JP2000198910A - 照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物

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JP2000198910A
JP2000198910A JP11000574A JP57499A JP2000198910A JP 2000198910 A JP2000198910 A JP 2000198910A JP 11000574 A JP11000574 A JP 11000574A JP 57499 A JP57499 A JP 57499A JP 2000198910 A JP2000198910 A JP 2000198910A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱や光に対する変色性に優れた照明部品用熱
可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100
重量部に対し、(A)無機充填剤0〜150重量部、
(B)臭素系難燃剤0〜60重量部、(C)アンチモン
系難燃助剤0〜30重量部、および(D)分子中にエス
テル結合を有さず、かつ融点が150℃以上250℃以
下であるヒンダードフェノール系化合物0.05〜5重
量部を配合してなる照明部品用熱可塑性ポリエステル樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱や光に対する耐
変色性に優れた照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物に関する。更に詳しくは、機械強度、耐熱性に優
れ、組成物の初期着色が小さく、かつ長期にわたり優れ
た耐熱変色性、耐光変色性を示す照明部品用熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れ
た耐熱性、機械強度、成形性、耐薬品性から照明部品用
途に多く用いられている。しかし近年、器具のコンパク
ト化や光源の高輝度化が進み、強い光や高温に長期間曝
されたときの変色防止が課題となっている。また最近は
製品安全性の観点から、材料の難燃性の賦与が求められ
ることが多くなっている。
【0003】一般に熱可塑性ポリエステル樹脂を白色に
調色するため、及び/または光に対する変色を抑制する
ために、酸化チタン等の無機顔料が添加される。しかし
これらは、十分な効果を発揮させるには組成物中に数%
のオーダーで添加しなければならず、しかも耐熱変色
性、耐光変色性に効果はあるものの必ずしも十分ではな
い。
【0004】また、ヒンダードフェノール化合物に代表
される酸化防止剤や、ベンゾトリアゾール化合物に代表
される紫外線吸収剤等を配合することによって、熱や光
に対する変色を抑制することも一般的に行われている。
しかしその多くは、添加することによって組成物を黄色
に着色させ、白色の調色を困難にする問題がある。また
成形加工中や高温で長期間使用中にその一部ないしは大
部分が揮発し、効果が低減するという問題もあり、改良
が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情を
背景としてなされたものであり、その目的は組成物の初
期着色が小さく、かつ長期にわたり優れた耐熱変色性、
耐光変色性を示す照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定のヒンダードフェ
ノール化合物を酸化防止剤として添加することによっ
て、初期着色が少なく、かつ極めて優れた耐熱変色性お
よび耐光変色性を備える熱可塑性ポリエステル樹脂組成
物が得られること、そしてこの熱可塑性ポリエステル樹
脂組成物から成形された照明部品は、初期着色が少な
く、かつ極めて優れた耐熱変色性および耐光変色性を備
え、照明器具製品に高い商品価値を賦与することを見い
だし、本発明に到達した。
【0007】すねわち、本発明は、熱可塑性芳香族ポリ
エステル100重量部に対し、(A)無機充填剤0〜1
50重量部、(B)臭素系難燃剤0〜60重量部、
(C)アンチモン系難燃助剤0〜30重量部、および
(D)分子中にエステル結合を有さず、かつ融点が15
0℃以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化
合物を少なくとも1種含有する酸化防止剤0.05〜5
重量部を配合してなる照明部品用熱可塑性ポリエステル
樹脂組成物である。
【0008】以下に、本発明を詳述する。本発明におい
て用いられる熱可塑性芳香族ポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分およびジオール成分からなる熱可塑性芳香族ポ
リエステルである。ジカルボン酸成分は好ましくはテレ
フタル酸またはナフタリンジカルボン酸であり、ジオー
ル成分は好ましくはエチレングリコール、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコールからなる群から
選ばれる少なくとも1種である。
【0009】本発明で用いられるポリマー成分は、熱可
塑性芳香族ポリエステルをポリマー成分全体のに対して
好ましくは80重量%、さらに好ましくは90モル%、
特に好ましくは95モル%以上の組成として有する。
【0010】熱可塑性芳香族ポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフ
タレートが好ましい。
【0011】また熱可塑性芳香族ポリエステルとしては
上述のポリエステルの一部を共重合成分が置換したもの
でもよく、かかる共重合成分としては、イソフタル酸、
フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等
のアルキル置換フタル酸;2,6-ナフタリンジカルボン
酸、2,7-ナフタリンジカルボン酸、1,5-ナフタリンジ
カルボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;4,4’-ジ
フェニルジカルボン酸、3,4’-ジフェニルジカルボン
酸等のジフェニルジカルボン酸類;4,4’-ジフェノキ
シエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボ
ン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族又は脂環族ジ
カルボン酸、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒ
ドロキシベンゼン類;2,2’-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2’-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等のビスフェノール類;ビスフェノール類
とエチレングリコールのごときグリコールとから得られ
るエーテルジオールなどの芳香族ジオール、ε-オキシ
カプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ
安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。これら
共重合成分が共重合される場合、共重合割合は好ましく
は全酸成分の20モル%、さらに好ましくは10モル%
以下である。
【0012】さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成
分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官
能性のエステル形成能を有する酸又はグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能
のエステル形成能を有するアルコール成分を共重合せし
めても良い。これらの成分が共重合される場合、全ジカ
ルボン酸成分に対して1.0モル%以下、好ましくは0.5モ
ル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下の割合であ
る。
【0013】本発明で用いられる熱可塑性芳香族ポリエ
ステルは好ましくは極限粘度数が0.4〜1.2である。0.4
より小さいと十分な特性が得られず、1.2より大きいと
熔融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれるた
め好ましくない。ここで極限粘度数は35℃でo-クロル
フェノールを溶媒として測定したものである。
【0014】本発明において用いられる無機充填剤
(A)とは、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
長石系鉱物、クレー、ホワイトカーボン、カーボンブラ
ック、ガラスビーズ等のごとき粒状または無定形の充填
剤;カオリンクレー、タルク等のごとき板状の充填剤;
ガラスフレーク、マイカ、グラファイト等のごとき燐片
状の充填剤;ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイ
ト、チタン酸カリウム等のごとき繊維状の充填剤であ
る。
【0015】本発明における無機充填剤(A)の配合量
は熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部に対し0〜150
重量部、好ましくは0〜120重量部、更に好ましくは0〜1
00重量部である。
【0016】本発明において用いられる(B)臭素系難燃
剤としては、臭素化ビスフェノールA系化合物、臭素化
された置換基を有するビニル系ポリマー難燃剤等が挙げ
られる。好適な臭素化ビスフェノールA系化合物とし
て、臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートおよび
臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂を挙げることが
できる。
【0017】臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネー
トの末端構造は、4-t-ブチルフェニル基や2, 4, 6-ト
リブロモフェニル基等を例示することができる。臭素化
ビスフェノールA系ポリカーボネートの分子量は、好ま
しくは1000〜18000である。臭素化ビスフェノールA系
ポリカーボネートの軟化点は、分子量および分子量分布
により変化するが、150〜300℃の範囲にあることが好ま
しい。
【0018】臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂の
分子量は、好ましくは650〜45000である。臭素化ビスフ
ェノールA系エポキシ樹脂の軟化点は、分子量及び分子
量分布により変化するが、100〜250℃の範囲にあること
が好ましい。
【0019】これらの難燃剤のうち、耐変色性が良好な
臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートおよび臭素
化ビスフェノールA系エポキシ樹脂が特に好ましい。こ
れらの難燃剤は併用することができる。
【0020】本発明において用いられる(B)臭素系難
燃剤の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100
重量部当たり、0〜60重量部、好ましくは0〜50重量部で
ある。なお、全組成物中の無機充填剤の配合量が多いほ
ど、また難燃助剤を併用した場合には難燃剤の配合量を
少なくすることができる。
【0021】本発明において用いられる(C)アンチモ
ン系難燃助剤は、(B)臭素系難燃剤との相乗効果によ
り、難燃性を高める働きをするものである。好適な難燃
助剤の例として、Sb2O3および/またはx Na2O・Sb2O5
y H2O(x=0〜1,y=0〜4)を挙げることができる。難燃助剤
の粒径は0.02〜5μが好ましい。
【0022】また所望により、エポキシ化合物、シラン
化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で
表面処理されたものを用いることができる。
【0023】本発明において用いられる(C)アンチモ
ン系難燃助剤の配合量は0〜20重量部、好ましくは0〜15
重量部である。効果的に難燃性を付与するためには、難
燃剤に対して20〜70重量%となるように配合することが
好ましい。配合量が20重量部を越えると樹脂や配合剤の
分解を促進し、成形品の特性が低下することがあり好ま
しくない。
【0024】本発明において用いられる酸化防止剤(D)
は、分子中にエステル結合を有さず、かつ融点が150℃
以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物で
ある。
【0025】分子中にエステル基を有すると、成形加工
中の熱や水分と接触した時にエステル交換反応や加水分
解反応を起こしやすく、その結果、組成物が着色した
り、効果が失活するため、照明部品として用いることが
できない。
【0026】また、融点が150℃以下のものでは揮発が
起こりやすく、また250℃以上のものは本発明における
熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練の際の分
散性が悪く、製品の部分的な強度低下を招いたり、効果
が発揮されず、照明部品として用いることができない。
【0027】本発明に用いられる(D)成分である、分
子中にエステル結合を有さず、かつ融点が150℃以上
250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物とし
て、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)
-イソシアヌレート、 1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
4,4'-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)を例示することができる。
【0028】また酸化防止剤として、これらヒンダード
フェノール系化合物と併用して、チオエーテル系および
/またはホスファイト系の酸化防止剤を添加すると、耐
熱変色性、耐光変色性に対して更なる効果が期待でき
る。
【0029】特にチオエーテル系酸化防止剤において、
併用による耐熱変色性の改善効果が高い。チオエーテル
系酸化防止剤としては、ジ-ラウリル-3,3'-チオジブロ
ピオネート、ジ-ステアリル-3,3'-チオジブロピオネー
ト、ペンタエリスリチル-テトラキス(3-ラウリルチオプ
ロピオネート) などが挙げられる。
【0030】またホスファイト系酸化防止剤としては、
トリスノニルフェニルホスファイト、ジ-ステアリルペ
ンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、トリス-(2,4-ジ
-t-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-
t-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-ホスファイ
ト、ビス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ール-ジ-ホスファイト、ビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル-4-メチル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト
などが挙げられる。
【0031】本発明において用いられる酸化防止剤
(D)の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂10
0重量部当たり0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜1重量
部である。配合量が0.01重量部以下では酸化防止剤とし
ての効果が十分でなく、また5重量部以上では増量した
だけの効果が得られず、なおかつ成形品の物性低下も招
き好ましくない。
【0032】本発明の組成物は初期黄色着色がb*値とし
て10以下、好ましくは6以下である。このb*値を達成す
るためには光安定剤が用いられてもよい。かかる光安定
剤としては、トリアゾール系化合物、ベンゾエート系化
合物及びヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
【0033】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で、難燃剤、難燃助剤、核剤、滑剤、紫
外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、
更に衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめ
ることができる。
【0034】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
公知の方法を採用することができる。すなわち熱可塑性
芳香族ポリエステルに、無機充填剤(A)、臭素系難燃
剤(B)、アンチモン系難燃助剤(C)、酸化防止剤
(D)等をブレンダーなどを用いて均一混合した後、バ
ンバリーミキサー、加熱ロールや単軸又は多軸押し出し
機等を用いて230〜360℃、好ましくは230〜290℃の温度
で熔融混練する方法など種々の方法により製造すること
ができる。また、樹脂組成物の成分の一部を予め予備混
練しておき、後に所定の配合比に調節して混練する方法
も可能である。
【0035】初期色相は、直径50mm、厚み3mmの円板状
の試験片を射出成形し、成形品をJISZ8729のL* a* b*表
色系にて色相を測定したときの、b*値である。
【0036】耐熱変色性は、樹脂組成物を射出成形して
得られる円板状の試験片を、180℃のギアーオーブン中
に100時間放置する促進劣化試験において、試験前後で
色差を測定したときのΔE*値である。
【0037】耐光変色性は、同様の成形品を120℃で96
Wの白色蛍光灯を15cmの距離から200時間照射する促
進劣化試験において、試験前後で色差を測定したときの
ΔE*値である。
【0038】本発明の照明部品用熱可塑性ポリエステル
樹脂組成物は、以下の特性(1)乃至(3)をすべて満
たす。 (1)初期の色相が、L*a*b*表色系におけるb*値と
して10以下; (2)耐熱変色性が、△E*値として10以下; (3)耐光変色性が、△E*値として5以下。
【0039】これら条件を満足する耐熱変色性、耐光変
色性を備える本発明の樹脂組成物は、照明部品としての
商品寿命において実質的に変色が認められず、照明部品
として用いられたときに製品に高い商品価値を賦与す
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに詳述す
る。なお、実施例中の部は重量部を意味する。成形物の
特性は下記方法により測定した。
【0041】・組成物の初期の色相 後述する条件で直径50mm、厚み3mmの円板状成形品の試
験片を射出成形し、成形品をJIS Z8729のL* a* b*表色
系にて試験片の色相を測定し、b*値にて判定した。
【0042】・耐熱変色性 上記の円板状の試験片を、180℃の定温に保ったギアオ
ーブン中に入れ100時間放置した後の色相を測定し、Δ
*を求めて判定した。
【0043】・耐光変色性 上記の円板状の試験片を、120℃の定温に保ったオーブ
ン中で、96Wの白色蛍光灯を15cmの距離から200時間
照射し、照射後の色相を測定し、ΔE*を求めて判定し
た。
【0044】本実施例で使用した材料は以下の通りであ
る。 ・熱可塑性芳香族ポリエステル: PBT 帝人(株)製 IV=0.87(35℃、O-クロロフェノ
ール中測定値) PET 帝人(株)製 IV:0.71(35℃、O-クロロフェノ
ール中測定値) A.無機充填剤 A-1:酸化チタン 石原産業(株)製 CR-80 A-2:ガラス繊維 日本電気硝子(株)製 ECS-03-T124 B.臭素系難燃剤: 大日本インキ化学工業(株)製 プラサームEP100 C.アンチモン系難燃助剤(Sb2O3): 日本精鉱(株)PATOX-M D.酸化防止剤 D-1:トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジ
ル)-イソシアヌレート:チバ・スペシャリティー・ケ
ミカルズ(株)製 イルガノックス3114 融点223℃、分子中にエステル結合を有しないヒンダ
ードフェノール系化合物。 D-2: 1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン: チバ・スペシ
ャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1330 融点245℃、分子中にエステル結合を有しないヒンダ
ードフェノール系化合物。 D-3: ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]: チバ
・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノック
ス1010 融点125℃、分子中にエステル結合を有するヒンダー
ドフェノール系化合物。 D-4: n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート: チバ・スペシャリティ
ー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1076 融点55℃、分子中にエステル結合を有するヒンダード
フェノール系化合物。 D-5: ペンタエリスリチル-テトラキス(3-ラウリルチオ
プロピオネート): 旭電化工業(株)製 アデカスタブ
AO-412S 融点50℃、ヒンダードフェノール系化合物ではない化
合物。
【0045】[実施例1〜3、比較例1〜2]表1に記
載の配合成分を所定の割合で予め均一にドライブレンド
した後、スクリュー径44mmのベント付き2軸押出機
を用いて、シリンダー温度260℃〜270℃、スクリ
ュー回転数150rpm、吐出量50kg/hにて熔融
混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断して成形用ペ
レットを得た。
【0046】次いでこのペレットを用いて射出容量14
5cm3の射出成形機にてシリンダー温度:270℃、
金型温度:130℃、射出圧力:800kg/cm2
冷却時間:20秒、及び全成形サイクル:35秒の条件
で円板状の試験片を成形した。この試験片を用いて、上
述の各試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例1〜3の組成物は、難燃性を賦与し
ているものを含め、初期の着色が小さく、白色の調色が
容易なものであり、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性の
双方とも良好であった。一方で、比較例1〜2の組成物
は、初期着色が大きく、なおかつ耐熱変色性、耐光変色
性も劣っていた。
【0049】[実施例4、比較例3]表1に記載の配合
成分を所定の割合で実施例1と同様に熔融混練し、押出
して成形用ペレットを得、円板状の試験片に成形して評
価した。但し、シリンダー温度は250℃〜260℃、
金型温度は80℃とした。結果は表1に併記する。
【0050】実施例4の組成物は、難燃性を賦与してい
るものを含め、初期の着色が小さく、白色の調色が容易
なものであり、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性の双方
とも良好であった。一方で、比較例3の組成物は、初期
着色が大きく、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性も劣っ
ていた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、初期着色が小さく、か
つ長期にわたり優れた耐熱変色性、耐光変色性を示す照
明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 実生 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番13号 帝人株式会社千葉研究センター内 Fターム(参考) 4J002 CD122 CF051 CF061 CF071 CF081 CG032 DA026 DA036 DE106 DE128 DE136 DE236 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 EJ039 EJ049 EJ057 EU199 EV069 EW069 FA016 FA046 FA086 FB088 FD016 FD079 FD133 FD137 FD138

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性芳香族ポリエステル100重量
    部に対し、(A)無機充填剤0〜150重量部、(B)
    臭素系難燃剤0〜60重量部、(C)アンチモン系難燃
    助剤0〜30重量部、および(D)分子中にエステル結
    合を有さず、かつ融点が150℃以上250℃以下であ
    るヒンダードフェノール系化合物を少なくとも1種含有
    する酸化防止剤0.05〜5重量部を配合してなる照明
    部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 以下の特性(1)乃至(3)をすべて満
    たす、請求項1記載の照明部品用熱可塑性ポリエステル
    樹脂組成物。 (1)初期の色相が、L*a*b*表色系におけるb*値と
    して10以下; (2)耐熱変色性が、△E*値として10以下; (3)耐光変色性が、△E*値として5以下
  3. 【請求項3】 熱可塑性芳香族ポリエステルが、ポリエ
    チレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレー
    トならびにこれらの混合物からなる群から選ばれる少な
    くとも1種である請求項1記載の照明部品用熱可塑性ポ
    リエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 酸化防止剤(D)が、分子中にイソシア
    ヌレート環および/またはフェノール性水酸基と結合し
    ていないベンゼン環を有するヒンダードフェノール系化
    合物である、請求項1記載の照明部品用熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 酸化防止剤(D)が、請求項4記載のヒ
    ンダードフェノール系化合物、およびチオエーテル化合
    物である請求項4記載の照明部品用熱可塑性ポリエステ
    ル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱可塑性ポリエステル樹
    脂組成物からなる照明部品。
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