JP5330288B2 - エアバネ付緩衝器 - Google Patents

エアバネ付緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP5330288B2
JP5330288B2 JP2010026459A JP2010026459A JP5330288B2 JP 5330288 B2 JP5330288 B2 JP 5330288B2 JP 2010026459 A JP2010026459 A JP 2010026459A JP 2010026459 A JP2010026459 A JP 2010026459A JP 5330288 B2 JP5330288 B2 JP 5330288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shock absorber
cylinder
air chamber
rod
air spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010026459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011163439A (ja
Inventor
茂男 綿屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to JP2010026459A priority Critical patent/JP5330288B2/ja
Publication of JP2011163439A publication Critical patent/JP2011163439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5330288B2 publication Critical patent/JP5330288B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

この発明は、エアバネ付緩衝器に関し、特に、伸縮作動時に減衰作用をする緩衝器本体に空気室の膨縮でエアバネとして機能するエアチャンバを有してなるエアバネ付緩衝器の改良に関する。
エアバネ付緩衝器としては、これまでに種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1に開示の提案にあっては、凡そこの種のエアバネ付緩衝器がそうであるように、伸縮作動時に減衰作用をする緩衝器本体に空気室の膨縮でエアバネとして機能するエアチャンバを有してなる。
すなわち、先ず、緩衝器本体は、下端側部材とされるシリンダ体内に上端側部材とされるロッド体を出没可能に挿通して伸縮可能とされ、ロッド体がシリンダ体に対して出没するときに減衰手段で所定の減衰作用を具現化する。
ちなみに、特許文献1に開示のエアバネ付緩衝器にあって、緩衝器本体は、シリンダ体が内筒とこの内筒の外側に内筒内と連通するリザーバを画成するように配設される外筒とを有する複筒型とされ、内筒内に減衰手段を有し、この減衰手段がシリンダ体に対してロッド体が出没する緩衝器本体における伸縮作動時に所定の減衰作用を具現化する。
一方、エアチャンバは、ゴムなどで形成されるダイアフラムで空気室を形成し、このダイアフラムは、下端部がいわゆる折り畳まれて緩衝器本体におけるシリンダ体を外側から包囲するように間隙を有して配設される筒状体たるピストンパイプの上端部に金属製の締め付けバンドなどの利用で気密状態下に固定的に連結される。
なお、ピストンパイプの下端部は、絞り成形されてシリンダ体の外周に溶接利用などで、気密状態下に固定的に連結される。
そして、ダイアフラムの上端部は、ロッド体側に気密状態下に固定的に保持されるほぼキャップ状に形成のシェルの下端部に同じく金属製の締め付けバンドなどの利用で気密状態下に固定的に連結される。
それゆえ、このエアチャンバにあっては、緩衝器本体における伸縮作動でシリンダ体に対してロッド体が出没するときに、いわゆる空気室が膨縮して反力たるエアバネ力を具有する。
その結果、上記した特許文献1に開示のエアバネ付緩衝器が、たとえば、車両に搭載のエアサスペンションとされる場合には、シリンダ体が車両における車輪側に連結されると共にロッド体が車両における車体側に連結される緩衝器本体にあっては、車両が走行する路面からの振動の入力で伸縮する際に所定の減衰作用をすると共に、エアチャンバが空気室の膨縮でエアバネ力を発揮して緩衝器本体を伸長方向に附勢し、車両における車高を維持する。
特開2000‐186736公報(明細書中の段落0012,図1参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示のエアバネ付緩衝器にあっては、緩衝器本体が所定の減衰作用を具現化すると共にエアチャンバがエアバネとして機能する点で、基本的に問題がある訳ではないが、利用の実態を看ると、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記のエアバネ付緩衝器がエアサスペンションとされて車両に搭載される場合には、緩衝器本体が車両の走行中に伸縮作動を繰り返し、そのためにいわゆる熱くなるが、このエアバネ付緩衝器が車両におけるエンジン付近にある場合には、緩衝器本体がかなりの高熱に、たとえば、ほぼ150度近くになることがある。
このとき、緩衝器本体を構成する各部品は、上記の熱によっても劣化したりせずして、所定の機能を発揮する設定とされ、特に、金属からなる部品は、設定の機能を恒久的に維持する。
しかし、緩衝器本体内に収容される作動流体たる作動油のいわゆる漏れを阻止するシール部材にあっては、多くの場合にゴム材からなり、このゴム材からなるシール部材は、最適な温度環境にあるときに最適なシール性を発揮する設定とされるから、高過ぎたり低過ぎたりの異なった温度環境におかれるシール部材は、劣化するなどして設定の機能を発揮せず、作動油の漏れを発現させる。
ところで、上記のエアバネ付緩衝器にあって、空気室を形成するエアチャンバは、ダイアフラム,シェルおよびピストンパイプからなって、緩衝器本体を外側から包囲するように配設されるから、エアチャンバにおける機械的故障については外からの目視で確認でき、適宜に対処できる。
しかし、上記したシール部材、特に、シリンダ体におけるロッド体の突出端部に配設されるシール部材における故障については、シリンダ体における突出端部が言わばエアチャンバに隠蔽されるから、その故障についての外からの目視による確認を不能にする。
そのため、このエアバネ付緩衝器が、たとえば、車両におけるエアサスペンションとして利用される場合には、従前から、車載状態でのいわゆる定期検査で油漏れが発現されていないかを確認するのが建前となっているが、この定期検査を実現させる要素である車両の走行距離やエアバネ付緩衝器の使用時間は、車両の使用状況によって区々となり、実際には、油漏れするまで判らないというのが実情である。
そこで、この発明は、上記した現状を鑑みて、創案されたものであって、その目的とするところは、所定の機能を発揮するのはもちろんのこと、シール部材の故障などによる緩衝器本体からの作動流体の漏出が発現されても、周辺汚れを発現させないばかりか、緩衝器本体において作動流体が不足する事態を発現させずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるエアバネ付緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるエアバネ付緩衝器の構成を、基本的には、下端側部材とされるシリンダ体と、このシリンダ体内に出没可能に挿通されながら上端側部材とされるロッド体とを有して所定の減衰作用をする緩衝器本体と、上端部が上記のロッド体側に保持されると共に下端部が上記のシリンダ体に連結されて緩衝器本体の外側に空気室を画成してこの空気室の膨縮時にエアバネ力を具有するエアチャンバとを有し、上記のシリンダ体が上記のロッド体を出没可能に挿通させながら作動流体を充満させる内筒と、この内筒の外側に配設されて内筒との間に内筒内と連通して作動流体の流入を許容するリザーバを画成する外筒とを有し、エアチャンバが上記のロッド体側に上端部を保持させるシェルと、上記のシリンダ体に下端部を連結させるピストンパイプと、このピストンパイプの上端部に下端部を連結させると共に上端部を上記のシェルの下端部に連結させるダイアフラムとを有してなるエアバネ付緩衝器において、上記のピストンパイプと上記の外筒との間に間隙を出現させると共に、この間隙が緩衝器本体から漏出する作動流体を流入させながら回収手段を介して上記のリザーバに連通されてなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、緩衝器本体を構成するシリンダ体におけるシール部材の機能低下などに起因して、シリンダ体内に収容の作動流体がシリンダ体の外に漏出するとき、この漏油した作動流体がシリンダ体の外周に副ってエアチャンバを構成するピストンパイプと緩衝器本体を構成するシリンダ体における外筒との間に出現する間隙に流入すると共に、この間隙に流入した作動流体が回収手段を介してリザーバに回収される。
したがって、この発明によれば、緩衝器本体において作動流体が漏出する事態となっても、緩衝器本体が所定の減衰作用を具現化するについての作動流体に不足を来さず、また、作動流体の漏出による周辺汚れを発現させない。
このとき、回収手段が外筒に開穿の連通孔からなる場合には、回収手段としてセンサーやポンプ類を装備する場合に比較して構成を簡単にする。
そして、回収手段が外筒に開穿の連通孔からなる場合には、この発明に実施化に際しては、既存のエアバネ付緩衝器にあって、外筒に連通孔を開穿するだけで足りるから、製品コストのいたずらな高騰化を回避できる。
また、この発明によれば、緩衝器本体を形成するシリンダ体の上端部たるいわゆるシール部に収装のパッキンにおける締め代の精度管理を容易にし、また、このパッキンの劣化が招来されて作動流体の漏れが発現されるとしてもこれを看過でき、さらには、作動流体の漏れが招来されてもこれを看過できるので、パッキンなどの省略を可能にし得ることになり、製品コストの低廉化に寄与する。
この発明によるエアバネ付緩衝器を半截して示す断面正面図である。 緩衝器本体を構成するシリンダ体におけるロッド体の突出端部を拡大して示す部分断面図であって、(A)は、常用されている部品構成を示し、(B)は、内部部品の配設を省略した状態を示す。 漏油回収手段を拡大して示す部分縦断面図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるエアバネ付緩衝器は、図1に示すように、緩衝器本体SAと、この緩衝器本体SAに一体的に保持されるエアチャンバACとを有し、緩衝器本体SAがダンパ機能を発揮すると共に、エアチャンバACが膨縮する空気室Aを有してエアバネ力を発揮する。
ちなみに、この発明のエアバネ付緩衝器にあって、緩衝器本体SAは、図示するところでは、減衰作用を可変にしない構成とされるが、これに代えて、減衰作用を可変にする構成とされても良い。
また、この発明のエアバネ付緩衝器にあって、エアチャンバACは、図示するところでは、空気室Aにおける気圧を可変にする構成とされるが、これに代えて、空気室Aにおける気圧を可変にしない構成とされても良い。
先ず、緩衝器本体SAは、ダンパ機能を発揮する、すなわち、所定の減衰作用を具現するもので、下端側部材とされるシリンダ体1と、上端側部材とされながら上記のシリンダ体1内に出没可能に挿通されるロッド体2とを有してなる。
このとき、図示する緩衝器本体SAは、複筒型とされ、したがって、シリンダ体1は、ロッド体2の図中で下端側となる先端側を出没可能に挿通させながら作動流体たる作動油を充満させる内筒11と、この内筒11の外側に配設されて内筒11との間に内筒11内と連通して作動油の流出入を許容するリザーバRを画成する外筒12とを有してなる。
また、リザーバRは、適量の作動油を収容し、この作動油の油面Oの上方に緩衝器本体SAの伸縮作動時に膨縮する気室(符示せず)を有するが、この油面Oの高さ位置については、図示する実施形態にあっては、後述する回収手段との関係で決められる。
そして、シリンダ体1において、外筒12の下端開口がボトム部材13の溶接(符号M参照)で閉塞され、このボトム部材13は、内筒11の下端開口を閉塞するベースバルブ4を内底に載置させる。
ちなみに、この発明によるエアバネ付緩衝器が車両におけるエアサスペンションを構成する場合には、上記のボトム部材13がブラケット(図示せず)を一体的に有し、このブラケットが車軸、あるいは、車軸側に連結されることでシリンダ体1が車両における車輪側に連結される。
一方、ベースバルブ部4は、図示しないが、圧側減衰手段を有し、この圧側減衰手段は、圧側減衰バルブと、この圧側減衰バルブに並列する圧側のチェックバルブとを有する。
そして、この圧側減衰手段にあって、圧側減衰バルブは、内筒11内の作動油がリザーバRに流出するときに所定の減衰作用を具現し、チェックバルブは、内筒11内の作動油のリザーバRへの流出を阻止し、リザーバRの作動油の内筒11内への流入を許容する。
また、シリンダ体1にあって、内筒11内には、ピストン体3が摺動可能に収装され、このピストン体3は、内筒11内にピストン体3の上方となる上方室R1と、ピストン体3の下方となる下方室R2とを画成する。
なお、ロッド体2は、図中で下端部となる先端部が上記のピストン体3に連結されると共に図中で上端部となる基端部が任意の部位に連結され、したがって、緩衝器本体SAの伸縮作動時に、すなわち、シリンダ体1に対するロッド体2の出没でピストン体3がシリンダ体1内で摺動する。
ちなみに、この発明によるエアバネ付緩衝器が車両におけるエアサスペンションを構成する場合には、上記のロッド体2の基端部は、エアサスペンションの車体側への連結構造たるマウント(図示せず)を構成するナット部Nに連結され、 そして、このピストン体3は、図示しないが、伸側減衰手段を有し、この伸側減衰手段は、伸側減衰バルブと、この伸側減衰バルブに並列する伸側のチェックバルブとを有する。
そしてまた、伸側減衰バルブは、上方室R1の作動油が下方室R2に流出するときに所定の減衰作用を具現し、チェックバルブは、上方室R1の作動油の下方室R2への流出を阻止し、下方室R2の作動油の上方室R1への流入を許容する。
なお、前記したベースバルブ部4は、内筒11内の下方室R2の下方に、すなわち、図示するところでは、内筒11の下端の下方に配設される。
さらに、このシリンダ体1にあっては、図2に示すように、外筒12の上端開口と内筒11の上端開口とがロッドガイド14で閉塞され、このロッドガイド14は、軸芯部にブッシュ15の配設下にロッド体2を貫通させる。
このとき、図示する実施形態にあっては、外筒12の上端部の内側にシールケース16の下端部が嵌装されると共に、このシールケース16の下端部が外筒12に溶接(符号M参照)されて一体化されるが、これに代えて、図示しないが、シールケース16の下端部を内側に嵌装させる外筒12の上端部の外周がロール加締などされて一体化されても良く、さらには、溶接と加締の両方が併用されても良い。
また、図示する実施形態にあって、シールケース16は、軸芯部に作動油の通過を許容する隙間を有してロッド体2を挿通させると共に、外筒12の上端部の内側への連結前に、下端部の内側に軸芯部にロッド体2を貫通させる上記のロッドガイド14を嵌装させている。
したがって、内筒11の上端開口は、ロッドガイド14で直接に閉塞される態勢になるが、外筒12の上端開口は、シールケース16の介在下にロッドガイド14で閉塞される態勢になる。
なお、図2(A)に示すところにあって、符号17は、パッキンを示し、このパッキン17は、シリンダ体1の外側にあってロッド体2の外周に付着するダストを掻き落として、ダストのシリンダ体1の内側への侵入を阻止し、また、シリンダ体1の内側にあってロッド体2の外周に付着する潤滑油膜を掻き落として、作動油のシリンダ体1の外側への流出を阻止する。
また、図2(A)に示すところにあって、符号18は、パッキンプレートを示し、このパッキンプレート18は、パッキン17を所定位置に定着させると共に、下方の附勢部材19の上端を係止する。
そして、附勢部材19は、パッキンプレート18とロッドガイド14との間に配設されて、ロッドガイド14を下方に、すなわち、シールケース16内からロッドガイド14を突出させるように附勢する。
それゆえ、この附勢部材19の配設下にロッドガイド14を保持するシールケース16にあっては、下端部を外筒12の上端部の内側に嵌装させる際に、ロッドガイド14が最初に内筒11の上端開口を閉塞し、その後、附勢部材19が収縮することで、シールケース16の下端部を外筒12の上端部の内側に嵌装して、一体化し得ることになる。
一方、上記のロッドガイド14は、図2に示すように、外周側部(符示せず)に、すなわち、内筒11と外筒12との間となるリザーバRの上方を閉塞する部位に、上端側と下端側との連通を許容する通路、すなわち、ドレン通路14aを有すると共に、このドレン通路14aを内周側部(符示せず)、すなわち、内筒11の上端開口を閉塞する部位の上方に連通させる切り欠き通路14bを有してなる。
それゆえ、このロッドガイド14にあっては、内筒11内にあってロッド体2の外周に付着した作動油がロッド体2とブッシュ15との間の摺動隙間を介してロッドガイド14の上方に流出し、ロッドガイド14の上で言わばオーバーフロー状態になった作動油が上記の切り欠き通路14bおよびドレン通路14aを介してリザーバRに流出する、すなわち、回収されることを許容する。
次に、エアチャンバACは、図1に示すように、上端部が緩衝器本体SAにおけるロッド体2側に保持されると共に下端部が緩衝器本体SAにおけるシリンダ体1に連結されて緩衝器本体SAの外側に空気室Aを画成し、この空気室Aの膨縮時にエアバネ力を具有し、緩衝器本体SAを伸長方向に附勢する。
すなわち、このエアチャンバACは、図示するところにあって、上端部をロッド体2側に保持させるシェル21と、下端部をシリンダ体1に連結させるピストンパイプ22と、このピストンパイプ22の上端部に下端部を連結させると共に上端部をシェル21の下端部に連結させるダイアフラム23とを有してなる。
このとき、シェル21とピストンパイプ22は、所定の機械的強度、すなわち、空気室Aにおける気圧変化で簡単に変形などしない金属材料からなり、特に、ピストンパイプ22は、その外周にダイアフラム23が密接するとき、その密接力で簡単に変形などしないように形成され、ダイアフラム23は、空気室Aにおける気圧変化に応じて弾性変形するゴムなどの弾性材料からなる。
そして、シェル21は、上端部が前記した車体への連結構造たるマウントを構成するナット部Nに、たとえば、溶接(符号M参照)などされて気密状態に連結される。
また、ピストンパイプ22は、下端部が絞り整形されてショックアブソーバ体1を構成する外筒12の外周に溶接(符号M参照)されて気密状態に連結されると共に、この下端部を除く全体が外筒12との間に適宜の幅の間隙A1を出現させる。
そして、図示するところにあって、ピストンパイプ22の上端位置は、緩衝器本体SAにおけるロッド体2の出没端位置、すなわち、シールケース16の上端位置より高くなるとして、シールケース16部から吹き出でるように流出する作動油が後述する間隙A1に確実に導かれるように配慮している。
ちなみに、図示するピストンパイプ22にあっては、下端近傍部に蝋付け加工などでソケット24を有し、このソケット24は、エアチャンバAC内、すなわち、間隙A1を介しての空気室Aと大気との連通を許容し、たとえば、このソケット24に圧気給排源が接続されるとき、空気室Aにおける気圧の高低調整が可能になる。
なお、このソケット24については、図示するように、ピストンパイプ22に設けられるのに代えて、図示しないが、シェル21に設けられるとしても良く、また、その配設を省略して、他の手段による空気室A内の気圧調整を実現可能にしても良いことはもちろんである。
ちなみに、このソケット24を設けたまま製品出荷する場合には、図示しないが、密封栓を嵌装して、外部からのダストの侵入を防ぐと共に、特に、この発明にあっては、緩衝器本体SA内に収容の作動流体たる作動油の漏出を阻止することが肝要となる。
ダイアフラム23は、ローリングダイアフラムとも称されるもので、全体的にはほぼ筒状に形成されて、絞り整形された上端部がシェル21の下端部の外周に金属製の締め付けバンド25の利用下に一体的に連結される。
このとき、ダイアフラム23の上端位置は、図示するように、ピストンパイプ22の上端位置より上方に突出する設定とされ、これによって、シールケース16部から吹き出るように流出する作動油がピストンパイプ22の上端を越えるような状況になるとしても、これを阻止して、作動油を後述する間隙A1に確実に導くことが可能になる。
そして、このダイアフラム23にあっては、内側に折り返された下端部がピストンパイプ22の上端部の外周に同じく締め付けバンド25の利用下に一体的に連結される。
これによって、このダイアフラム23にあっては、緩衝器本体SAにおいてシリンダ体1に対してロッド体2が出没する伸縮作動時にピストンパイプ22の外側に位置決められる折り返し部(符示せず)がピストンパイプ22の外周に副って昇降する。
その結果、エアチャンバACにあっては、ロッド体2のシリンダ体1に対する出没の際におけるロッド体2の出没体積分に相当する膨縮が空気室Aで具現化されて、所定のエアバネ力を発現する。
以上のように形成されたエアチャンバACを緩衝器本体SAに一体的に有するこの発明のエアバネ付緩衝器にあっては、上記の間隙A1に溜まる作動油たる漏油を回収する回収手段を有してなる。
すなわち、この発明によるエアバネ付緩衝器にあっては、緩衝器本体SAにおいて、シリンダ体1におけるロッド体2の出没端からの作動油の漏れが発現されても、この漏油がシリンダ体1の外周を伝って上記の間隙A1に流出すると共に回収手段を介してシリンダ体1内のリザーバRに回収される。
つまり、緩衝器本体SAにあっては、シリンダ体1内に収容される作動流体たる作動油の外部への漏出を回避するためのシール部材(図示および符示せず)が適宜に配設されるが、このシール部材が、たとえば、緩衝器本体SAにおける高熱化に起因して劣化したりして設定のシール性を保障しなくなると、作動油がこのシール部材を交わすようにして外部に流出する、すなわち、漏油となって外部に流出する。
このとき、エアチャンバACを外周側に有する緩衝器本体SAにあっては、前記したように、シリンダ体1におけるロッド体2の突出端が覆い隠されて、この突出端からの作動油の漏出を目視で確認できない。
そして、仮に作動油の漏出をセンサー類の利用で確認できるのであれば、漏油が大事にならない内に分解するなどして対処し得るが、センサー類を利用しなかったり、目視できなかったりする場合には、上記の漏油がエアチャンバACにおける間隙A1に溜まるだけ溜まり、すなわち、緩衝器本体SAにおいて作動油不足が招来されて、緩衝器本体SAが作動不能になることが考えられる。
そこで、この発明にあっては、仮に漏油があったとしても、この漏油を回収手段で緩衝器本体1内に、つまり、シリンダ体1内に回収し得るようにして、緩衝器本体SAにおいて作動油不足が招来されずして所定の減衰作用の具現化を可能にすると共に、漏油がいわゆるオーバーフローすることによる周辺汚れを招来させないようにする。
このとき、この回収手段は、図3に示すように、緩衝器本体SA(図1参照)を構成するシリンダ体1における外筒12に開穿の連通孔12aからなり、この連通孔12aがエアチャンバAC(図1参照)における間隙A1とシリンダ体1内に画成されるリザーバRとの連通を許容する。
そして、この連通孔12aは、図示するところでは、前記したソケット24の下方に位置決められ、間隙A1に作動油が流入するときに、ソケット24を介して外部、たとえば、圧気給排源に流入し得ないように配慮している。
ちなみに、リザーバR内の油面Oは、緩衝器本体SAが最収縮状態になってリザーバRにおいて最上昇する場面になっても、回収手段たるこの連通孔12aの下方となるように設定される。
以上からすると、緩衝器本体SAにあって、シリンダ体1における突出端部たるいわゆるシール部は、図2(A)に示すように形成されるのが常態であるが、この発明にあっては、先ず、パッキン17におけるシール機能を高性能に設定する必要がなく、したっがて、パッキン17の形成に際して、精緻な寸法管理が要求されず、部品コストを低く抑えることを可能にすると共に、高いシール性が要求されない、すなわち高いシール性を発揮しないがゆえに、緩衝器本体SAにおける伸縮作動性を向上できる。
そして、緩衝器本体SAにあって、シール部におけるパッキン17の劣化が招来されて作動油の漏れが発現されてもこれを看過でき、また、作動油の漏れが招来されてもこれを看過できるので、緩衝器における伸縮作動性を向上できることになる。
このことからすると、緩衝器本体SAにあっては、シリンダ体1における出没端部たるシール部の構成を上記したところに代えて、図2(B)に示すように、パッキン17はもちろんのこと、パッキンプレート18および附勢部材19の配設を省略して、単にシールケース16でロッドガイド14を覆うようにしても良い。
そして、この場合には、シリンダ体1における出没端部たるシール部における一層の部品省略が可能になり、製品コストの低廉化に寄与すると共に、緩衝器における伸縮作動性を一層向上させる。
そしてまた、この発明が意図するところを具現化するについては、回収手段としてシリンダ体1を構成する外筒12に連通孔12aを開穿することで足りるから、新たに大々的な製品開発、すなわち、大掛かりな設計変更を必要とさせないから、製品コストのいたずらな高騰化を阻止できる。
前記したところでは、この発明によるエアバネ付緩衝器が車両に搭載されるエアサスペンションとされる場合を例にして説明したが、この発明の構成からすれば、これが、たとえば、大型車両におけるチルト作動するキャビンに入力される振動を吸収するキャブサスに具現化されるとしても良く、その場合に作用効果が異なるものではない。
上端側が車両における車体側に連結されると共に下端側が車両における車輪側に連結された状態で車両に搭載され、車体に入力される振動を吸収して車両における乗り心地を改善するのに向く。
1 シリンダ体
2 ロッド体
3 ピストン体
4 ベースバルブ部
11 内筒
12 外筒
12a 回収手段たる連通孔
13 ボトム部材
14 ロッドガイド
14a ドレン流路
14b 切り欠き通路
15 ブッシュ
16 シールケース
17 パッキン
18 パッキンプレート
19 附勢部材
21 シェル
22 ピストンパイプ
23 ダイアフラム
24 ソケット
25 締め付けバンド
A 空気室
A1 間隙
AC エアチャンバ
M 溶接
N ナット部
O 油面
R リザーバ
R1 上方室
R2 下方室
SA 緩衝器本体

Claims (4)

  1. 下端側部材とされるシリンダ体と、このシリンダ体内に出没可能に挿通されながら上端側部材とされるロッド体とを有して所定の減衰作用をする緩衝器本体と、上端部が上記のロッド体側に保持されると共に下端部が上記のシリンダ体に連結されて緩衝器本体の外側に空気室を画成してこの空気室の膨縮時にエアバネ力を具有するエアチャンバとを有し、上記のシリンダ体が上記のロッド体を出没可能に挿通させながら作動流体を充満させる内筒と、この内筒の外側に配設されて内筒との間に内筒内と連通して作動流体の流入を許容するリザーバを画成する外筒とを有し、エアチャンバが上記のロッド体側に上端部を保持させるシェルと、上記のシリンダ体に下端部を連結させるピストンパイプと、このピストンパイプの上端部に下端部を連結させると共に上端部を上記のシェルの下端部に連結させるダイアフラムとを有してなるエアバネ付緩衝器において、上記のピストンパイプと上記の外筒との間に間隙を出現させると共に、この間隙が緩衝器本体から漏出する作動流体を流入させながら回収手段を介して上記のリザーバに連通されてなることを特徴とするエアバネ付緩衝器。
  2. 上記のシリンダ体が内筒の上端開口を閉塞すると共に外筒の上端開口を閉塞して軸芯部に上記のロッド体を貫通させるロッドガイドを有し、このロッドガイドが外周側部に下端をリザーバ内に向けて開口させると共に上端をこのロッドガイドの上端に開口させるドレン流路を有し、このロッドガイドの上方が外筒の上端部に連結されながら軸芯部に上記のロッド体を貫通させるシールケースで覆われ、このシールケースが軸芯部に隙間を有して上記のロッド体を挿通させてなる請求項1に記載のエアバネ付緩衝器。
  3. 上記のピストンパイプあるいは上記のシェルがこのピストンパイプに連設されてエアチャンバ内たる空気室と大気との連通を許容するソケットを有し、このソケットの下方に上記の間隙を上記のリザーバに連通させる回収手段が位置決められてなる請求項1または請求項2に記載のエアバネ付緩衝器。
  4. 上記の回収手段が上記の外筒に開穿されて上記の間隙と上記のリザーバとの連通を許容する連通孔からなり、この連通孔の下方にリザーバにおける油面が位置決められてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載のエアバネ付緩衝器。
JP2010026459A 2010-02-09 2010-02-09 エアバネ付緩衝器 Expired - Fee Related JP5330288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010026459A JP5330288B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 エアバネ付緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010026459A JP5330288B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 エアバネ付緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011163439A JP2011163439A (ja) 2011-08-25
JP5330288B2 true JP5330288B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=44594368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010026459A Expired - Fee Related JP5330288B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 エアバネ付緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5330288B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6025827B2 (ja) * 2012-04-27 2016-11-16 株式会社イノアックコーポレーション 樹脂発泡体の製造方法および樹脂発泡体
CN117588515B (zh) * 2024-01-19 2024-03-26 广州斯奔环境科技有限公司 一种清洁式气弹簧装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58184334A (ja) * 1982-04-22 1983-10-27 Atsugi Motor Parts Co Ltd 液圧緩衝器
JP2000337419A (ja) * 1999-05-25 2000-12-05 Tokico Ltd 油圧緩衝器
JP4683645B2 (ja) * 2006-03-23 2011-05-18 カヤバ工業株式会社 ダイヤフラムの連結構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011163439A (ja) 2011-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4723524B2 (ja) ショックアブソーバ
JP5756392B2 (ja) 密封装置及びこの密封装置を備える緩衝器
JP2009507191A (ja) ロッドガイドシール
KR101389284B1 (ko) 쇽 업소버 이물 실드
KR101983482B1 (ko) 완충기
JP5180153B2 (ja) エアバネ構造
CN102434615A (zh) 一种悬架系统减振器
JP5330288B2 (ja) エアバネ付緩衝器
JP4895974B2 (ja) 複筒型緩衝器
JP4948328B2 (ja) 空圧緩衝器
JP2011214633A (ja) シリンダ装置
JP2008215457A (ja) ショックアブソーバ
CN202194988U (zh) 一种防泄漏减震器
KR101382346B1 (ko) 차량용 쇽 업소버
JP5486393B2 (ja) 空圧緩衝器
WO2010125856A1 (ja) 複筒型液圧緩衝器
JP5481227B2 (ja) 複筒型液圧緩衝器
JP2017166572A (ja) 緩衝器
JP5142962B2 (ja) フロントフォーク
JP4898608B2 (ja) 空圧緩衝器
CN203130888U (zh) 汽车减振器
JP6523848B2 (ja) フロントフォーク
CN102927193B (zh) 一种汽车减振器
KR100911403B1 (ko) 차량용 쇽 업소버
CN111757996B (zh) 往复式流体压设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130725

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5330288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees