JP3847422B2 - 高さ測定方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共焦点を利用して試料の高さ情報を取得する高さ測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、共焦点走査型光学顕微鏡は、試料を点光源によって点状照明し、試料からの透過光又は反射光をピンホール上に集光させ、このピンホールを透過する光の強度を光検出器で検出することによって試料の表面情報を取得するものである。
【0003】
図8は一般的な共焦点走査型光学顕微鏡の概略構成図である。
点光源1から出射された点状光は、ハーフミラー2を透過した後、収差補正された対物レンズ3によって試料4の面上に点状集光される。
【0004】
この照明された試料4の面で反射した光は、再び対物レンズ3により集光され、ハーフミラー2によって反射されて、対物レンズ3の集光位置に配置されたピンホール5により試料4上の集光点以外からの反射光がカットされ、ピンホール5を透過した光だけが光検出器6よって検出される。
【0005】
このように点状に集光された照明光を試料4の面全体に亘ってラスター走査し、このラスター走査に対応させて光検出器6からの濃度情報をモニタに表示することによって、試料4の面の2次元像が得られる。
【0006】
このような顕微鏡で試料4の2次元像を得る場合、試料4の表面は、平坦な面でなく、例えば符号Aに示すような対物レンズ3の集光位置からずれた面も存在する。
【0007】
このような面Aから反射した光は、上記顕微鏡では破線で示すようにピンホール5上に集光することはないので、対物レンズ3の集光位置以外からの反射光は、ピンホール5でカットされて光検出器6で検出されることはない。
【0008】
このような事から上記顕微鏡では、対物レンズ3の集光位置、すなわち合焦位置に存在する試料4の面の光学像のみを高精度に測定できる。
又、図9に示すように高さの異なる3つの試料面A、B、Cを有する試料7を通常の光学顕微鏡で観察する場合を想定する。
【0009】
このような試料7で、例えば試料面Aに合焦させたとき、他の試料面B、Cの光学像は惚けてしまう。このため、全ての試料面A、B、Cに対する合焦画像、すなわち試料面A、B、Cに対してピントがあった際に得られる光学像を観察することは不可能である。
【0010】
一方、共焦点走査型光学顕微鏡では、各試料面A、B、Cに対する合焦画像を各々保存した後、これら試料面A、B、Cに対する合焦画像を光学的に足し合わせることによって、全ての試料面A、B、Cに対する合焦画素を得ることができる。なお、実際には、各試料面A、B、Cから発生する光学像の明るさの最大値を相互に足し合わせればよい。
【0011】
以上のような試料の表面状態の測定方法は、文献として『THEORY AND PRACTICE OF SCANNING OPTICAL MICROSCOPY』トニーウィルソン、コーリンシェパード著:ACADEMIC PRESS発行の126頁〜130頁に記載されている。
【0012】
又、この文献中には、試料の表面形状を測定する技術が記載されている。
すなわち、試料面の1点に集束光を照射した状態で、この集束光をその光軸方向(Z方向)にZ走査し、この走査中に輝度が最も高くなる位置(Z位置)を検出して保存する。
【0013】
次に上記集束光をX方向に移動させることによって試料面の次の1点に集束光を照射し、この点で上記同様のZ走査を行い、この走査中に輝度が最も高くなる位置(Z位置)を検出して保存する。
【0014】
このように集束光を試料面上でXY方向に移動させて各点で集束光を照射し、その点でZ走査を行って輝度が最も高くなるZ位置を検出することを繰り返すことによって、輝度変化に基づいて試料の表面形状が測定される。
【0015】
具体的に共焦点走査型光学顕微鏡を用いた試料の高さ測定動作について説明すると、図10には共焦点走査型光学顕微鏡の構成図を示す。
顕微鏡本体10には、レーザ光源11が備えられ、このレーザ光源11から出射された走査用レーザ光は、ミラー12で反射し、ハーフミラー13を透過して2次元走査機構14に入射する。
【0016】
この2次元走査機構14は、走査制御ユニット15により動作制御され、入射した走査用レーザ光をガルバノミラー等を用いて2次元平面(XY平面)上に走査するものとなっている。
【0017】
この2次元走査機構14の下方には、レボルバ16が設けられ、これに対物レンズ17が取り付けられている。
そして、この対物レンズ17の下方には、ステージ18が設けられ、このステージ18上に試料19が載置されている。
【0018】
又、ハーフミラー13の分岐方向には、ピンホール20を介して光検出器21が配置されている。
このピンホール20は、対物レンズ17の集光位置と共役な位置に配置されたものであり、光検出器21は、このピンホール20を通過した光をその光量に対応した電気信号に変換出力するものである。
【0019】
ステージ18は、Z方向移動制御回路22の制御によりZ方向に上下動するものとなっている。
画像処理ユニット23は、光検出器21から出力された電気信号を入力すると共にZ方向移動制御回路22によるステージ18の移動回数のカウント値を入力し、光検出器21により検出された光量が最大値を示したステージ18の移動回数のカウント値から合焦位置を求める機能を有している。
【0020】
この画像処理ユニット23には、第1の画像メモリM1 、第2の画像メモリM2 が備えられ、第1の画像メモリM1 には、ステージ180移動させたときの光検出器21からの電気信号の最大値が保存され、第2の画像メモリM2 には、光検出器21からの電気信号が最大となるときのステージ18の移動回数のカウント値が保存される。
【0021】
コンピュータ24は、走査制御ユニット15、Z方向移動制御回路22及び画像処理ユニット23に対して各指令を発して制御するものであり、かつ測定範囲の設定及び各測定範囲内のステージ18の移動量や、画像表示及び顕微鏡システムの制御等をモニタ25に表示して観察者に報知するものとなっている。
【0022】
このように構成された顕微鏡の作用について図11に示す動作フローチャートに従って説明する。
ここで、第1、第2の画像メモリM1 、M2 に保存される値をそれぞれMa 、Mb とし、ステージ18の移動回数のカウント値をk、このときに光検出器21から出力される電気信号をIk とする。Mb ≠k Mb はIk が最大となるときのkの値
測定が開始されると、ステップS1 において、コンピュータ24の指令によりステージ18が測定開始位置Zo に設定され、かつステージ18の移動回数のカウント値kがクリア(k=0)され、第1の画像メモリM1 の値Ma がクリア (=Io )されるとともに、第2の画像メモリM2 に保存されている値Mb リセット(Mb =0)される。
【0023】
次に、ステージ18は、ステップS2 においてZ方向移動制御回路22の制御によりΔZ分だけ例えば上方に移動される。ステージ18の移動回数のカウント値k(Mb ≠k)は、「1」だけカウントアップされる。
【0024】
この状態で、レーザ光源11から出射された走査用レーザ光は、ミラー12で反射し、ハーフミラー13を透過して2次元走査機構14に入射する。
この2次元走査機構14は、走査制御ユニット15の動作制御により、入射した走査用レーザ光をガルバノミラー等を用いて試料19の2次元平面上に走査する。
【0025】
この2次元平面上に走査したときの試料19から反射されたレーザ光は、2次元走査機構14からハーフミラー13に導かれ、ここで反射してピンホール20を通って光検出器21に入射する。
【0026】
この光検出器21は、ピンホール20を通過した光をその光量に対応した電気信号に変換出力する。
そして、コンピュータ24は、ステップS3 において、第1の画像メモリM1 に保存されている値Ma と現在の光検出器21からの電気信号Ik とを比較し、現在の光検出器21からの電気信号Ik が値Ma よりも大きければ、ステップS4 に移って第1の画像メモリM1 の値Ma をIk に書き替えるとともに、第2の画像メモリM2 の値Mb をkに書き替える。
【0027】
なお、現在の光検出器21からの電気信号Ik が第1の画像メモリM1 の値Ma よりも小さければ、第1の画像メモリM1 の値Ma 及び第2の画像メモリM2 の値Mb はそのままである。
【0028】
このように上記ステップS2 〜S4 の処理をステップS5 の判断で所定のN回繰り返すことによって、光検出器21から出力される電気信号Ik の最大値が第1の画像メモリM1 の値Ma として保存され、そのときのステージ18の移動回数のカウント値kが第2の画像メモリM2 に保存される。
【0029】
なお、実際の共焦点走査型光学顕微鏡では、ガルバノメータやAOD素子などの高速な2次元走査機構を用いて集束光をXY平面上に移動させ、このxy走査を行って試料19の各点の輝度を検出し、順次Z位置を移動させながら、試料19上の各点での電気信号Ik の大小を比較することによって試料19の全体の測定時間を短くしている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記高さ測定測定の場合、Z走査による輝度の値は、例えば図12に示す各測定データ「○」のようになり、対物レンズ17と試料19との相対位置を連続的に変化させた場合の輝度の変化曲線W1 上で輝度の値が最大となる位置Zt より、ずれた位置Zm がZ位置として保存されてしまう。
【0031】
このずれは、Z走査を離散的に行っていること、すなわちZ走査の量子化により生じる誤差であり、そのずれ量は最大でZ方向の移動ステップΔzの2分の1となる。そして、このずれ量は、Z走査の開始位置で決まるので、測定の度にばらつき、測定再現性を悪くする原因となる。
【0032】
例えば、2点間の高さを測定する場合、これらの点で各々、Z移動ステップの2分の1の誤差が生じるので、全体でZ移動ステップΔz分の誤差が生じることになる。
【0033】
そこで、このような誤差を小さくするためにZ移動ステップΔzを小さくすればよいが、輝度が最大となる位置を検出するには、Z方向に1ステップ駆動したときの光検出器21の出力変化が、電気的なノイズや第1の画像メモリM1 の1階調分に相当する輝度の値よりも大きくなければならない。
【0034】
仮にZ移動ステップΔzを小さくしたとしても、光強度が最大となる位置近傍における輝度の値が、電気的なノイズや第1の画像メモリM1 の1階調分に相当する強度以下であれば、本来の光強度と検出した光強度との大小が一致しない場合があり、輝度の値が最大となるZ位置を正確に検出することにはならない。
【0035】
すなわち、上記方法では、Z移動ステップΔzは、光強度が最大となる位置近傍における輝度の変化量と電気的なノイズや第1の画像メモリM1 の1階調に相当する光強度で制限されることになるが、図12に示すように光強度が最大となる位置近傍では、輝度の変化が小さいので、必然的にZ移動ステップΔzは、ある所定の量より小さくすることができない。
【0036】
従って、最近の半導体プロセスでは、半導体ウエハ上のパターンの厚さ等の測定において0.1μm以下の分解能で測定し、かつその再現性が0.05μm以下であることが求められており、上記の高さ測定方法及びこの方法を適用した顕微鏡ではこうした要求に応えられなくなってきている。
そこで本発明は、Z移動ステップを小さくしても正確に高さ情報を得ることができる高さ測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、光を光学レンズを通して試料に照射し、この試料から反射された光を光学レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開口を通して光強度を検出する工程と、
光学レンズと試料との相対位置を光軸方向に離散的に変化させたときの光強度の変化における変曲点となる光学レンズと試料との相対位置を高さ情報として取得する工程と、
を有する高さ測定方法である。
【0038】
請求項2によれば、光を対物レンズを通して試料に照射したときの試料表面からの反射光を対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開口を通して光検出器に入射し、この光検出器により検出された光強度に基づいて光学レンズと試料との高さ情報として得る高さ測定装置において、
対物レンズと試料との相対位置を光軸方向に離散的に変化させる移動機構と、この移動機構により対物レンズと試料との相対位置を変化させときの光検出器により検出される光強度の変化における変曲点を検出する変曲点検出手段と、
この変曲点検出手段により検出された変曲点に基づいて対物レンズと試料との相対位置を高さ情報として得るに高さ情報取得手段と、
を備えた高さ測定装置である。
【0039】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の高さ測定方法は、光を光学レンズを通して試料に照射し、この試料から反射された光を光学レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開口を通して光強度を検出する工程と、光学レンズと試料との相対位置を光軸方向に離散的に変化させたときの光強度の変化における変曲点となる光学レンズと試料との相対位置を高さ情報として取得する工程とを有するものである。
【0040】
図1はかかる高さ測定方法を適用した共焦点走査型光学顕微鏡の構成図である。なお、図10と同一部分には同一符号を付して簡単に説明する。
顕微鏡本体10に備えられたレーザ光源11から出射された走査用レーザ光の光路上には、ミラー12、ハーフミラー13を介して2次元走査機構14が配置されている。
【0041】
この2次元走査機構14は、走査制御ユニット15から出力される走査制御信号P1 を受けて動作制御され、入射した走査用レーザ光をガルバノミラー等を用いて2次元平面(XY平面)上に走査する機能を有している。
【0042】
この2次元走査機構14の下方には、対物レンズ17が取り付けられたレボルバ16が設けられている。
そして、この対物レンズ17の下方側には、試料19を載置するステージ18が設けられている。
【0043】
又、ハーフミラー13の分岐方向には、ピンホール20を介して光検出器21が配置されている。
このピンホール20は、上記の如く対物レンズ17の集光位置と共役な位置に配置されている。
【0044】
ステージ18は、Z方向移動制御回路22から出力されるZ制御信号P2 を受けて駆動制御され、Z方向に所定のZ移動ステップΔz毎に上下動する機能を有しいる。
【0045】
画像処理ユニット30は、光検出器21から出力された電気信号を入力すると共にZ方向移動制御回路22によるステージ18の移動回数のカウント値を入力し、光検出器21により検出された光強度の変化における変曲点、例えば光強度の変化が最大を示したステージ18の移動回数のカウント値kに基づいて対物レンズ17と試料19との相対位置を高さ情報として取得する機能を有している。
【0046】
この画像処理ユニット30には、それぞれ512画素×512画素×8ビット(256階調)から成る第1の画像メモリM10、第2の画像メモリM11及び第3の画像メモリM12が備えられている。
【0047】
このうち第1の画像メモリM10には、ステージ18をZ移動ステップΔz毎に移動させたときの前回の測定点において光検出器21から出力された電気信号Ik-1 と今回の測定点において光検出器21から出力された電気信号Ik との差の最大値、すなわち光強度の変化の最大を示す値Ik −Ik-1 が保存される。
【0048】
又、第2の画像メモリM11には、今回の測定点において光検出器21から出力された電気信号Ik が保存される。
又、第3の画像メモリM12には、Ik −Ik-1 が最大となるステージ18の移動回数のカウント値kが保存されるものとなっている。
【0049】
コンピュータ31は、図2に示す動作フローチャートに従って、走査制御ユニット15、Z方向移動制御回路22及び画像処理ユニット30に対して各指令を発して制御するものであり、かつ測定範囲の設定及び各測定範囲内のステージ18の移動量や、画像表示及び顕微鏡システムの制御等をモニタ25に表示して観察者に報知するものとなっている。
【0050】
次に上記の如く構成された光学顕微鏡の作用について説明する。
観察者が試料19をステージ18上に載置の後、コンピュータ31の制御によって試料19上に集光された微小スポットの走査用レーザ光がXY平面上に走査される。
【0051】
すなわち、レーザ光源11から出射された走査用レーザ光は、ミラー12で反射し、ハーフミラー13を透過して2次元走査機構14に入射する。
この2次元走査機構14は、走査制御ユニット15の動作制御により、入射した走査用レーザ光をガルバノミラー等を用いて試料19の2次元平面上にラスター走査する。
【0052】
これと同時に、Z方向移動制御回路22の駆動制御によりステージ8をZ方向にステップ状に移動して対物レンズ17と試料19との相対距離を変化させる。このとき、試料19にピントが合ったか否かの判断は、モニタ24に表示された画像を観察者が見ながら行う。
【0053】
次に、観察者は、測定動作に関係する各パラメータの設定を行う。
先ず、コンピュータ31によって試料19の測定範囲L及び測定を開始するステージ18の位置Zo が設定され、この後、ステージ18の1回あたりのZ方向への移動量(Z方向移動ステップ)Δzが設定される。
【0054】
このZ方向移動ステップΔzは、ここでは対物レンズ17の集光位置に対して試料19の位置をZ方向に移動させる際の1回の移動量である。
又、測定範囲Lとステージ18の1回あたりのZ方向移動ステップΔzとが設定されると、ステージ18の移動回数Nは、
L/Δz≦N …(1)
という関係に従って決定される。
【0055】
ステージ18の移動回数Nのカウント値は、第3の画像メモリM12に保存されるので、ステージ18の移動回数Nは、第3の画像メモリM12の階調数255以下に制限される。
【0056】
このように測定範囲L、移動量Δz及び移動回数Nが設定された後、試料19に対する測定が開始される。
ここで、第1〜第3の画像メモリM10〜M12に保存される値をそれぞれMa 、Mb 、Mc とし、ステージ18の移動回数のカウント値をk、このときに光検出器21から出力される電気信号をIk とする。
【0057】
次に図2に示す光学顕微鏡の動作フローチャートに従って説明する。
測定が開始されると、ステップ#1において、ステージ18はZ方向移動制御回路22の駆動により測定開始位置ZO に移動され、かつステージ18の移動回数のカウント値kがリセットされる。
【0058】
これと共に第1の画像メモリM10に保存される値Ma がクリアされるととともに、このときに例えば図3に示す光検出器21から出力される電気信号Io が第2の画像メモリM11に保存される。
【0059】
次に、ステージ18は、ステップ#2において、Z方向移動制御回路22の駆動によりZ方向移動ステップΔz分だけZ方向に移動し、ステージ18の移動回数のカウント値kが「+1」だけカウントアップされる。
【0060】
続いて、画像処理ユニット30は、ステップ#3において、このとき光検出器21から出力される電気信号Ik を入力し、この電気信号Ik と第2の画像メモリM11に保存される電気信号Mb との差、
Ik −Mb (Ik −Ik-1 ) …(2)
を求め、これと第1の画像メモリM10に保存されている値Ma (=0)とを比較する。
【0061】
この比較の結果、
Ma <Ik −Mb …(3)
上記式(3) の関係が成り立ち、Ik −Mb がMa よりも大きければ、画像処理ユニット30は、ステップ#4に移って第1の画像メモリM10に保存されている値Ma をIk −Mb に書き替えて保存する。
【0062】
これと共に画像処理ユニット30は、第3の画像メモリM12の値Mc を、このときのステージ18の移動回数のカウント値kに書き替えて保存する。続くステップ#5において第2の画像メモリM11の値Mb を光検出器21から出力される電気信号Ik に書き替えて保存する。
【0063】
具体的に図3に示すように、例えばステージ18がZ方向移動制御回路22の駆動によりステージ18の移動回数のカウント値「k=3」から「k=4」のz位置方向に移動したときを例にして説明すると、画像処理ユニット30は、ステップ#3において、現在のステージ18の位置(k=4)で光検出器21から出力される電気信号I4 を入力し、この電気信号I4 と第2の画像メモリM11に保存される前回のステージ18の位置(k=3)での電気信号Mb (=I3 )との差、
I4 −I3 …(4)
を求め、これと第1の画像メモリM10に保存されているこれまでの値Ma (=Ik+1 −Ik )の最大値、例えば図3ではI3 −I2 とを比較する。
【0064】
この比較の結果、I4 −I3 がI3 −I2 よりも大きければ、画像処理ユニット30は、ステップ#4に移って第1の画像メモリM10に保存されている値Ma をI3 −I2 からI4 −I3 に書き替えて保存する。
【0065】
このとき第3の画像メモリM12には、ステージ18の移動回数のカウント値k(=4)が保存され、続くステップ#5において第2の画像メモリM11には、光検出器21から出力される電気信号I4 が保存される。
【0066】
このように上記ステップ#2〜#5の処理がステップ#6での判断によって所定のN回繰り返えされることによって、光検出器21から出力される電気信号Ik のレベル変化の最大値、すなわち光強度の変化の最大値が第1の画像メモリM10に保存され、そのときのステージ18の移動回数のカウント値kが第3の画像メモリM12に保存される。
【0067】
図4はステージ18をZ方向に移動したときの光検出器21から出力された電気信号Ik の変化曲線W2 について、電気信号Ik の変化(Ik −Ik-1 )すなわち微分値を取った図である。
【0068】
この図から電気信号Ik の変化Ik −Ik-1 の最大値ΔIma、最小値ΔImb、すなわち微分値dIk /dxの最大値G1 、最小値G2 がZ方向のZa 、Zb に現れることが分かり、これら電気信号Ik の変化Ik −Ik-1 の最大値ΔImaが第1の画像メモリM10の値Ma として保存される。
【0069】
ここで、ステッブ#3でMa <Ik −Ib のときステップ#4を行えば、Ma にはIk −Ik-1 の最大値ΔImaが保存され、Ma >Ik −Ib のときステップ#4を行えば、Ma にはIk −Ik-1 の最小値ΔImbが保存される。
【0070】
実際の測定では、電気信号Ik の変化Ik −Ik-1 の最大値ΔImaとΔImbの一方のみを検出するのみでよい。
ここで、共焦点走査型光学顕微鏡において、対物レンズ17と試料19との相対位置を連続的に変化させた場合の光強度の変化は、例えば前述の文献『THEORY AND PRACTICE OF SCANNING OPTICALMICROSCOPY』126頁に記載されているように理論的に求められており、以下のように表される。
【0071】
I(Z)=[{ sin(u/2)}/(u/2)]2 …(5)
u=8πZ・ sin2 (θ/2)/λ
NA= sinθ
Iは光強度、Zは焦点からの距離、NAは対物レンズ17の開口数、λは光の波長である。
【0072】
試料19の各点ごとの反射率・透過率が変化すれば、これら反射率・透過率に応じて光強度Iが係数倍されることになり、図3において輝度の変化曲線W2 が縦方向に係数倍されることになるが、この輝度の変化曲線W2 の形自体は変化しない。
光強度Iが最大になるのは、光強度Iの微分係数が「0」なるときであるから、上記式(5) をZで微分して、
【0073】
【数1】
を得る。
【0074】
この式(6) において、u/2=0のとき、すなわちZ=0のときdI/dZ=0となり、このときに輝度が最大となる。
一方、光強度の変化dI/dZが最大となるのは、dI/dZの微分係数が 「0」になるときであるから、上記式(6) をさらにZで微分して、
【0075】
【数2】
を得る。
【0076】
そこで、u/2=±1.303のとき、d2 I/dZ2 =0となる。
ここで、符号の正負「±」は、光強度の変化が正であるか負であるかを示し、符号の正負で光強度の変化の絶対値は等しくなる。なお、符号が「+」のとき、光強度の変化が最大の極大値となり、符号が「−」のとき、光強度の変化が最小の極小値となる。すなわち、図4に示すZa 、Zb に現れる最大値ΔIma、最小値ΔImbを示す。
【0077】
例えば、NA=0.95、λ=488nmとすると、光強度の変化が最大となるのはZ=±0.147μmとなる。
従って、この場合は、試料19のある点で、z走査を行って光強度の変化が最大となるZ位置を検出し、その値に0.147μmを加算すると、その点での試料19の高さが求められる。
【0078】
又は、光強度の変化が最小となるZ位置を検出し、その値に0.147μmを減算しても、その点での試料19の高さが求められる。
すなわち、NA=0.95、λ=488nmとした場合、図4に示す位置Za 、Zb の位置を求めれば、これら位置Za 、Zb から変化曲線Wa の最大値までの各距離ea 、eb は開口数NA及び波長λにより定まるので、位置Za に0.147μmを加算することにより試料19の高さが求められ、又位置Zb から0.147μmを減算することにより試料19の高さが求められる。
【0079】
従って、画像処理ユニット30は、光強度の変化が最大又は最小となるZ位置、例えば図4に示すZa 、Zb を検出すると、このうちのZa に0.147μmを加算してその点での試料19の高さを求め、又はZb から0.147μmを減算してその点での試料19の高さを求める。
【0080】
一般的には、例えば上記図9に示すように3つの試料面A、B、Cを有する試料19(7)における各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)を測定するものであり、このような場合の各試料面A、B、Cに対する各変化曲線は、例えば図5に示す通りWa は試料面Aの変化曲線、Wb は試料面Bの変化曲線、Wc は試料面Cの変化曲線を表す。
【0081】
なお、これら変化曲線Wa 、Wb 、Wc は、ステージ18上に試料19(7)を載置し、2次元走査機構14によって走査用レーザ光を試料9の全体に走査し、このときに試料19(7)から反射されるレーザ光の光強度を光検出器21により検出し、その電気信号Ik を画像処理ユニット30に入力し、ここで電気信号Ik の最大値を順次検出する処理で得られるが、本発明の顕微鏡を用いれば、各試料面A、B、Cに対する各変化曲線Wa 、Wb 、Wc の変化の各最大を示す位置Zwa、Zwb、Zwcが求められる。
【0082】
従って、画像処理ユニット30は、NA=0.95、λ=488nmとした場合、これら位置Zwa、Zwb、Zwcにそれぞれ0.147μmを加算することにより試料19(7)の各試料面A、B、Cの各高さを求め、さらにこれら試料面A、B、Cの各高さを比較して各試料面A、B、Cの相対的な高さの差を求める。
【0083】
又、画像処理ユニット30は、上記各変化曲線Wa 、Wb 、Wc の変化の最大を示す各位置Zwa、Zwb、Zwcを各試料面A、B、Cの高さに換算せずに、直接各位置Zwa、Zwb、Zwcを比較することにより各試料面A、B、Cの相対的な高さの差を求める。例えば、試料面AとBの高さの差Ztb−ZtaとZwb−Zwaが等しくなるからである。
【0084】
このように上記第1の実施の形態においては、対物レンズ17と試料19(7)との相対位置を光軸方向に変化させ、このときの光検出器21により検出される光強度の変化における最大又は最小を検出し、これら最大又は最小となる位置から対物レンズ17と試料19(7)との相対位置を求めるようにしたので、光強度の変化が光検出器21の電気的なノイズや第1の画像メモリM10の1階調分に相当する光強度差と同程度になるまでZ移動ステップを小さくでき、Z移動ステップによる量子化誤差が少なく測定再現性のよい高さ測定ができる。
【0085】
すなわち、光強度の変化が最大又は最小となる点での光強度変化の絶対値は、光強度の変化曲線(例えば図3に示す変化曲線W2 )上で文字通り最大になる。従って、この位置では、光検出器21の電気的なノイズや第1の画像メモリM10の1階調と同レベルになる限界のZ移動ステップΔzは、輝度が最大となる位置近傍での光強度変化が同様の関係になるZ移動ステップΔzより当然小さくなるので、Z移動ステップΔzを小さくして、z移動の量子化により生じる誤差を少なくできる。
【0086】
又、3つの試料面A、B、Cを有する試料19(7)の各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)を測定する場合でも、これら試料面A、B、Cに対する各変化曲線Wa 、Wb 、Wc の変化の最大となる各位置Zwa、Zwb、Zwcから光強度の最大となる位置に換算することなく、直接各位置Zwa、Zwb、Zwcを比較することにより各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)、例えば半導体ウエハ上の各パターンの高さの差を得ることができる。
【0087】
さらに構成上は、従来顕微鏡と比較しても画像メモリを1つ増設するだけの簡単な変更だけでよい。
(2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0088】
図6は共焦点走査型光学顕微鏡の構成図である。
顕微鏡本体10内におけるハーフミラー13の分岐方向には、試料19からの反射光を等量に分岐するビームスプリッタ40が配置されている。
【0089】
このビームスプリッタ40の一方の分岐方向に対物レンズ17の集光位置と共役に位置に配置された第1のピンホール41を介して第1の光検出器42が配置されている。
【0090】
又、ビームスプリッタ40の他方の分岐方向には、対物レンズ17の集光位置と共役に位置fよりもずれた位置に配置された第2のピンホール43を介して第2の光検出器44が配置されている。
【0091】
第2のピンホール43の配置位置は、対物レンズ17の集光位置と共役な位置fすなわち第1のピンホール41に対してz移動の最小ステップに相当する距離だけずれた位置となっている。つまり第2のピンホール43は、対物レンズ17の集光位置と共役な位置fから、光強度の変化が最大となる位置近傍における輝度の変化量と、電気的なノイズや第1の画像メモリM10に保存される1階調に相当する光強度とで制限される最小のZ移動ステップΔzに対し、試料19からピンホール43への光学系の縦倍率倍された位置に配置されている。
【0092】
差分回路45は、第1の光検出器42から出力された第1の電気信号と第2の光検出器44から出力された第2の電気信号との差分を求め、この差分信号を画像処理ユニット46の第1の画像メモリM10に送る機能を有している。
【0093】
この差分回路45から出力される差分信号は、対物レンズ17と試料19との相対位置をZ方向に最小のステップに相当する距離だけ移動させたときの光強度の変化量と等価、すなわち図7に示すようにステージ18をz移動ステッブΔzだけ移動させたときの、例えば電気信号I11とI10との差分I11−I10と等価となっている。
【0094】
画像処理ユニット46は、差分回路45から出力された差分信号を入力すると共にZ方向移動制御回路22によるステージ18の移動回数のカウント値を入力し、差分回路45から出力された差分信号の変化が最大を示したステージ18の移動回数のカウント値に基づいて対物レンズ17と試料19との相対位置を高さ情報として取得する。
【0095】
この画像処理ユニット46は、それぞれ512画素×512画素×8ビット(256階調)から成る第1の画像メモリM10及び第3の画像メモリM12を備え、このうち第1の画像メモリM10に差分信号の最大値、すなわち光強度の変化の最大を示す値Ma (=Ik −Ik-1 )が保存され、かつ第3の画像メモリM12に光強度の変化が最大となるステージ18の移動回数のカウント値kが保存されるものとなっている。
【0096】
次に上記の如く構成された顕微鏡の作用について説明する。
レーザ光源11から出射された走査用レーザ光は、ミラー12で反射し、ハーフミラー13を透過して2次元走査機構14に入射し、この2次元走査機構14の走査動作によって試料19の2次元平面上に走査される。
【0097】
これと同時に、Z方向移動制御回路22の駆動制御によりステージ18をZ方向にステップ状に移動して対物レンズ17と試料19との相対距離を変化させる。このとき、試料19にピントが合ったか否かの判断は、モニタ24に表示された画像を観察者が見ながら行う。
【0098】
次に、観察者により測定動作に関係する各パラメータの設定、すなわちコンピュータ31によって試料19の測定範囲L及び測定を開始するステージ18の位置Zo が設定され、この後、ステージ181回あたりのZ方向への移動量Δzが設定される。
【0099】
そして、測定が開始されると、ステージ18はZ方向移動制御回路22の駆動により測定開始位置ZO に移動され、かつステージ18の移動回数のカウント値kがリセットされる。
【0100】
これと共に第1の画像メモリM10に保存される値Ma がクリアされるととともに、このときに差分回路45から出力される差分信号が第1の画像メモリM10に保存される。
【0101】
次に、ステージ18は、Z方向移動制御回路22の駆動により移動量Δz分だけZ方向に移動し、ステージ18の移動回数のカウント値kが「+1」だけカウントアップされる。
【0102】
この状態に、試料19からの反射光は、2次元走査機構14からハーフミラー13を経てビームスプリッタ40に入射し、ここで第1のピンホール41側と第2のピンホール43側との2方向に分岐される。
【0103】
このうち第1のピンホール41を透過した光は第1の光検出器42に入射し、この第1の光検出器42は、入射した光量に応じた第1の電気信号Ik を出力する。
【0104】
又、第2のピンホール43を透過した光は第2の光検出器44に入射し、この第2の光検出器44は、入射した光量に応じた第2の電気信号Ik-1 を出力する。
【0105】
差分回路45は、第1の光検出器42から出力された第1の電気信号Ik と第2の光検出器44から出力された第2の電気信号Ik-1 との差分Ik −Ik-1 を求め、この差分信号Ik −Ik-1 を画像処理ユニット46の第1の画像メモリM10に送る。
【0106】
すなわち、この差分回路45から出力される差分信号Ik −Ik-1 は、対物レンズ17と試料19との相対位置をZ方向に最小のステップに相当する距離だけ移動させたときの光強度の変化量と等価、例えば図7に示すようにステージ18をz移動ステッブΔzだけ移動させたときの、第1と第2の電気信号I11とI10との差分I11−I10と等価となっている。
【0107】
画像処理ユニット46は、差分信号Ik −Ik-1 と第1の画像メモリM10に保存されている値Ma とを比較する。
この比較の結果、
Ma <Ik −Ik-1 …(8)
上記式(8) の関係が成り立ち、Ik −Ik-1 がMa よりも大きければ、画像処理ユニット46は、第1の画像メモリM10に保存されている値Ma をIk −Ik-1 に書き替えて保存する。
【0108】
このとき第3の画像メモリM12には、このときのステージ18の移動回数のカウント値kが保存される。
このように上記処理が所定のN回繰り返えされることによって、第1の光検出器42と第2の光検出器44とから出力される各電気信号Ik 、Ik-1 との差分信号の最大値が第1の画像メモリM10に値Ma として保存され、そのときのステージ18の移動回数のカウント値kが第3の画像メモリM12に保存される。
【0109】
従って、画像処理ユニット46は、上記第1の実施の形態と同様に、例えばNA=0.95、λ=488nmとした場合、上記図4に示す位置Za 、Zb の位置を求めることができ、これら位置Za 、Zb から変化曲線Wa の最大値までの各距離ea 、eb は開口数NA及び波長λにより定まるので、位置Za に0.147μmを加算することにより試料19の高さを求める。又位置Zb から0.147μmを減算することにより試料19の高さを求めてもよい。
【0110】
又、例えば上記図9に示すように3つの試料面A、B、Cを有する試料199(7)の各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)を測定する場合でも、画像処理ユニット46は、NA=0.95、λ=488nmとした場合、図5に示すように各位置Zwa、Zwb、Zwcにそれぞれ0.147μmを加算することにより試料19(7)の各試料面A、B、Cの各高さを求め、さらにこれら試料面A、B、Cの各高さを比較して各試料面A、B、Cの相対的な高さの差を求める。
【0111】
又、画像処理ユニット46は、上記各変化曲線Wa 、Wb 、Wc の変化の最大となる各位置Zwa、Zwb、Zwcを各試料面A、B、Cの高さに換算せずに、直接各位置Zwa、Zwb、Zwcを比較することにより各試料面A、B、Cの相対的な高さの差を求める。
【0112】
このように上記第2の実施の形態においては、対物レンズ17の集光位置と共役な位置に配置された第1のピンホール41を介して第1の光検出器42を配置するとともに対物レンズ17の集光位置と共役な位置fよりもずれた位置に配置された第2のピンホール43を介して第2の光検出器44を配置し、これら第1と第2の光検出器42、44から各出力される第1と第2の電気信号の差分信号の最大値を検出するようにしたので、上記第1の実施の形態と同様に、光強度の変化の最大値を検出することと等価となり、光強度の変化が第1及び第2の光検出器42、44の電気的なノイズや第1の画像メモリM10の1階調分に相当する光強度差と同程度になるまでZ移動ステップを小さくでき、Z移動ステップによる量子化誤差が少なく測定再現性のよい高さ測定ができる。
【0113】
又、3つの試料面A、B、Cを有する試料19(7)の各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)を測定する場合でも、直接各位置Zwa、Zwb、Zwcを比較することにより各試料面A、B、Cの相対的な高さ(の差)、例えば半導体ウエハ上の各パターンの高さの差を得ることができる。
【0114】
さらに構成上は、従来顕微鏡と比較しても従来の顕微鏡と同等の画像メモリで対応できる。
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。
【0115】
例えば、図9に示す試料7の3つの試料面A、B、Cの高さ情報を得る場合、先ず、ステージ18を粗動させて対物レンズ17を例えば試料面Cに対して粗に位置合わせし、この後にステージ18をZ移動ステップΔz毎に移動して高精度に試料面Cの高さ情報を取得する。
【0116】
次に、ステージ18を粗動させて対物レンズ17を試料面Aに対して粗に位置合わせし、この後にステージ18をZ移動ステップΔz毎に移動して高精度に試料面Aの高さ情報を取得する。
【0117】
そして、ステージ18を粗動させて対物レンズ17を試料面Bに対して粗に位置合わせし、この後にステージ18をZ移動ステップΔz毎に移動して高精度に試料面Bの高さ情報を取得する。
【0118】
このようにステージ18を粗動とZ移動ステップΔzとを組み合わせて動作させれば、ステージ18を全てZ移動ステップΔz毎に移動させることなく、高さ情報の取得時間を短縮できる。
【0119】
又、上記第2の実施の形態において、z移動のステップを、その最小値より大きな値に設定した場合でも、差分回路45の出力は、最小ステップでのz移動による輝度の変化量を検出している。
【0120】
このようにZ移動ステップがその最小値より大きな値に設定した場合には、設定したZ移動ステップに応じて第2のピンホール43を対物レンズ17の集光位置と共役な位置から離すように構成すれば、差分回路45から出力される光強度の変化量が大きくなり、電気的なノイズの影響がより小さくなってより高精度な測定ができる。
【0121】
又、上記第2の実施の形態において、第2のピンホール43は対物レンズ17の集光位置と共役な位置から離して対物レンズ17からの距離を広くした位置に配置しているが、これとは反対に対物レンズ17からの距離を短くする位置に配置してもよい。この場合、第2の光検出器44の方が第1の光検出器42よりもZ移動ステップΔz分だけ前の光強度を検出するものとなる。
【0122】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、Z移動ステップを小さくしても正確に輝度の値が最大となるところを検出して高さ情報が得られる、すなわち光強度の変化が光検出器の電気的なノイズや画像メモリの1階調分に相当する光強度差と同程度になるまでZ移動ステップを小さくでき、Z移動ステップによる量子化誤差が少なく測定再現性のよい高さ測定方法及びその装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる共焦点走査型光学顕微鏡の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同光学顕微鏡の動作フローチャート。
【図3】光強度の変化の最大値を検出するための作用を説明するための図。
【図4】ステージをZ方向移動したときの電気信号の変化の最大値を示す図。
【図5】3つの試料面に対する各変化曲線を示す図。
【図6】本発明に係わる共焦点走査型光学顕微鏡の第2の実施の形態を示す構成図。
【図7】同顕微鏡における差分回路の作用を説明するための図。
【図8】一般的な共焦点走査型光学顕微鏡の概略構成図。
【図9】高さの異なる3つの試料面を有する試料の外観図。
【図10】従来の共焦点走査型光学顕微鏡の構成図。
【図11】同顕微鏡の動作フローチャート。
【図12】光検出器から出力される電気信号の最大値を検出する作用を説明するための図。
【符号の説明】
10…顕微鏡本体、
11…レーザ光源、
14…2次元走査機構、
15…走査制御ユニット、
16…レボルバ、
17…対物レンズ、
18…ステージ、
19…試料、
20…ピンホール、
21…光検出器、
22…Z方向移動制御回路、
25…モニタ、
30…画像処理ユニット、
M10…第1の画像メモリ、
M11…第2の画像メモリ、
M12…第3の画像メモリ、
31…コンピュータ、
40…ビームスプリッタ、
41…第1のピンホール、
42…第1の光検出器、
43…第2のピンホール、
44…第2の光検出器、
45…差分回路、
46…画像処理ユニット。
Claims (2)
- 光を光学レンズを通して試料に照射し、この試料から反射された光を前記光学レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開口を通して光強度を検出する工程と、
前記光学レンズと前記試料との相対位置を光軸方向に離散的に変化させたときの前記光強度の変化における変曲点となる前記光学レンズと前記試料との相対位置を高さ情報として取得する工程と、
を有することを特徴とする高さ測定方法。 - 光を対物レンズを通して試料に照射したときの前記試料表面からの反射光を前記対物レンズの集光位置と共役な位置に配置された微小開口を通して光検出器に入射し、この光検出器により検出された光強度に基づいて前記光学レンズと前記試料との高さ情報として得る高さ測定装置において、
前記対物レンズと前記試料との相対位置を光軸方向に離散的に変化させる移動機構と、
この移動機構により前記対物レンズと前記試料との相対位置を変化させときの前記光検出器により検出される光強度の変化における変曲点を検出する変曲点検出手段と、
この変曲点検出手段により検出された変曲点に基づいて前記対物レンズと前記試料との相対位置を高さ情報として得るに高さ情報取得手段と、
を具備したことを特徴とする高さ測定装置。
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