JP5330847B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
本発明の二次電池は、正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、が設けられ、前記収納部は、100℃から300℃の温度で破れるように構成されていることを特徴とする。
言い換えると、液状の熱暴走緩和物質における熱暴走緩和特性は、固体状の熱暴走緩和物質と比較して低い温度で異常事態が発生した際の電池内部の熱を吸収し、高い効果を有するものが多いため、液状の熱暴走緩和物質は、二次電池内部の温度が低い状態から熱暴走を緩和することができる。
さらに、熱暴走緩和物質における収納部の透過性や漏出性を、収納部の特性に応じて選択できる。
図1は、本実施形態のリチウム二次電池の構成を説明する模式図である。
容器2には、正極3と接続される正極端子11と、負極4と接続される負極端子12と、容器2内の圧力が上昇した場合に圧力を容器2外に逃がす安全弁13とが設けられている。
例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピネートのいずれか一種、あるいは2種以上を混合した混合溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiN(CxF2x+1SO2)(CyF2y+1SO2)(ただしx,yは自然数)、LiCl、LiI等のリチウム塩からなる電解質の1種または2種以上を混合させたものを溶解したものを電解液として用いることができる。
例えば、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウム含有ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケル・マンガン複合酸化物、リチウム鉄リン酸化合物等のリチウム含有複合酸化物を活物質として、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合し、塗布されたものを正極3として用いることができる。
例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素、ケイ素化合物、及びTiO2等の金属酸化物等を活物質として、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合し、塗布されたものを負極4として用いることができる。
本実施形態では、セパレータ5は正極3を覆う形状に形成されたものに適用して説明されているが、負極4を覆う形状であってもよく、特に限定するものではない。
言い換えると、収納部6は最外層、つまり、容器2と積層された正極3および負極4との間に配置されている。
このようにすることで、リチウム二次電池1が通常に動作している場合に、収納部6が破れて熱暴走緩和物質が放出されることが防止される。さらに、リチウム二次電池1が高温になっても熱暴走緩和物質が収納部6から放出されないという不具合の発生が防止される。
このようにすることで、リチウム二次電池1における熱暴走の緩和効果、つまり、破裂や発火の緩和効果を確保することができる。
ここで、収納部6における突刺し強度とは、先端が尖った棒状体によって、収納部6を突刺したときに、収納部6が破れる面圧のことである。
収納部6は、図2に示すように、ポリプロピレンフィルム(以下、「PPフィルム」と表記する。)21と、アルミニウムフィルム22と、PPフィルム23と、外装フィルム24と、テープ25と、から構成されている。
(1)アルカリ性吸熱物質
炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、アロファン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム。
リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム。
アルキル硫酸エステル塩水溶液、パーフルオロオクタン酸塩水溶液。
(5)水和金属化合物
水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物、炭酸マグネシウム水和物、酸化アンチモン水和物。
ホウ酸、ホウ酸亜鉛。
トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールA、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム。
塩素化パラフィン、デカブロムジフェニルエーテル。
(9)窒素化合物
尿素、アロファン酸塩。
脂肪酸エステル、水、グリコール、シリコーン油。
(A)親水性を有する多糖類
セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸、及び、上記誘導体。
ポリアクリル酸、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド、及び、上記誘導体。
ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、ミリスチン酸塩、オクタン酸塩、オルガノポリシロキサン、シリル化シリカ、ジベンジリデンソルビトール、ラウロイルグルタミン酸ブチルアミド、エチルヘキサン酸アルミニウム、及び、上記誘導体。
このようにすることで、熱暴走緩和物質が収納部6の外部へ漏出する速度が遅くなる。
リチウム二次電池1の側面に釘(異物)が刺さると、釘は最初に容器2を突き破り、次に収納部6に刺さる。釘は収納部6のPPフィルム21、アルミニウムフィルム22、PPフィルム23、および、外装フィルム24を突き破るため、収納部6に充填された熱暴走緩和物質が、収納部6から外部に漏洩する。
言い換えると、リチウム二次電池1における温度上昇が緩和等されるため、リチウム二次電池1の破裂や発火などが防止される。
図3には、本実施形態のゲル化または増粘化された熱暴走緩和物質Aと、水B1と、粉末消火剤B2と、水系消火剤B3におけるDSCの測定結果が示されている。
図3における横軸は温度を示し、縦軸は吸収される熱量を示すDSC(mW/mg)を示している。DSCは、その値が小さいほど測定対象の吸熱性能が高いことを示している。
図4は、各リチウム二次電池の安全弁から噴出したガス温度の変化を示すグラフである。
その後、充電電流が0.5A(終止電流)まで低下したら充電が終了される。この充電は5時間率の電流値C/5で行われ、周囲の温度は約25℃である。
この釘刺し試験では、リチウム二次電池に直径が約5mmの釘を貫通させることにより行われている。釘を貫通させる位置は、正極3および負極4の中央部である。
安全弁13から噴出するガスの温度測定、端子間電圧の測定は、釘がリチウム二次電池に刺さった直後を0sとして計測されている。
さらに、粉末消火剤を備えるリチウム二次電池に係るガス温度TB2と比較すると、最高温度が約50%低減し、熱暴走緩和物質や消火剤を備えないリチウム二次電池に係るガス温度TB0と比較すると、最高温度は50%以上低減していることがわかる。
言い換えると、液状の熱暴走緩和物質における熱暴走緩和特性は、固体状の熱暴走緩和物質と比較して低い温度で高い緩和効果を有するため、液状の熱暴走緩和物質は、リチウム二次電池1の内部の温度が低い状態から熱暴走を緩和することができる。
さらに、熱暴走緩和物質における収納部6の透過性や漏出性を、収納部6の特性に応じて選択できるため、短期的または長期的にリチウム二次電池1の劣化を緩和することができる。
2 容器(筐体)
3 正極
4 負極
6 収納部
Claims (3)
- 正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、
該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、
が設けられ、
前記収納部は、100℃から300℃の温度で破れるように構成されていることを特徴とする二次電池。 - 正極、負極、および、電解液を内部に収容する筐体と、
該筐体の内部に配置された、少なくとも液状の熱暴走緩和剤と、ゲル化剤または増粘化剤と、を有するゲル化または増粘化された液状の熱暴走緩和物質を収納する収納部と、
が設けられ、
前記収納部の突刺し強度は、面圧が360kN/cm 2 未満であることを特徴とする二次電池。 - 前記熱暴走緩和物質は、温度が上昇すると粘度が低下、または、流動性が増加することを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
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