JP7022248B1 - マスターバッチ、樹脂組成物、及び樹脂成形体 - Google Patents

マスターバッチ、樹脂組成物、及び樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】充填剤を含有しながらもポリエステル樹脂の結晶化が遅延されており、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物を製造することが可能なマスターバッチを提供する。【解決手段】ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するために用いられるマスターバッチである。ポリエステル系のベース樹脂及び充填剤を含有し、下記条件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たす。条件(1):銅フタロシアニン系染料をさらに含有し、充填剤100質量部に対する、銅フタロシアニン系染料の含有量が、3~200質量部である。条件(2):ベース樹脂が、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、マスターバッチ、樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂は、化学的及び物理的に優れた性質を有するため、従来、フィルム、シート等の各種成形体を製造するための工業材料として広く利用されている。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂及びカーボンブラック等の充填剤を含有する樹脂組成物、並びに、この樹脂組成物を成形して得られる成形体等が知られている(特許文献1)。
但し、一般的なポリエステル樹脂は結晶性を有するため、カーボンをはじめとする各種の充填剤を配合すると充填剤が結晶核として機能し、結晶化温度が上昇するといった現象(結晶化促進)が生じやすい。結晶化温度が上昇すると、溶融した樹脂組成物を所定形状に成形した後に速やかに固化させることができるので、製造効率の観点からは有用である場合もある。しかしながら、固化する速度が速すぎると、得られる成形体の外観や表面光沢が必ずしも良好にはならないといった課題があった。また、固化する速度が速いと、成形体の種類によっては想定通りのものが得られないといった懸念もある。例えば、成形体が複雑な構造を有する場合、溶融した樹脂組成物を型注入する途中で固化が開始しやすく、目的の成形体を得ることが困難になることが考えられる。これに対して、結晶化温度が低下すれば、固化する速度も遅くなって樹脂組成物の流動性を担保することができるので、成形体の構造が複雑であっても樹脂組成物が途中で固化しにくく、目的の成形体を得ることができる。このため、各種の充填剤を含有する結晶性樹脂の結晶化温度を低下させる、いわゆる結晶化遅延させたいとする要望があった。
結晶性樹脂の結晶化を遅延させる(結晶化温度を低下させる)技術として、例えば、染料の一種であるニグロシン系化合物をポリアミド樹脂等の結晶性樹脂に配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2006-305926号公報 特開2001-011055号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献2で提案されたニグロシン系化合物はポリアミド樹脂の結晶化を遅延させることが可能である一方で、ポリアミド樹脂以外の樹脂の結晶化を遅延させることは困難であることがわかった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、充填剤を含有しながらもポリエステル樹脂の結晶化が遅延されており、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物を製造することが可能なマスターバッチを提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、充填剤を含有しながらもポリエステル樹脂の結晶化が遅延されており、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の成形物である樹脂成形体を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下に示すマスターバッチが提供される。
[1]ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するために用いられるマスターバッチであって、ポリエステル系のベース樹脂及び充填剤を含有し、下記条件(1)を満たすマスターバッチ。
条件(1):銅フタロシアニン系染料をさらに含有し、前記充填剤100質量部に対する、前記銅フタロシアニン系染料の含有量が、3~200質量部である
[2]さらに、下記条件(2)を満たす前記[1]に記載のマスターバッチ。
[3]前記銅フタロシアニン系染料が、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70、及びC.I.ソルベントブルー44からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載のマスターバッチ。
[4]前記充填剤が、カーボンブラック、粘土鉱物、金属酸化物、無機酸塩、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]~[3]のいずれかに記載のマスターバッチ。
[5]前記共重合ポリエステルが、テレフタル酸及びイソフタル酸を含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールからなる群より選択される少なくとも一種のジオール成分と、の共重合体である前記[1]~[4]のいずれかに記載のマスターバッチ。
[6]前記充填剤の含有量が、3~40質量%である前記[1]~[5]のいずれかに記載のマスターバッチ。
また、本発明によれば、以下に示す樹脂組成物が提供される。
[7]ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するための樹脂組成物であって、ポリエステル系の原料樹脂と、前記[1]~[6]のいずれかに記載のマスターバッチと、を含有する樹脂組成物。
さらに、本発明によれば、以下に示す樹脂成形体が提供される。
[8]前記[7]に記載の樹脂組成物の成形物である樹脂成形体。
本発明によれば、充填剤を含有しながらもポリエステル樹脂の結晶化が遅延されており、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物を製造することが可能なマスターバッチを提供することができる。
また、本発明によれば、充填剤を含有しながらもポリエステル樹脂の結晶化が遅延されており、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物の成形物である樹脂成形体を提供することができる。
<マスターバッチ>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のマスターバッチの一実施形態は、ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するために用いられるマスターバッチであり、ポリエステル系のベース樹脂及び充填剤を含有する。そして、本実施形態のマスターバッチは、下記条件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たす。以下、本実施形態のマスターバッチの詳細について説明する。
条件(1):銅フタロシアニン系染料をさらに含有し、充填剤100質量部に対する、銅フタロシアニン系染料の含有量が、3~200質量部である。
条件(2):ベース樹脂が、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
(ベース樹脂)
ベース樹脂としては、ポリエステル系の樹脂を用いる。ポリエステル系の樹脂は、通常、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位、及びアルキレンジオールに由来する構成単位を有する樹脂である。ベース樹脂として用いるポリエステル系の樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリブチレンナフタレート(PBN)等を挙げることができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET(ホモPET))が好ましい。
(充填剤)
充填剤としては、通常、ベース樹脂の結晶化温度を上昇させる結晶核として機能しうるものを用いる。このような充填剤としては、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料の他、一般的な樹脂組成物に配合される無機物質や無機化合物等を用いることができる。充填剤としては、カーボンブラック、粘土鉱物、金属酸化物、無機酸塩、及び有機酸塩等を挙げることができる。これらの充填剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。粘土鉱物としては、タルク、クレー等を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等を挙げることができる。無機酸塩としては、各種金属の炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、有機酸塩としては、各種金属のカルボン酸塩、有機リン酸塩等を挙げることができる。なかでも、充填剤としてはカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックは、市販品として入手可能なものを用いることができる。製法によって異なる特徴を有する、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、及びサーマルブラックのいずれであっても用いることができる。
マスターバッチ中の充填剤の含有量は、マスターバッチ全質量を基準として、3~40質量%であることが好ましく、4~30質量%であることがさらに好ましく、4.5~25質量%であることが特に好ましい。
(条件(1)及び(2))
本実施形態のマスターバッチは、下記条件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たす。なお、本実施形態のマスターバッチは、下記条件(1)及び(2)の両方を満たすことが好ましい。下記条件(1)及び(2)の両方を満たすことで、相乗的な効果が発揮されるため、ポリエステル樹脂の結晶化がさらに遅延され、より品位が向上したポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造しうる樹脂組成物を製造することができる。
条件(1):銅フタロシアニン系染料をさらに含有し、充填剤100質量部に対する、銅フタロシアニン系染料の含有量が、3~200質量部である。
条件(2):ベース樹脂が、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
[条件(1)]
銅フタロシアニン系染料を含有させることで、充填剤を含有しながらも、ベース樹脂として用いるポリエステル樹脂の結晶化を遅延させる(結晶化温度を低下させる)ことができる。銅フタロシアニン系染料は、ポリエステル系の樹脂中に溶解しうる染料である。銅フタロシアニン系染料としては、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70、及びC.I.ソルベントブルー44等を挙げることができる。これらの銅フタロシアニン系染料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、C.I.ソルベントブルー67を用いることが、ポリエステル樹脂の結晶化をより遅延させることができるために好ましい。
マスターバッチが銅フタロシアニン系染料を含有する場合、マスターバッチ中の銅フタロシアニン系染料の含有量は、充填剤100質量部に対して、3~200質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがさらに好ましく、30~100質量部であることが特に好ましい。銅フタロシアニン系染料の含有量が少なすぎると、結晶化遅延効果が不十分になることがある。一方、銅フタロシアニン系染料の含有量を過剰にすると、結晶化遅延効果が頭打ちになるとともに、コスト面で不利になる場合がある。
[条件(2)]
非晶性ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)は、結晶化温度を実質的に有しないポリエチレンテレフタレート(PET)であり、いわゆる「PET-G」がある。PET-Gは、PET中のエチレングリコール単位の一部(例えば、30~40モル%程度)をシクロエヘキサンンジメタノール単位で置き換えた非晶性PETである。このような非晶性PETを用いることで、充填剤を含有しながらも、ベース樹脂の結晶化を遅延させる(結晶化温度を低下させる)ことができる。
共重合ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)中の構成単位(テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位)の少なくとも一部を、他の構成単位に置き換えた樹脂である。共重合ポリエステルとしては、テレフタル酸及びイソフタル酸を含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールからなる群より選択される少なくとも一種のジオール成分との共重合体を用いることが好ましい。この共重合ポリエステルを用いることで、充填剤を含有しながらも、ベース樹脂の結晶化を遅延させる(結晶化温度を低下させる)ことができる。
ベース樹脂は、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルの両方を含むことが好ましい。さらに、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルのみを実質的にベース樹脂とすることが、結晶化遅延効果をより向上させることができるために好ましい。
(その他の成分)
本実施形態のマスターバッチには、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、上述の各成分以外のその他の成分を含有させることができる。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、離型剤、潤滑剤、染料(前述の銅フタロシアニン系染料を除く)、及び顔料(前述の充填剤を除く)等を挙げることができる。
(マスターバッチの製造方法)
本実施形態のマスターバッチは、例えば、前述の各成分を溶融混練して製造することができる。溶融混練の方法は特に限定されず、従来公知の溶融混練方法を採用することができる。具体的には、ヘンシェルミキサー等の高速ミキサーやタンブラー等の各種混合機を使用して各成分を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、プラストグラフ、単軸押出機、二軸押出機、及びニーダー等の混練装置で溶融混練する方法を挙げることができる。なかでも、押出機を使用して各成分を溶融混練することが、生産効率を高めることができるために好ましい。また、押出機としては二軸押出機を用いることが好ましい。押出機などの混練装置を使用して各成分を溶融混練するとともに、混練物をストランド状に押し出した後、ストランド状に押し出された混練物をペレット状やフレーク状等の所望とする形態に加工することができる。溶融混練時の温度は200~300℃とすることが好ましく、260~280℃とすることがさらに好ましい。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物の一実施形態は、ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するための樹脂組成物であり、ポリエステル系の原料樹脂と、前述のマスターバッチとを含有する。このため、従来公知の方法にしたがって本実施形態の樹脂組成物を溶融させて所望とする形状に成形する場合に、充填剤を含有しながらも原料樹脂の結晶化が遅延されているので、外観や表面光沢等の品位に優れたポリエステル樹脂製の樹脂成形体を製造することができる。
ポリエステル系の原料樹脂(希釈樹脂)としては、例えば、マスターバッチのベース樹脂として用いることができるポリエステル系の樹脂と同様のものを用いることができる。すなわち、原料樹脂としては、PET、PTT、PBT、PEN、及びPBN等を挙げることができる。
樹脂組成物中の充填剤の含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、0.03~2質量%であることが好ましく、0.05~1.5質量%であることがさらに好ましい。すなわち、樹脂組成物中の充填剤の含有量が、好ましくは0.03~2質量%、さらに好ましくは0.05~1.5質量%となるように、原料樹脂とマスターバッチを混合(溶融混練)することが好ましい。
樹脂組成物が非晶性PETを含有する場合に、樹脂組成物中の非晶性PETの含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、1~10質量%であることが好ましく、2~8質量%であることがさらに好ましい。また、樹脂組成物が共重合ポリエステルを含有する場合に、樹脂組成物中の共重合ポリエステルの含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として、1~10質量%であることが好ましく、2~8質量%であることがさらに好ましい。
<樹脂成形体>
本発明の樹脂成形体の一実施形態は、前述の樹脂組成物の成形物である。本実施形態の樹脂成形体は、前述のマスターバッチをポリエステル系の原料樹脂で希釈して得られる樹脂組成物によって形成されているため、より低い温度で結晶化しており、外観や表面光沢等の品位に優れている。
本実施形態の樹脂成形体は、例えば、従来公知の成形方法にしたがって前述の樹脂組成物を所望とする形状に成形することで製造することができる。樹脂成形体としては、例えば、ボトル、ポリタンク等のブロー成形物;産業資材、トレイ、筐体等の射出成形物等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<マスターバッチの製造>
表1-1、1-2、2-1、2-2、及び3に示す各成分を配合し、ヘンシェルミキサーを使用して十分に混合して混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機を使用して260~280℃で混練し、ペレット状のマスターバッチMB-1~27を得た。また、PET(ホモPET)のみを「参考例1」とした。各成分の詳細を以下に示す。
・PET:ポリエチレンテレフタレート(ホモPET)、商品名「MA-2103」、ユニチカ社製
・カーボンブラック:平均一次粒子径25nm
・非晶性PET:商品名「ケイダンスGS-1」、イーストマンケミカル社製
・共重合ポリエステルA:商品名「TRN8084FB」、帝人社製、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール
・共重合ポリエステルB:商品名「ケミットQ1500」、東レ・ファインケミカル社製、テレフタル酸/イソフタル酸/1,4-ブタンジオール
・銅フタロシアニン系染料A:C.I.ソルベントブルー67、商品名「オラゾール825」、BASF社製
・銅フタロシアニン系染料B:C.I.ソルベントブルー70、商品名「Oil Blue 5511-N」、有本化学工業社製
・アントラキノン系染料A:C.I.ソルベントレッド52、商品名「Plast Red 8360」、有本化学工業社製
アントラキノン系染料B:C.I.ソルベントブルー87、商品名「Plast Bule 8580」、有本化学工業社製
・アントラキノン系染料C:C.I.ソルベントブルー97、商品名「Plast Bule 8590」、有本化学工業社製
・アントラキノン系染料D:C.I.ソルベントバイオレット13、商品名「Plast Vilet 8840」、有本化学工業社製
・アントラキノン系染料E:C.I.ソルベントバイオレット36、商品名「Plast Vilet 8855」、有本化学工業社製
・ペリノン系染料A:C.I.ソルベントレッド179、商品名「Plast Red 8370」、有本化学工業社製
・酸化チタン:平均一次粒子径0.15μm、アナターゼ型
<評価(1)>
(融点の測定)
示差熱分析計(TG-DSC、商品名「TG-8110」、リガク社製)を使用し、室温(25℃)から昇温速度10℃/minで加熱する条件により各マスターバッチの融点を測定した。結果を表1-1、1-2、2-1、2-2、及び3に示す。
(降温時の結晶化温度の測定)
示差熱分析計(TG-DSC、商品名「TG-8110」、リガク社製)を使用し、窒素気流中、室温~300℃~室温(昇温:10℃/min、降温:20℃/min)の条件で各マスターバッチの降温時の結晶化温度を測定した。また、基準となるマスターバッチの結晶化温度からの遅延(降下)温度を算出した。結果を表1-1、1-2、2-1、2-2、及び3に示す。
Figure 0007022248000001
Figure 0007022248000002
Figure 0007022248000003
Figure 0007022248000004
Figure 0007022248000005
<樹脂組成物の製造>
カーボンブラック5%濃度のマスターバッチをPET(ホモPET、商品名「MA-2103」、ユニチカ社製)で20倍及び71.4倍(いずれも質量基準)となるようにブレンドするとともに、二軸押出機を使用して260~280℃で混練し、ペレット状の樹脂組成物RC-1~16、18、及び19を得た。なお、樹脂組成物RC-17(参考例2)については、マスターバッチを希釈せず、表4-3に示す各成分をブレンドし、二軸押出機を使用して260~280℃で混練して得た。
<評価(2)>
(融点の測定)
示差熱分析計(TG-DSC、商品名「TG-8110」、リガク社製)を使用し、室温(25℃)から昇温速度10℃/minで加熱する条件により各樹脂組成物の融点を測定した。結果を表4-1~4-3に示す。
(降温時の結晶化温度の測定)
示差熱分析計(TG-DSC、商品名「TG-8110」、リガク社製)を使用し、窒素気流中、室温~300℃~室温(昇温:10℃/min、降温:20℃/min)の条件で各樹脂組成物の降温時の結晶化温度を測定した。また、樹脂組成物RC-1(比較例10)の結晶化温度を基準とする遅延(降下)温度(RC-2~13)、及び樹脂組成物RC-14(比較例13)の結晶化温度を基準とする遅延(降下)温度(RC-15~19)をそれぞれ算出した。結果を表4-1~4-3に示す。
Figure 0007022248000006
Figure 0007022248000007
Figure 0007022248000008
本発明のマスターバッチは、ポリエステル製の高品質な樹脂成形体を簡便に製造するための材料として好適である。

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するために用いられるマスターバッチであって、
    ポリエステル系のベース樹脂及び充填剤を含有し、
    下記条件(1)を満たすマスターバッチ。
    条件(1):銅フタロシアニン系染料をさらに含有し、前記充填剤100質量部に対する、前記銅フタロシアニン系染料の含有量が、3~200質量部である
  2. さらに、下記条件(2)を満たす請求項1に記載のマスターバッチ。
    条件(2):前記ベース樹脂が、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び共重合ポリエステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
  3. 前記銅フタロシアニン系染料が、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70、及びC.I.ソルベントブルー44からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載のマスターバッチ。
  4. 前記充填剤が、カーボンブラック、粘土鉱物、金属酸化物、無機酸塩、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1~3のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  5. 前記共重合ポリエステルが、
    テレフタル酸及びイソフタル酸を含むジカルボン酸成分と、
    エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールからなる群より選択される少なくとも一種のジオール成分と、の共重合体である請求項1~4のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  6. 前記充填剤の含有量が、3~40質量%である請求項1~5のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  7. ポリエステル樹脂を主体とする樹脂成形体を製造するための樹脂組成物であって、
    ポリエステル系の原料樹脂と、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のマスターバッチと、を含有する樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の樹脂組成物の成形物である樹脂成形体。
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