JP4398183B2 - 共焦点顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料からの反射光を入射して試料の共焦点画像を取得する共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡は、試料を点状照明し、この試料からの透過光又は反射光を共焦点絞り上に集光した後、この共焦点絞りを通過した光強度を光検出器で検出することによって試料の表面情報を取得する。又、共焦点顕微鏡は、点状照明を種々の方法によって試料面上に走査させることにより、試料の広い範囲における表面情報を取得できる。
【0003】
図5は一般的な走査型共焦点光学顕微鏡の構成図である。光源1から出射された光束は、ビームスプリッタ2を透過し、ミラー3で反射して2次元走査機構4に入射する。この2次元走査機構4は、入射した光束を2次元に走査するもので、一方向に光束を走査する第1の光スキャナ5と、一方向に対して垂直方向に光束を走査する第2の光スキャナ6との組み合わせからなる。
【0004】
この2次元走査機構4により2次元に走査された光束は、各レンズ7、8を通して対物レンズ9に入射する。この対物レンズ9に入射した光束は、当該対物レンズ9により収束光となって試料10の面上に走査される。なお、試料10は、試料台11を光軸方向に移動可能なZステージ12上に載置されている。
【0005】
試料10の表面で反射した光は、試料10への入射光路とは逆の光路、すなわち対物レンズ9から各レンズ8、7を通り、さらに2次元走査機構4、ミラー3を通ってビームスプリッタ2に再び入射する。このビームスプリッタ2に再入射した光は、当該ビームスプリッタ2で反射し、結像レンズ13によってピンホール14上に集光される。
【0006】
このピンホール14では、試料10からの反射光のうち対物レンズ9の集光点以外の反射光をカットし、集光点の反射光のみを通過させる。従って、ピンホール14の後側に配置された光検出器15は、ピンホール14を通過した対物レンズ9の集光点の反射光を検出する。
【0007】
なお、2次元走査機構4、Zステージ12及び光検出器15は、コンピュータ16によって動作制御され、このコンピュータ16にはモニタ17が接続されている。
【0008】
ここで、対物レンズ9の集光点は、ピンホール14と光学的に共役な位置にある。これにより、試料10が対物レンズ9の集光点上にあると、試料10からの反射光は、ピンホール14上に集光し、このピンホール14を通過して光検出器15に入射する。
【0009】
ところが、試料10が対物レンズ9の集光点上からずれた位置にあると、試料10からの反射光は、ピンホール14上で集光せず、このピンホール14を通過しない。
【0010】
従って、試料10が対物レンズ9の集光点上にあるときと、集光点上からずれた位置にあるときとでは、光検出器15に入射する光量が変化する。 HYPERLINK "http://optis00.optis.olympus.co.jp/pat#www/fpic?AA04078175/000008.gif" \t "right" 図6は試料10と対物レンズ9との相対位置(Z)に対する光検出器15の出力(I)の関係を示す図(以下、I−Zカーブと称する)であって、試料10が対物レンズ9の集光点Z0にあるときに、光検出器15の出力(I)は最大となる。ところが、試料10が対物レンズ9の集光点Z0からずれると、そのときの試料10と対物レンズ9との相対距離のずれ量に従って光検出器15の出力(I)は急激に低下する。
【0011】
このようなI−Zカーブの特性を有することから2次元走査機構4によって集光点を試料10面上に2次元走査し、かつ光検出器15の出力を2次元走査機構4に同期してコンピュータ16により取り込んで画像化すれば、コンピュータ16では、試料10のある特定の高さのみの試料像を画像化し、試料10を光学的にスライスした画像(共焦点画像)を得ることができる。
【0012】
さらに、Zステージ11の動作によって試料10を光軸方向(Z方向)に離散的に移動させ、これら離散的な各位置でそれぞれ2次元走査機構4により光束を2次元走査させて各共焦点画像を取得し、試料10上の各点で光検出器15の出力が最大になるZステージ11の位置を検出すれば、試料10の高さ情報を得ることができる。
【0013】
又、試料10上の各点における光検出器15の出力の最大値を重ねて表示することにより、試料10のある特定の高さの面にピントの合った2次元画像を得ることができる。
【0014】
このような共焦点顕微鏡では、Zステージ11の動作によって試料10を光軸方向(Z方向)に離散的に移動させるので、試料10の高さ計測の精度を高めようとすると、Zステージ11の光軸方向(Z方向)への離散的な移動における1回当たりの移動量を小さくすることが必要になり、これにより光検出器15の出力の検出点数が多くなり、計測に時間がかかる。
【0015】
このようなことから特開平9−68413号公報では、Zステージの1回当たりの移動量を小さくすることなく試料の高さ計測の精度を高める高さ計測方法が提案されている。この高さ計測方法は、光検出器の出力が最大になるZステージの位置及びその前後の位置の計3点での光検出器の出力に基づいてI−Zカーブを2次曲線で近似し、光検出器の出力が最大になるZステージの位置をZステージの移動量以下の精度で求め、これを高さ情報として得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このような特開平9−68413号公報では、I−Zカーブを2次曲線やその他の曲線で近似して光検出器の出力が最大になるZステージの位置を求めるための計測条件、すなわち近似に用いる光強度検出値の数、どんな近似曲線を用いるのか、集光位置と試料との相対移動ピッチを所定の値に設定する必要があり、例えば光強度検出値の数を3点、近似曲線を2次曲線、相対移動ピッチを使用者による指定としている。
【0017】
しかしながら、I−Zカーブは、対物レンズ9の倍率等によってその特性が異なり、それぞれのI−Zカーブに適した近似に用いる光強度検出値の数、近似曲線、集光位置と試料との相対移動ピッチが異なる。又、使用者が最適な相対移動ピッチを選択するのも容易でない。
【0018】
さらに、特に、使用者が試料の高さを高速で計測したいのか、又は精度高く計測したのかによっても上記計測条件が異なるものとなるが、上記技術は、かかる計測条件を考慮したものでない。
【0019】
そこで本発明は、最適な計測条件で高速に高さ情報を得ることができる共焦点顕微鏡を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対物レンズと、この対物レンズの集光位置に対して共役な位置に配置された共焦点絞りとを有し、試料と対物レンズとの相対距離を変化させたときの共焦点絞りを通過した光強度情報を離散的に取得し、これら光強度情報に基づいて最大光強度情報を得る相対距離を推定し、この相対距離を試料の高さ情報とする共焦点顕微鏡において、対物レンズの倍率及び高さ情報を取得する測定時間を優先する高速モード又は測定精度を優先する精細モードの各測定モードに応じた光強度情報の計測条件データを記憶する計測条件データ記憶部と、計測条件データ記憶部に記憶されている計測条件データに従って試料と対物レンズとの相対距離を変化させて試料の高さ情報を取得する高さ情報演算手段とを具備し、計測条件データは、測定モードに応じた各光強度情報から高さ情報を推定するための近似曲線、この近似曲線から光強度情報を抽出するために用いる演算点数、相対距離を変えるときの移動ピッチであることを特徴とする共焦点顕微鏡である。
【0021】
本発明の共焦点顕微鏡において、計測条件データは、測定時間を優先する高速モード用のデータと、測定精度を優先する精細モード用のデータとを有する。
【0022】
本発明の共焦点顕微鏡において、対物レンズの倍率の選択と、測定モードの選択とを行うための設定画面を表示する表示手段を有する。
本発明の共焦点顕微鏡において、移動ピッチは、対物レンズの倍率における高速モードと精細モードとに対してそれぞれ異なって設定される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図5と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0024】
図1は共焦点顕微鏡の構成図である。コンピュータ16は、2次元走査機構4及びZステージ12を動作制御し、かつ光検出器15の出力を取り込んで光強度情報を離散的に取得し、これら光強度情報に基づいて最大光強度情報を得る相対距離を推定し、この相対距離を試料10の高さ情報とする一連の動作の制御プログラムを有する他に、輝度及び高さ演算プログラムを有する。
【0025】
コンピュータ16は、輝度及び高さ演算プログラムを実行することにより、対物レンズ9の倍率及び高さ情報を取得する各測定モードに応じた光強度情報の計測条件データを記憶した計測条件データメモリ20を備え、この計測条件データメモリ20から計測条件データを読み出して、当該計測条件データに従って試料19と対物レンズ9との相対距離を変化させて試料10の高さ情報を取得する高さ情報演算部21を有する。
【0026】
図2は計測条件データメモリ20に記憶されている計測条件データの一例を示す摸式図である。この計測条件データは、対物レンズ9の倍率として例えば10倍、20倍、50倍及び100倍が記憶され、これら対物レンズ9の倍率に対して各測定モード、例えば高速モードと精細モードとが記憶されている。高速モードは試料10の高さ情報の測定時間を優先するモードであり、精細モードは試料10の高さ情報の測定精度を優先するモードである。
【0027】
これら高速モードと精細モードとには、それぞれ対物レンズ9の倍率及び測定モードに応じた各光強度情報から高さ情報を推定するための近似曲線、この近似曲線から光強度情報を抽出する演算点数、相対距離を変えるときの移動ピッチΔZの各データが記憶されている。
【0028】
このうち近似曲線には高速モードに2次曲線が記憶され、精細モードにガウス曲線が記憶され、演算点数には高速モードに3点が記憶され、精細モードに5点とが記憶されている。又、移動ピッチΔZには、対物レンズ9の各倍率における高速モードと精細モードとに対してそれぞれ異なる移動ピッチΔZ、例えば倍率10倍の対物レンズ9における高速モードに対して10μmが記憶され、精細モードに対して5μmなどが記憶されている。
【0029】
又、コンピュータ16は、試料10の共焦点画像をモニタ17に表示すると共に、この共焦点画像と合せて試料10の高さ情報を取得するための操作画面(不図示)をモニタ17に表示する機能を有する。
【0030】
さらに、コンピュータ16は、輝度及び高さ演算プログラムを実行することにより、例えば図3に示すような対物レンズ9の倍率(例えば10倍、20倍、50倍、100倍)の選択と、測定モード(例えば高速モード、精細モード)の選択とを行うための設定画面をモニタ17のモニタ画面上に表示する機能を有する。
【0031】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0032】
光源1から出射された光束は、ビームスプリッタ2を透過し、ミラー3で反射して2次元走査機構4に入射する。この2次元走査機構4は、第1及び第2の光スキャナ5、6により入射した光束を2次元に走査する。この2次元走査機構4により2次元に走査された光束は、各レンズ7、8を通して対物レンズ9に入射する。この対物レンズ9に入射した光束は、当該対物レンズ9により収束光となって試料10の面上に走査される。
【0033】
試料10の表面で反射した光は、試料10への入射光路とは逆の光路、すなわち対物レンズ9から各レンズ8、7を通り、さらに2次元走査機構4、ミラー3を通ってビームスプリッタ2に再び入射する。このビームスプリッタ2に再入射した光は、当該ビームスプリッタ2で反射し、結像レンズ13によってピンホール14上に集光される。光検出器15は、ピンホール14を通過した光束を受光し、その電気信号を出力する。
【0034】
コンピュータ16は、光検出器15の出力を2次元走査機構4に同期して取り込み、試料10のある特定の高さのみの試料像を画像化し、試料10を光学的にスライスした共焦点画像を得てモニタ17に表示する。
【0035】
これと共にコンピュータ16は、試料10の共焦点画像をモニタ17に表示すると共に、この共焦点画像と合せて試料10の高さ情報を得るための操作画面をモニタ17に表示する
ここで、使用者は、モニタ17画面上の共焦点画像を観察しながら、同モニタ画面上の操作画面上で操作を行ってZステージ12を光軸方向に移動させながら計測範囲を設定する。この計測範囲は、コンピュータ16内のメモリ上に記憶される。
【0036】
次に、コンピュータ16は、使用者の操作を受けて、図3に示すような対物レンズ9の倍率(例えば10倍、20倍、50倍、100倍)の選択と、測定モード(例えば高速モード、精細モード)の選択とを行うための設定画面をモニタ17のモニタ画面上に表示する。
【0037】
ここで、使用者の設定画面上の操作によって、試料10の高さ情報の計測に使用する対物レンズ9の倍率(例えば10倍)が選択され、続いて測定モード(例えば高速モード)が選択される。なお、対物レンズ9の倍率の設定は、図3に示す設定画面上での操作に限らず、例えば顕微鏡設定画面上で対物レンズ9の倍率が既に設定されていれば、再度、図3に示す設定画面上で選択設定する必要はない。
【0038】
対物レンズ9の倍率及び測定モードの設定が完了し、試料10の高さ情報の計測が開始されると、高さ情報演算部21は、上記設定された計測範囲において、図2に示す計測条件データメモリ20から対物レンズ9の倍率(10倍)で測定モード(高速モード)に対応する計測条件データ、すなわち近似曲線として2次曲線、演算点数として3点、移動ピッチΔZとして10μmを読み出し、このうち移動ピッチΔZ(=10μm)に従ってZステージ12を光軸方向に移動させる。
【0039】
次に、高さ情報演算部21は、Zステージ12が光軸方向に移動ピッチΔZ(=10μm)で移動する毎に光検出器15の出力を取り込み、これら移動ピッチΔZ毎の各共焦点画像を取得する。このとき、ある点の光強度情報は、例えば図4に示すI−Zカーブ上における黒点の値になる。
【0040】
次に、高さ情報演算部21は、高速モードが設定されている場合、移動ピッチΔZ毎に逐次取り込んだ光強度情報と既に取り込んだ最大としている光強度情報とを比較し、この比較の結果、光強度の高い光強度情報を最大の光強度情報として変更し、この比較動作を光強度情報を取り込む毎に逐次繰り返し、その結果として最大光強度となる光強度情報を求め、かつこのときのZステージ12の高さ情報Zmと、最大光強度Imaxとを取得する。
【0041】
これと共に高さ情報演算部21は、最大光強度となった高さ情報Zmの前後の高さZm−ΔZ、Zm+ΔZにおけるZステージ12の各高さ情報及び各光強度情報{Zm−ΔZ,I’}、{Zm+ΔZ,I''}を逐次取り込んだ各光強度情報から抽出する。
【0042】
次に、高さ情報演算部21は、図2に示す計測条件データメモリ20から近似曲線として2次曲線を選択し、この2次曲線を例えば、
I=a・Z2+b・Z+c …(1)
とする。そして、高さ情報演算部21は、先に抽出したZステージ12の高さ情報及び光強度情報{Zm,Imax}、{Zm−ΔZ,I’}、{Zm+ΔZ,I''}を上記式(1)に代入し、
Imax=a・Zm 2+b・Zm+c …(2)
I’ =a(Zm−ΔZ)2+b(Zm−ΔZ)+c …(3)
I’’=a(Zm+ΔZ)2+b(Zm+ΔZ)+c …(4)
ここで、簡単の為、Zm=0、ΔZ=1となる座標系によりa、bを求めると、
a=(I’+I''−2Imax)/2 …(5)
b=(I''−I’)/2 …(6)
又、このときの2次曲線の頂点の座標(Z0’,I)は、
dI/dZ’=2aZ’+b …(7)
より
Z0’=−b/2a …(8)
I=a(−b/2a)2+b(−b/2a)+c
=c−b2/4a …(9)
Imax=cより
I=Imax−b2/4a …(10)
ここで、座標系を元に戻すと、
Z0=Z0’・ΔZ+Zm
=Zm−(b/2a)・ΔZ …(11)
になる。
【0043】
これにより、試料10の表面の輝度及び相対高さは、移動ピッチΔZ以上の分解能で求めることが可能になる。
【0044】
一方、精細モードが設定されると、高さ情報演算部21は、上記同様に、逐次取り込む各移動ピッチΔZ毎の各光強度情報を順次比較していき、最大光強度となる光強度情報を求め、かつこのときのZステージ12の高さ情報Zmと、最大光強度Imaxとを取得する。
【0045】
これと共に高さ情報演算部21は、最大光強度となった高さ情報Zmの前後の2点ずつの各高さZm−2・ΔZ、Zm−ΔZ、Zm+ΔZ、Zm+2・ΔZにおけるZステージ12の各高さ情報及び各光強度情報{Zm−2・ΔZ,I’}、{Zm−ΔZ,I’}、{Zm+ΔZ,I''}、{Zm+2・ΔZ,I''}を逐次取り込んだ各光強度情報から抽出する。
【0046】
次に、高さ情報演算部21は、図2に示す計測条件データメモリ20から近似曲線としてガウス曲線を選択する。ガウス曲線は、2次曲線に比べてI−Zカーブをより精度高く近似することが可能である。
【0047】
ガウス曲線は、例えば、
I=A・exp{−(Z−Z0)2/2W2} …(12)
とする。このガウス曲線Iは、
logI=aZ2+bZ+c …(13)
により表わすことができるので、高さ情報演算部21は、上記抽出した5点の高さ情報及び光強度情報{Zm−2・ΔZ,I’}、{Zm−ΔZ,I’}、{Zm+ΔZ,I''}、{Zm+2・ΔZ,I''}を代入して最小二乗法により(a,b,c)を求め、さらにガウス曲線の頂点の値(Z0,I)を求める。
【0048】
Z0=−b/(2a) …(14)
I=exp{c−b2/(4a)} …(15)
これにより、試料10の表面の輝度及び相対高さは、移動ピッチΔZ以上の分解能で求めることが可能になる。この場合、精細モードでは、演算点数を5点、近似曲線をガウス曲線としているので、より高い精度で試料10の高さ情報を得ることができる。
【0049】
このように上記一実施の形態においては、対物レンズ9の倍率及び試料10の高さ情報を取得する高速モード又は精細モードの各測定モードに応じた光強度情報の計測条件データに従ってZステージ12を移動ピッチΔZずつ移動させ、この移動ピッチΔZ毎に離散的に取得した各演算点数の各光強度情報に基づいて最大光強度情報を求め、この最大光強度情報に対応するZステージ12の高さから試料10の高さ情報を取得するので、試料10の光強度情報及び高さ情報の計測をZステージ12の移動回数を少なくして高速で行うことができる。
【0050】
しかも、使用者が計測に必要とする対物レンズ9の倍率(例えば10倍、20倍、50倍、100倍)及び測定モード(例えば高速モード、精細モード)を選択でき、これら対物レンズ9の倍率及び測定モードに最適な計測条件、すなわち近似曲線、演算点数及び移動ピッチで試料10の光強度情報及び高さ情報を計測できる。
【0051】
そして、試料10の表面の輝度及び相対高さは、移動ピッチΔZ以上の分解能で求めることが可能であり、かつその上で高速モードにより試料10の光強度情報及び高さ情報を短時間で計測でき、又、精細モードにより高い精度で試料10の高さ情報を得ることができる。
【0052】
又、対物レンズ9の倍率と測定モードとを図3に示す設定画面上で設定すれば、自動的に使用者の要望する対物レンズ9の倍率及び測定モードに最適な計測条件で試料10の光強度情報及び高さ情報を計測できる。
【0053】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0054】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0055】
例えば、上記一実施の形態では、測定モードとして高速モードと精細モードとの選択設定を可能としているが、これに限らず、これら高速モードと精細モードとの中間モードや、試料10の高さ情報を計測するための各種モードを選択設定可能としてもよい。又、近似曲線としては、2次曲線とガウス曲線との他に、他の曲線を用いてもよく、演算点数も他の点数にしてもよく、共焦点顕微鏡の特性に応じて種々変更してもよい。
【0056】
又、共焦点顕微鏡は、上記図1に示す構成に限らず、例えば対物レンズ9により収束光を試料10の表面に沿って相対的に走査させる走査機構としては、例えば光軸に対して垂直な面内で試料10を移動させるXYステージを用いてもよい。又、2次元走査機構4に代えて1次元光スキャナによって対物レンズ9の収束光を試料10上に1ライン走査し、試料10の断面形状を計測する構成にしてもよい。
【0057】
さらに、対物レンズ9の集光位置と試料10の位置との相対位置を移動させる移動機構としては、Zステージ12による移動に代えて、例えば対物レンズ9を移動させる機構としてもよいし、対物レンズ9と試料10とを相対的に移動させてもよい。
【0058】
又、ピンホール14に代って、例えば円盤上にスパイラル状に複数の微小開口を設けたNipkowディスクを高速回転させる構成でもよい。このNipkowディスクは、対物レンズ9の集光位置と共役な位置に配置される微小開口を兼ね、光検出器15としては例えばCCD等を用いた2次元画像センサが用いられる。
【0059】
共焦点顕微鏡としては、対物レンズの集光位置に対して共役な位置に各種の共焦点絞りを配置し、試料と対物レンズとの相対距離を相対的に変化させたときの共焦点絞りを通過した光強度情報を離散的に取得し、これら光強度情報に基づいて最大光強度情報を得る相対距離を推定し、この相対距離を試料の高さ情報とするものであれば、その全てに適用できる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、最適な計測条件で高速に高さ情報を得ることができる共焦点顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる共焦点顕微鏡の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる共焦点顕微鏡の一実施の形態における計測条件データの摸式図。
【図3】本発明に係わる共焦点顕微鏡の一実施の形態における設定画面を示す図。
【図4】本発明に係わる共焦点顕微鏡の一実施の形態におけるI−Zカーブ上での移動ピッチ毎に計測される光強度情報を示す図。
【図5】従来の走査型共焦点光学顕微鏡の構成図。
【図6】試料と対物レンズとの相対位置(Z)に対する光検出器の出力(I)の関係を示す図。
【符号の説明】
1:光源、2:ビームスプリッタ、3:ミラー、4:2次元走査機構、5:第1の光スキャナ、6:第2の光スキャナ、7,8:レンズ、9:対物レンズ、10:試料、11:試料台、12:Zステージ、13:結像レンズ、14:ピンホール、15:光検出器、16:コンピュータ、17:モニタ、20:計測条件データメモリ、21:高さ情報演算部。
Claims (4)
- 対物レンズと、この対物レンズの集光位置に対して共役な位置に配置された共焦点絞りとを有し、試料と前記対物レンズとの相対距離を変化させたときの前記共焦点絞りを通過した光強度情報を離散的に取得し、これら光強度情報に基づいて最大光強度情報を得る前記相対距離を推定し、この相対距離を前記試料の高さ情報とする共焦点顕微鏡において、
前記対物レンズの倍率及び前記高さ情報を取得する測定時間を優先する高速モード又は測定精度を優先する精細モードの各測定モードに応じた前記光強度情報の計測条件データを記憶する計測条件データ記憶部と、
前記計測条件データ記憶部に記憶されている前記計測条件データに従って前記試料と前記対物レンズとの相対距離を変化させて前記試料の高さ情報を取得する高さ情報演算手段と、
を具備し、
前記計測条件データは、前記測定モードに応じた前記各光強度情報から前記高さ情報を推定するための近似曲線、この近似曲線から前記光強度情報を抽出するために用いる演算点数、前記相対距離を変えるときの移動ピッチであること、
を特徴とする共焦点顕微鏡。 - 前記計測条件データは、前記測定時間を優先する前記高速モード用のデータと、前記測定精度を優先する前記精細モード用のデータとを有することを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡。
- 前記対物レンズの倍率の選択と、前記測定モードの選択とを行うための設定画面を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡。
- 前記移動ピッチは、前記対物レンズの倍率における前記高速モードと前記精細モードとに対してそれぞれ異なって設定されることを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡。
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