JP2004114582A - 熱成形用ポリエステルシート及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】PVCに近い成形性を有し、手切れ性に優れ、トリミングロスのリサイクルが可能で、かつ、透明性に優れた、PTP包装、ブリスター包装等に好適なポリエステルシート、並びに、この熱成形用ポリエステルシートを用いて形成される包装体を提供すること。
【解決手段】熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有し、基体層が、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなり、被覆層が、不活性粒子を含有せず、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなるか、あるいは、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を0.05〜1.0質量部含有し、かつ、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有し、基体層が、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなり、被覆層が、不活性粒子を含有せず、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなるか、あるいは、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を0.05〜1.0質量部含有し、かつ、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱成形用ポリエステルシート及び包装体に関し、特に、医薬品や食品等のPTP(プレススルーパック)包装体、ブリスター包装体等に使用される熱成形用ポリエステルシート及び包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
カプセルや錠剤等の医薬品、粒状の食品等については、PTP包装やブリスター包装が行われるようになった。
PTP包装とは、例えば、透明のプラスチックシートを加熱、軟化させた後、圧空成形、真空成形等により、カプセル等を収納する凹部(ポケット部)を形成し、ポケット部にカプセル等を個別に収納した後、アルミ箔等のように手で容易に引き裂ける材質の箔やフィルムを積層して一体化した形態の包装をいう。PTP包装により、透明なプラスチックシートのポケット部に収納されたカプセル等を、包装体の外部から直接肉眼で確認することができる。収納されたカプセル等は、ポケット部の裏側(凸側)からカプセル等を指で押して箔等を押し破ることにより、容易に取り出される。
ブリスター包装とは、プラスチックシートを加熱、軟化させた後、真空成形等により、収納する食品等の形態に応じた大きさや形状の凹部(透明ドーム、収納部)を形成し、凹部に食品等を収納した後、ヒートシール性コート紙やフィルム等で封をする形態の包装をいう。
PTP包装やブリスター包装に用いられるシートとしては、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」という)樹脂が、良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、適度な防湿性、透明性を有するため、従来から使用されてきた。
【0003】
しかし、PVC樹脂は、燃焼時に発生する塩化水素ガスが、燃焼炉を劣化させたり環境を汚染する等の問題点が指摘されるようになった。そのため、PVC樹脂に替わる材料が求められている。
近年においては、PVCの代替材料として石油樹脂を適量添加したポリプロピレン系樹脂が使用されているが、ポリプロピレン系樹脂はPVC樹脂に比べ成形性が劣るため、成形時にプラグ等を使用して成形を補助する必要があった。また、ポリプロピレン系樹脂のシートは、形成されたスリット部に沿って折り曲げてシートを切断しようとしても、なかなか切断することができず、引き裂き動作が必要になったり、はさみ等の切断器具が必要になることがあった。また、切り離しに時間がかかると、急いでいるときには、煩わしいものとなることもあった。
特開平5−309798号公報には、ポリプロピレン系樹脂層とポリエステル系樹脂層を積層した熱成形用シートが開示されている。ポリエステル系樹脂層を積層することにより、熱成形性を改良することはできるが、シート製造時に発生するトリミングロスを処理することが難しいという問題があった。すなわち、トリミングロスをリサイクル材料として使用すると、得られたシートに白濁が生じるためリサイクル材料として処理することができず、トリミングロスを焼却処理すると、環境上の問題が発生した。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−309798号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、PVCに近い成形性を有し、シートを容易に切断することができる手切れ性に優れ、トリミングロスのリサイクルが可能で、かつ、透明性に優れた、PTP包装やブリスター包装に好適な熱成形用ポリエステルシート、並びに、この熱成形用ポリエステルシートを用いて形成される包装体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有し、前記基体層が、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物成分からなり、前記被覆層が、不活性粒子を含有せず、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなるか、あるいは、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を0.05〜1.0質量部含有し、かつ、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする。
ここで、前記不活性粒子は、平均粒径が3μm以上であることが好ましい。
また、前記被覆層のポリエステル系樹脂組成物は、全体として、繰り返し単位の50モル%以上がエチレンナフタレート単位によって構成されててもよい。
また、前記基体層のポリエステル系樹脂組成物に含まれるポリエステル系樹脂のジオール成分は、エチレングリコール95〜20モル%と、1,4−シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%とからなることができる。
また、前記被覆層の厚さは、シート全体の厚さの5〜50%の範囲にあることができる。
また、前記基体層及び前記被覆層が、溶融状態で押し出され、キャストロールに接触させ、急冷固化させてシート状に形成されることができる。
本発明の包装体は、上記熱成形用ポリエステルシートに熱成形加工を行った後、蓋材を積層して形成された収納空間を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有する。基体層は、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなる。また、被覆層は、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる。このポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、不活性粒子を1.0質量部以下で含有していてもよいが、含有される不活性粒子は、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7であり、好ましくは、平均粒径が3〜15μmである。また、不活性粒子の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の範囲であることが好ましい。
ここで、熱変形温度とは、日本工業規格 JIS K7196に記載の熱機械分析(TMA)の針入れモードに基づいて求められた軟化温度である。
【0008】
本発明においてポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを等モルで縮合重合させることによって得られるものをいう。
本発明に好ましく用いられるジカルボン酸成分の代表的なものとしては、テレフタル酸が挙げられるが、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置換してもよい。他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等が挙げられる。なお、用いられる他のジカルボン酸成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
【0009】
本発明に好ましく用いられるジオール成分の代表的なものとしては、エチレングリコールが挙げられるが、エチレングリコールの一部を他のジオール成分で置換してもよい。他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコール等が挙げられる。なお、用いられる他のジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオールの量も適宜選択することができる。
【0010】
基体層に用いられるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂としては、具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレートが、コストの観点から、好ましいものとして挙げられる。その他に、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸成分で置換したり、エチレングリコールの一部を他のジオール成分で置換したエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂も使用することができる。例えば、ジオール成分が、エチレングリコール95〜20モル%と、1,4−シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%とからなるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が好ましく使用される。本発明においては、ポリエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂との混合物でもよいし、2種以上のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を混合したものでもよい。
【0011】
基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、全体としての熱変形温度が50℃〜85℃である。ただし、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合、例えば、エチレンフタレートとエチレンテレフタレート系ポリエステルとを混合したり、2種以上のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を混合するような場合には、混合物の熱変形温度が、上記範囲内であることが必要である。基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の熱変形温度が50℃未満では、形成されたシートが、使用温度領域で変形を生じるので、実用的に使用することはできない。エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の熱変形温度が85℃を超えると、得られたシートは高温でないと熱成形加工を行うことができなくなり、2次加工性が低下する。
【0012】
基体層に使用される、上記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートより結晶性が低いか、あるいは殆ど結晶性がなく、成形温度領域で弾性率が比較的高くなる。したがって、成形加工において、ドローダウンやネックダウンが発生することを防ぐことができ、また、結晶化による白化も防止することができる。さらにまた、高温領域での結晶化の進行を抑制することもできる。
【0013】
基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、固有粘度が0.4以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.5以上である。エチレンテレフタレート系ポリエステル系樹脂及びポリエステル系樹脂の固有粘度が0.4以上であれば、得られた製品は十分な機械的強度を有し、例えば低温状態においても十分な衝撃強度を有する。
なお、以下に説明する被覆層を形成するポリエステル系樹脂についても、同様に、固有粘度が0.4以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.5以上である。
【0014】
被覆層に用いられるポリエステル系樹脂としては、具体的には、ジカルボン酸成分の一部をナフタレンジカルボン酸成分で置換し、ジオール成分がエチレングリコールであるエチレンナフタレート系ポリエステル樹脂が、熱変形温度及びコストの面から、好ましいものとして挙げられる。被覆層のポリエステル系樹脂組成物は、全体として、繰り返し単位の50モル%以上がエチレンナフタレート単位である樹脂を選択することが好ましい。すなわち、ポリエステル系樹脂が2種以上の混合物である場合には、混合物全体で、エチレンナフタレート単位を50モル%以上含むことが好ましい。ポリエステル系樹脂は、エチレンナフタレート系ポリエステル樹脂のみから構成されても、他のポリエステル樹脂を含んでいてもよく、また、これらの2種以上を併用してもよい。
被覆層に用いられるポリエステル系樹脂は、熱変形温度が100℃以上であることが必要である。ポリエステル系樹脂の熱変形温度が100℃未満では、シートの通常の成形温度領域でシートの形態保持が不可能となり、また、シートが加熱板へ貼りついたり、ブロッキングを起こすようになる。
なお、ポリエステル系樹脂が2種以上から構成されている混合物である場合には、2種以上のポリエステル系樹脂の混合物の熱変形温度が100℃以上であればよいので、熱変形温度が100℃未満のポリエステル系樹脂を含んでいてもよい。
【0015】
また、ポリエステル系樹脂の引張弾性率は、全体として、1,000MPa以上であることが必要である。通常、基材層の熱変形温度以上、かつ、被覆層の熱変形温度未満の温度領域では、被覆層に熱変形は生じない。しかしながら、被覆層を形成するポリエステル系樹脂の引張弾性率が1,000MPa未満では、樹脂自体が柔軟であるため、シートを成形する温度領域で形態を保持することができなくなり、ドローダウンやネックダウンが生じる。なお、ポリエステル系樹脂が2種以上のポリエステル系樹脂からなる場合には、これらのポリエステル系樹脂の混合物の引張弾性率が1,000MPa以上であればよいので、引張弾性率が1,000MPa未満のポリエステル系樹脂を含んでいてもよい。
【0016】
既述したように、被覆層を形成するポリエステル系樹脂組成物は、不活性粒子を、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、1.0質量部以下で含有することができる。不活性粒子を含有させることにより、シート同士のくっつきや、加熱板への貼りつき、ブロッキング等を防止することができ、成形ラインにおいて良好な状態でシートを供給することができる。
【0017】
なお、視認性の点で実用上支障がない程度にシートの表面を若干粗面化しておけば、PTP成形体またはブリスター成形体の収納部で錠剤等が安定して保持されるというメリットがある。ただし、視認性が著しく劣っていると、例えば薬剤を収容したPTP包装体では、薬剤の有無の確認ができなかったり、アルミ箔に印刷された薬剤の種類、商品名等の文字の判読が不可能になるので、注意を要する。
【0018】
ポリエステル系樹脂組成物に添加される不活性粒子は、平均粒径が15μm以下であることが必要であり、3〜15μmの範囲であることが好ましい。また、不活性粒子の屈折率は、1.4〜1.7であることが必要であり、また、添加量は、0.05〜1.0質量部の範囲内であることが好ましい。
不活性粒子の添加量が、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、1.0質量部より多くなると、シートの外観が劣ったものとなり、透明性が低下する。また、不活性粒子の添加量が0.05質量部〜1.0質量部であれば、シート同士のくっつきや、加熱板への貼りつき防止効果が十分に得られる。
不活性粒子の平均粒径が15μmより大きいと、被覆層表面の凹凸が大きくなるので、表面が粗面化して外観が悪くなり、また、シートの透明性が低下する。不活性粒子の平均粒径が3μm〜15μmであれば、被覆層表面の凹凸の大きさも十分であり、シートのブロッキングや加熱板への貼りつきを防止することができ、例えば成形ラインにおいて良好な状態でシートを供給することができる。しかも、透明性を保持し、かつ、良好な外観を有する製品を提供することができる。ここで平均粒径とは、コールカウンター(日本化学機械(株)製)を使用して不活性粒子の粒子径を計測し、累積重量分率が50%になる時の粒子径を意味する。
【0019】
屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を使用する理由は、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂やポリエステル系樹脂の屈折率は1.57前後であり、これらのポリエステル樹脂の屈折率と大きく異なる屈折率を有する不活性粒子を使用すると、シートの外観が劣ったものとなり、透明性が低下するからである。不活性粒子の屈折率は、液体(屈折率が既知)中に不活性粒子を浸して、この不活性粒子を含む液体の屈折率をアッペの屈折率計で測定し、これから求めた。すなわち、不活性粒子を含む液体の屈折率は、不活性粒子及び液体の各屈折率と、液体中に含まれる不活性粒子の割合に依存するので、不活性粒子と液体の割合が分かれば不活性粒子の屈折率を算出することができる。
【0020】
不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミノシリケート、タルク等の無機系粒子、スチレン系樹脂の架橋粒子等を使用することができる。本発明においては、2種類以上の不活性粒子を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
ポリエステル系樹脂に不活性粒子を配合する方法としては種々の方法が挙げられ、特に限定されるものではない。例えば、重合時に不活性粒子を添加したり、重合後の樹脂にブレンダーを使用して不活性粒子を混合したり、高濃度の不活性粒子を含有するマスターバッチを予め作製しておき、このマスターバッチを希釈して樹脂に混合したりして、配合することができる。
【0022】
本発明の熱成形用ポリエステルシートの厚さや被覆層の厚さについて、特に制限はないが、例えば、熱成形用ポリエステルシートの厚さは50〜1,000μmであることが好ましく、さらに好ましくは150〜500μmである。被覆層の厚さは、複数層の被覆層を有する場合には合計の厚さで、例えば、熱成形用ポリエステルシート全体の厚さに対して、5〜50%の範囲であることが好ましい。被覆層の占める割合が5%〜50%であれば、被覆層を設けた効果が効果的に発揮されるからである。
【0023】
本発明の効果を損なわない範囲内で、熱成形用ポリエステルシートを構成する各層、例えば、基体層および/または被覆層に、着色剤、有機系の滑剤、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収剤、衝撃改良剤、シート生産時に発生するトリミングロス等を添加することができる。また、シート表面に、帯電防止剤、シリコーン、ワックス等をコーティングしてもよい。
【0024】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、無延伸シートであり、実質的に結晶化していない状態のシートである。ここで無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸したシートではないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは、無延伸シートに含まれる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、(1)予めシート状に形成しておいた各層を、加熱して貼り合わせるか、又は接着剤を用いて貼り合わせる方法、(2)予め成形しておいた被覆層を、基体層を押出機のTダイから押出した直後に熱接着する方法、(3)各層をそれぞれ別の押出機で溶融押出し、ニップロ−ルで溶融接着する方法、(4)各層をそれぞれ別の押出機で溶融し、多層ダイを用いて溶融積層し、積層シートとして押出す方法、等のいずれかの方法によって形成される。例えば、(4)の方法の場合には、被覆層を形成するポリエステル系樹脂組成物と、基体層を形成するポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物とを、それぞれ別の押出機に供給し、溶融して、多層Tダイを用いて押出し、キャストロールで急冷固化することにより、積層シートを得ることができる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、ロール状に巻き取ってもよいし、シート化した後、切断装置を用いて、枚葉状にカットしてもよい。
【0025】
本発明の熱成形用ポリエステルシートには絵柄層を設けてもよく、その場合には、熱成形用ポリエステルシートの片面、又は、両面に、直接印刷を施してもよいし、別の熱可塑性樹脂シートや合成紙等に印刷を施したものを、熱成形用ポリエステルシートの少なくとも一方の面に、ラミネート等によって貼り合わせてもよい。本発明の熱成形用ポリエステルシートを用いて包装体を形成する場合には、例えば、蓋材の少なくとも一方の面に、薬剤名等を印刷してもよい。印刷方法としては、UVオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷等の公知の方法を採用することができる。
【0026】
本発明の熱成形用ポリエステルシートには、成形加工や折り曲げ加工等の2次加工を行うことができる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、PTP包装やブリスター包装に好ましく使用される。例えば、PTP包装体やブリスター包装体は、熱成形用ポリエステルシートを成形して被収納物の大きさや形状に適合する凹部を形成し、この凹部の開口側を塞ぐように、蓋材を重ねて一体化することによって得られる。なお、熱成形用ポリエステルシートの熱成形温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは100℃〜150℃であり、さらに好ましくは110〜140℃である。以下に、本発明の包装体について図面を用いて説明する。
【0027】
図1は、PTP包装による、本発明の包装体の実施形態の1つを示す断面図である。熱成形用ポリエステルシート3は、基体層1の両面に被覆層2が設けられた三層構成の積層体である。熱成形用ポリエステルシート3には、熱成形により凹部空間(ポケット部)4が形成されている。ポケット部4は、錠剤7を収納する密閉空間であり、ポケット部4の開口側は、錠剤7を収納した後、蓋材5によって塞がれている。蓋材5の材料としては、手で容易に切断することができるものが好ましく、アルミニウム箔等の金属箔、コート紙、プラスチックシート等が挙げられる。蓋材5と熱成形用ポリエステルシート3とは、例えば接着剤等を用いて貼り合わせてもよいし、熱融着等によって貼り合せてもよい。本実施形態においては、ポケット部4の周囲(図1においては、左側と右側)に、熱成形用ポリエステルシート3側からスリット罫線6が形成されており、スリット罫線6に沿って折り曲げることにより、容易に手で切断することができるようになっている。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例では、以下に示す方法で測定及び評価を行った。
【0029】
<ポリエステル樹脂原料の物性値の測定方法>
(1)熱変形温度
日本工業規格 JIS K7196に基づいて、熱変形温度を測定する。
(2)引張弾性率
日本工業規格 JIS K7161に基づいて、引張弾性率を測定する。
(3)固有粘度
テトラクロロエタン/フェノールの重量比が50/50の混合溶媒を用いて、温度30℃の条件で測定した。
【0030】
<評価方法>
1.PTP成形機における加工適性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、成形を補助するプラグを使用せずに、シートに収納用の凹部(ポケット部)を形成した。次いで、密閉空間が形成されるように、凹部の開口側にアルミニウム箔を積層した後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行った。凹部を形成するための成形工程において、ワークの送り安定性(シートがブロッキングや加熱板への貼りつき等を起こさずに順調に送り出されたか否か)、及び、成形されたポケット部等の外観を目視観察し、これらを以下の基準に従って総合的に評価した。評価基準は、ポケット部の外観が良好で、かつトラブルがなく順調に成形加工することができた場合を記号「○」、ポケット部の外観に問題が生じたり、成形加工においてトラブル等が発生した場合を記号「×」で示した。
【0031】
2.適性成形加工温度範囲
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、成形を補助するプラグを使用せずに、シートに凹部(ポケット部)を形成した。ただし、成形装置におけるシート加熱板の温度を2℃間隔で変更して、シートにポケット部を形成し、得られた成形体(ポケット部)を目視観察し、実用上支障のないレベルの成形体が得られたときの加熱板の温度を記録した。この加熱板の温度の上限、及び、下限の間の温度を、適性に成形加工できる温度範囲とした。この温度範囲の幅が10℃以上である場合を記号「○」、5℃以上、10℃未満である場合を記号「△」、5℃未満の場合を記号「×」で示した。
【0032】
3.透明性
成形体(ポケット部)について、日本工業規格 JIS K7105に基づいて、HAZE値を測定した。HAZE値が10%以下である場合を記号「○」、10%より大きく、20%以下である場合を記号「△」、20%より大きい場合を記号「×」で示した。
【0033】
4.手切れ性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、凹部(ポケット部)を形成した。次いで、ポケット部の開口側にアルミニウム箔をヒートシールした後、ポリエステルシート側からスリット罫線加工を行った。その後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行って、PTP包装体を作製した。
得られたPTP包装体をスリット罫線部に沿って、まず、アルミニウム箔側が凹になるように、手で約100度の角度で折り曲げ、次に、アルミニウム箔側が凸となるように、手で折り曲げた。このアルミニウム箔側が凹になるように折り曲げる動作と、凸になるように折り曲げる動作とで折り曲げ動作1回とし、折り曲げ動作が2回以内でPTP包装体を容易に2分割できた場合を記号「○」、若干の引き裂き動作が必要となった場合を記号「△」、容易に引き裂くことができなかった場合を記号「×」で示した。
【0034】
5.シール性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、凹部(ポケット部)を形成した。次いで、ホットメルト系接着剤をコーティングしたアルミニウム箔を、ポケット部を形成したシートに重ねてヒートシールした後、ポリエステルシート側からスリット罫線加工を行った。その後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行って、PTP包装体を作製した。
得られたPTP包装体を水中に入れ、500mmHgの環境下で1分間放置した後、PTP包装体のシール性の評価を行った。ポケット部が密閉された状態でシールがされており、ポケット部に水の浸入が認められなかった場合を記号「○」、ポケット部に水の浸入が認められた場合を記号「×」で示した。
【0035】
6.表面外観
成形されたポケット部を目視観察し、ポケット部の表面が平滑または平滑に近い状態で形成されており、視認性の点で実用上支障がないと判断できる場合を記号「○」、ポケット部の表面が粗面化しており、視認性の点で実用上支障があると判断される場合を記号「×」で示した。
【0036】
以下に、本実施例において用いられたポリエステル系樹脂および不活性粒子について説明する。
<基体層および被覆層の形成に使用されるポリエステル樹脂原料>
A:テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレート(引張弾性率 2,059MPa、熱変形温度 72℃、固有粘度 0.75)
B:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と、ジオール成分としてエチレングリコール70%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%の混合物とを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,270MPa、熱変形温度 81℃、固有粘度 0.8)
C:ナフタレンジカルボン酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られたポリエステル(引張弾性率 2,353MPa、熱変形温度 122℃、固有粘度 0.6)
D:ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸92モル%及びテレフタル酸8モル%の混合物と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,295MPa、熱変形温度 117℃、固有粘度 0.65)
E:ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸30モル%及びテレフタル酸70モル%の混合物と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,206MPa、熱変形温度 92℃、固有粘度 0.65)
F:ポリエステル系エラストマー成分を共重合させたポリエステル、東洋紡績(株)製の商品名「コスモソフトJP−910」(引張弾性率 1,074MPa、熱変形温度 160℃、固有粘度 0.8)
G:ポリエステル系エラストマー成分を共重合させたポリエステル、東洋紡績(株)製の商品名「コスモソフトJP−930」(引張弾性率 2,29MPa、熱変形温度 97℃、固有粘度 0.8)
【0037】
<不活性粒子原料>
ア:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 8μm)
イ:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 2μm)
ウ:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 18μm)
エ:シリカ(屈折率 1.46、平均粒径 8μm)
オ:酸化マグネシウム(屈折率 1.73、平均粒径 8μm)
【0038】
(実施例1)
基体層のポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂として、ポリエステル樹脂原料A(テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレート(引張弾性率 2,059MPa、熱変形温度 72℃、固有粘度 0.75))を用い、被覆層のポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂原料C(ナフタレンジカルボン酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られたポリエステル(引張弾性率 2,353MPa、熱変形温度 122℃、固有粘度 0.6))を用いた。これらのポリエステル樹脂原料を、それぞれ別の押出機に投入して溶融した後、Tダイにより押出し、キャストロールで急冷固化して、基体層の両面に被覆層を有する、2種3層構成の積層体(15μm/220μm/15μm)を得た。ただし、被覆層を形成するポリエステル樹脂原料には、不活性粒子原料イ(アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 2μm))を、ポリエステル樹脂原料100質量部に対して、0.3質量部添加した。なお、不活性粒子は、高濃度の不活性粒子のマスターバッチを予め作製しておき、希釈してポリエステル樹脂に混合した。
得られた積層体(ポリエステルシート)について、PTP成形機における加工適性、適性成形加工温度範囲、透明性、手切れ性、シール性、表面外観に関する評価を行った。その結果を表1に示す。
【0039】
(実施例2〜9)
実施例1において、基体層のポリエステル樹脂原料、被覆層のポリエステル樹脂原料、および、不活性粒子原料の種類と配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートの積層体を作製した。ただし、実施例3の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が100℃であり、実施例4の基体層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が77℃であり、実施例5の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が105℃である。また、得られたポリエステルシートの各層の厚さは、表1に示すようであった。
得られたポリエステルシートについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1〜8)
実施例1において、基体層のポリエステル樹脂原料、被覆層のポリエステル樹脂原料、および、不活性粒子原料の種類と配合量を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートの積層体を作製した。ただし、比較例4の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料は、引張弾性率が650MPaであり、熱変形温度が130℃である。また、得られたポリエステルシートの各層の厚さは、表2に示すようであった。
得られたポリエステルシートについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1から明らかなように、実施例1〜9のポリエステルシートは、PTP成形機における加工適性、適性成形加工温度範囲、透明性、手切れ性、シール性、表面外観のすべての評価において、優れた結果を示し、PTP包装やブリスター包装等の成形用シートとして、非常に優れた品質を有するものであることが分かった。
一方、被覆層に引張弾性率が1000MPa未満および/または熱変形温度が100℃未満のポリエステル系樹脂を用いた比較例1〜4では、成形加工温度範囲が狭くなり、加熱板の温度を少し上げただけで、加熱板にシートが貼りついてしまい、成形加工できなくなった。したがって、連続してスムーズにPTP成形加工を行うことはできなかった。特に比較例4では、引張弾性率が1000MPa未満であるため、シートを成形する温度領域で形態保持できなくなり、ネックダウンが発生しでた。
被覆層に添加した不活性粒子の径が大きい比較例5や、不活性粒子の添加量が多い比較例6では、得られたシートの表面が著しく粗面化し、透明性が低く、視認性の点で実用上支障があるものとなった。
屈折率が1.7以上の不活性粒子を使用した比較例7では、シートが白濁し、視認性の点で実用上支障があるものであった。
また、基体層に、熱変形温度が85℃以上のポリエステル樹脂原料を使用した比較例8では、PTP成形加工を行う際、高温でなければPTP成形加工を行うことができず、成形加工温度範囲も狭くなり、加熱板の温度を少し上げただけで、加熱板にシートが貼りついてしまい、成形加工ができなくなった。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、全体としての熱変形温度が50℃以上85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなる基体層と、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる被覆層とを有する多層構成シートとすることにより、成形温度で、被覆層が極端に柔らかくなることはなく、シート形態を保持することができ、また、加熱板への貼りつきも防ぐことができる。したがって、例えば、成形の補助のためにプラグ等を使用する必要がない。また、本発明によれば、PVCに近い良好な成形性を示し、透明性、および、手切れ性に優れ、トリミングロスのリサイクルが可能で、かつ、シール性も良好な、PTP包装やブリスター包装等に好適な熱成形用ポリエステルシートを提供することができる。さらに、この熱成形用ポリエステルシートを用いて、透明性、および、手切れ性に優れ、かつ、シール性も良好な包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱成形用ポリエステルシートを用いて製造したPTP成形体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体層
2 被覆層
3 熱成形用ポリエステルシート
4 ポケット部
5 蓋材
6 スリット罫線
7 錠剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱成形用ポリエステルシート及び包装体に関し、特に、医薬品や食品等のPTP(プレススルーパック)包装体、ブリスター包装体等に使用される熱成形用ポリエステルシート及び包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
カプセルや錠剤等の医薬品、粒状の食品等については、PTP包装やブリスター包装が行われるようになった。
PTP包装とは、例えば、透明のプラスチックシートを加熱、軟化させた後、圧空成形、真空成形等により、カプセル等を収納する凹部(ポケット部)を形成し、ポケット部にカプセル等を個別に収納した後、アルミ箔等のように手で容易に引き裂ける材質の箔やフィルムを積層して一体化した形態の包装をいう。PTP包装により、透明なプラスチックシートのポケット部に収納されたカプセル等を、包装体の外部から直接肉眼で確認することができる。収納されたカプセル等は、ポケット部の裏側(凸側)からカプセル等を指で押して箔等を押し破ることにより、容易に取り出される。
ブリスター包装とは、プラスチックシートを加熱、軟化させた後、真空成形等により、収納する食品等の形態に応じた大きさや形状の凹部(透明ドーム、収納部)を形成し、凹部に食品等を収納した後、ヒートシール性コート紙やフィルム等で封をする形態の包装をいう。
PTP包装やブリスター包装に用いられるシートとしては、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」という)樹脂が、良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、適度な防湿性、透明性を有するため、従来から使用されてきた。
【0003】
しかし、PVC樹脂は、燃焼時に発生する塩化水素ガスが、燃焼炉を劣化させたり環境を汚染する等の問題点が指摘されるようになった。そのため、PVC樹脂に替わる材料が求められている。
近年においては、PVCの代替材料として石油樹脂を適量添加したポリプロピレン系樹脂が使用されているが、ポリプロピレン系樹脂はPVC樹脂に比べ成形性が劣るため、成形時にプラグ等を使用して成形を補助する必要があった。また、ポリプロピレン系樹脂のシートは、形成されたスリット部に沿って折り曲げてシートを切断しようとしても、なかなか切断することができず、引き裂き動作が必要になったり、はさみ等の切断器具が必要になることがあった。また、切り離しに時間がかかると、急いでいるときには、煩わしいものとなることもあった。
特開平5−309798号公報には、ポリプロピレン系樹脂層とポリエステル系樹脂層を積層した熱成形用シートが開示されている。ポリエステル系樹脂層を積層することにより、熱成形性を改良することはできるが、シート製造時に発生するトリミングロスを処理することが難しいという問題があった。すなわち、トリミングロスをリサイクル材料として使用すると、得られたシートに白濁が生じるためリサイクル材料として処理することができず、トリミングロスを焼却処理すると、環境上の問題が発生した。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−309798号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、PVCに近い成形性を有し、シートを容易に切断することができる手切れ性に優れ、トリミングロスのリサイクルが可能で、かつ、透明性に優れた、PTP包装やブリスター包装に好適な熱成形用ポリエステルシート、並びに、この熱成形用ポリエステルシートを用いて形成される包装体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有し、前記基体層が、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物成分からなり、前記被覆層が、不活性粒子を含有せず、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなるか、あるいは、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を0.05〜1.0質量部含有し、かつ、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする。
ここで、前記不活性粒子は、平均粒径が3μm以上であることが好ましい。
また、前記被覆層のポリエステル系樹脂組成物は、全体として、繰り返し単位の50モル%以上がエチレンナフタレート単位によって構成されててもよい。
また、前記基体層のポリエステル系樹脂組成物に含まれるポリエステル系樹脂のジオール成分は、エチレングリコール95〜20モル%と、1,4−シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%とからなることができる。
また、前記被覆層の厚さは、シート全体の厚さの5〜50%の範囲にあることができる。
また、前記基体層及び前記被覆層が、溶融状態で押し出され、キャストロールに接触させ、急冷固化させてシート状に形成されることができる。
本発明の包装体は、上記熱成形用ポリエステルシートに熱成形加工を行った後、蓋材を積層して形成された収納空間を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有する。基体層は、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなる。また、被覆層は、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる。このポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、不活性粒子を1.0質量部以下で含有していてもよいが、含有される不活性粒子は、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7であり、好ましくは、平均粒径が3〜15μmである。また、不活性粒子の含有量は、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部の範囲であることが好ましい。
ここで、熱変形温度とは、日本工業規格 JIS K7196に記載の熱機械分析(TMA)の針入れモードに基づいて求められた軟化温度である。
【0008】
本発明においてポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを等モルで縮合重合させることによって得られるものをいう。
本発明に好ましく用いられるジカルボン酸成分の代表的なものとしては、テレフタル酸が挙げられるが、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置換してもよい。他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等が挙げられる。なお、用いられる他のジカルボン酸成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
【0009】
本発明に好ましく用いられるジオール成分の代表的なものとしては、エチレングリコールが挙げられるが、エチレングリコールの一部を他のジオール成分で置換してもよい。他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコール等が挙げられる。なお、用いられる他のジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオールの量も適宜選択することができる。
【0010】
基体層に用いられるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂としては、具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレートが、コストの観点から、好ましいものとして挙げられる。その他に、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸成分で置換したり、エチレングリコールの一部を他のジオール成分で置換したエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂も使用することができる。例えば、ジオール成分が、エチレングリコール95〜20モル%と、1,4−シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%とからなるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が好ましく使用される。本発明においては、ポリエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂との混合物でもよいし、2種以上のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を混合したものでもよい。
【0011】
基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、全体としての熱変形温度が50℃〜85℃である。ただし、エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が2種以上の混合物である場合、例えば、エチレンフタレートとエチレンテレフタレート系ポリエステルとを混合したり、2種以上のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を混合するような場合には、混合物の熱変形温度が、上記範囲内であることが必要である。基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の熱変形温度が50℃未満では、形成されたシートが、使用温度領域で変形を生じるので、実用的に使用することはできない。エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の熱変形温度が85℃を超えると、得られたシートは高温でないと熱成形加工を行うことができなくなり、2次加工性が低下する。
【0012】
基体層に使用される、上記エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートより結晶性が低いか、あるいは殆ど結晶性がなく、成形温度領域で弾性率が比較的高くなる。したがって、成形加工において、ドローダウンやネックダウンが発生することを防ぐことができ、また、結晶化による白化も防止することができる。さらにまた、高温領域での結晶化の進行を抑制することもできる。
【0013】
基体層を形成するエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、固有粘度が0.4以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.5以上である。エチレンテレフタレート系ポリエステル系樹脂及びポリエステル系樹脂の固有粘度が0.4以上であれば、得られた製品は十分な機械的強度を有し、例えば低温状態においても十分な衝撃強度を有する。
なお、以下に説明する被覆層を形成するポリエステル系樹脂についても、同様に、固有粘度が0.4以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.5以上である。
【0014】
被覆層に用いられるポリエステル系樹脂としては、具体的には、ジカルボン酸成分の一部をナフタレンジカルボン酸成分で置換し、ジオール成分がエチレングリコールであるエチレンナフタレート系ポリエステル樹脂が、熱変形温度及びコストの面から、好ましいものとして挙げられる。被覆層のポリエステル系樹脂組成物は、全体として、繰り返し単位の50モル%以上がエチレンナフタレート単位である樹脂を選択することが好ましい。すなわち、ポリエステル系樹脂が2種以上の混合物である場合には、混合物全体で、エチレンナフタレート単位を50モル%以上含むことが好ましい。ポリエステル系樹脂は、エチレンナフタレート系ポリエステル樹脂のみから構成されても、他のポリエステル樹脂を含んでいてもよく、また、これらの2種以上を併用してもよい。
被覆層に用いられるポリエステル系樹脂は、熱変形温度が100℃以上であることが必要である。ポリエステル系樹脂の熱変形温度が100℃未満では、シートの通常の成形温度領域でシートの形態保持が不可能となり、また、シートが加熱板へ貼りついたり、ブロッキングを起こすようになる。
なお、ポリエステル系樹脂が2種以上から構成されている混合物である場合には、2種以上のポリエステル系樹脂の混合物の熱変形温度が100℃以上であればよいので、熱変形温度が100℃未満のポリエステル系樹脂を含んでいてもよい。
【0015】
また、ポリエステル系樹脂の引張弾性率は、全体として、1,000MPa以上であることが必要である。通常、基材層の熱変形温度以上、かつ、被覆層の熱変形温度未満の温度領域では、被覆層に熱変形は生じない。しかしながら、被覆層を形成するポリエステル系樹脂の引張弾性率が1,000MPa未満では、樹脂自体が柔軟であるため、シートを成形する温度領域で形態を保持することができなくなり、ドローダウンやネックダウンが生じる。なお、ポリエステル系樹脂が2種以上のポリエステル系樹脂からなる場合には、これらのポリエステル系樹脂の混合物の引張弾性率が1,000MPa以上であればよいので、引張弾性率が1,000MPa未満のポリエステル系樹脂を含んでいてもよい。
【0016】
既述したように、被覆層を形成するポリエステル系樹脂組成物は、不活性粒子を、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、1.0質量部以下で含有することができる。不活性粒子を含有させることにより、シート同士のくっつきや、加熱板への貼りつき、ブロッキング等を防止することができ、成形ラインにおいて良好な状態でシートを供給することができる。
【0017】
なお、視認性の点で実用上支障がない程度にシートの表面を若干粗面化しておけば、PTP成形体またはブリスター成形体の収納部で錠剤等が安定して保持されるというメリットがある。ただし、視認性が著しく劣っていると、例えば薬剤を収容したPTP包装体では、薬剤の有無の確認ができなかったり、アルミ箔に印刷された薬剤の種類、商品名等の文字の判読が不可能になるので、注意を要する。
【0018】
ポリエステル系樹脂組成物に添加される不活性粒子は、平均粒径が15μm以下であることが必要であり、3〜15μmの範囲であることが好ましい。また、不活性粒子の屈折率は、1.4〜1.7であることが必要であり、また、添加量は、0.05〜1.0質量部の範囲内であることが好ましい。
不活性粒子の添加量が、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、1.0質量部より多くなると、シートの外観が劣ったものとなり、透明性が低下する。また、不活性粒子の添加量が0.05質量部〜1.0質量部であれば、シート同士のくっつきや、加熱板への貼りつき防止効果が十分に得られる。
不活性粒子の平均粒径が15μmより大きいと、被覆層表面の凹凸が大きくなるので、表面が粗面化して外観が悪くなり、また、シートの透明性が低下する。不活性粒子の平均粒径が3μm〜15μmであれば、被覆層表面の凹凸の大きさも十分であり、シートのブロッキングや加熱板への貼りつきを防止することができ、例えば成形ラインにおいて良好な状態でシートを供給することができる。しかも、透明性を保持し、かつ、良好な外観を有する製品を提供することができる。ここで平均粒径とは、コールカウンター(日本化学機械(株)製)を使用して不活性粒子の粒子径を計測し、累積重量分率が50%になる時の粒子径を意味する。
【0019】
屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を使用する理由は、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂やポリエステル系樹脂の屈折率は1.57前後であり、これらのポリエステル樹脂の屈折率と大きく異なる屈折率を有する不活性粒子を使用すると、シートの外観が劣ったものとなり、透明性が低下するからである。不活性粒子の屈折率は、液体(屈折率が既知)中に不活性粒子を浸して、この不活性粒子を含む液体の屈折率をアッペの屈折率計で測定し、これから求めた。すなわち、不活性粒子を含む液体の屈折率は、不活性粒子及び液体の各屈折率と、液体中に含まれる不活性粒子の割合に依存するので、不活性粒子と液体の割合が分かれば不活性粒子の屈折率を算出することができる。
【0020】
不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミノシリケート、タルク等の無機系粒子、スチレン系樹脂の架橋粒子等を使用することができる。本発明においては、2種類以上の不活性粒子を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
ポリエステル系樹脂に不活性粒子を配合する方法としては種々の方法が挙げられ、特に限定されるものではない。例えば、重合時に不活性粒子を添加したり、重合後の樹脂にブレンダーを使用して不活性粒子を混合したり、高濃度の不活性粒子を含有するマスターバッチを予め作製しておき、このマスターバッチを希釈して樹脂に混合したりして、配合することができる。
【0022】
本発明の熱成形用ポリエステルシートの厚さや被覆層の厚さについて、特に制限はないが、例えば、熱成形用ポリエステルシートの厚さは50〜1,000μmであることが好ましく、さらに好ましくは150〜500μmである。被覆層の厚さは、複数層の被覆層を有する場合には合計の厚さで、例えば、熱成形用ポリエステルシート全体の厚さに対して、5〜50%の範囲であることが好ましい。被覆層の占める割合が5%〜50%であれば、被覆層を設けた効果が効果的に発揮されるからである。
【0023】
本発明の効果を損なわない範囲内で、熱成形用ポリエステルシートを構成する各層、例えば、基体層および/または被覆層に、着色剤、有機系の滑剤、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収剤、衝撃改良剤、シート生産時に発生するトリミングロス等を添加することができる。また、シート表面に、帯電防止剤、シリコーン、ワックス等をコーティングしてもよい。
【0024】
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、無延伸シートであり、実質的に結晶化していない状態のシートである。ここで無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸したシートではないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは、無延伸シートに含まれる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、(1)予めシート状に形成しておいた各層を、加熱して貼り合わせるか、又は接着剤を用いて貼り合わせる方法、(2)予め成形しておいた被覆層を、基体層を押出機のTダイから押出した直後に熱接着する方法、(3)各層をそれぞれ別の押出機で溶融押出し、ニップロ−ルで溶融接着する方法、(4)各層をそれぞれ別の押出機で溶融し、多層ダイを用いて溶融積層し、積層シートとして押出す方法、等のいずれかの方法によって形成される。例えば、(4)の方法の場合には、被覆層を形成するポリエステル系樹脂組成物と、基体層を形成するポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物とを、それぞれ別の押出機に供給し、溶融して、多層Tダイを用いて押出し、キャストロールで急冷固化することにより、積層シートを得ることができる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、ロール状に巻き取ってもよいし、シート化した後、切断装置を用いて、枚葉状にカットしてもよい。
【0025】
本発明の熱成形用ポリエステルシートには絵柄層を設けてもよく、その場合には、熱成形用ポリエステルシートの片面、又は、両面に、直接印刷を施してもよいし、別の熱可塑性樹脂シートや合成紙等に印刷を施したものを、熱成形用ポリエステルシートの少なくとも一方の面に、ラミネート等によって貼り合わせてもよい。本発明の熱成形用ポリエステルシートを用いて包装体を形成する場合には、例えば、蓋材の少なくとも一方の面に、薬剤名等を印刷してもよい。印刷方法としては、UVオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷等の公知の方法を採用することができる。
【0026】
本発明の熱成形用ポリエステルシートには、成形加工や折り曲げ加工等の2次加工を行うことができる。
本発明の熱成形用ポリエステルシートは、PTP包装やブリスター包装に好ましく使用される。例えば、PTP包装体やブリスター包装体は、熱成形用ポリエステルシートを成形して被収納物の大きさや形状に適合する凹部を形成し、この凹部の開口側を塞ぐように、蓋材を重ねて一体化することによって得られる。なお、熱成形用ポリエステルシートの熱成形温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは100℃〜150℃であり、さらに好ましくは110〜140℃である。以下に、本発明の包装体について図面を用いて説明する。
【0027】
図1は、PTP包装による、本発明の包装体の実施形態の1つを示す断面図である。熱成形用ポリエステルシート3は、基体層1の両面に被覆層2が設けられた三層構成の積層体である。熱成形用ポリエステルシート3には、熱成形により凹部空間(ポケット部)4が形成されている。ポケット部4は、錠剤7を収納する密閉空間であり、ポケット部4の開口側は、錠剤7を収納した後、蓋材5によって塞がれている。蓋材5の材料としては、手で容易に切断することができるものが好ましく、アルミニウム箔等の金属箔、コート紙、プラスチックシート等が挙げられる。蓋材5と熱成形用ポリエステルシート3とは、例えば接着剤等を用いて貼り合わせてもよいし、熱融着等によって貼り合せてもよい。本実施形態においては、ポケット部4の周囲(図1においては、左側と右側)に、熱成形用ポリエステルシート3側からスリット罫線6が形成されており、スリット罫線6に沿って折り曲げることにより、容易に手で切断することができるようになっている。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例では、以下に示す方法で測定及び評価を行った。
【0029】
<ポリエステル樹脂原料の物性値の測定方法>
(1)熱変形温度
日本工業規格 JIS K7196に基づいて、熱変形温度を測定する。
(2)引張弾性率
日本工業規格 JIS K7161に基づいて、引張弾性率を測定する。
(3)固有粘度
テトラクロロエタン/フェノールの重量比が50/50の混合溶媒を用いて、温度30℃の条件で測定した。
【0030】
<評価方法>
1.PTP成形機における加工適性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、成形を補助するプラグを使用せずに、シートに収納用の凹部(ポケット部)を形成した。次いで、密閉空間が形成されるように、凹部の開口側にアルミニウム箔を積層した後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行った。凹部を形成するための成形工程において、ワークの送り安定性(シートがブロッキングや加熱板への貼りつき等を起こさずに順調に送り出されたか否か)、及び、成形されたポケット部等の外観を目視観察し、これらを以下の基準に従って総合的に評価した。評価基準は、ポケット部の外観が良好で、かつトラブルがなく順調に成形加工することができた場合を記号「○」、ポケット部の外観に問題が生じたり、成形加工においてトラブル等が発生した場合を記号「×」で示した。
【0031】
2.適性成形加工温度範囲
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、成形を補助するプラグを使用せずに、シートに凹部(ポケット部)を形成した。ただし、成形装置におけるシート加熱板の温度を2℃間隔で変更して、シートにポケット部を形成し、得られた成形体(ポケット部)を目視観察し、実用上支障のないレベルの成形体が得られたときの加熱板の温度を記録した。この加熱板の温度の上限、及び、下限の間の温度を、適性に成形加工できる温度範囲とした。この温度範囲の幅が10℃以上である場合を記号「○」、5℃以上、10℃未満である場合を記号「△」、5℃未満の場合を記号「×」で示した。
【0032】
3.透明性
成形体(ポケット部)について、日本工業規格 JIS K7105に基づいて、HAZE値を測定した。HAZE値が10%以下である場合を記号「○」、10%より大きく、20%以下である場合を記号「△」、20%より大きい場合を記号「×」で示した。
【0033】
4.手切れ性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、凹部(ポケット部)を形成した。次いで、ポケット部の開口側にアルミニウム箔をヒートシールした後、ポリエステルシート側からスリット罫線加工を行った。その後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行って、PTP包装体を作製した。
得られたPTP包装体をスリット罫線部に沿って、まず、アルミニウム箔側が凹になるように、手で約100度の角度で折り曲げ、次に、アルミニウム箔側が凸となるように、手で折り曲げた。このアルミニウム箔側が凹になるように折り曲げる動作と、凸になるように折り曲げる動作とで折り曲げ動作1回とし、折り曲げ動作が2回以内でPTP包装体を容易に2分割できた場合を記号「○」、若干の引き裂き動作が必要となった場合を記号「△」、容易に引き裂くことができなかった場合を記号「×」で示した。
【0034】
5.シール性
PTP成形装置として商品名「FBP−200U」(CKD(株)製)を用い、凹部(ポケット部)を形成した。次いで、ホットメルト系接着剤をコーティングしたアルミニウム箔を、ポケット部を形成したシートに重ねてヒートシールした後、ポリエステルシート側からスリット罫線加工を行った。その後、PTP包装体の形態に打ち抜き加工を行って、PTP包装体を作製した。
得られたPTP包装体を水中に入れ、500mmHgの環境下で1分間放置した後、PTP包装体のシール性の評価を行った。ポケット部が密閉された状態でシールがされており、ポケット部に水の浸入が認められなかった場合を記号「○」、ポケット部に水の浸入が認められた場合を記号「×」で示した。
【0035】
6.表面外観
成形されたポケット部を目視観察し、ポケット部の表面が平滑または平滑に近い状態で形成されており、視認性の点で実用上支障がないと判断できる場合を記号「○」、ポケット部の表面が粗面化しており、視認性の点で実用上支障があると判断される場合を記号「×」で示した。
【0036】
以下に、本実施例において用いられたポリエステル系樹脂および不活性粒子について説明する。
<基体層および被覆層の形成に使用されるポリエステル樹脂原料>
A:テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレート(引張弾性率 2,059MPa、熱変形温度 72℃、固有粘度 0.75)
B:ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と、ジオール成分としてエチレングリコール70%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%の混合物とを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,270MPa、熱変形温度 81℃、固有粘度 0.8)
C:ナフタレンジカルボン酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られたポリエステル(引張弾性率 2,353MPa、熱変形温度 122℃、固有粘度 0.6)
D:ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸92モル%及びテレフタル酸8モル%の混合物と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,295MPa、熱変形温度 117℃、固有粘度 0.65)
E:ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸30モル%及びテレフタル酸70モル%の混合物と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られた共重合ポリエステル(引張弾性率 2,206MPa、熱変形温度 92℃、固有粘度 0.65)
F:ポリエステル系エラストマー成分を共重合させたポリエステル、東洋紡績(株)製の商品名「コスモソフトJP−910」(引張弾性率 1,074MPa、熱変形温度 160℃、固有粘度 0.8)
G:ポリエステル系エラストマー成分を共重合させたポリエステル、東洋紡績(株)製の商品名「コスモソフトJP−930」(引張弾性率 2,29MPa、熱変形温度 97℃、固有粘度 0.8)
【0037】
<不活性粒子原料>
ア:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 8μm)
イ:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 2μm)
ウ:アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 18μm)
エ:シリカ(屈折率 1.46、平均粒径 8μm)
オ:酸化マグネシウム(屈折率 1.73、平均粒径 8μm)
【0038】
(実施例1)
基体層のポリエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂として、ポリエステル樹脂原料A(テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレート(引張弾性率 2,059MPa、熱変形温度 72℃、固有粘度 0.75))を用い、被覆層のポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂原料C(ナフタレンジカルボン酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮合重合させて得られたポリエステル(引張弾性率 2,353MPa、熱変形温度 122℃、固有粘度 0.6))を用いた。これらのポリエステル樹脂原料を、それぞれ別の押出機に投入して溶融した後、Tダイにより押出し、キャストロールで急冷固化して、基体層の両面に被覆層を有する、2種3層構成の積層体(15μm/220μm/15μm)を得た。ただし、被覆層を形成するポリエステル樹脂原料には、不活性粒子原料イ(アルミノシリケート(屈折率 1.50、平均粒径 2μm))を、ポリエステル樹脂原料100質量部に対して、0.3質量部添加した。なお、不活性粒子は、高濃度の不活性粒子のマスターバッチを予め作製しておき、希釈してポリエステル樹脂に混合した。
得られた積層体(ポリエステルシート)について、PTP成形機における加工適性、適性成形加工温度範囲、透明性、手切れ性、シール性、表面外観に関する評価を行った。その結果を表1に示す。
【0039】
(実施例2〜9)
実施例1において、基体層のポリエステル樹脂原料、被覆層のポリエステル樹脂原料、および、不活性粒子原料の種類と配合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートの積層体を作製した。ただし、実施例3の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が100℃であり、実施例4の基体層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が77℃であり、実施例5の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料の混合物は、熱変形温度が105℃である。また、得られたポリエステルシートの各層の厚さは、表1に示すようであった。
得られたポリエステルシートについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1〜8)
実施例1において、基体層のポリエステル樹脂原料、被覆層のポリエステル樹脂原料、および、不活性粒子原料の種類と配合量を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートの積層体を作製した。ただし、比較例4の被覆層を形成するポリエステル樹脂原料は、引張弾性率が650MPaであり、熱変形温度が130℃である。また、得られたポリエステルシートの各層の厚さは、表2に示すようであった。
得られたポリエステルシートについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1から明らかなように、実施例1〜9のポリエステルシートは、PTP成形機における加工適性、適性成形加工温度範囲、透明性、手切れ性、シール性、表面外観のすべての評価において、優れた結果を示し、PTP包装やブリスター包装等の成形用シートとして、非常に優れた品質を有するものであることが分かった。
一方、被覆層に引張弾性率が1000MPa未満および/または熱変形温度が100℃未満のポリエステル系樹脂を用いた比較例1〜4では、成形加工温度範囲が狭くなり、加熱板の温度を少し上げただけで、加熱板にシートが貼りついてしまい、成形加工できなくなった。したがって、連続してスムーズにPTP成形加工を行うことはできなかった。特に比較例4では、引張弾性率が1000MPa未満であるため、シートを成形する温度領域で形態保持できなくなり、ネックダウンが発生しでた。
被覆層に添加した不活性粒子の径が大きい比較例5や、不活性粒子の添加量が多い比較例6では、得られたシートの表面が著しく粗面化し、透明性が低く、視認性の点で実用上支障があるものとなった。
屈折率が1.7以上の不活性粒子を使用した比較例7では、シートが白濁し、視認性の点で実用上支障があるものであった。
また、基体層に、熱変形温度が85℃以上のポリエステル樹脂原料を使用した比較例8では、PTP成形加工を行う際、高温でなければPTP成形加工を行うことができず、成形加工温度範囲も狭くなり、加熱板の温度を少し上げただけで、加熱板にシートが貼りついてしまい、成形加工ができなくなった。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、全体としての熱変形温度が50℃以上85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなる基体層と、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなる被覆層とを有する多層構成シートとすることにより、成形温度で、被覆層が極端に柔らかくなることはなく、シート形態を保持することができ、また、加熱板への貼りつきも防ぐことができる。したがって、例えば、成形の補助のためにプラグ等を使用する必要がない。また、本発明によれば、PVCに近い良好な成形性を示し、透明性、および、手切れ性に優れ、トリミングロスのリサイクルが可能で、かつ、シール性も良好な、PTP包装やブリスター包装等に好適な熱成形用ポリエステルシートを提供することができる。さらに、この熱成形用ポリエステルシートを用いて、透明性、および、手切れ性に優れ、かつ、シール性も良好な包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱成形用ポリエステルシートを用いて製造したPTP成形体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体層
2 被覆層
3 熱成形用ポリエステルシート
4 ポケット部
5 蓋材
6 スリット罫線
7 錠剤
Claims (7)
- 基体層と、少なくとも一方の表面に被覆層とを有し、前記基体層が、全体としての熱変形温度が50℃以上、85℃以下であるエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂組成物からなり、前記被覆層が、不活性粒子を含有せず、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなるか、あるいは、平均粒径が15μm以下、屈折率が1.4〜1.7の不活性粒子を0.05〜1.0質量部含有し、かつ、全体としての引張弾性率が1000MPa以上であり、全体としての熱変形温度が100℃以上であるポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする熱成形用ポリエステルシート。
- 前記不活性粒子は、平均粒径が3μm以上であることを特徴とする請求項1記載の熱成形用ポリエステルシート。
- 前記被覆層のポリエステル系樹脂組成物は、全体として、繰り返し単位の50モル%以上がエチレンナフタレート単位によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱成形用ポリエステルシート。
- 前記基体層のポリエステル系樹脂組成物に含まれるポリエステル系樹脂のジオール成分が、エチレングリコール95〜20モル%と、1,4−シクロヘキサンジメタノール5〜80モル%とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の熱成形用ポリエステルシート。
- 前記被覆層の厚さが、シート全体の厚さの5〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の熱成形用ポリエステルシート。
- 前記基体層及び前記被覆層が、溶融状態で押し出され、キャストロールに接触させ、急冷固化させてシート状に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の熱成形用ポリエステルシート。
- 請求項1から6のいずれか1項記載の熱成形用ポリエステルシートに熱成形加工を行った後、蓋材を積層して形成された収納空間を有することを特徴とする包装体。
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