JP2004002609A - 車載用芳香剤容器部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリアリレート樹脂および/またはポリカーボネート樹脂20〜60質量部、(B)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、1,4−シクロヘキサンジメタノールがジオール成分の70モル%以上であるポリエステル80〜40質量部からなるポリマー成分100質量部に対して(C)ホスフェート化合物0.01〜0.3質量部を配合してなる樹脂組成物から形成された車載用芳香剤容器部品。部品としては本体または蓋体に用いる。また、上記部品を備えた車載用芳香剤容器。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性樹脂からなる車載用芳香剤の容器部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用芳香剤容器の蓋体には、夏場の車内温度を加味した耐熱性、芳香剤、あるいは、それを希釈するために用いられている溶媒に対する耐薬品性、容器のデザインに合わせた形状を作成する必要性から、成形加工性などの性能が求められており、これらの性能を満足するためにポリプロピレン等の結晶性樹脂が主に用いられてきた。しかし、結晶性樹脂製の蓋体では外観が不透明となって意匠性の面で制限があったため、これを透明化したいという潜在的要望があった。
また、容器本体に関しても耐熱性、芳香剤、溶媒に対する耐薬品性、透明性の観点からガラス容器が主に用いられていたが、デザイン、意匠性、加工性の面から、これを射出成型可能な透明プラスチック材としたいという要望が高かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、透明性、耐熱性、および耐薬品性に優れた車載用芳香剤容器部品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(A)ポリアリレート樹脂および/またはポリカーボネート樹脂20〜60質量部、(B)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、1,4−シクロヘキサンジメタノールがジオール成分の70モル%以上であるポリエステル80〜40質量部からなるポリマー成分100質量部に対して(C)ホスフェート化合物0.01〜0.3質量部を配合してなる樹脂組成物から形成された車載用芳香剤容器部品をその要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)ポリアリレート樹脂とは芳香族ジカルボン酸残基単位とビスフェノール類残基単位とが繰り返されてなる芳香族ポリエステル重合体である。
ビスフェノール類残基単位を導入するためのポリアリレート原料はビスフェノールであり、その具体例として、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても良いし、あるいは2種類以上混合して使用しても良い。これらの化合物の中でも少なくとも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用するころが好ましく、より好ましくは当該化合物を単独で使用する。
【0006】
芳香族ジカルボン酸残基単位を導入するためのポリアリレート原料の好ましい例としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が挙げられる。本発明においては両者が混合して用いられると得られるポリアリレート樹脂組成物が溶融加工性及び機械的特性の面で特に好ましい結果が得られる。その混合比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は任意に選択することができるが、モル分率で90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、より好ましくは70/30〜30/70、特に好ましくは50/50である。テレフタル酸の混合モル分率が10モル%未満であっても、90モル%を超えていても十分な重合度を得にくくなる。
【0007】
上記のようなポリアリレート樹脂は機械的特性と流動性の観点から、極限粘度が0.4〜1.0、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.5〜0.7であることが望ましい。
【0008】
本発明においては、ポリアリレート樹脂として、例えば、市販のユニチカ社製U−100、D−パウダーおよびL−パウダーを好ましく使用することができる。
【0009】
ポリカーボネート樹脂はビスフェノール類残基単位とカーボネート残基単位とが繰り返されてなるポリ炭酸エステルである。ビスフェノール類残基単位を導入するためのポリカーボネート樹脂原料としてのビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−または1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジチオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも米国特許明細書第2,999,835号、第3,028,365号、第3,334,154号および第4,131,575号に記載されているジフェノールが使用できる。
【0010】
これらは単独で使用しても良いし、あるいは2種類以上混合して使用しても良い。これらの化合物の中でも少なくとも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、より好ましくは当該化合物を単独で使用する。カーボネート残基単位を導入するためのポリカーボネート樹脂原料としては、例えばホスゲン、あるいはジフェニルカーボネート等が挙げられる。
【0011】
ポリカーボネート樹脂は極限粘度0.3〜0.7を有することが好ましく、そのようなポリカーボネート樹脂として、例えば、市販の住友ダウ社製カリバー200−30、200−13、200−3、帝人化成社製L−1250、L−1225LL、日本GE社製5221Cを好ましく使用することができる。
【0012】
(A)ポリアリレート/ポリカーボネートの配合比率は要求される耐熱性、成形性(流動性)の観点から、任意でよいが、ポリアリレート/ポリカーボネート質量比100/0〜0/100の範囲で用いることができ、好ましくは50/50〜0/100である。ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂はそれぞれ2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明において使用される(B)ポリエステルは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重合させてなり、主たるジカルボン酸成分としてはテレフタル酸を、ジオール成分としては1,4−シクロヘキサンジメタノールを70モル%以上用いたポリエステルである。
【0014】
(B)のポリエステルは、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主たるジオール成分とするものである。テレフタル酸成分は、ジカルボン酸成分の80モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは90モル%以上である。テレフタル酸以外の酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、およびそれらの炭素数1〜3のアルキルのエステル化物、テレフタル酸の炭素数1〜3のアルキルのエステル化物およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0015】
また、(B)ポリエステルにおいて、ジオール成分として、1,4−シクロヘキサンジメタノールを70モル%以上含有している必要がある。この成分が70モル%未満であると、十分な耐芳香剤性が得られない。
【0016】
1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分として、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル,1,5−ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコールおよびそれらの混合物を挙げることができる。
【0017】
上記のような原料からなる(B)ポリエステルは、機械的特性および成形加工性の観点から、極限粘度が0.5〜1.2、好ましくは0.6〜1.0であることが望ましい。
【0018】
本発明においては(B)ポリエステルとして、例えば、市販のサーミックス6761、イースターA150(いずれもイーストマンケミカル社製)を好ましく使用することができる。また、(B)ポリエステルは2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0019】
(A)ポリアリレート/ポリカーボネートと(B)ポリエステルとの配合比は、樹脂組成物の成形加工性、耐熱性、耐薬品性の観点から、質量比20/80〜60/40の範囲とすることが必要である。(A)ポリアリレート/ポリカーボネートの質量比が20%未満であると、芳香剤容器部品の耐熱性が低下し、夏季の車内温度の上昇に耐えられず、容器の変形が起こることがある。また、(A)ポリアリレート/ポリカーボネートの質量比が60%を越えると、樹脂の流動性が低下することから、成形加工性が悪くなる、さらには、耐薬品性も低下することから、芳香剤容器としての使用中に芳香成分、使用溶剤の影響から容器の溶液クラックが発生するケースがある。
【0020】
(C)ホスフェート化合物の含有量は、全ポリマー成分100質量部に対して0.01〜0.3質量部とする必要があり、好ましくは0.03〜0.2質量部である。含有量が0.01質量部未満であると、成形加工する時の変色を防止する効果が乏しくなり、また、透明性が若干低下する傾向があり、意匠性の面で好ましくない。また、含有量が0.3質量部を超えると、かえって変色が起こり、また、透明性が若干低下する傾向があり、意匠性の面で好ましくない。
【0021】
ホスフェート化合物は下記一般式(1)で表される化合物である。
【0022】
【化1】
【0023】
式中R1、R2はそれぞれ独立しており、R1は水素または炭素数が1〜24、好ましくは2〜18、より好ましくは4〜18のアルキル基またはアルケニル基である。R2は炭素数が1〜24、好ましくは2〜18、より好ましくは4〜18のアルキル基またはアルケニル基である。R1、R2のいずれかが炭素数25以上のアルキル基またはアルケニル基であると、成形加工時の樹脂組成物の変色を抑制できない。また、R1は水素あるいはR2と同一のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。炭素数が1〜24のアルキル基またはアルケニル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、テトラコシル基等が挙げられる。
【0024】
好ましいホスフェート化合物の例として、例えば、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート等が挙げられる。これらの具体例の中でも、より好ましくはブチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェートである。ホスフェート化合物は2種以上組み合わせて使用してよい。
【0025】
本発明に用いる樹脂組成物は、本発明の効果が得られる限り、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤等の各種添加剤を含んでも良い。
【0026】
本発明の芳香剤容器部品を構成する樹脂組成物は、上記(A)〜(C)の材料を混合してなる。混合方法としては、材料を単にドライブレンドしてもよいし、溶融、混練することにより達成されてもよい。後の成形加工時における取り扱いの容易さの観点から、樹脂組成物はペレット形態の混練物であることが望ましい。
【0027】
上記樹脂組成物からなる芳香剤容器部品は射出成形、あるいは、押出成形によりシート状に加工した後に絞り加工により得られる。また、部品としては、容器の本体、蓋体いずれにも良好に使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、下記実施例に制限されるものではない。
【0029】
1.原料
(1)ポリアリレート
・Dパウダー:商品名Dパウダー、ユニチカ社製(極限粘度0.7)
・Lパウダー:商品名Lパウダー、ユニチカ社製(極限粘度0.5)
(2)ポリカーボネート
カリハ゛ー200−13、極限粘度0.5(住友ダウ社製)
(3)(B)成分のポリエステル
・サーミックス6761:TPA95%、IPA5%、CHDM100%、極限粘度0.9(イーストマンケミカル社製) (以下、モノマーの使用割合を示す(%)は(モル%)を意味するものとする)
・イースターDN003:TPA100%、CHDM65%、EG35%、極限粘度0.7(イーストマンケミカル社製)
・PETG6763:TPA100%、CHDM30%、EG70%、極限粘度0.7(イーストマンケミカル社製)
(なお、各略号の意味は次の通り。TPA:テレフタル酸、IPA:イソフタル酸、CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール、EG:エチレングリコール。)
(4)ホスフェート化合物
・JP−504:ホスフェート化合物(城北化学社製)アルキルアシッドホスフェート・AX−71:ホスフェート化合物(旭電化社製)アルキルアシッドホスフェート
【0030】
2.評価方法
(1)極限粘度:フェノールと四塩化エタンとの等量混合物を溶媒として得られた温度20℃の溶液を用いて測定しdl/g単位で表した。
(2)荷重たわみ温度:ASTM D648に準じ、荷重0.46MPaにて測定した。試験片は、樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS−100E−3S)を用いて樹脂温度300℃で成形した。この物性測定試験片は1日以上室温にて放置した後、測定に供した。
(3)全光透過率(T%):射出成形機(東芝機械社製IS−100E−3S)を用いて樹脂温度300℃で厚さ2mmの見本板を成形し、色調測定装置(日本電色製SZ−Σ80型測色器)により、JIS K7103に基づいてT%を測定した。
(4)イエローインデックス(YI):(3)で作成した見本板を用い、色調測定装置(日本電色製SZ−Σ80型測色器)により、JIS K7103に基づいてイエローインデックス(YI)を測定した。
(5)成形品外観:中央に2mmφのピンゲートのある縦×横×厚さ=60×60×3mmのプレートを射出成形機(東芝機械社製IS−100E−3S)にて、シリンダー温度300℃、金型温度60℃で成形し、ゲート部白化が見られるか確認した。白化なき場合は○、白化が見られた場合は白化と記入した。
(6)耐芳香剤性:(5)で作成したプレート成形品に、10mmφの穴を等間隔に9個あけ、蓋を外した下記自動車用芳香剤の容器の上に固定した後、80℃の熱風循環式オーブンに24時間放置し、処理後のプレートに変形、クラック、白化等の外観異常がみられるかどうかを確認した。問題なき場合は○、どれかひとつでも異常ある場合は現象を記入した。
使用した自動車用芳香剤:
スプリント(ピュアフルーティ:岡本産業社製)
ルミナスブルー(ユニセックス:岡本産業社製)
グレア(CKフレッシュ:岡本産業社製)
【0031】
実施例1
Dパウダー60質量部とサーミックス6761を40質量部、0.05質量部のJP−504をクボタ社製連続定量供給装置を用いて、同方向2軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)の主供給口に供給した。樹脂温度300℃、吐出量12kg/時で溶融混練を行い、ノズルからストランド状に引き取った樹脂組成物を水浴にくぐらせて冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、100℃で12時間熱風乾燥することによって樹脂組成物のペレットを得た。
次いで、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS−100E−3S)を用いて樹脂温度300℃で成形し、物性測定試験片、見本板、試験プレートを作成し、各種評価試験をおこなった。
【0032】
実施例2
実施例1において、Lパウダー10質量部、200−13を30質量部、サーミックス6761を40質量部、AX−71を0.2質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0033】
実施例3
実施例1において、Lパウダー20質量部、サーミックス6761を80質量部、JP−504を0.1質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0034】
実施例4
実施例1において、Dパウダー50質量部、サーミックス6761を50質量部、AX−71を0.5質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0035】
実施例5
実施例1において、200−13を60質量部、サーミックス6761を40質量部、JP−504を0.05質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0036】
比較例1
実施例1において、Dパウダー80質量部、サーミックス6761を20質量部、JP−504を0.05質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0037】
比較例2
実施例1において、Dパウダー50質量部、サーミックス6761に替わりDN003を50質量部、JP−504を0.05質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0038】
比較例3
実施例1において、Lパウダー20質量部、200−13を10質量部、サーミックス6761に替えてPETG6763を70質量部、AX−71を0.05質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0039】
比較例4
実施例1において、200−13を10質量部、サーミックス6761を90質量部、JP−504を0.1質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0040】
比較例5
実施例1において、Dパウダー50質量部、サーミックス6761を50質量部、JP−504を0.5質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0041】
比較例6
実施例1において、Lパウダー30質量部、200−13を20質量部、サーミックス6761を50質量部、AX−71を0.01質量部を用いた他は、実施例1と同様の溶融混練を行って、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種成形体を作成し、評価を行った。
【0042】
実施例1〜5、および比較例1〜6の評価結果をまとめて表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
実施例1〜5より本発明の樹脂組成物は、全光透過率、色調にすぐれることから、意匠性の優れた成形品が得られる。また、荷重たわみ温度がたかく、高温下での耐芳香剤性試験においても変形が発生せず、耐薬品性にも優れることから、クラックの発生もない。また、成形性にも優れ、成形品に白化等の外観不良も発生せず、意匠性の高い、自動車芳香剤容器として好適な性能を発揮することがわかる。
【0045】
比較例1は(A)の組成におけるポリアリレート/ポリカーボネートの割合が本発明の範囲を下方に外れため、耐芳香剤性が不十分であった。
比較例2は(B)組成におけるCHDMの割合が本発明の範囲を下方に外れため、耐芳香剤性が不十分であった。
比較例3は(B)組成におけるCHDMの割合が、本発明の範囲を下方に大きく外れていたため、耐芳香剤性が不十分となり、また、熱変形も生じた。
比較例4は(A)組成におけるポリアリレート/ポリカーボネートの割合が本発明の範囲を下方に外れため、成形品外観に白化が生じ、また、熱変形も生じた。
比較例5、6は(C)組成におけるホスフェート化合物の添加量が本発明の範囲より上方に外れため、全光透過率、色調に劣ったものとなり、意匠性が低下した。
【0046】
【発明の効果】
本発明により得られる芳香剤容器部品は、耐熱性に優れることから、夏季の車中においても変形が生じることがなく、また、透明性に優れることから着色が容易で各種デザイン要望に対する適応性に優れ、意匠性に優れる。さらには、耐薬品性にも優れることから、芳香剤そのもの、あるいは、芳香剤用に使用されている薬剤等に侵されず、使用中にクラック、白濁等の外観不良、機能不良を生じない。
このように、本発明は車載用芳香剤容器の本体や蓋体として好適に使用することができる。
Claims (3)
- (A)ポリアリレート樹脂および/またはポリカーボネート樹脂20〜60質量部、(B)テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、1,4−シクロヘキサンジメタノールがジオール成分の70モル%以上であるポリエステル80〜40質量部からなるポリマー成分100質量部に対して(C)ホスフェート化合物0.01〜0.3質量部を配合してなる樹脂組成物から形成された車載用芳香剤容器部品
- 部品が本体または蓋体である請求項1記載の車載用芳香剤容器部品。
- 請求項1または2に記載の部品を備えた車載用芳香剤容器。
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- 2002-07-24 JP JP2002215244A patent/JP2004002609A/ja active Pending
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