化をもたらすことになる。以上の性質は、弁特性がイコールパーセンテイジ特性の場合についても同様に現れ、問題になり得るものであった。
一方、特開2003−278934号(特許文献2)に記載されている電動流量制御弁は上部弁と下部弁から構成され、上部弁の開閉により流体圧力を下部弁に付加して弁の密閉性を高めている。しかし、特許文献1に記載の電動流量制御弁と機構的に同様であるから、流路断面積の急拡大に伴う流体の流れの剥離を誘発し、流動特性を不安定にするなどの上記問題点を有している。本発明者はこの問題を解決すべく鋭意研究した結果、絞り溝の前段に流動抵抗を付与することを着想し、この流動抵抗を付与する絞り溝の構造を設計する方法を流体力学理論に基づいて導出し、本発明を完成させたものである。
本発明の目的は、流体の微小流量を安定かつ正確に制御するために、図23に見られるような流れの急拡大部を形成することによる流動の不安定を誘起することなく、所要の弁特性を実現することにある。すなわち、適切な大きさの流動抵抗を発揮するエントランス絞り溝をメイン絞り溝の入口側に付置することにより、メイン絞り溝の断面積を流動方向に単調に変化させるという条件の下で、所要の弁特性が実現できる微小流量制御装置の設計方法を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、流体を導入する流入路と、この流入路から導入された流体を始端から終端に向けて流動させるメイン絞り溝が形成された弁体と、このメイン絞り溝を任意の位置まで密閉できる流量調整部材と、この流量調整部材により前記メイン絞り溝の任意断面で開口される流体流出口と、この流体流出口から流出する流体を導出する流出路から構成される微小流量制御装置において、前記メイン絞り溝の始端位置に連通的に先行するエントランス絞り溝を設け、前記エントランス絞り溝及びメイン絞り溝を流動する流体の運動量方程式から導出された関係式に基づいて所望の流動抵抗を発揮するようにエントランス絞り溝の寸法を決定するエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記メイン絞り溝の断面積が始端から終端に向かって単調に減少するとき、前記流体流出口の位置が始端から終端に向かって移動するに従い、前記流体流出口から流出する流体の流量が単調に減少するように、前記エントランス絞り溝の寸法を決定するエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記流体の運動量方程式が、
uρ(du/dz)+(λ/D)(1/2)uρ+dP/dz=0
(ここで、uは流速、ρは密度、zは流体の流動方向座標、λは摩擦係数、Dは絞り溝断面積の等価直径、Pは圧力)で表されるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第4の形態は、前記第3の形態において、前記運動量方程式が
u=G/(ρA)及びλ=64μA/(GD
(ここで、Gは質量流量、ρは流体の密度、Aは流体流出口の断面積、μは流体の粘性係数)に基づいて演算されるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第5の形態は、前記第4の形態において、前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、L=1における(dG/dL)の値を(dG/dLL*=1としたとき、エントランス絞り溝の臨界長さLEC
EC=L/(dG/dLL*=1
で与えられるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第6の形態は、前記第5の形態において、前記流体が非圧縮性流体であり、メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に相似形であるとき、弁特性がG=Lで表されるリニア型に対する臨界長さLEC
EC=L
とするエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第7の形態は、前記第4の形態において、前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、前記メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に非相似形で、弁特性がリニア型であるとき、前記臨界長さLEC
EC=L/(dG/dL
で与えられるエントランス付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第8の形態は、前記第5又は第7の形態において、弁特性が
=G +(1−G )L
(ここで、G はL=0におけるGの値)で表されるリニア型であり、G =1/R(1≦R≦∞)で表されるとき、前記臨界長さLEC
EC=L/(1−1/R
で与えられるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第9の形態は、前記第5又は第7の形態において、弁特性が
=G *(1−L*)
(ここで、G はL=0におけるGの値)で表されるイコールパーセンテイジ型であり、G =1/R(1≦R≦∞)で表されるとき、前記臨界長さLEC
EC=L/lnR
で与えられるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第10の形態は、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記エントランス絞り溝の断面積が前記メイン絞り溝の始端位置に向かって単調に増加するエントランス絞り溝を具備するエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第11の形態は、前記第10の形態において、前記エントランス絞り溝の断面積A(z)が流動方向座標zに沿って線型に増加し、前記断面積A(z)が
(z)=AEQ+{(AE0−AEQ)/LEQ}・z
(ここで、AEQはエントランス絞り溝の始端断面積、AE0は前記メイン絞り溝の始端位置に最近接するエントランス絞り溝の終端断面積、LEQはエントランス絞り溝の長さ、zは流体の流動方向座標)で与えられるエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第12の形態は、前記第11の形態において、前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、始端の位置をL=L、流体流出口がL=0にあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、G =G/G、R=1/G とし、前記エントランス絞り溝内の摩擦圧力降下が,前記臨界長さLECを有する一様な断面積のエントランス絞り溝の呈する摩擦圧力降下に等価な大きさをとるものとして得られる下記のエントランス絞り溝の長さ
EQ=(AEQ/AE0){L/(1−G )}
=(AEQ/AE0){L/(1−1/R)}
をもつエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法である。
本発明の第1の形態によれば、微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の始端位置に先行して連通的に設けられたエントランス絞り溝の寸法が絞り溝内を流動する流体の運動量方程式から導出された関係式に基づいて決定されるから、本発明に係る設計方法により設計されたエントランス絞り溝を配設することにより、単純な構造を有し、所要の弁特性を実現するメイン絞り溝断面の寸法を決定することができる。すなわち、前記関係式に基づいて所望の弁特性に適合した流動抵抗を発揮するエントランス絞り溝の寸法を決定するから、所要の弁特性を実現するためにメイン絞り溝の断面積を軸方向に急峻に、あるいは微妙に変化させる必要がなく、軸方向に単調に変化するメイン絞り溝の断面積の寸法を決定することができる。また、前記エントランス絞り溝の寸法を決定する関係式は、所要の弁特性を付与するという条件の下で、前記運動量方程式から導出することができる。また、本発明に係る設計方法により設計されたエントランス絞り溝を配設することにより、単純な構造を有するメイン絞り溝を具備する微小流量制御装置により、高精度な微小流量の制御を簡易に行うことができる。更に、前記メイン絞り溝が単純な構造を有することにより、高精度な微小流量制御装置を容易に製造することができ、微小流量制御装置の製造コストを低減することができる。
本発明の第2の形態によれば、断面積が始端から終端に向かって単調に減少するメイン絞り溝が形成された微小流量制御装置により、前記流量を高精度に調整できる。前述のように、従来の微小流量制御装置では、流量調整部材を移動することにより流量の単調減少を実現するためには、メイン絞り溝の始端近傍を急激に窄ませる必要があったが、本発明に係るエントランス絞り溝を連通的に設けることにより、断面積が単調に変化するメイン絞り溝によって所要の流量特性を実現することができる。前記断面積が単調に減少するメイン絞り溝は前記弁体に形成することが容易であり、設計されたメイン絞り溝の形状を高精度で加工することができる。従って、高精度な微小流量制御装置を提供できると共に、製作上の歩留まりを格段に向上させることができる。
本発明の第3の形態によれば、前記流体の運動量方程式として、
uρ(du/dz)+(λ/D)(1/2)uρ+dP/dz=0 ・・・(1)
(ここで、uは流速、ρは密度、zは流体の流動方向座標、λは摩擦係数、Dは絞り溝断面積の等価直径、Pは圧力)を適用することによって、前記関係式を導出することができる。ここで、任意の断面形状を有する絞り溝に対しては、D=4A/Uで定義される等価直径Dを用いる。
本発明の第4の形態によれば、流速uが
u=G/(ρA)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
と表されるから、前記関係式は、絞り溝の断面積A及び質量流量Gを変数又はパラメータとして含むことができ、所望の弁特性とエントランス絞り溝の寸法の関係を明確に表すことができる。更に、前記絞り溝内の流動を層流とみなすことにより、前記摩擦係数λが流体のレイノルズ数Reにのみに依存して
λ=64/Re・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、レイノルズ数は次式で定義される。
Re=Du/(μ/ρ)) ・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
従って、
λ=64μA/(GD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
となるから、前記摩擦係数λを容易に導出することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、前記L=Lにおけるメイン絞り溝の断面積をA、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、L=1における(dG/dL)の値を(dG/dL)L*=1としたとき、エントランス絞り溝の臨界長さLEC
EC=L/(dG/dL)L*=1 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
で与え、所望の弁特性の下で、前記運動量方程式を解くことによってメイン絞り溝の無次元断面積A(=A/A)を決定することができる。このようにして得られるAは、L=1の近傍においてG=Aとなり、更にAは軸方向に単調に変化するという特徴を有する。このような設計手法は、流体の圧縮性の有無、絞り溝の断面形状が軸方向に相似形であるか否か、また弁特性がリニア型であるかイコールパーセンテイジ型であるか否かを問わず、適用できるものである。
本発明の第6の形態によれば、前記流体が非圧縮性流体であり、メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に相似形であるとき、弁特性がG=Lで表されるリニア型に対する臨界長さLEC
EC=L ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
と与え、A=Lとすることによって、G=Lとなる弁特性を実現することができる。臨界長さLECがLEC=Lに設定されたエントランス絞り溝と、これに連通するメイン絞り溝から構成される流路に対して前記運動量方程式を適用すると、弁特性とメイン絞り溝の無次元断面積Aとの関係として、G=A=Lが導出される。従って、前記エントランス絞り溝をLEC=Lに設定すれば、前記メイン絞り溝の断面の寸法をA=Lとなるように決定することにより、流量Gが流体流出口の位置Lの定数倍となる単純な弁特性を前記微小流量制御装置に付与することができ、高精度な微小流量の制御を容易に行なうことができる。
本発明の第7の形態によれば、前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、前記メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に非相似形であり、弁特性がリニア型であるとき、前記臨界長さLEC
EC=L/(dG/dL)・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
で与え、所望の弁特性の下で前記運動量方程式を解くことによって軸方向に単調に変化するメイン絞り溝の無次元断面積Aを決定することができる。
本発明の第8の形態によれば、弁特性が
=G +(1−G )L・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
で表されるリニア型のときには、前記臨界長さLEC
EC=L/(1−1/R) ・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
で与えられるから、前記メイン絞り溝の長さL及びレンジアビリティRを与えれば、前記リニア型の弁特性を付与するエントランス絞り溝の臨界長さを簡易に決定することができる。無次元流量G* は弁の流量調整能力を開弁直後の流量の倍数で表したときの大きさに相当しており、レンジアビリティRは、G* の逆数1/G* で定義され、全閉状態(L=0)近傍における弁特性を特徴付ける量である。
本発明の第9の形態によれば、弁特性が
=G *(1−L*)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
で表されるイコールパーセンテイジ型であり、G はL=0におけるGの値でG =1/R(1≦R≦∞)で表されるとき、前記臨界長さLEC
EC=L/lnR・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
で与えられるから、イコールパーセンテイジ型の弁特性を実現するエントランス絞り溝の長さを決定することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記エントランス絞り溝の終端位置の断面積が同一の場合、エントランス絞り溝の断面積を前記メイン絞り溝の始端位置に向かって単調に増加させることにより、すなわち、エントランス絞り溝の入口に向かって単調に減少させることにより、エントランス絞り溝による流動抵抗を増大させることができるから、前記エントランス絞り溝の長さを短縮することができる。従って、微小流量制御装置をコンパクトにすることができる。
本発明の第11の形態によれば、前記エントランス絞り溝の断面積が流動方向座標zに沿って線型に増加し、前記断面積が
(z)=AEQ+{(AE0−AEQ)/LEQ}・z ・・・・・(13)
で与えられるから、前記エントランス絞り溝による流動抵抗が増大すると共に、このエントランス絞り溝における流体の圧力損失を容易に見積もることができる。すなわち、所望の弁特性を与えるエントランス絞り溝の寸法が簡易に決定される。
本発明の第12の形態によれば、前記エントランス絞り溝の長さが
EQ=(AEQ/AE0)(L/(1−G ))
=(AEQ/AE0)(L/(1−1/R ))・・・・・・・(14)
で与えられるから、リニア型の弁特性を微小流量制御装置に付与するエントランス絞り溝の長さを容易に決定することができる。
図1は、本発明に係る微小流量制御装置の概略説明図である。微小流量制御装置の基本構造は、絞り溝4が形成された弁体2とこの弁体2の上面をスライドする流量調整スライダ10から構成されている。前記絞り溝4はメイン絞り溝6とエントランス絞り溝8から構成され、前記流量調整スライダ10が弁体の上面に摺接することにより、前記メイン絞り溝4とエントランス絞り溝8が流路として機能する。前記流量調整スライダ10が弁体2の上面における摺接位置10aにある場合、流入路12から流入した流体は、流入部15からエントランス絞り溝8に流れ込み、前記メイン絞り溝6を経て流体流出口20から流出し、流出部22から流出路14へと流入する。前記流量調整スライダ10が矢印10bの方向に摺動することにより、前記メイン絞り溝6の長さが変化して流体の流量が調整される。
図2は、本発明に係る微小流量制御装置の概略断面図である。前記流量調整スライダ10は、弁体2の上面に摺接して摺動範囲24内を全開位置24aから全閉位置24bまで自在に移動することができる。図示しないが、微動流量制御装置には、設定流量に応じて前記流量調整スライダ10の位置を移動させる駆動手段が付設され、この駆動手段としてステッピングモータや圧電素子などから構成される微動制御手段を用いることができる。
図3は、本発明に係る微小流量制御装置が全開状態にある場合の概略断面図である。前記流量調整スライダ10の端部が前記摺接範囲24内の全開位置24aにあるとき、前記流体流出口20の断面積20が最大となり、最大流量が流出部22から流出路14へ供給される。
図4は、本発明に係る微小流量制御装置が全閉状態にある場合の概略断面図である。前記流量調整スライダ10の端面が前記摺動範囲24内の全閉位置24aにあるとき、前記流出部が前記流量調整スライダにより完全に閉じられて、流量は0となる。
図5は、微小流量制御装置の概略平面図である。前記運動量方程式(1)
uρ(du/dz)+(λ/D)(1/2)uρ+dP/dz=0 ・・・(1)
(ここで、uは流速、ρは密度、zは流体の流動方向座標、λは摩擦係数、Dは絞り溝の等価直径、Pは圧力)を本発明に係る絞り溝4に適用する。uは絞り溝断面内の平均流速、ρは密度、流体の流動方向をz軸(流動方向座標zと呼ぶ)とする。更に、前記メイン絞り溝の長さがL、前記エントランス絞り溝の長さがLで与えられ、前記流量調整スライダ10の位置座標L(「リフト」と呼ぶ)は、前記メイン絞り溝の終端の位置でL=0、始端の位置でL=Lとなる。また、前記前記流量調整スライダ10の位置は、LをLで規格化した無次元リフトL=L/L及びメイン絞り溝の始端位置を原点としてLで規格化された無次元座標ζ=1−Lによって示される。
図6は、本発明に係る絞り溝4の概略図である。図6に示した管路内における流体の運動量方程式(1)を本発明に係る絞り溝内の流体に適用する。上述のように、式中の等価直径は、流路の断面積Aとその周長Uを用いて、D=4A/Uで定義され、対象とする流路が直径いくらの円管と等価であるかを示す代表長さである。例えば、断面の形状が直径Dの半円形の場合、A=(1/2)π(D/2)及びU=D+π(D/2)から、等価直径Dは、
={(2π)0.5/(1+π/2)}・A0.5 ・・・・・(15)
となる。半円形以外の断面形状であっても、内側に入り組んだ表面を有しない相似な断面形状であれば、周長UはA0.5に比例するという関係があるから、式(15)にみられるDH∝A0.5が成り立つ。
以下、前記運動量方程式(1)から所望の弁特性とエントランス絞り溝の臨界長さの基本関係式を導出する。
図7は、本発明に係る運動量方程式の計算過程図である。前記運動量方程式(1)を式(1−1)として再渇している。流速uは流体の連続条件から質量流量Gと次式によって関係付けられている。
u=G/(ρA) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
層流に対する摩擦係数λは、既出の以下の式で表される。
λ=64μA/(uD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
式(2)と(5)を前記運動量方程式(1−1)に代入して整理すると、式(1−2)が得られる。
次に、前記運動量方程式(1−2)を弁全開時のエントランス絞り溝内の流れに適用する。両辺にρを掛け、最大流量をG、エントランス絞り溝の断面積Aが一定であるとし、前記運動量方程式(1−2)をエントランス絞り溝の全長に亘って積分すると、式(1−3)が得られる。式(1−3)の積分記号に付した1と2は、流入部と流出部の状態を示す。また、第1項の積分の上限F(L)は、パラメータ{1/(ρA)}のエントランス絞り溝の出口端面における値を示している。
次に、前記リフトLが任意の値(L=L)をとるとき、与えられた弁特性からリフトLに対応する流量がGであるとして、式(1−2)にρを掛けて流入部から流出部まで積分すると、式(1−4)が得られる。この式(1−4)の左辺第2項の積分は、エントランス絞り溝全体と、メイン絞り溝入口からリフトLまで行われる。すなわち、zの範囲は0〜{L+(L−L)}であり、0〜Lまでのエントランス領域とL〜(L−L)までのメイン領域とに分けることができる。このメイン領域における積分を行うために、メイン絞り溝の始端位置を原点とした無次元座標ζ及び前記無次元座標ζ(=1−L)を用いる。無次元座標ζは、
ζ=(z−L)/L ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16)
で定義され、dzをdζへ変数変換すると、
dz=Ldζ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(17)
が得られる。
式(1−4)の第2項は、前記メイン領域(変数ζ:0〜1)とエントランス領域(変数z:0〜L)の二つの部分に分けられ、式(1−5)が得られる。この式(1−5)を式(1−4)に代入すると、式(1−6)が得られる。また、式(1−4)の左辺第1項のAはζの関数であるから、積分の上限値をF(ζ)と書くことができる。すなわち、パラメータ{(1/ρA)}に関して流入部1からζまで積分することを意味している。式(1−3)の第3項と式(1−6)の第4項は等しいから、これらを等置すると式(1−7)が得られる。この式(1−7)をGで割り、G=G/Gと置くと、式(1−8)となる。
図8は、本発明に係る関係式の導出過程図である。前記式(1−8)をζについて微分すると、式(2−1)となる。無次元座標ζは(=1−L)であるから、ζをLで書き改めると、(2−2)式が得られる。この式(2−2)の左辺が0となる条件式(2−3)を満たすLを臨界長さLECとする。この臨界長さLECは所望の弁特性の実現に適合した最適なエントランス絞り溝の長さであるとういう意味を有している。換言すれば、前記条件式(2−3)は、所望の弁特性とメイン絞り溝の形状から最適なエントランス絞り溝の長さである臨界長さLECを導出する関係式として用いられる。従って、前記式(2−3)から前記臨界長さLECは、関係式(2−4)で表される。この関係式(2−4)には、物性値が含まれていないから、流体が液体であるか又は気体であるかを限定するものではなく、前記関係式(2−4)は、種々の流体に対して適用する。更に、式(2−2)の左辺が0のとき、右辺も0であるから式(2−5)が得られる。
図9は、非圧縮性流体における関係式の導出過程図である。式(3−1)は、図8に示した式(2−5)を示している。流体が液体で非圧縮性である場合、前記式(3−1)の第1項における積分は、流入部(1)の断面積が絞り溝の断面積に比べ十分大きいとすると、式(3−2)のようになる。一方、前記式(3−1)の第2項は、式(3−3)のように書き換えられる。式(3−2)と式(3−3)を式(3−1)に代入することによって、式(3−4)が得られる。ここで、無次元断面積A=A/Aを用いて書き換えると、式(3−5)のように表される。従って、[(G/A*2)−(1/G)]のLに関する微分値が0であるから、式(3−6)に示すように、式(3−5)は[(G/A*2)−(1/G)]が定数Cで表であることを示している。更に、弁全開時では、G=1,A*2=1となるから、定数Cは0となる。従って、弁全開時における前記式(3−6)は式(3−7)となり、非圧縮性流体の関係式(3−8)が得られる。
図10は、相似形の断面を有する絞り溝4の概略図である。上述したように、絞り溝4の断面が相似形である場合、絞り溝4の等価直径Dは断面積Aの0.5乗に比例し、D∝A0.5となる。図のように断面形状が台形の場合においてもその係数が変化するのみで、D∝A0.5なる関係が成り立っている。
従って、図9の式(3−9)に示すように、式(2−4)の右辺における(AHE )/(AD )は、1/A*2となり、式(3−9)を式(2−4)に代入すると、相似形断面において臨界長さを与える関係式(3−10)が得られる。更に、流体が非圧縮性の場合、相似形断面における関係式(3−10)に前記非圧縮性流体の関係式(3−8)が成り立つから、非圧縮性流体及び相似形断面における関係式(3−11)が得られる。
図11は、弁特性がリニア型である場合の臨界長さの分類図である。前記関係式(2−4)には、Gと(dG/L)が含まれており、GとLの関係は所望の弁特性によって決定される。代表的な弁特性として、リニア型とイコールパーセンテイジ型があり、これらの2種類の弁特性の内、先ずリニア型の場合について詳述する。
弁特性がリニア型の場合、無次元流量G
=G +(1−G )・L・・・・・・・・・・・・・(4−1)
で与えられ、ここで、G は、L=0におけるGの値であり、レンジアビリティRとは次の関係がある。
=1/R・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4−2)
前記メイン絞り溝の終端が理想的な形状を有する場合、全閉状態(L=0)近傍おける流量は、弁特性に従って連続的に0に近付いていくが、そのような終端形状を現実に形成することは不可能である。弁特性を式で表す場合、初期流量G* 又はレンジアビリティRを導入する。前記リニア型の弁特性はレンジアビリティRを用いて、
=1/R+(1−1/R)・L・・・・・・・・・・・・(4−3)
で表される。この式(4−3)の(dG/L)を求めると、
(dG/L)=(1−1/R)・・・・・・・・・・・・・(4−4)
となる。式(4−3)及び式(4−4)を関係式(2−4)に代入すると、流体の種類及び絞り溝の形状を限定しない、リニア型弁特性に対する臨界長さの一般関係式(4−5)が導出される。
前記メイン絞り溝が相似形断面の場合は、前記関係式(2−4)に式(3−9)、(4−3)及び(4−4)を代入すると、リニア型弁特性に対する相似形断面における臨界長さの関係式(4−6)が得られる。更に、非圧縮性流体・相似形断面の場合に限定すれば、前記臨界長さの関係式(3−11)に式(4−4)を代入することにより、リニア型弁特性に対する非圧縮性流体・相似形断面の関係式(4−7)を導出することができる。また、非圧縮性流体・相似形断面の場合、前記式(3−8)及び式(4−3)から、臨界長さLECを有するエントランス絞り溝に対してメイン絞り溝の断面積は、
=1/R+(1−1/R)・L ・・・・・・・・・・・・(4−8)
なる関係を有している。更に、レンジアビリティが無限大のとき、前記関係式(4―7)から、臨界長さLEC
EC=L・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4−9)
となる。従って、非圧縮性流体を扱う微小流量制御装置にリニア型の弁特性を付与するには、メイン絞り溝の断面の形状を相似形とし、その長さLとエントランス絞り溝の臨界長さLECとを等しくとればよい。
図12は、リニア型の弁特性が付与された微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。流体は粘度が1.01×10−3Pa・sの水で、流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、メイン絞り溝の長さLを10mmとし、断面形状は相似な半円形を有し、レンジアビリティは無限大に設定されている。即ち、非圧縮性流体・相似形断面の条件を満たしている場合で、流体流出口の全閉状態(L=0)から全開状態(L=1)へ前記流量調整スライダを摺動させることにより、前記流量Qが0から最大流量までリニアに変化するように設計されている。
上記の設計目的を達成するためには、エントランス絞り溝の臨界長さLECとして非圧縮性流体・相似形断面の場合の式(4−7)を用いて算定する。ただし、この場合は、レンジアビリティを無限大としているから、式(4−7)より前記臨界長さLECは、Lと同じ長さとする。すなわち、10mmに設定されている。図より明らかなように、前記臨界長さを有するエントランス絞り溝を設けることによって、前記メイン絞り溝の断面積A(□)を直線的に増加させるだけで微小流量制御装置に高精度のリニア型の弁特性が付与することができる。
一方、太線で示したエントランス絞り溝無し(L=0)の場合、L=0.5近傍までは、前記断面積A(太線)が前記リフトLの増加に伴って単調に増加している。しかし、前記リニア型の弁特性を実現するためには、全開状態(L=1)に近付くにつれて、前記断面積Aを減少させる縮小する必要性があり、無次元リフトL=0.7近傍に断面積の最大値を有している。従って、エントランス絞り溝の無い微小流量制御装置では、メイン絞り溝に拡大部が存在することになる。このような拡大部が存在する微細なメイン絞り溝を弁体に形成するためには、非常に高度な加工技術が必要とされると共に、流量を安定且つ高精度に供給することができる絞り溝を形成することは、非常に困難である。
図13は、リニア型の弁特性が付与された微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。流体は粘度が前出の水よりも約30倍大きな場合(例として、3.16×10−2Pa・sのトランス油)であり、その他の条件は、図12の水を用いた場合と同じ値に設定されている。すなわち、前記流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、メイン絞り溝の長さLが10mm、断面形状は相似な半円形を有し、レンジアビリティは無限大に設定されている。前記微小流量制御装置から流出する流量Qも無次元リフトLが0から1へ変化するにともなってリニアに増加しており、前記メイン絞り溝はリニア型の弁特性を有している。
ここで、エントランス絞り溝の長さLが臨界長さLECに設定され、非圧縮性流体・相似形断面の条件で、レンジアビリティを無限大としているから、式(4−7)によって前記臨界長さLECは、Lと同じ長さの10mmに設定されている。図より明らかなように、水より1桁以上粘度が高いトランス油を用いた場合においても、前記臨界長さを有するエントランス絞り溝を設けることにより、単純な構造を有する絞り溝によって、微小流量制御装置に高精度のリニア型の弁特性が付与されている。
一方、太線で示したエントランス絞り溝無し(L=0)の場合、L=0.9近傍までは、前記断面積A(太線)が前記リフトLの増加に伴って単調に増加している。しかし、全開状態(L=1)に近付くにつれて、急激にメイン絞り溝の断面が減少している。このようなメイン絞り溝断面の急激な変化は、図12に示した水の場合に比べて、トランス油の粘度が大きいことにより引起されたものである(後出の図23参照)。従って、本発明に係る微小流量制御装置は、前記臨界長さに設定されたエントランス絞り溝を具備することにより、メイン絞り溝の断面積を急激に変化させることなく、高粘度の流体を流量制御する場合においても、所望の弁特性を付与することができる。
図14は、非相似形断面を有する絞り溝の概略図である。絞り溝4は、長方形の断面を有し、高さが一定で流動方向へ向かって絞り溝の幅Wが減少している。即ち、流体流出口20の断面は、前記流量調整スライダが摺動するに伴って、非相似形に変化する。従って、前記臨界長さを決定するには、図13に示した前記関係式(4−5)から導出しなければならない。しかし、前記関係式(4−5)において、LECは断面積A,等価直径D及び無次元リフトLの関数になっており、これは弁の開度に応じてLECを変えること、又はLECが定数となるような断面積A,等価直径D及び無次元リフトLの関係を選んだとしても、LECの値には不定性が残り、一意的にLECの値を決定することができない。
図12及び図13に示すように、前記臨界長さLECに設定されたエントランス絞り溝を備えることの意義は、L=1の近傍で絞り溝の断面積が急拡大する場合にこれを回避できる点にある。従って、前記メイン絞り溝断面が非相似形である場合、L=1と置き、その他のパラメータもL=1における値をとるとして、前記関係式(4−5)から得られる長さを準臨界長さLECと呼び、図11に示した準臨界長さLEC=L/(1−1/R)によりエントランス絞り溝の長さを決定する。
図15は、本発明に係るエントランス絞り溝の長さが準臨界長さLECに設定された微小流量制御装置における断面積Aと流量Qの相関図である。流体は粘度が3.16×10−2Pa・sのトランス油であり、流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、メイン絞り溝の長さLが10mm、準臨界長さLEC=10.5mm、最大流量Q=456ml/m、断面形状は図14に示した非相似な長方形を有し、レンジアビリティRは20である。更に、前記メイン絞り溝は、その弁特性は流量Qがリニア型(図中実線)となるように設定されている。
前記エントランス絞り溝の長さが準臨界長さLECに設定された場合(△)、断面積AがリフトLに対して単調に増加している。従って、前記準臨界長さにエントランス絞り溝の長さを設定することにより、好適な流動抵抗が流体に加えられ、絞り溝を急拡大させる必要性を回避されている。一方、エントランス絞り溝無し(L=0)の場合(□)、L=0.5近傍までは、前記リフトLの増加に伴ってメイン絞り溝の断面積Aは単調に増加するが、全開状態(L=1)に近付くにつれて、メイン絞り溝の断面積が減少している。従って、全開状態(L=1)における準臨界長さを用いることは、前記メイン絞り溝が非相似形である場合、前記エントランス絞り溝の長さを決定する上で有効である。
図16は、弁特性がイコールパーセンテイジ(EQ)型である場合の臨界長さの分類図である。次に所望の弁特性として、イコールパーセンテイジ型の場合について詳述する。弁特性がイコールパーセンテイジ型の場合、無次元流量G
=G *1−L*=(1/R1−L*・・・・・・・・・・・・(4−10)
で与えられ、この式(4−10)から(dG/L)を求めると、
(dG/L)=−G・lnG =GlnR・・・・・(4−11)
となり、この式(4−11)を式(2−4)に代入すると、流体の種類及び絞り溝の形状を限定しない、図16に示すイコールパーセンテイジ型弁特性に対する臨界長さの一般関係式(4−12)が導出される。リニア型と同様の方法により、図16の関係式(4−13)及び(4−14)が得られる。
弁特性がイコールパーセンテイジ型であるとき、LECは一般形、非圧縮性流体及び/又は相似形のすべての場合における臨界長さLECがLの関数になっている。従って、イコールパーセンテイジ型弁特性においても、全開時(L=1)のときのLECを準臨界長さとして用いる。イコールパーセンテイジ型における準臨界長さLECは、
EC=L/lnR・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4−15)
となる。前記エントランス絞り溝の準臨界長さを採用することは、断面形状の相似・非相似を問わず、または流体の非圧縮性・圧縮性の有無によらず、実際的で且つ有効である。
図17は、イコールパーセンテイジ型の弁特性が付与された微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。流体は粘度が0.0316Pa・sのトランス油で、流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、エントランス絞り溝の臨界長さLEC=3.34mm、メイン絞り溝の長さLを10mmとしている。更に、断面形状は相似な半円形を有し、レンジアビリティRは20に設定されている。
イコールパーセンテイジ型の弁特性から、流量Qは式(4−10)に示すように、無次元リフトLの増加に伴って指数関数的に増加の割合が次第に大きくなっている。イコールパーセンテイジ型弁特性における準臨界長さの関係式(4−15)から、エントランス絞り溝の長さが決定される。このエントランス絞り溝を設けた場合、前記メイン絞り溝の断面積A(□)は単調に増加しており、単純な構造を有する絞り溝によって、微小流量制御装置にイコールパーセンテイジ型の弁特性が付与されている。
一方、太線で示したエントランス絞り溝無し(L=0)の場合、L=0.9近傍までは、前記断面積A(太線)が前記リフトLの増加に伴って単調に増加している。しかし、前記断面積AはL=0.95近傍で最大値をとり、急激に断面積が減少している。即ち、前記メイン絞り溝の断面積は、始端位置から急拡大させる必要がある。このような急拡大部を絞り溝に形成することは、非常に高度な加工技術が必要とされる。
図18は、イコールパーセンテイジ型の弁特性が付与された微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の無次元断面積Aと無次元流量Qの相関図である。この図は、前記エントランス絞り溝の長さが、式(4−15)から決定された準臨界長さLECの場合(◇:LEC=3.34mm)、その長さが準臨界長さLECより短い場合(○:L=2.23mm)及びその長さが準臨界長さLECより長い場合(●:L=5.01mm)の異なるエントランス絞り溝の長さに対する無次元断面積Aと無次元流量Qの相関を示している。即ち、準臨界長さとその1.5分の1と1.5倍の長さを有するエントランス絞り溝でどのような違いが生じるかを調べている。流体は粘度が0.0316Pa・sのトランス油で、流入口と流出口の圧力差が0.1MPa、メイン絞り溝の長さLを10mm、レンジアビリティRを20としている。図より明らかなように、前記エントランス絞り溝を配設しても、その長さが式(4−15)から決定される臨界長さと異なる場合には、無次元断面積Aが単調な変化にならず、臨界長さより短い場合には、メイン絞り溝の断面積Aを急拡大させる必要があり、臨界長さより長い場合には、前記断面積Aを急激に縮小しなければならない。
図19は、短縮エントランス絞り溝8を有する絞り溝4の概略図である。前記エントランス絞り溝8において、始端断面16の断面積AEQが終端断面19の断面積Aよりも小さくなるように前記エントランス絞り溝をテーパ状に形成することにより、このエントランス絞り溝8による流動抵抗を増大させ、前記エントランス絞り溝8の長さを短縮させる。この短縮エントランス絞り溝の長さをLEQとする。
長さLECで、一様な断面積AEを有するエントランス絞り溝と同等の摩擦圧力降下ΔPEFを、前記短縮エントランス絞り溝8で発生させるために必要な断面積AEQと長さLEQの決定方法について、断面形状が半円形の場合を例にとって以下に説明する。
図20は、本発明に係る短縮エントランス絞り溝の長さの導出過程図である。断面積Aを有するエントランス絞り溝の微小区間dzおける摩擦圧力降下dPは、図20の式(5−1)のようになる。ここで、流速u、摩擦係数λ、等価直径Dとして既出の以下の関係式
u=G/(ρA)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
λ=64μA/(uD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
={(2π)0.5/(1+π/2)}・A0.5 ・・・・・・(15)
を式(5−1)に代入すると、式(5−2)が得られる。この式(5−2)をエントランス絞り溝の全長に亘って積分すると、エントランス絞り溝における摩擦圧力降下ΔPEQを表す式(5−3)が得られる。ここで、断面積Aが流動方向座標zに対して線型に変化するとすると、前記断面積Aは式(5−4)で与えられ、この式を微分した式(5−5)により式(5−3)を変数変換して積分を実行すると、最終的な摩擦圧力降下式(5−6)が得られる。同様に、エントランス絞り溝の断面積が一定の場合の摩擦圧力降下ΔPを与える式(5−7)が得られる。この圧力降下ΔPと先に求めたΔPEQを等値することによって、式(5−6)と式(5−7)から短縮エントランス絞り溝の長さを与える式(5−8)が得られる。この式(5−8)が明らかにしているように、エントランス絞り溝の断面積を始端断面に向かって縮小させることにより、断面積Aが一定のときに比べ、(AEQ/A)倍だけエントランス絞り溝の長さを短縮することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係る微小流量制御装置の設計方法によれば、近年、合成化学、分析化学、半導体産業及びバイオテクノロジー産業において注目されているマイクロ化学プロセス技術を、用いられる、免疫分析システム、環境分析システム、細胞生化学実験システム、化学気相成長システム及び合成化学実験システム等で展開するに際して必要となる高精度の微小流量制御装置を設計することができる。更に、これらのシステムにおける反応収率の向上、反応時間の短縮、環境負荷を軽減などにより、化学反応制御を格段に高精度化及び効率化することができる。また、既存の技術では不可能な微小で正確な流量制御が必要とされる化学反応システムの微小化及び集積化を実現することができる。
本発明に係る微小流量制御装置の概略説明図である。 本発明に係る微小流量制御装置の概略断面図である。 本発明に係る微小流量制御装置が全開状態にある場合の概略断面図である。 本発明に係る微小流量制御装置が全閉状態にある場合の概略断面図である。 本発明に係る微小流量制御装置の概略平面図である。 本発明に係る絞り溝の概略図である。 本発明に係る運動量方程式の計算過程図である。 本発明に係る関係式の導出過程図である。 非圧縮流体における関係式の導出過程図である。 相似形の断面を有する絞り溝の概略図である。 弁特性がリニア型である場合の臨界長さの分類図である。 リニア型の弁特性が付与された本発明に係る微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。 リニア型の弁特性が付与された本発明に係る微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。 非相似形断面を有する絞り溝の概略図である。 本発明に係るエントランス絞り溝の長さが準臨界長さLECに設定された本発明に係る微小流量制御装置における断面積Aと流量Qの相関図である。 弁特性がイコールパーセンテイジ(EQ)型である場合の臨界長さの分類図である。 イコールパーセンテイジ型の弁特性が付与された本発明に係る微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。 イコールパーセンテイジ型の弁特性が付与された本発明に係る微小流量制御装置におけるメイン絞り溝の断面積Aと流量Qの相関図である。 本発明に係る短縮エントランス絞り溝を有する絞り溝の概略図である。 本発明に係る短縮エントランス絞り溝の長さの導出過程図である。 従来の流量制御弁の組立分解斜視図である。 図21の金属弁に形成された絞り溝の平面図である。 エントランス絞り溝を具備しない従来型微小流量制御装置において、リフトに対する絞り溝の断面積と流量の関係に及ぼす流体の粘度の大きさの影響を示す相関図である。
符号の説明
2 弁体
4 絞り溝
6 メイン絞り溝
8 エントランス絞り溝
10 流量調整スライダ
10a 摺接位置
10b 矢印
12 流入路
14 流出路
15 流入部
16 エントランス絞り溝の始端断面
18 メイン絞り溝の始端端面
19 エントランス絞り溝の終端断面
20 流体流出口
22 流出部
24 摺動範囲
24a 全開位置
24b 全閉位置
26 管路
26a 微小円柱
102 金属弁
103 弁体
103a 入口流路用溝部
104 絞り溝
110 弁座
113 貫通孔
114 出口流路
114a 弁出口

Claims (12)

  1. 流体を導入する流入路と、この流入路から導入された流体を始端から終端に向けて流動させるメイン絞り溝が形成された弁体と、このメイン絞り溝を任意の位置まで密閉できる流量調整部材と、この流量調整部材により前記メイン絞り溝の任意断面で開口される流体流出口と、この流体流出口から流出する流体を導出する流出路から構成される微小流量制御装置において、前記メイン絞り溝の始端位置に連通的に先行するエントランス絞り溝を設け、前記エントランス絞り溝及びメイン絞り溝を流動する流体の運動量方程式から導出された関係式に基づいて所望の流動抵抗を発揮するようにエントランス絞り溝の寸法を決定することを特徴とするエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  2. 前記メイン絞り溝の断面積が始端から終端に向かって単調に減少するとき、前記流体流出口の位置が始端から終端に向かって移動するに従い、前記流体流出口から流出する流体の流量が単調に減少するように、前記エントランス絞り溝の寸法を決定する請求項1に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  3. 前記流体の運動量方程式が、
    uρ(du/dz)+(λ/D)(1/2)uρ+dP/dz=0
    (ここで、uは流速、ρは密度、zは流体の流動方向座標、λは摩擦係数、Dは絞り溝断面積の等価直径、Pは圧力)で表される請求項1又は2に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  4. 前記運動量方程式が
    u=G/(ρA)及びλ=64μA/(GD
    (ここで、Gは質量流量、ρは流体の密度、Aは流体流出口の断面積、μは流体の粘性係数)に基づいて演算される請求項3に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  5. 前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、L=1における(dG/dL)の値を(dG/dLL*=1としたとき、エントランス絞り溝の臨界長さLEC
    EC=L/(dG/dLL*=1
    で与えられる請求項4に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  6. 前記流体が非圧縮性流体であり、メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に相似形であるとき、弁特性がG=Lで表されるリニア型に対する臨界長さLEC
    EC=L
    とする請求項5に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  7. 前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、流体流出口の位置をL=L、始端の位置をL=L、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、L=L/L、G=G/G、前記メイン絞り溝の任意断面の形状が相互に非相似形で、弁特性がリニア型であるとき、前記臨界長さLEC
    EC=L/(dG/dL
    で与えられる請求項4に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  8. 弁特性が
    =G +(1−G )L
    (ここで、G はL=0におけるGの値)で表されるリニア型であり、G =1/R(1≦R≦∞)で表されるとき、前記臨界長さLEC
    EC=L/(1−1/R
    で与えられる請求項5又は7に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  9. 弁特性が
    =G *(1−L*)
    (ここで、G はL=0におけるGの値)で表されるイコールパーセンテイジ型であり、G =1/R(1≦R≦∞)で表されるとき、前記臨界長さLEC
    EC=L/lnR
    で与えられる請求項5又は7に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  10. 前記エントランス絞り溝の断面積が前記メイン絞り溝の始端位置に向かって単調に増加するエントランス絞り溝を具備する請求項1〜4のいずれかに記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  11. 前記エントランス絞り溝の断面積A(z)が流動方向座標zに沿って線型に増加し、前記断面積A(z)が
    (z)=AEQ+{(AE0−AEQ)/LEQ}・z
    (ここで、AEQはエントランス絞り溝の始端断面積、AE0は前記メイン絞り溝の始端位置に接するエントランス絞り溝の終端断面積、LEQはエントランス絞り溝の長さ、zは流体の流動方向座標)で与えられる請求項10に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
  12. 前記メイン絞り溝の終端の位置をL=0、始端の位置をL=L、流体流出口がL=0にあるときの流量をG、流体流出口がL=Lにあるときの流量をG、G =G/G、R=1/G とし、前記エントランス絞り溝内の摩擦圧力降下が,前記臨界長さLECを有する一様な断面積のエントランス絞り溝の呈する摩擦圧力降下に等価な大きさをとるものとして得られる下記のエントランス絞り溝の長さ
    EQ=(AEQ/AE0){L/(1−G )}
    =(AEQ/AE0){L/(1−1/R)}
    をもつ請求項11に記載のエントランス絞り溝付微小流量制御装置の設計方法。
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