JP2018205661A - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】標本の位置関係の情報を取得し、撮像を行うための位置調整を容易とする顕微鏡装置を提供する。【解決手段】顕微鏡装置100は、対物レンズ3を含む、標本Sの顕微鏡画像を取得する顕微鏡と、監視画像を取得する撮像装置11と、を備え、撮像装置11は、標本S面上における対物レンズ3の視野領域と、対物レンズ3の先端部と、を撮像装置11の視野に収めるように配置される。【選択図】図1

Description

対物レンズを用いて標本を観察する顕微鏡装置に関する。
顕微鏡装置により標本の観察を行う場合、標本上において、観察を行う領域を対物レンズの視野領域内に含まれるように調整する作業(XY平面上の位置調整)や、その視野領域に対物レンズの焦点を合わせる合焦作業(Z位置調整)が実行される。尚、ここでは対物レンズが光を取り込む標本面上の領域を、対物レンズの視野領域と表記する。これらの位置調整は、対物レンズを介して得た標本の画像をモニタ等により確認しつつ、対物レンズ(標本を固定するステージ)を光軸方向及び光軸と直交する方向へ移動することにより実行される。また、使用者は、対物レンズの視野領域の標本面上での相対的な位置関係や、対物レンズと標本との距離を把握することで上記位置調整を安全且つ円滑に進められるが、モニタ等の画像の確認と並行して、視野領域を目視可能な位置や対物レンズと標本との距離を目視可能な位置へ使用者が一々移動して確認を行うとなると作業が煩雑となる。
上記位置調整を補佐する、下記の技術が公知である。
特許文献1では、顕微鏡装置に監視センサを設けて、監視センサにより標本の位置関係を監視する技術が開示されている。特許文献1では、監視センサが、対物レンズの光軸に直交する方向から撮像可能に、即ち監視センサの観察面が物面に対して垂直となるように設けられる様子(特許文献1の図5)や、顕微鏡装置の上部に設けられる様子(特許文献1の図3、4)が示されている。このように監視センサを設けることで、上記位置調整中において、対物レンズと標本との位置関係(距離)、標本面上での対物レンズの視野領域の位置関係を確認する。
特開2014−211626号公報
一方、対物レンズの光軸に直交する方向から撮像するように監視センサが設けられる場合であっても、標本がプレート等の容器に入っているような状態では容器の側面によって視界が遮られることで、対物レンズと標本との位置関係(距離)が把握できなくなる場合がある。
また、顕微鏡装置の上部に監視用のセンサが設けられる場合であっても、対物レンズを標本に対し接近させたときに対物レンズの一部に視界が遮られることで、標本面上での視野領域の位置関係が把握できなくなる場合がある。特に高倍率の対物レンズを用いた状況では、対物レンズを標本に対し大きく接近させるため、対物レンズにより死角が生まれやすい。
以上の実情を踏まえ、本発明では、標本の位置関係の情報を取得し、撮像を行うための位置調整を容易とする顕微鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様における顕微鏡装置は、対物レンズを含む、標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡と、監視画像を取得する撮像装置と、を備え、前記撮像装置は、前記標本面上における前記対物レンズの視野領域と、前記対物レンズの先端部と、を前記撮像装置の視野に収めるように配置されたことを特徴とする顕微鏡装置。
本発明の顕微鏡装置によれば、標本の位置関係の情報を取得し、撮像を行うための位置調整を容易とすることができる。
第1の実施形態における顕微鏡装置の構成を示す図。 制御装置の機能構成を示す図。 撮像素子が分割されたうちの一視野方向から標本を撮像している様子を示す図。 撮像素子が分割されたうちの他の一視野方向から標本を撮像している様子を示す図。 第2の実施形態において、撮像装置が第1の方向及び第2の方向から標本を撮像する様子を示す図。 第3の実施形態において、撮像装置が第1の方向及び第2の方向から標本を撮像する様子を示す図。 第4の実施形態において、撮像装置が標本を撮像する様子を示す図。 第5の実施形態において、撮像装置が標本を撮像する様子を示す図。 第6の実施形態における顕微鏡装置の構成を示す図。
以下、本発明の第1の実施形態における顕微鏡装置100について説明する。図1は、顕微鏡装置100の構成を示す。顕微鏡装置100は、蛍光標本である標本Sからの蛍光を用いて標本Sを観察する装置であり、顕微鏡(顕微鏡本体)10と、撮像装置11と、各種制御装置(制御装置20、制御装置30、制御装置40)と、上記の制御装置への指示を出力する各種指示装置(XY操作ハンドル53、Z操作ハンドル54、キーボード55)と、モニタ51、モニタ52を備えている。
顕微鏡本体10は、光源1と、ダイクロイックミラー2と、対物レンズ3と、光検出器4と、XYステージ5と、Zステージ6と、を備えている。
光源1は、標本Sに照射することで標本Sから蛍光を発生させる励起光を出力する。ダイクロイックミラー2は、光源1からの励起光を反射し、標本Sからの蛍光を透過する。従って、光源1からの励起光は、ダイクロイックミラー2、対物レンズ3を介して標本Sへ照射され、標本Sからの蛍光は、対物レンズ3、ダイクロイックミラー2を介して光検出器4へ導光される。
光検出器4は、受光した光を画像信号へ変換する。光検出器4を介して取得される画像を顕微鏡画像とも表記する。光検出器4としては、CCDやCMOS等の撮像素子が用いられる。
XYステージ5は、標本Sを固定するステージであり、XY方向へ駆動することで、対物レンズ3に対する標本Sの位置を変更する。尚、XY方向とは、紙面横方向をX方向とし、紙面奥行き方向をY方向としたときのXY平面上で規定される方向を示す。
XYステージ5を駆動することで、標本S上における、対物レンズ3の視野領域と観察を行う領域とを合わせる作業である、XY平面上での標本Sの位置調整を行うことが可能である。また、対物レンズ3が光を取り込む標本S面上の領域を、標本S面上の対物レンズ3の視野領域、または、対物レンズ3の視野領域と表記する。
Zステージ6は、対物レンズ3をZ方向に駆動することで、標本Sと対物レンズ3との相対的な距離を変更する。尚、Z方向とは、対物レンズ3の光軸方向であり紙面縦方向を示す。
Zステージ6を駆動することで、対物レンズ3のピント位置を対物レンズ3の視野領域に合わせるZ方向の位置調整(合焦作業)を行うことが可能である。
例えば、標本Sの観察を行う前に、上記XY平面上での位置調整とZ方向の位置調整をXYステージ5、Zステージ6を用いてそれぞれ実行する。尚、XYステージ5、Zステージ6は、後述される制御装置20によって制御を受ける。
モニタ51、52は、それぞれ撮像装置11で取得した監視画像(後述される)、光検出器4で取得した顕微鏡画像を、各種制御装置を介して表示する。
XY操作ハンドル53、Z操作ハンドル54、キーボード55は、制御装置40へ指示を送る指示装置である。XY操作ハンドル53は、使用者による操作と連動してXYステージ5を駆動させる指示を出力する。Z操作ハンドル54は、使用者による操作と連動してZステージ6を駆動させる指示を出力する。キーボード55は、その他の入力を出力する。
撮像装置11は、光検出器4を用いた標本Sからの蛍光の観察とは別に、標本Sを撮像するものである。撮像装置11が取得する画像を監視画像と表記する。撮像装置11は、ミラー7、撮像素子8、照明装置9を含む。
照明装置9は、標本S及び対物レンズ3を照明する照明光を出力する。また、照明装置9が出力する照明光は、標本Sから発生する蛍光と異なる波長域のものであるとよい。より具体的には、照明光が、光検出器4の検出波長域と異なる波長域を有する光であれば、光検出器4で受光されてしまい画像のノイズとなることを防止することができる。
撮像素子8は、標本S及び対物レンズ3からの、照明装置9が出力した照明光の反射光(以降、単に反射光とも表記する)を受光し、画像信号を生成する。撮像素子8は、光検出器4として用いられる上記撮像素子(CCD等)と同等のものでもよい。
ミラー7は、標本Sからの一部の光を撮像素子8へ偏向させる偏向素子である。より詳しくは、ミラー7は、対物レンズ3の先端部と標本Sとの位置関係を視野に含むような方向(第2方向)からの光を撮像素子8へ向けて偏向させる。
尚、本実施形態において照明装置9の構成は、省略してもよい。その場合には、撮像素子8は、室内光や太陽光が標本Sで反射した反射光を受光する。
以上の構成を有する撮像装置11は、標本S面上における対物レンズ3の視野領域と、対物レンズ3の先端部と、を撮像装置の視野に収めるように配置されることを特徴とする。より詳細には、撮像装置11は、XYステージ5、Zステージ6を用いた位置調整の際に、対物レンズ3の視野領域を視野に含む方向(第1方向)から標本Sを撮像し、対物レンズ3の先端部と標本Sとを視野に含む方向(第2方向)から標本Sと対物レンズ3を撮像する。尚、本実施形態では撮像装置11は、偏向素子であるミラー7を介して第2方向からの光を撮像素子8が受光することで第2方向から標本Sを撮像し、偏向素子であるミラー7を介さずに第1方向からの光を撮像素子8が受光することで第1方向から標本Sを撮像する。
第1方向から標本Sを撮像した監視画像を表示したモニタ51を確認することで、XYステージ5の位置調整に際し、使用者は標本S面上での対物レンズ3の視野領域の位置関係を把握することができる。また、第2方向から標本Sと対物レンズ3を撮像した監視画像を表示したモニタ51を確認することで、対物レンズ3の先端部と標本Sとの位置関係(距離)を把握することができるため、モニタ52に表示された顕微鏡画像(対物レンズ3を介して光検出器4が検出した標本Sの画像)を確認しながらZステージ6の位置調整を行う際に、対物レンズ3と標本Sとが接触してしまうといったリスクを軽減できる。
特にこれらの位置調整は、使用者が、対物レンズ3を介して取得した顕微鏡画像と、撮像装置11で取得した監視画像とを確認しながら行うことが可能である。そのため、使用者が一々対物レンズを介した画像を表示するモニタが見える位置と、標本Sと対物レンズ3の位置関係(距離)や標本S面上での対物レンズの視野領域を把握できる位置と、の間で移動しながら位置調整を行う場合と比較して、煩雑さが少なく容易に位置調整を行える。また、モニタ51、52が並列して配置されていることから、位置調整に必要な情報を一度に確認できる。尚、モニタ51、52の代わりに一つのモニタを配置する構成であってもよく、その場合には、一画面上に光検出器4で取得した顕微鏡画像と、撮像装置11で取得した監視画像とを表示すればよい。
このように、顕微鏡装置100によれば、標本Sの位置関係の情報を取得することで、撮像を行うための位置調整を容易とすることができる。
尚、撮像装置11が対物レンズ3の視野領域を含む方向(第1方向)から標本Sを撮像し、対物レンズ3の先端部と標本Sとの位置関係を視野に含む方向(第2方向)から標本Sと対物レンズ3を撮像するための、具体的なミラー7、撮像素子8の配置については、図3、4を用いて後述する。
次に各種制御装置の機能構成について図2を用いて説明する。図2は、制御装置(制御装置20、30、40)の機能構成を示す図である。
制御装置20は、画像取得部21と、Z制御部22と、XY制御部23と、を有する。
画像取得部21は、光検出器4が取得した画像信号を受信し、その画像信号を制御装置40へ出力する。
Z制御部22は、Zステージ6の駆動を制御する。XY制御部23は、XYステージ5の駆動を制御する。また、Z制御部22、XY制御部23が行う制御は、それぞれ制御装置40からの指示に基づいて実行される。
制御装置30は、偏向素子制御部31と、カメラ制御部32と、監視画像取得部33と、を有する。
偏向素子制御部31は、ミラー7の駆動を制御する。カメラ制御部32は、撮像素子8の制御を行う。カメラ制御部32は、撮像素子8の使用する画素や、標本Sや対物レンズ3に対する角度を変更する制御を行う。監視画像取得部33は、撮像素子8が取得した監視画像信号を受信し、その監視画像信号を制御装置40へ出力する。また、偏向素子制御部31、カメラ制御部32、監視画像取得部33が行う制御は、それぞれ制御装置40からの指示に基づいて実行される。
制御装置40は、画像処理部41、第1指示部42、第2指示部43を有する。
画像処理部41は、画像取得部21が出力した画像信号と、監視画像取得部33が出力した監視画像信号とを受信し、表示用の画像信号へ変換する処理を行う。画像処理部41が実行する処理は、明度調節やノイズ除去、トリミング等であり、キーボード55等の入力に基づいて実行されてもよい。
第1指示部42は、XY操作ハンドル53、Z操作ハンドル54が出力する指示をそれぞれXY制御部23、Z制御部22へ送信する。
第2指示部43は、キーボード55等からの入力に基づく指示を、偏向素子制御部31、カメラ制御部32へ送信する。
尚、顕微鏡装置100は、上述した制御装置20、30、40の代わりに、一つの制御装置を有する構成としてもよく、その場合には、該制御装置が制御装置20、30、40の機能構成を有するものとする。
以下、第1の実施形態において、撮像装置11が対物レンズ3の視野領域を視野に含む方向(第1方向)から標本Sを撮像し、対物レンズ3の先端部と標本Sとを視野に含む方向(第2方向)から標本Sと対物レンズ3を撮像するための、ミラー7、撮像素子8の具体的な配置について、図3、4を用いて説明する。
ミラー7は、撮像素子8の視野を分割するように、該視野の一部分に配置される。図3は、分割されたうちの一視野方向から標本Sを撮像している様子を示している。視野f1は、ミラー7を介さない視野である。このとき撮像素子8は、視野f1が標本S面上の対物レンズ3の視野領域SOを含むように配置される。即ち、撮像素子8は、視野f1の方向である第1方向からの光を取り込む。尚、第1方向からの光線の一つを示す軸であり、撮像素子8の撮像面と直交する軸を軸Aとして表している。
図4は、分割されたうちの他の一視野の方向から標本Sを撮像している様子を示している。視野f2は、ミラー7を介して偏向した方向の視野である。このときミラー7は、視野f2が対物レンズ3の先端部と標本Sとを含むように配置される。即ち、撮像素子8は、視野f2の方向である第2方向からの光を取り込む。尚、第2方向からの光線の一つを示す軸であり、撮像素子8の撮像面と直交する軸を軸Bとして表している。
図3、4で示されるように各視野(視野f1、f2)方向からの光は、それぞれ撮像素子8の撮像面の異なる領域に導光される。従って、一つの撮像素子8によって二つの視野の方向からの光を取り込むような構成となる。
以上の撮像装置11に係る構成によれば、二つの視野方向(第1方向、第2方向)から光を取り込むことができ、上述した位置調整を容易にするという効果を奏するものとなる。
特に、偏向素子であるミラー7を配置することによって、一つの撮像素子8によって第1方向、第2方向の両方からの光を取り込むことができる。そのため、異なる方向に複数の撮像素子を配置せずともよいため、対物レンズ3周りの構成が雑多にならず簡素化できる。
また、ミラー7を、視野を分割するように配置することで一度に第1方向、第2方向からの光を取り込むため、撮像する方向を切り替えることもなく、連続的に2方向の画像を取得、表示することが可能である。
従来、高倍率での位置調整時には、対物レンズ3が標本面上に近づくため、センサを配置したとしても対物レンズ3が死角となり、第1方向からの視野を確保し辛いという問題があった。また、対物レンズ3の光軸と直交する方向から撮像するようにセンサを配置した場合においても標本Sをプレート等の容器に入れている場合、その容器の側面が死角位置となり、第2方向からの視野を確保し辛いという問題が発生する。とはいえ、撮像素子を対物レンズ3近傍に配置するとなると、標本Sの設置時等の作業に支障がでる可能性があり、標本Sの設置時と位置調整時とで、撮像素子の位置を変更したり、駆動着脱するといった工夫が必要となる。
本実施形態の撮像装置11の構成によれば、ミラー7の設置角度次第で、撮像素子8の位置に応じて第1方向、第2方向の両方を撮像素子8によって撮像するようにできることから、撮像素子8を配置可能な範囲が広がる。従って、標本Sからある程度離れた位置に配置したとしても、高倍率での位置調整時において死角が生じることなく、二つの視野方向(第1方向、第2方向)を確保することができる。
尚、偏向素子としてミラー7を用いる構成としたが、ミラー7の代わりにプリズムを用いて第2方向からの光を撮像素子8へ偏向するものとしてもよい。
また、撮像装置11は、ズーム機能を有していてもよい。撮像装置11が高倍率で撮像することで、標本Sの様子をより詳細に確認したい場合等に対応することができる。撮像装置11が有するズーム機能は、例えば、撮像素子8が電子変倍を行うものが考えられる。
また、撮像素子8は、対物レンズ3の光軸を中心軸として周囲に回動するように、カメラ制御部32により制御されてもよい。XY平面上の位置調整に際して、標本Sの異なる領域を視野に含めたい場合等に、撮像素子8が回動することで、異なる領域を視野に含めることができる。また、予め複数の撮像装置11が対物レンズ3の光軸を中心軸として周囲に配置されており、標本S上の広い領域を複数の撮像装置11によりカバーして撮像するような構成であってもよい。
以下、第2の実施形態における顕微鏡装置200について説明する。顕微鏡装置200の構成は、撮像装置11が有する構成の配置が第1の実施形態と異なる点を除けば、顕微鏡装置100と等しい。
図5は、顕微鏡装置200において、撮像装置11が第1の方向及び第2の方向から標本Sを撮像する様子を示す図である。図5の軸A、軸Bは、図3、4で示すものと同様であり、軸Aは、第1方向からの光線の一つを示し、軸Bは、第2方向からの光線の一つを示す。
本実施形態では、偏向素子制御部31の制御により、ミラー7が配置変更される。具体的には、偏向素子制御部31は、撮像装置11がミラー7を介して第2方向から標本Sと対物レンズ3とを撮像するようなミラー7の配置と、撮像装置11が第1方向から標本Sを撮像するようなミラー7の配置と、の間でミラー7を駆動する。図5に示す例では、変更素子制御部31の制御によりミラー7の角度を変更することで、ミラー7を介して第2方向から標本Sと対物レンズ3とを撮像する状態と、ミラー7を介さずに第1方向から標本Sを撮像する状態を実現する。
従って、顕微鏡装置200によっても、二つの視野方向(第1方向、第2方向)から光を取り込むことができ、上述した位置調整を容易にするという効果を奏するものとなる。
また、本実施形態における制御の一例として、制御装置40の第2指示部43が、第1方向から標本Sを撮像するモードと、第2方向から標本Sと対物レンズ3とを撮像するモードとを予め記憶し、指示装置(ここではキーボード55)からの入力に応じて上記モードのいずれかが選択されて、ミラー7を自動的に駆動するような制御を実行してもよい。例えば、使用者がXYステージ5を操作してXY平面上での位置調整を行う場合には、第1方向から標本Sを撮像するモードをキーボード55からの入力により選択し、Zステージ6を操作してZ方向の位置調整(合焦作業)を行う場合には、第2方向から標本Sと対物レンズ3とを撮像するモードをキーボード55からの入力により選択する。または、使用者がXY平面上で位置調整を実行しているか、Z方向で位置調整を実行しているかを判別することによって自動的に上記モードが切り替わり、ミラー7の駆動を制御してもよい。
このような制御方法によれば、実行する位置調整に応じて必要な情報を撮像装置11によって取得して、モニタ51へ表示することができる。
尚、図5に示した例では、ミラー7の角度を変更するものとしたが、ミラー7の配置の変更の方法はこれに限られない。例えば、ミラー7の角度は変更せずに、撮像素子8の視野上に挿脱可能とするものとしてもよい。
また、標本Sとミラー7との接触を防止するという観点から、ミラー7を駆動させる際には、対物レンズ3の先端部よりも標本S側にミラー7が移動しないように制御されることが望ましい。
第2の実施形態の変形例として、撮像装置11は、ミラー7を有さず、カメラ制御部32により撮像素子8の配置を、第2方向から標本Sと対物レンズ3とを撮像する位置と、第1方向から標本Sを撮像する位置との間で変更するように制御するものであってもよい。この場合でも、撮像素子8の位置を比較的大きく変更する必要があるものの、二つの視野方向(第1方向、第2方向)から光を取り込むことができ、上述した位置調整を容易にするという効果を奏するものとなる。
以下、第3の実施形態における顕微鏡装置300について説明する。顕微鏡装置300の構成は、撮像素子8の代わりに撮像素子61を有し、ミラー7の代わりにプリズム62を有する点を除けば、顕微鏡装置100と同様である。
図6は、顕微鏡装置300において、撮像装置が第1の方向及び第2の方向から標本Sを撮像する様子を示す図である。図6の軸A、軸Bは、図3、4で示すものと同様であり、軸Aは、第1方向からの光線の一つを示し、軸Bは、第2方向からの光線の一つを示す。
プリズム62は、複数の面(プリズム面62a〜62d)と、窓部63、64を有する。プリズム面62c、62dは、窓部64から入射した第2方向からの光を撮像素子61へ偏向させ、プリズム面62a、62bは、窓部63から入射した第1方向からの光を撮像素子61へ偏向させる。
撮像素子61は、第1方向からの光と第2方向からの光とをそれぞれ異なる撮像面で受光する。
以上の顕微鏡装置300によっても、二つの視野方向(第1方向、第2方向)から光を取り込むことができ、上述した位置調整を容易にするという効果を奏するものとなる。また、第1の実施形態と同様に、撮像する方向を切り替えることを要さず、連続的に2方向の画像を取得することが可能である。
以下、第4の実施形態における顕微鏡装置400について説明する。顕微鏡装置400では、液浸対物レンズである対物レンズ3を使用し、浸液72内で対物レンズ3と標本Sとの位置調整が行われる。顕微鏡装置400は、ミラー7の代わりにプリズム71を有している点で顕微鏡装置100と異なるが、それ以外の構成は同様である。
図7は、顕微鏡装置400において、撮像装置が標本Sを撮像する様子を示す図である。標本Sは、液体で満たされた容器内に配置されている。プリズム71は、浸液内の第1面73と、空気中にある第2面74と、を含んでおり、プリズム71は、浸液中から第1面73へ入射した光を、第2面74を介して撮像素子8へ偏向するような構成を有している。
以上の構成によれば、液浸系の対物レンズを使用する場合において、標本Sからの光が浸液と空気層との界面を介することなく撮像素子8へ導光されるため、XYステージ5やZステージ6を駆動した際等に生じる液面の揺れが画像に影響することを防止することができる。
尚、プリズム71の形状については、図7では簡略化しているが、第3の実施形態のプリズム62のような構成とすれば、第1方向、第2方向のいずれの光も撮像素子8へ導光することで、位置調整を容易にするという効果を奏するものとなる。
以下、第5の実施形態における顕微鏡装置500について説明する。顕微鏡装置500の構成は、ミラー7を有さないという点で、顕微鏡装置100と異なるがそれ以外の構成は同様である。
図8は、顕微鏡装置500において、撮像装置が標本Sを撮像する様子を示す図である。図8において、撮像素子8は、標本S面上での対物レンズ3の視野領域と、対物レンズ3の先端部と、の両方を画角に収めるような位置に配置される。
このような場合においても、撮像素子8の配置がある程度限定されるものの、取得した監視画像は、標本S面上での対物レンズ3の視野領域、対物レンズ3の先端部の両方が映っていため、上述した各実施形態と同様に位置調整を容易にすることができる。
以下、第6の実施形態における顕微鏡装置600について説明する。図9は、顕微鏡装置600の構成を示す図である。顕微鏡装置600は、顕微鏡装置100の構成に加え、対物レンズ3と光検出器4との間の光路上に波長選択フィルタ82を新たに備え、さらに、顕微鏡装置600が暗室空間81内で使用される点で顕微鏡装置100と異なるがそれ以外の構成は同様である。
本実施形態では、暗室空間で観察を行うため、太陽光や室内光の反射光を利用できないことから照明装置9が必須の構成となる。照明光は、標本Sから発生する蛍光とは異なる波長域の光であり、波長選択フィルタ82によって分離され、光路上から除外される波長域の光である。照明光は、例えば可視域である赤外波長域の光が使用される。
以上のように、本発明の顕微鏡装置は、暗室における標本Sの観察にも適用することができる。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述した顕微鏡装置は、特許請求の範囲に記載した本発明を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
100、200、300、400、500、600 顕微鏡装置
1 光源
2 ダイクロイックミラー
3 対物レンズ
4 光検出器
5 XYステージ
6 Zステージ
7 ミラー
8、61 撮像素子
9 照明装置
10 顕微鏡本体
11 撮像装置
20、30、40 制御装置
21 画像取得部
22 Z制御部
23 XY制御部
31 偏向素子制御部
32 カメラ制御部
33 監視画像取得部
41 画像処理部
42 第1指示部
43 第2指示部
51、52 モニタ
53、54、55 指示装置
62、71 プリズム
72 浸液
82 波長選択フィルタ

Claims (19)

  1. 対物レンズを含む、標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡と、
    監視画像を取得する撮像装置と、を備え、
    前記撮像装置は、前記標本面上における前記対物レンズの視野領域と、前記対物レンズの先端部と、を前記撮像装置の視野に収めるように配置された
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 請求項1に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、前記標本面上における前記対物レンズの視野領域を視野に含む第1方向から前記標本を撮像し、前記対物レンズの先端部と前記標本とを視野に含む第2方向から前記標本と前記対物レンズを撮像する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  3. 請求項2に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、撮像素子と、前記第2方向からの光を前記撮像素子へ偏向させる偏向素子を含む
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  4. 請求項3に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、前記偏向素子を介して前記第2方向から前記標本と前記対物レンズを撮像し、前記偏向素子を介さずに前記第1方向から前記標本を撮像する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  5. 請求項4に記載の顕微鏡装置であって、
    前記偏向素子は、前記撮像素子の視野の一部分に配置され、該視野を分割し、
    前記撮像装置は、分割されたうちの一視野の方向である前記第2方向から前記偏向素子を介して前記標本を撮像し、分割されたうちの他の一視野の方向である前記第1方向から前記偏向素子を介さずに前記標本を撮像する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、前記第1方向からの光が導光される前記撮像素子上の領域と異なる前記撮像素子上の領域へと、前記偏向素子を介した前記第2方向からの光を導光する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  7. 請求項3に記載の顕微鏡装置であって、
    前記偏向素子は、配置を変更可能であり、
    前記撮像装置は、前記偏向素子が一配置に配置された状態において、前記偏向素子を介して前記第2方向から前記標本と前記対物レンズを撮像し、前記偏向素子が異なる一配置に配置された状態において、前記第1方向から前記標本を撮像する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  8. 請求項7に記載の顕微鏡装置であって、さらに、
    前記偏向素子の配置の変更を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記第2方向からの光を前記撮像素子へ偏向させる配置と、前記第2方向からの光を前記撮像素子へ偏向させない配置との間で前記偏向素子の配置を変更する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  9. 請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記偏向素子は、ミラーである
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  10. 請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記偏向素子は、プリズムである
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  11. 請求項3に記載の顕微鏡装置であって、
    前記偏向素子は、プリズムであり、
    前記プリズムは、前記第2方向からの光を前記撮像素子へ偏向させる一つ以上のプリズム面と、前記第1方向からの光を前記撮像素子へ偏向させる一つ以上のプリズム面と、を含む
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の顕微鏡装置であって、
    前記標本は、液体で満たされた容器内に配置されており、
    前記プリズムは、前記液体中にある第1面と、空気中にある第2面と、を含み、
    前記液体中から前記第1面へ入射した光を、前記第2面を介して前記撮像素子へ偏向する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  13. 請求項1に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、撮像素子を含み、
    前記撮像素子の画角に、前記標本面上における前記対物レンズの視野領域と、前記対物レンズの先端部と、を収めるように前記撮像素子が配置される
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置は、前記対物レンズの光軸を中心軸として回動可能である
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  15. 請求項3乃至請求項14のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記撮像装置が含む撮像素子は、ズーム機能を有する
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記標本と前記対物レンズとを照明光により照明する照明装置を備える
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  17. 請求項16に記載の顕微鏡装置であって、
    前記照明光は、赤外波長域の光である
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  18. 請求項16または請求項17に記載の顕微鏡装置であって、
    前記照明光は、前記標本から発生する蛍光とは異なる波長域の光である
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  19. 請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載の顕微鏡装置であって、
    前記対物レンズが取り込んだ光を検出する光検出器と、
    前記対物レンズと前記光検出器との間の光路上に、前記照明光の波長域を分離する波長選択フィルタを備える
    ことを特徴とする顕微鏡装置。

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