JP5330847B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池に関する。
近年のエネルギ問題や環境問題に対する意識の高まりを受けて、電力貯蔵装置や、移動体用電源システムや、自然エネルギーハイブリッドシステムなどが当該問題の対策技術として注目されている。その中でも、蓄電池である大型リチウム二次電池が有望視されている。
リチウム二次電池は、鉛電池やニッケル水素電池などの他の二次電池と比較して、エネルギ密度が高く、出力特性が良く、寿命が長い等の利点を有する。しかしながら、リチウム二次電池は、電池内部における短絡や過充電などにより電池の熱暴走が引き起され、破裂や発火に至る可能性があり安全上の問題となっていた。
上述の問題に対する対策として、粉状の消化性物質や、カプセル状の消火性物質を電池内に封入して熱暴走を緩和する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−154535号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術などにおいては、短期的または長期的に電池の特性を低下させる可能性があり、問題となっていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、短期的または長期的に電池の特性を低下させることなく、電池内部における熱暴走時の挙動を緩和することができる二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の二次電池は、正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、が設けられ、前記収納部は、100℃から300℃の温度で破れるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、液状の熱暴走緩和物質を用いているため、例えば固体状の熱暴走緩和物質を用いた場合と比較して、二次電池内部における熱暴走を効果的に緩和することができる。
言い換えると、液状の熱暴走緩和物質における熱暴走緩和特性は、固体状の熱暴走緩和物質と比較して低い温度で異常事態が発生した際の電池内部の熱を吸収し、高い効果を有するものが多いため、液状の熱暴走緩和物質は、二次電池内部の温度が低い状態から熱暴走を緩和することができる。
その一方で、熱暴走緩和物質はゲル化または増粘化されているため、収納部から電池内部への熱暴走緩和物質の透過や、漏出などが緩和される。これにより、熱暴走緩和物質が、正極や、負極や、電解液などと副反応を起こして電池の特性を低下させるような場合、熱暴走緩和物質と、正極や、負極や、電解液などとの接触が緩和されることから、二次電池の劣化が緩和される。
上記発明においては、前記熱暴走緩和物質は、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有することが望ましい。
本発明によれば、液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、の組み合わせを変更することにより、熱暴走緩和物質における熱暴走の緩和性能を、二次電池に応じて選択できる。
さらに、熱暴走緩和物質における収納部の透過性や漏出性を、収納部の特性に応じて選択できる。
上記発明においては、前記熱暴走緩和物質は、温度が上昇すると粘度が低下、または、流動性が増加することが望ましい。
本発明によれば、例えば、二次電池の内部で温度が上昇するなどの異常事態が発生した場合、熱暴走緩和物質の粘度が低下、または、流動性が増加するため、熱暴走緩和物質が収納部から放出されやすくなる。
本発明の二次電池によれば、ゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を用いることにより、短期的または長期的に電池の特性を低下させることなく、電池内部における熱暴走を緩和することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の構成を説明する模式図である。 図1の収納部の構成を説明する断面視図である。 熱暴走緩和剤におけるDSC測定結果を示すグラフである。 安全弁から噴出したガス温度の変化を示すグラフである。
この発明の一実施形態に係るリチウム二次電池について、図1から図4を参照して説明するが、本発明は下記実施形態により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
図1は、本実施形態のリチウム二次電池の構成を説明する模式図である。
リチウム二次電池(二次電池)1には、図1に示すように、容器(筐体)2と、正極端子11に接続された正極3と、負極端子12に接続された負極4と、正極3と負極4との間を絶縁するセパレータ5と、収納部6と、が設けられている。
容器2は、内部に正極3と、負極4と、セパレータ5と、収納部6と、電解液(図示せず)を収めるものである。
容器2には、正極3と接続される正極端子11と、負極4と接続される負極端子12と、容器2内の圧力が上昇した場合に圧力を容器2外に逃がす安全弁13とが設けられている。
電解液としては、通常、リチウム二次電池1における公知のものを用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピネートのいずれか一種、あるいは2種以上を混合した混合溶媒に、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiCSO、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(Cx2x+1SO)(Cy2y+1SO)(ただしx,yは自然数)、LiCl、LiI等のリチウム塩からなる電解質の1種または2種以上を混合させたものを溶解したものを電解液として用いることができる。
正極3および負極4は、容器2内で交互に積層されたものであり、正極3および負極4の間には、正極3および負極4を絶縁するセパレータ5が配置されている。
正極3としては、通常、リチウム二次電池1における公知のものを用いることができる。
例えば、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウム含有ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケル・マンガン複合酸化物、リチウム鉄リン酸化合物等のリチウム含有複合酸化物を活物質として、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合し、塗布されたものを正極3として用いることができる。
負極4としては、通常、リチウム二次電池1における公知のものを用いることができる。
例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素、ケイ素化合物、及びTiO等の金属酸化物等を活物質として、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合し、塗布されたものを負極4として用いることができる。
セパレータ5は、絶縁材料から形成された部材であり、正極3を覆う形状に形成されている。セパレータ5としては、通常、リチウム二次電池1における公知のものを用いることができる。
例えば、微多孔質ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系や、微多孔質イミド系、及びセラミック含有系の多孔質膜等をセパレータ5として使用することができる。
本実施形態では、セパレータ5は正極3を覆う形状に形成されたものに適用して説明されているが、負極4を覆う形状であってもよく、特に限定するものではない。
収納部6は、内部にゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質が収納された袋状のものであり、板状の形状に形成されたものである。
本実施形態では、収納部6は、図1に示すように、積層された正極3および負極4における積層方向に略直交する一の面(図1の左右の面、以後、「積層面」と表記する。)と、積層面に隣接した側面に隣接して配置されている。
言い換えると、収納部6は最外層、つまり、容器2と積層された正極3および負極4との間に配置されている。
なお、収納部6は、上述のように、容器2と積層された正極3および負極4との間に配置されてもよいし、積層された正極3および負極4の内部、つまり、正極3と負極4との間に配置されていてもよく、特に限定するものではない。
収納部6は、所定の温度で破れるように構成されているとともに、所定の突刺し強度を有するように構成されている。
例えば、収納部6は、約100℃から約300℃の温度で破れるように構成されていることが好ましい。
このようにすることで、リチウム二次電池1が通常に動作している場合に、収納部6が破れて熱暴走緩和物質が放出されることが防止される。さらに、リチウム二次電池1が高温になっても熱暴走緩和物質が収納部6から放出されないという不具合の発生が防止される。
さらに、収納部6の突刺し強度は、面圧として定義したときに360kN/cm未満であることが好ましい。
このようにすることで、リチウム二次電池1における熱暴走の緩和効果、つまり、破裂や発火の緩和効果を確保することができる。
ここで、収納部6における突刺し強度とは、先端が尖った棒状体によって、収納部6を突刺したときに、収納部6が破れる面圧のことである。
図2は、図1の収納部の構成を説明する断面視図である。
収納部6は、図2に示すように、ポリプロピレンフィルム(以下、「PPフィルム」と表記する。)21と、アルミニウムフィルム22と、PPフィルム23と、外装フィルム24と、テープ25と、から構成されている。
収納部6の4つのフィルムのうち、PPフィルム21が熱暴走緩和物質の側に配置され、外装フィルム24が電解液の側に配置されている。さらに、PPフィルム21が融着されることにより、収納部6が袋状に形成されている。
テープ25は、収納部6におけるPPフィルム21が融着された端部を覆う、言い換えると、被覆するものである。テープ25は、収納部6における融着部から、アルミニウムフィルム22が腐食することを防止するものである。
収納部6は、PPフィルム21、アルミニウムフィルム22、PPフィルム23の三層構造を含むため、収納部6が所定の温度で破れ、さらに、所定の突刺し強度で破れるように調整されている。
外装フィルム24は、例えば、ナイロン樹脂や、PET(ポリエチレンテレフタレート)で形成され、PPフィルム21を融着する際の離型を容易にするために使用されている。
なお、収納部6は、上述のように、PPフィルム21、アルミニウムフィルム22、PPフィルム23、および、外装フィルム24から構成されていてもよいし、PPフィルムと、アルミニウムフィルムと、ナイロンフィルムと、PETフィルムとから構成されていてもよいし、樹脂フィルムの間に挟まれた金属フィルムから構成されていてもよいし、金属フィルムのみから構成されていてもよく、特に限定するものではない。
収納部6に充填される熱暴走緩和物質としては、液状の熱暴走緩和剤と、それをゲル化するゲル化剤、または、粘度を高める増粘化剤との組み合わせが使用される。
液状の熱暴走緩和剤としては、強化液や、中性強化液や、機械泡(ヤマトプロテック株式社)、或いは各種粉末(炭酸水素カリウムを主成分とするK型BC消火剤や、炭酸水素ナトリウムを主成分とするNa型BC消火剤や、KU型BC消火剤や、リン酸二水素アンモニウムを主成分とするABC消火剤など)を水等に溶解・分散させた溶液・分散液などを用いることができる。
より具体的には、以下の薬剤が熱暴走緩和剤として使用することができる。
(1)アルカリ性吸熱物質
炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、アロファン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム。
(2)酸性吸熱物質
リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム。
(3)水と界面活性剤の混合物
アルキル硫酸エステル塩水溶液、パーフルオロオクタン酸塩水溶液。
(4)エチレングリコール
(5)水和金属化合物
水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物、炭酸マグネシウム水和物、酸化アンチモン水和物。
(6)ホウ素化合物
ホウ酸、ホウ酸亜鉛。
(7)リン化合物
トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールA、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム。
(8)ハロゲン化合物
塩素化パラフィン、デカブロムジフェニルエーテル。
(9)窒素化合物
尿素、アロファン酸塩。
(10)難燃性液体、不燃性液体
脂肪酸エステル、水、グリコール、シリコーン油。
その一方で、ゲル化剤や、増粘剤などとしては、親水性を有する薬剤や、新油性を有する薬剤などを使用することができる。親水性を有する薬剤としては、多糖類や合成高分子などが挙げられる。
より具体的には、以下の薬剤がゲル化剤や、増粘剤などとして使用することができる。
(A)親水性を有する多糖類
セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸、及び、上記誘導体。
(B)親水性を有する合成高分子
ポリアクリル酸、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド、及び、上記誘導体。
(C)新油性を有するもの
ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、ミリスチン酸塩、オクタン酸塩、オルガノポリシロキサン、シリル化シリカ、ジベンジリデンソルビトール、ラウロイルグルタミン酸ブチルアミド、エチルヘキサン酸アルミニウム、及び、上記誘導体。
熱暴走緩和物質は、例えば、液状の熱暴走緩和剤(ヤマトプロテック株式会社の中性強化液)に2wt%のゲル化剤または増粘剤(三昌株式会社のヒドロキシエチルセルロース)を溶解させることにより得られる。
具体的には、液状の熱暴走緩和剤をカップに分取した後、分散機(プライミクス株式会社のホモディスパー)で3000rpm程度の回転数で攪拌しながらゲル化剤または増粘剤少しずつ溶解させることによりゲル化、または増粘化された液状の熱暴走緩和物質が得られる。
得られた熱暴走緩和物質は減圧脱泡された後に、袋状の収納部6に充填される。収納部6の開口部は、熱暴走緩和物質の充填後にヒートシールされ密封される。
上述のように、ゲル化剤や増粘剤などを用いて液状の熱暴走緩和剤の粘度を増加させる場合には、ゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質の粘度を1mPa・s以上、つまり、液状の熱暴走緩和剤の原液の粘度以上にすることが望ましい。
このようにすることで、熱暴走緩和物質が収納部6の外部へ漏出する速度が遅くなる。
次に、上記の構成からなるリチウム二次電池1において熱暴走が発生した場合、例えば、異物である釘が刺さった場合の作用について説明する。
リチウム二次電池1の側面に釘(異物)が刺さると、釘は最初に容器2を突き破り、次に収納部6に刺さる。釘は収納部6のPPフィルム21、アルミニウムフィルム22、PPフィルム23、および、外装フィルム24を突き破るため、収納部6に充填された熱暴走緩和物質が、収納部6から外部に漏洩する。
その後、釘がさらに深く刺さると、釘は収納部6を突き破り、正極3および負極4に刺さる。すると、正極3および負極4は釘を介して短絡され、釘を介して正極3および負極4の間で大電流が流れる。
大電流が流れる領域では、電気抵抗により熱が発生する。発生した熱は、収納部6から漏洩した熱暴走緩和物質に吸収等されるため、リチウム二次電池1における熱暴走は緩和される。
言い換えると、リチウム二次電池1における温度上昇が緩和等されるため、リチウム二次電池1の破裂や発火などが防止される。
熱暴走緩和物質における効果としては、気化による冷却効果や、リン酸塩によるラジカルトラップに係る効果や、酸素の遮断による効果などを例示することができる。
次に、異なる種類の熱暴走緩和剤におけるDSC測定結果ついて説明する。
図3には、本実施形態のゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質Aと、水B1と、粉末消火剤B2と、水系消火剤B3におけるDSCの測定結果が示されている。
図3における横軸は温度を示し、縦軸は吸収される熱量を示すDSC(mW/mg)を示している。DSCは、その値が小さいほど測定対象の吸熱性能が高いことを示している。
ここで、熱暴走緩和物質Aのゲル化剤としてはヒドロキシエチルセルロース(HEC)が用いられ、水系消火剤B3として燐酸系の中性強化液が用いられている。
本実施形態のゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質Aは、図3に示すように、水B1や、水系消火剤B3と同様に、100℃付近の温度で高い吸熱性能を示している。その一方で、粉末消火剤は、100℃よりも高い温度で吸熱することが示されている。
次に、上述のリチウム二次電池1と、従来のリチウム二次電池等と、を用いた釘刺し試験の結果について図4を用いて説明する。
図4は、各リチウム二次電池の安全弁から噴出したガス温度の変化を示すグラフである。
まず、試験に用いたリチウム電池の充電条件について説明する。試験に用いたリチウム電池は、全て同じ条件で充電を行っている。
充電は定電流定電圧制御充電方式(4.20V−CC/CV)により行われている。具体的には、正極端子11と負極端子12との間の端子間電圧が4.2Vより低い充電の初期には、一定の充電電流により充電が行われる。充電が進み、端子間電圧が4.2Vに到達すると、充電電圧が4.2Vの一定電圧に制御され、充電電流が徐々に絞られる。
その後、充電電流が0.5A(終止電流)まで低下したら充電が終了される。この充電は5時間率の電流値C/5で行われ、周囲の温度は約25℃である。
次に、釘刺し試験の条件について説明する。
この釘刺し試験では、リチウム二次電池に直径が約5mmの釘を貫通させることにより行われている。釘を貫通させる位置は、正極3および負極4の中央部である。
安全弁13から噴出するガスの温度測定、端子間電圧の測定は、釘がリチウム二次電池に刺さった直後を0sとして計測されている。
図4には、本実施形態のゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質を備えたリチウム二次電池1から噴出したガス温度TA、熱暴走緩和物質や消火剤を備えないリチウム二次電池から噴出したガス温度TB0、収納部6の内部に水を充填したリチウム二次電池から噴出したガス温度TB1、収納部6の内部に粉末消火剤を充填したリチウム二次電池から噴出したガス温度TB2、および、収納部6の内部に消化液を充填したリチウム二次電池から噴出したガス温度TB3の変化が示されている。
本実施形態のリチウム二次電池1に係るガス温度TAは、釘が刺さった直後から温度が上昇し始め、約5秒後に最高温度の約500℃に達し、その後徐々に温度が低下している。
さらに、粉末消火剤を備えるリチウム二次電池に係るガス温度TB2と比較すると、最高温度が約50%低減し、熱暴走緩和物質や消火剤を備えないリチウム二次電池に係るガス温度TB0と比較すると、最高温度は50%以上低減していることがわかる。
言い換えると、粉末消火剤を備えるリチウム二次電池と比較して、本実施形態のリチウム二次電池1では、より少量のゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質で、粉末消火剤を備えるリチウム二次電池と同等の安全性を確保できる。
上記の構成によれば、液状の熱暴走緩和物質を用いているため、例えば固体状の熱暴走緩和物質を用いた場合と比較して、リチウム二次電池1の内部における熱暴走を効果的に緩和することができる。
言い換えると、液状の熱暴走緩和物質における熱暴走緩和特性は、固体状の熱暴走緩和物質と比較して低い温度で高い緩和効果を有するため、液状の熱暴走緩和物質は、リチウム二次電池1の内部の温度が低い状態から熱暴走を緩和することができる。
その一方で、熱暴走緩和物質はゲル化または増粘化されているため、収納部6から熱暴走緩和物質の透過や、漏出などが緩和される。これにより、熱暴走緩和物質と、正極3や、負極4や、電解液などとの接触が緩和されることから、短期的または長期的にリチウム二次電池1の劣化を緩和することができる。
液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、の組み合わせを変更することにより、熱暴走緩和物質における熱暴走の緩和性能を、リチウム二次電池1やその他の二次電池に応じて選択できるため、リチウム二次電池1の内部における熱暴走を効果的に緩和することができる。
さらに、熱暴走緩和物質における収納部6の透過性や漏出性を、収納部6の特性に応じて選択できるため、短期的または長期的にリチウム二次電池1の劣化を緩和することができる。
熱暴走緩和物質の粘度を低下、または、流動性を増加させることにより、リチウム二次電池1の内部で温度が上昇するなどの非常事態が発生した場合、熱暴走緩和物質が収納部6から放出されやすくなり、リチウム二次電池1の内部における熱暴走を効果的に緩和することができる。
1 リチウム二次電池(二次電池)
2 容器(筐体)
3 正極
4 負極
6 収納部

Claims (3)

  1. 正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、
    該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、
    が設けられ
    前記収納部は、100℃から300℃の温度で破れるように構成されていることを特徴とする二次電池。
  2. 正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、
    該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、
    が設けられ
    前記収納部の突刺し強度は、面圧が360kN/cm 未満であることを特徴とする二次電池。
  3. 前記熱暴走緩和物質は、温度が上昇すると粘度が低下、または、流動性が増加することを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
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