JP5330642B2 - ポリエステル樹脂製プレススルーパック及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂製プレススルーパック及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂製のプレススルーパック及びその製造方法、特にその折り分け易さの改善に関する。
従来、プレススルーパックは、塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂等の樹脂製シートに複数のブリスター部(凹部)を形成し、このブリスター部内に錠剤等の固形の内容物を収容し、さらにアルミ箔等の平板状の蓋板シートを樹脂製シートにヒートシールすることによって、内容物を密封している。そして、このようなプレススルーパックにおいては、通常、ブリスター部を押して内容物により蓋板シートを破って内容物を押し出す、あるいは蓋板シートを剥がすことによって内容物を取り出している(例えば、特許文献1参照)。
また、プレススルーパックは、丸薬等の錠剤において用いられる場合が多く、例えば、病院では、看護師が折り分けて入院患者に配布する場合があり、あるいは家庭においても、利用者が一回の服薬分を折り分けたり、外出先に必要量持って行く場合がある。このような場合に、プレススルーパックから必要量(例えば、2錠分)を折り分けるため、従来、ブリスター部の周囲にミシン目や弱化線が刻設されていた。
特表2005−524508号公報
プレススルーパックの樹脂製シートを、塩化ビニル樹脂で製造する場合、塩化ビニル樹脂は、焼却時にダイオキシンを発生させてしまうという問題がある。また、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン樹脂で製造する場合には、通常、シートを予備加熱してからブリスター部を形成して、内容物を該ブリスター部に収容するFFSシステムで生産されているが、予備加熱に比較的時間がかかってしまい、成形スピードが遅く、生産性が悪いため、改良が求められているところである。
そこで、オレフィン樹脂よりも予備加熱時間を短くすることができ、生産性に優れ、且つ耐内容物性にも優れたポリエステル樹脂の使用が望まれている。しかしながら、ポリエステル樹脂を用いた場合には、ミシン目や弱化線において破断する際に、ねばりを有するため、糸を引くような現象を起こしてしまい、折れ難いという欠点があった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために行なわれたものであって、その目的は、折り分け易さの改善されたポリエステル樹脂製のプレススルーパック及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリエステル樹脂を用いたプレススルーパックにおいて、ポリエステル樹脂シートの平坦部にレーザーを照射して溝を形成し、さらにその後急冷することによって、樹脂が該溝において薄肉化され、さらに該溝周辺部分の樹脂の極限粘度が低下することによりポリエステル樹脂が脆くなるため、折り分け易さの著しく改善されたポリエステル樹脂製のプレススルーパックが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックは、 複数のブリスター部と該ブリスター部と連続する平坦部とからなるポリエステル樹脂製シートと、該ブリスター部内に収容される内容物と、該ポリエステル樹脂製シートの平坦部と密着した平板状の蓋板シートとを備え、該内容物を収容したブリスター部が該蓋板シートにより密封されたポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、
極限粘度が0.5〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に対して、出力1.0〜100W、レーザー光径0.1〜5.0mmのレーザー光を10〜500mm/secで移動して照射されることによって、略垂直方向に溝が形成され、
該溝の深さが、該溝周辺部分の厚さの20〜90%であり、
該溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、該溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも10%以上低下している
ことを特徴とするものである。
また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂が、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種もしくは2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種もしくは2種以上からなるホモポリエステル樹脂、または共重合ポリエステル樹脂であることが好適である。
また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂製シートの平坦部にミシン目が形成され、該ミシン目に沿って前記溝が形成されていることが好適である。また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝が形成されていることが好適である。
また、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法は、複数のブリスター部と該ブリスター部と連続する平坦部とからなるポリエステル樹脂製シートと、該ブリスター部内に収容される内容物と、該ポリエステル樹脂製シートの平坦部と密着した平板状の蓋板シートとを備え、該内容物を収容したブリスター部が該蓋板シートにより密封されたポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、少なくとも、
極限粘度が0.5〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に略垂直方向にレーザー光を照射し、溝を形成する溝形成工程と、
前記工程の後、該溝を冷却する急冷工程と
を備え、
前記溝形成工程は、出力1.0〜100W、レーザー光径0.1〜5.0mmのレーザー光を10〜500mm/secで移動して照射し、
前記溝形成工程により形成される溝の深さを、該溝周辺部分の厚さの20〜90%とし、該溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、該溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも10%以上低下させる
ことを特徴とするものである。
た、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記急冷工程は、0〜50℃で0.1〜30秒間保持することが好適である。
また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記ポリエステル樹脂が、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種もしくは2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種もしくは2種以上からなるホモポリエステル樹脂又は共重合ポリエステル樹脂であり、その極限粘度が0.5〜1.5dl/gのポリエステル樹脂であることが好適である。
また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、さらに、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン目を形成するミシン目形成工程を備え、且つ前記溝形成工程は、前記工程により形成されたミシン目上にレーザー光を照射し、該ミシン目に沿って溝を形成することが好適である。また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記溝形成工程は、ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝を形成することが好適である。また、前記ポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、さらに、ポリエステル樹脂製シートを加熱して軟化させ、複数のブリスター部を形成するブリスター部形成工程と、前記工程により設けられたブリスター部内に内容物を収容する内容物収容工程と、前記工程によりブリスター部内に内容物を収容したポリエステル樹脂製シートの平坦部に、平板状の蓋板シートを密着させて、内容物を収容したブリスター部を蓋板シートにより密封するブリスター部密封工程とを備えることが好適である。
本発明によれば、ポリエステル樹脂を用いたプレススルーパックにおいて、ポリエステル樹脂シートの平坦部にレーザーを照射して溝を形成し、さらにその後急冷することによって、樹脂が該溝において薄肉化され、さらに該溝周辺部分の樹脂の極限粘度が低下することによりポリエステル樹脂が脆くなるため、折り分け易さの著しく改善されたポリエステル樹脂製のプレススルーパックが得られる。つまり、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいては、該溝の周辺部分のポリエステル樹脂がレーザーによって加熱されることによりアモルファス化し、さらに加水分解して樹脂の分子量が低下してポリエステル樹脂が脆くなるため、折り分け易さが改善される。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10について、図1に平面図を、図2に横方向に切断した断面図を示す。
本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパック10は、長手方向に2列に並んで突出した複数のブリスター部14を形成したポリエステル樹脂製シート12と、該ブリスター部14に収容された内容物16と、該ポリエステル樹脂製シート12の平坦部と密着させた平板状の蓋板シート18とを備えており、該内容物16を収容したブリスター部14は、該蓋板シート18によって密封された構造を有している。ここで、ブリスター部14は、内容物16を収容するために、ポリエステル樹脂製シート12において設けられた凹部分のことであり、該ポリエステル樹脂製シート12は、該ブリスター部14と、これと連続する平坦部とからなっている。また、蓋板シート18は、蓋板材26と接着剤層28とからなり、接着剤層28によりポリエステル樹脂製シート12の平坦部と密着している。該ポリエステル樹脂製シート12は、長手方向の端部に薬品名等の印刷が可能なタブ部20を残し、複数のブリスター部14をそれぞれ1個ずつに区画するように、平坦部の外表面において、長手方向に伸びた縦方向溝22と、これと交差する横方向溝24とがそれぞれ複数本形成されている。
〈溝の形成〉
ここで、本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10においては、ポリエステル樹脂製シート12の平坦部の外表面(ブリスター部の突出方向面)に対して、略垂直方向に炭酸ガスレーザー光が照射され、縦方向溝22及び横方向溝24が形成されている。すなわち、レーザー光が照射された部分に存在するポリエステル樹脂は、融点以上の温度に達して昇華し、表面にV字型断面の溝22(24)が形成される。なお、該溝22(24)は、それぞれのブリスター部14を区画するように、複数本形成されている。そして、該溝22(24)が形成されることによって、ポリエステル樹脂が溝22(24)において薄肉化され、極限粘度が低下しているため、破断し易くなっている。このため、このポリエステル樹脂製プレススルーパック10は、例えば、任意の縦方向溝22あるいは横方向溝24に沿って折り曲げることで、該溝周辺のポリエステル樹脂製シート12及び蓋板シート18が難なく破断されて、容易に折り分けることが可能となる。
つづいて、他の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’の横方向に切断した断面図を図3に示す。なお、前記したポリエステル樹脂製プレススルーパック10と異なっている点以外は、同一の符号を用いて、説明を省略する。
本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’においては、ポリエステル樹脂製シート12の平坦部の蓋板シート側面(ブリスター部の開口方向面)に対してレーザー光を照射することによって、V字型断面の溝22’が形成されている。そして、このポリエステル樹脂製プレススルーパック10’は、任意の溝22’に沿って折り曲げることで、該溝周辺のポリエステル樹脂製シート12及び蓋板シート18が難なく破断されて、容易に折り分けることができる。
ここで、ポリエステル樹脂製プレススルーパック10’においては、蓋板シート側面に形成された溝22’により、ポリエステル樹脂製シート12と蓋板シート18との間に空間が形成されるため、ポリエステル樹脂製シート12が破断された後にその破断先端によって蓋板シート18が破断される、あるいは蓋板シート18が破断された後にポリエステル樹脂製シート12が破断されることになる。このように、ポリエステル樹脂製プレススルーパック10’は、ポリエステル樹脂製シート12の外表面側に溝を形成した上記ポリエステル樹脂製プレススルーパック10の場合とは異なり、ポリエステル樹脂製シート12と蓋板シート18とを同時に破断しなくてもよい。そして、このため、ポリエステル樹脂製シート12を折り分けるときに蓋板シート18の破断による抗力が無く、弱い力で破断できるので、より容易に折り分けることができる。
以上のように、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいては、ポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に対して略垂直方向に溝が形成されていることを特徴とする。また、溝の形成方向としては、ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝が形成されていることが、より好適である。なお、該溝の深さ、溝周辺部分の厚さの20〜90%である。また、上述の実施形態にかかるプレススルーパック10,10’の場合、溝の深さは、特に好ましくは60〜90%である。溝の深さが溝周辺部分の厚さの60%未満であると溝の形成による効果が得られない場合があり、一方で、90%を超えると薄くなりすぎてしまい、運搬中等のわずかな衝撃によって破断してしまう恐れが生じる。なお、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10においては、溝の深さは0.156mmであり、溝周辺部分の厚さ0.2mmの約80%であった。
さらに、本発明の他の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’の平面図を図4(a)、同平面図を拡大した図を図4(b)に、また、横方向に切断した断面図を図5(a)、同断面図を拡大した図を図5(b)に示す。なお、前記したポリエステル樹脂製プレススルーパック10と異なっている点以外は、同一の符号を用いて、説明を省略する。
本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’においては、ポリエステル樹脂製シート12の平坦部において、予め縦方向ミシン目30及び横方向ミシン目32が形成されている。ここで、ミシン目とは、すなわち、一直線上に定間隔で断続的に形成された貫通孔(スリット部)のことである(貫通孔間の連結部分をブリッジ部という)。なお、本実施形態においては、スリット部1.5mm、ブリッジ部0.5mmの長さで、予めミシン目30(32)が形成されている。また、この予め形成されたミシン目30(32)上に、ポリエステル樹脂製シート12の外表面側からレーザー光を照射することによって、ミシン目30(32)に沿ってV字型断面の溝22(24)が形成されている。そして、このポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’は、任意の溝22(24)に沿って折り曲げることで、該溝周辺のポリエステル樹脂製シート12及び蓋板シート18が難なく破断されて、著しく容易に折り分けることができる。
ここで、ポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’においては、予めミシン目30(32)が形成されていることから、すでに貫通しているスリット部を破断する必要がなく、ポリエステル樹脂製シート12の連結部分、すなわち、ブリッジ部のみを破断すればよい。このため、ポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’は、ミシン目を有していないポリエステル樹脂製プレススルーパック10あるいは10’よりも、ポリエステル樹脂製シート12の破断による抗力が著しく小さく、より弱い力で容易に折り分けることが可能となる。なお、本実施形態においては、ポリエステル樹脂製シートの外表面(ブリスター部の突出方向面)に対して溝22(24)を形成しているが、蓋板シート側面(ブリスター部の開口方向面)に対して溝を形成していてもよい。
以上のように、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいては、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン目が形成され、該ミシン目に沿って溝が形成されていることが、折り分け易さの点から、最も好適である。なお、予め形成されたミシン目に沿って溝を形成する場合の該溝の深さとしては、特に限定されるものではないが、溝の深さが、溝周辺部分の厚さの20〜90%であることが好適である。溝の深さが溝周辺部分の厚さの20%未満であると効果が得られない場合があり、90%を超えると薄くなりすぎてしまい、事故による破断が懸念される。なお、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’においては、溝の深さは0.080mmであり、溝周辺部分の厚さ0.2mmの約40%であった。
〈溝周辺部分のポリエステル樹脂の極限粘度〉
本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、上記のように炭酸ガスレーザーの照射によって溝22(24)が形成された後、該溝22(24)は急冷される。ここで、溝22(24)の周辺部分において昇華せずに残ったポリエステル樹脂は、前記レーザー光の照射によって熔融されることによって、樹脂の極限粘度が低下している。そして、これによって、該溝22(24)の周辺部分においてポリエステル樹脂が脆くなり、破断され易くなる。
このため、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいては、溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも小さく、より具体的には、溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも10%以上低下している。なお、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10においては、溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が0.59dl/gであり、溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度0.67dl/gよりも約12%低下していた。また、ミシン目上に溝を形成したポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’においては、溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が0.57dl/gであり、溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度0.67dl/gよりも約15%低下していた。
また、本発明にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、溝22(24)の周辺部分に存在するポリエステル樹脂は、前記レーザー光の照射で熔融されることによりアモルファス化し、さらにこの後、空気中の水分を吸収して加水分解されることによって分子量が低下する。これによって、ポリエステル樹脂が脆くなり、破断され易くなる。
なお、本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10においては、縦方向溝22及び横方向溝24により、複数のブリスター部14がそれぞれ1個ずつとなるように区画されている。プレススルーパックとしては、各ブリスター部が同一の個数となるように折り分けられることが好ましく、このため、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいては、溝により区画される最小単位におけるブリスター部の数がそれぞれ同一となるように溝が形成されていることが好適である。
本発明に用いられるポリエステル樹脂製シートの材質は、ポリエステル樹脂であれば、特に限定されるものではないが、好適な例としては、例えば、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種もしくは2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種もしくは2種以上からなるホモポリエステル樹脂、または共重合ポリエステル樹脂であり、その極限粘度が0.5〜1.5dl/g、より好ましくは0.55〜1.0dl/gのポリエステル樹脂が挙げられる。また、ポリエステル樹脂の融点は、230〜270℃程度が好ましい。なお、ポリエステル樹脂製シートの厚さ(溝部分以外の平均厚さ)は、200〜600μm程度が好適である。
また、本発明においては、ポリエステル樹脂製シートのブリスター部内に内容物が収容される。ブリスター部に収容される内容物は、特に限定されるものではないが、通常、固形物であり、プレススルーパックの特性から、丸薬等の錠剤が好適に用いられる。
また、本発明において、ポリエステル樹脂製シートのブリスター部内に内容物を収容した後、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に対して蓋板シートが密着される。本発明に用いる蓋板材としては、アルミ箔を好適に用いることができ、この上に適当な接着剤層を形成させることで、ポリエステル樹脂製シートと密着させるための平板状の蓋板シートとして用いることができる。例えば、アルミ箔を、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂で被覆し、さらにその上にポリエステル樹脂系の接着剤を塗布・乾燥する、あるいはアルミ箔の上に直接ポリエステル樹脂系接着剤を塗布・乾燥することで、接着剤層を有するアルミ箔が得られる。なお、この蓋板シートとしては、その総厚が10〜50μm程度のものが好適である。
なお、本発明に用いるポリエステル樹脂系の接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂にマレイン酸共重合ポリエチレン樹脂を付加反応して得られるブロック共重合体と、ポリオレフィン粉末とを、有機溶剤に溶解又は分散して得られるポリエステル樹脂系の接着剤を好適に用いることができる。
〈製造方法〉
つづいて、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法を説明する。本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法について、概略的に示した側面図を図6に示す。
図6に示す本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法は、ブリスター部形成工程110と、内容物収容工程120と、ブリスター部密封工程130と、溝形成工程140と、急冷工程150とを備えている。ここで、ブリスター部形成工程110では、ポリエステル樹脂製シートを加熱して軟化させ、複数のブリスター部を形成する。また、内容物収容工程120では、前記工程により設けられたブリスター部内に内容物を収容する。また、ブリスター部密封工程130では、前記工程によりブリスター部内に内容物を収容したポリエステル樹脂製シートの平坦部に、平板状の蓋板シートを密着させて、内容物を収容したブリスター部を蓋板シートにより密封する。また、溝形成工程140では、ポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に略垂直方向にレーザーを照射し、溝を形成する。また、急冷工程150では、前記工程の後、該溝を冷却する。
本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法においては、まず最初に、一定の速度で回転する繰り出しロール42が、ポリエステル樹脂製シート12を丸めた材料ロール40からポリエステル樹脂製シート12を引き出し、ダンサーロール44で十分なループを形成させておく。そして、間欠的に回転する間欠ロール46が、該ループからポリエステル樹脂製シート12を、ブリスター部形成工程110、すなわち、加熱装置48とブリスター部14を成形する成形装置50へと導入する。
ブリスター部形成工程110では、加熱装置48においてポリエステル樹脂製シート12が、電熱で約120℃に温められ、つづいて成形装置50で雄型と雌型に挟まれて、ブリスター部14が成形される。ブリスター部14が成形されたポリエステル樹脂製シート12は、間欠ロール46内に組み込まれた冷却装置で冷却され、ダンサーロール52で十分なループが作られ、一定回転する駆動ロール54によって、内容物収容工程120、すなわち、錠剤充填装置56と検査装置58へと導かれる。
内容物収容工程120では、錠剤充填装置56によって錠剤等の内容物16が各ブリスター部14へと1個ずつ充填され、各ブリスター部14へと充填された内容物16は、検査装置58で、未充填や内容物の表裏に欠損がないかどうか検査される。検査の方法としては、デジタルカメラで内容物16を撮影し、そのデジタル画像を設定画像と比較する一般的な方法で行なわれる。ポリエステル樹脂は透明性が高いので、内容物16の裏面の検査を、裏面側から、あるいは鏡に映った画像を検査することによって、容易に検査することができる。
つづいて、ブリスター部密封工程130では、蓋板シート18を丸めた蓋板ロール60から、蓋板材26(アルミ箔)を主体とする蓋板シート18を、一定速度で回転する繰り出しロール62で繰り出して、内容物16を各ブリスター部14へと収容したポリエステル樹脂製シート12へと被せる。駆動ロール54とヒートシールロール64で、該ポリエステル樹脂製シート12と蓋板シート18を挟んで、約200℃の温度で、ヒートシールし、密封する。密封されたポリエステル樹脂製シート12は、2個のダンサーロール66、66’でループを形成し、自然放冷される。粗熱を取り除いた密封済みのポリエステル樹脂製シート12は、間欠駆動ロール68によって、溝形成工程140、すなわち、横方向溝24形成用のレーザー照射装置70と、縦方向溝22形成用のレーザー照射装置72へと導かれる。
溝形成工程140においては、横方向溝24形成用のレーザー照射装置70により、ポリエステル樹脂製シート12の平坦部に対して、炭酸ガスレーザーをブリスター部の突出方向側から移動しながら照射し、横方向溝24を形成している。また、同様に縦方向溝形成用のレーザー照射装置72によって、ポリエステル樹脂製シート12の平坦部に縦方向溝22を形成している。
本発明の溝形成工程において、レーザー光の照射面は、ポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面(ブリスター部の突出方向面)であっても、蓋板シート側面(ブリスター部の開口方向面)であってもよい。また、本実施形態においては、内容物を収容し、蓋板シートにより密封した後に、レーザー光の照射による溝の形成を行なっているが、工程の順序は適宜変更してもよく、予めポリエステル樹脂製シートにレーザー光の照射により溝を形成しておき、その後に、内容物収容及びブリスター部密封の各工程を行なっても構わない。特に、ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝を形成する場合には、蓋板シートによる密封を行なう前に、予めレーザー光の照射による溝の形成を行なっておくことが好ましい。
また、この溝形成工程におけるレーザー光は、出力1.0〜100W、レーザー光径0.1〜5.0mmのレーザー光を10〜500mm/secで移動して照射する。なお、本実施形態においては、出力9.2W,レーザー光径0.2mmのレーザー光を、170mm/secで直線移動して照射している。また、本実施形態においては、横方向溝24形成用のレーザー照射装置70と、縦方向溝22形成用のレーザー照射装置72とを別々に使用しているが、1つのレーザー照射装置により、縦方向溝と横方向溝とを形成することも可能である。
また、本発明においては、上記溝形成工程に先立って、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン目を形成するミシン目形成工程を備えていることが、より好適である。そして、このミシン目形成工程によって、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン目が形成されている場合、上記溝形成工程においては、ミシン目上にレーザー光を照射し、該ミシン目に沿って溝を形成する。この場合において、レーザー光の照射は、ミシン目の貫通部分(スリット部)、連結部分(ブリッジ部)の区別なく、直線状にミシン目全体にレーザー光を照射すればよい。なお、ミシン目上に溝を形成した場合の実施形態においては、出力8.7W,レーザー光径0.2mmのレーザー光を、240mm/secで直線移動して照射し、ミシン目に沿って溝を形成している。レーザー光の照射面は、ポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面(ブリスター部の突出方向面)であっても、蓋板シート側面(ブリスター部の開口方向面)であってもよい。また、工程の順序を適宜変更することも可能であり、例えば、予めポリエステル樹脂製シートにミシン目を形成し、さらに該ミシン目上の溝を形成しておき、その後に、内容物収容及びブリスター部密封の各工程を行なってもよい。本発明においては、このように、蓋板シートによる密封を行なう前に、予めミシン目の形成及びレーザー光の照射による溝の形成を行なっておくことが特に好ましい。
縦方向溝22及び横方向溝24を形成したポリエステル樹脂製シート12は、急冷工程150、すなわち、送風装置74へと運ばれて、該溝22(24)に空気が吹き付けられ、室温の状態に急冷される。なお、送風装置74は、レーザー照射範囲がそれほど広くない場合には必ずしも必要ではなく、ポリエステル樹脂製シートを室温中に放置することで、同様の急冷効果を得ることも可能である。この急冷工程においては、より具体的には、例えば、0〜50℃で0.1〜30秒間、好ましくは10〜20℃で5〜10秒間保持すればよい。
縦方向溝22及び横方向溝24を形成したポリエステル樹脂製シート12は、打ち抜き装置76に送られ、所望の形状、すなわち図1に示す形状に打ち抜かれる。そして、これより得られたポリエステル樹脂製プレススルーパック10は、コンベア80により箱詰め等の次の工程へと搬送される。一方、打ち抜き工程により残されたポリエステル樹脂製シートは、間欠駆動カッター装置78により細分化される。
以上のようにして製造される本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックによれば、ポリエステル樹脂シートの平坦部にレーザーを照射して溝を形成し、さらにその後急冷することによって、樹脂が該溝において薄肉化され、さらに該溝周辺部分の樹脂の極限粘度が低下することによりポリエステル樹脂が脆くなるため、折り分け易さの著しく改善される。つまり、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックは、該溝の周辺部分のポリエステル樹脂がレーザーによって加熱されることにより、加水分解して樹脂の分子量が低下してポリエステル樹脂が脆くなるため、折り分け易さが改善される。
また、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法によれば、刃物等を用いた機械的な切削を行なうことなくポリエステル樹脂を昇華させて溝を形成しているため、切り屑が発生せず、プレススルーパックに切り屑が付着することがなく、装置を掃除する頻度も少なくて済み、さらに品質管理として溝を形成するための刃物の耐用期間を考慮する必要もない。また、本発明のポリエステル樹脂製プレススルーパックは、ポリエステル樹脂製であるため、耐内容物性に優れ、内容物に対して不活性であるとともに、オレフィン等の樹脂よりも生産性に優れている。また、特にポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝を形成した場合には、ポリエステル樹脂製シートと蓋板シートとを同時に破断しなくてもよいので、蓋板シートの破断による抗力が無く、弱い力で破断できるため、より容易に折り分けることができる。さらに、ポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン部を設け、該ミシン目のブリッジ部に溝を形成した場合には、スリット部による抗力が無く、極めて容易に折り分けることができる。
本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10の平面図である。 本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10を、横方向に切断した断面図である。 本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’を、横方向に切断した断面図である。 本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’の平面図(a)、及び同平面図を拡大した図(b)である。 本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパック10’’を、横方向に切断した断面図(a)、及び同断面図を拡大した図(b)である。 本発明の一実施形態にかかるポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法を、概略的に示した側面図である。
符号の説明
10 ポリエステル樹脂製プレススルーパック
12 ポリエステル樹脂製シート
14 ブリスター部
16 内容物
18 蓋板シート
20 タブ部
22 縦方向溝
24 横方向溝
26 蓋板材
28 接着剤層
30 縦方向ミシン目
32 横方向ミシン目
40 材料ロール
42 繰り出しロール
44 ダンサーロール
46 間欠ロール
48 加熱装置
50 成形装置
52 ダンサーロール
54 駆動ロール
56 錠剤充填装置
58 検査装置
60 蓋板ロール
62 繰り出しロール
64 ヒートシールロール
66 ダンサーロール
68 間欠駆動ロール
70 レーザー照射装置
72 レーザー照射装置
74 送風装置
76 打ち抜き装置
78 間欠駆動カッター装置
80 コンベア

Claims (10)

  1. 複数のブリスター部と該ブリスター部と連続する平坦部とからなるポリエステル樹脂製シートと、該ブリスター部内に収容される内容物と、該ポリエステル樹脂製シートの平坦部と密着した平板状の蓋板シートとを備え、該内容物を収容したブリスター部が該蓋板シートにより密封されたポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、
    極限粘度が0.5〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に対して、出力1.0〜100W、レーザー光径0.1〜5.0mmのレーザー光を10〜500mm/secで移動して照射されることによって、略垂直方向に溝が形成され、
    該溝の深さが、該溝周辺部分の厚さの20〜90%であり、
    該溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、該溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも10%以上低下している
    ことを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパック。
  2. 請求項1に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂が、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種もしくは2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種もしくは2種以上からなるホモポリエステル樹脂、または共重合ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂製プレススルーパック。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂製シートの平坦部にミシン目が形成され、該ミシン目に沿って前記溝が形成されていることを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパック。
  4. 請求項3に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックにおいて、前記ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝が形成されていることを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパック。
  5. 複数のブリスター部と該ブリスター部と連続する平坦部とからなるポリエステル樹脂製シートと、該ブリスター部内に収容される内容物と、該ポリエステル樹脂製シートの平坦部と密着した平板状の蓋板シートとを備え、該内容物を収容したブリスター部が該蓋板シートにより密封されたポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、少なくとも、
    極限粘度が0.5〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂製シートの平坦部の外表面又は蓋板シート側面に略垂直方向にレーザー光を照射し、溝を形成する溝形成工程と、
    前記工程の後、該溝を冷却する急冷工程と
    を備え、
    前記溝形成工程は、出力1.0〜100W、レーザー光径0.1〜5.0mmのレーザー光を10〜500mm/secで移動して照射し、
    前記溝形成工程により形成される溝の深さを、該溝周辺部分の厚さの20〜90%とし、該溝周辺部分におけるポリエステル樹脂の極限粘度が、該溝周辺部分以外のポリエステル樹脂の極限粘度よりも10%以上低下させる
    ことを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
  6. 請求項5に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記急冷工程は、0〜50℃で0.1〜30秒間保持することを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記ポリエステル樹脂が、酸成分として、アジピン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸から選択された1種もしくは2種以上からなり、グリコール成分として、エチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、スピログリコールから選択された1種もしくは2種以上からなるホモポリエステル樹脂又は共重合ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、さらにポリエステル樹脂製シートの平坦部に予めミシン目を形成するミシン目形成工程を備え、且つ前記溝形成工程は、前記工程により形成されたミシン目上にレーザー光を照射し、該ミシン目に沿って溝を形成することを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
  9. 請求項8に記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、前記溝形成工程は、ポリエステル樹脂製シートの蓋板シート側面に対して溝を形成することを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
  10. 請求項5から9のいずれかに記載のポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法において、さらに、
    ポリエステル樹脂製シートを加熱して軟化させ、複数のブリスター部を形成するブリスター部形成工程と、
    前記工程により設けられたブリスター部内に内容物を収容する内容物収容工程と、
    前記工程によりブリスター部内に内容物を収容したポリエステル樹脂製シートの平坦部に、平板状の蓋板シートを密着させて、内容物を収容したブリスター部を蓋板シートにより密封するブリスター部密封工程と
    を備えることを特徴とするポリエステル樹脂製プレススルーパックの製造方法。
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