JP4568518B2 - 制電性ポリエステル容器 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形などの成形品にした場合に、温度湿度によらず優れた埃付着防止性能を有し、かつ、優れた透明性と良好な機械強度を有する、制電性ポリエステル容器に関する。より詳しくは、冬場でも埃付着の少ない麗美で光沢の必要な肉厚化粧品容器やトレーに関するものである。
近年、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)に代表されるポリエステル樹脂は、その優れた機械的性質、化学的性質、透明性などから清涼飲料用ボトルとして広く利用されている。また、優れた透明性に注目して、化粧品容器やビールグラスのような射出成形品にも使用する試みがなされている。
化粧品容器のように成形後に容器外面に品名やロゴなどを印刷する際、容器外面に埃などが付着し印刷不良を引き起こす問題がある。
そこで埃付着防止を目的にとして、帯電防止剤を成形品に塗布する塗布法と樹脂中に帯電防止剤を練り込み成形する内部添加法がある。このうち塗布法は余分な加工工程が必要であるし、成形品表面の摩擦や洗浄で容易に効果が低減する欠点があるため、内部添加法が有利である。
内部添加法としては、これまで、アルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩といったイオン性界面活性剤をポリマー中に練り込む方法が、効果や経済性に優れるため一般的に採用されてきた。
中でもイオン性界面活性剤としてアルキル(アリール)スルホン酸塩を利用した系はよく検討されており、制電効果の大きなものとして、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム、リチウムなどをポリエステルに添加するもの(特許文献1〜3)が開示されている。しかし、こうした低分子量の界面活性剤を利用する方法は、かかる界面活性剤が樹脂表面に染み出し成形品表層に均一な層を形成することで初めて帯電防止効果が発現する。従って、ある程度添加量を多くする必要があり、成形品の透明性の低下やゲル化物の発生などの問題があった。
そこで、より少量添加で帯電防止層を形成するために、分散性の向上とブリードアウトを促進する目的でポリオキシアルキレングリコールなどを併用するもの(特許文献4〜6)が開示されている。しかし、これらの方法に用いられているポリオキシアルキレングリコール成分は分子量が比較的大きく、添加量を少なくしても成形品の透明性が損なわれる。また、ポリオキシアルキレングリコールの分子量が比較的小さなものとアルキルスルホン酸金属塩を併用するもの(特許文献7)も開示されているが、あくまでもポリオキシアルキレングリコール成分による界面活性剤の分散性向上が目的である。また、透明性を得るため、ポリオキシアルキレングリコールの分子量を小さくすると混練時や成形時に樹脂の熱劣化を促進し、実際には利用困難である。よって、優れた透明性と機械物性、及び低温低湿度下での帯電防止性能の全てを満足させることは出来ていない。
特公昭47‐40873号公報 特開昭54‐3848号公報 特開昭55‐5938号公報 特開昭52‐47071号公報 特開昭58‐12910号公報 特開平2‐232257号公報 特開昭52‐47072号公報
本発明の目的は、上述のような欠点を有することなく、射出成形などにより成形されたの成形品にした場合に、温度湿度によらず優れた埃付着防止性能を有し、かつ、優れた透明性と良好な機械強度を有する、制電性ポリエステル容器を得ることである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の結晶融解熱を有することで肉厚な容器にした場合でも結晶化によるヘイズ悪化が起こらないポリエステルに、特定のポリオキシアルキレングリコールとリチウム金属含有化合物をそれぞれ少量配合したポリエステル樹脂組成物からなる制電性ポリエステル容器が、温度湿度によらず優れた帯電防止性能を有し、且つ優れた透明性と良好な機械強度を有していることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は(A)結晶融解熱が36.0J/g以下であるポリエステルに対し、(B)数平均分子量が500〜5000であるポリエチレングリコールジメチルエーテルを0.1〜10重量%、(C)式1で示されるスルホン酸リチウム塩誘導体を0.1〜10重量%含有するポリエステル樹脂組成物からなる制電性ポリエステル容器である。
R(X) SO Li [式1]
(ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香族基、n:0〜1,Li:リチウム元素を示す。)
本発明の制電性ポリエステル容器は、温度湿度によらない優れた帯電防止性能と透明性及び良好な機械強度を有している。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコールのごときグリコールを重縮合させて製造されるポリエステルである。
これらのポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応させた後重縮合させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
かかるポリエステルの代表例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。また、これらのポリエステルを2種類以上ブレンドしたものであっても良い。
また、上述したポリエステル(A)はその結晶融解熱が36.0J/g以下が必要で、31.5J/g以下が好ましい。結晶融解熱が36.0J/gより大きい場合、肉厚な(3mm以上)成形品を成形した場合、特に成形品のゲート付近は保圧による樹脂の流入がある。そのため冷却不足になりやすく、結晶化に起因する白化により透明性が低下する恐れがある。
また、本発明における(B)数平均分子量が500〜5000であるるポリエチレングリコールジメチルエーテルとは、エチレングリコールを縮合したポリエチレングリコールの両末端メチル基により封鎖したものである。
両末端が封鎖されていない比較的分子量の低い数平均分子量500〜5000のポリオキシアルキレングリコールをポリエステルに対して配合した場合、ポリエステル自身の分解を促進させる効果があり、ポリエステルの粘度を大きく低下させる恐れがある。また、炭素数が20を超える場合、ポリオキシアルキレングリコール中のエーテル基含有量が少なくなり、帯電防止性能が低下する。よって、炭素数1〜20の範囲のアルキル、アシル、アロイル基により少なくとも片末端が封鎖されていれば、粘度低下をある程度抑制することが可能であり、しかも優れた帯電防止性能と透明性の観点から、最もバランスがとれている。
また、片末端のみ封鎖されているだけでも、比較的分子量の低い数平均分子量500〜5000のポリオキシレングリコールによるポリエステルの粘度低下は抑制できるが、特に比較的分子量の低い数平均分子量500〜5000の両末端が封鎖されたポリオキシア
ルキレングリコールは粘度低下がより少なく好ましい。
ポリエチレングリコールジメチルエーテルの数平均分子量は500〜5000であることが必要である。より好ましい数平均分子量は800〜4000、特に好ましい数平均分子量は800〜2000である。数平均分子量が500未満である場合、成形品表面に多量にブリードアウトするために成形品自体の印刷性を低下させる恐れがある。また、数平均分子量が5000を超える場合、ポリエステルへの分散径が大きくなり透明性が低下する。よって、数平均分子量500〜5000の範囲が帯電防止性能と透明性、生産性・加工適性の観点から最もバランスがとれている。
また、(B)数平均分子量が500〜5000であるポリエチレングリコールジメチルエーテルの含有量は本発明のポリエステル樹脂に対し、0.1〜10重量%であることが必要である。より好ましい含有量は0.3〜8重量%、特に好ましい含有量は0.5〜5重量%である。含有量が0.1重量%未満の場合、帯電防止性能を得ることができず、含有量が10重量%を超えるともはや帯電防止効果は飽和に達するばかりでなく、逆に耐熱性が低下し、生産性が著しく低下する。よって、含有量は0.1〜10重量%が帯電防止性能と透明性、耐熱性の観点から最もバランスがとれている。
本発明における(C)リチウム金属含有化合物としては、下式で示される有機スルホン酸金属塩があり、R(X)SOLi(ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香族基、n:0〜1,Li:リチウム元素を示す。)、R−X−SOLiで示される芳香族系スルホン酸リチウム塩や、R−SOLiで示される脂肪族系スルホン酸リチウム塩があるが、アルキル基の炭素数は5から30である。炭素数が5〜30の範囲の有機スルホン酸リチウム塩は、ポリエステル中での分散性に優れ、良好な透明性や帯電防止効果が発現する。
前記R(X)SOLiを形成するスルホン酸金属塩の例として、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、オクタデシルスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらを2種類以上混ぜ合わせて使用してもかまわない。
また、上述したリチウム金属含有化合物の含有量は、ポリエステルに対して0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.3〜3重量%である。含有量が0.1重量%未満であると、帯電防止性能が不十分あり、一方、10重量%を超えるともはや帯電防止効果は飽和に達するばかりでなく、逆にゲル状異物が生成しやすくなり、さらには透明性が低下し、更には大幅に樹脂の固有粘度を低下させるため落下強度が著しく低下する。よって、含有量が0.1〜10重量%の範囲が帯電防止性能と透明性、落下強度の観点から最もバランスがとれている。
また、リチウム金属含有化合物の代わりにナトリウムやカリウム金属含有化合物を配合した場合、低温低湿度下での優れた帯電防止性能と透明性の両立は困難であり、リチウム金属含有化合物と(A)数平均分子量が500〜5000である少なくともの片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールを併用してポリエステルに適用して初めて両立させることが可能であった。
本発明の制電性ポリエステル容器の固有粘度は20℃において重量比60/40のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒中での測定で、0.5〜0.9dl/gであることが好ましい。より好ましくは、0.55〜0.85dl/gである。固有粘度が0.5dl/g未満である場合、成形品の衝撃強度が低くなる傾向が見られる。一方、固有粘度がこの範囲にあると、成形性が良好である。
また、本発明の特徴を損なわない程度で、従来公知の添加剤を制電性ポリエステル容器に添加しても構わない。添加剤としては、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックなどの顔料、紫外線吸収剤、離型剤などが挙げられる。
本発明の制電性ポリエステル容器に用いる樹脂組成物は、従来公知の方法で容易に製造することができる。つまり、(B)数平均分子量が500〜5000である少なくともの片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールと(C)リチウム金属含有化合物の(A)特定の結晶融解熱を有するポリエステルへの添加時期は任意の段階、すなわちポリエステル原料のエステル化反応またはエステル交換反応の開始前、途中、終了後、あるいは重縮合反応の開始前、途中などが挙げられる。また、通常のポリエステル樹脂を製造しておき、このペレットと本発明に用いる添加剤とを単軸、二軸(同方向、異方向回転)押出機で混合してもよい。
この中でもっとも好ましい添加方法としては、(A)特定の結晶融解熱を有するポリエステルを製造しておき、このペレットと本発明に用いる(B)数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールと(C)リチウム金属含有化合物とを単軸、二軸(同方向、異方向回転)押出機で混合混練する方法である。
次に本発明の制電性ポリエステル容器は、(A)特定の結晶融解熱を有するポリエステルと(B)数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールおよび(C)リチウム金属含有化合物必要に応じて各種添加剤を所定量含有するペレットを乾燥したのち、公知成形方法(射出成形、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形など)により製造することができる。中でも、射出成形が最も適している。
次に本発明の実施例および比較例を示す。まず、測定・評価方法を以下に示す。
(1)制電性ポリエステル容器の成形:射出成形機のシリンダーで任意の温度で溶融された樹脂を水冷または温調機により任意の温度に設定された金型内に流し込み、厚み3.0mm、幅50mm、長さ100mmのプレートを得た。このプレートにより以下の(2)〜(7)の評価を実施した。
(2)結晶融解熱:パーキン・エルマー社製DSC7を用い、JIS−K−7105に準じた方法にて測定を行った。急冷された実質上非晶状態のプレートの一部を窒素気流中、昇温速度10℃/minの条件で測定を行い、結晶融解熱(J/g)を求めた。
(3)厚み:(株)ミツトヨ製マイクロメータ(SPM2−25DM)によりプレートの任意の点を10点測定し、その平均値を厚みとした。
(4)ヘイズ:日本電色工業(株)製濁度計(NDH2000、光源はC)を用いて、各プレートのゲートに近く保圧がかかる部分の全光線透過率を測定した。この値が10%
以下である場合を○、10%を超える場合を×とした。
(5)表面抵抗値:三菱化学(株)製電気抵抗測定器(Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、23℃±2℃、50%RH±5%RH及び15℃±1℃、30%RH±3%RH下の双方で6時間放置した後、測定した。測定条件は印加電圧1000V、サンプリングタイム30secで、1プレートにつき10箇所測定し、その平均値を採用した。その結果、双方の測定条件下で表面抵抗値が1013Ω/□未満のものを帯電防止性能良好、それ以上のものを不良とした。
(6)ブリードアウト:プレート表面に触れた際、滑りや付着物がない場合を良好(○)とし、ある場合を×とした。
(7)固有粘度:フェノール60重量%とテトラクロロエタン40重量%の混合溶媒に、制電性ポリエステル容器の一部を溶解し、20℃にて測定した。
(8)落下衝撃強度:射出成形により制電性樹脂組成物を成形して得た制電性ポリエステル容器(厚み3.0mm、直径4cm、高さ7cmの円筒形容器)を高さ100cmから塩化ビニル製タイルの張られたコンクリート床上に、各々の条件の容器に8割水を入れて1サンプルを10回ずつ落下させた。その際、全く割れなかったものを○、1回でも割れた場合を×とした。
(9)総合評価:上記(2)〜(8)までの評価項目が全て満たされるか、良好または○と評価されたものを○とし、それ以外を×とした。
<<(A)ポリエステルの結晶融解熱(結晶性)の影響について>>
〔実施例1〕
(マスターペレットの調製)
原料として、常法により得られた固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)90重量%に、加熱保温式液添装置を使用してドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(竹本油脂製 エレカットS417:DBSLi純分80重量%)12.5重量%を連続的にベント式同方向二軸混練機に供給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切断してドデシルベンゼンスルホン酸リチウム10重量%含有マスターペレットを調製した。
次に、固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)90重量%に、数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル(日本油脂製 ユニオックスMM1000)10重量%を加熱保温式液添装置により供給し、連続的にベント式同方向二軸混練機に供給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切断して数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターを調製した。
(ヘイズ、表面抵抗値、ブリードアウト評価用プレートの作製)
射出成形機に固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)80重量%と上記のドデシルベンゼンスルホン酸リチウム10重量%含有マスターペレット10重量%及び上記の数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターペレット10重量%を供給し、これを275℃に加熱したシリンダーにより溶融して、水冷された金型内へ流し込み冷却固化して、プレートを得た。
(落下強度評価用容器の作製)
上記と同様の射出成形機を使用、同温度条件で厚み3.0mm、直径4cm、高さ7cmの円筒形容器を得た。
〔実施例2〜4、比較例1、2〕
実施例1におけるマスターペレット作製時のベース樹脂や添加剤、プレートおよび容器作製時の射出成形機への供給樹脂及び添加剤の配合量などを変更し表1の組成のようになるよう調整し、各樹脂の融解温度に合わせてシリンダー温度を調節してプレート及び容器を得た。
上記の方法で得られたプレートのヘイズ及び表面抵抗値(温度湿度は2条件)について、前述した方法による測定・評価した結果及び容器の固有粘度、落下強度の評価とそれらの総合評価を表2に示す。
上記より、(A)ポリエステルの結晶融解熱の影響は以下のように結論することができる。実施例1〜4の成形品は、本発明の請求項1記載の要件を満足しており、温度湿度によらず優れた帯電防止性能を有し、且つ優れた透明性と良好な落下強度を有していた。それに比べ、比較例1,2のように結晶融解熱が36.0J/gを超える場合、プレートヘーズは10%を超え、成形品は失透した。
<<(B)数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの影響について>>
〔実施例5〕
(ヘイズ、表面抵抗値、ブリードアウト評価用プレートの作製)
射出成形機に固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)70重量%と実施例1で説明したものと同様のドデシルベンゼンスルホン酸リチウム10重量%含有マスターペレット10重量%及び実施例1で説明したものと同様の数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターペレット20重量%を供給し、これを275℃に加熱したシリンダーにより溶融して、水冷された金型内へ流し込み冷却固化して、プレートを得た。
(落下強度評価用容器の作製)
実施例1で説明したものと同様に射出成形機を使用、同温度条件で厚み3.0mm、直径4cm、高さ7cmの円筒形容器を得た。
〔実施例6〜8、比較例3〜11〕
実施例5におけるマスターペレット作製時のベース樹脂や添加剤、プレートおよび容器作製時の射出成形機への供給樹脂及び添加剤の配合量などを変更し表3の組成のようになるよう調整し、各樹脂の融解温度に合わせてシリンダー温度を調節してプレート及び容器を得た。
上記の方法で得られたプレートのヘイズ及び表面抵抗値(温度湿度は2条件)について、前述した方法による測定・評価した結果及び容器の固有粘度、落下強度の評価とそれらの総合評価を表4に示す。
上記より、数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの影響は以下のように結論することができる。
実施例5〜8の制電性ポリエステル容器は、本発明の請求項1記載の要件を満足しており、温度湿度によらず優れた帯電防止性能を有し、且つ優れた透明性と良好な落下強度を有していた。それに比べ、比較例3のように末端封鎖されていないポリエチレングリコールを使用した場合、容器の固有粘度が著しく低下し、容器の落下強度が著しく低下した。
また、比較例4、8のように数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端
が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの含有量が0.1重量%未満である場合、低温低湿度下(15℃×30%RH)での表面抵抗値は1013Ω/□以上となり、帯電防止性能評価は×(不良)となった。
それ以外に比較例5、9のように数平均分子量が500〜5000である少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの含有量が10重量%を超える場合、プレート表面にポリオキシアルキレングリコールが多量にブリードアウトし、実用上問題となる恐れがあった。
また、比較例6、10のように少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量が500未満の場合、プレート表面に多量のポリオキシアルキレングリコールがブリードアウトし、実用上問題になる恐れがあった。また、比較例7、11のように少なくとも片末端が封鎖されたポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量が5000を超える場合、ヘイズが10%を超え不透明となり、優れた透明性を有する制電性ポリエステル容器が得られなかった。
<<(C)リチウム金属含有化合物の影響について>>
〔実施例9〕
(ヘイズ、表面抵抗値、ブリードアウト評価用プレートの作製)
射出成形機に固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)70重量%と実施例1で説明したものと同様のドデシルベンゼンスルホン酸リチウム20重量%含有マスターペレット10重量%及び実施例1で説明したものと同様の数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターペレット10重量%を供給し、これを275℃に加熱したシリンダーにより溶融して、水冷された金型内へ流し込み冷却固化して、プレートを得た。
(落下強度評価用容器の作製)
実施例1で説明したものと同様に射出成形機を使用、同温度条件で厚み3.0mm、直径4cm、高さ7cmの円筒形容器を得た。
〔実施例10、11、比較例12〜15〕
実施例9におけるマスターペレット作製時のベース樹脂や添加剤、プレートおよび容器作製時の射出成形機への供給樹脂及び添加剤の配合量などを変更し表5の組成のようになるよう調整し、各樹脂の融解温度に合わせてシリンダー温度を調節してプレート及び容器を得た。
上記の方法で得られたプレートのヘイズ及び表面抵抗値(温度湿度は2条件)について、前述した方法による測定・評価した結果及び容器の固有粘度、落下強度の評価とそれら
の総合評価を表6に示す。
<<(C)リチウム金属含有化合物以外の影響について>>
〔比較例16〕
(マスターペレットの調製)
原料として、常法により得られた固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)90重量%に、加熱保温式液添装置を使用してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム10重量%を連続的にベント式同方向二軸混練機に供給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切断してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10重量%含有マスターペレットを調製した。数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターは実施例1と同様の方法で調製した。
(ヘイズ、表面抵抗値、ブリードアウト評価用プレートの作製)
射出成形機に固有粘度0.82dl/gの1,4−シクロヘキサンジメタノール33mol%共重合PET樹脂(イーストマンケミカル製 PETG6763)80重量%と上記のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10重量%含有マスターペレット10重量%及び上記の数平均分子量1000のポリエチレングリコールジメチルエーテル10重量%含有マスターペレット10重量%を供給し、これを275℃に加熱したシリンダーにより溶融して、水冷された金型内へ流し込み冷却固化して、プレートを得た。
(落下強度評価用容器の作製)
上記と同様の射出成形機を使用、同温度条件で厚み3.0mm、直径4cm、高さ7cmの円筒形容器を得た。
〔比較例17〕
比較例16におけるマスターペレット作製時のベース樹脂をイソフタル酸15mol%共重合PETに変更し、プレートおよび容器作製時の射出成形機への供給樹脂の同様に変更して表5の組成になるよう調整し、シリンダー温度を270℃に調節してプレート及び容器を得た。
上記の方法で得られたプレートのヘイズ及び表面抵抗値(温度湿度は2条件)について、前述した方法による測定・評価した結果及び容器の固有粘度、落下強度の評価とそれらの総合評価を表6に示す。
上記より、リチウム金属含有化合物の影響は以下のように結論することができる。実施例9〜11の制電性ポリエステル容器は、本発明の請求項1記載の要件を満足しており、温度湿度によらず優れた帯電防止性能を有し、且つ優れた透明性と良好な機械強度を有していた。
それに比べ、比較例12、14のようにリチウム金属含有化合物の含有量が0.1重量%未満の場合、低温低湿度下(15℃×30%RH)での表面抵抗値は1015Ω/□を超えるため、帯電防止性能が不良となり、比較例13、15のように含有量が10重量%を超える場合、表面抵抗値は1013Ω/□未満を満たしているが、ヘイズが10%を超えるため透明性が低下するばかりか、容器の固有粘度が大幅に低下し落下強度も低下してしまい、実用に耐えられる容器が得られなかった。
また、比較例例16、17のようにリチウム金属含有化合物がではなく、ナトリウム金属含有化合物を使用した場合、ヘイズが上昇するばかりでなく、低温低湿度下(15℃×30%RH)での表面抵抗値は1013Ω/□以上となり、帯電防止性能は不良となった。
本発明の制電性ポリエステル容器は、温度・湿度によらず優れた帯電防止性能を有し、かつ、優れた透明性と良好な機械強度の全てを有し、化粧品容器、文具トレーなどの肉厚な用途に好適である。

Claims (1)

  1. (A)結晶融解熱が36.0J/g以下であるポリエステルに対し、(B)数平均分子量が500〜5000であるポリエチレングリコールジメチルエーテルを0.1〜10重量%、(C)式1で示されるスルホン酸リチウム塩誘導体を0.1〜10重量%含有するポリエステル樹脂組成物からなる制電性ポリエステル容器。
    R(X) SO Li [式1]
    (ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香族基、n:0〜1,Li:リチウム元素を示す。)
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