以上の目的を達成するために本発明の第1の共焦点顕微鏡は、共焦点光学系を介して測定対象物からの光を受光素子で受光し、その受光情報に基づいて測定対象物の表面の高さ情報及び光量情報を取得し、測定対象物の表面の画像を共焦点画像として表示可能な共焦点顕微鏡であって、各測定点において、光学系もしくは測定対象物を高さ方向に変化させながら合焦点位置を明るさに基づいて取得し、測定点を走査して共焦点画像を合成する共焦点光学系と、共焦点光学系と光軸の少なくとも一部を共通にする共焦点光学系と別個の、測定対象物の光学画像を撮像するための非共焦点光学系と、測定対象物を載置するステージと、ステージに載置された測定対象物と、共焦点光学系及び非共焦点光学系との相対位置及び相対距離を調整可能なステージ移動部と、非共焦点光学系で撮像された光学画像、及び/又は共焦点光学系で撮像された共焦点画像を表示するための表示手段と、表示手段上に光学画像を表示させた状態で、相対距離である高さ方向の上限及び下限を設定するための高さ範囲設定部と、表示手段上に共焦点画像を表示させた状態で、高さ範囲設定部で設定された高さ範囲内においてピント位置を所定量ずつずらして、各ピント位置で撮像された共焦点画像の明るさを調整するための明るさ調整手段とを備えることができる。これにより、超深度画像を得るための超深度画像撮像条件の設定に際して、高さ範囲の設定と明るさの設定を分離し、特に高さ範囲の設定には非共焦点光学系で撮像された光学画像を用いるため、ピントが合っていなくとも比較的明るい画像を表示できるので、ユーザはピントの調整等を行い易くできる。
第2の共焦点顕微鏡は、明るさ調整手段を、各ピント位置で撮像された共焦点画像の明るさが飽和したときに明るさを下げるよう調整し、暗い場合は調整を行わないよう構成できる。
第3の共焦点顕微鏡はさらに、高さ範囲設定部により設定された高さ範囲にピントの移動範囲を制限するピント制限手段を備えており、明るさ調整手段は、ピント制限手段により制限されたピントの移動範囲内においてピント位置を所定量ずつずらすよう構成できる。
第4の共焦点顕微鏡はさらに、ピント制限手段により制限された移動範囲外にピント位置を移動させることが可能なボタンを上記表示手段上に表示させ、当該ボタンの押下により、ピント制限手段により制限された移動範囲外にピント位置を移動させる範囲外移動手段を備えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための共焦点顕微鏡、共焦点顕微鏡操作方法、共焦点顕微鏡操作プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器を例示するものであって、本発明は共焦点顕微鏡、共焦点顕微鏡操作方法、共焦点顕微鏡操作プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る共焦点顕微鏡システムの概略構成を示す。また図2に、このシステム構成の外観斜視図、図3に共焦点顕微鏡本体の斜視図を、それぞれ示す。共焦点顕微鏡システム100は、共焦点光学系10及び非共焦点光学系50を有する共焦点顕微鏡本体1と、共焦点光学系10及び非共焦点光学系50で得られたアナログ信号を各々デジタル信号に変換する第1AD変換器41、第2AD変換器42、及びデジタル信号の信号処理等を行う制御部43等を含むコントローラ2と、コントローラ2に接続された操作手段3及び表示手段4とを備えている。また操作手段3には入力手段3Aが接続されている。
まず、共焦点顕微鏡の共焦点光学系10とその信号処理について説明する。共焦点光学系10は、試料WKに単色光(例えばレーザ光)を照射するための光源11、第1コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板14、水平・垂直偏向装置15、第1リレーレンズ(fθレンズ)16、第2リレーレンズ(チューブレンズ)17、対物レンズ18、結像レンズ(ピンホールレンズ)19、ピンホール板20、受光素子21等を含んでいる。
光源11には、例えば紫色レーザ光や赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。光源11はレーザ駆動回路によって駆動される。レーザ駆動回路は、コントローラ2の制御部43によって制御される。光源11から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ12を通り、偏光ビームスプリッタ13で光路を曲げられ、1/4波長板14を通過する。この後、水平・垂直偏向装置15によって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ16及び第2リレーレンズ17を通過し、対物レンズ18によってステージ30上に置かれた試料WKの表面に集光される。
水平・垂直偏向装置15は、それぞれガルバノミラーで構成され、レーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料WKの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。対物レンズ18は、対物レンズ移動機構によりZ方向(光軸方向)に駆動される。対物レンズ移動機構も、制御部43によって制御される。これにより、対物レンズ18の焦点と試料WKとの光軸方向での相対位置を変化させることができる。
なお、光による試料の走査は、水平偏向及び垂直偏向による二次元走査に限らず、種々の走査方法が考えられる。例えば、シリンドリカルレンズを用いてX方向に細長い光(スリット光)を生成し、これをY方向に偏向すれば、二次元走査が可能である。
また、対物レンズ18の焦点と試料WKとの光軸方向での相対位置は、他の方法で変化させることもできる。例えば、対物レンズ18をZ軸方向に駆動する代わりに、或いはこれに加えてステージ30をZ軸方向に駆動してもよい。または、対物レンズ18と試料WKとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ18の焦点をZ軸方向に移動させる構成も可能である。
なお、ステージ30は、手動操作によってもX、Y方向及びZ方向に変位可能である。本実施の形態では、ステージを手動で移動させるためのステージ手動操作機構31を備えている。具体的には、図3に示すようにステージをX−Y方向に移動させるX方向移動摘み32及びY方向移動摘み33、ステージをZ方向に移動させるZ方向移動摘み34を設けている。X方向移動摘み32及びY方向移動摘み33は、摘みの回転を同軸として直径の異なるダイヤル状に構成しており、X−Y方向の調整を纏めて行い易くしている。一方、Z方向移動摘み34は、移動量の大きいダイヤルと移動量の小さいダイヤルを同軸に並べており、これにより大まかなピント調整と、ピントの微調整を容易に行える。
試料WKで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ18、第2リレーレンズ17及び第1リレーレンズ16を通り、水平・垂直偏向装置15を介して1/4波長板14を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ13を透過し、結像レンズ19によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ19の焦点位置に配置されたピンホール板20のピンホールを通過して受光素子21に入射する。受光素子21は、例えばフォトマルチプライヤチューブ(PMT:光電子増倍管)やフォトダイオード(PD)で構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びPMTの受光感度(PMTゲイン)の制御回路を構成する第1受光信号処理回路22を介して第1AD変換器41に与えられ、デジタル値に変換される。またピンホール板20はピンホールに代わってスリットを設けることもできる。スリットとCCD等の受光素子の組み合わせでも疑似的に共焦点画像を得ることができる。
上記のような構成の共焦点光学系10により、試料WKの高さ(深さ)情報を取得することができる。以下に、その原理を簡単に説明する。上述のように、対物レンズ18が対物レンズ移動機構40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ18の焦点と試料WKとの光軸方向での相対距離が変化する。そして、対物レンズ18の焦点が試料WKの表面に結ばれたときに、試料WKの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ19で集光され、殆どのレーザ光がピンホール板20のピンホールを通過する。したがって、このときに受光素子21の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ18の焦点が試料WKの表面からずれている状態では、結像レンズ19によって集光されたレーザ光はピンホール板20からずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、受光素子21の受光量は著しく低下する。
したがって、試料WKの表面の任意の点について、対物レンズ18をZ方向(光軸方向)に駆動しながら受光素子21の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの対物レンズ18のZ方向位置(対物レンズ18の焦点と試料WKとの光軸方向での相対位置)を高さ情報として一義的に求めることができる。
実際には、対物レンズ18を1ステップ(1ピッチ)移動するたびに水平・垂直偏向装置15によって試料WKの表面を走査して受光素子21の受光量を得る。対物レンズ18を高さ方向の移動範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の各点(画素)について、Z方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。
図4は、対物レンズ18のZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。このような受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料WKの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、操作手段3の外部コンピュータで実行される。
得られた表面高さの分布情報は、いくつかの方法で操作手段3の表示手段4に表示することができる。例えば3次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。あるいは、高さデータを輝度データに変換することにより、明るさの二次元分布として表示できる。高さデータを色差データに変換することにより、高さの分布を色の分布として表示することもできる。
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料WKの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った焦点深度の非常に深い超深度画像が得られる。また、任意の注目画素で最大受光量が得られた高さ(Z方向位置)に固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなるので、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい画像が得られる。
(非共焦点光学系50)
次に、共焦点顕微鏡に備えられた非共焦点光学系50とその信号処理について説明する。非共焦点光学系50は、試料WKに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源51、第2コリメートレンズ(コンデンサレンズ)52、第1ハーフミラー53、第2ハーフミラー54、第2受光素子55等を含んでいる。また、非共焦点光学系50は共焦点光学系10の対物レンズ18を共用しており、2つの光学系10、50の光軸は部分的に一致している。
白色光源51には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源51から出た白色光は、第2コリメートレンズ52を通り、第1ハーフミラー53で光路を曲げられ、対物レンズ18によってステージ30上に置かれた試料WKの表面に集光される。
試料WKで反射された白色光は、対物レンズ18、第1ハーフミラー53、第2リレーレンズ17を通過し、第2ハーフミラー54で反射されて第2受光素子55に入射して結像する。第2受光素子55は、共焦点光学系10のピンホール板20のピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。第2受光素子55は、カラーCCDやCMOS等のイメージセンサ、エリアセンサが利用できる。第2受光素子55で撮像されたカラーの光学画像(以下、「カメラ画像」という。)は、第2受光信号処理回路56によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2AD変換器42に与えられ、デジタル値に変換される。このようにして得られたカメラ画像は、試料WKの観察用の拡大カラー画像として操作手段3の表示手段4に表示される。
また、共焦点光学系10で得られた超深度画像と非共焦点光学系50で得られた通常のカメラ画像とを組み合わせて、すべての画素で略ピントの合った焦点深度の深いカラー超深度画像を生成し、表示することもできる。例えば、非共焦点光学系50で得られたカメラ画像を構成する輝度信号を共焦点光学系10で得られた超深度画像の輝度信号で置き換えることにより、簡単にカラー超深度画像を生成することができる。
上記のようなカメラ画像に関する処理についても、操作手段3が司る。操作手段3にはコンソール(操作卓)のような入力手段やCRT(陰極線管)、LCD(液晶表示装置)のような表示手段4が接続されている。また、マウスのようなポインティングデバイスも入力手段として接続される。
また、共焦点顕微鏡システム100のコントローラ2には、パーソナルコンピュータのような外部コンピュータシステムを接続するインターフェイスが備えられている。顕微鏡システム100の制御を行なうための専用ソフトウェアをインストールした外部コンピュータシステムを操作手段3としてコントローラ2に接続することにより、取得された試料WKの画像データから超深度画像やカラー超深度画像、高さ分布情報等を求めることができる。
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、白色光源51と第2コリメートレンズ52を使用して非共焦点画像を取得している。一方、この例に限られず、非共焦点光学系に白色光源等を使用せず、モノクロの非共焦点画像を得ることもできる。このような構成を採用した実施の形態2に係る共焦点顕微鏡システム200のブロック図を図5に示す。この図において、図1と同じ部材については同じ番号を付して詳細説明を省略する。
図5の例では、非共焦点画像を取得するのに白色光源を使用せず、共焦点画像を取得するために使用するレーザ光源を、非共焦点画像を取得するためにも共用している。これにより、白色光源とコンデンサレンズを省略でき、光学系をコンパクトに設計することが可能となる。
また図1の例では、非共焦点光学系50は第2リレーレンズ17と対物レンズ18との間に配置されているが、図5の例では非共焦点光学系50を偏光ビームスプリッタ13と結像レンズ19の間に第2ハーフミラー54を配置している。このように、非共焦点光学系50を共焦点光学系10、具体的には第2受光素子55を受光素子21に近付けて両者が利用する光学系を共用することで、二つの光学系の光軸合わせ、画像の位置合わせが不要となり、また、収差等の特性も一致するため両画像の不整合も実質起こらない。
これら実施の形態1、2の共焦点顕微鏡システム100、200では、共焦点顕微鏡本体1にコントローラ2に接続し、さらにコントローラ2に操作手段3として外部コンピュータを接続してデータ通信を行い、共焦点顕微鏡本体1で測定された共焦点画像やカメラ画像を外部コンピュータで取り込み、加工や処理を行うと共に、共焦点顕微鏡の設定や操作を外部コンピュータから行う。また外部コンピュータのモニタを、表示手段4として利用できる。外部コンピュータには、汎用のコンピュータを使用し、共焦点顕微鏡操作プログラムをインストールすることで、共焦点顕微鏡の操作装置として機能させることができる。なお、上記の例では共焦点顕微鏡本体とコントローラとを別部材としているが、これらを統合することもできる。あるいは、コントローラを操作手段と一体に構成してもよい。
(共焦点顕微鏡操作プログラム)
本明細書において共焦点顕微鏡は、共焦点画像の測定や表示を行うシステムそのもの、ならびに共焦点画像測定や表示に関連する入出力、表示、演算、通信その他の処理をハードウェア的に行う装置や方法に限定するものではない。ソフトウェア的に処理を実現する装置や方法も本発明の範囲内に包含する。例えば汎用の回路やコンピュータにソフトウェアやプログラム、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、スクリプレット、コンパイラ、モジュール、特定のプログラム上で動作するマクロ等を組み込んで文章表示や文章表示形式付与設定そのものあるいはこれに関連する処理を可能とした汎用あるいは専用のコンピュータ、ワークステーション、携帯型電子機器その他の電子デバイスも、本発明の共焦点顕微鏡、共焦点顕微鏡操作プログラムの少なくともいずれかに含まれる。また本明細書においては、プログラム自体も共焦点顕微鏡に含むものとする。また本プログラムは単体で使用するものに限られず、特定のコンピュータプログラムやソフトウェア、サービス等の一部として機能する態様や、必要時に呼び出されて機能する態様、OS等の環境においてサービスとして提供される態様、環境に常駐して動作する態様、バックグラウンドで動作する態様やその他の支援プログラムという位置付けで使用することもできる。
(接続、通信形態)
本発明の実施の形態において使用されるコンピュータやコントローラ、顕微鏡その他これらに接続される操作、制御、入出力、表示、各種処理その他のためのコンピュータ、あるいはプリンタ等その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、RS−485、RS−232x、RS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行うことができる。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
(共焦点画像)
以上の共焦点顕微鏡システムを用いて共焦点画像を撮像する。共焦点画像は、試料にピントがあった位置のみ明るく、他は暗くなるという特長がある。このような特長を生かし、ピントを少しずつずらしながら、すなわち、試料と対物レンズとの相対距離を変化させながら複数枚の画像を取得し、画像の各画素毎に最も明るい信号が得られたピント位置を求めることで、試料の高さ形状(光軸すなわちZ方向の形状)を測定することができる。このような特長は高さ形状を測定する際に非常に有効である。
図6は、光学測定用段差ゲージブロック形の試料WK2の上面WK2a及び下面WK2c、並びに中間位置WK2bをピント位置として上方から撮像された共焦点画像を示すイメージ図である。試料WK2の上面WK2a又は下面WK2cでピントが合っているときは、その部分が明るく見えている。図6(a)では、共焦点画像の左半分に示される試料WK2の上面WK2aにピントが合っており、この部分が明るく見え、一方右半分はピントが合っていないため暗い。また図6(c)では下面WK2cにピントが合っているため画面右半分が明るく、左半分は暗い。さらに図6(b)では、中間位置WK2bでどこにもピントが合っていないため、画面全体が真っ暗になっている。この場合、共焦点顕微鏡を操作しているユーザは図6(b)の画像のみを見ているため、ピントが現在どの位置にあるのか、例えば完全にピントがどこかに外れてしまったのか、試料WK2の上面WK2aと下面WK2cの間にあるのかを区別することができない。
さらに図7は、図6の試料WK2について、ピントをずらしながら撮影した非共焦点画像と共焦点画像とを比較したイメージ図である。非共焦点画像はピントが合っていなくてもピンボケしながら試料WK2が見えるため、ピントがどの程度外れているかを画像から判断し易い。一方の共焦点画像では上面WK2a、下面WK2cにピントが合った一瞬だけしか画像が見えず、それ以外は真っ暗であるため、ピントがどの辺りにあるのか、画像から判断するのが極めて困難である。
このように、共焦点顕微鏡では合焦位置以外の共焦点画像が殆ど真っ暗であるため、特に共焦点顕微鏡に詳しくないユーザにとっては現在のピント位置を把握し難く、すべての位置でピントのあった超深度画像を測定することが容易でないという問題があった。そこで本実施の形態では、カメラ画像等の非共焦点画像を用いて超深度画像の測定を容易にしている。以下、共焦点顕微鏡を操作するための共焦点顕微鏡操作プログラムを用いて、超深度画像の測定を行う手順について説明する。
図8〜図13に、共焦点顕微鏡操作プログラムのユーザインターフェース画面の例を示す。この共焦点顕微鏡操作プログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見易く、評価や判断が容易な表示としたり操作し易いレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、共焦点顕微鏡操作プログラムを組み込んだコンピュータに接続された入力手段3A(図2)で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力手段3Aによりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な入力手段3Aとしては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、共焦点顕微鏡等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する表示手段4のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
図8〜図13は、表示手段4に表示された共焦点顕微鏡操作プログラムのユーザインターフェース画面の例である。これらの図に示すように、表示画面の左側は共焦点画像や非共焦点画像を表示するための画像表示領域61とし、右側を各種操作ボタン等を備えた操作領域62としている。これら共焦点画像や非共焦点画像は各々別ウィンドウとして構成され、サイズや配置を任意に変更できる。なお、一の焦点顕微鏡操作プログラム操作画面を分割して、画像表示領域61と操作領域62を設けることもできることは言うまでもない。
(操作モード)
この共焦点顕微鏡操作プログラムは、各種の操作を行うための操作モードとして、共焦点顕微鏡の操作に慣れたユーザ向けのエキスパートモードと、操作に不慣れなユーザ向けのビギナーモードを備える。図8、図13に示すように、エキスパートモードとビギナーモードはタブ63によって切り替えできる。エキスパートモードにおいては、図13に示すように、共焦点画像を取得するための条件をユーザが各々設定できる。一方、ビギナーモードにおいては、共焦点画像を取得するための条件設定を行い易くするためのガイダンスを提示する。またタブ63の上には、対物レンズの倍率が表示されると共に、光学ズームの倍率選択欄64が設けられており、表示倍率を変更できる。
(ビギナーモード)
以下、図8〜図12に示すビギナーモードでの操作画面が遷移する状態を示したイメージ図に基づき、ビギナーモードで共焦点画像を取得する手順を説明する。ビギナータブ63aを選択すると、図8に示すように画面右側の操作領域62において上から順にフロー図65、説明図66、操作部67が表示される。
(フロー図65)
フロー図65は、共焦点画像取得に必要な手順を段階毎に示しており、現在表示中の画面で行うべき手順がハイライト表示される。ここではフロー図65を水色、選択中のステップを橙色で表示している。このように設定手順をフローチャート状に示すことで、ユーザに対してこれから行うべき手順を段階別に提示して、作業の理解を助けることができ、さらに選択中のステップを色分けして表示することにより、現在行うべき手順を明示することができる。
図8の例では、フロー図65として「ステージの調整」65a、「高さ範囲の設定」65b、「レーザの明るさ調整」65c、「測定を開始」65d、「測定結果の確認」65eの5つのステップを示しており、さらに「ステージの調整」ステップ65aをハイライト表示している。なおハイライト表示は、色分け表示の他、点滅や太字、斜字体等の強調表示、あるいは他のステップをグレーアウトさせる等、他のステップと区別できる表示態様が適宜利用できる。
フロー図65においては、ステップが提示される順に設定を行うことを基準としているが、ユーザは任意のステップにジャンプして設定を行うこともできる。すなわち、フロー図65上から、特定のステップをマウス等で選択すると、選択したステップに直接移行することができる。これにより、ユーザは任意の順序で設定を行ったり、あるいは一度設定した内容を修正するために従前の任意のステップに速やかに戻ることができる。また、ビギナーモードの設定中にエキスパートタブ63bを選択し、エキスパートモードに移行することもできる。例えば、ある設定項目についてはビギナーモードを利用し、他の設定項目についてはエキスパートモードで纏めて設定するといった使い方も可能である。このように、ユーザの熟練度に応じてビギナーモード、エキスパートモードを適宜切り替えて設定することも可能である。
(説明図66)
またフロー図65の下には、説明図66が表示される。説明図66は、フロー図65上で選択中のステップに対応する説明が文章で説明されると共に、必要に応じてイラストや写真で図示される。これにより、各ステップで行うべき設定の内容をユーザに対して告知できる。図8の例では、「ステージの調整」ステップ65aに対応する説明図66として、「測定位置とピントの調整を行います。画面を見ながら測定したい場所を探し、ピントを合わせてください。調整完了後、「調整完了」ボタンを押してください。」との説明文と、その下に共焦点顕微鏡本体1のイラストを2つ表示している。左側のイラストは、測定位置を調整する様子を、右側のイラストはピントを調整する様子を、それぞれ示している。具体的には、左側のイラストでステージのX−Y平面での移動方向と、ステージをX−Y方向に移動させるX方向移動摘み32、Y方向移動摘み33の操作方向を矢印で示し、さらに右側のイラストでピントの調整のためのステージのZ方向への移動方向と、Z方向移動摘み34の操作方向を矢印で示している。
(操作部67)
さらに説明図66の下には、操作部67が設けられている。操作部67の欄には、選択されたステップに対応する操作ボタン類が表示される。図8の例では、実際の操作は共焦点顕微鏡本体1の移動摘みを物理的に操作し、画面上で行う設定項目が存在しないため、特に設けられておらず、本ステップでの設定終了後に押下する「調整完了」ボタン68が設けられる。また、ボタン類に加えて注意事項や補足説明等のテキスト情報を表示することもできる。図8の例では「現在のレンズ位置が基準位置として保存されます」との説明が表示され、「調整完了」ボタン68を押下した時点で設定されているレンズの位置(ピント位置)が基準位置として登録されることをユーザに説明している。
このように、ユーザは共焦点画像の撮像に必要な設定手順の全体像と、各ステップで具体的に行うべき設定内容とを画面上で告知されるため、共焦点画像の撮像の仕組みを知らなくても、指示に従って設定を行うことができる。また、操作画面上に直接説明を表示させることで、操作マニュアル等を一々用意して該当頁を開くといった手間も省くことができ、簡便にかつ容易に設定手順を案内される。
(「ステージの調整」ステップ65a)
「ステージの調整」ステップ65aにおいては、ユーザは図8の画面を見ながら、説明図66の指示に従って共焦点顕微鏡本体1に設けられたX方向移動摘み32、Y方向移動摘み33、Z方向移動摘み34を操作して、ステージのX−Y−Z位置を調整する。画像表示領域61には非共焦点画像として第2受光素子55で撮像したカメラ画像が表示されており、ステージの調整に応じて、カメラ画像も更新される。したがってユーザは、画像表示領域61の表示を確認しながらステージの位置を調整し、所望の視野及びピントに設定する。なおここで設定したピント位置は、基準位置として記憶される。以降の操作画面において異なるピント位置あるいは視野に変更されたとしても、後述する基準位置ボタン75を押下することで、登録された基準位置に復帰される。このため、ピント位置は視野の全体を把握できる位置に設定することが好ましい。ステージを調整後「調整完了」ボタン68を押下すると、このステージ位置及びピント位置が基準位置としてメモリに登録されると共に、図9の画面に遷移する。
(「高さ範囲の設定」ステップ65b)
図9は「高さ範囲の設定」ステップ65bでの操作画面を示している。上述の通り、フロー図65の欄では「高さ範囲の設定」ステップ65bがハイライト表示され、説明図66及び操作部67の欄には、「高さ範囲の設定」ステップ65bに対応する説明や操作ボタン類が表示される。図9の説明図66は、「測定対象物の測定範囲(高さ)をセットします。レンズを上(下)に移動させ、完全にピントがズレた所で「上(下)限セット」ボタンを押してください。※上下ともにセットしてください。セット終了後、「レーザの明るさ調整に進んでください。」と説明文が表示されると共に、説明文の下には対物レンズを上下に移動させるイラストが表示される。さらに説明図66の下の操作部67にはレンズ位置調整欄70として、左側に対物レンズの上下に移動するためのレンズ移動ボタン群71が設けられ、その右側に対物レンズの上限位置及び下限位置を設定するための上限セットボタン72及び下限セットボタン73が設けられる。
レンズ移動ボタン群71は、図9の例では上下方向に対物レンズを移動させる矢印ボタンとして「>」、「>>」、「>>>」の3種類をそれぞれ用意し、矢印が多いほど移動量を多くしている。また中央にはマウスボタン74を設けている。マウスボタン74を押下するとマウスのスクロールボタンの回転で対物レンズを上下に移動させることができる。ユーザは好みや移動量に応じて、いずれかのボタンを操作して対物レンズを上下方向に移動させる。
また上限セットボタン72と下限セットボタン73の間には、基準位置へ復帰するための基準位置ボタン75が設けられる。加えて、現在の対物レンズの高さ、すなわちZ位置を示すZ位置表示欄76と、上限セットボタン72及び下限セットボタン73で各々指定したZ位置を示す上限Z位置表示欄77、下限Z位置表示欄78がそれぞれのセットボタン72、73の右側に設けられる。さらにこれらボタン類の下に表示されるテキスト情報として、注意事項を表示している。すなわち「注意!上限・下限セット後は、ステージに触れないでください」とのメッセージを表示して、上限位置、下限位置設定後に手で触れる等の原因で高さが変化しないよう、注意を促している。
なお、上限位置及び下限位置の両方を指定せずとも、上限又は下限のいずれか一方と、対物レンズのレンズの移動距離(ディスタンス)を指定することでも、高さ範囲は指定できる。ただ、直接上限又は下限位置に対物レンズを移動させ、光量の飽和が生じるかどうかをユーザが目視することで、より確実に高さ範囲を適切に設定できる。すなわち、上限と下限という境界を直接指定する方が、一方の境界とディスタンスを指定するよりも直裁的で理解し易いという利点が得られる。
以上の操作ボタン類を操作して、ユーザは対物レンズの移動する高さ範囲を設定する。すなわち、画像表示領域61に表示されるカメラ画像を見ながら、対物レンズを高さ方向に移動させる範囲の上限と下限を、上限セットボタン72、下限セットボタン73で設定する。上限位置及び下限位置を設定後、フロー図65の「レーザの明るさ調整」ステップ65cを押下すると、「高さ範囲の設定」ステップ65bから図10に示す「レーザの明るさ調整」ステップ65cに移行する。なお、上限セット、下限セットをいずれも設定した時点で「レーザの明るさ調整」ステップ65cに移行するように設定したり、あるいは上記「ステージの調整」ステップ65aと同様に「調整完了」ボタンを設けることもできる。
(「レーザの明るさ調整」ステップ65c)
図10に示す「レーザの明るさ調整」ステップ65cでは、画像表示領域61の表示がカメラ画像から共焦点画像に切り替えられる。また、フロー図65で「レーザの明るさ調整」ステップ65cがハイライト表示されると共に、説明図66及び操作部67の表示が「レーザの明るさ調整」ステップ65cに対応する画面に、それぞれ切り替えられる。具体的には、説明図66に「レーザ画像の明るさを調整します。明るすぎるとその部分が赤く表示されます。明るさを自動で調整する場合は、「自動調整」ボタンを押してください。手動で調整する場合は、赤い部分が現れるギリギリまでフィルタ、明るさを調整してください。※測定範囲全体で調整してください。調整終了後、「測定を開始」に進んでください。」とのテキスト情報が表示される。また操作部67には、レンズ位置調整欄70の下に、明るさ調整手段としてレーザ明るさ調整欄80が設けられ、明るさ調整部81とフィルタ選択欄82が備えられる。明るさ調整部81は、第1受光信号処理回路22で受光素子21の受光感度(PMTゲイン)を調整することで、共焦点画像の明るさを調整する。ここではスライダ83による連続的な調整と、プッシュ式の増減ボタン84による微調整とが併用できる。また、現在設定されている明るさを数値で表示する明るさ表示欄85を設けている。一方、フィルタ選択欄82は、NDフィルタによる減衰量の設定を行う。フィルタ選択欄82はプルダウンメニュー式に、フィルタによる減衰量の効果を選択する。また、明るさ調整部81の動作をフィルタと連動させることもできる。これにより、フィルタの調整をゲインと別個に行う必要がなく、明るさ調整部81の調整のみで済ませることができ、使い勝手が良くなる。ユーザは、試料の表面の光反射率等に応じて明るさ調整部81とフィルタ選択欄82を操作し、画像表示領域61に表示された共焦点画像の明るさが、高さ範囲の全体において適切となるように調整する。
(飽和領域表示機能)
また共焦点画像中に、明るさ、すなわち試料表面での反射光量が飽和した領域が存在すると、その部分が着色されて画像表示領域61に表示される飽和領域表示機能を備えてもよい。図10の例では、飽和領域を赤く着色して画像表示領域61に表示している。このような画像処理は、コントローラ2の制御部43で行うことができる。これにより、赤い領域が発生しないように、すなわちユーザは光量が飽和しない適切な明るさを設定できる。すなわち、赤い領域が発生しない限界の明るさまで、視覚的に容易に設定することができる。
(レンズ位置表示バー79)
また「レーザの明るさ調整」ステップ65cでは、レンズ位置調整欄70の表示が「高さ範囲の設定」ステップ65bから変更される。具体的には、レンズ移動ボタン群71の右側に、対物レンズの高さを示すレンズ位置表示バー79が表示される。レンズ位置表示バー79は、対物レンズの移動可能な全域の中で、「高さ範囲の設定」ステップ65bで設定された上限位置と下限位置に挟まれる領域、すなわち測定範囲にほぼ対応する長さを示し、現在の高さに対応する位置を三角形状の矢印79Bで示すと共に、上限位置、下限位置に対応して、これらをレンズ位置表示バー79上に色分けして表示している。これにより、上端、下端位置を視覚的にマーキングし、ユーザが現在のピント位置を容易に確認、把握可能となる。図10の例では、高さ範囲内79aを緑色、高さ範囲外79bを赤色に表示して、現在の高さと上限、下限との関係を矢印と色分け表示により視覚的に把握できる。さらに、上限位置、下限位置及び現在位置の高さを数値で併記することで、より正確な高さを認識できる。特に「レーザの明るさ調整」ステップ65cでは、高さ範囲のすべての位置で明るさが飽和しないように、明るさを設定する必要があるため、レンズ位置を変化させて明るさを確認する必要がある。このため、対物レンズの位置を把握し易くすることで、ユーザによる設定作業を容易にできる。加えて、先に設定した基準位置をレンズ位置表示バー79上で青色の矢印75bで表示すると共に、基準位置に戻るするための基準位置ボタン75を設けている。これにより、対物レンズの高さを変更することで画像表示領域61で表示される共焦点画像が真っ暗になっても、速やかに基準位置に戻って視認可能な共焦点画像を表示させることができる。特に、画面が真っ暗になり初心者ユーザが位置を見失っても、慌てることなく元の位置に戻ることができるので、共焦点顕微鏡の操作に対する不安を軽減できる効果が得られる。
(ピント限定手段)
一旦上限位置、下限位置が設定されると、対物レンズはこの範囲内でのみ移動可能となる。したがって、上限セットボタン72、下限セットボタン73は対物レンズの高さ方向への移動範囲、すなわちピント範囲を制限するピント制限手段として機能する。これにより、ピント可動範囲が自動的に高さ範囲に制限され、明るさ調整のみに集中することができる。図10の例では、上述の通りレンズ位置表示バー79においては、対物レンズが移動可能な上限位置と下限位置との間の範囲内79aを緑色で表示し、範囲外79bは赤色で表示することで、対物レンズの移動が制限されることを視覚的に示している。特にピントを調整可能な範囲は、レンズ位置表示バー79が示している範囲よりはるかに広いため、何ら制限がないとユーザがピントを大きく外れた位置に設定してしまう虞がある。ピント制限手段によってユーザはピントの大外しを避けることができるので、明るさ調整に専念できる。
ただ、この範囲を超えて対物レンズを移動させる範囲外移動手段を設けてもよい。図10の例では、レンズ移動ボタン群71の内、上下端に配置された>>>ボタン71Xが、範囲外移動手段として機能する。このボタンを押下すると、ピント制限手段で規定された高さ範囲を超えて対物レンズを移動させることが可能となる。これにより、高さ範囲外での共焦点画像を確認できるようになり、範囲の微調整や再設定等に利用できる。現在のレンズの位置はレンズ位置表示バー79上の左側に三角形79Bで示されており、高さ範囲内にあるときは緑色の三角形79Bで表示される。レンズの位置が高さ範囲外まで移動されると、三角形79Bの色が緑色から赤色に変わる。これによって、ユーザは高さ範囲外にピントが外れていることを容易に知ることができる。また、高さ範囲外に対物レンズを移動させても、基準位置ボタン75によって速やかに高さ範囲内に戻ることができる。
なお、>>>ボタンXは、図9の画面では対物レンズの移動量の大きい矢印ボタンとして機能し、図10の画面では高さ範囲を超えて対物レンズを移動させる範囲外移動手段として機能する。このように、一のボタンを兼用して、選択されたステップに応じてボタンの機能を変更させる構成の他、別途専用の範囲外移動手段を設けることもできる。あるいは、「>」、「>>」、「>>>」のいずれの矢印ボタンでも、設定された高さ範囲を超えて対物レンズを移動させるよう構成してもよい。
(明るさ自動調整手段)
さらに、このような手動による明るさ調整によることなく、明るさ自動調整手段を用いて共焦点画像の明るさを自動調整することもできる。図10の例では、レーザ明るさ調整欄80の左上に「自動調整」ボタン86を設けており、このボタンを押下すると明るさ自動調整が実行される。明るさを高さ範囲全域に渡って最適に自動調整する方法としては、例えば高さ範囲全体を走査し、すべての共焦点画像中から一番明るい位置(画素)を抽出する。そして、この画素が飽和しない、最も高い輝度に調整した後、再度すべての範囲を走査して明るさの飽和が生じないことを確認する。あるいは、あるピント位置でオートゲイン動作を行い、ピントを所定量だけ移動させて飽和する箇所があればゲインを適切な値まで下げ、またピントを所定量移動させる動作を繰返し、高さ範囲の全域を走査する方法等も利用できる。これにより、ユーザは面倒な明るさの調整作業を自動で行わせることができ、大幅な省力化が実現される。すなわち、ユーザの熟練度や観測目的に応じて、マニュアル設定と自動設定とを選択できることで、幅広い用途や要求に対応できる。
(「測定を開始」ステップ65d)
以上のようにしてレーザの明るさ調整を終了後、フロー図65から「測定を開始」ステップ65dを押下すると、図11に示す画面に切り替わる。ここでは、超深度画像の測定に必要な設定が終了したことをユーザに告知し、測定開始を促す。具体的には、説明図66として「測定を開始します。「測定開始」ボタンを押してください。測定を中止したい場合は「中止」ボタンを押してください。※測定失敗の原因となるため、測定中は顕微鏡本体に触れたり、本パソコンで他の作業をしないで下さい。」との説明と注意を促すメッセージが表示される。また操作欄67には測定欄として「測定開始」ボタン87及び測定を中止する「中止」ボタン88が設けられる。「測定開始」ボタン87を押下すると、共焦点顕微鏡は高さ範囲を所定のピッチで移動しながら、共焦点画像を複数枚撮像し、これらを合成して超深度画像を合成し、画像表示領域61に表示する。測定の進捗状況はバーグラフ状89に表示され、さらに残り時間の概算が表示される。
(「測定結果の確認」ステップ65e)
複数枚の共焦点画像に基づき白黒の超深度画像が測定され、画像表示領域61に表示されると、自動的に「測定を開始」ステップ65dから「測定結果の確認」ステップ65eに移行される。図12に示す「測定結果の確認」ステップ65eでは、得られた超深度画像が適切かどうかを確認する。ここでは、説明図66において「測定結果の表示方法を選択できます。正しく測定できているか確認してください。※測定はこれで完了です。保存した測定結果は解析ソフトで読み込み、様々な解析を行うことができます。続けて測定する場合は最初の手順に戻ってください。」とメッセージが表示される。また操作部67には、測定結果表示欄90が設けられ、測定結果の表示する画像の形態を切り替えることができる。例えば、白黒超深度画像に加えて、超深度画像をカラー化したカラー超深度画像、試料の高さ情報に基づきグレースケール化もしくは色付けした高さ画像、試料の高さ分布を立体的に表示した3D画像、ピント位置のカメラ画像のみ合成したカラーピーク画像、を表示することができる。ユーザは、測定された白黒超深度画像に加えて、これらの表示に切り替え、所望の画像が正しく得られているかどうかを確認する。得られた画像はデータとして保存することもでき、また解析ソフトで解析することもできる。例えば、プロファイル計測や面粗さ計測、薄膜計測、段差、表面積、体積、複数のプロファイルの比較、傾斜角等の計測が行える。また、このような解析機能を共焦点顕微鏡操作プログラムに備えることもできる。
なお、上記ではビギナーモードにおいてユーザに超深度画像の測定を案内するためにフロー図65を用いたガイダンスを実現しているが、この方法に限られず、例えばウィザード方式等の対話形式で説明することもできる。また、説明図66にはイラストに加えて写真を表示させたり、静止画のみならず動画や音声案内を付加することもできる。
(エキスパートモード)
一方、図8の画面からエキスパートタブ63bを選択し、エキスパートモードに切り替えた状態を図13に示す。エキスパートモードでは、上述した各ステップの設定を一画面で行えるよう、各種の操作ボタン類が配置されている。図13の例では、操作領域62の上段にレンズ位置調整欄70、中段にレーザ明るさ調整欄80、下段に測定設定欄91を設けている。さらにレンズ位置調整欄70の上に、画像表示領域61で現在表示されている画像の種別を表示する画像種別表示欄92を設けている。ここでは、カメラ画像が表示されているため、「カメラ」ボタン92aがハイライト表示される。この状態から「レーザ」ボタン92bを押下すると、画像表示領域61の表示が共焦点画像に切り替えられる。同様に「RT3D」ボタン92cを押下すると3D画像が表示される。なお、これらの画像は画像表示領域を分割したり、あるいは画像表示ウィンドウを複数設ける等の方法で、複数を並べて表示することもできる。また、未作成等の理由で表示できない画像については、該当するボタンをグレーアウト表示させて、表示不可能であることを示す。さらに「||」ボタン92dは、ライブ表示の画像を一時停止するためのボタンである。
レンズ位置調整欄70は、図9とほぼ同じ構成としている。また、下部にはZ測定距離表示欄93が設けられ、高さ上限位置と下限位置との間の距離、すなわち高さの測定範囲(距離)が示されている。さらにレーザ明るさ調整欄80も、図10とほぼ同じ構成としている。図13の例では、フィルタによる明るさ調整用とゲインによる明るさ調整用に、フィルタ調整用プルダウンメニュー82B、ゲイン調整用スライダ83をそれぞれ設けており、これらを個別に調整できる。
加えて、測定設定欄91は、これから測定する超深度画像に対して各種設定を行うためのボタン類を纏めている。図13の例では、各種の設定をプルダウンメニューで選択可能としており、測定モード94として表面形状、膜厚等が選択できる。また測定エリア95として面、ライン等が選択でき、さらに測定品質96として超高精細、高精細、高速等が選択できる。このように、エキスパートモードでは様々なモードや品質、エリアで超深度画像の取得ができ、共焦点顕微鏡の操作に慣れたユーザは、コンパクトに纏められた画面から所望の操作を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば非共焦点画像を用いることで、容易に高さ範囲を設定することができ、また適切な明るさ調整を行える。ここで、対比のため従来の共焦点顕微鏡を用いて共焦点画像を得る手順を、図14に基づいて説明する。まずステップS101で試料を顕微鏡にセットし、次にステップS102で試料を非共焦点画像で表示手段上に表示させる。この状態でステップS103において、ユーザは試料の撮像したい部分を探すよう、ピントを調整する。ここではCCDカメラのカメラ画像を表示しているため、ピントが合っていなくとも全体像の把握ができ、視野探しやピント調整を容易に行える。次にステップS104で表示手段における表示をカメラ画像から共焦点画像に切り替える。そしてステップS105で先ず共焦点画像の明るさを調整する。ステップS106で調整した明るさが適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS105に戻って再調整を行い、適正な場合はステップS107に進み、ピントの上下端、すなわち高さ方向の移動範囲を設定する。次いでステップS108において、設定された高さ範囲で明るさが適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS105に戻って明るさを再設定する。適正な場合はステップS109に進み、高さ範囲が適正かどうかを確認する。適正でない場合はステップS107に戻り高さ範囲を再設定し、適正な場合はステップS110に進み、共焦点画像を得るための測定を行う。その後ステップS111で満足な測定結果が得られたかどうかを判定し、不満足の場合はステップS103に戻って視野探しを行い、満足の場合は処理を終了する。
この方法では、共焦点画像を表示させた状態で明るさと高さ範囲を調整しており、暗い画面での設定を強いられることがある上、明るさと高さ範囲の2つの調整作業が入れ子になっているため、極めて作業が複雑かつ面倒であった。一方で、このような共焦点光学系10と非共焦点光学系50とを備える複合型の顕微鏡においては、測定の上端、下端の範囲を決定するために、共焦点画像の使用に固執する必然性はない。いいかえると、通常の光学系にCCDカメラを搭載したカメラ画像等の非共焦点画像を用いて、ピントのボケ具合を観察しながら測定の上端、下端範囲を設定しても、なんら問題はない。非共焦点画像を使用すれば、ピント位置を外しても徐々にぼけていくだけなので、図6に示すような2つの平面を有する段差ゲージ形の試料であっても、確実にその両平面をカバーするように高さ範囲を設定することができる。
(高さ範囲設定方法)
実施の形態2を用いて超深度画像を測定する手順を、図15のフローチャートに基づいて説明する。なお、この手順はビギナーモード、エキスパートモードのいずれにも適用できる。まずステップS201において、試料を顕微鏡にセットする。次にステップS202で、試料を非共焦点画像で表示手段上に表示させる。そしてステップS203でユーザは試料の撮像したい部分を探すよう、ピントを調整する。ここではCCDカメラ等のカメラ画像を表示しているため、ピントが合っていなくとも全体像の把握ができ、視野探しやピント調整を容易に行える。次にステップS204で、非共焦点画像を表示させたままピントの上下端、すなわち高さ方向の移動範囲の調整を行う。ここではカメラ画像等の非共焦点画像で高さ方向を設定するため、ピントを合わせ易く、上限と下限を所望の高さに容易に設定できる。そしてステップS205で高さ範囲が適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS204に戻って高さ範囲の再設定を行い、適正な場合はステップS206に進み、表示手段の表示を共焦点画像に切り替える。そしてステップS207で共焦点画像の明るさを、ユーザが明るさ調整手段を用いて手動で調整する。ここで、設定した高さ範囲内にピント範囲を限定させるピント限定手段を機能させることで、ピント可動範囲が自動的に高さ範囲に制限されるので、ユーザはピントの大外しを避けられ、明るさ調整のみに集中できる。その後ステップS208に進み、設定された明るさが適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS207に戻って再設定を行い、一方適正な場合はステップS209に進み共焦点画像を得るための測定を行う。その後ステップS210で満足な測定結果が得られたかどうかを判定し、不満足の場合はステップS203に戻って視野探しを行い、満足の場合は処理を終了する。このように、本実施の形態では測定の上下端範囲に際して非共焦点画像を用いることで、設定を容易に行える。特に非共焦点画像では合焦点位置でなくともある程度の明るさで画像が表示されるため、ピント状態の把握が容易であり、共焦点顕微鏡の仕組みに詳しくないユーザでも容易に高さ範囲を設定できる。また上下範囲の設定は非共焦点画像で行い、明るさの設定は共焦点画像で行うことで、ピント範囲の設定を明確に行える上、その後に明るさを実際の共焦点画像に対して設定できるため、正確かつ容易に、超深度画像を観察するための条件を設定できる。
(実施の形態3)
上記の方法では、共焦点画像の明るさをユーザが明るさ調整手段を用いて手動で調整した。一方、明るさ自動調整手段で共焦点画像の明るさを自動調整することもできる。以下、実施の形態3として明るさ自動調整手段を用いた超深度画像測定手順を図16のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、ステップS301〜S306まではステップS201〜S206と同じ手順とする。すなわち、まずステップS301で試料を顕微鏡にセットし、次いでステップS302で試料を非共焦点画像で表示手段上に表示させる。そしてステップS303でユーザは試料の撮像したい部分を探すよう、ピントを調整する。ここでもカメラ画像を利用して、広い焦点範囲で視野探しやピント調整を容易に行える。次にステップS304でピントの上下端(高さ方向の測定範囲)の調整を行う。ここでも非共焦点画像で高さ方向を設定するため、上限と下限を所望の高さに容易に設定できる。そしてステップS305で高さ範囲が適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS304に戻って高さ範囲の再設定を行い、適正な場合はステップS306に進み、表示手段の表示を共焦点画像に切り替える。そしてステップS307で、共焦点画像の明るさを明るさ自動調整手段で自動調整する。これにより、ユーザが明るさを手動で調整し、さらに明るさが適正かどうかを判定する手間を省き、より簡単かつ高速に明るさを調整できる。明るさ自動調整手段が自動調整を行う具体的な方法については、後述する。そしてステップS308に進み、共焦点画像を得るための測定を行う。さらにステップS310で満足な測定結果が得られたかどうかを判定し、不満足の場合はステップS303に戻って視野探しを行い、満足の場合は処理を終了する。このように、実施の形態3では明るさ自動調整手段を利用して共焦点画像の明るさを自動調整することにより、ユーザの負担をさらに軽減できる。
(実施の形態4)
さらに、この共焦点画像の明るさ自動調整を利用し、共焦点画像をユーザに提示することなく、共焦点画像を取得することもできる。以下、この手順の一例を実施の形態4として図17のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、ステップS401〜S405までは上記のステップS301〜S305と同じ手順とする。ステップS405までの処理で高さ範囲が設定されると、表示手段の表示を共焦点画像に切り替えることなく、共焦点画像の明るさを明るさ自動調整手段で自動調整し、共焦点画像を得るための測定を行う(ステップ406)。以下同様に、満足な測定結果が得られたかどうかをステップS407で判定し、不満足の場合はステップS403に戻って視野探しを行い、満足の場合は処理を終了する。このように、実施の形態4では共焦点画像をユーザに一度も見せることなく、共焦点画像の測定動作まで到達することができるため、共焦点画像特有の扱い難さからユーザを完全に解放し、通常の非共焦点型の光学顕微鏡を使う感覚で共焦点画像の測定を実施できるようになる。
このように、ユーザは簡単に共焦点顕微鏡を用いた高さ形状測定を行えるようになる。また、ユーザ個々の技量、慣れの差による測定結果の違いも発生し難くなる。
(明るさ自動調整手順)
明るさ自動調整手段は、共焦点画像の明るさを自動調整する。ここでは、明るさ自動調整手段が、明るさ調整を高さ範囲全域にわたり繰り返す。具体的には、まず初めに特定のピント位置で明るさを適切に調整する。ここでは、明るさを上げる向き、下げる向きのいずれの向きにも調整する。以降、ピントを所定量ずつずらして明るさを調整していく。この際、明るさが飽和した時のみ、明るさを下げる向きに調整し、暗すぎる場合は何もしない。なぜなら、高さ範囲全体に渡って飽和する点を出さないことが目的であるため、あるピント位置で最適な明るさに調整した後は、明るさを上げる向きに調整する必要性がないからである。
以下、明るさ自動調整手段が共焦点画像の明るさを自動調整する手順の一例を、図18のフローチャートに基づいて説明する。先ずステップS501で、所定の位置までピントを移動させる。そしてステップS502で、共焦点画像の明るさを調整する。その結果、ステップS503で明るさが適正かどうかを判定し、適正でない場合はステップS502に戻って処理を繰り返し、適正な場合はステップS504に進んでピントを所定量、上方向に移動させる。次いでステップS505で、明るさが飽和する箇所があるかどうかを判定し、飽和する箇所が存在する場合はステップS506に進んで明るさを少し下げた後、再度ステップS505に戻って処理を繰り返す。一方、飽和する箇所が無い場合はステップS507にジャンプし、高さ範囲の上限に到達したかどうかを判定する。未だの場合はステップS504に戻って処理を繰り返し、到達した場合はステップS508に進み、所定の位置、すなわちステップS501と同じ位置にピントを移動する。そしてステップS509で、今度はピントを所定量下方向に移動させる。以降は上記と同様に、ステップS510で先ず明るさが飽和する箇所があるかどうかを判定し、飽和する箇所が存在する場合はステップS511に進んで明るさを少し下げた後、再度ステップS510に戻って処理を繰り返す。一方、飽和する箇所が無い場合はステップS512にジャンプし、高さ範囲の下限に到達したかどうかを判定する。未だの場合はステップS509に戻って処理を繰り返し、到達した場合は処理を終了する。
このように、明るさ自動調整手段が、明るさ調整を高さ範囲全域にわたり何度も繰り返すことで、高さ範囲全体の明るさ調整を最適に行うことができる。なお図18の例では、先にピント位置を所定量上方向に移動させた後、下方向に移動させているが、逆の手順でも同様の結果を得ることができる。
以上反射型の共焦点顕微鏡を説明したが、本発明は透過型の共焦点顕微鏡にも適用できる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系10のレーザ光及び非共焦点光学系50の白色光が照射される。共焦点光学系10の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系50の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。