JP4963567B2 - 微小高さ測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物の微小高さを測定する微小高さ測定装置に関し、詳しくは、被測定物上に測定点を指定してその測定点の高さを高速で測定しようとする微小高さ測定装置に係るものである。
従来のこの種の微小高さ測定装置は、光源であるレーザ発振器と、被測定物をレーザビームで走査するためのレーザビーム偏向部と、走査されるレーザビームを被測定物に集光する対物レンズと、被測定物からの反射光を二つの光路に分岐する光学系と、分岐された各々の光路における反射光の結像位置付近に配置した光学的に大きさの異なる二つの開口と、各開口を通過した反射光をそれぞれ検出する光検出器と、この光検出器の出力信号から被測定物の高さを算出する処理部とを備え、小さな開口を配置した光路から得られた反射光の高さに依存する測定値を、大きな開口を配置した光路から得られた反射光の絶対量値で除算して被測定物の高さを求め、これを予め計算・記憶しておいた高さ換算表と照らし合わせることにより、計算結果に応じた高さを得るようになっている(特許文献1参照)。
しかし、上記微小高さ測定装置は、レーザビームをガルバノミラー等を用いて走査するため、走査スピードに限界があり、また走査ビームの揺らぎ現象の問題があった。
そこで、このような問題に対処するために、他の装置は、多数のマイクロレンズをアレイ状に配列したマイクロレンズディスクと、該マイクロレンズディスクと同一の回転軸により一体的に回転するようにされ、上記マイクロレンズディスクの各マイクロレンズの焦点位置にピンホールを形成したピンホールディスクと、上記マイクロレンズディスクのマイクロレンズ及びピンホールディスクのピンホールを通過した光ビームを被測定物上に集光させる対物レンズと、該対物レンズの焦点位置と光学的に共役の関係に配置され被測定物からの反射光を検出する光検出器と、上記マイクロレンズディスクとピンホールディスクとの間に配設され被測定物からの反射光を上記光検出器側に反射するハーフミラーと、該反射光を上記光検出器の検出面上に集光するリレーレンズとを備えている(特許文献2参照)。
上記他の装置は、このような構成により、レーザビームをマイクロレンズディスクに配置された各マイクロレンズにより個別の光束として集光し、ハーフミラーを透過後、ピンホールディスクに設けられた個々のピンホールを通過させ、対物レンズにより被測定物上に集光させる。そして、被測定物からの反射光を再び対物レンズによりピンホールディスクの個々のピンホール上に集光させ、個々のピンホールを通過後、上記ハーフミラーにより反射してリレーレンズにより光検出手段上に集光させる。これにより、マイクロレンズディスクとピンホールディスクとを一体的に回転してレーザビームを観察領域全体に高速走査することができる。
特開平07−128025号公報 特開2004−340663号公報
しかし、このような従来の微小高さ測定装置においては、いずれも光ビームの走査を機械的に行うものであったので、光ビームの走査速度には限界があり、高速測定が困難であった。また、観察領域全体をレーザビームで走査して被測定物の高さを測定するものであったので、被測定物上に測定点を指定して測定することができず、測定点の高さを高速度で測定することができなかった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、被測定物上に測定点を指定してその測定点の高さを高速で測定しようとする微小高さ測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明による微小高さ測定装置は、光ビームを放射する光源と、前記光源からの光ビームを被測定物上に指定された測定点に集光してビームスポットを形成する対物レンズと、前記光源と対物レンズとを結ぶ光路上に該光路に沿って変位可能に配設された集光レンズと、前記集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、前記光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に傾く複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列した測定点選択手段と、前記集光レンズが前記所定位置に対して前記対物レンズ側に配置されているとき、前記対物レンズから前記光源に向かう光路にて前記測定点選択手段で反射される光の光路上に、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、該被測定物上の測定点の像を撮像する撮像手段と、前記光源からの光ビームにて前記被測定物上の測定点で反射され、前記測定点選択手段で反射されて戻る光を検出する光検出手段と、前記集光レンズを前記対物レンズの光軸方向に変位させると共にその変位量を検出して出力する変位手段と、前記測定点選択手段の各マイクロミラーを駆動制御し、前記変位手段の変位を制御すると共に、前記光検出手段で検出された光の輝度及び前記変位手段より入力した変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物の前記測定点の高さとして求める制御手段と、を備え、前記集光レンズをその変位範囲内の前記所定位置に対して前記対物レンズ側に位置させた状態で、前記撮像手段により前記被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、前記集光レンズを前記光源側に向かう一定方向に移動させて前記測定点の高さを求めるものである。
このような構成により、先ず、集光レンズをその変位範囲内にて測定点選択手段の配設位置を確定する所定位置に対して対物レンズ側に配置した状態で撮像手段により被測定物上の測定点の像を測定点選択手段を介して撮像し、次に、光源から光ビームを放射し、制御手段で測定点選択手段のマトリクス状に配列された複数のマイクロミラーを光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に駆動制御し、対物レンズにより上記マイクロミラーで反射された光ビームを被測定物上の測定点に集光してビームスポットを形成する。その後、制御手段で変位手段を制御して集光レンズを光源側に向かう一定方向に変位させる。その際、光検出手段で光源からの光ビームにて被測定物上の測定点で反射され、測定点選択手段で反射されて戻る光を検出し、制御手段により上記光検出手段で検出された光の輝度及び上記変位手段から入力した集光レンズの変位量のデータに基づいて最大輝度値を示す変位量を被測定物の上記測定点の高さとして求める。
また、第2の発明による微小高さ測定装置は、光ビームを放射する光源と、前記光源からの光ビームを被測定物上に指定された測定点に集光してビームスポットを形成する対物レンズと、前記光源と対物レンズとを結ぶ光路上に該光路に沿って変位可能に配設された集光レンズと、前記集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、前記光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に傾く複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列した測定点選択手段と、前記集光レンズが前記所定位置に対して前記対物レンズ側又は前記光源側のいずれか一方に配置されているとき、前記対物レンズから前記光源に向かう光路にて前記集光レンズと前記測定点選択手段との間で分岐された光路上に、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、該被測定物上の測定点の像を撮像する撮像手段と、前記光源からの光ビームにて前記被測定物上の測定点で反射され、前記測定点選択手段で反射されて戻る光を検出する光検出手段と、前記集光レンズを前記対物レンズの光軸方向に変位させると共にその変位量を検出して出力する変位手段と、前記測定点選択手段の各マイクロミラーを駆動制御し、前記変位手段の変位を制御すると共に、前記光検出手段で検出された光の輝度及び前記変位手段より入力した変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物の前記測定点の高さとして求める制御手段と、を備え、前記集光レンズをその変位範囲内の前記所定位置に対して前記対物レンズ側又は前記光源側のいずれか一方に位置させた状態で、前記撮像手段により前記被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、前記集光レンズを前記光源側又は前記対物レンズ側のいずれかに向かう一定方向に移動させて前記測定点の高さを求めるものである。
このような構成により、先ず、集光レンズをその変位範囲内にて測定点選択手段の配設位置を確定する所定位置に対して対物レンズ側又は光源側に配置した状態で撮像手段により被測定物上の測定点の像を撮像し、次に、光源から光ビームを放射し、制御手段で測定点選択手段のマトリクス状に配列された複数のマイクロミラーを光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に駆動制御し、対物レンズにより上記マイクロミラーで反射された光ビームを被測定物上の測定点に集光してビームスポットを形成する。その後、制御手段で変位手段を制御して、撮像手段による測定点の像の撮像時に集光レンズが対物レンズ側に配置されているときには、集光レンズを光源側に向かう一定方向に変位させ、光源側に配置されているときには、対物レンズ側に向かう一定方向に変位させる。その際、光検出手段で光源からの光ビームにて被測定物上の測定点で反射され、測定点選択手段で反射されて戻る光を検出し、制御手段により上記光検出手段で検出された光の輝度及び上記変位手段から入力した集光レンズの変位量のデータに基づいて最大輝度値を示す変位量を被測定物の上記測定点の高さとして求める。
請求項1に係る発明によれば、測定点選択手段のマイクロミラーを傾けて被測定物上に測定点を指定し、その測定点の高さを測定することができ、高速で測定することができる。また、測定点選択手段と対物レンズとを結ぶ光路上に配設された集光レンズを該光路に沿って変位させてその変位量から測定点の高さを測定するようにしているので、被測定物を対物レンズに対して相対的に変位させる場合よりもイナーシャが小さくなり変位速度を向上することができる。したがって、微小高さをより高速に測定することができる。この場合、集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、対物レンズによる被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に測定点選択手段を配設し、集光レンズが上記所定位置に対して対物レンズ側に配置されているとき、対物レンズから光源に向かう光路にて測定点選択手段で反射される光の光路上に、対物レンズによる被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に撮像手段を配設しているので、集光レンズをその変位範囲内の上記所定位置に対して対物レンズ側に位置させた状態で、撮像手段により被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、測定点の高さを測定する際には、上記集光レンズを、常に、光源側に向かう一定方向に変位させればよく、微小高さをより一層高速に測定することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、測定点選択手段のマイクロミラーを傾けて被測定物上に測定点を指定し、その測定点の高さを測定することができ、高速で測定することができる。また、測定点選択手段と対物レンズとを結ぶ光路上に配設された集光レンズを該光路に沿って変位させてその変位量から測定点の高さを測定するようにしているので、被測定物を対物レンズに対して相対的に変位させる場合よりもイナーシャが小さくなり変位速度を向上することができる。したがって、微小高さをより高速に測定することができる。この場合、集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、対物レンズによる被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に測定点選択手段を配設し、集光レンズが上記所定位置に対して対物レンズ側又は光源側のいずれか一方に配置されているとき、対物レンズから光源に向かう光路にて集光レンズと測定点選択手段との間で分岐された光路上に、対物レンズによる被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に撮像手段を配設しているので、集光レンズをその変位範囲内の上記所定位置に対して対物レンズ側又は光源側のいずれか一方に位置させた状態で、撮像手段により被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、測定点の高さを測定する際には、上記集光レンズを、常に、光源側又は対物レンズ側のいずれかに向かう方向に変位させればよく、微小高さをより一層高速に測定することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による微小高さ測定装置の第1の実施形態を示す概念図であり、図2は図1の要部を示す側面図である。この微小高さ測定装置は、被測定物上の測定点の微小高さを測定するもので、光源1と、対物レンズ2と、集光レンズ3と、測定点選択手段4と、撮像手段5と、光検出手段6と、変位手段7と、照明用光源8と、フォーカス調整手段9と、制御手段10とからなる。
上記光源1は、被測定物上の測定点の微小高さを測定するために所定波長の光ビームを放射するものであり、例えばレーザ発振器である。なお、光源1は、波長の異なる複数のレーザ光源を組み合わせて構成し、ステージ11の上面に載置された被測定物12の測定点の下地の色に応じてスイッチで切り換えて選択可能としてもよい。また、光源1から放射された光ビームは、ビームエキスパンダ13でその径が広げられ、コリメータレンズ14で平行光とされて射出するようになっている。
上記被測定物12を載置するステージ11の上方には、該被測定物12と対向して対物レンズ2が配設されている。この対物レンズ2は、光源1からの光ビームを被測定物12上に集光するものであり、図1に示すように、例えば低倍率から高倍率の五種類の対物レンズ2a,2b,2c,2d,2eからなる。そして、これら五種類の対物レンズ2a〜2eは、顕微鏡の鏡筒15の下端部に上記ステージ11の面に平行に移動可能に設けられたレンズホルダー16に着脱可能に取り付けられている。
上記光源1と対物レンズ2とを結ぶ光路上には、集光レンズ3が配設されている。この集光レンズ3は、被測定物12上の測定点の像を後述の撮像手段5の受光面に結像させ、またこの測定点に集光された光ビームスポットの像を後述の測定点選択手段4のマイクロミラー17上に結像させるレンズであり、上記光路に沿って矢印A,B方向に変位可能とされている。
上記集光レンズ3がその変位範囲内の所定位置、例えば、図2に破線で示すように変位範囲の中間位置Oに配置されているとき、上記対物レンズ2による上記被測定物12上の結像点と光学的に共役の関係に測定点選択手段4が配設されている。この測定点選択手段4は、被測定物12上に指定された側定点に光ビームを照射するものであり、複数のマイクロミラー17をマトリクス状に配列しており、図3に実線で示すように各マイクロミラー17が光源1からの光ビームを被測定物12方向に反射するように個別に傾くようになっている。そして、この状態を以下「マイクロミラー17がオン状態」という。一方、「マイクロミラー17がオフ状態」においては、マイクロミラー17は、同図に破線で示すように傾き、光源1からの光ビームを被測定物12方向とは異なる方向に反射することとなる。上記マイクロミラー17のサイズは、例えば16μm角程度に形成することが可能であり、該マイクロミラー17でそれと略同サイズのスポット光を生成することができる。また、このマイクロミラー17は、被測定物12の測定点で反射されて戻る光ビームに対してはピンホールとして作用する。なお、図2において、符号18Aは反射ミラーである。
上記対物レンズ2から光源1に向かう光路にて上記測定点選択手段4で反射される光の光路上には、撮像手段5が配置されている。具体的には、撮像手段5は、図4に破線で示すように、マイクロミラー17がオフ状態において、測定点からの反射光が光検出手段6方向(マイクロミラー17がオン状態において反射される方向)と異なる方向に反射されるその反射光の光路上に配設されている。この撮像手段5は、被測定物12上の測定点の像を撮像するものであり、例えば二次元画像の取得が可能なCCDカメラであり、同図に実線で示すように、上記集光レンズ3が上記位置Oに対して対物レンズ2側の位置O(ここでは、変位範囲の最下点で示す)に配置されているとき、上記対物レンズ2による上記被測定物12上の結像点と光学的に共役の関係をなしている。
上記光源1と測定点選択手段4との間には、光検出手段6が設けられている。この光検出手段6は、上記光源1からの光ビームにて上記複数のマイクロミラー17のうち選択されたマイクロミラー17で反射されて上記被測定物12上に指定された測定点に集光し、そこで反射されて戻る光を検出するものであり、光の強度を電気信号の振幅に光電変換する例えば光電子増倍管(Photo Multiplier Tube:PMT)である。なお、光検出手段6は、測定点選択手段4から光源1に向かう光路がハーフミラー19Aにより分岐された光路上に配設されて、上記被測定物12の測定点からの戻り光にて上記測定点選択手段4で反射された光を、光源1から放射される光ビームと干渉することなく受光できるようになっている。さらに、上記ハーフミラー19Aで反射された測定点選択手段4からの光ビームは、リレーレンズ20で光検出手段6の受光面に集光するようになっている。
上記集光レンズ3には、変位手段7が設けられている。この変位手段7は、集光レンズ3を対物レンズ2の光軸方向にて矢印A,B方向に変位させるものであり、図示省略のモータ又はアクチュエータと位置検出センサーとを備え、後述の制御手段10からの制御信号に基づいて上記モータ又はアクチュエータを駆動して集光レンズ3を変位させ、予め設定した基準位置からの変位量を上記位置検出センサーで検出してその検出信号を制御手段10に送るようになっている。
上記対物レンズ2から集光レンズ3へ向かう光路からハーフミラー18Bで分岐された光路上には、照明用光源8が配設されている。この照明用光源8は、被測定物12上の測定点を照明し、上記撮像手段5で測定点の像を撮像可能とさせるものであり、撮像手段5と対物レンズ2とを結ぶ撮像系の光路上に照明光を導入するようになっており、照明系を形成している。そして、この撮像系と照明系とにより顕微鏡の光学系が構成され鏡筒15内に収められている。なお、図1において、符号18Bは、照明用光源8からの光を顕微鏡の鏡筒15の内側に反射する反射ミラーであり、符号21は、上記撮像手段5による撮像領域を均一に照明するためのフィールドレンズである。
上記顕微鏡の鏡筒15の外側面には、フォーカス調整手段9が設けられている。このフォーカス調整手段9は、上記顕微鏡の鏡筒15を上下動させて、対物レンズ2を介して撮像手段5に取り込まれる被測定物12上の画像のフォーカスを調整するためのものであり、例えばモータとキヤ等で構成されている。
上記測定点選択手段4と、撮像手段5と、光検出手段6と、変位手段7と、フォーカス調整手段9と、光源1と、照明用光源8とに接続して制御手段10が設けられている。この制御手段10は、図5に示すように、上記測定点選択手段4の複数のマイクロミラー17のうちから選択されたマイクロミラー17を駆動すると共に、上記光検出手段6で検出された光の輝度及び上記集光レンズ3の変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物12の測定点における高さとして求めるものであり、制御及び処理部22と、A/D変換部23と、メモリ24と、ホームコンピュータ(以下、「制御用PC」と記載する)25とを備えている。
上記制御及び処理部22は、外部に接続して備えた制御用PC25により、予め指定された各測定点に対応するマイクロミラー17のアドレス情報を測定点選択手段4に送って、該アドレス情報により指定されたアドレスのマイクロミラー17を選択して駆動するものである。また、上記制御用PC25により予め設定されたサンプリング間隔及びサンプリング回数並びに変位速度に関する指令信号を変位手段7に送り、上記集光レンズ3を該指令信号で定められる最大変位量だけ所定の速度で変位させるものである。さらに、上記サンプリング間隔のタイミングで上記サンプリング回数だけA/D変換部23を起動する変換タイミング信号を上記A/D変換部23に出力すると共に、上記A/D変換部23から上記タイミングで取得する輝度データと上記変位手段7から上記タイミングで入力する位置検出センサーの検出信号に基づいて生成される変位量データとを関連付けて上記メモリ24に書き込むものである。また、上記メモリ24から読み出した各測定点の全ての輝度データとそれに関連付けられた変位量データとを制御用PC25に出力するものである。さらに、上記撮像手段5から入力した画像データを画像処理し、その画像の先鋭度に基づいてフォーカス調整手段9を駆動してフォーカス調整するものである。そして、光源1及び照明用光源8の点灯及び消灯の制御を行なうものである。
上記A/D変換部23は、上記光検出手段6から入力したアナログ信号をデジタルデータに変換するものであり、上記制御及び処理部22から入力する変換タイミング信号に基づいて所定のタイミングでデジタル変換するようになっている。また、上記メモリ24は、輝度データと変位量データとを関連付けて記憶するものであり、例えばRAMである。そして、制御用PC25は、オペレータが各測定点に対応するマイクロミラー17のアドレス情報や、集光レンズ3の変位速度及びサンプリング間隔並びにサンプリング回数等の各種パラメータを入力することを可能とすると共に、制御及び処理部22から互いに関連付けて出力された光の輝度及び変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物12における各測定点の高さとして求めるものであり、その結果を表示部26に表示させるようになっている。なお、この表示部26は、上記撮像手段5で取得された画像も表示させることができる。
次に、このように構成された微小高さ測定装置の動作及びそれを用いて行なう微小高さ測定について図6を参照して説明する。
先ず、初期状態においては、集光レンズ3は、その変位範囲の最下点Oに位置しており、測定点選択手段4の全マイクロミラー17がオフ状態にされている。この状態で、ステップS1においては、集光レンズ3の変位速度及び変位量データを取得するためのサンプリング間隔並びにそのサンプリング回数等の予め設定された各種パラメータを制御用PC25により入力してメモリ24に保存する。
次に、ステップS2において、照明用光源8が点灯され、対物レンズ2を介して取得された被測定物12上の像が図4に破線で示すように測定点選択手段4のマイクロミラー17で反射されて撮像手段5により撮像される。そして、撮像手段5で撮像された被測定物12上の像は、制御手段10の制御及び処理部22にて画像処理される。このとき、制御及び処理部22は、撮像手段5から入力した被測定物12上の画像の先鋭度に基づいてフォーカス調整手段9を駆動し、顕微鏡の鏡筒15を上下動させて対物レンズ2の焦点を被測定物12上に合わせる。
ステップS3においては、予め測定してメモリ24に保存された測定点の座標位置のうち、第1番目の測定点の座標データに基づいて例えば顕微鏡をXY軸方向に移動し、第1番目の測定点を上記対物レンズ2の視野内に設定する。このとき、レンズホルダー16を移動して五種類の対物レンズ2a〜2eを低倍率から高倍率まで切換えながら第1番目の測定点が対物レンズ2の中心に位置付けられ、同時にフォーカス調整手段9を駆動して顕微鏡の鏡筒15を上下動して第1番目の測定点に対するフォーカス調整が行われる。なお、顕微鏡の移動及び測定点のフォーカス調整は、オペレータが表示部に表示された像を観察しながら手動で行ってもよい。また、移動するのは顕微鏡側ではなくて被測定物12側であってもよい。
ここで、オペレータが表示部の画面上で制御用PC25に備えるマウスのカーソルを上記測定点に合わせ、また該測定点の近傍部の平坦面を参照点として選択してマウスをクリックして測定箇所を指定する。これにより、制御及び処理部22から測定点選択手段4の上記測定点と参照点とに対応するマイクロミラー17を駆動するためのフレーム情報が作成されて測定点選択手段4に出力される。
ステップS4において、制御及び処理部22は、被測定物12面を観察するために点灯していた照明用光源8をオフすると共に光源1をオンする。
ステップS5においては、上記フレーム情報に基づいて測定点選択手段4が駆動されて、上記測定点及びに参照点対応するマイクロミラー17が光源1からの光ビームを被測定物12方向に反射するように傾けられる。
ステップS6においては、制御及び処理部22は、メモリ24に保存された各種パラメータから、集光レンズ3を変位させるための速度データとサンプリング間隔のデータを読み出し、該データに基づいて変位手段7を駆動し、集光レンズ3を所定量だけ図1において矢印A方向に変位させる。
集光レンズ3が変位されると、制御及び処理部22で生成された変換タイミング信号がA/D変換部23に出力され、該A/D変換部23が所定時間だけ駆動されて指定された被測定物12の上記測定点及び参照点から反射されて光検出手段6で検出された光の輝度データを上記測定箇所の指定順番に取り込む。そして、この時の集光レンズ3の変位量のデータ及び光検出手段6で検出された輝度データを互いに関連付けてメモリ24に保存する。
ステップS7においては、予め設定されたサンプリング回数の測定が全て終了したか否かを制御及び処理部22で判定する。ここで、上記測定点及び参照点に対する測定が終了していないときには、“NO”判定となってステップS6に戻り、集光レンズ3をさらに所定量だけ矢印A方向に変位して上記各点における新たな輝度データを取得する。一方、上記測定点及び参照点に対する全ての測定が終了すると、“YES”判定となってステップS8に進む。
ステップS8においては、被測定物12上に設定された全ての測定点に対する高さ測定が終了したか否かを制御及び処理部22で判定する。ここで、まだ測定が終了していないときには、“NO”判定となってステップS9に進み、光源1をオフすると共に照明用光源8をオンする。同時に、測定点選択手段4のマイクロミラー17は全てオフ状態にされ、集光レンズ3は変位範囲の最下点Oまで矢印B方向に戻される。そして、ステップS3に戻り、顕微鏡を次の測定点まで移動し上述と同様にして集光レンズ3を矢印A方向に移動しながら上記測定点の高さ測定を行う。一方、全ての測定点に対する測定が終了したときには、“YES”判定となってステップS10に進む。
ステップS10においては、各測定点及び参照点における測定データをメモリ24から読み出して制御用PC25に送る。制御用PC25は、入力した各測定点及び参照点における測定データに基づいて各点の最大輝度値を示す集光レンズ3の変位量を各点における高さとして定める。そして、上記各測定点の高さを参照点の高さと比較して相対高さを算出し、表示部26に各測定点の高さの値を表示する。
本発明の微小高さ測定装置によれば、集光レンズ3がその変位範囲の最下点Oにあるとき、対物レンズ2による被測定物12上の結像点と撮像手段5とが光学的に共役の関係となるように配置され、集光レンズ3がその変位範囲の中間位置Oにあるとき、対物レンズ2による被測定物12上の結像点と測定点選択手段4とが光学的に共役の関係となるように配置されているので、撮像手段5で被測定物12上を観察しながら顕微鏡を測定点に位置付けた後、当該測定点の高さ測定を開始するときには、常に集光レンズ3を矢印A方向に変位させればよい。この場合、集光レンズ3がその変位範囲の略中間位置Oに達したときに測定点の光ビームスポットの像が測定点選択手段4の選択されたマイクロミラー17面に結像されることとなり、上記中間位置Oにおいて光検出手段6による検出輝度が最大となる。このように、本発明の微小高さ測定装置によれば、微小高さを測定するために移動する集光レンズ3の移動方向が常に一定方向となり、集光レンズ3を上下動して光検出手段6による検出輝度が最大となる集光レンズ3の変位量を見つける必要がないので、測定速度をより向上することができる。
なお、以上の説明においては、測定点及び参照点の指定を手動で指定する場合について述べたが、本発明はこれに限られず、自動的に指定するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態において、撮像手段5を測定点選択手段4のマイクロミラー17がオフ状態において、測定点からの反射光が光検出手段6方向と異なる方向に反射されるその反射光の光路上に配設した場合について説明したが、撮像手段5は、光検出手段6と同じ側にて、測定点選択手段4から光検出手段6へ向かう光路から分岐された光路上に配設し、測定点選択手段4を介して被測定物12上の測定点の像を撮像可能としてもよい。この場合、撮像手段5で測定点の像を撮像する際には、測定点選択手段4の全マイクロミラー17はオン状態とするのがよい。
図7は、本発明による微小高さ測定装置の第2の実施形態を示す概念図である。この微小高さ測定装置において、第1の実施形態と異なる点は、図8に示すように、撮像手段5を、対物レンズ2から光源1に向かう光路にて集光レンズ3と測定点選択手段4との間でハーフミラー19Cにより分岐された光路上に配設した点である。この場合も、撮像手段5は、集光レンズ3がその変位範囲内にて測定点選択手段4の配設位置を確定する所定位置(中間位置O)に対して対物レンズ2側に配置されているとき、対物レンズ2による被測定物12上の結像点と光学的に共役の関係となる位置に配設される。
なお、この第2の実施形態においては、撮像手段5は、集光レンズ3が上記所定位置(中間位置O)に対して光源1側に配置されているとき、対物レンズ2による被測定物12上の結像点と光学的に共役の関係となる位置に配置することも可能である。この場合、微小高さを測定する際には、集光レンズ3を常に下方(矢印B方向)に移動することになる。
また、光検出手段6はPMTに限らず、CCDやCMOSの撮像素子であってもよく、それらを切換スイッチで切り換えて使用してもよい。この場合、PMTは、一点ずつの測定に限られるが、光の検出感度が高いため測定精度を向上することができる。一方、撮像素子は検出感度が低いものの同時に多点の測定が可能であるため測定速度を向上することができる。
本発明による微小高さ測定装置の第1の実施形態を示す概念図である。 図1の要部を示す側面図である。 上記微小高さ測定装置において、測定点選択手段のマイクロミラーのオン状態及びオフ状態を示す説明図である。 上記第1の実施形態において、撮像手段の配設について示す説明図である。 上記微小高さ測定装置の制御手段を説明するブロック図である。 本発明による微小高さ測定装置の動作及びそれを用いて実施する微小高さの測定について説明するフローチャートである。 本発明による微小高さ測定装置の第2の実施形態を示す概念図である。 上記第2の実施形態において、撮像手段の配設について説明する側面図である。
符号の説明
1…光源
2…対物レンズ
3…集光レンズ
4…測定点選択手段
5…撮像手段
6…光検出手段
7…変位手段
10…制御手段
12…被測定物
17…マイクロミラー

Claims (2)

  1. 光ビームを放射する光源と、
    前記光源からの光ビームを被測定物上に指定された測定点に集光してビームスポットを形成する対物レンズと、
    前記光源と対物レンズとを結ぶ光路上に該光路に沿って変位可能に配設された集光レンズと、
    前記集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、前記光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に傾く複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列した測定点選択手段と、
    前記集光レンズが前記所定位置に対して前記対物レンズ側に配置されているとき、前記対物レンズから前記光源に向かう光路にて前記測定点選択手段で反射される光の光路上に、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、該被測定物上の測定点の像を撮像する撮像手段と、
    前記光源からの光ビームにて前記被測定物上の測定点で反射され、前記測定点選択手段で反射されて戻る光を検出する光検出手段と、
    前記集光レンズを前記対物レンズの光軸方向に変位させると共にその変位量を検出して出力する変位手段と、
    前記測定点選択手段の各マイクロミラーを駆動制御し、前記変位手段の変位を制御すると共に、前記光検出手段で検出された光の輝度及び前記変位手段より入力した変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物の前記測定点の高さとして求める制御手段と、
    を備え
    前記集光レンズをその変位範囲内の前記所定位置に対して前記対物レンズ側に位置させた状態で、前記撮像手段により前記被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、前記集光レンズを前記光源側に向かう一定方向に移動させて前記測定点の高さを求めることを特徴とする微小高さ測定装置。
  2. 光ビームを放射する光源と、
    前記光源からの光ビームを被測定物上に指定された測定点に集光してビームスポットを形成する対物レンズと、
    前記光源と対物レンズとを結ぶ光路上に該光路に沿って変位可能に配設された集光レンズと、
    前記集光レンズがその変位範囲内の所定位置に配置されているとき、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、前記光源からの光ビームが被測定物方向に反射するように個別に傾く複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列した測定点選択手段と、
    前記集光レンズが前記所定位置に対して前記対物レンズ側又は前記光源側のいずれか一方に配置されているとき、前記対物レンズから前記光源に向かう光路にて前記集光レンズと前記測定点選択手段との間で分岐された光路上に、前記対物レンズによる前記被測定物上の結像点と光学的に共役の関係に配設され、該被測定物上の測定点の像を撮像する撮像手段と、
    前記光源からの光ビームにて前記被測定物上の測定点で反射され、前記測定点選択手段で反射されて戻る光を検出する光検出手段と、
    前記集光レンズを前記対物レンズの光軸方向に変位させると共にその変位量を検出して出力する変位手段と、
    前記測定点選択手段の各マイクロミラーを駆動制御し、前記変位手段の変位を制御すると共に、前記光検出手段で検出された光の輝度及び前記変位手段より入力した変位量のデータから最大輝度値を示す変位量を被測定物の前記測定点の高さとして求める制御手段と、
    を備え
    前記集光レンズをその変位範囲内の前記所定位置に対して前記対物レンズ側又は前記光源側のいずれか一方に位置させた状態で、前記撮像手段により前記被測定物上の測定点を撮像してフォーカス調整した後、前記集光レンズを前記光源側又は前記対物レンズ側のいずれかに向かう一定方向に移動させて前記測定点の高さを求めることを特徴とする微小高さ測定装置。
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