JP3658511B2 - 照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱や光に対する耐変色性に優れた照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関する。更に詳しくは、機械強度、耐熱性に優れ、組成物の初期着色が小さく、かつ長期にわたり優れた耐熱変色性、耐光変色性を示す照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れた耐熱性、機械強度、成形性、耐薬品性から照明部品用途に多く用いられている。しかし近年、器具のコンパクト化や光源の高輝度化が進み、強い光や高温に長期間曝されたときの変色防止が課題となっている。また最近は製品安全性の観点から、材料の難燃性の賦与が求められることが多くなっている。
【0003】
一般に熱可塑性ポリエステル樹脂を白色に調色するため、及び/または光に対する変色を抑制するために、酸化チタン等の無機顔料が添加される。しかしこれらは、十分な効果を発揮させるには組成物中に数%のオーダーで添加しなければならず、しかも耐熱変色性、耐光変色性に効果はあるものの必ずしも十分ではない。
【0004】
また、ヒンダードフェノール化合物に代表される酸化防止剤や、ベンゾトリアゾール化合物に代表される紫外線吸収剤等を配合することによって、熱や光に対する変色を抑制することも一般的に行われている。しかしその多くは、添加することによって組成物を黄色に着色させ、白色の調色を困難にする問題がある。また成形加工中や高温で長期間使用中にその一部ないしは大部分が揮発し、効果が低減するという問題もあり、改良が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の事情を背景としてなされたものであり、その目的は組成物の初期着色が小さく、かつ長期にわたり優れた耐熱変色性、耐光変色性を示す照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のヒンダードフェノール化合物を酸化防止剤として添加することによって、初期着色が少なく、かつ極めて優れた耐熱変色性および耐光変色性を備える熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が得られること、そしてこの熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から成形された照明部品は、初期着色が少なく、かつ極めて優れた耐熱変色性および耐光変色性を備え、照明器具製品に高い商品価値を賦与することを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
わち、本発明は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートならびにこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種100重量部に対し、(A)無機充填剤0〜150重量部、(B)臭素系難燃剤0〜60重量部、(C)アンチモン系難燃助剤0〜30重量部、および(D)分子中にエステル結合を有さず、分子中にイソシアヌレート環および/またはフェノール性水酸基と結合していないベンゼン環を有し、かつ融点が150℃以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物を少なくとも1種含有する酸化防止剤0.05〜5重量部を配合してなる照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物であって、赤燐を含むものを除く照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物である。
【0008】
以下に、本発明を詳述する。
本発明において用いられる熱可塑性芳香族ポリエステルは、ジカルボン酸成分およびジオール成分からなる熱可塑性芳香族ポリエステルである。ジカルボン酸成分は好ましくはテレフタル酸であり、ジオール成分は好ましくはエチレングリコール、テトラメチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0009】
本発明で用いられるポリマー成分は、熱可塑性芳香族ポリエステルをポリマー成分全体のに対して好ましくは80重量%、さらに好ましくは90モル%、特に好ましくは95モル%以上の組成として有する。
【0010】
熱可塑性芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0011】
また熱可塑性芳香族ポリエステルとしては上述のポリエステルの一部を共重合成分が置換したものでもよく、かかる共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアルキル置換フタル酸;2,6-ナフタリンジカルボン酸、2,7-ナフタリンジカルボン酸、1,5-ナフタリンジカルボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;4,4’-ジフェニルジカルボン酸、3,4’-ジフェニルジカルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類;4,4’-ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族又は脂環族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等のビスフェノール類;ビスフェノール類とエチレングリコールのごときグリコールとから得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオール、ε-オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。これら共重合成分が共重合される場合、共重合割合は好ましくは全酸成分の20モル%、さらに好ましくは10モル%以下である。
【0012】
さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官能性のエステル形成能を有する酸又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能のエステル形成能を有するアルコール成分を共重合せしめても良い。これらの成分が共重合される場合、全ジカルボン酸成分に対して1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下の割合である。
【0013】
本発明で用いられる熱可塑性芳香族ポリエステルは好ましくは極限粘度数が0.4〜1.2である。0.4より小さいと十分な特性が得られず、1.2より大きいと熔融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれるため好ましくない。ここで極限粘度数は35℃でo-クロルフェノールを溶媒として測定したものである。
【0014】
本発明において用いられる無機充填剤(A)とは、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、長石系鉱物、クレー、ホワイトカーボン、カーボンブラック、ガラスビーズ等のごとき粒状または無定形の充填剤;カオリンクレー、タルク等のごとき板状の充填剤;ガラスフレーク、マイカ、グラファイト等のごとき燐片状の充填剤;ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム等のごとき繊維状の充填剤である。
【0015】
本発明における無機充填剤(A)の配合量は熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部に対し0〜150重量部、好ましくは0〜120重量部、更に好ましくは0〜100重量部である。
【0016】
本発明において用いられる(B)臭素系難燃剤としては、臭素化ビスフェノールA系化合物、臭素化された置換基を有するビニル系ポリマー難燃剤等が挙げられる。好適な臭素化ビスフェノールA系化合物として、臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートおよび臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0017】
臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートの末端構造は、4-t-ブチルフェニル基や2, 4, 6-トリブロモフェニル基等を例示することができる。臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートの分子量は、好ましくは1000〜18000である。臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートの軟化点は、分子量および分子量分布により変化するが、150〜300℃の範囲にあることが好ましい。
【0018】
臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂の分子量は、好ましくは650〜45000である。臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂の軟化点は、分子量及び分子量分布により変化するが、100〜250℃の範囲にあることが好ましい。
【0019】
これらの難燃剤のうち、耐変色性が良好な臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネートおよび臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂が特に好ましい。これらの難燃剤は併用することができる。
【0020】
本発明において用いられる(B)臭素系難燃剤の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部当たり、0〜60重量部、好ましくは0〜50重量部である。なお、全組成物中の無機充填剤の配合量が多いほど、また難燃助剤を併用した場合には難燃剤の配合量を少なくすることができる。
【0021】
本発明において用いられる(C)アンチモン系難燃助剤は、(B)臭素系難燃剤との相乗効果により、難燃性を高める働きをするものである。好適な難燃助剤の例として、Sb2O3および/またはx Na2O・Sb2O5・y H2O(x=0〜1,y=0〜4)を挙げることができる。難燃助剤の粒径は0.02〜5μが好ましい。
【0022】
また所望により、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されたものを用いることができる。
【0023】
本発明において用いられる(C)アンチモン系難燃助剤の配合量は0〜20重量部、好ましくは0〜15重量部である。効果的に難燃性を付与するためには、難燃剤に対して20〜70重量%となるように配合することが好ましい。配合量が20重量部を越えると樹脂や配合剤の分解を促進し、成形品の特性が低下することがあり好ましくない。
【0024】
本発明において用いられる酸化防止剤(D)は、分子中にエステル結合を有さず、かつ融点が150℃以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物である。
【0025】
分子中にエステル基を有すると、成形加工中の熱や水分と接触した時にエステル交換反応や加水分解反応を起こしやすく、その結果、組成物が着色したり、効果が失活するため、照明部品として用いることができない。
【0026】
また、融点が150℃以下のものでは揮発が起こりやすく、また250℃以上のものは本発明における熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂との溶融混練の際の分散性が悪く、製品の部分的な強度低下を招いたり、効果が発揮されず、照明部品として用いることができない。
【0027】
本発明に用いられる(D)成分である、分子中にエステル結合を有さず、分子中にイソシアヌレート環および/またはフェノール性水酸基と結合していないベンゼン環を有し、かつ融点が150℃以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物として、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンを例示することができる。
【0028】
また酸化防止剤として、これらヒンダードフェノール系化合物と併用して、チオエーテル系および/またはホスファイト系の酸化防止剤を添加すると、耐熱変色性、耐光変色性に対して更なる効果が期待できる。
【0029】
特にチオエーテル系酸化防止剤において、併用による耐熱変色性の改善効果が高い。チオエーテル系酸化防止剤としては、ジ-ラウリル-3,3'-チオジブロピオネート、ジ-ステアリル-3,3'-チオジブロピオネート、ペンタエリスリチル-テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート) などが挙げられる。
【0030】
またホスファイト系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジ-ステアリルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、トリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-ホスファイト、ビス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェニル-4-メチル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト などが挙げられる。
【0031】
本発明において用いられる酸化防止剤(D)の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂100重量部当たり0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜1重量部である。配合量が0.01重量部以下では酸化防止剤としての効果が十分でなく、また5重量部以上では増量しただけの効果が得られず、なおかつ成形品の物性低下も招き好ましくない。
【0032】
本発明の組成物は初期黄色着色がb*値として10以下、好ましくは6以下である。このb*値を達成するためには光安定剤が用いられてもよい。かかる光安定剤としては、トリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合物及びヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤、難燃助剤、核剤、滑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができる。
【0034】
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては公知の方法を採用することができる。すなわちポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートならびにこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種に、無機充填剤(A)、臭素系難燃剤(B)、アンチモン系難燃助剤(C)、酸化防止剤(D)等をブレンダーなどを用いて均一混合した後、バンバリーミキサー、加熱ロールや単軸又は多軸押し出し機等を用いて230〜360℃、好ましくは230〜290℃の温度で熔融混練する方法など種々の方法により製造することができる。また、樹脂組成物の成分の一部を予め予備混練しておき、後に所定の配合比に調節して混練する方法も可能である。
【0035】
初期色相は、直径50mm、厚み3mmの円板状の試験片を射出成形し、成形品をJIS Z8729のL* a* b*表色系にて色相を測定したときの、b*値である。
【0036】
耐熱変色性は、樹脂組成物を射出成形して得られる円板状の試験片を、180℃のギアーオーブン中に100時間放置する促進劣化試験において、試験前後で色差を測定したときのΔE*値である。
【0037】
耐光変色性は、同様の成形品を120℃で96Wの白色蛍光灯を15cmの距離から200時間照射する促進劣化試験において、試験前後で色差を測定したときのΔE*値である。
【0038】
本発明の照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、以下の特性(1)乃至(3)をすべて満たす。
(1)初期の色相が、L*a*b*表色系におけるb*値として10以下;
(2)耐熱変色性が、△E*値として10以下;
(3)耐光変色性が、△E*値として5以下。
【0039】
これら条件を満足する耐熱変色性、耐光変色性を備える本発明の樹脂組成物は、照明部品としての商品寿命において実質的に変色が認められず、照明部品として用いられたときに製品に高い商品価値を賦与する。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに詳述する。なお、実施例中の部は重量部を意味する。成形物の特性は下記方法により測定した。
【0041】
・組成物の初期の色相
後述する条件で直径50mm、厚み3mmの円板状成形品の試験片を射出成形し、成形品をJIS Z8729のL* a* b*表色系にて試験片の色相を測定し、b*値にて判定した。
【0042】
・耐熱変色性
上記の円板状の試験片を、180℃の定温に保ったギアオーブン中に入れ100時間放置した後の色相を測定し、ΔE*を求めて判定した。
【0043】
・耐光変色性
上記の円板状の試験片を、120℃の定温に保ったオーブン中で、96Wの白色蛍光灯を15cmの距離から200時間照射し、照射後の色相を測定し、ΔE*を求めて判定した。
【0044】
本実施例で使用した材料は以下の通りである。
・熱可塑性芳香族ポリエステル:
PBT 帝人(株)製 IV=0.87(35℃、O-クロロフェノール中測定値)
PET 帝人(株)製 IV:0.71(35℃、O-クロロフェノール中測定値)
A.無機充填剤
A-1:酸化チタン 石原産業(株)製 CR-80
A−2:ガラス繊維 日本電気硝子(株)製 ECS-03-T124
B.臭素系難燃剤:
大日本インキ化学工業(株)製 プラサームEP100
C.アンチモン系難燃助剤(Sb2O3):
日本精鉱(株)PATOX-M
D.酸化防止剤
D-1:トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート: チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス3114
融点223℃、分子中にエステル結合を有しないヒンダードフェノール系化合物。
D-2: 1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン: チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1330
融点245℃、分子中にエステル結合を有しないヒンダードフェノール系化合物。
D-3: ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]: チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1010
融点125℃、分子中にエステル結合を有するヒンダードフェノール系化合物。
D-4: n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート: チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1076
融点55℃、分子中にエステル結合を有するヒンダードフェノール系化合物。
D-5: ペンタエリスリチル-テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート): 旭電化工業(株)製 アデカスタブAO-412S
融点50℃、ヒンダードフェノール系化合物ではない化合物。
【0045】
[実施例1〜3、比較例1〜2]
表1に記載の配合成分を所定の割合で予め均一にドライブレンドした後、スクリュー径44mmのベント付き2軸押出機を用いて、シリンダー温度260℃〜270℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量50kg/hにて熔融混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断して成形用ペレットを得た。
【0046】
次いでこのペレットを用いて射出容量145cm3の射出成形機にてシリンダー温度:270℃、金型温度:130℃、射出圧力:800kg/cm2、冷却時間:20秒、及び全成形サイクル:35秒の条件で円板状の試験片を成形した。
この試験片を用いて、上述の各試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003658511
【0048】
実施例1〜3の組成物は、難燃性を賦与しているものを含め、初期の着色が小さく、白色の調色が容易なものであり、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性の双方とも良好であった。一方で、比較例1〜2の組成物は、初期着色が大きく、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性も劣っていた。
【0049】
[実施例4、比較例3]
表1に記載の配合成分を所定の割合で実施例1と同様に熔融混練し、押出して成形用ペレットを得、円板状の試験片に成形して評価した。但し、シリンダー温度は250℃〜260℃、金型温度は80℃とした。結果は表1に併記する。
【0050】
実施例4の組成物は、難燃性を賦与しているものを含め、初期の着色が小さく、白色の調色が容易なものであり、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性の双方とも良好であった。一方で、比較例3の組成物は、初期着色が大きく、なおかつ耐熱変色性、耐光変色性も劣っていた。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、初期着色が小さく、かつ長期にわたり優れた耐熱変色性、耐光変色性を示す照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートならびにこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種100重量部に対し、
    (A)無機充填剤0〜150重量部、
    (B)臭素系難燃剤0〜60重量部、
    (C)アンチモン系難燃助剤0〜30重量部、および
    (D)分子中にエステル結合を有さず、分子中にイソシアヌレート環および/またはフェノール性水酸基と結合していないベンゼン環を有し、かつ融点が150℃以上250℃以下であるヒンダードフェノール系化合物を少なくとも1種含有する酸化防止剤0.05〜5重量部を配合してなる照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物であって、赤燐を含むものを除く照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 以下の特性(1)乃至(3)をすべて満たす、請求項1記載の照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
    (1)初期の色相が、L*a*b*表色系におけるb*値として10以下;
    (2)耐熱変色性が、△E*値として10以下;
    (3)耐光変色性が、△E*値として5以下
  3. 酸化防止剤(D)が、ヒンダードフェノール系化合物、およびチオエーテル化合物である請求項1記載の照明部品用熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる照明部品。
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