JPH10176102A - ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

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JPH10176102A
JPH10176102A JP34027996A JP34027996A JPH10176102A JP H10176102 A JPH10176102 A JP H10176102A JP 34027996 A JP34027996 A JP 34027996A JP 34027996 A JP34027996 A JP 34027996A JP H10176102 A JPH10176102 A JP H10176102A
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polyester resin
metal salt
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JP34027996A
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Kota Tanahashi
恒太 棚橋
Masuo Murakami
益雄 村上
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、成形加工性に優れ、機械的特性や耐
熱変形性にも優れたポリエステル樹脂組成物に関する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステル5〜95重量%とポリアリレー
ト95〜5重量%とからなるポリマー樹脂組成物100
重量部と、炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン酸の
アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩0.01〜
1重量部と、リン化合物0.01〜1重量部とからな
る。長さと直径の比が20/1〜30/1のスクリュー
を有する一軸又は二軸押出機を用いて、温度260℃以
上、吐出量4〜10kg/hで溶融混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性や成形加工
性に優れ、機械的特性や耐熱変形性にも優れたポリエス
テル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートは流動性が
良く成形加工性に優れているが、耐熱性やUVバリヤー
性に劣り、また肉厚成形品にしたときには白化しやすい
樹脂である。これに対して、ポリアリレートは融点が高
く透明性に優れているが、流動性や耐薬品性や水蒸気及
びガスバリヤー性に劣る樹脂である。
【0003】従来より、ポリエチレンテレフタレートと
ポリアリレートとをブレンドしたポリエステル樹脂組成
物が公知となっており、飲料用のボトルや医薬品等の容
器として用いられている。
【0004】例えば、特開昭48−54159号公報や
特開昭49−97864号公報では、ポリエチレンテレ
フタレートとポリアリレートとをブレンドしたポリエス
テル組成物が提案されている。しかしながら、このよう
なポリエステル組成物は、単にドライブレンドしたもの
であって、成形性、透明性が十分に改良されないという
問題があった。
【0005】また、ポリアリレート樹脂からなる成形品
を、スチーム中で長時間湿熱処理した際には、成形品の
一部または全部に濁りが生じ、いわゆるクレーズが発生
するが、このクレーズを解消することを目的として、特
公昭55−9434号公報では、ポリエチレンテレフタ
レートを少量混合した樹脂組成物が提案された。しかし
この樹脂組成物は、クレーズは解消されるもののポリエ
チレンテレフタレートの配合割合が3重量%以下のた
め、成形性を著しく改善するには至らず、透明性に優れ
た成形品とすることが難しかった。
【0006】また、特公昭56−14699号公報で
は、ポリアリレート20〜50重量%とポリエチレンテ
レフタレート80〜50重量%をドライブレンドしたポ
リエステル組成物が提案されている。このようなポリエ
ステル組成物は、薄物の成形品については透明性に優れ
たものが得られるが、肉厚の成形品としたときでも透明
性を維持させるためにはポリアリレートを50重量%以
上添加しなければならない。しかしながら、ポリアリレ
ートを50重量%以上添加すると射出成形時の押出温度
が高くなり、成形加工性及び生産性に劣るという問題点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題を解
決し、透明性や成形性がよく、機械的特性や耐熱変形性
等にも優れたポリエステル組成物を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
た。すなわち本発明は、ポリエチレンテレフタレート又
はこれを主体とするポリエステル5〜95重量%とポリ
アリレート95〜5重量%とからなるポリエステル(以
下「(a)成分」と称す)100重量部と、炭素数2〜
4の飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩もしく
はアルカリ土類金属塩(以下「(b)成分」と称す)
0.01〜1重量部と、リン化合物(以下「(c)成
分」と称す)0.01〜1重量部とを溶融混練してなる
ことを特徴とするポリエステル組成物であることを要旨
とするものである。
【0009】本発明によれば、流動性が良く成形加工性
に優れたポリエチレンテレフタレートと透明性及び耐熱
性に優れたポリアリレートとが含まれている(a)成分
を用いることで、適度の機械的特性と耐熱変形性とを有
し、かつ透明性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0010】また、エステル交換反応触媒として(b)
成分を、(a)成分100重量部に対して0.01〜1
重量部の範囲で用いることで、非晶性のポリアリレート
と結晶性のポリエチレンテレフタレートとが溶融混練時
に適度のエステル交換反応を行い、成形加工性が改良さ
れて透明性が向上する。(b)成分が1重量部より多く
なると、その効果が飽和に達し、本発明の特性向上が期
待できない。一方、(b)成分が0.01重量部より少
なくなると、エステル交換反応が進行せず、透明性に優
れたものが得られない。
【0011】また熱安定剤として(c)成分を、(a)
成分100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲で
用いることで、溶融混練時の熱安定性が良好になり、樹
脂組成物の粘度低下が抑えられ、ヘイズ値が良く透明性
に優れた樹脂組成物が得られる。(c)成分が0.01
重量部より少ないと、溶融混練時における樹脂組成物の
粘度低下が大きくなる。一方、(c)成分が1重量部よ
り多いと、透明性に優れた樹脂組成物が得られない。
【0012】本発明においては、さらに(a)成分と
(b)成分と(c)成分とをドライブレンドしたもの
を、溶融混練することで、更に透明性や成形加工性が向
上する。その際、(a)成分と(b)成分と(c)成分
とを均一に混ぜることが必要であり、この際、長さと直
径の比が(長さ/直径)=20/1〜30/1でスクリ
ューを有した一軸又は二軸押出機を用い、温度260℃
以上、吐出量4〜10kg/hであるような条件とする
ことで、(a)成分と(b)成分と(c)成分とが均一
に溶融混練されるに適切な滞留時間が得られる。
【0013】上記した方法によって得られる本発明のポ
リエステル樹脂組成物は、3.0mm厚のヘイズ値が
4.0以下と良好な透明性を示し、かつ機械的特性、耐
熱変形性、成形性にも優れたものになる。
【0014】前記のように本発明においては、機械的強
度や耐熱変形性が良好で、成形加工性が改良され、ヘイ
ズ値が小さく透明性に優れたものが得られるため、通常
の飲料用ボトルやゼリー容器の薄物の成形品に用いるこ
とができる。
【0015】さらに、肉厚の成形品にしてもなお透明性
に優れており、流動性や耐薬品性が良好で、水蒸気及び
ガスバリヤー性が付与され、従って上記ポリエステル樹
脂組成物は、目薬用容器や歯ブラシのハンドル、さらに
は太陽電池用カバーや修正液容器等にも用いることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエチレンテレ
フタレート又はこれを主体とするポリエステル樹脂は、
テレフタル酸とエチレングリコール成分とを主成分とし
て製造されるものである。
【0017】ポリエチレンテレフタレートを主体とする
ポリエステル樹脂には、上記成分の他に、フタル酸、イ
ソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸
等の芳香族多価カルボン酸及びその酸無水物、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、
プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪
族ジオール成分、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の脂肪族多価アルコール成分、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジ
エタノール等の脂環族ジオール成分、ビスフェノールA
やビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の芳香
族ジオール成分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロ
ラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分等の共重合成分
がポリエチレンテレフタレート樹脂の特性を損なわない
範囲で少量含有されていてもよい。
【0018】本発明に使用するポリアリレートは、例え
ば W.N. EARECKSON;J. Polymer Sci.,XL 399p (1955)、
A.CONIX;Ind.Eng.Chem.,51 147p (1959)、 特公昭40−
1959号公報等に記載されているように、芳香族ジカ
ルボン酸またはその誘導体と、二価フェノールまたはそ
の誘導体とが溶液重合、溶融重合、界面重合などの各方
法により製造されるものである。
【0019】芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸があげられるが、溶融加工性および総
合的性能の点から、両者の混合物が好ましい。この混合
物の配合比は限定されないが、重量比でテレフタル酸/
イソフタル酸=9/1〜1/9の割合とするのがよい。
溶融加工性や性能のバランスの点を考慮すれば、その配
合比を7/3〜3/7とするのが好ましく、1/1の配
合比が特に好ましい。
【0020】二価フェノールとしては、下記の一般式
(1)、(2)あるいは(3)で示されるものがある。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】上記一般式においてR1 、R2 、R3 、R
4 、R1'、R2'、R3'、R4'は水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基よりなる群より
選ばれ、XはO、S、SO2 、CO、アルキレン基ある
いはアルキリデン基(必要に応じてアルキレン基あるい
はアルキリデン基は1あるいはそれ以上のハロゲン原子
で置換されていても差しつかえない。)を表す。
【0025】このような二価フェノールとしては、例え
ば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4' −ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4' −ジヒドロジフェニ
ルエーテル、4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4' −ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4' −ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、4,4' −ジヒドロキシジフェニル、ハイドロキノ
ンなどがあげられる。これらは単独でもよくまた混合物
であってもよい。また、これらの二価フェノールはパラ
置換体であるが、他の異性体を使用してもよく、さらに
これらの二価フェノールにエチレングリコール、プロピ
レングリコールなどを少量併用してもよい。二価フェノ
ールの中で最も代表的なものは、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、通常ビスフェノールAと
呼ばれているものである。
【0026】上記のポリエチレンテレフタレート又はこ
れを主体とするポリエステル樹脂は、フェノールと1,
1,2,2−テトラクロルエタンを重量比で6:4の割
合で混合した混合溶媒1dlに試料1.0gを溶解し、
温度25℃の条件で常法により測定した対数粘度が0.
5〜1.2のものが良い。対数粘度が0.5より小さい
と成形品の機械的特性が低下するので好ましくなく、対
数粘度が1.2を超えると成形性が低下するので好まし
くない。
【0027】またポリアリレートは同様に測定した対数
粘度が、0.5〜0.8のものが良い。対数粘度が0.
5より小さいと成形品の機械的特性が低下するので好ま
しくなく、対数粘度が0.8を超えると成形性が低下す
るので好ましくない。
【0028】このような対数粘度範囲のポリエチレンテ
レフタレート又はこれを主体とするポリエステル樹脂又
はポリアリレートは、例えば原料モノマーの仕込み比を
調節したり、分子量調節剤を適宜使用することにより得
られる。
【0029】さらに、本発明における(a)成分と
(b)成分と(c)成分とを含むポリエステル樹脂組成
物の対数粘度は、0.5〜1.1であることが好まし
い。この対数粘度が0.5より低いと、成形時にフラッ
シュやクラックが発生しやすくなり、機械的特性が低下
するといった問題がある。また、この対数粘度が1.1
より高いと、押出時の剪断が大きくなり剪断熱等により
成形物の着色度合いや焼け筋が悪化したり、成形時の流
動性が悪くなるといった問題がある。
【0030】本発明における(b)成分としては、酢
酸、プロピオン酸、イソ酪酸、n−酪酸のアルカリ金属
塩もしくはアルカリ土類金属塩が挙げられる。具体的に
は、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、プ
ロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、イソ酪
酸ナトリウム、イソ酪酸カリウム、n−酪酸ナトリウ
ム、n−酪酸カルシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネ
シウム、酢酸バリウム、プロピオン酸カルシウム、プロ
ピオン酸マグネシウム、イソ酪酸カルシウム、イソ酪酸
マグネシウム、n−酪酸カルシウム、n−酪酸マグネシ
ウムが挙げられる。
【0031】中でもコストやエステル交換反応速度の点
から酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムが好ましい。本発
明において熱安定剤として用いる(c)成分は、ジラウ
リルハイドロゲンンフォスファイト、トリブチルフォス
ファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイ
ト、トリデシルフォスファイト、トリステアリルフォス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、
トリフェニルフォスファイト、トリラウリルトリチオフ
ォスファイト、ジフェニルデシルフォスファイト、ジフ
ェニル(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルハイ
ドロゲンフォスファイトなどのフォスファイト系化合
物、ブチルアシッドフォスフェート、β−クロロエチル
アシッドフォスフェートなどのフォスフェート系化合物
等が好適であり、具体的には城北化学工業社製の品番J
P212、JP310、JP360、JP351、JP
504というものがある。
【0032】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、実施例における各種物性値の測定は、以
下の方法により実施した。
【0033】(1)引張強度(MPa):ASTM−D
638に記載の方法に準じて測定した。
【0034】(2)引張破断伸度(%):ASTM−D
638に記載の方法に準じて測定した。
【0035】(3)曲げ強度(MPa):ASTM−D
790に記載の方法に準じて測定した。
【0036】(4)曲げ弾性率(GPa):ASTM−
D790に記載の方法に準じて測定した。
【0037】(5)アイゾット衝撃強度(J/m):A
STM−D256に記載の方法に準じて、厚み3.2m
mの試験片に所定のノッチを付けて測定した。
【0038】(6)熱変形温度(℃):ASTM−D6
48に記載の方法に準じて、荷重1.86MPaで測定
した。
【0039】(7)光学特性[ヘイズ値(%)]:日本
電色工業(株)製の測定色差計 SZ−Σ80を用い、
厚さ3.0mmの試験片のヘイズ値を測定した。ヘイズ
値は透明性の尺度を表すもので、空気のヘイズ値は0%
であり、ヘイズ値が小さいほど透明性が良好である。
【0040】(8)対数粘度:ポリエチレンテレフタレ
ート又はこれを主体とするポリエステル樹脂、ポリアリ
レート、及びポリエステル樹脂組成物の対数粘度を次の
方法によって測定した。すなわち、フェノールと1,
1,2,2−テトラクロルエタンを重量比で6:4の割
合で混合した混合溶媒1dlに試料1.0gを溶解し、
温度25℃の条件で常法により測定した。
【0041】(9)滞留後の対数粘度保持率(%):東
芝機械(株)製の射出成形機 IS−100Eを用い、
270℃の温度で15分間試料を滞留させた後の成形品
と、滞留させていない成形品とを採取し、滞留させてい
ない成形品の対数粘度に対する滞留させた成形品の対数
粘度の比で表した。
【0042】なお、滞留後の対数粘度保持率は熱安定性
の指標となるものであり、保持率が高い程熱安定性が良
好である。
【0043】実施例1〜4 実施例1〜4において、(a)成分と(b)成分と
(c)成分との配合割合および押出条件を表1に示すよ
うに変化させた。
【0044】
【表1】
【0045】(a)成分としての、ポリアリレート樹脂
(ユニチカ社製 U−PowderDタイプ)とポリエ
チレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 SA−12
06)とからなるポリマー樹脂組成物と、(b)成分と
しての酢酸ナトリウムと、(c)成分としてのブチルア
シッドホスフェート(城北化学工業社製 JP−50
4)とをドライブレンドして均一化した後、二軸押出機
(池貝鉄工社製 PCM−30 (長さ/直径=23/
1)を用いて、溶融混練を行った。
【0046】なお、溶融混練前に、ポリアリレート樹脂
は130℃の熱風乾燥機で、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂は135℃の除湿乾燥機で、それぞれ5時間以上
の乾燥を行った。
【0047】得られた樹脂組成物の物性を測定するため
に、射出成形(シリンダ温度270℃、金型温度40℃
に設定、東芝機械社製 IS−100E射出成形機使
用)にて測定用の試験片を作製した。
【0048】測定された光学特性や機械的特性等の物性
を表1に示す。
【0049】比較例1〜9 比較例1〜9では、表2に示すように(a)成分と
(b)成分と(c)成分の配合割合と押出条件を表2に
示すように本発明の範囲外とした。
【0050】
【表2】
【0051】比較例1では、(b)成分を用いずに樹脂
組成物を作製した。比較例2では、(b)成分と(c)
成分を用いずに樹脂組成物を作製した。比較例3では、
(c)成分を用いずに樹脂組成物を作製した。
【0052】比較例4,5では、(a)成分を構成する
ポリエチレンテレフタレートとポリアリレートとの配合
割合を、本発明の範囲外とした。比較例6では(c)成
分の配合割合を、比較例7では(b)成分の配合割合を
本発明の範囲外とした。
【0053】比較例8では押出温度と吐出量を、比較例
9では吐出量を本発明の範囲外とした。表2に示す配合
割合で実施例と同様にして樹脂組成物を作製し、試験片
を作製した。
【0054】各実施例及び比較例で用いた、(a)成
分、(b)成分、(c)成分はすべて同じものである。
測定された光学特性や機械的特性等の物性を表2に示
す。
【0055】実施例1〜4では、(a)成分100重量
部と、(b)成分0.01〜1重量部と、(c)成分
0.01〜1重量部とを溶融混練してなるポリエステル
樹脂組成物を用いたため、いずれも3.0mm厚のヘイ
ズ値が、4.0以下である透明性のよい光学的特性に優
れた樹脂組成物が得られた。
【0056】また、(a)成分と(b)成分と(c)成
分とを溶融混練するに際し、長さと直径の比が(長さ/
直径)=20/1〜30/1でスクリューを有した一軸
又は二軸押出機を用いて、温度260℃以上、吐出量4
〜10kg/hで溶融混練したため、成形性や機械的特
性に優れたポリエステル樹脂組成物が得られた。
【0057】比較例1、比較例2は、(b)成分を添加
していないため、ヘイズ値が高く光学特性に劣るものと
なった。比較例3は、(c)成分を添加していないた
め、滞留後の対数粘度保持率が低く、熱安定性に劣るも
のとなった。
【0058】比較例4は、(a)成分を構成するポリア
リレートの配合割合が少ないため、熱変形温度が低いも
のとなり、アイゾット衝撃強度にも劣るものとなった。
比較例5は、(a)成分を構成するポリエチレンテレフ
タレートの配合割合が少ないため成形温度が350℃と
高く、滞留後の対数粘度保持率が低く、熱安定性に劣る
ものとなった。
【0059】比較例6は、(c)成分の配合割合が多す
ぎ、ヘイズ値が高く光学特性に劣るものとなった。比較
例7は、(b)成分の配合割合が多すぎ、滞留後の対数
粘度保持率が低く、熱安定性に劣るものとなった。
【0060】比較例8は、押出温度と吐出量が低過ぎた
ため、ヘイズ値が高く光学特性に劣るものとなった。比
較例9は、吐出量が多過ぎたため、ヘイズ値が高く光学
特性に劣るものとなった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、(a)成分と(b)成
分と(c)成分とを溶融混練することで、光学特性に優
れ、透明性が良く、成形加工性や熱安定性の良いポリエ
ステル樹脂組成物を得ることができる。
【0062】また、(a)成分と(b)成分と(c)成
分とを溶融混練するに際し、長さと直径の比が(長さ/
直径)=20/1〜30/1のスクリューを有する一軸
又は二軸押出機を用いて、温度260℃以上、吐出量4
〜10kg/hで溶融混練することで混練性が良くな
り、成形性に優れたポリエステル樹脂組成物が得られ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
    主体とするポリエステル5〜95重量%とポリアリレー
    ト95〜5重量%とからなるポリマー樹脂組成物100
    重量部と、炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン酸の
    アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩0.01〜
    1重量部と、リン化合物0.01〜1重量部とを溶融混
    練してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 3.0mm厚のヘイズ値が、4.0以下
    であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン
    酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩が、酢
    酸ナトリウム又は酢酸カリウムであることを特徴とする
    請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
    主体とするポリエステル5〜95重量%とポリアリレー
    ト95〜5重量%とからなるポリマー樹脂組成物100
    重量部と、炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン酸の
    アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩0.01〜
    1重量部と、リン化合物0.01〜1重量部とを、長さ
    と直径の比が(長さ/直径)=20/1〜30/1でス
    クリューを有した一軸又は二軸押出機を用いて、温度2
    60℃以上、吐出量4〜10kg/hで溶融混練するこ
    とを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
JP34027996A 1996-12-20 1996-12-20 ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法 Pending JPH10176102A (ja)

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