従来から上述したモータアクチュエータは、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置をはじめ、様々な用途で用いられている。その用い方の一例を示す。複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、大量の印刷媒体を格納し、それを1枚ずつ搬送するための給送装置が用いられている。ここで一般的な給送装置について図9〜図12を参照して説明する。図9〜図12に示すように、給送装置100は、ハウジング101と、底板102と、モータアクチュエータ1と、駆動軸103と、プレート104(図12)と、搬送手段105と、を備えている。
ハウジング101は、受皿状に形成されていて、後述する底板102、モータアクチュエータ1、駆動軸103、プレート104、及び、搬送手段105を収容している。上記底板102は、ハウジング101の底壁に配置されている。底板102の端部には、図12に示すように、一対のアーム部102Aが設けられている。一対のアーム部102Aは、それぞれハウジング101の互いに対向する一対の側壁に向かって延在する。そして、この一対のアーム部102Aの先端がそれぞれ、ハウジング101の互いに対向する一対の側壁に回動中心C1を中心として回転可能に取り付けられている。よって、底板102は、回動中心C1を中心として回転するとアーム部102Aから離れた側の端部が上方に持ち上がる。
上記モータアクチュエータ1は、ハウジング101の側壁に取り付けられている。モータアクチュエータ1は、回動中心C1を中心として上記底板102を回転させるための回転力を発生する。この回転力は、後述する駆動軸103、プレート104を通じて底板102に伝達される。上記駆動軸103は、モータアクチュエータ1の出力軸に取り付けられていて、モータアクチュエータ1の回転に伴って回転する。駆動軸103は、上記底板102の下に配置されている。この駆動軸103には、プレート104の一辺が固定されている。このプレート104は、底板102の下に配置されている。よって、プレート104は、駆動軸103が矢印Y1(図12)方向に回転すると、一辺から離れた側の他辺が上方に持ち上り、底板102のアーム部102Aとは離れた側の端部を押し上げる。これにより、底板102は、回動中心C1を中心として回転する。上記搬送手段105は、底板102のアーム部102Aから離れた側の上方に取り付けられている。搬送手段105は、底板102に積載された印刷媒体106の最上位の印刷媒体106に圧接してその印刷媒体106を搬送するローラである。
次に、上述した構成の給送装置100の動作について説明する。図10に前記給送装置100の底板102に印刷媒体106を積載した状態を示す。ここで、外部に設けたモータアクチュエータ1が回転すると駆動軸103が回転し、図12に示すように駆動軸103に一辺が固定されたプレート104の他辺が持ち上がる。これにより、底板102が回動中心C1を中心として回転しながら印刷媒体106を持ち上げる。図11は持ち上げた状態を示す。印刷媒体106が搬送手段105に一定の圧力を加えるまで、底板102は回転する。このような機構で用いるモータアクチュエータ1は、大量の印刷媒体106を積載した底板102を持ち上げる必要があるため、大きなトルクを必要とする。これを小型でかつ低コストで得るために、直流モータと、減速装置と、を一体化したモータアクチュエータ1を利用することが知られている。
そのモータアクチュエータ1の例を図14に示す。モータアクチュエータ1は、直流モータ3と、減速装置4と、を備えている。直流モータ3は、回転力を発生する駆動源であり、その出力軸31にウォームギアが設けられている。減速装置4は、上記出力軸31に設けたウォームギアに噛み合う第1のギア41と、第1のギア41に噛み合う第2のギア42と、第2のギア42に噛み合う第3のギア43と、第3のギア43に噛み合う出力ギア44と、から構成される。減速装置4においては、これら第1〜第3ギア41〜43から成るギア列によって直流モータ3が発生する回転力の減速と同時に増力を行い、出力ギア44で大きなトルクを得る。一般的にこのようなモータアクチュエータ1は回転負荷トルクを低減させ、滑らかな動作が長期に渡って行えるようにギアの歯面や軸、軸受け部などに潤滑剤を塗布することが多い。
また、このようなモータアクチュエータ1では、位相検知センサ7を設け、それによって出力ギア44の回転位相を検知する機構も一般的に知られている。ここでは位相検知センサ7として透過型の光センサを2つ設置した例を示す。2つの位相検知センサ7はそれぞれ、互いに対向する図示しない受光素子及び発光素子を備えている。そして、このような位相検知センサ7を用いて出力ギア44の回転位相を検出するために回転遮断体6を設けている。回転遮断体6は、同図に示すように出力ギア44と噛み合う図示しないギアが設けられた回転軸61と、回転軸61の回転に伴って上記位相検知センサ7を構成する受光素子と発光素子との間を通過する遮断体62と、を備えている。
遮断体62は、上記回転軸61から径方向に突出して設けられている。遮断体62は、例えば位相を4分割するように4つ設けられている。4つの遮断体62のうち1/2位相ずれた2つが、2つの位相検知センサ7のうち一方の位相検知センサ7の受光素子と発光素子との間を通過するように設けられる。そして、残りの2つが、他方の位相検知センサ7の受光素子と発光素子との間を通過するように設けられている。位相検知センサ7においては、受光素子と発光素子との間を遮断体62が通過している間は発光素子からの光が遮断体62によって遮断されるため、受光素子は発光素子からの光を受光できない。一方、受光素子と発光素子との間に遮断体62がない間は受光素子は発光素子からの光を受光することができる。そして、図4に示すように、2つの位相検知センサ7の受光状況の組み合わせにより、位相を4分割した4段階のどの位相にあるかを読み取ることができる。なお、位相検知センサ7としては、他に磁気センサなどを用いる手段も知られている。
しかし、このような位相検知センサ7を用いる場合、ギアの歯面などに塗布した潤滑剤が飛散し、位相検知センサ7の検知部に付着し、位相を検知できなくなる、という不具合が発生する問題があった。また、このようなモータアクチュエータ1は回転回数が多くなるにつれてギアの歯面や軸、軸受け部などが摩耗し、摩耗粉が発生することがある。その摩耗粉が位相検知センセ7の検知部に付着し、同様に位相が検知できなくなる、という不具合が発生する問題があった。
上記問題を解決するために、例えば特許文献1に記載されたモータアクチュエータが提案されている。上記モータアクチュエータにおいて、光遮断リブ(回転遮断体)は、出力ギアからその回転軸方向に沿って突出するように設けられている。この光遮断リブ(回転遮断体)と出力ギアの歯面との間に、径方向に突出するツバ状の潤滑剤遮断部が設けられている。このように潤滑剤遮断部を設けることにより、ギア部に塗布された潤滑剤は、潤滑剤遮断部の溝によって保持され、光遮断リブへの付着が防止される。また、光遮断リブの回転方向における光センサの上流側でかつ光遮断リブの回転経路の両サイドには、潤滑剤除去部が設けられている。従って、万一、光遮断リブにグリスなどの異物が付着した場合でも、光遮断リブが光センサへ向けて回転することで、光遮断リブに付着したグリスは、潤滑剤除去部によって除去される。
しかしながら、上述した従来のモータアクチュエータでは、出力ギアに塗布された潤滑剤はツバ状の潤滑剤遮断部に溜めることで光センサへの付着を防止することができるが、他のギアから潤滑剤が飛散することは防止できない。またギアの摩耗粉が発生して飛散した場合、ツバ状の潤滑剤遮断部では防止できない場合があった。また、回転経路の両サイドに設けられた潤滑剤除去部は、光遮断リブと接触させないと効果が小さく、接触させた場合には光遮断リブがある部分と光遮断リブがない部分との変わり目で、出力ギアの回転速度に変動が発生したり、場合によっては異常音が発生することがあった。さらに光遮断リブと潤滑剤除去部が接触することで、光遮断リブが摩耗した摩耗粉が発生し、その摩耗粉が光センサに付着してしまうこともあった。また、光遮断リブを出力ギアに設け、それに重なり合う位置に光センサを配置する必要があり、モータアクチュエータの厚さが厚くなってしまう、という問題もあった。
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、出力ギアの速度変動や異常音を発生することなく、潤滑剤やギアの摩耗粉が位相検知センサに付着することを防止し、長期間に渡って信頼性の高い位相検知が可能な薄型のモータアクチュエータ、当該モータアクチュエータを備えた給送装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、駆動手段と、前記駆動手段が発生する駆動力を伝達する少なくとも一つの伝達ギアと、前記伝達ギアにより伝達された駆動力を外部に出力する出力ギアと、前記出力ギアの回転位相を検出するために設けられた前記出力ギアの回転に伴って回転する回転体と、前記回転体の回転位相を検出する少なくとも一つの位相検知センサと、を備えたモータアクチュエータにおいて、前記出力ギアに当該回転軸と同軸に設けられた第1のプーリと、前記回転体に当該回転軸と同軸に設けられた第2のプーリと、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に架設された前記第1のプーリの駆動力を前記第2のプーリへ伝達するためのベルト部材と、前記出力ギアと前記回転体との間に設けられた異物防止壁と、をさらに備え、前記異物防止壁に前記ベルト部材を通すためのスリットが設けられ、そして、前記ベルト部材が、前記異物防止壁に設けた前記スリットを貫通した状態で前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に架設されていることを特徴とするモータアクチュエータに存する。
請求項2記載の発明は、前記ベルト部材が、交差した状態で前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に架設されていることを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項3記載の発明は、前記ベルト部材が、前記スリット内で交差するように設けられたことを特徴とする請求項2に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項4記載の発明は、前記出力ギアの回転軸と前記回転体の回転軸とが、互いにねじれの位置関係にあり、かつ、前記回転体が、当該回転軸が前記出力ギアの回転軸と垂直な面に対して平行になるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項5記載の発明は、前記位相検知センサが、少なくとも2つ設けられ、前記少なくとも2つの位相検知センサが、前記第2のプーリの回転軸方向に沿って並んで配置されると共に前記ベルト部材を挟んで対向する位置に配置されてることを特徴とする請求項4に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項6記載の発明は、前記出力ギアの回転軸と前記回転体の回転軸とが、互いにねじれの位置関係にあり、かつ、前記回転体が、当該回転軸が前記出力ギアの回転軸と垂直な面に対して傾斜するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項7記載の発明は、前記位相検知センサが、少なくとも2つ設けられ、前記少なくとも2つの位相検知センサが、前記第2のプーリの回転軸方向に沿って並んで配置されると共に前記ベルト部材を挟んで対向する位置に配置されてることを特徴とする請求項6に記載のモータアクチュエータに存する。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7何れか1項に記載のモータアクチュエータを用いることを特徴とする給送装置に存する。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の給送装置を用いることを特徴とする画像形成装置に存する。
以上説明したように請求項1、8及び9記載の発明によれば、ベルト部材によって出力ギアから離れた位置に回転体及び位相検知センサを設置することができる。さらに、回転体及び位相検知センサと、高速で回転する伝達ギア及び出力ギアと、の間に異物防止壁が設けられているため、出力ギアの速度変動や異常音を発生することなく、潤滑剤やギアの摩耗粉が位相検知センサに付着することを防止し、長期間に渡って信頼性の高い位相検知が可能なモータアクチュエータ、給送装置及び画像形成装置を得ることができる。
請求項2記載の発明によれば、ベルト部材を交差した状態で第1のプーリと第2のプーリとの間に架設することにより、ベルト部材が交差している付近に異物防止壁のスリットを設ければスリットの幅を小さくすることが可能となり、異物防止効果を高めることが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、スリット内でベルト部材を交差させることにより、異物防止壁に設けるスリットの幅をさらに小さくすることが可能となり、異物防止効果をより一層高めることが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、回転体の回転軸を出力ギアの回転軸と垂直な方向に設けることで、モータアクチュエータの厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータを提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、少なくとも2つの位相検知センサを、第2のプーリの回転軸方向に沿って並んで配置すると共にベルト部材を挟んで対向する位置に配置している。これにより、回転体の回転軸上において2つの位相検知センサに挟まれたデッドスペースに第2のプーリ及びベルト部材を設けることができるため、回転体の回転軸方向の長さを短くすることができる。しかも、回転体の回転軸を挟んで両側にそれぞれ位相検知センサを配置するスペースが必要ないので、より一層、モータアクチュエータの厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータを提供することができる。
請求項6記載の発明によれば、回転体の回転軸が出力ギアの回転軸と垂直な面に対して傾斜するように、回転体を配置することにより、ベルト部材が交差する際にベルト部材同士の接触がなくなり、異常音の発生やベルト部材の摩擦の進行を防止することが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、少なくとも2つの位相検知センサを、第2のプーリの回転軸方向に沿って並んで配置すると共にベルト部材を挟んで対向する位置に配置している。これにより、回転体の回転軸上において2つの位相検知センサに挟まれたデッドスペースに第2のプーリ及びベルト部材を設けることができるため、回転体の回転軸方向の長さを短くすることができる。しかも、回転体の回転軸を挟んで両側にそれぞれ位相検知センサを配置するスペースが必要ないので、より一層、モータアクチュエータの厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータを提供することができる。
第1実施形態
以下、第1実施形態における本発明のモータアクチュエータ1を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の後述する給送装置及び画像形成装置に組み込まれるモータアクチュエータ1は、モータハウジング2と、駆動手段としての直流モータ3と、減速装置4と、ジョイント5と、回転体としての回転遮断体6と、位相検知センサ71及び72と、第1のプーリ8と、第2のプーリ9と、ベルト部材10と、異物防止壁11と、を備えている。モータハウジング2は、受皿状に設けられたハウジング本体21と、ハウジング本体21の開口を塞ぐ蓋体22と、から構成されていて、後述する直流モータ3、減速装置4、回転遮断体6、位相検知センサ71及び72、第1のプーリ8、第2のプーリ9、ベルト部材10及び異物防止壁11を収容する。
直流モータ3は、駆動力を発生する駆動源であり、その出力軸31にウォームギアが設けられている。減速装置4は、伝達ギアとしての第1のギア41、第2のギア42及び第3のギア43と、出力ギア44と、を備えている。上記第1のギア41は、回転軸411と、歯車412及び413と、から構成されている。回転軸411は、上記モータハウジング2に回転可能に支持されている。歯車412及び413は、上記回転軸411に固定されている。そして、歯車412は、出力軸31のウォームギアに噛み合うように設けられている。上記第2のギア42は、回転軸421と、歯車422及び423と、から構成されている。回転軸421は、上記モータハウジング2に回転可能に支持されている。歯車422及び423は、上記回転軸421に固定されている。そして、歯車422は、第1のギア41の歯車413に噛み合うように設けられている。
上記第3のギア43は、回転軸431と、歯車432及び433と、から構成されている。回転軸431は、上記モータハウジング2に回転可能に支持されている。歯車432及び433は、上記回転軸431に固定されている。そして、歯車432は、第2のギア42の歯車423に噛み合うように設けられている。出力ギア44は、回転軸441と、歯車442と、から構成されている。回転軸441は、上記モータハウジング2に回転可能に支持されている。歯車442は、上記回転軸441に固定されている。そして、歯車442は、第3のギア43の歯車433に噛み合うように設けられている。ジョイント5は、モータハウジング2外部に設けられていて、出力ギア44の回転軸441に連結されている。ジョイント5には、上述した給送装置100の駆動軸103が連結される。上述した構成によれば、直流モータ3の駆動力が第1のギア41、第2のギア42、第3のギア43によって減速と同時に増力されて伝達されて大きな回転トルクとなって出力ギア44に連結されたジョイント5から出力される。
上記回転遮断体6は、図2及び図3に示すように、回転軸61と、遮断体62A〜62Cと、から構成されている。回転軸61は、出力ギア44の回転軸441と平行に上記モータハウジング2に回転可能に支持されている。遮断体62A〜62Cは、上記回転軸61の外側面から外側に向かって突出するように設けられている。遮断体62A〜62Cは、例えば回転軸61周りの位相の3/4を3分割するように3つ設けられている。この3つの遮断体62A〜62Cのうち、互いに1/2位相ずれて設けられた2つの遮断体62A及び62Bは、回転軸61上の位置が同じになるように回転軸61に固定されている。残りの一つの遮断体62Cは、回転軸61上の位置が遮断体62A及び62Bとは異なるように回転軸61に固定されている。
上記位相検知センサ71及び72は、本実施形態では2つ設けられている。本実施形態では、位相検知センサ71及び72として光センサを用いた場合について説明する。図2に示すように、位相検知センサ71及び72はそれぞれ、互いに対向する発光素子LE及び受光素子LDから構成されている。上記位相検知センサ71及び72は、ハウジング本体21の底壁から突出するボス211に圧入されてハウジング本体21に固定されている。そして、位相検知センサ71は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に遮断体62A及び62Bが通過するように配置されている。位相検知センサ72は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に遮断体62Cが通過するように配置されている。即ち、2つの位相検知センサ71及び72は、回転軸61上の位置が互いに異なるようにハウジング本体21に固定されている。位相検知センサ71及び72は、発光素子LEと受光素子LDとの間を遮断体62A〜62Cが通過している間は発光素子LEからの光が遮断体62A〜62Cによって遮断されるため、受光素子LDは発光素子LEからの光を受光することができない。一方、発光素子LEと受光素子LDとの間に遮断体62A〜62Cがない間は受光素子LDは発光素子LEからの光を受光することができる。よって、図4に示すように受光素子LDの受光状況によって遮断体62A〜62Cが発光素子LE及び受光素子LD間を通過していることを検出することができる。
上記第1のプーリ8は、出力ギア44にその回転軸441と同軸に設けられている。上記第2のプーリ9は、回転遮断体6にその回転軸61と同軸に設けられている。図2及び図3に示すように、第2のプーリ9は、回転軸61上において3つの遮断体62A〜62Cよりもハウジング本体21の底壁側に設けられている。上記第1のプーリ8及び第2のプーリ9は、凹凸形状を持つタイミングプーリである。また、第2のプーリ9は、第1のプーリ8よりも半径が小さくなるように設けられている。上記ベルト部材10は、上記第1のプーリ8と第2のプーリ9との間に架設されている。上記ベルト部材10は、タイミングベルトを用いている。上述した第1のプーリ8、第2のプーリ9及びベルト部材10により、出力ギア44の回転軸441の回転が回転遮断体6に伝達されて、出力ギア44の回転量に応じて回転遮断体6が回転する。
上記異物防止壁11は、上述した出力ギア44と回転遮断体6との間に設けられている。異物防止壁11は、上記ハウジング本体21の底壁から立設して設けられている。上記位相検知センサ71及び72と回転遮断体6とは、図1に示すように、上記異物防止壁11及びハウジング本体21の側壁に囲まれた空間に配置されている。この異物防止壁11にはベルト部材10を通すためのスリット11Aが設けられている。ベルト部材10は、異物防止壁11に設けたスリット11Aを貫通した状態で第1のプーリ8と第2のプーリ9との間に架設されている。
次に、上述した構成のモータアクチュエータ1の動作について説明する。直流モータ3が駆動力を発生してその出力軸31が回転すると、その駆動力は第1のギア41〜第3のギア43により伝達されて出力ギア44が回転する。この出力ギア44の回転は、第1のプーリ8、第2のプーリ9及びベルト部材10によって回転遮断体6に伝達されて、回転遮断体6が回転する。そして、図4に示すように、遮断体62A及び62Bの通過を検知する位相検知センサ71の出力と、遮断体62Cの通過を検知する位相検知センサ72の出力と、の組み合わせによって出力ギア44の回転位相を検知することができる。
上述した第1実施形態によれば、べルト部材10によって出力ギア44から離れた位置に回転遮断体6及び位相検知センサ71及び72を設置することができる。さらに、回転遮断体6及び位相検知センサ71及び72と、高速で回転する伝達ギアである第1のギア41、第2のギア42、第3のギア43及び出力ギア44と、の間に異物防止壁11が設けられているため、出力ギア44の速度変動や異常音を発生することなく、潤滑剤やギアの摩耗粉が位相検知センサ71及び72に付着することを防止し、長期間に渡って信頼性の高い位相検知が可能なモータアクチュエータ1を得ることができる。
第2実施形態
次に、第2実施形態における本発明のモータアクチュエータ1を図5に基づいて説明する。なお、図5において、上述した第1実施形態で既に説明した図1に示すモータアクチュエータ1と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。第1実施形態と第2実施形態とで大きく異なる点は、ベルト部材10の架設の仕方である。第1実施形態では、ベルト部材10を交差することなく第1のプーリ8と第2のプーリ9との間に架設していたが、第2実施形態では、ベルト部材10が、交差した状態で第1のプーリ8と第2のプーリ9との間に架設されている。さらに、ベルト部材10は、異物防止壁11に設けたスリット11A内で交差するように設けられている。このように交差することにより、第1のプーリ8と第2のプーリ9との間のベルト部材10の幅を小さくすることができる。よって、異物防止壁11に設けるスリット11Aの幅を小さくすることが可能となり、異物防止効果を高めることが可能となる。
なお、上述した第2実施形態では、スリット11A内でベルト部材10が交差するように設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。スリット11A外でベルト部材10が交差するように設けても、ベルト部材10の交差点付近にスリット11Aを設ければ、第1実施形態に比べてスリット11Aの幅を小さくすることができ、異物防止効果を高めることができる。
第3実施形態
次に、第3実施形態における本発明のモータアクチュエータ1を図6及び図7に基づいて説明する。なお、図6において、上述した第1実施形態で既に説明した図1に示すモータアクチュエータ1と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。第1実施形態と第3実施形態とで大きく異なる点は、回転遮断体6の構成と、回転遮断体6及び位相検知センサ71、72の配置位置である。図7に示すように、回転遮断体6を構成する回転軸61の中央部に、第2のプーリ9が設けられている。そして、第2のプーリ9を挟む一対のフランジ部91の一方から回転軸61の一端に向かって遮断体62Dが突設され、一対のフランジ部91の他方から回転軸61の他端に向かって遮断体62Eが突設されている。遮断体62D及び62Eは、回転軸61の軸周りに沿って1/2位相に亘って立設されている。遮断体62D及び62Eは、互いに1/4位相ずれた位置に配置されている。
そして、上述した第1実施形態では、出力ギア44の回転軸441と回転遮断体6の回転軸61とが互いに平行になるように回転遮断体6が配置されていたが、第3実施形態では出力ギア44の回転軸441と回転遮断体6の回転軸61とが垂直になるように回転遮断体6が配置されている。詳しくは、出力ギア44の回転軸441と回転遮断体6の回転軸61とが互いにねじれの位置関係にあり、かつ、回転遮断体6が、その回転軸61が出力ギア44の回転軸441と垂直な面に対して平行になるように配置されている。このように回転遮断体6を配置することにより、ベルト部材10は当然交差した状態で第1のプーリ8と第2のプーリ9との間に架設される。
また、位相検知センサ71は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に上述した遮断体62Dが通過するように配置されている。位相検知センサ72は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に上述した遮断体62Eが通過するように配置されている。即ち、位相検知センサ71及び72は、第2のプーリ9の回転軸61方向に沿って並んで配置されると共にベルト部材10を挟んで対向する位置に配置されている。言い換えると、位相検知センサ71及び72は、第2のプーリ9を挟んで互いに対称に配置されている。
上述した第3実施形態によれば、回転遮断体6の回転軸61を出力ギア44の回転軸441と垂直な方向に設けることにより、モータアクチュエータ1の出力ギア44の回転軸41方向の厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータ1を提供することができる。
また、上述した第3実施形態によれば、2つの位相検知センサ71及び72を、第2のプーリ9の回転軸61方向に沿って並んで配置すると共にベルト部材10を挟んで対向する位置に配置している。これにより、回転軸61上において位相検知センサ71及び72に挟まれたデットスペースに第2のプーリ9及びベルト部材10を設けることができるため、回転遮断体6の回転軸61方向の長さを短くすることができる。しかも、第1実施形態のように回転軸61を挟んで両側に位相検知センサ71及び72を確保するスペースが必要ないので、より一層、モータアクチュエータ1の厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータ1を提供することができる。
なお、上述した第3実施形態によれば、図7に示すような構成の回転遮断体6をその回転軸61が出力ギア44の回転軸441に対して垂直になるように配置していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、上述した第1実施形態で説明した図2に示すような構成の回転遮断体6をその回転軸61が出力ギア44の回転軸441に対して垂直になるように配置してもよい。また、図7に示すような構成の回転遮断体6を第1実施形態と同様にその回転軸61が出力ギア44の回転軸441と平行になるように配置してもよい。
第4実施形態
次に、第4実施形態における本発明のモータアクチュエータ1を図8に基づいて説明する。なお、図8において、上述した第1実施形態で既に説明した図1に示すモータアクチュエータ1と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。第1実施形態と第4実施形態とで大きく異なる点は、回転遮断体6の構成と、回転遮断体6及び位相検知センサ71、72の配置位置である。図8に示すように、回転遮断体6を構成する回転軸61の中央部に、第2のプーリ9が設けられている。そして、この第2のプーリ9を挟むように一対の遮断体62F及び62Gが設けられている。一対の遮断体62F及び62Gは、回転軸61の外側面から外側に向かって突出するように設けられている。一対の遮断体62F及び62Gにはそれぞれ互いに1/2位相ずれた位置に設けられた一対の遮断部Sが設けられている。また、一対の遮断体62F及び62Gは、互いに1/2位相ずれた位置に配置されている。
そして、上述した第4実施形態では、出力ギア44の回転軸441と回転遮断体6の回転軸61とが互いに平行になるように回転遮断体6が配置されていたが、第4実施形態では回転遮断体6を、その回転軸61が出力ギア44の回転軸441と垂直より約10度傾くように配置されている。詳しくは、出力ギア44の回転軸441と回転遮断体6の回転軸61とが互いにねじれの位置関係にあり、かつ、回転遮断体6が、その回転軸61が出力ギア44の回転軸441と垂直な面に対して傾斜するように配置されている。
また、位相検知センサ71は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に上述した遮断体62Fの遮断部Sが通過するように配置されている。位相検知センサ72は、回転遮断体6の回転に伴って発光素子LEと受光素子LDとの間に上述した遮断体62Gの遮断部Sが通過するように配置されている。即ち、位相検知センサ71及び72は、第2のプーリ9の回転軸61方向に沿って並んで配置されると共にベルト部材10を挟んで対向する位置に配置されている。言い換えると、位相検知センサ71及び72は、第2のプーリ9を挟んで互いに対称に配置されている。
上述した第4実施形態によれば、回転遮断体6の回転軸61が出力ギア44の回転軸441と垂直な面に対して傾斜するように、回転遮断体6を配置することにより、ベルト部材10が交差する際にベルト部材10同士の接触がなくなり、異常音の発生やベルト部材10の摩擦の進行を防止することが可能となる。
また、上述した第4実施形態によれば、2つの位相検知センサ71及び72を、第2のプーリ9の回転軸61方向に沿って並んで配置すると共にベルト部材10を挟んで対向する位置に配置している。これにより、回転軸61上において位相検知センサ71及び72に挟まれたデットスペースに第2のプーリ9及びベルト部材10を設けることができるため、回転遮断体6の回転軸61方向の長さを短くすることができる。しかも、第1実施形態のように回転軸61を挟んで両側に位相検知センサ71及び72を確保するスペースが必要ないので、より一層、モータアクチュエータ1の厚さを厚くすることなく、薄型のモータアクチュエータ1を提供することができる。
なお、上述した第4実施形態によれば、図8に示すような構成の回転遮断体6を、その回転軸61が出力ギア44の回転軸441と垂直より約10度傾くように配置していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、上述した第1実施形態で説明した図2や第3実施形態で説明した図7に示すような構成の回転遮断体6をその回転軸61が出力ギア44の回転軸441に対して垂直より約10度傾くように配置してもよい。また、図8に示すような構成の回転遮断体6を第1実施形態と同様にその回転軸61が出力ギア44の回転軸441と平行になるように配置してもよい。
また、上述した第1〜第4実施形態によれば、位相検知センサとして光センサを用いた場合を説明したが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、位相検知センサとしてホールICなどの磁気センサを用いて、出力ギア44の回転に伴って回転する回転体にマグネットを設けて、出力ギア44の位相を検知するようにしてもよい。
また、上述した第1〜第4実施形態によれば、位相検知センサを2つ設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。位相検知センサとしては少なくとも1つ設けていればよく、1つだけ設けてもいいし、3つ以上設けても良い。
次に、上記各実施形態にかかる何れかのモータアクチュエータ1を備えた給送装置100及び画像形成装置を図9〜図13に基づいて説明する。本実施形態に係る画像形成装置としての4連タンデム直接転写方式のカラーレーザープリンタ(以下単に「カラーレーザプリンタ」)は、2つの給送装置100を有している。上記給送装置100の構成は背景技術で既に説明しているので、ここでは詳細な説明は省略する。2つの給送装置100はそれぞれ、上述したモータアクチュエータ1を用いて底板102上に積層された印刷媒体106を搬送手段105に導き、搬送手段105により最上のものから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対80を介してレジストローラ対81へ向けて搬送される。
給紙された印刷媒体106は、レジストローラ対81で一旦停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する感光ドラム1M上に形成された画像の先端と印刷媒体106の搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対81の回転動作により転写ベルト83へ向けて搬送される。印刷媒体106は、転写ベルト83とこれに当接した図示しない紙吸着ローラとで構成される紙吸着ニップを通過する際、紙吸着ローラに印加されるバイアスにより転写ベルト83に静電力で吸着され、所定のプロセス線速にて搬送される。
転写ベルト83に吸着された印刷媒体は、転写ベルト83を挟んで各色の感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkと対向した位置に配置された転写バイアス印加部材としての転写ローラ51M、51C、51Y、51Bkにトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアスが印加されることにより、各感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkに作像されたトナー像がマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の順で転写される。なお、感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkに対するトナー像の作像は以下の手順で行われている。まず、上記感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkは、帯電ローラ2M、2C、2Y、2Bkによってそれぞれ均一に帯電される。その後、光書き込みユニット82によって感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bk上に露光光3M、3C、3Y、3Bkが照射されて静電潜像が形成される。この感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkに形成された静電潜像は、現像ユニット4M、4C、4Y、4Bkによって現像され、感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bk上にトナー像が形成される。トナー像が転写された後に感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkは、クリーニング手段6M、6C、6Y、6Bkによってクリーニングされる。
各色の転写工程を経た印刷媒体106は、下流側の駆動ローラ84の部位で転写ベルト83から曲率分離され、定着装置85へ搬送される。定着装置85における定着部材としての定着ベルト86と加圧部材としての加圧ローラ87により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により印刷媒体106に定着される。定着がなされた印刷媒体は、片面印刷モードの場合には、装置本体の上面に形成された排紙トレイ88へと排出される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。