先ず、本発明に係る複合型観察装置の基本的な概念について説明する。
図1は、本実施例に係る複合型観察装置10の構成を概略的に示す説明図である。なお、以下の説明では、図1を正面視した左右方向をX方向、図1に直交する方向をY方向、XY平面に直交する方向をZ方向とする。図2は、複合型観察装置10の表示画面25aに表示された観察画像とその切り換えの様子を説明するための説明図であり、図3は、図2とは異なる場面での表示画面25aにおける表示と切り換えの様子を説明するための図2と同様の説明図であり、図4は、図2および図3とは異なる場面での表示画面25aにおける表示と切り換えの様子を説明するための図2および図3と同様の説明図である。
複合型観察装置10は、装置本体11に、制御部12が接続されて構成されている。装置本体11は、試料室13と、載置台機構14と、観察光学系15と、走査型電子顕微鏡16(以下では、SEM(Scanning Electron Microscope)16という)、と駆動部17とを備える。
試料室13は、気密空間を形成するための筐体であり、図示は略すが観察対象18の出し入れのための扉が設けられている。この試料室13は、気密性を有する構成とされており、真空装置19が設けられている。この真空装置19は、駆動部17からの駆動信号に応じて駆動され、試料室13を真空状態とする。この試料室13の内方に載置台機構14が設けられている。
載置台機構14は、載置台20と台移動部21とを有する。載置台20は、観察対象18を載置するための載置面20aを形成する。この載置台20は、図示は略すが載置面20aに載置された観察対象18を固定的に保持可能とされており、台移動部21による移動により載置面20a上における観察対象18の位置ずれが防止されている。台移動部21は、載置面20aがXY平面と平行な状態を維持しつつ、XY平面に沿って移動可能にかつZ方向に移動可能に載置台20を保持する。この台移動部21は、駆動部17からの駆動信号に応じて載置台20をXY平面に沿って移動させ、かつZ方向に移動させる。この載置台機構14では、図示は略すが、台移動部21による載置台20(載置面20a)の移動のための基準位置が設定されている。
この基準位置とされた載置台20(載置面20a)の中心を通りZ方向に沿う観察光軸15aを有するように、観察光学系15が設けられている。観察光学系15は、試料室13に気密的に取り付けられており、光学顕微鏡22と計測光学系23とが組み合わされ、単一の対物レンズ42(図8ないし図11参照)を共有する構成とされている。この光学顕微鏡22と計測光学系23とは、互いに共通の観察光軸15aとされている。観察光学系15では、計測光学系23が、光学顕微鏡22の分解能よりも高い分解能とされており、高さ方向(Z方向)の寸法の計測が可能とされている。また、計測光学系23は、SEM16よりも低い分解能とされており、当該SEM16と光学顕微鏡22との中間の分解能を有する設定とされている。例えば、光学顕微鏡22は、10〜100倍位の分解能を有し、計測光学系23は、おおよそ1000倍位の分解能を有し、SEM16は、1〜3万倍位の分解能を有している。このような計測光学系23としては、後述するように、共焦点顕微鏡、レーザ顕微鏡または干渉計を用いることにより形成することができる。この光学顕微鏡22、計測光学系23およびSEM16は、それぞれの分解能において後述する表示器25(表示画面25a)により表示可能な領域に応じた領域で、観察対象18を観察(画像データの取得)可能である。換言すると、光学顕微鏡22、計測光学系23およびSEM16は、それぞれの分解能に応じた大きさ寸法の領域を観察する(当該領域の画像データを取得する)ように設定されている。
観察光学系15には、光学顕微鏡22および計測光学系23により取得される観察対象18からの画像データ(反射された光)を受光するための受光部24が設けられ、受光部24で受信された画像データは、電気信号に変換されて駆動部17を経て後述する制御部12に送信される。この観察光学系15の具体的な構成は後述する。この観察光学系15では、駆動部17からの駆動信号に応じて、光学顕微鏡22および計測光学系23における倍率の変更、光学顕微鏡22と計測光学系23との切り換え等が為される。
この観察光学系15の観察光軸15aに走査軸16aが交差するようにSEM16が設けられている。SEM16は、試料室13に気密的に取り付けられており、走査軸16aが基準位置とされた載置台20(載置面20a)の中心で観察光軸15aと交差するように設けられている。すなわち、SEM16は、Z方向に対して所定の角度(一例として約60°)傾斜している。この所定の角度は、載置台20(載置面20a)に載置された観察対象18の電子観察画像32(図2参照)の適切な取得を可能とすることや観察光学系15等との配置位置関係を考慮して、適宜決定すればよい。
SEM16は、図示は略すが、電子銃と集束レンズ(コンデンサレンズ)と走査コイルと対物レンズとを有し、電子銃から出射され、集束レンズ、走査コイルおよび対物レンズを経た走査軸16aに沿う電子線で観察対象18を走査し、試料室13に設けられた検出器で観察対象18に反射される反射電子および当該観察対象18から出射される二次電子等を検出することにより、観察対象18の画像を得るものである。このことから、SEM16の走査軸16aとは、走査コイル(図示せず)の作用により走査される中心位置をいう。この試料室13に設けられた検出器(図示せず)で受信された画像データは、電気信号に変換されて駆動部17を経て後述する制御部12に送信される。SEM16は、駆動部17からの駆動信号に応じて、倍率の変更、観察のための駆動が為される。
駆動部17は、観察光学系15、SEM16、載置台機構14および真空装置19に電気的に接続されており、これらを駆動すべく駆動信号を送信可能とされている。この駆動部17に制御部12が接続されている。
制御部12には、表示器25と指示器26とが接続されている。表示器25は、表示画面25aを有し、制御部12により駆動制御される。この表示画面25aに、観察光学系15(光学顕微鏡22および計測光学系23)により取得された観察画像およびSEM16により取得された観察画像が適宜表示される。
指示器26は、複合型観察装置10を使用すべく操作可能なものであり、為された操作が制御部12により読み取られる。この指示器26は、後述する表示領域を示す記号(図2または図3の符号33、34、35参照)の表示の有無、当該記号の移動、光学顕微鏡22と計測光学系23とSEM16との切り換え操作、この光学顕微鏡22と計測光学系23とSEM16における倍率の調整等のために操作される。
制御部12は、表示器25および装置本体11を統括的に制御するものであり、装置本体11の各構成部を駆動すべく駆動部17に制御信号を適宜送信する。また、制御部12は、観察光学系15により取得された観察画像(光学観察画像30および計測観察画像31(図2等参照))およびSEM16により取得された観察画像(電子観察画像(SEM観察画像)32(図2等参照))を表示画面25aに表示させるべく表示器25を駆動制御するとともに、観察画像を表示させた表示画面25a上に表示領域を示す記号を表示させるべく表示器25を駆動制御する。この表示領域を示す記号としては、計測表示枠33(図2参照)と、電子表示枠34(図2参照)と、電子表示点35(図3参照)とがある。計測表示枠33は、図2に示すように、表示画面25aに観察光学系15の光学顕微鏡22により取得された光学観察画像30が表示されている際に、この光学観察画像30上において、計測光学系23の分解能で見た表示領域の大きさ寸法、すなわち当該計測光学系23により取得された観察画像(計測観察画像31(図2等参照))として表示画面25aに一時に表示可能な領域である計測表示領域を示すものである。また、電子表示枠34は、表示画面25aに観察光学系15の計測光学系23により取得された計測観察画像31が表示されている際に、この計測観察画像31上において、SEM16の分解能で見た表示領域の大きさ寸法、すなわち当該SEM16により取得された観察画像(電子観察画像32(図2参照))として表示画面25aに一時に表示可能な領域である電子表示領域を示すものである。さらに、電子表示点35は、図3に示すように、表示画面25aに観察光学系15の光学顕微鏡22により取得された光学観察画像30が表示されている際に、この光学観察画像30上において、SEM16の分解能で見た表示領域の大きさ寸法、すなわち当該SEM16により取得された観察画像(電子観察画像32(図2参照))として表示画面25aに一時に表示可能な領域である電子表示領域を示すものである。
この制御部12には、記憶部27が設けられている。この記憶部27は、制御部12の制御下で、表示画面25aに表示させた各観察画像(光学観察画像30、計測観察画像31および電子観察画像32)を格納可能(観察画像としての画像データを格納可能)であるとともに、各観察画像間での位置情報を格納可能である。この記憶部27への格納は、指示器26に為された操作に応じて為されるものでも、表示画面25aに表示させたものは全て為されるものでもよい。
また、制御部12は、表示画面25aに観察画像を表示させている場合、当該観察画像に関連する他の観察画像を記憶部27に格納していると、格納している他の観察画像の位置に合致する計測表示枠(以下、既知計測枠36(図4参照)という)、電子表示枠(以下、既知電子枠37という)および電子表示点(以下、既知電子点38という)を表示することができる。本実施例では、この既知計測枠36、既知電子枠37および既知電子点38は、これからの観察画像の取得のために表示する計測表示枠33、電子表示枠34および電子表示点35と同様のものである。このため、計測表示枠33、電子表示枠34および電子表示点35と、既知計測枠36、既知電子枠37および既知電子点38とは、例えば互いの色を異なるものとして表示する等のように一見して判別できるものとすることが望ましい。
この制御部12は、本実施例では、複合型観察装置10の装置本体11の制御のためのソフト(プログラム)がインストールされたコンピュータで構成され、表示器25は、モニタで構成され、指示器26は、コンピュータに接続されたマウス(キーボード)で構成されている。
次に、複合型観察装置10における制御処理の流れを、図5ないし図7に示すフローチャートに沿って述べる。ここで、図5は、光学顕微鏡22で観察を行う場面を示し、図6は、図5からの続きであって計測光学系23で観察を行う場面を示し、図7は、図6からの続きであってSEM16で観察を行う場面を示している。
ステップS1では、駆動操作が為されることで複合型観察装置10が動作状態となり、制御部12は、試料室13に設けられた載置台機構14を駆動させて載置台20(載置面20a)を基準位置へと移動させる。制御部12がソフト(プログラム)がインストールされたコンピュータである場合、当該コンピュータの電源がON状態とされ、インストールされたソフト(プログラム)が起動されることで動作状態となる。このとき、制御部12は、図示は略すが、表示画面25aに、観察終了の操作のためのアイコンと、セット完了の操作のためのアイコンと、1つ前の画面に戻る操作のためのアイコンとを、表示させる。観察終了の操作のためのアイコンは、複合型観察装置10が動作状態とされている間は常に表示されており、指示器26を介するアイコンの操作により観察終了の信号を制御部12が受けることで、このフローチャートが終了される。また、1つ前の画面に戻る操作のためのアイコンは、複合型観察装置10が動作状態とされている間は常に表示されており、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る信号を制御部12が受けることで、制御部12は、現在表示画面25aに表示させている画面の1つ前の画面を表示画面25aに表示させる。制御部12が、指示器26を介するアイコンの操作によりセット完了の信号を受けると、ステップS2へ移行する。なお、ここでのセットとは、観察対象18を載置面20aに適切に載置することをいう。
ステップS2では、制御部12は、載置された観察対象18を載置面20aに固定的に保持させ、試料室13の扉(図示せず)が閉じていることを確認した後、真空装置19を駆動させて試料室13を真空状態とする。
ステップS3では、制御部12は、光学顕微鏡22による光学観察画像30を表示画面25aに表示させて(図2参照)、ステップS4に移行する。ここで、試料室13が真空装置19により真空引きされている間であっても、光学観察画像30を表示画面25aに表示させることができる。このとき、制御部12は、図示は略すが、光学観察画像30の保存の操作のためのアイコンと、計測表示枠33および電子表示点35を表示させる操作のためのアイコンと、既知計測枠36および既知電子点38を表示させる操作のためのアイコンと、を表示画面25aに表示させる。制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により保存の操作の信号をうけると、表示画面25aに表示された光学観察画像30を記憶部27に格納させる。
ステップS4では、制御部12は、既知計測枠36および既知電子点38を表示させる操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、ステップS5へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS13へ移行する。
ステップS5では、現在表示画面25aに表示している光学観察画像30に関連する計測観察画像31または電子観察画像32が、記憶部27に格納されているか否かを判断する。格納されている場合、ステップS6へ移行し、格納されていない場合、ステップS4へ移行する。本実施例では、ステップS4へ移行する場合、制御部12が、関連する計測観察画像31または電子観察画像32が格納されていない旨の表示を表示画面25aに表示させる。
ステップS6では、制御部12は、表示している光学観察画像30に重ねて、格納している計測観察画像31の位置情報に基づいて既知計測枠36を表示させるとともに、格納している電子観察画像32の位置情報に基づいて既知電子点38を表示させる(図4参照)。その後、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、1つ前の画面(既知計測枠36および既知電子点38が表示されていない状態)に戻してステップS4へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、表示された既知計測枠36が選択されたか否かを判断する。選択された場合(図4矢印A3参照)、ステップS9へ移行し、選択されていない場合、ステップS11へ移行する。
ステップS9では、制御部12は、選択された既知計測枠36の位置情報に合致する計測観察画像31を、記憶部27から読み出して表示画面25aに表示させる(図4参照)。その後、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、制御部12は、表示画面25aの表示を維持し、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されると、1つ前の画面(光学観察画像30に重ねて既知計測枠36および既知電子点38を表示されている状態)に戻してステップS7へ移行する。
ステップS11では、表示された既知電子点38が選択されたか否かを判断する。選択された場合(図4矢印A4参照)、ステップS12へ移行し、選択されていない場合、ステップS7へ移行する。
ステップS12では、制御部12は、選択された既知電子点38の位置情報に合致する電子観察画像32を、記憶部27から読み出して表示画面25aに表示させる(図4参照)。その後、ステップS10へ移行する。
ステップS13では、制御部12は、計測表示枠33および電子表示点35を表示させる操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、ステップS14へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS4へ移行する。ここで、計測表示枠33または電子表示点35のいずれか一方のみ表示を選択可能な構成としてもよい。
ステップS14では、制御部12は、表示画面25aに表示された光学観察画像30上に計測表示枠33および電子表示点35を表示させる(図2および図3参照)。ここで、指示器26による操作により、光学観察画像30上の任意の位置が指定(以下、指定位置d1という)される(計測表示枠33を移動させる旨の指示が為される)と、制御部12は、当該指示に応じて指定位置d1が中心となるように計測表示枠33および電子表示点35を移動させる(図2矢印A1参照)。この指示器26による操作は、本実施例では、表示画面25a上の指示アイコンによる指示位置を移動させることとなる。その後、ステップS15へ移行する。
ステップS15では、制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、1つ前の画面(計測表示枠33および電子表示点35が表示されていない状態)に戻してステップS4へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、制御部12は、表示させた計測表示枠33が選択されたか否かを判断する。選択された場合、Aの処理(計測光学系23による観察(図6参照))へ移行し、選択されていない場合、ステップS17へ移行する。すなわち、計測表示枠33の選択は、当該計測表示枠33により指定された(囲まれた)領域を観察位置として光学顕微鏡22から計測光学系23へと切り換えの指示が為されたこととなる。
ステップS17では、制御部12は、表示させた電子表示点35が選択されたか否かを判断する。選択された場合、Bの処理(SEM16による観察(図7参照))へ移行し、選択されていない場合、ステップS15へ移行する。すなわち、電子表示点35の選択は、当該電子表示点35により指定された(囲まれた)領域を観察位置として光学顕微鏡22からSEM16へと切り換えの指示が為されたこととなる。
図6(計測光学系23による観察)に移行する。
ステップS18では、制御部12は、表示画面25aに表示している計測表示枠33内を、観察光学系15の計測光学系23により取得した計測観察画像31として、表示画面25aに表示させるべく、載置台20(載置面20a)を移動させる。すなわち、制御部12は、表示画面25aに表示された光学観察画像30の中心位置と、指定位置d1(表示された計測表示枠33の中心位置)との差異(図2矢印A1参照)に基づいて、指定位置d1が観察光軸15a上に位置するように装置本体11の載置台機構14を駆動させる制御信号を駆動部17に送信するとともに、光学顕微鏡22から計測光学系23へと切り換える制御信号を駆動部17に送信する。この制御信号により、載置台機構14では、観察光軸15a上に指定位置d1が位置するように載置台20(載置面20a)が移動される。その後、ステップS19へ移行する。
ステップS19では、制御部12は、計測光学系23により取得した計測観察画像31を表示画面25aに表示させて(図2参照)、ステップS20に移行する。この計測観察画像31は、ステップS18における載置台20(載置面20a)の移動により、指定位置d1を中心とするものとなる。このとき、制御部12は、図示は略すが、計測観察画像31の保存の操作のためのアイコンと、計測光学系23によるZ方向の寸法の計測を実行させる操作のためのアイコンと、電子表示枠34を表示させる操作のためのアイコンと、既知電子枠37を表示させる操作のためのアイコンと、を表示画面25aに表示させる。制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により保存の操作の信号をうけると、表示画面25aに表示された計測観察画像31を記憶部27に格納させる。この記憶された計測観察画像31は、記憶された光学観察画像30における位置の認識が可能である。
ステップS20では、制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、1つ前の画面(光学観察画像30に重ねて計測表示枠33および電子表示点35を表示されている状態)に戻してV(図5参照)へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS21へ移行する。
ステップS21では、制御部12は、計測光学系23によるZ方向の寸法の計測を実行させる操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、ステップS22へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS23へ移行する。
ステップS22では、制御部12は、計測光学系23に、観察対象18のZ方向の寸法を計測させる。すなわち、観察対象18を3次元的に観察して、その3次元データを取得する。この後、制御部12は、計測観察画像31におけるZ方向の寸法の情報を、計測観察画像31の情報とともに記憶部27に格納する。その後、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、制御部12は、既知電子枠37を表示させる操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、ステップS24へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS30へ移行する。
ステップS24では、現在表示画面25aに表示している計測観察画像31に関連する電子観察画像32が、記憶部27に格納されているか否かを判断する。格納されている場合、ステップS25へ移行し、格納されていない場合、ステップS20へ移行する。本実施例では、ステップS20へ移行する場合、制御部12が、関連する電子観察画像32が格納されていない旨の表示を表示画面25aに表示させる。
ステップS25では、制御部12は、表示している計測観察画像31に重ねて、格納している電子観察画像32の位置情報に基づいて既知電子枠37を表示させる(図4参照)。その後、ステップS26へ移行する。
ステップS26では、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、1つ前の画面(計測観察画像31に重ねて既知電子枠37が表示されていない状態)に戻してステップS20へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS27へ移行する。
ステップS27では、表示された既知電子枠37が選択されたか否かを判断する。選択された場合(図4矢印A5参照)、ステップS28へ移行し、選択されていない場合、ステップS26へ移行する。
ステップS28では、制御部12は、選択された既知電子枠37の位置情報に合致する電子観察画像32を、記憶部27から読み出して表示画面25aに表示させる(図4参照)。その後、ステップS29へ移行する。
ステップS29では、制御部12は、表示画面25aの表示を維持し、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されると、1つ前の画面(計測観察画像31に重ねて既知電子枠37が表示されている状態)に戻してステップS26へ移行する。
ステップS30では、制御部12は、電子表示枠34を表示させる操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、ステップS31へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS20へ移行する。
ステップS31では、制御部12は、表示画面25aに表示された計測観察画像31上に電子表示枠34を表示させる(図2参照)。ここで、指示器26による操作により、計測観察画像31上の任意の位置が指定(以下、指定位置d2という)される(電子表示枠34を移動させる旨の指示が為される)と、制御部12は、当該指示に応じて指定位置d2が中心となるように電子表示枠34を移動させる(図2矢印A2参照)。この指示器26による操作は、本実施例では、表示画面25a上の指示アイコンを移動となる。その後、ステップS32へ移行する。
ステップS32では、制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されたか否かを判断する。操作が為された場合、1つ前の画面(計測観察画像31に重ねて電子表示枠34が表示されていない状態)に戻してステップS20へ移行し、操作が為されていない場合、ステップS33へ移行する。
ステップS33では、制御部12は、表示させた電子表示枠34が選択されたか否かを判断する。選択された場合、B(SEM16による観察)へ移行し、選択されていない場合、ステップS32へ移行する。すなわち、電子表示枠34の選択は、当該電子表示枠34により指定された(囲まれた)領域を観察位置として計測光学系23からSEM16へと切り換えの指示が為されたこととなる。
図7(SEM16による観察)に移行する。
ステップS34では、制御部12は、表示画面25aに表示させている計測観察画像31のZ方向の寸法の情報が、記憶部27に格納されているか否かを判断する。格納されている場合、ステップS35へ移行し、格納されていない場合、ステップS36へ移行する。
ステップS35では、制御部12は、表示画面25aに表示している電子表示枠34内を、SEM16により取得した電子観察画像32として、表示画面25aに表示させるべく、載置台20(載置面20a)を移動させる。すなわち、制御部12は、表示画面25aに表示された計測観察画像31の中心位置と、指定位置d2(表示された電子表示枠34の中心位置)との差異(図2矢印A2参照)に基づいて、指定位置d2がSEM16の走査軸16a上に位置するように装置本体11の載置台機構14を駆動させる制御信号を駆動部17に送信するとともに、計測光学系23からSEM16へと切り換える制御信号を駆動部17に送信する。このとき、制御部12は、観察対象18における指定位置d2のZ方向の寸法(載置面20aからの高さ位置)を考慮して、観察対象18における指定位置d2が、適切に走査軸16a上に位置するように、Z方向へも載置台20(載置面20a)を移動させる。これにより、載置台機構14では、観察対象18における指定位置d2が、適切に走査軸16a上に位置するように載置台20(載置面20a)が移動される。
ステップS36では、制御部12は、表示画面25aに表示している電子表示枠34内を、SEM16により取得した電子観察画像32として、表示画面25aに表示させるべく、載置台20(載置面20a)を移動させる。すなわち、制御部12は、表示画面25aに表示された計測観察画像31の中心位置と、指定位置d2(表示された電子表示枠34の中心位置)との差異に基づいて、指定位置d2がSEM16の走査軸16a上に位置するように装置本体11の載置台機構14を駆動させる制御信号を駆動部17に送信するとともに、計測光学系23からSEM16へと切り換える制御信号を駆動部17に送信する。この制御信号により、載置台機構14では、走査軸16a上に指定位置d2が位置するように載置台20(載置面20a)が移動される。
ステップS37では、制御部12は、SEM16により取得した電子観察画像32を表示画面25aに表示させて(図2参照)、ステップS38に移行する。この電子観察画像32は、ステップS35またはステップS36における載置台20(載置面20a)の移動により、指定位置d2を中心とするものとなる。このとき、制御部12は、図示は略すが、電子観察画像32の保存の操作のためのアイコンを表示画面25aに表示させる。制御部12は、指示器26を介するアイコンの操作により保存の操作の信号をうけると、表示画面25aに表示された電子観察画像32を記憶部27に格納させる。この記憶された電子観察画像32は、記憶された光学観察画像30または計測観察画像31における位置の認識が可能である。また、この電子観察画像32は、記憶された計測観察画像31にZ方向の寸法の情報が付随されている場合、そのZ方向の寸法の情報とともに、記憶部27に格納されることとなる。
ステップS38では、制御部12は、表示画面25aの表示を維持し、指示器26を介するアイコンの操作により1つ前の画面に戻る操作が為されると、1つ前の画面(計測観察画像31に重ねて計測表示枠33が表示されている状態)に戻してW(図6参照)へ移行する。
次に、観察光学系15の具体的な構成の例について説明する。ここで、載置台機構14およびSEM16は、既に説明したものであることから、以下の説明では、その説明を省略する。
図8は、計測光学系23として干渉計501を用いた観察光学系(以下、観察光学系151とする)を説明するための説明図である。
観察光学系151は、光学顕微鏡22と干渉計501とが組み合わされている。
光学顕微鏡22は、光源40とハーフミラー41と対物レンズ42と結像レンズ43とCCD44とを有する。光源40には、本実施例では白色LEDが用いられ、この光源40とハーフミラー41と対物レンズ42とが、観察光軸15a上に配置されている。このハーフミラー41は、観察光軸15aに対して約45度の傾斜とされ、当該ハーフミラー41に対して約45度の傾斜でありかつ観察光軸15aに対して直交する線が法線となるようにCCD44(上述した受光部24に相当する)が配置されている。この光学顕微鏡22では、光源40から出射され対物レンズ42を経て観察対象18を照射し、この観察対象18による反射光が対物レンズ42を経てハーフミラー41により反射され、結像レンズ43を経てCCD44に結像されることにより、観察対象18の光学観察画像30を電気信号として取得する。
干渉計501は、光源51とハーフミラー52とミラー53とミラー54とCCD55とハーフミラー56とを有し、光学顕微鏡22と対物レンズ42を共用している。光源51は、所定の波長の光を出射可能なものであり、出射光軸51aが観察光軸15aに対して直交するように配置されている。この出射光軸51a上において、光源51と観察光軸15aとの間にハーフミラー52が配置され、光源51からの単波長の光を観察光軸15a上で観察対象18へ向けて反射するようにハーフミラー56が配置されている。ハーフミラー52は、光源51からの単波長の光を出射光軸51aと直交する方向に反射するように配置され、その直交方向にミラー53が配置されている。このミラー53は、ハーフミラー52により反射された光をミラー54へ向けて反射するように配置され、このミラー54は、ハーフミラー52からの光を折り返させるべくハーフミラー52へと反射するように配置されている。このハーフミラー52に対して出射光軸51aを挟んで対向するようにCCD55(上述した受光部24に相当する)が配置されている。この干渉計501では、光源51から出射された光を、ハーフミラー52でハーフミラー56へ向かう光とミラー53に向かう光とに分割する。ハーフミラー56へ向かう光は、このハーフミラー56により反射され対物レンズ42を経て観察対象18に到達し、この観察対象18からの反射光が、対物レンズ42を経てハーフミラー56により反射されハーフミラー52により反射されてCCD55へ向かう。また、ミラー53に向かう光は、このミラー53により反射されミラー54により折り返され、ミラー53により反射されハーフミラー52を経てCCD55へ向かう。この反射光と折り返し光(参照光)とは、互いに干渉し、互いの光路長の差に対応する干渉縞をCCD55の撮像面に形成する。このため、干渉計501では、観察対象18の計測観察画像31を取得することができる。また、干渉計501では、ミラー54が、ミラー53からの反射光の進行方向にスライド移動可能(矢印A6参照)とされており、このスライド移動に伴う干渉縞の明るさの変化に基づいて、観察対象18のZ方向の寸法を計測することができる。このZ方向の寸法の計測は、制御部12が、駆動部17を介してミラー54がスライド移動させるとともに、制御部12が、そのミラー54のスライド位置に応じた反射光と折り返し光との光路長の差と、CCD55から取得した干渉縞の強度と、光源51から出射している光の波長とに基づいて、算出する。
この観察光学系151では、単一の観察光軸15aで光学顕微鏡22と計測光学系23(干渉計501)とを切り替えることができるとともに、小型化することができる。すなわち、観察光学系151では、コンパクトな構成でありながら、光学顕微鏡22により観察対象18の光学観察画像30を取得することができ、干渉計501により観察対象18の計測観察画像31を取得することができるとともに観察対象18のZ方向の寸法を計測することができる。
なお、干渉計501では、ミラー54をスライド移動させることで観察対象18のZ方向の寸法を計測していたが、載置台機構14の台移動部21が載置台20(載置面20a)をZ方向に移動させることにより観察対象18のZ方向の寸法を計測するものであってもよい。
次に、上記した観察光学系151とは異なる構成の観察光学系152について説明する。図9は、計測光学系23として干渉計502を用いた観察光学系152を説明するための説明図である。
観察光学系152は、光学顕微鏡22と干渉計502とが組み合わされている。この光学顕微鏡22は、図8の観察光学系151の光学顕微鏡22と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
干渉計502は、ダイクロイックミラー61とミラー62とCCD63とを有し、光学顕微鏡22と対物レンズ42および光源40を共用している。CCD63(上述した受光部24に相当する)とミラー62とは、観察光軸15aに直交する方向で当該観察光軸15aを挟んで対向するように配置され、その対向線上で観察光軸15a上にダイクロイックミラー61が設けられている。このダイクロイックミラー61は、光源40から出射された光をミラー62へ向けて反射するように観察光軸15aに対して45度の傾斜とされている。この干渉計502では、光源40から出射された光を、ダイクロイックミラー61でミラー62へ向かう光と対物レンズ42に向かう光とに分割する。ミラー62へ向かう光は、このミラー62により反射されてダイクロイックミラー61側へ折り返され、このダイクロイックミラー61を経てCCD63へ向かう。また、対物レンズ42へ向かう光は、この対物レンズ42を経て観察対象18に到達し、この観察対象18からの反射光が、対物レンズ42を経てダイクロイックミラー61により反射されてCCD63へ向かう。この反射光と折り返し光(参照光)とは、互いに干渉し、互いの光路長の差に対応する干渉縞をCCD63の撮像面に形成する。このため、干渉計502では、観察対象18の計測観察画像31を取得することができる。また、干渉計502では、ミラー62が、ダイクロイックミラー61からの反射光の進行方向にスライド移動可能(矢印A7参照)とされており、このスライド移動に伴う干渉縞の明るさの変化に基づいて、観察対象18のZ方向の寸法を計測することができる。この干渉計502でも、上記した干渉計501と同様に、制御部12が、駆動部17を介してミラー62をスライド移動させるとともに、制御部12が、そのミラー62のスライド位置に応じた反射光と折り返し光との光路長の差と、CCD63から取得した干渉縞の強度と、ダイクロイックミラー61を透過した光の波長とに基づいて、Z方向の寸法を算出する。
この観察光学系152では、単一の観察光軸15aで光学顕微鏡22と計測光学系23(干渉計502)とを切り替えることができるとともに、小型化することができる。
なお、干渉計502では、ミラー62をスライド移動させることで観察対象18のZ方向の寸法を計測していたが、載置台機構14の台移動部21が載置台20(載置面20a)をZ方向に移動させることにより観察対象18のZ方向の寸法を計測するものであってもよい。
次に、計測光学系23として共焦点顕微鏡70を用いた観察光学系153を説明する。図10は、観察光学系153を説明するための説明図である。
観察光学系153は、光学顕微鏡22と共焦点顕微鏡70とが組み合わされている。この光学顕微鏡22は、図8の観察光学系151の光学顕微鏡22と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
共焦点顕微鏡70は、光源71とコリメータレンズ72とビームスプリッタ73と共焦点ディスク74と結像レンズ75とλ/4波長板76と絞り77とダイクロイックミラー78とレンズ79と絞り80とレンズ81とCCD82とを有し、光学顕微鏡22と対物レンズ42を共用している。
光源71から放射される光の光路上に、コリメータレンズ72とビームスプリッタ73とが配置されている。コリメータレンズ72は、光源71から出射された光を平行光に整形し、ビームスプリッタ73は、コリメータレンズ72からの平行光を観察対象18側に反射する。このビームスプリッタ73の反射光路上に共焦点ディスク74が設けられている。
共焦点ディスク74は、円形の複数のピンホール開口を螺旋状に配置したNipkowディスクのようにセクショニング効果を得ることができる形状の開口部(共焦点パターン)が形成されている。共焦点ディスク74は、その中心部がモータ83の回転軸83aに軸支されている。共焦点顕微鏡70では、この共焦点ディスク74を回転することにより載置台20の載置面20a(観察対象18)を走査することができる。
この共焦点ディスク74の複数の開口部を通過した光の光路上には、結像レンズ75、λ/4波長板76、絞り77、ダイクロイックミラー78が配置されている。このダイクロイックミラー78は、観察光軸15a上に位置し、ビームスプリッタ73からの反射光を、観察光軸15aに沿うように対物レンズ42および観察対象18側に反射する。ここで、共焦点ディスク74に形成された開口部と対物レンズ42の焦点面とは共役関係であり、結像レンズ75、対物レンズ42及び絞り77は、両側テレセントリック系の配置である。また、光源71と絞り77とは、共役関係にある。なお、図10では、共焦点ディスク74に形成された複数の開口部のうち2つの開口部を通過した光の光路を示している。
観察対象18からの反射光は、対物レンズ42、絞り77、λ/4波長板76、結像レンズ75、共焦点ディスク74及びビームスプリッタ73を透過するが、このビームスプリッタ73の透過光路上には、レンズ79、絞り80、レンズ81およびCCD82(上述した受光部24に相当する)が配置されている。このうち共焦点ディスク74とCCD82とは、各レンズ79およびレンズ81により共役関係にあり、レンズ79、レンズ81および絞り80は、両側テレセントリック系の配置である。ここで、レンズ79、レンズ81および絞り80は、テレセントリック系でなくてもよいが、この間の長さ寸法が問題にならなければ、周辺光量の低下が起きにくいことから、テレセントリック系であることが望ましい。
CCD82の受光面上には、対物レンズ42の焦点付近だけのセクショニング像が結像され、CCD82は、このセクショニング像を撮像してその画像信号を出力する。
制御部12は、CCD82から出力された画像信号を画像処理してセクショニング画像データを求め、このセクショニング画像データを表示器25の表示画面25aに表示する。また、制御部12は、駆動部17を介して載置台機構14の台移動部21が載置台20(載置面20a)をZ方向に移動させる。
この共焦点顕微鏡70では、光源71から出射された光は、コリメータレンズ72により平行光に整形され、ビームスプリッタ73により観察対象18側に反射され、回転している共焦点ディスク74に照射される。この共焦点ディスク74の複数の開口部を通過した光は、結像レンズ75により集光され、λ/4波長板76を透過し、絞り77を通り、ダイクロイックミラー78により反射されて対物レンズ42により観察対象18上に照射される。
観察対象18からの反射光は、観察対象18に照射する光路と同一光路を戻り、ビームスプリッタ73に入射する。この観察対象18からの反射光は、ビームスプリッタ73を透過し、さらにレンズ79、絞り80、レンズ81を通ってCCD82に入射する。このCCD82の受光面上には、共焦点ディスク74の回転により走査した範囲の観察対象18上における対物レンズ42の焦点付近だけのセクショニング像が結像される。これらの動作が、載置台20(載置面20a)をZ方向に移動させて繰返し行われることにより、共焦点顕微鏡70では、観察対象18の3次元情報を得ることができる。
この観察光学系153では、単一の観察光軸15aで光学顕微鏡22と計測光学系23(共焦点顕微鏡70)とを切り替えることができるとともに、小型化することができる。すなわち、観察光学系153では、コンパクトな構成でありながら、光学顕微鏡22により観察対象18の光学観察画像30を取得することができ、共焦点顕微鏡70により観察対象18の計測観察画像31を取得することができるとともに観察対象18のZ方向の寸法を計測することができる。
次に、計測光学系23としてレーザ顕微鏡90を用いた観察光学系154を説明する。図11は、観察光学系154を説明するための説明図である。
観察光学系154は、光学顕微鏡22とレーザ顕微鏡90とが組み合わされている。この光学顕微鏡22は、図8の観察光学系151の光学顕微鏡22と基本的に同じ構成であることから、同一機能部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
レーザ顕微鏡90は、レーザ光源91とダイクロイックミラー92とビームスプリッタ93とピンホール部材94と光検出器95(上述した受光部24に相当する)とを有し、光学顕微鏡22と対物レンズ42を共用している。レーザ光源91は、制御部12の制御下でレーザ光を出射可能であり、このレーザ光を対物レンズ42および観察対象18側に反射するように、観察光軸15a上にダイクロイックミラー92が配置されている。
このダイクロイックミラー92とレーザ光源91との間に、ビームスプリッタ93が設けられている。このビームスプリッタ93は、レーザ光源91の出射光軸91aに対して45度の傾斜とされており、当該ビームスプリッタ93により出射光軸91aをなぞる光が反射される方向に、ピンホール部材94と光検出器95とが配置されている。このピンホール部材94は、開口部94aを形成するものであり、この開口部94aと対物レンズ42の焦点とは共役関係である。
光検出器95は、ピンホール部材94を通過した後述する蛍光のパワーを電流変換する光電子増倍管(PMT)や電流電圧変換回路、A/D変換回路等からなり、蛍光のパワーを検出するようになっている。制御部12は、駆動部17を介して載置台機構14の台移動部21に載置台20(載置面20a)をXY平面に沿って適宜移動させ、かつ載置台20(載置面20a)をZ方向に移動させる。これにより、制御部12は、光検出器95において検出された蛍光を処理して表示器25の表示画面25aに電子観察画像32を表示させる。
このレーザ顕微鏡90では、レーザ光源91が設定された波長とパワーのレーザ光を出射する。このレーザ光は、ビームスプリッタ93を経てダイクロイックミラー92へ向かい、このダイクロイックミラー92により反射され、対物レンズ42を経て、観察対象18を照射する。
この観察対象18では、レーザ光が照射されると、そのパワーに応じた明るさでレーザ光とは異なる波長の蛍光を発する。この蛍光は、対物レンズ42を経てダイクロイックミラー92へ向かい、このダイクロイックミラー92により反射され、ビームスプリッタ93により反射されて、ピンホール部材94および光検出器95へ向かう。この蛍光は、ピンホール部材94の開口部94aを通過して光検出器95により検出され、蛍光のパワーに相当する検出信号が制御部12に送られる。この制御部12に送られる検出信号は、制御部12の制御下でXY平面に沿って移動されるとともにZ方向に移動された載置台20(載置面20a)の位置に応じて配列され、3次元の蛍光画像(計測観察画像31)となる。
この観察光学系154では、単一の観察光軸15aで光学顕微鏡22と計測光学系23(レーザ顕微鏡90)とを切り替えることができるとともに、小型化することができる。すなわち、観察光学系154では、コンパクトな構成でありながら、光学顕微鏡22により観察対象18の光学観察画像30を取得することができ、レーザ顕微鏡90により観察対象18の計測観察画像31を取得することができるとともに観察対象18のZ方向の寸法を計測することができる。
なお、レーザ顕微鏡90では、載置台20(載置面20a)をXY平面に沿って移動させることにより載置面20a上(観察対象18)を走査していたが、他の構成としてもよい。例えば、図示は略すが、観察光軸15a上であって、ダイクロイックミラー92と対物レンズ42との間に、レーザ光をその光軸(観察光軸15a)に直交するXYの2方向に走査する走査装置を設けることで、実現することができる。この走査装置は、例えば、ミラーの傾斜角度を変化させることでレーザ光をXYの2方向に走査するものであってもよく、周波数変調された超音波が与えられることによりレーザ光を回折させる音響光学効果を利用した音響光学偏向素子を用いたものであってもよい。
次に、本実施例に係る複合型観察装置10を用いて観察を行う場面の一例について説明する。
図12は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー100を模式的に示す斜視図である。図13は、複合型観察装置10によるMEMSミラー100の観察の様子(表示画面25aにおける各観察画像の表示の様子)を説明するための説明図であり、図14は、表示画面25aにおける既に取得した各観察画像の表示の様子を説明するための説明図である。
MEMSミラー100は、本実施例では、図12に示すように、基板101に形成された凹所102に設けられている。このMEMSミラー100は、凹所102を構成する側壁面102aの上端に基部100aが連続され、その基部100aから凹所102を構成する底壁面102bに平行となるようにミラー部100bが延在されている。MEMSミラー100は、図示は略すが電気信号が付与されることにより、ミラー部100bが上下へと傾斜するように駆動される。この例では、このMEMSミラー100が適切に形成されているか否かを観察するために、複合型観察装置10を用いるものである。
先ず、複合型観察装置10が動作状態とされ、MEMSミラー100が載置台20の載置面20aに載置され、試料室13の扉(図示せず)を閉じられ、指示器26によりセット完了の操作が行われる。すると、複合型観察装置10では、ステップS1ないしステップS3の制御が為され、図13に示すように、光学顕微鏡22によるMEMSミラー100の光学観察画像30を表示画面25aに表示させる。
表示画面25aに表示された光学観察画像30を見ることにより、光学顕微鏡22によるMEMSミラー100の観察が行われる。
その後、光学観察画像30の保存の操作と、計測表示枠33または/および電子表示点35を表示させる操作とが為され、移動された任意の位置(指定位置d1(図2参照))で計測表示枠33が選択される。すると、複合型観察装置10では、ステップS4からステップS13へ進み、ステップS13ないしステップS16の制御が為され、A(計測光学系23による観察)へ移行し、ステップS18およびステップS19の制御が為され、計測光学系23によるMEMSミラー100の計測観察画像31を表示画面25aに表示させる(矢印A8参照)。
表示画面25aに表示された計測観察画像31を見ることにより、計測光学系23によるMEMSミラー100の観察が行われる。
その後、MEMSミラー100のZ方向の寸法の計測を実行する操作、計測観察画像31の保存の操作および電子表示枠34を表示させる操作が為され、電子表示枠34が移動された任意の位置(指定位置d2(図2参照))で選択される。すると、複合型観察装置10では、ステップS20からステップS22を経てステップS23へ進み、ステップS30ないしステップS33の制御が為され、B(SEM16による観察)へ移行する。さらに、複合型観察装置10では、ステップS34からステップS35を経てステップS37へ進み、SEM16によるMEMSミラー100の計測観察画像31を表示画面25aに表示させる(矢印A9参照)。
表示画面25aに表示された電子観察画像32を見ることにより、SEM16によるMEMSミラー100の観察が行われる。例えば、電子観察画像32では、光学観察画像30および計測観察画像31ではわからなかった欠損103を見つけることができる。
このような作業が繰り返されることにより、複合型観察装置10では、MEMSミラー100の光学観察画像30、計測観察画像31、そのZ方向の寸法の情報および電子観察画像32が、記憶部27に格納される。このような状態では、表示画面25aに光学観察画像30が表示されている場面において、既知計測枠36および既知電子点38を表示させる操作が為される。すると、複合型観察装置10では、ステップS4ないしステップS6の制御が為され、図14に示すように、表示画面25aに表示された光学観察画像30上に重ねられて、記憶部27に格納された計測観察画像31および電子観察画像32に対応する位置に、既知計測枠36および既知電子点38が表示される。図14の例では、2つの既知計測枠36(361、362とする)と、2つの既知電子点38(381、382とする)とが表示されている。
ここで、既知計測枠36が選択されると、複合型観察装置10では、ステップS8およびステップS9の制御が為され、選択された既知計測枠36に対応する計測観察画像31が表示画面25aに表示され、既知電子点38が選択されると、複合型観察装置10では、ステップS11およびステップS12の制御が為され、選択された既知電子点38に対応する電子観察画像32が表示画面25aに表示される。
この例では、既知計測枠361が選択されると、表示画面25aには計測観察画像311が表示され(矢印A10参照)、既知計測枠362が選択されると、表示画面25aには計測観察画像312が表示される(矢印A11参照)。また、既知電子点381が選択されると、表示画面25aには電子観察画像321が表示され(矢印A12参照)、既知電子点382が選択されると、表示画面25aには電子観察画像322が表示される(矢印A13参照)。
また、表示画面25aに計測観察画像31が表示されている場面において、既知電子点38を表示させる操作が為される。すると、複合型観察装置10では、ステップS23ないしステップS25の制御が為され、図4に示すように、表示画面25aに表示された計測観察画像31上に重ねられて、記憶部27に格納された電子観察画像32に対応する位置に、既知電子枠37が表示される。この既知電子枠は、既知電子点381、382に対応するものであることから、図14の例では2つの既知電子枠371、372が表示されている。
ここで、既知電子枠37が選択されると、複合型観察装置10では、ステップS26ないしステップS28の制御が為され、選択された既知電子枠37に対応する電子観察画像32が表示画面25aに表示される。
この例では、既知電子枠371が選択されると、表示画面25aには電子観察画像321が表示され(矢印A14参照)、既知電子枠372が選択されると、表示画面25aには電子観察画像322が表示される(矢印A15参照)。
よって、複合型観察装置10では、光学顕微鏡22で観察した表示領域における任意の箇所を、光学観察画像30上で見た計測光学系23の表示領域となる計測表示枠33を見ながら指定することができ、この計測表示枠33で指定した位置を計測光学系23により計測観察画像31として取得することができる。また、計測光学系23で観察した表示領域における任意の箇所を、計測観察画像31上で見たSEM16の表示領域となる電子表示枠34を見ながら指定することができ、この電子表示枠34で指定した位置をSEM16により電子観察画像32として取得することができる。このように、複合型観察装置10では、光学顕微鏡22とSEM16との中間の分解能の計測光学系23が設けられており、光学顕微鏡22による光学観察画像30から計測光学系23による計測観察画像31への切り換え、および計測光学系23による計測観察画像31からSEM16による電子観察画像32への切り換えを、それぞれ位置を関連付けて行うことができるので、光学顕微鏡22で観察した表示領域における任意の箇所をSEM16により適切に観察することができる。
また、複合型観察装置10では、3つの分解能の異なる観察機構すなわち光学顕微鏡22と計測光学系23とSEM16とが、光学顕微鏡22および計測光学系23(観察光学系15)の観察光軸15aとSEM16の走査軸16aとが基準位置とされた載置台20(載置面20a)の中心で交差するように設けられていることから、観察対象18が載置される載置台20(載置面20a)に求められる移動領域を極めて小さなものとすることができる。このため、SEM16の分解能に見合う精度で載置台20(載置面20a)を移動させることができる載置台機構14を形成することは、十分に実現可能であり、互いに離間した2地点を移動させることのようにコストの高騰を抑制することができる。
さらに、複合型観察装置10では、計測光学系23がZ方向の寸法を計測することができることから、計測光学系23により計測観察画像31を取得する際に、Z方向の寸法を計測することにより、当該計測観察画像31に関連付けてZ方向の寸法の情報を取得することができる。また、計測観察画像31に対する位置情報を有する光学観察画像30および電子観察画像32にZ方向の寸法の情報を反映させることができる。このため、複合型観察装置10では、光学顕微鏡22およびSEM16の濃淡で表された2次元画像の情報に、計測観察画像31に関連付けて取得されたZ方向の寸法の情報を加えて、観察対象18を3次元的に観察することができる。
複合型観察装置10では、表示画面25aに観察画像を表示させている際、格納している他の観察画像を示す計測表示枠33、電子表示枠34および電子表示点35を表示することができるので、当該観察画像に関連する他の観察画像の有無を一見して把握することができる。このため、既に取得した位置に重複する計測観察画像31および電子観察画像32を取得することを防止することができ、効率よく観察対象18を観察することができる。
複合型観察装置10では、計測光学系23からSEM16へと切り換える際、計測光学系23により計測された観察対象18における指定位置d2のZ方向の寸法(載置面20aからの高さ位置)を考慮して、観察対象18における指定位置d2が、適切に走査軸16a上に位置するように、Z方向へも載置台20(載置面20a)を移動させることができるので、観察対象18のZ方向の寸法の大小に拘らず、観察対象18における指定位置d2を適切にSEM16で観察することができる。これは、SEM16の走査軸16aが観察光学系15の観察光軸15aに対して傾斜されていることから、観察対象18のZ方向の寸法が大きくなると、載置台20(載置面20a)をXY平面に沿って移動させるだけでは、観察対象18における指定位置d2を適切にSEM16で観察することができなくなる虞があることによる。
複合型観察装置10では、表示画面25aに光学観察画像30を表示させている際、電子表示点35で指示した位置をSEM16による電子観察画像32として取得することができるので、例えば、光学観察画像30における指定位置に厳密さを必要としない場面では計測光学系23による観察を経ることなくSEM16で観察することができる。
複合型観察装置10では、観察光学系15において光学顕微鏡22と計測光学系23とが単一の対物レンズ42を用いて同一の観察光軸15aを有する構成とされていることから、観察光学系15の観察光軸15aとSEM16の走査軸16aとを基準位置とされた載置台20(載置面20a)の中心で交差するように設定すればよいので、3つの異なる観察機構(光学顕微鏡と計測光学系とSEM)の観察軸を一致させることに比較して、容易に形成することができる。加えて装置全体の小型化が可能である。
したがって、本発明に係る複合型観察装置10では、光学顕微鏡22により観察した表示領域における任意の箇所を適切にSEM16で観察することができる。
[変形例]
次に、上記した実施例の変形例としての複合型観察装置について説明する。変形例の複合型観察装置では、表示器25の表示画面25aに表示される計測表示枠および電子表示枠が、上記した実施例の複合型観察装置10における計測表示枠33および電子表示枠34とは異なる態様とされている。この変形例の複合型観察装置は、基本的な構成は複合型観察装置10と同様であることから、等しい箇所には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
上記した実施例では、計測表示枠33は、光学観察画像30上において計測光学系23の分解能で見た計測表示領域に合致する一定の大きさ寸法とされており、電子表示枠34は、計測観察画像31上においてSEM16の分解能で見た電子表示領域に合致する一定の大きさ寸法とされていた。これに対し、変形例の複合型観察装置では、計測表示枠が光学観察画像30上において大きさ寸法が可変とされ、電子表示枠が計測観察画像31上において大きさ寸法が可変とされている。これは、計測表示枠は、光学観察画像30において計測光学系23による観察位置の指定を容易とするものであればよく、電子表示枠は、計測観察画像31においてSEM16による観察位置の指定を容易とするものであればよいものであることによる。ここで、図15は、変形例としての光学観察画像30における計測表示枠33´を説明するための説明図であり、図16は、図15とは異なる計測表示枠33´´を説明するための説明図である。この図15および図16では、大きさ寸法が可変とされた計測表示枠の構成の理解容易のため光学観察画像30を部分的に拡大して示している。なお、電子表示枠は、重ねられる画像は異なるが、基本的な役割および考え方は計測表示枠と同様であることから、詳細な説明は省略する。
計測表示枠33´は、図15に示すように、指示器26に計測表示枠33´を表示させる操作が為されても、直ちに一定の大きさ寸法の枠として表示されるのではなく、光学観察画像30上に重ねられて指示表示33aが表示される(左側の枠参照)。この指示表示33aは、指示器26による操作により光学観察画像30上で任意の位置に移動可能とされており、光学観察画像30上における計測表示枠33´の位置および大きさ寸法の設定のために用いるものである。
指示表示33aが移動されて任意の位置が指定されると、その指示位置を中心として上下(表示画面25aにおける縦方向)に延びる線分33bが表示される(左側の表示画面25a参照)。この線分33bの長さ寸法は、この変形例では、光学観察画像30上において計測光学系23による計測表示領域の縦方向の長さ寸法に合致するものとされている。線分33bは、光学観察画像30上における計測表示枠33´の一端の位置を決めるものである。
この後、指示表示33aが移動されると、光学観察画像30上では、決められた線分33bの位置を始点としかつ移動される指示表示33aを終点とするように、当該線分33bを一辺とする横方向の長さ寸法が可変な矩形状の計測表示枠33´が表示される(真ん中および右側の表示画面25a参照)。この横方向の長さ寸法は、指示器26への操作で調節可能とされており、この変形例では、光学観察画像30上において計測光学系23による計測表示領域の横方向の長さ寸法よりも小さな範囲で調節可能とされている。すなわち、計測表示枠33´が当該計測表示領域に等しい大きさ寸法となると、それよりも大きくする方向に指示表示33aが移動されても、表示される計測表示枠33´の大きさ寸法は変化しない。指示表示33aが移動されて任意の位置が指定されることにより、その指定位置を他端とし線分33bにより一端が規定された計測表示枠33´が光学観察画像30上で設定される。
このように、計測表示枠33´は、光学観察画像30上において、指示表示33aの移動による任意の位置の指定により始点すなわち線分33bの位置が設定可能であり、その後の指示表示33aの移動による任意の位置の指定により終点すなわち長さ寸法が設定可能な矩形状を呈する。
この設定された計測表示枠33´が選択されると、当該計測表示枠33´の中心位置を中心とする計測観察画像31が表示画面25aに表示される。このため、表示された計測観察画像31は、光学観察画像30において、縦方向が計測表示枠33´の縦辺(線分33b)に合致し、かつ横方向が計測表示枠33´の横辺の中央位置を中心とする矩形状の領域を、計測光学系23により観察したものとなる。なお、この計測表示枠33´は、始点として表示される線分が縦辺とされていたが、横辺であってもよく、図15に示した例に限定されるものではない。
計測表示枠33´´は、図16に示すように、指示器26に計測表示枠33´´を表示させる操作が為されると、計測表示枠33´と同様に、光学観察画像30上に重ねられて指示表示33aが表示される(左側の枠参照)。指示器26による操作により、光学観察画像30上で指示表示33aが移動されて任意の位置が指定されると、当該指定位置が始点33cとされる。この後、指示表示33aが移動されると、光学観察画像30上では、当該指示表示33aと始点33cとを対角とする矩形状の計測表示枠33´´が表示される(真ん中および右側の表示画面25a参照)。このため、計測表示枠33´´は、始点33cの位置が固定され、かつ縦横比および大きさ寸法が指示表示33aの位置に応じて可変な矩形状を呈する。この計測表示枠33´´は、この変形例では、光学観察画像30上において計測光学系23による計測表示領域の縦方向の長さ寸法および横方向の長さ寸法よりも小さな範囲で、縦辺および横辺の大きさ寸法の調節が可能とされている。すなわち、計測表示枠33´´の縦辺および横辺のいずれか一方が当該計測表示領域の縦辺および横辺に等しい大きさ寸法となると、それよりも大きくする方向に指示表示33aが移動されても、表示される計測表示枠33´における縦辺および横辺の長さ寸法は変化しない。指示表示33aが移動されて任意の位置が指定されることにより、その指定位置が終点33dとされ、当該終点33dと始点33cとが対角に位置する矩形状の計測表示枠33´´が光学観察画像30上で設定される。この設定された計測表示枠33´´は、上記した計測表示枠33´(図15参照)と同様の機能を有する。
この変形例の計測表示枠(上記した計測表示枠33´(図15参照)および計測表示枠33´´(図16参照))の位置および大きさ寸法の調整は、指示器26がマウスである場合、ドラッグアンドドロップにより始点および終点を設定できるようにすることで、簡易に行うことができる。
この変形例の計測表示枠(電子表示領域)は、指示器26への操作により、光学観察画像30(計測観察画像31)上における位置および大きさ寸法が調整可能とされていることから、光学観察画像30(計測観察画像31)において計測光学系23(SEM16)による観察位置の指定を容易とすることができる。
また、変形例の計測表示枠は、光学観察画像30(計測観察画像31)上において計測光学系23(SEM16)による計測表示領域(電子表示領域)よりも大きくなることはないので、計測光学系23(SEM16)による観察位置および大きさ寸法を使用者に誤認させることが防止されている。
さらに、変形例の計測表示枠は、光学観察画像30(計測観察画像31)上において計測光学系23(SEM16)による計測表示領域(電子表示領域)を上限として大きさ寸法が調整可能とされていることから、計測光学系23(SEM16)による観察に切り替える際、光学観察画像30(計測観察画像31)上において計測光学系23(SEM16)の分解能で見た計測表示領域(電子表示領域)の大きさ寸法(計測観察画像31(電子観察画像32)の大きさ寸法)を把握しつつ観察位置決めを行うことができるとともに、当該大きさ寸法を既に把握している場合には観察位置決めのみを行うことができる。
なお、上記した実施例では、図5ないし図7に示すフローチャートに沿う制御を行う構成とされていたが、図13および図14を用いて説明したように、光学顕微鏡22、観察光学系15およびSEM16による観察のための切り換えと、既に取得した光学観察画像30、計測観察画像31および電子観察画像32の切り換えとが、行えるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、計測表示枠33、電子表示点35および電子表示枠34が用いられていたが、光学観察画像30上における計測光学系23の表示領域(計測表示領域)を示す(表示領域の認識が可能な)記号と、光学観察画像30上におけるSEM16の表示領域(電子表示領域)を示す(表示領域の認識が可能な)記号と、計測観察画像31上におけるSEM16の表示領域(電子表示領域)を示す(表示領域の認識が可能な)記号とであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、計測光学系23として、共焦点顕微鏡70、レーザ顕微鏡90または干渉計501、502が用いられていたが、光学顕微鏡22とSEM16との中間の分解能を有し光学顕微鏡22の対物レンズ42を共用するものであれば、三角測量法や非点隔差法等の他の原理を用いる光学系として構成されたものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。