JP5327413B1 - 着色剤組成物、芳香族ポリエステル樹脂組成物、成形品および芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤 - Google Patents

着色剤組成物、芳香族ポリエステル樹脂組成物、成形品および芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練に耐えうる優れた耐熱性を有し、かつ高濃度の顔料を含む組成物中において顔料のほぐれ性(解膠性)を向上させ、未解膠物などの粗大粒子の形成を防止することが可能な芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤を提供することを目的とし、芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を必須成分として含有する着色剤組成物であり、該エステル系添加剤が、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル基であることを特徴とする着色剤組成物を提供する。

Description

本発明は芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を含む着色剤組成物、該着色剤組成物を用いて得られる芳香族ポリエステル樹脂組成物、その成形品及び芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤に関する。
芳香族ポリエステル樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等に優れることから、繊維、フィルム、容器等の成形品用途などに用いられている。一般的に芳香族ポリエステル樹脂などのプラスチック類の着色は装飾性等諸性質の向上を成形品に与える目的で行なわれ、射出成形や押出成形の段階で様々な形態の着色剤が使用される。着色剤は顔料や染料に分散助剤を加えた着色成分か、或いは樹脂を加え単に混合したり溶融混練したりして得られるものであるが、プラスチック類の使用目的や種類によってその着色成分は種々変化する。
従来、上記着色剤としては粉末状着色剤である通称ドライカラー、液状着色剤である通称リキッドカラー、或いは粒状着色剤である通称マスターバッチカラーなどの着色剤組成物が使用されている。何れの着色剤組成物も樹脂成形品が必要とする顔料や染料を成形品中の濃度以上に濃縮したものであり、着色対象の樹脂と同類の担体樹脂へ混練したものである。従って成形段階では顔料の濃縮比に応じて希釈して使用される。
着色剤組成物の調製に用いる顔料は一般に有機顔料、無機顔料等が用いられる。それらの顔料は何れも、着色剤組成物中での含有率が極めて高いため、担体樹脂と溶融混練しても凝集した顔料粒子が上手くほぐれずに、いわゆる未解膠物(未ほぐれ物)と呼ばれる粗大粒子を形成する。このような粗大粒子を含む着色剤組成物と芳香族ポリエステル樹脂とを混合して得られる成形用の着色された樹脂組成物には該粗大粒子が混在することになる。この粗大粒子は得られる成形物の外観不良を引き起こす。このように、粗大粒子を含む着色剤組成物は、成形品の商品価値を損ない、歩留まりを低下させる原因となるため、通常、溶融混練機に設けたフィルターにより粗大粒子の除去を試みているが、粗大粒子の粒径が大きい場合や数が多い場合には該フィルターの目詰まりを引き起こしやすく、成形品の生産性を悪化させる要因になる。
顔料のほぐれ性を改善するため、モンタン酸エステルワックスなどの鉱物系ワックスを顔料と共に混合する方法が一般的に用いられている。しかしながらモンタン酸エステルワックスなどの天然資源は、近年、その乱獲により存在量が枯渇し少なくなってきており、石油系ワックスや合成系ワックスなどによる代替材料の開発が求められている。そこで、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アマイドなどの脂肪族系界面活性剤等を顔料と共に混合する方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、脂肪族系の界面活性剤は、粗大粒子の形成防止に一定の効果を示すが、化合物自身が押出混練時の熱履歴により分解し易い欠点があるため、融点の高い芳香族ポリエステルの可塑剤として用いるには不十分であった。
芳香族ポリエステル樹脂の着色に用いる着色剤組成物として、例えば、炭素数が2〜25の二価アルコールと炭素数8〜18の芳香族酸との反応物の末端を炭素数4〜18のモノアルコールで封止して得られる芳香族ポリエステル樹脂と顔料とを含有する着色剤組成物が開示されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2に開示された着色剤組成物を得る際の芳香族ポリエステル樹脂でも顔料のほぐれ性(解膠性)が十分でない。そのため、着色剤組成物中に粗大粒子が混在してしまう。その結果、溶融混練機に設けたフィルターの目詰まりを引き起こし、成形品の生産性を悪化させる。
特開平11−148020号公報 特開平9−310008号公報
本発明が解決しようとする課題は、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練に耐えうる優れた耐熱性を有し、かつ高濃度の顔料を含む組成物中において顔料のほぐれ性(解膠性)を向上させ、未解膠物などの粗大粒子の形成を防止することが可能な芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤を提供することにある。また、当該可塑剤を用いた着色剤組成物、該着色剤組成物を芳香族ポリエステル樹脂で希釈して得られる芳香族ポリエステル樹脂組成物およびその成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、芳香族ポリカルボン酸アルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖として特許文献2で用いているモノアルコールが有するアルキル基よりも長鎖のアルキル基を有する化合物(エステル系添加剤)を、芳香族ポリエステル樹脂と顔料と共に加えることにより、芳香族ポリエステル樹脂中での顔料のほぐれ性(解膠性)が向上し、芳香族ポリエステル樹脂中での未解膠物などの粗大粒子の形成を防止できること、該エステル系添加剤は耐熱性に優れ、融点の高い芳香族ポリエステルに添加しても分解しにくく、芳香族ポリエステル樹脂中での未解膠物などの粗大粒子の形成を良好に防止できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を必須成分として含有する着色剤組成物であり、該エステル系添加剤が、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル基であることを特徴とする着色剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記着色剤組成物と、希釈用芳香族ポリエステル樹脂とを溶融混練して得られたことを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記芳香族ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品を提供するものである。
更に、本発明は芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル鎖であることを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤を提供するものである。
本発明により、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練に耐えうる優れた耐熱性を有し、かつ高濃度の顔料を含む組成物中において顔料のほぐれ性(解膠性)を向上させ、未解膠物などの粗大粒子の形成を防止することが可能な芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤を提供できる。また、当該可塑剤を用いた着色剤組成物、該着色剤組成物を芳香族ポリエステル樹脂で希釈して得られる芳香族ポリエステル樹脂組成物およびその成形品も提供することができる。
実施例13で得られた成形品内部の光学顕微鏡観察写真である。 比較例11で得られた成形品内部の光学顕微鏡観察写真である。
本発明の着色剤組成物は、芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を必須成分として含有する着色剤組成物であって、前記エステル系添加剤は、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル基であることを特徴とする。
本発明の着色剤組成物に用いる芳香族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリブチレンナフタレート樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリブチレンナフタレート樹脂が好ましいものとしてあげられる。芳香族ポリエステルは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる芳香族ポリエステル樹脂は、極限粘度(IV)が0.5〜1.5の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、0.6〜1.3がより好ましく、0.63〜1.2が更に好ましい。尚、本発明において、極限粘度(IV)は、JIS K 7367−5に準拠した方法により求めた値である。
本発明に用いる顔料としては、顔料として用いられるものであれば特に限定されるものではない。例えば従来公知の顔料を挙げることができ、具体的には、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリレン系、イソインドリノン系等の各有機顔料;カーボンブラック;酸化チタン系、酸化鉄系、酸化クロム系、黄鉛系等の無機顔料等が挙げられる。このうちカーボンブラックが好ましい。これらの顔料は、1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤組成物中の顔料の含有量は、芳香族ポリエステル100質量部に対して0.1〜235質量部の範囲が好ましく、0.1〜150質量部の範囲がより好ましく、10〜150質量部の範囲がより好ましい。上記範囲内であれば耐熱性に優れ、かつ担体樹脂への親和性に対してより良好な混練効果を発現することができる。
本発明に用いるエステル系添加剤は、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルであり、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル鎖であることを特徴とする。ここで、アルキル鎖の中でも炭素原子数20〜24のアルキル鎖が耐熱性に優れ、かつ担体樹脂である芳香族ポリエステル樹脂への親和性に対してより良好な混練効果を発現するエステル系添加剤となることから好ましく、炭素原子数炭素原子数20〜23のアルキル鎖が更に好ましい。
本発明に用いるエステル系添加剤(エステル化合物)は、例えば、芳香族ポリカルボン酸またはその酸無水物(A)と、炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル鎖を有するモノアルコール(B)とをエステル化反応させることにより好適に得ることができる。なお、本発明において芳香族多価カルボン酸の価数とは、1分子中のカルボキシル基の数を言うものとし、酸無水物においては、脱水縮合前のカルボキシル基の数を言うものとする。
前記芳香族多価カルボン酸は、カルボキシル基を2つ以上有する芳香族化合物であれば特に限定されないが、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸が挙げられる。芳香族多価カルボン酸無水物としては、例えば、前記芳香族ポリカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。このうち、担体樹脂である芳香族ポリエステル樹脂への親和性に対してより良好な混練効果を発現することができる点から、カルボキシル基を3つ以上有する芳香族化合物が好ましい。中でも、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸無水物が好ましい。芳香族多価カルボン酸又はその酸無水物(A)は、1種類のみで用いることも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いるモノアルコール(B)は、炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル鎖を有するモノアルコールである。このようなアルコールとしては、例えば、エイコサノール(C20)、ヘンエイコサノール(C21)、ドコサノール(C22)、トリコサノール(C23)、テトラコサノール(C24)、ペンタコサノール(C25)、ヘキサコサノール(C26)等が挙げられる、中でも、耐熱性に優れ、かつ担体樹脂への親和性に対してより良好な混練効果を発現することができる点から、炭素原子数が20〜24の直鎖状のアルキル鎖を有するモノアルコールが好ましく、炭素原子数20〜23のアルキル鎖を有するモノアルコールがより好ましい。具体的には、エイコサノール(C20)、ヘンエイコサノール(C21)、ドコサノール(C22)、トリコサノール(C23)、テトラコサノール(C24)が好ましい
本発明において、上記モノアルコール(B)以外のモノアルコールを本発明の効果を損なわない範囲でモノアルコール(B)と併用しても良い。モノアルコール(B)以外のモノアルコールとしては、例えば、オクタノール(C8)、デカノール(C10)、ドデカノール(C12)、テトラデカノール(C14)、ヘキサデカノール(C16)、オクタデカノール(C18)、ヘプタコサノール(C27)、オクタコサノール(C28)、ノナコサノール(C29)、トリアンコンタノール(C30)、ヘントリアンコンタノール(C31)、ドトリアコンタノール(C32)、セロメリシルアルコール(C33)、テトラトリアコンタノール(C34)、ヘプタトリアコンタノール(C35)、ヘキサトリアコンタノール(C36)等が挙げられる。
本発明で用いるモノアルコール(B)やモノアルコール(B)以外のモノアルコールにおける水酸基の置換位置は、1位または2位いずれでもよいが、1位のものを用いることが好ましい。
本発明で用いるエステル系添加剤(エステル化合物)の製造方法としては、前記芳香族多価カルボン酸(A)と、前記モノアルコール(B)とを反応器に仕込み、通常のエステル化反応させる方法等が挙げられる。また、このエステル化反応を促進する目的で、エステル化触媒を用いることが好ましい。
前記エステル化触媒として、金属又は有機金属化合物を用いることができる。具体的には、周期律表2族、4族、12族、13族及び14族からなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属や有機金属化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ハフニウム、ゲルマニウム等の金属;チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンオキシアセチルアセトナート、オクタン酸スズ、2−エチルヘキサンスズ、アセチルアセトナート亜鉛、4塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウムテトラヒドロフラン錯体、4塩化ハフニウム、4塩化ハフニウムテトラヒドロフラン錯体、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム等の金属化合物などが挙げられる。これらの中でも、反応性、取扱いやすさ、エステル化反応により得られたエステル化合物の保存安定性が良好であることから、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンオキシアセチルアセトナート等のチタンアルコキサイドが好ましい。
また、前記エステル化触媒の使用量は、エステル化反応を制御でき、かつ得られるエステル化合物の着色を抑制できる範囲の量であればよく、前記多価アルコールと前記モノジカルボン酸との合計量に対し、10〜2,000ppmの範囲が好ましく、20〜1,000ppmの範囲がより好ましい。
前記エステル系添加剤を製造する際、前記エステル化触媒を添加する時期は、前記芳香族多価カルボン酸(A)と前記脂肪族直鎖モノアルコール(B)とを反応器に仕込むのと同時に添加してもよく、昇温途中に添加してもよく、エステル化触媒を分割して添加してもよい。
前記エステル化反応において、前記多価カルボン酸(A)と前記脂肪族直鎖モノアルコール(B)と仕込み比は、前記脂肪族直鎖モノアルコール(B)のアルコール性水酸基に対して多価カルボン酸(A)は特に制限されるものではないが、例えば、前記脂肪族直鎖モノアルコール(B)のアルコール性水酸基1.00当量に対して多価カルボン酸(A)のカルボキシル基が0.80〜1.20当量の範囲、より好ましくは0.90〜1.10当量の範囲となるよう調整することが好ましい。
前記エステル系添加剤を製造する際の反応温度は、各原料が蒸発や昇華することを抑制しつつ反応を促進し、反応により生成するエステル化合物の熱分解、着色を抑制できることから、60〜300℃の範囲が好ましく、100〜250℃の範囲がより好ましい。
上記の製造方法により得られるエステル系添加剤は、高温高湿下でも加水分解をうけにくく安定であり、芳香族ポリエステル樹脂との相溶性が良いためブリードを引き起こしにくい。また、顔料の表面処理状態に応じて、酸価を調整し、親和性を調節することにより、目的とする着色剤のほぐれ性を向上させることが可能であることから、30以下の水酸基価を有し、かつ15以下の酸価を有するものが好ましく、20以下の水酸基価を有し、かつ10以下の酸価を有するものがより好ましい、特に好ましいのは15以下の水酸基価を有し、且つ5以下の酸価を有するものである。
本発明で用いるエステル系添加剤の数平均分子量は、800〜3,000が好ましく、1,000〜2,500がより好ましい。また、重量平均分子量は、900〜2,700が好ましく、1,100〜2,500がより好ましい。
本発明において、重量平均分子量、数平均分子量は以下の条件に従って測定した。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
この様にして得られたエステル系添加剤の形態としては、特に限定されないが、例えば、粉状、粒状、ペレット状、板状、フレーク状等が挙げられる。それらの作製方法も特に制限されないが、溶融状態のエステル化合物をステンレス製バットや冷却装置付のベルトコンベアーに取り出し、粉砕機等により粉、板、フレーク等する方法、固化・粉砕品を圧縮もしくは加熱等により造粒する方法、溶融状態から直接、粒子、ペレット状に取り出す方法、ベースのポリエステル樹脂と一定の割合で混練しマスターバッチ化して取り出す方法等が挙げられる。
この様にして得られたエステル系添加剤の着色剤組成物中の含有量は、芳香族ポリエステル100部に対して0.5〜120質量部の範囲、より好ましくは0.8〜100質量部の範囲である。上記範囲内であれば、耐熱性に優れ、かつ担体樹脂への親和性により良好な混練効果を発現することができ、結果として、未解膠物などの粗大粒子の形成を防止することができる。
前記エステル系添加剤が優れた顔料のほぐれ性(解膠性)をしめす作用機作について現時点では定かではないが、芳香族骨格を有することにより、従来の脂肪族骨格のものよりも耐熱性に優れ、溶融混練時の高温下でも分解され難く、本来の可塑化効果や界面活性効果を示し続けることができ、その結果、高濃度で顔料を含む着色剤組成物においても溶融粘度を低減させることができたものと考えられる。また、その構造から担体樹脂である芳香族ポリエステル樹脂との親和性も高く、前記エステル系添加剤が効果的に担体樹脂と顔料に作用し、混練効果を高めたものと考えられる。それらの結果として、着色剤組成物中の顔料のほぐれ性を改善し、未解膠物などの粗大粒子の形成を低減して溶融混練機に設置したフィルターの濾過圧を低減することにもつながったものと考えられる。このように前記エステル系添加剤は、芳香族ポリエステル樹脂に対して可塑剤として、また顔料の分散剤として好適に用いることができる。
本発明の着色剤組成物は、上記芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を混合して得られるものであるがこれらの混合の順序は特に限定されない。例えば、(方法1)芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を同時に混練しても良いし、(方法2)あらかじめ顔料およびエステル系添加剤の混練物を得た後に、芳香族ポリエステル樹脂と混練することもできる。より具体的には、例えば、方法1の場合には、芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤をあらかじめ材料同士が良く混ざるように混合してから220〜300℃の範囲の温度下で、単軸または2軸押出機を用いて溶融混練しても良いし、また、方法2の場合には、顔料およびエステル系添加剤を、80〜150℃の範囲の温度下で、単軸または2軸押出機を用いて溶融混練し、次いで、得られた混練物を芳香族ポリエステル樹脂とともに押出機等で溶融混練しても良い。
この様にして得られた着色剤組成物はマスターバッチカラーとして用いられ、その形態としては、特に限定されないが、例えば、ペレット状、板状、フレーク状等が挙げられる。
なお、本発明の着色剤組成物は、上記成分以外に他の任意の成分、例えば、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に応じて添加されていてもよい。
この様にして得られた本発明の着色剤組成物は、希釈用の芳香族ポリエステル樹脂(本発明において希釈用芳香族ポリエステル樹脂という)と混練して着色された芳香族ポリエステル樹脂組成物を得た後、成形して着色樹脂成形品とすることができる。より具体的には本発明の着色剤組成物100質量部に対して希釈用芳香族ポリエステル樹脂100〜1000000質量部の範囲を、好ましくは200〜100000質量部の範囲を希釈用芳香族ポリエステル樹脂の融点以上の温度下、例えば220〜300℃といった範囲の加熱下で溶融混錬して芳香族ポリエステル樹脂組成物を得た後、各種の押出機、射出成形機等を用いて、射出成形やTダイフィルム成形等を行うことにより各種形状の成形品を得ることができる。希釈用芳香族ポリエステル樹脂は、着色剤組成物に用いた担体樹脂と同様のものが挙げられ、担体樹脂と同種のものを組み合わせて用いることが好ましい。上記のような成形方法の他に、予め着色剤組成物と希釈用芳香族ポリエステル樹脂をミキサー、ブレンダーなどで混合した後に、射出成形機内に投入して溶融混練して直接成形する方法などのもあげられる。
このときに得られる芳香族ポリエステル樹脂組成物中のエステル系添加剤の含有量としては、例えば、着色剤組成物中の芳香族ポリエステル樹脂と希釈用芳香族ポリエステル樹脂との合計100質量部に対して0.00001重量部〜0.14質量部であることが好ましく、0.00008重量部〜0.10質量部がより好ましい。
以下、本発明の実施例を挙げ、比較例と比較しながら本発明を詳述する。例中、断りのない限り「部」、「%」は質量基準である。
実施例1(芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤の調製)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、無水フタル酸176.8g、ドコサノール(ドコサノール98%含有品)847.6g、トルエン51g及びチタンテトライソプロポキシド(以下、TiPTと略記する。)0.31gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.25g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエン及び未反応アルコールを除去した。トルエン及び未反応アルコールの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、反応生成物を珪藻土で濾過して取り出し、芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(1)を得た。可塑剤(1)の数平均分子量(Mn)は1090、重量平均分子量(Mw)は1160、酸価は2.2、水酸基価は3.3、白色固体であった。
実施例2(同上)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、無水トリメリット酸220.8g、ドコサノール(ドコサノール98%含有品)534.2g、オクタデカノール(オクタデカノール98%含有品)442.5g、トルエン60g及びTiPT 0.36gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.29g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエンを除去した。トルエンの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、液温を100℃に維持しながらステンレススチール製のバットに取り出し、芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(2)を得た。可塑剤(2)の外観は、白色固体であり、数平均分子量(Mn)は1850、重量平均分子量(Mw)は1930、酸価は3.3、水酸基価は4.5であった。
実施例3(同上)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、無水トリメリット酸192.0g、ドコサノール(ドコサノール98%含有品)929.1g、トルエン56g及びTiPT 0.33gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.27g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエンを除去した。トルエンの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、液温を100℃に維持しながらステンレススチール製のバットに取り出し、芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(3)を得た。可塑剤(3)の外観は、白色固体であり、数平均分子量(Mn)は1670、重量平均分子量(Mw)は1750、酸価は2.0、水酸基価は7.3であった。
実施例4(同上)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、ピロメリット酸190.5g、ドコサノール(ドコサノール98%含有品)929.1g、トルエンを56g及びTiPT 0.34gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.27g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエンを除去した。トルエンの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、液温を100℃に維持しながらステンレススチール製のバットに取り出し、芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(4)を得た。可塑剤(4)の外観は、白色固体であり、数平均分子量(Mn)は2260、重量平均分子量(Mw)は2390、酸価は4.1、水酸基価は8.1であった。
比較例1(比較対照用芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤の調製)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、ピロメリット酸218.4g、オクタデカノール(オクタデカノール98%含有品)882.4g、トルエン55g及びTiPT 0.33gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.26g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエンを除去した。トルエンの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、液温を100℃に維持しながらステンレススチール製のバットに取り出し、比較対照用芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(1´)を得た。可塑剤(1´)の外観は、白色固体であり、数平均分子量(Mn)は1900、重量平均分子量(Mw)は1970、酸価は5.5、水酸基価は4.1であった。
比較例2(同上)
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、ペンタエリスリトール108.8g、ステアリン酸908.8g、トルエン51g及びTiPT 0.31gを仕込んだ後、窒素ガスを塔頂温度100℃以下に維持するように100〜500ml/分の範囲で吹き込みながら、230℃まで昇温した。次いで、230℃で生成する水分を除去しながら、脱水エステル化反応を行った。反応生成物の酸価が2以下になった時点で85%リン酸水溶液を0.24g仕込み、減圧を開始し、230℃の状態で0.67kPa以下に減圧して、トルエンを除去した。トルエンの流出がなくなった後、減圧を解除し降温して、液温を100℃に維持しながらステンレススチール製のバットに取り出し、比較対照用芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(2´)を得た。可塑剤(2´)の外観は、白色固体であり、数平均分子量(Mn)は1620、重量平均分子量(Mw)は1680、酸価は1.9、水酸基価は15.0であった。
実施例5(着色剤組成物の調製)
ポリブチレンテレフタレート(JIS K 7367−5に準拠した極限粘度(IV)が0.69)58部、カーボンブラック(電子顕微鏡観察による円相当径で平均粒子径15〜25nm)40部及び芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤(1)を2軸押出機へ投入しこれらを溶融混練する事で本発明の着色剤組成物(1)を得た。2軸押出機はスクリュー径=25mmでL/D値が45のものを用い、ジャケット温度は260〜270℃に設定した。着色剤組成物(1)の調製において、スクリューの回転数が200rpmとなる条件で混練した時のトルク値を測定し、そのトルク値が安定した時の値(平均トルク値)を下記基準に従って評価した。この値が低いほど、溶融混練物の溶融粘度も低いことを表し、混練性に優れ、かつ生産性にも優れていることを意味する。評価結果を第1表に表す。
<平均トルク値の評価基準>
◎:平均トルク値が29.0N・m未満
○:平均トルク値が29.0N・m以上、30.0N・m未満
△:平均トルク値が30.0N・m以上、31.0N・m未満
×:平均トルク値が31.0N・m以上
実施例6〜9及び比較例3〜5
第1表及び第2表に示す可塑剤を用いた以外は実施例5と同様にして、着色剤組成物(2)〜(4)及び比較対照用着色剤組成物(1´)〜(5´)を得た。実施例5と同様に平均トルク値を測定し、評価した。評価結果を第1表及び第2表に表す。
Figure 0005327413
Figure 0005327413
第2表の脚注
モンタンワックス:クラリアント株式会社製のモンタン酸エステルワックス「Licolub WE4」
PEワックス:EVONIK INDUSTRIES製の変性ポリエチレンワックス「TEGOMER E 525」
実施例9(芳香族ポリエステル樹脂組成物の調製)
実施例5で得られた着色剤組成物(1)と希釈用芳香族ポリエステル樹脂とを単軸押出機もより溶融混練し、着色された芳香族ポリエステル樹脂組成物(1)を調製した。この組成物を調製する際に、下記方法に従って着色剤組成物の解こう性(ほぐれ性)の評価を行った。尚、希釈用芳香族ポリエステル樹脂としては、着色剤組成物(1)を得る際に用いたポリブチレンテレフタレートを用いた。
<解こう性の評価方法>
スクリュー径が30mmで、L/D値が30である単軸押出機の出口側に濾圧試験機を取り付けた試験機に着色剤組成物(1)と希釈用芳香族ポリエステル樹脂とを質量比で16.7/83.3となる割合で流通させ、着色剤組成物(1)と希釈用芳香族ポリエステル樹脂との混合物を上記濾圧試験機から押し出し、芳香族ポリエステル樹脂組成物(1)を得た。ここで、単軸押出機のジャケットの温度は280℃に設定した。濾圧試験機に取り付けたフィルターの構成は、#80μm×焼成40μm×#80μmとし、スクリュ−回転数は80rpmとした。
芳香族ポリエステル樹脂組成物を上記濾圧試験機から押し出す際にフィルター入口側に芳香族ポリエステル樹脂組成物(1)を流入させる時の圧力(樹脂圧)とフィルター出口側から排出される際の圧力を測定し、その差(濾過圧。MPa)を求め、これを濾過圧試験値とし、下記基準に従って評価した。濾過圧試験値が低い程、未解こう物などの粗大粒子形成が低減され、ほぐれ性に優れていることを意味する。評価結果を第3表に表す。
◎:2MPa未満
○:2MPa以上、4MPa未満
△:4MPa以上、6MPa未満
×:6MPa以上
実施例10〜12及び比較例7〜9
第3表及び第4表に示す着色剤組成物を用いた以外は実施例9と同様にして、芳香族ポリエステル樹脂組成物(2)〜(4)及び比較対照用芳香族ポリエステル樹脂組成物(1´)〜(4´)を得た。実施例9と同様にほぐれ性と凝集物の評価を行った。評価結果を第3表及び第4表に表す。
Figure 0005327413
Figure 0005327413
実施例13(芳香族ポリエステル樹脂組成物の調製)
実施例5で得られた着色剤組成物(1)と希釈用芳香族ポリエステル樹脂とを下記方法に従い単軸押出機により溶融混練し、着色された芳香族ポリエステル樹脂組成物のペレット状成形物(1)を調製した。この成形物中の凝集物の評価を下記の方法により行った。評価結果を第5表に示す。尚、希釈用芳香族ポリエステル樹脂としては、着色剤組成物(1)を得る際に用いたポリブチレンテレフタレートを用いた。
<ペレット状成形物の調製方法>
着色剤組成物(1)と希釈用芳香族ポリエステル樹脂とをカーボンブラックの濃度が2.5%となるように混合し、混合物を得た。この混合物をスクリュー径が30mmで、L/D値が30である単軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット状成形物(1)を調製した。ここで、単軸押出機のジャケットの温度は280℃に設定した。
<成形品中に存在する凝集物の評価方法>
ペレット状成形物から0.5mgの極小片を切り取り、スライドガラスに並べ、別のスライドガラスで挟んだ。次に、250℃の加熱プレスでガラスが割れないように加圧し、厚み約0.01mm、直径8mmのボタン状に成形し、試験片とした。この試験片を10個作成し、試験片表面を100倍の光学顕微鏡写真で観察した。試験片表面上にある粗大粒子の存在を観察した。円相当径で31〜40μmの粗大粒子の数、41〜60μmの粗大粒子の数、61μm以上の粗大粒子の数をカウントし、10個の試験片の合計数を求めた。評価結果を第5表に示す。また、実施例13と後述する比較例11で得られた成形品から得られた試験片の顕微鏡写真を図1および2に表す。
実施例13〜16及び比較例10〜12
第5表及び第6表に示す着色剤組成物を用いた以外は実施例13と同様にして、ペレット状成形物(1)〜(4)及び比較対照用ペレット状成形物(1´)〜(4´)を得た。実施例13と同様に凝集物の評価を行った。評価結果を第5表及び第6表に表す。
Figure 0005327413
Figure 0005327413
第6表の脚注
−:評価せず
1・・・未解膠物

Claims (11)

  1. 芳香族ポリエステル樹脂、顔料およびエステル系添加剤を必須成分として含有する着色剤組成物であり、該エステル系添加剤が、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル基であることを特徴とする着色剤組成物。
  2. 前記エステル系添加剤が芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物(A)と、炭素原子数20〜24の直鎖状のアルキル鎖を有するモノアルコール(B)とをエステル化反応させて得られたものである請求項1記載の着色剤組成物。
  3. 前記モノアルコール(B)がエイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコサノール、トリコサノールおよびカルナービルアルコールからなる群から選ばれる1種以上のモノアルコールである請求項記載の着色剤組成物。
  4. 前記芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物(A)が、3価以上のものである請求項2記載の着色剤組成物。
  5. 前記芳香族多価カルボン酸またはその酸無水物(A)が、トリメリット酸、ピロメリット酸及びそれらの酸無水物からなる群から選ばれる1種以上のものである請求項2記載の着色剤組成物。
  6. 前記芳香族ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリブチレンナフタレート樹脂からなる群から選ばれる1種以上の芳香族ポリエステル樹脂である請求項1〜5のいずれか1項記載の着色剤組成物。
  7. 前記顔料がカーボンブラックである請求項1〜6のいずれか1項記載の着色剤組成物。
  8. 前記芳香族ポリエステル樹脂100質量部に対して、顔料を0.1〜150質量部の範囲であり、かつエステル系添加剤を0.8〜100質量部含む請求項1〜7のいずれか1項記載の着色剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれ1項記載の着色剤組成物と、希釈用芳香族ポリエステル樹脂とを溶融混練して得られたことを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂組成物。
  10. 請求項9記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
  11. 芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステルで、該アルキルエステルのアルキル鎖が炭素原子数20〜26の直鎖状のアルキル鎖であることを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂用可塑剤。
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