JP3045733B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物Info
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Description
して含有する樹脂組成物に関する。更に詳しくは芳香族
ポリエステル樹脂に特定の長鎖パラフインのカルボン酸
の金属塩を配合した成形生産性が極めて改善された樹脂
組成物に関する。
芳香族ポリエステル樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬
品性、寸法安定性などが優れているため繊維のみなら
ず、フイルムおよびエンジニアリング樹脂として広く利
用されている。殊に成形材料として芳香族ポリエステル
樹脂を使用する場合の問題は、他の樹脂の場合と比べ
て、成形条件下で比較的結晶化速度が遅いという点であ
る。結晶化速度は成形品の生産性、すなわち成形サイク
ルに直接影響を与える。
げるために、多くの核形成剤が開発されている。例えば
5μ以下の微細粒子の無機物質、すなわち、金属酸化
物、アルカリ土類金属塩、金属粉末、タルク粉末、ガラ
ス粉末などが知られている(例えば特公昭44−7542号及
び同44−15192号公報参照)。また、有機物としては、
炭素数2〜33の脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン
酸、例えばステアリン酸、ラウリル酸、リノール酸、オ
レイン酸、アラキン酸、カルナウバ酸、リグノセリン
酸、セロチン酸、ペトロセリン酸、ベヘン酸、エルカ
酸、モンタン酸、安息香酸、テレフタル酸またはアイオ
ノマーなどのポリマー状カルボン酸の如き有機カルボン
酸の金属塩が知られている(例えば、特公昭46−29977
号、同47−14502号、同47−32435号、同48−4098号公報
参照)。
の低下を引き起すものがあり、また結晶化速度の上昇効
果が充分でないものもある。
族ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
性、喰込み性の優れた成形サイクルの短かい、すなわち
成形品の生産性の高い芳香族ポリエステル樹脂組成物を
提供することにある。
脂と比べて分子量が比較的に僅かしか低下しない芳香族
ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
較的低価格の核形成剤を使用した経済的に有利な芳香族
ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
た白化物の表面付着の少ない成形品を与え、しかも核形
成剤に基づく着色もなく、優れた外観の成形品を与える
芳香族ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
安定性を与えるガラス繊維強化芳香族ポリエステル樹脂
組成物を提供することにある。
るであろう。
点は、 (1) (a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成分)10
0重量部および (b)フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ平
均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜12
0℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的に
直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金属
塩(B成分)0.05〜10重量部 よりなる芳香族ポリエステル樹脂組成物、 (2) (a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成分)10
0重量部、 (b)フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ平
均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜12
0℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的に
直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金属
塩(B成分)0.05〜10重量部および (c) 強化充填材(C成分)5〜200重量部 よりなる芳香族ポリエステル樹脂組成物、および (3) (a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成分)10
0重量部、 (b)フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ平
均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜12
0℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的に
直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金属
塩(B成分)0.05〜10重量部、 (c) 強化充填材(C成分)5〜200重量部および (d) エポキシ化合物(D成分)0.05〜5重量部 よりなる芳香族ポリエステル樹脂組成物 によつて達成されることがわかつた。
・トロプシュ法により得られかつ平均炭素数40〜100、
平均分子量560〜1400、凝固点85〜120℃であって、酸価
が110KOHmg/g以下である、実質的に直鎖状のパラフィン
のカルボキシル基含有誘導体の金属塩(B成分)を使用
することにより、芳香族ポリエステル樹脂の射出成型機
での喰込み性が改良され、また結晶化速度が極めて早く
なり、成形機からの成形品の取り出し時間が短縮され、
得られた成形品の分子量低下は極めて少なく、また成形
品は表面白化のない良好な外観を有し且つ優れた物理的
特性を有している。
モンタンワツクス塩またはモンタンワツクスエステル塩
を核形成剤として使用した芳香族ポリエステル樹脂組成
物は知られている(例えば特公昭58−46150号公報参
照)。しかし本発明の樹脂組成物は、このモンタンワツ
クスなどを使用する場合よりも一層結晶化速度が高めら
れる。
は、フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ平均
炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜120
℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的に直
鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金属塩
である。このパラフイン(ワツクス)は平均炭素数45〜
95の範囲のものが好ましい。この長鎖のパラフインは通
常前記炭素数を平均値とする混合物であつて、平均分子
量で表わすと約560〜約1400、好ましくは約630〜約1330
の範囲である。
しては、上記長鎖のパラフィンを基本骨格として酸素を
カルボキシル基の形で含んだ誘導体を意味し、この基は
パラフインの製造過程で形成されたものでもよく、また
酸素を実質的に含まないパラフインの部分酸化により形
成されたものであつてもよい。さらにパラフインのカル
ボキシル基含有誘導体は金属塩であり、その塩を形成す
る金属としては周期律表の第1〜第3主族の金属、例え
ば、リチウム、カリウム、ナトリウムの如きアルカリ金
属;マグネシウム、カルシウム、バリウムの如きアルカ
リ土類金属;亜鉛などが挙げられるが、これらのうち、
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が好まし
い。
ましく、88℃〜115℃の範囲のものが一層好ましい。ま
たB成分は、酸価(AV、mgKOH/g)が110以下、好ましく
は40以下であるのが有利であり、さらにケン化価(mgKO
H/g)が180以下好ましくは110以下であるのが有利であ
る。
特性を有する限り、その製造方法に関係なく使用するこ
とができる。しかしながら、B成分の如き長鎖パラフイ
ンは、天然には殆んど存在せず、通常フイツシヤー・ト
ロプシユ法における石炭より合成石油を製造する際の、
合成ワツクスとして得られる。
しているのは、南アフリカ共和国のサゾール公社(SASO
L、Ltd)のみであり、このサゾール社から、サゾールワ
ツクス として市販されているものを本発明のB成分も
しくはその原料として利用することができる。具体的に
は、サゾール社から市販されているサゾールワツクス
のうち、ストレートタイプのH1、H2、C1またはC2と称さ
れる高融点パラフインワツクス;A1、A6またはA7と称さ
れる酸化タイプ、A2、A3またはA14と称される酸化鹸化
タイプ(一部の脂肪酸は金属塩を形成している)は、い
ずれも本発明のB成分もしくはその原料として使用でき
る。上記ストレートタイプは、その密度が0.94〜0.96g/
cm3のものが好ましく、このタイプは実質的に直鎖状の
パラフインである。以下これら各タイプの特性をまとめ
て示す。
いずれも本発明のB成分もしくはその原料としての条件
に適合しており、そのまま1種或いは2種以上併用して
使用することができる。またこれらワツクスは、本発明
のB成分としての要件を満足するように、金属塩(例え
ば、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜
鉛塩など)とすることができる。金属塩化は部分的でも
よくまた完全に行なわれたもののいずれでもよい。
はA7)および酸化鹸化タイプ(A2、A3またはA14)の1
種または2種以上を溶融状態で放置すると比較的容易に
エステル化反応やゲル化反応が起り、粘度が高くなり場
合によつては硬度の高いワツクスが形成されるが、これ
らの熱処理したものも本発明のB成分として使用するこ
ともできる。
タイプ或いは酸化鹸化タイプのワツクスに、例えば炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムなどの通常のアルカリで中和または鹸化するこ
とにより、容易にカルボン酸塩或いはエステル塩を形成
させることができる。
(A成分)100重量部に対して0.05〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部の割合で配合される。また本発明の
樹脂組成物には、前記B成分以外に、核形成剤として従
来公知の無機物或いは有機カルボン酸塩、アイオノマー
などのポリマー状カルボン酸の金属塩(例えば特開昭54
−158452号、特公昭45−26225号公報参照)、モンタン
酸ワツクス塩(例えば、特公昭47−13137号、同58−461
50号、同58−46151号、同62−49310号、同62−51300
号、特開昭59−159848号、同60−155093号公報参照)、
アセチルアセトンアルカリ金属キレート(例えば特公昭
62−61066号公報参照)、B成分以外のサゾールワック
ス(例えばサゾールC1、H1など)などを併用することに
より、その効果を一層高めることができる。
ステル樹脂であり、この芳香族ポリエステル樹脂は、芳
香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸とするポリエス
テルである。この芳香族ジカルボン酸の具体例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン(2,6−
または2,7−)ジカルボン酸、(4,4′−または3,4′
−)ジフエニルジカルボン酸、(4,4′−または3,4′
−)ジフエニルエーテルジカルボン酸、(4,4′−また
は3,4′−)ジフエニルスルホンジカルボン酸、(4,4′
−または3,4′−)ジフエノキシエタンジカルボン酸が
挙げられ、これらのうちテレフタル酸、2,6−ナフタリ
ンジカルボン酸が好ましい。
成するジオールの具体例としては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、
テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ビス
(4・β−ヒドロエトキシジフエニル)プロパン、4,
4′−ビス(ヒドロキシエトキシ)ジフエニルスルホ
ン、ジエチレングリコールなどが挙げられるが、エチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールまたは1,4−
シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
ルボン酸の15モル%以下をp−オキシ安息香酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸の如きオキシ酸や脂肪族ジ
カルボン酸で置き換えたものであつてもよく、さらに少
割合の安息香酸、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメリツト酸、ピロメリツト酸の如き単
官能性化合物または多官能性化合物を加えられたもので
あつてもよい。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよび、
エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート
単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位が少なく
とも70モル%、好ましくは少なくとも80モル%である共
重合ポリエステルまたはブロツク共重合ポリエステルで
ある。
使用しうる程度であればよく、極限粘度で表わして0.4
〜1.2、好ましくは0.5〜1.0の範囲のものが一般的であ
る。この極限粘度はo−クロロフエノール溶媒中35℃の
温度で測定した値である。
強化充填材(C成分)は、樹脂成形品の強化を目的とし
て一般に使用されているものであればよく、特に制限さ
れない。C成分としては一般に繊維状或いは粒状の無機
物または有機物が用いられる。繊維状の強化充填材とし
ては、ガラス繊維、シラスガラス繊維、アルミナ繊維、
炭化ケイ素繊維、セラミツク繊維、石膏繊維、ステンレ
ス繊維、炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊維などが挙げ
られる。
リサイト、カオリン、マイカ、クレー、シリカ、ベント
ナイト、アスベスト、タルク、アルミノシリケートなど
の硅酸塩;アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸
塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;この
他にガラスビーズ、ガラスフレークス、窒化ホウ素、窒
化ケイ素、チタン酸カリなどが挙げられる。
プリング処理(シラン、チタネートなど)を行つたもの
であつてもよい。さらに特公昭58−25378号公報に記載
されているように多官能性エポキシ化合物を用いて表面
処理されたガラス繊維を使用することもできる。
100重量部当り、5〜200重量部、好ましくは10〜150重
量部である。強化充填材の配合割合が5重量部よりも少
なくなると、それを入れる意味が無くなり、一方200重
量部を越えると成形が困難となるばかりでなく、成形品
の物性も不満足なものとなる。
子中にエポキシ基を少くとも1個有する化合物でありビ
スフエノールA型、ノボラツク樹脂型、芳香族カルボン
酸型または脂環化合物型などが挙げられる。
ルキレンポリオールグリシドエーテル、ブタンジオール
−(1,4)ジグリシドエーテルまたはビスフエノールA
とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフエ
ノールA型エポキシ化合物である。
も充分な機械的性質を有する成型品が得られる。然し成
型用金型に注入して成型品を得る場合金型のパーテイク
ルラインに添つてバリが発生し易い。これを防ぐために
は高い溶融粘度を有するポリエステルを使用することに
よりバリ発生の少い製品を得ることが出来ることのほか
エポキシ化合物(D成分)を0.05〜5重量部併用するこ
とによりバリの発生を防ぐことが出来る。この他、エポ
キシ化合物を添加すると成型品の表面に白化物の付着が
少くなるという効果も期待出来る。
分およびD成分以外に、通常樹脂の添加剤として利用さ
れている他の成分を、本発明の目的を損なわない範囲で
配合することができる。配合しうる他の成分としては、
例えばリン酸エステル、亜リン酸エステルの如き安定
剤;例えばヒンダードフエノールの如き酸化防止剤;例
えば赤リン、トリフエニルホスフエート、ホスホン酸ア
ミド、臭素化ビフエニルエーテル、核臭素化ビスフエノ
ールAのエポキシ化物、核臭素化ポリカーボネートの如
き難燃剤;三酸化アンチモン、硼酸亜鉛の如き難燃助
剤;この他紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤な
どが挙げられる。
量%以下、好ましくは10重量%以下の他の樹脂を配合す
ることも本発明の目的を損なわない限り許される。この
ような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−4−
メチルペンテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1
共重合体、ポリスチレン、ABS、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸メチル、エチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフ
ルオロエチレン、ポリエステルエラストマー、ポリカプ
ロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリ−m
−フエニレンイソフタラミド、ポリカーボネート、ポリ
フエニレンエーテル、フエノール樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。
応じてC成分、D成分或いはこれらに更に所望ならば前
記添加成分を配合することによつて製造することができ
る。これら各成分を配合する方法は、各成分が互いに均
一に混合し得る手段および条件が好ましい。望ましい方
法は、A成分とB成分とが均一に溶融混練しうる条件
で、ブレンダー、ニーダー、ロール、押出機などを用い
て混合し均質混合物を得る方法である。さらに得られた
混合組成物を押出機で混練して針金状に押出し、適当な
長さに切断してチツプ化することができる。またB成分
を他成分よりなるチツプ状の樹脂にまぶして(ドライブ
レンド)使用することもできる。
押出し成形、圧縮成形または回転成形などの方法により
成形品とすることができる。射出成形による場合使用す
る金型は特に加熱する必要はないが、一般に50℃〜160
℃、好ましくは70℃〜150℃の温度に維持された金型で
成形すると、一層結晶化速度が促進され、金型からの成
形品の取り出し時間が短縮されると共に、均質に結晶化
された成形品が得られるので、好ましい。
例えばアイオノマーの如きポリマー状カルボン酸の金属
塩やモンタン酸ワツクス(その塩、エステルまたはエス
テル塩)などの代りに、本発明のB成分を使用すること
により、これら公知の核形成剤と比べて優れた結晶化促
進効果を示し、使用目的に適合した成形品を得ることが
できる。
の塩、エステルまたはエステル塩)を例として、その応
用例、使用例を以下に示すが、本発明はこれら公知の核
形成剤の代りに、前記B成分が使用される。
例: 例えば特公昭58−46150号、同58−46151号、同62−49
310号、同62−51300号、同62−61066号、特開昭59−109
551号、同59−159848号、同60−47058号公報参照。
ことによつて、 (i)結晶化速度の促進、離型性の向上、 (ii)成型時の喰込み性の向上、成型品の表面白化の抑
制、 (iii)成型品の引張り強度、耐熱性、耐加水分解性、
寸法安定性の改良、 を目的としており、更にエポキシ化合物または特定のポ
リアルキレンオキサイドの如きエーテル化合物の併用に
よつて (iv)バリの発生の抑制および成型品の表面に白化物の
付着を減少させる。
性及び耐熱性に優れ、且つ喰込み性の優れた成型物を得
ることが出来ることを特徴としている。一方、特開昭54
−139654、同158452公報では強化又は充填PETを低温(1
10℃以下)の成型温度で成型した時に良好な表面特性、
高い光沢を有する成型品を得るためにブチルカルビトー
ルアジペート。トリエチレングリコールカプレート−カ
プリレートやジプロピレングリコール又はネオペンチル
グリコールのジベンゾエート、ベンゾフエノンなどの外
部可塑剤を使用することが提案されている。これらの提
案でもエチレン/メタクリル酸共重合体のナトリウム塩
などの核形成剤を併用することが必須の条件となつてい
る。
例: (1)押出発泡製品の製造(例えば特公昭57−46457号
公報参照) ポリエステルの溶融押出成型時にジエポキシ化合物の
ほか核形成剤を併用し、優れた外観と微細な気泡を均一
に有する発泡成型品を安定に得ることを特徴としてい
る。
ムの製造(例えば特公昭62−56906号公報参照) 核形成剤の使用により表面滑性を保持し、透明で且つ
滑り性の良いフイルムが得られるとしている。
スチツク37巻9号26〜30頁参照) 低結晶度シートを製造する工程で、無機塩、有機塩な
どの核剤を有機塩などの核剤を予め配合し、次工程のト
レーを成型する工程で結晶化を促進し耐熱性を付与する
ことができ、また成型サイクルの向上を計ることができ
ことが示されている。
ば特開昭57−125246号公報参照) プリフオームを製造する工程で核形成剤を予め配合す
ることにより、次工程の延伸配向ブロー成型で耐熱収縮
性に優れ、外観良好で透明な食器容器(例えばボトル)
が得られる。
加する提案において、核形成剤として本発明のB成分を
使用することにより、これら提案に比べて一層優れた効
果が達成され、目的や用途に適合した成形品を容易に得
ることができる。
公知の核形成剤(例えばモンタン酸ワツクス、アイオノ
マー、有機酸塩)を含む樹脂組成物と比較した場合、成
型法、成型品の大きさ、成型条件などにより一定ではな
いが、例えば射出成型法では好適条件下では射出成型サ
イクルが実測値として5〜15秒短縮される。この成型サ
イクルの短縮時間は、一見僅かなように見えるが、射出
成型サイクルが通常10〜40秒であることから考えるとそ
の経済的な価値は極めて大きい。
にその効果を説明する。これらの例は、主として射出成
型を行つた実験であるが、その効果を持たらす機構が、
主に核形成作用、結晶化促進作用に基いているので、他
の成型法(例えば押出成型、ブロー成型など)であつて
も同様の効果が期待できることは云うまでもない。
用したポリエチレンテレフタレート(以下“PET"と略称
する)は、フエノールおよびテトラクロルエタンの1:1
重量比の混合溶媒中25℃で測定した極限粘度が0.68のも
のであつた。
定): PETに下記表−1−(1)および表−1−(2)に示
した添加剤をこれらの表に示した割合で添加し、それら
をそれぞれ300℃に加熱し溶融した。次いで溶融混合物
を液体窒素により急冷しDSC測定用の非晶質試料片を作
成した。
ステム)のセルに入れ、昇温速度10℃/分で昇温し結晶
化開始温度、発熱反応が最高になる温度および結晶化終
了温度を測定し、各々の添加剤の造核能、結晶化促進効
果を調べた。その結果を下記表−1−(1)および表−
1−(2)に示した。
結晶化開始温度が低く、低い温度で核生成が開始される
が核生成速度結晶化速度はサゾールA1ナトリウム塩より
遅く、その最高温度、終了温度はブランクの場合に比し
て大差がないことが判つた。これに対しサゾールA1ナト
リウム塩を添加した場合には核生成速度、結晶化速度共
に無添加のものに比して著しく早いことが判る。
用した場合でもサゾールA1ナトリウム塩の方がモンタン
酸塩より効果があることが判る。
定) PET70重量部に無機塩の造核剤タルク2部とガラス繊
維(日東紡社製CS−3J−941SP)、30重量部を強化充填
材として使用した。これに表−2に示した添加剤を同表
に示した割合で添加し押出機[KCK80×2−35VEX(5)
−吐出量約6kg/hr)にて260℃で溶融混練し、ペレツト
を得た。得られたペレツトを140℃、5時間熱風乾燥後3
00℃に加熱溶融した。次いで溶融混合物を液体窒素を用
いて急冷しDSC測定用の試料片を作成した。各々の試料
片を用いて前記実施例と同様な条件で各試料片の結晶化
開始温度、最高温度、終了温度を測定し、使用した添加
剤の造核能並びにその結晶化速度を比較測定する尺度と
した。
ル社製の低分子量エチレン・アクリル酸共重合物をナト
リウムイオンで部分的にあるいは完全に中和させた低分
子量のアイオノマーである。
てLDPE、LLDPE、Surlynなどより有効で効果の高い結晶
化核剤として使用されるとされ、特にナトリウムタイプ
であるAclyn 272A、285Aが効果が高いとされている。
然し、上記表よりサゾールA1ナトリウム塩やフミン酸ア
ンモニウムを併用したサゾールA1ナトリウム塩の方が結
晶化開始温度などが遥かに低く造核効果が高い結晶化核
剤であることが判る。
成型による比較評価) PET70重量部に強化充填剤としてガラス繊維(日東紡
社製CS−3J−941SP)30重量部、タルク2重量部を加
え、これに更に表−3、4に示した割合でドライブレン
ドしたものを押出機(KCK80×2−35VEX(5))で吐出
量約6kg/hrで260℃で溶融混練しペレツトを得た。
射出成型性の評価のテストに供した。
I)を使用した。シリンダー温度260℃、樹脂射出圧520k
g/cm2Gおよび金型温度130℃の条件でテストした。金型
としては、長127mm×巾12.7mm×厚3.2mmの短冊型の成型
用の金型を使用した。
測定することにより評価した。
レツトが射出成形機のスクリユーに喰込まず計量不安定
化により、シヨートシヨツトにならないように回転数を
220rpm〜100rpmの範囲で変化させ、計量が安定して行え
る時の計量タイム(秒)を測定し、ペレツトの喰込み性
の評価の尺度とした。
保圧時間(射出タイム)を測定することにより評価し
た。
えて型開きをし、型に成型片が付着することなく自動脱
型出来る時間−冷却タイム(秒)を以て離型性の評価の
尺度とした。更に又射出タイムと冷却タイムの合計で各
種核形成剤の造核能−結晶化促進効果の評価を行なつ
た。結晶化固化が不充分な場合−例えばPETとガラス繊
維のみで成型を行うと射出タイムは7秒であるが結晶化
固化が不充分なため形成片が金型に付着し3分以上経過
しても自動的に脱型しない。
ユーの回転数の最高が220rpmで制限があり計量タイム
(喰込み性の評価尺度)は3秒以下にすることは出来な
かつた。
定が使用した成型機の最短設定タイムである。従つて射
出成型性−結晶化促進効果などの評価−は8秒以下の評
価は本テストでは不可能であつた。
ついて実施した。又同一条件で成型を10回以上繰返し、
繰返し数が多くなるに従つて表面光沢が変化していない
か或いは表面が白化してきていないかを観測した。外観
が良好で且つ成型繰返し後も外観に変化がなく優れてい
るものは◎、良好なものは○、若干劣るものは△を外欄
の欄に併記した。
射出タイムと離型タイムの合計はいずれも17秒以上であ
る。
以下、射出タイムと離型タイムの合計は10秒以下であ
り、B成分が核形成剤として優れていることが示されて
いる。
形成剤として使用する際に他の造核剤例えば有機酸塩な
どの公知の核形成剤と組合せて使用すると更に著しい効
果が発揮されることも判つた。
社製CS−3J−941sp)30重量部、タルクを2重量部、こ
れに難燃剤としてデカブロモビフエニールオキサイド7
重量部、三酸化アンチモン3.5重量部を加えこれに更に
表−5に示した各種添加剤を表に示した割合で配合した
ものを押出機(KCK80×2−35VEX×5)で吐出量約6kg/
hrで260℃で混練押出してペレツトを得た。
したものを使用してテストした。
テイン94(UL−94)の火炎試験に準じて測定し、127mm
×12.7mm×1.6mmの試験片5本に対して10回の着炎試験
を行った。
性は、著しく改良される。尚、喰込み性についてはいず
れの実施例でも比較例を下廻ることはなく、上表中の添
加剤を添加することにより優れた喰込み性と離型性を示
した。
Claims (9)
- 【請求項1】(a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成
分)100重量部および (b) フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ
平均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜
120℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的
に直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金
属塩(B成分)0.05〜10重量部 よりなる芳香族ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項2】(a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成
分)100重量部、 (b) フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ
平均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜
120℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的
に直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金
属塩(B成分)0.05〜10重量部および (c)強化充填材(C成分)5〜200重量部 よりなる強化芳香族ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項3】(a) 芳香族ポリエステル樹脂(A成
分)100重量部、 (b) フィッシャー・トロプシュ法により得られかつ
平均炭素数40〜100、平均分子量560〜1400、凝固点85〜
120℃であって、酸価が110KOHmg/g以下である、実質的
に直鎖状のパラフィンのカルボキシル基含有誘導体の金
属塩(B成分)0.05〜10重量部、 (c)強化充填材(C成分)5〜200重量部および (d)エポキシ化合物(D成分)0.05〜5重量部 よりなる芳香族ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項4】該B成分が平均炭素数45〜95のパラフイン
のカルボキシル基含有誘導体の金属塩である請求項1〜
3のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】該C成分が、長さが少なくとも0.2mmのガ
ラス繊維である請求項2または3のいずれかに記載の樹
脂組成物。 - 【請求項6】請求項1記載の樹脂組成物を延伸吹込成型
することによって得られた容器。 - 【請求項7】請求項1記載の樹脂組成物を溶融成型する
ことによって得られたフイルム。 - 【請求項8】請求項1または2の樹脂組成物より得られ
た食品用オーブナブルトレー。 - 【請求項9】請求項1〜3のいずれかの樹脂組成物を押
出し発泡成型して得られた発泡成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13157589A JP3045733B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13157589A JP3045733B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02311554A JPH02311554A (ja) | 1990-12-27 |
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JP13157589A Expired - Lifetime JP3045733B2 (ja) | 1989-05-26 | 1989-05-26 | ポリエステル樹脂組成物 |
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JP (1) | JP3045733B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CA2244051C (en) | 1997-07-28 | 2007-05-01 | Sekisui Jushi Corporation | Band-shaped article and production process therefor |
-
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- 1989-05-26 JP JP13157589A patent/JP3045733B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02311554A (ja) | 1990-12-27 |
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