JP2004535601A - 顕微鏡対物レンズの構成 - Google Patents
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Abstract
顕微鏡対物レンズ(1)の視野に置かれた試料(7)が顕微鏡対物レンズ(1)によって検出され得るように、顕微鏡の動作位置に配置される顕微鏡対物レンズ(1)を有する顕微鏡対物レンズの構成において、顕微鏡対物レンズ(1)に連結されたビデオカメラ(12;22;25;32)が備えられ、顕微鏡対物レンズ(1)が動作位置にある時、ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズ(1)の介在なしで、少なくとも視野の一部を検出可能である。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡対物レンズの構成に関する。この構成においては、顕微鏡対物レンズの視野に置かれた試料が顕微鏡によって検出可能なように、顕微鏡における動作位置に、顕微鏡対物レンズが位置決めされる。本発明はさらに、このような顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、顕微鏡は複数の顕微鏡対物レンズを有する。顕微鏡対物レンズは、顕微鏡の対物レンズ台にそれぞれ接続されており、対物レンズ台によって、所望の顕微鏡対物レンズが動作位置に移動される。顕微鏡検査においては、試料上の観察位置を定めたり制御する必要があるので、顕微鏡対物レンズはそれぞれ異なる倍率を有する。従って、高倍率で観察する前に、試料が正しく位置決めされたかどうか判断するため、低い倍率の対物レンズから使用されるようになっている。半導体製造に用いられるウエハやマスクの検査用顕微鏡の場合のように、システムが視覚(又は双眼)アイレンズを備えていない場合の顕微鏡観察においては、この試料位置決めが特に重要である。
【0003】
さらに、このような検査は、紫外線(例えば、193nm、157nm)を用いて行われるのが好ましく、一方、より長い波長の光は、拡大写真に用いられる。従って、顕微鏡対物レンズに続く光路において、ビームスプリッティングが必要となり、この結果、顕微鏡の光学的構造が複雑なものとなった。
【0004】
さらに、一般的な自動焦点装置は、例えば、600〜800nmの範囲の波長で動作する。このことからも、ビームスプリッティングは顕微鏡対物レンズの後続の光路において行われるで、複雑な光学的構造となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を考慮して、本発明の目的は、顕微鏡対物レンズの構成が用いられる顕微鏡の光学的構造を簡素化する方法で、上述のようなタイプの顕微鏡対物レンズの構成を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、前述のタイプの顕微鏡対物レンズの構成であって、顕微鏡対物レンズに結合されたビデオカメラが備えられ、前記顕微鏡対物レンズが動作位置にある時、前記ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、少なくとも視野の一部を検出可能である顕微鏡対物レンズの構成において、本発明の目的は達成される。ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、少なくとも視野の一部を検出可能なので、顕微鏡対物レンズの後続の光路においてビームスプリッティングはもはや必要ではない。その結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成が使用される顕微鏡の光学的構造を簡素化できる。
【0007】
また、ビデオカメラによる視野の検出が、顕微鏡対物レンズによる顕微鏡観察と同時に行うことができるので、顕微鏡検査をより迅速に行うことができる。ビデオカメラを用いれば、拡大写真が連続して撮影可能だからである。例えば、拡大写真を評価し、評価の結果によって、顕微鏡の焦点を試料に合わせるように、又は所望のやり方で焦点をはずすように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を(自動的に)調節してもよい。そして/又は、評価の結果によって、試料の所定の位置が顕微鏡対物レンズによって検出され,その結果、検査されるように、試料を視野内に(自動的に)位置決めしてもよい。これにより、迅速で正確な検査が行われる。上記の位置決めに関しては、別の検査又は測定システムの基準画像を用いてもよく、その基準画像は評価において拡大写真と比較される。
【0008】
焦点調節と位置決めに関しては、画像特性(例えば、輝度、コントラスト)や画像情報(例えば、輪郭)を評価してもよい。例えば、評価された画像特性や輪郭に基づいて、焦点調節及び/又は位置決めが行われる。
【0009】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成は、好ましくは、半導体産業用の顕微鏡(又は検査システム)において用いられ、例えば、ウエハ、マスク、素子、又は層などの検査用、又は電子及び/又は光学及び/又は機械的部品の検査用の顕微鏡において用いられる。また、検査に紫外線(例えば、365、266、248、213、211、193、157nm)を用いる顕微鏡においても用いられる。
【0010】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズに、ビデオカメラを結合してもよい。顕微鏡検査中、特に、顕微鏡対物レンズを(例えば、顕微鏡対物レンズの光軸に沿って)移動する時、顕微鏡対物レンズの動作位置において、ビデオカメラの顕微鏡対物レンズとの相対的な空間配置が固定されるように、又はわかるように、もしくは維持されるように、結合される。
【0011】
例えば、顕微鏡対物レンズの移動が少なくとも1つのセンサーによって監視され、このセンサーからの信号に従って、少なくとも1つのアクチュエーターによってビデオカメラが移動されるように、上記の結合は電気的に成される。また、ビデオカメラを顕微鏡対物レンズに機械的に連結することももちろん可能であり、その結果、顕微鏡対物レンズと同様にして、別の手段を用いずにビデオカメラを自動的に移動することが可能となる。
【0012】
特に、ビデオカメラの顕微鏡対物レンズとの相対的な空間配置は、ビデオカメラの焦点面と顕微鏡の焦点面とを一致するように選択してもよい。この場合、ビデオカメラの画像が鮮明になる時、顕微鏡の焦点も合うので、顕微鏡の焦点調節は特に簡単になる。また、ビデオカメラの焦点面は、顕微鏡の焦点面に対して所定の位置をとるようにしてもよい(例えば、両方の焦点面が互いに平行で、一定の距離を保つようにしてもよい)。
【0013】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の好ましい一実施例においては、ビデオカメラの視方向は、顕微鏡対物レンズの光軸に対して傾いている。これにより、試料を斜めに捉えられるので、顕微鏡対物レンズの視野の一部分をできるだけ大きく、好ましくは、視野より広い領域をビデオカメラによって検出し得るという効果がある。このことは、顕微鏡の視野に対してビデオカメラを横から傾けて向けているので、顕微鏡検査における通常非常に狭い動作距離(数ミリメートル又はそれ以下の範囲)に関して、大変都合よい。
【0014】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成において、好ましくは、ビデオカメラは、撮像光学系と、それに続いて配置される、CCDセンサーなどの画像撮像素子から構成される。このようなビデオカメラを用いることによって、試料の所望の領域が、十分な解像度で容易に撮像される。特に、CCDセンサーを用いれば、ビデオカメラを大変小さくコンパクトにできるという効果もあり、軽量化にもつながる。
【0015】
別の画像検出素子、例えば、フォトダイオード、四分円ダイオード、位置敏感検出器(PSD)などを用いてもよい。
ビデオカメラの撮像光学系は屈折光学系でもよいし、回折光学系、及び/又は局所的に変化する屈折率を有するレンズを用いることも可能である。
【0016】
特に、本発明による顕微鏡対物レンズの構成のビデオカメラは、偏向素子を含んでもよい。そのため、ビデオカメラの光軸が、顕微鏡対物レンズの光軸に平行に、もしくは、ほぼ平行に延長し、それにもかかわらず、視野上に斜めの視方向が確保されるように、ビデオカメラを顕微鏡対物レンズに直接取り付けるようにする。こうすれば、顕微鏡対物レンズは、取り付けられたカメラも含め、従来の顕微鏡対物レンズより大きくなることはなく、その結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を、何ら問題無く、既存の顕微鏡において用いることができる。
【0017】
偏向素子として、鏡(平面又は湾曲した)、又はプリズムを用いてもよい。プリズムを用いれば、回折のみによる偏向、反射のみによる偏向、又はその両方による偏向が行われる。原理的には、前述の素子とレンズを組み合わせたものと同様に、格子又は回折素子も偏向素子として用いてもよい。
【0018】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の特に好ましい実施例においては、別個の光源がビデオカメラに備えられる。これにより、ビデオカメラで検出可能な試料領域に最適な照明が得られ、また、特に、光源より発せられる光の波長を、例えば、用いられる画像検出素子に関連して最適化することも可能となる。
【0019】
特に、光源が、顕微鏡対物レンズに機械的に結合されることが好ましく、その結果、一旦調節すれば、光源は常に最適な位置にある。このことは、通常、対物レンズ台を回転することにより、顕微鏡対物レンズを動作位置にもってくるということに特に関連して、大変効果的である。この場合、最適な照明を保証するためにさらに別の手段を必要としないからである。
【0020】
さらに、光源からの光によって顕微鏡検査が影響されたり損なわれたりするのを効果的に防ぐように、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズの光路、及び/又は顕微鏡の光路において、光源からの光に対する遮断フィルターを設けてもよい。
【0021】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成のさらに効果的な実施例においては、顕微鏡対物レンズの筐体の外部に、ビデオカメラが機械的に取り付けられる。このことは、一旦調節すれば、ビデオカメラが常に最適な位置となることを確実にする。対物レンズ台を動かすことによって、本発明による顕微鏡対物レンズが動作位置に移動される時、特に、効果的である。さらに、このようにすれば、従来の顕微鏡対物レンズを、本発明による顕微鏡対物レンズに簡単に改装できる。ビデオカメラを筐体に取り付けるには、接着、クランピング、又はねじ留めすればよく、顕微鏡対物レンズの光学システムには何ら変更は必要ないからである。
【0022】
上記の機械的固定は、顕微鏡対物レンズとビデオカメラとの空間的関係が可変及び固定できるように行われる。
さらに、本発明による顕微鏡対物レンズの構成において、第2のビデオカメラを備えることが可能であり、第2のビデオカメラは、顕微鏡対物レンズに(好ましくは機械的に)結合され、顕微鏡対物レンズが動作位置にある時、第2のビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、視野の少なくとも一部を検出可能である。例えば、試料の特定の形状によって第1のビデオカメラでは質の悪い画像しか撮れない場合、第2のビデオカメラの使用により、画像の表示が確実となる効果がある。さらに、2つのカメラによって撮影した画像を評価して、その評価の結果に基づいて、顕微鏡の焦点を試料に合わせるように、又は、所定量(ずれ量)焦点の外れた位置を取るように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を調節することにより、焦点調節が容易となる。
【0023】
好ましくは、両ビデオカメラにより検出された視野のそれぞれの部分が、少なくとも一部重なり、この結果、より大きな拡大写真、及び/又はより良い焦点調節が可能となる。
特に、両ビデオカメラは異なる光学倍率を有してもよく、異なったサイズの拡大写真を得ることが可能となり、その結果、使用者は試料上の撮影箇所をより迅速により簡単に見出すことができる。
【0024】
別に設けた光源による照明に加えて、顕微鏡の内部に備えた照明(例えば、入射光照明、透過光照明、又は暗視野照明)の使用も可能であり、それによって、別に光源を設ける必要はなくなるという効果がある。
【0025】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成、及びこれから説明するその実施例は、観察光学系を有する顕微鏡において用いてもよい。この顕微鏡において、動作位置にある顕微鏡対物レンズは、観察光学系の前に配置され、視野から入射する光を観察光学系へと通す。このようにして、観察光学系が簡素化された検査用システム(顕微鏡+顕微鏡対物レンズの構成)が提供される。拡大写真の撮影、試料の位置決め、及び/又は、焦点調節が、ビデオカメラ(及び、場合によっては、さらに設けられる制御モジュール)によって、特に、上述のようにして、行われるので、観察光学系が簡素化されているのである。検査システムは、例えば、拡大写真を表示する表示部を有してもよい。さらに、検査システムは、別に設けた表示システムに拡大写真を表示させてもよい。
【0026】
特に、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズは、顕微鏡の対物レンズ台に取り付けてもよく、その対物レンズ台によって動作位置に移動されるようにしてもよい。この結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成は、既存の顕微鏡を変えることなく、その顕微鏡において用いることができる。
【0027】
対物レンズ台としては、周知のレボルバーや、1つ又はそれ以上の対物レンズを保持し、動作位置に持っていくようにした、その他の台を用いてもよい。
顕微鏡対物レンズのみならず、それに続いて配置される観察光学系(又は少なくともその一部)も、異なる倍率を実現するよう交換可能としてもよい。これは、(少なくとも部分的に)交換可能な観察光学系を有する半導体産業用の顕微鏡(又は検査システム)と同様にして、交換してもよい。特に、顕微鏡対物レンズの構成を含む顕微鏡は、マスクやウエハの検査、部品、及び層、層状システムの制御/検査用に用いてもよい。
【0028】
本発明による、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡による試料検査のための方法においては、次ようなのステップが実行される。検査される試料の画像が、顕微鏡対物レンズの介在なしで、顕微鏡対物レンズに結合されたビデオカメラによって撮影され、ビデオカメラによって撮影された画像が評価され、評価に基づいて、顕微鏡対物レンズの視野内に試料が位置決めされ、その後、検査が行われる。
【0029】
本発明の方法によれば、ビデオカメラによる試料の拡大写真と、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡によって、視野内に置かれた試料又は試料の一部のフォトグラムとを、同時及び別々に撮影可能である。一方、これにより、顕微鏡の構成が簡素化され、また、試料の位置決め、及び検査がより迅速に行える。顕微鏡において機械的な切換を行う必要もなく、顕微鏡対物レンズを交換する必要もないからである。
【0030】
特に、拡大写真とフォトグラムは、顕微鏡の表示部(例えば、モニター)上に並べて表示してもよく、また、合成画像として表示してもよい。その結果、検査によりさらに情報が得られる。
【0031】
本発明による方法において、試料の位置決めは制御して行ってもよい。従って、ビデオカメラで第1の画像を撮影後、試料の第1の位置決めを行う。その後、試料の別の画像を撮影し、その第2の画像に基づいて、試料が所望のように位置決めされたかどうか、(例えば、自動的に)判断する。もし所望の位置でなければ、試料の位置は再度変更される。ビデオカメラによって撮影された画像により、所望の位置決めが成されるまで、この制御は行われる。
【0032】
特に効果的なことに、本発明による方法は、半導体産業における試料の検査、例えば、ウエハ、マスク、集積回路の検査や、層の検査と同様に、集積光学系、機械的及び/又は電子的装置の検査にも用いてよい。
【0033】
特に、ビデオカメラによる画像の撮影は、顕微鏡対物レンズにより検出される試料の領域よりさらに広い領域(試料全体をも)を画像として捉えるよう撮影してもよい。ビデオカメラにより撮影された画像は拡大写真であり、顕微鏡の試料の位置決めに(例えば、試料の所定の位置に接近するのに)大変適している。
【0034】
試料の位置決めは、顕微鏡に相対的に試料を(例えば、従来の顕微鏡載物台によって)移動することにより、又は、試料に相対的に顕微鏡を移動することにより、又は、顕微鏡と試料との両方を移動することにより、行われる。
【0035】
特に、本発明の方法においては、評価に基づいて検査を行う前に、試料上に顕微鏡の焦点を合わせるように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を調節してもよい。この場合、例えば、試料の画像を別に撮影することにより、引き続き非常に鮮明な画像を得られるよう、最初に焦点調節を行うことが可能である。別に撮った画像により、試料の位置決めは非常に正確になる。所定量焦点を外すようにして、この距離を調節してもよい。これは、例えば、集積回路における欠陥解析において効果的である。
【0036】
顕微鏡対物レンズに連結されたビデオカメラ同様、本発明による方法において使用される(顕微鏡対物レンズを有する)顕微鏡は、本発明による顕微鏡対物レンズの構成に相当し、また、その実施例に従って具体化してもよい。
【0037】
本発明による試料検査用のシステムは、ビデオカメラの画像を評価し、評価の結果に基づいて試料の位置決めを行う制御モジュールに加えて、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を有する。これにより、非常に正確な検査が迅速に行われる試料検査システムが提供される。
【0038】
本発明によるシステム、特に、制御モジュールは、本発明による上記のような方法のステップを実行可能なように具体化されてもよい。
さらに、本発明によるシステムは、上記のようにして顕微鏡対物レンズの構成が設計されるように具体化されてもよい。
【0039】
特に、本発明によるシステムは表示部を備えてもよい。表示部上に、例えば、ビデオカメラによって撮影された画像及び/又は顕微鏡画像を表示してもよい。また、これらの画像の画像データは、別に設けた表示システムで利用できるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1に示す顕微鏡対物レンズの構成は、筐体2を有する顕微鏡対物レンズ1から成り、筐体2の上面3には、ねじ4が設けられる。ねじ4によって、顕微鏡対物レンズ1は、顕微鏡(図示せず)の対物レンズ台(図示せず)に取り付けられる。
【0041】
筐体2の底面5は、上面と反対方向を向いており、光取入口6が設けられている。光取入口6を介して、試料7からの光が筐体2に入射する。顕微鏡対物レンズ1の光学システムは、概略的に描かれた2つのレンズ8及び9によって示される。
【0042】
顕微鏡対物レンズ1を用いて、試料7の所定の領域が検出される。図1に示すように、顕微鏡対物レンズ1が動作位置にあると、その領域は、図に描かれた円錐状の光線10によって示される。顕微鏡対物レンズ1によって検出される領域は、顕微鏡対物レンズ1の視野と称される。
【0043】
さらに、顕微鏡対物レンズ1の筐体2の外面には、取り付け台11を介してビデオカメラ12が備えられる。顕微鏡対物レンズ1の視野に対してビデオカメラを横から傾けて向けるように、ビデオカメラ12の光軸OA1は、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2に対して斜めであり、一例として示す円錐状の光線13によって示される。
【0044】
ビデオカメラ12は画像検出素子14を有し、この場合、CCD素子である。画像検出素子14の前には、2つのレンズ16及び17によって概略的に示される撮像光学系15が配置されている。
【0045】
ビデオカメラ12に必要な電子評価システム(図示せず)は、ビデオカメラと一体化してもよいし、筐体2に接続してもよいし、又は別に設けてもよい。
図1に示す実施例において、ビデオカメラ12は顕微鏡対物レンズ1の視野全体を検出する。ビデオカメラ12は、顕微鏡対物レンズ1の視野より広くとらえるようにしてもよいし、視野の一部分だけを検出するようにしてもよい。その場合、視野の中央も同様にして検出されるのが望ましい。
【0046】
図1に示す顕微鏡対物レンズの構成を用いると、検査対象の試料7の画像(例えば、拡大写真)をビデオカメラ12によって連続して撮ることができ、その結果、顕微鏡対物レンズ1の検査用試料の位置決めが容易に可能となる。ビデオカメラ12によって撮影された画像を焦点調節に用いてもよく、その目的のため、顕微鏡対物レンズ1と試料7との間の距離が変更される。距離(又は動作距離)の変更は、光軸OA2に沿って顕微鏡対物レンズ1を移動するか、又は光軸OA2に沿って試料7を(例えば、試料7を載せる、図示しない試料載物台によって)移動することによって行われる。どちらの場合においても、取り付け台11による機械的な連結によって、試料7とビデオカメラ12間の距離も変わる。
【0047】
このような焦点調節を行うために、例えば、図示しないレーザーダイオードによって、視野内の試料7上に小さな光点を形成してもよい。光点はビデオカメラ12によって検出され、検出された画像における光点の位置によって、試料7の顕微鏡対物レンズ1から距離を測定し、その結果、所望の焦点値に調整する。
【0048】
また、ビデオカメラ12によって鮮明な画像が検出されるように、筐体2に対してビデオカメラ12を配置することもでき、顕微鏡対物レンズ1との動作距離が最適に調整されれば、図示しない顕微鏡において、顕微鏡対物レンズ1と、顕微鏡対物レンズ1の後続に配置される光学システムとを用いて、試料7の正確な検査を行うことができる。
【0049】
特に効果的なことに、シャインプフルーク(Scheimpflug)条件に従って、画像検出素子14の面と、撮像光学系の主面と、試料表面の面とを1つの共通直線に交差した状態で撮影するように、ビデオカメラ12を配置すると、ビデオカメラ12の斜めの視野の代わりに、ビデオカメラ12によって非常に鮮明な画像が得られる。これにより、焦点調節が簡単になり、さらに、非常に高品質な拡大写真が得られる。
【0050】
ビデオカメラ12にとって、試料7を照らす周囲光が不足しているならば、顕微鏡において従来使われてきた照明を用いてよい。従って、透過光照明、入射光照明、又は暗視野照明も可能となる。
【0051】
図2は、図1の顕微鏡対物レンズの構成のさらに別の実施例を示す。図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は図1に関連した上記の説明を参照されたい。図2における顕微鏡対物レンズの構成では、さらに、光源18が取り付け台19によって筐体2に取り付けられている。光源18は、ビデオカメラ12によって検出される試料領域全体を照らすようになっており、例えば、光路20によって示されるように照明する。
【0052】
さらに、遮断フィルター21が顕微鏡対物レンズ1内に配置される。遮断フィルター21は、光源18が発する光の波長又は波長領域に適合し、その光を遮断する。これにより、顕微鏡対物レンズ1に続く光路に光は入射しない。これにより、ビデオカメラ12用の照明光によって、顕微鏡検査が影響されたり損なわれたりすることを効果的に防ぐという利点がある。
【0053】
図3に、本発明による顕微鏡対物レンズの一実施例を示す。この実施例において、筐体2に取り付けられたビデオカメラ22は、一体化された光源23を備えており、その光は半透明鏡24を介してビデオカメラ22の光路に結合される。その結果、撮像光学系15が照明光学系としても利用される。このことから、ビデオカメラ22の視界全体の照明が保証されるという利点がある。このような構成は非常にコンパクトでもあり、光源を別に設けたり、顕微鏡対物レンズ1の筐体2に光源を取りつけたりする必要はない。
【0054】
図4に示す、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の実施例によれば、図1の実施例の構成において、さらに、第2のビデオカメラ25が取り付け台26を介して筐体2に取りつけられる。基本的に、第2のビデオカメラ25は第1のビデオカメラ12と同様に構成され、図4に示すように、レンズ28及び29に示される撮像光学系27と、画像検出素子30から構成される。画像検出素子30は、例えば、CCDセンサーであり、撮像光学系27の後ろに配置される。第2のビデオカメラによって検出可能な画像領域は、円錐状の光線31によって示される。
【0055】
第2のビデオカメラ25を備えることによって、両ビデオカメラ12、25により撮影される画像の相関を取ることにより、焦点調節を簡単に早く行うことができる。特に、撮像光学系15及び27によって定められる、両ビデオカメラ12、25の光学倍率が等しく、又は異なるように選択することができる。後者の場合、使用者には異なる倍率の拡大写真が提示され、試料の向きが捉えやすくなるので、試料の位置決めが特に迅速に行われる。
【0056】
第2のビデオカメラ25は、ビデオカメラ12と同様にシャインプフルーク条件に従って配置され、その結果非常に鮮明な画像が第2のビデオカメラ25によっても撮影され得る。
【0057】
図4に示される実施例においても、光源(例えば、図2に示すような)を追加してよいのはもちろんである。さらに、既存の顕微鏡照明を用いることも可能である。また、第1のビデオカメラ12及び/又は第2のビデオカメラ25を、例えば、図3に示すように、光源を備えたビデオカメラと取り替えてもよい。
【0058】
図5は、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例を示す。この実施例において、筐体2に取り付けられたビデオカメラ32の視方向Bは、カメラ32の光軸OA1と一致はしないが、備えられた偏向素子33(鏡)によって、角度を成している。ビデオカメラ32は、偏向素子33の後ろに配置される撮像光学系34と、画像検出素子35とをさらに有する。画像検出素子35は、例えば、CCDセンサーであり、撮像光学系34の後ろに配置される。
【0059】
図5から明らかなように、ビデオカメラ32の光軸OA1は、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2に平行してもよい。偏向素子33によって、ビデオカメラ32により捉えることのできる試料領域を減少することなく、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2の横方向の大きさを小さくすることができる。
【0060】
この実施例においても、顕微鏡の照明を用いてビデオカメラ32の照明としてもよい。又は、光源を別に設けて筐体2に取り付けてもよいし、ビデオカメラ32に一体的に設けてもよい。
【0061】
図を用いて説明した顕微鏡対物レンズの構成のそれぞれは、従来の光学顕微鏡において用いてよい。特に、観察光学系から構成される、赤外線又は紫外線光学顕微鏡において用いてよい。この場合、顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズが動作位置にあると、顕微鏡対物レンズは観察光学系の手前に配置され、視野から入射する光(到来光)を観察光学系へと通し、その結果、顕微鏡は正常に動作する。上記の顕微鏡対物レンズの構成を顕微鏡と組み合わせることで、本発明による検査システムとなる。このシステムにおいて、観察光学系は、例えば、効果的に簡素化してもよい。
【0062】
特に、試料の画像(例えば、拡大写真)がビデオカメラによって撮影され、検査システムの制御モジュールにおいて、その画像が評価される。この評価により、顕微鏡対物レンズの視野内における試料の自動的位置決め、必要とあれば、及び/又は、自動焦点調節が行われる。
【0063】
また、上述の顕微鏡対物レンズの構成のそれぞれは、試料を(好ましくは、少なくとも部分的に順次)走査する顕微鏡において使用してもよい。このような顕微鏡は、例えば、レーザー走査型顕微鏡(LSM)、又は共焦点走査型顕微鏡(CSM)などである。このような顕微鏡において、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を用いると、特に、より迅速な測定が可能となる。位置決め及び/又は焦点調節に基づいて、上述の方法で、ビデオカメラによって拡大写真が撮影されるからである。走査型の顕微鏡によって撮影される画像に比べると、より迅速にビデオカメラによって画像が撮影される。この結果、測定(走査測定とともに行われる焦点調節及び/又は位置決め)の所要時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による顕微鏡対物レンズの構成の第1実施例の概略図。
【図2】図1に示した顕微鏡対物レンズの構成の別の実施例の概略図。
【図3】本発明による顕微鏡対物レンズの構成のさらに別の実施例の概略図。
【図4】2つのビデオカメラを有した、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例の概略図。
【図5】本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例の概略図であり、この構成においてビデオカメラは偏向素子を有する。
【0001】
本発明は、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡対物レンズの構成に関する。この構成においては、顕微鏡対物レンズの視野に置かれた試料が顕微鏡によって検出可能なように、顕微鏡における動作位置に、顕微鏡対物レンズが位置決めされる。本発明はさらに、このような顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、顕微鏡は複数の顕微鏡対物レンズを有する。顕微鏡対物レンズは、顕微鏡の対物レンズ台にそれぞれ接続されており、対物レンズ台によって、所望の顕微鏡対物レンズが動作位置に移動される。顕微鏡検査においては、試料上の観察位置を定めたり制御する必要があるので、顕微鏡対物レンズはそれぞれ異なる倍率を有する。従って、高倍率で観察する前に、試料が正しく位置決めされたかどうか判断するため、低い倍率の対物レンズから使用されるようになっている。半導体製造に用いられるウエハやマスクの検査用顕微鏡の場合のように、システムが視覚(又は双眼)アイレンズを備えていない場合の顕微鏡観察においては、この試料位置決めが特に重要である。
【0003】
さらに、このような検査は、紫外線(例えば、193nm、157nm)を用いて行われるのが好ましく、一方、より長い波長の光は、拡大写真に用いられる。従って、顕微鏡対物レンズに続く光路において、ビームスプリッティングが必要となり、この結果、顕微鏡の光学的構造が複雑なものとなった。
【0004】
さらに、一般的な自動焦点装置は、例えば、600〜800nmの範囲の波長で動作する。このことからも、ビームスプリッティングは顕微鏡対物レンズの後続の光路において行われるで、複雑な光学的構造となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を考慮して、本発明の目的は、顕微鏡対物レンズの構成が用いられる顕微鏡の光学的構造を簡素化する方法で、上述のようなタイプの顕微鏡対物レンズの構成を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、前述のタイプの顕微鏡対物レンズの構成であって、顕微鏡対物レンズに結合されたビデオカメラが備えられ、前記顕微鏡対物レンズが動作位置にある時、前記ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、少なくとも視野の一部を検出可能である顕微鏡対物レンズの構成において、本発明の目的は達成される。ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、少なくとも視野の一部を検出可能なので、顕微鏡対物レンズの後続の光路においてビームスプリッティングはもはや必要ではない。その結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成が使用される顕微鏡の光学的構造を簡素化できる。
【0007】
また、ビデオカメラによる視野の検出が、顕微鏡対物レンズによる顕微鏡観察と同時に行うことができるので、顕微鏡検査をより迅速に行うことができる。ビデオカメラを用いれば、拡大写真が連続して撮影可能だからである。例えば、拡大写真を評価し、評価の結果によって、顕微鏡の焦点を試料に合わせるように、又は所望のやり方で焦点をはずすように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を(自動的に)調節してもよい。そして/又は、評価の結果によって、試料の所定の位置が顕微鏡対物レンズによって検出され,その結果、検査されるように、試料を視野内に(自動的に)位置決めしてもよい。これにより、迅速で正確な検査が行われる。上記の位置決めに関しては、別の検査又は測定システムの基準画像を用いてもよく、その基準画像は評価において拡大写真と比較される。
【0008】
焦点調節と位置決めに関しては、画像特性(例えば、輝度、コントラスト)や画像情報(例えば、輪郭)を評価してもよい。例えば、評価された画像特性や輪郭に基づいて、焦点調節及び/又は位置決めが行われる。
【0009】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成は、好ましくは、半導体産業用の顕微鏡(又は検査システム)において用いられ、例えば、ウエハ、マスク、素子、又は層などの検査用、又は電子及び/又は光学及び/又は機械的部品の検査用の顕微鏡において用いられる。また、検査に紫外線(例えば、365、266、248、213、211、193、157nm)を用いる顕微鏡においても用いられる。
【0010】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズに、ビデオカメラを結合してもよい。顕微鏡検査中、特に、顕微鏡対物レンズを(例えば、顕微鏡対物レンズの光軸に沿って)移動する時、顕微鏡対物レンズの動作位置において、ビデオカメラの顕微鏡対物レンズとの相対的な空間配置が固定されるように、又はわかるように、もしくは維持されるように、結合される。
【0011】
例えば、顕微鏡対物レンズの移動が少なくとも1つのセンサーによって監視され、このセンサーからの信号に従って、少なくとも1つのアクチュエーターによってビデオカメラが移動されるように、上記の結合は電気的に成される。また、ビデオカメラを顕微鏡対物レンズに機械的に連結することももちろん可能であり、その結果、顕微鏡対物レンズと同様にして、別の手段を用いずにビデオカメラを自動的に移動することが可能となる。
【0012】
特に、ビデオカメラの顕微鏡対物レンズとの相対的な空間配置は、ビデオカメラの焦点面と顕微鏡の焦点面とを一致するように選択してもよい。この場合、ビデオカメラの画像が鮮明になる時、顕微鏡の焦点も合うので、顕微鏡の焦点調節は特に簡単になる。また、ビデオカメラの焦点面は、顕微鏡の焦点面に対して所定の位置をとるようにしてもよい(例えば、両方の焦点面が互いに平行で、一定の距離を保つようにしてもよい)。
【0013】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の好ましい一実施例においては、ビデオカメラの視方向は、顕微鏡対物レンズの光軸に対して傾いている。これにより、試料を斜めに捉えられるので、顕微鏡対物レンズの視野の一部分をできるだけ大きく、好ましくは、視野より広い領域をビデオカメラによって検出し得るという効果がある。このことは、顕微鏡の視野に対してビデオカメラを横から傾けて向けているので、顕微鏡検査における通常非常に狭い動作距離(数ミリメートル又はそれ以下の範囲)に関して、大変都合よい。
【0014】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成において、好ましくは、ビデオカメラは、撮像光学系と、それに続いて配置される、CCDセンサーなどの画像撮像素子から構成される。このようなビデオカメラを用いることによって、試料の所望の領域が、十分な解像度で容易に撮像される。特に、CCDセンサーを用いれば、ビデオカメラを大変小さくコンパクトにできるという効果もあり、軽量化にもつながる。
【0015】
別の画像検出素子、例えば、フォトダイオード、四分円ダイオード、位置敏感検出器(PSD)などを用いてもよい。
ビデオカメラの撮像光学系は屈折光学系でもよいし、回折光学系、及び/又は局所的に変化する屈折率を有するレンズを用いることも可能である。
【0016】
特に、本発明による顕微鏡対物レンズの構成のビデオカメラは、偏向素子を含んでもよい。そのため、ビデオカメラの光軸が、顕微鏡対物レンズの光軸に平行に、もしくは、ほぼ平行に延長し、それにもかかわらず、視野上に斜めの視方向が確保されるように、ビデオカメラを顕微鏡対物レンズに直接取り付けるようにする。こうすれば、顕微鏡対物レンズは、取り付けられたカメラも含め、従来の顕微鏡対物レンズより大きくなることはなく、その結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を、何ら問題無く、既存の顕微鏡において用いることができる。
【0017】
偏向素子として、鏡(平面又は湾曲した)、又はプリズムを用いてもよい。プリズムを用いれば、回折のみによる偏向、反射のみによる偏向、又はその両方による偏向が行われる。原理的には、前述の素子とレンズを組み合わせたものと同様に、格子又は回折素子も偏向素子として用いてもよい。
【0018】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成の特に好ましい実施例においては、別個の光源がビデオカメラに備えられる。これにより、ビデオカメラで検出可能な試料領域に最適な照明が得られ、また、特に、光源より発せられる光の波長を、例えば、用いられる画像検出素子に関連して最適化することも可能となる。
【0019】
特に、光源が、顕微鏡対物レンズに機械的に結合されることが好ましく、その結果、一旦調節すれば、光源は常に最適な位置にある。このことは、通常、対物レンズ台を回転することにより、顕微鏡対物レンズを動作位置にもってくるということに特に関連して、大変効果的である。この場合、最適な照明を保証するためにさらに別の手段を必要としないからである。
【0020】
さらに、光源からの光によって顕微鏡検査が影響されたり損なわれたりするのを効果的に防ぐように、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズの光路、及び/又は顕微鏡の光路において、光源からの光に対する遮断フィルターを設けてもよい。
【0021】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成のさらに効果的な実施例においては、顕微鏡対物レンズの筐体の外部に、ビデオカメラが機械的に取り付けられる。このことは、一旦調節すれば、ビデオカメラが常に最適な位置となることを確実にする。対物レンズ台を動かすことによって、本発明による顕微鏡対物レンズが動作位置に移動される時、特に、効果的である。さらに、このようにすれば、従来の顕微鏡対物レンズを、本発明による顕微鏡対物レンズに簡単に改装できる。ビデオカメラを筐体に取り付けるには、接着、クランピング、又はねじ留めすればよく、顕微鏡対物レンズの光学システムには何ら変更は必要ないからである。
【0022】
上記の機械的固定は、顕微鏡対物レンズとビデオカメラとの空間的関係が可変及び固定できるように行われる。
さらに、本発明による顕微鏡対物レンズの構成において、第2のビデオカメラを備えることが可能であり、第2のビデオカメラは、顕微鏡対物レンズに(好ましくは機械的に)結合され、顕微鏡対物レンズが動作位置にある時、第2のビデオカメラは、顕微鏡対物レンズの介在なしで、視野の少なくとも一部を検出可能である。例えば、試料の特定の形状によって第1のビデオカメラでは質の悪い画像しか撮れない場合、第2のビデオカメラの使用により、画像の表示が確実となる効果がある。さらに、2つのカメラによって撮影した画像を評価して、その評価の結果に基づいて、顕微鏡の焦点を試料に合わせるように、又は、所定量(ずれ量)焦点の外れた位置を取るように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を調節することにより、焦点調節が容易となる。
【0023】
好ましくは、両ビデオカメラにより検出された視野のそれぞれの部分が、少なくとも一部重なり、この結果、より大きな拡大写真、及び/又はより良い焦点調節が可能となる。
特に、両ビデオカメラは異なる光学倍率を有してもよく、異なったサイズの拡大写真を得ることが可能となり、その結果、使用者は試料上の撮影箇所をより迅速により簡単に見出すことができる。
【0024】
別に設けた光源による照明に加えて、顕微鏡の内部に備えた照明(例えば、入射光照明、透過光照明、又は暗視野照明)の使用も可能であり、それによって、別に光源を設ける必要はなくなるという効果がある。
【0025】
本発明による顕微鏡対物レンズの構成、及びこれから説明するその実施例は、観察光学系を有する顕微鏡において用いてもよい。この顕微鏡において、動作位置にある顕微鏡対物レンズは、観察光学系の前に配置され、視野から入射する光を観察光学系へと通す。このようにして、観察光学系が簡素化された検査用システム(顕微鏡+顕微鏡対物レンズの構成)が提供される。拡大写真の撮影、試料の位置決め、及び/又は、焦点調節が、ビデオカメラ(及び、場合によっては、さらに設けられる制御モジュール)によって、特に、上述のようにして、行われるので、観察光学系が簡素化されているのである。検査システムは、例えば、拡大写真を表示する表示部を有してもよい。さらに、検査システムは、別に設けた表示システムに拡大写真を表示させてもよい。
【0026】
特に、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズは、顕微鏡の対物レンズ台に取り付けてもよく、その対物レンズ台によって動作位置に移動されるようにしてもよい。この結果、本発明による顕微鏡対物レンズの構成は、既存の顕微鏡を変えることなく、その顕微鏡において用いることができる。
【0027】
対物レンズ台としては、周知のレボルバーや、1つ又はそれ以上の対物レンズを保持し、動作位置に持っていくようにした、その他の台を用いてもよい。
顕微鏡対物レンズのみならず、それに続いて配置される観察光学系(又は少なくともその一部)も、異なる倍率を実現するよう交換可能としてもよい。これは、(少なくとも部分的に)交換可能な観察光学系を有する半導体産業用の顕微鏡(又は検査システム)と同様にして、交換してもよい。特に、顕微鏡対物レンズの構成を含む顕微鏡は、マスクやウエハの検査、部品、及び層、層状システムの制御/検査用に用いてもよい。
【0028】
本発明による、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡による試料検査のための方法においては、次ようなのステップが実行される。検査される試料の画像が、顕微鏡対物レンズの介在なしで、顕微鏡対物レンズに結合されたビデオカメラによって撮影され、ビデオカメラによって撮影された画像が評価され、評価に基づいて、顕微鏡対物レンズの視野内に試料が位置決めされ、その後、検査が行われる。
【0029】
本発明の方法によれば、ビデオカメラによる試料の拡大写真と、顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡によって、視野内に置かれた試料又は試料の一部のフォトグラムとを、同時及び別々に撮影可能である。一方、これにより、顕微鏡の構成が簡素化され、また、試料の位置決め、及び検査がより迅速に行える。顕微鏡において機械的な切換を行う必要もなく、顕微鏡対物レンズを交換する必要もないからである。
【0030】
特に、拡大写真とフォトグラムは、顕微鏡の表示部(例えば、モニター)上に並べて表示してもよく、また、合成画像として表示してもよい。その結果、検査によりさらに情報が得られる。
【0031】
本発明による方法において、試料の位置決めは制御して行ってもよい。従って、ビデオカメラで第1の画像を撮影後、試料の第1の位置決めを行う。その後、試料の別の画像を撮影し、その第2の画像に基づいて、試料が所望のように位置決めされたかどうか、(例えば、自動的に)判断する。もし所望の位置でなければ、試料の位置は再度変更される。ビデオカメラによって撮影された画像により、所望の位置決めが成されるまで、この制御は行われる。
【0032】
特に効果的なことに、本発明による方法は、半導体産業における試料の検査、例えば、ウエハ、マスク、集積回路の検査や、層の検査と同様に、集積光学系、機械的及び/又は電子的装置の検査にも用いてよい。
【0033】
特に、ビデオカメラによる画像の撮影は、顕微鏡対物レンズにより検出される試料の領域よりさらに広い領域(試料全体をも)を画像として捉えるよう撮影してもよい。ビデオカメラにより撮影された画像は拡大写真であり、顕微鏡の試料の位置決めに(例えば、試料の所定の位置に接近するのに)大変適している。
【0034】
試料の位置決めは、顕微鏡に相対的に試料を(例えば、従来の顕微鏡載物台によって)移動することにより、又は、試料に相対的に顕微鏡を移動することにより、又は、顕微鏡と試料との両方を移動することにより、行われる。
【0035】
特に、本発明の方法においては、評価に基づいて検査を行う前に、試料上に顕微鏡の焦点を合わせるように、試料と顕微鏡対物レンズ間の距離を調節してもよい。この場合、例えば、試料の画像を別に撮影することにより、引き続き非常に鮮明な画像を得られるよう、最初に焦点調節を行うことが可能である。別に撮った画像により、試料の位置決めは非常に正確になる。所定量焦点を外すようにして、この距離を調節してもよい。これは、例えば、集積回路における欠陥解析において効果的である。
【0036】
顕微鏡対物レンズに連結されたビデオカメラ同様、本発明による方法において使用される(顕微鏡対物レンズを有する)顕微鏡は、本発明による顕微鏡対物レンズの構成に相当し、また、その実施例に従って具体化してもよい。
【0037】
本発明による試料検査用のシステムは、ビデオカメラの画像を評価し、評価の結果に基づいて試料の位置決めを行う制御モジュールに加えて、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を有する。これにより、非常に正確な検査が迅速に行われる試料検査システムが提供される。
【0038】
本発明によるシステム、特に、制御モジュールは、本発明による上記のような方法のステップを実行可能なように具体化されてもよい。
さらに、本発明によるシステムは、上記のようにして顕微鏡対物レンズの構成が設計されるように具体化されてもよい。
【0039】
特に、本発明によるシステムは表示部を備えてもよい。表示部上に、例えば、ビデオカメラによって撮影された画像及び/又は顕微鏡画像を表示してもよい。また、これらの画像の画像データは、別に設けた表示システムで利用できるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1に示す顕微鏡対物レンズの構成は、筐体2を有する顕微鏡対物レンズ1から成り、筐体2の上面3には、ねじ4が設けられる。ねじ4によって、顕微鏡対物レンズ1は、顕微鏡(図示せず)の対物レンズ台(図示せず)に取り付けられる。
【0041】
筐体2の底面5は、上面と反対方向を向いており、光取入口6が設けられている。光取入口6を介して、試料7からの光が筐体2に入射する。顕微鏡対物レンズ1の光学システムは、概略的に描かれた2つのレンズ8及び9によって示される。
【0042】
顕微鏡対物レンズ1を用いて、試料7の所定の領域が検出される。図1に示すように、顕微鏡対物レンズ1が動作位置にあると、その領域は、図に描かれた円錐状の光線10によって示される。顕微鏡対物レンズ1によって検出される領域は、顕微鏡対物レンズ1の視野と称される。
【0043】
さらに、顕微鏡対物レンズ1の筐体2の外面には、取り付け台11を介してビデオカメラ12が備えられる。顕微鏡対物レンズ1の視野に対してビデオカメラを横から傾けて向けるように、ビデオカメラ12の光軸OA1は、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2に対して斜めであり、一例として示す円錐状の光線13によって示される。
【0044】
ビデオカメラ12は画像検出素子14を有し、この場合、CCD素子である。画像検出素子14の前には、2つのレンズ16及び17によって概略的に示される撮像光学系15が配置されている。
【0045】
ビデオカメラ12に必要な電子評価システム(図示せず)は、ビデオカメラと一体化してもよいし、筐体2に接続してもよいし、又は別に設けてもよい。
図1に示す実施例において、ビデオカメラ12は顕微鏡対物レンズ1の視野全体を検出する。ビデオカメラ12は、顕微鏡対物レンズ1の視野より広くとらえるようにしてもよいし、視野の一部分だけを検出するようにしてもよい。その場合、視野の中央も同様にして検出されるのが望ましい。
【0046】
図1に示す顕微鏡対物レンズの構成を用いると、検査対象の試料7の画像(例えば、拡大写真)をビデオカメラ12によって連続して撮ることができ、その結果、顕微鏡対物レンズ1の検査用試料の位置決めが容易に可能となる。ビデオカメラ12によって撮影された画像を焦点調節に用いてもよく、その目的のため、顕微鏡対物レンズ1と試料7との間の距離が変更される。距離(又は動作距離)の変更は、光軸OA2に沿って顕微鏡対物レンズ1を移動するか、又は光軸OA2に沿って試料7を(例えば、試料7を載せる、図示しない試料載物台によって)移動することによって行われる。どちらの場合においても、取り付け台11による機械的な連結によって、試料7とビデオカメラ12間の距離も変わる。
【0047】
このような焦点調節を行うために、例えば、図示しないレーザーダイオードによって、視野内の試料7上に小さな光点を形成してもよい。光点はビデオカメラ12によって検出され、検出された画像における光点の位置によって、試料7の顕微鏡対物レンズ1から距離を測定し、その結果、所望の焦点値に調整する。
【0048】
また、ビデオカメラ12によって鮮明な画像が検出されるように、筐体2に対してビデオカメラ12を配置することもでき、顕微鏡対物レンズ1との動作距離が最適に調整されれば、図示しない顕微鏡において、顕微鏡対物レンズ1と、顕微鏡対物レンズ1の後続に配置される光学システムとを用いて、試料7の正確な検査を行うことができる。
【0049】
特に効果的なことに、シャインプフルーク(Scheimpflug)条件に従って、画像検出素子14の面と、撮像光学系の主面と、試料表面の面とを1つの共通直線に交差した状態で撮影するように、ビデオカメラ12を配置すると、ビデオカメラ12の斜めの視野の代わりに、ビデオカメラ12によって非常に鮮明な画像が得られる。これにより、焦点調節が簡単になり、さらに、非常に高品質な拡大写真が得られる。
【0050】
ビデオカメラ12にとって、試料7を照らす周囲光が不足しているならば、顕微鏡において従来使われてきた照明を用いてよい。従って、透過光照明、入射光照明、又は暗視野照明も可能となる。
【0051】
図2は、図1の顕微鏡対物レンズの構成のさらに別の実施例を示す。図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は図1に関連した上記の説明を参照されたい。図2における顕微鏡対物レンズの構成では、さらに、光源18が取り付け台19によって筐体2に取り付けられている。光源18は、ビデオカメラ12によって検出される試料領域全体を照らすようになっており、例えば、光路20によって示されるように照明する。
【0052】
さらに、遮断フィルター21が顕微鏡対物レンズ1内に配置される。遮断フィルター21は、光源18が発する光の波長又は波長領域に適合し、その光を遮断する。これにより、顕微鏡対物レンズ1に続く光路に光は入射しない。これにより、ビデオカメラ12用の照明光によって、顕微鏡検査が影響されたり損なわれたりすることを効果的に防ぐという利点がある。
【0053】
図3に、本発明による顕微鏡対物レンズの一実施例を示す。この実施例において、筐体2に取り付けられたビデオカメラ22は、一体化された光源23を備えており、その光は半透明鏡24を介してビデオカメラ22の光路に結合される。その結果、撮像光学系15が照明光学系としても利用される。このことから、ビデオカメラ22の視界全体の照明が保証されるという利点がある。このような構成は非常にコンパクトでもあり、光源を別に設けたり、顕微鏡対物レンズ1の筐体2に光源を取りつけたりする必要はない。
【0054】
図4に示す、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の実施例によれば、図1の実施例の構成において、さらに、第2のビデオカメラ25が取り付け台26を介して筐体2に取りつけられる。基本的に、第2のビデオカメラ25は第1のビデオカメラ12と同様に構成され、図4に示すように、レンズ28及び29に示される撮像光学系27と、画像検出素子30から構成される。画像検出素子30は、例えば、CCDセンサーであり、撮像光学系27の後ろに配置される。第2のビデオカメラによって検出可能な画像領域は、円錐状の光線31によって示される。
【0055】
第2のビデオカメラ25を備えることによって、両ビデオカメラ12、25により撮影される画像の相関を取ることにより、焦点調節を簡単に早く行うことができる。特に、撮像光学系15及び27によって定められる、両ビデオカメラ12、25の光学倍率が等しく、又は異なるように選択することができる。後者の場合、使用者には異なる倍率の拡大写真が提示され、試料の向きが捉えやすくなるので、試料の位置決めが特に迅速に行われる。
【0056】
第2のビデオカメラ25は、ビデオカメラ12と同様にシャインプフルーク条件に従って配置され、その結果非常に鮮明な画像が第2のビデオカメラ25によっても撮影され得る。
【0057】
図4に示される実施例においても、光源(例えば、図2に示すような)を追加してよいのはもちろんである。さらに、既存の顕微鏡照明を用いることも可能である。また、第1のビデオカメラ12及び/又は第2のビデオカメラ25を、例えば、図3に示すように、光源を備えたビデオカメラと取り替えてもよい。
【0058】
図5は、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例を示す。この実施例において、筐体2に取り付けられたビデオカメラ32の視方向Bは、カメラ32の光軸OA1と一致はしないが、備えられた偏向素子33(鏡)によって、角度を成している。ビデオカメラ32は、偏向素子33の後ろに配置される撮像光学系34と、画像検出素子35とをさらに有する。画像検出素子35は、例えば、CCDセンサーであり、撮像光学系34の後ろに配置される。
【0059】
図5から明らかなように、ビデオカメラ32の光軸OA1は、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2に平行してもよい。偏向素子33によって、ビデオカメラ32により捉えることのできる試料領域を減少することなく、顕微鏡対物レンズ1の光軸OA2の横方向の大きさを小さくすることができる。
【0060】
この実施例においても、顕微鏡の照明を用いてビデオカメラ32の照明としてもよい。又は、光源を別に設けて筐体2に取り付けてもよいし、ビデオカメラ32に一体的に設けてもよい。
【0061】
図を用いて説明した顕微鏡対物レンズの構成のそれぞれは、従来の光学顕微鏡において用いてよい。特に、観察光学系から構成される、赤外線又は紫外線光学顕微鏡において用いてよい。この場合、顕微鏡対物レンズの構成の顕微鏡対物レンズが動作位置にあると、顕微鏡対物レンズは観察光学系の手前に配置され、視野から入射する光(到来光)を観察光学系へと通し、その結果、顕微鏡は正常に動作する。上記の顕微鏡対物レンズの構成を顕微鏡と組み合わせることで、本発明による検査システムとなる。このシステムにおいて、観察光学系は、例えば、効果的に簡素化してもよい。
【0062】
特に、試料の画像(例えば、拡大写真)がビデオカメラによって撮影され、検査システムの制御モジュールにおいて、その画像が評価される。この評価により、顕微鏡対物レンズの視野内における試料の自動的位置決め、必要とあれば、及び/又は、自動焦点調節が行われる。
【0063】
また、上述の顕微鏡対物レンズの構成のそれぞれは、試料を(好ましくは、少なくとも部分的に順次)走査する顕微鏡において使用してもよい。このような顕微鏡は、例えば、レーザー走査型顕微鏡(LSM)、又は共焦点走査型顕微鏡(CSM)などである。このような顕微鏡において、本発明による顕微鏡対物レンズの構成を用いると、特に、より迅速な測定が可能となる。位置決め及び/又は焦点調節に基づいて、上述の方法で、ビデオカメラによって拡大写真が撮影されるからである。走査型の顕微鏡によって撮影される画像に比べると、より迅速にビデオカメラによって画像が撮影される。この結果、測定(走査測定とともに行われる焦点調節及び/又は位置決め)の所要時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による顕微鏡対物レンズの構成の第1実施例の概略図。
【図2】図1に示した顕微鏡対物レンズの構成の別の実施例の概略図。
【図3】本発明による顕微鏡対物レンズの構成のさらに別の実施例の概略図。
【図4】2つのビデオカメラを有した、本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例の概略図。
【図5】本発明による顕微鏡対物レンズの構成の一実施例の概略図であり、この構成においてビデオカメラは偏向素子を有する。
Claims (20)
- 顕微鏡の動作位置に配置された顕微鏡対物レンズ(1)を有し、前記顕微鏡対物レンズ(1)の視野に置かれた試料(7)が前記顕微鏡によって検出され得るような顕微鏡対物レンズの構成において、
前記顕微鏡対物レンズ(1)に結合されるビデオカメラ(12;22;25;32)が備えられ、前記顕微鏡対物レンズ(1)が動作位置にある時、前記ビデオカメラは、顕微鏡対物レンズ(1)の介在なしで、少なくとも視野の一部を検出できることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記ビデオカメラが顕微鏡対物レンズ(1)に結合されており、前記顕微鏡対物レンズ(1)が動作位置にある時、前記顕微鏡対物レンズ(1)に対して前記ビデオカメラ(12;22;25;32)のな空間配置が分かるか、又は固定されることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1又は2に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記顕微鏡対物レンズ(1)が動作位置にある時、前記顕微鏡対物レンズ(1)に対する前記ビデオカメラ(12;22;25;32)の空間配置は、ビデオカメラ(12;22;25;32)の焦点面が前記顕微鏡の焦点面に一致するように、又はビデオカメラの焦点面が顕微鏡の焦点面に対して所定の位置になるように選択されることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から3のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記ビデオカメラ(12;22;25;32)は前記顕微鏡対物レンズ(1)に機械的に接続されることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から4のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記ビデオカメラ(12;22;25;32)の視方向(B)は、前記顕微鏡対物レンズ(1)の光軸(OA2)に対して傾斜していることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項5に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記ビデオカメラ(12;22;25;32)は偏向素子(33)を有することを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から6のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記ビデオカメラ(12;22;25;32)は、撮像光学系(15;27;34)と、前記撮像光学系(15;27;34)の後ろに配置される画像検出素子(14;30;35)とを有することを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項7に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
光源(18)が備えられ、前記光源は、照明光学系として少なくとも前記撮像光学系(15)の一部を使用することを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から8のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記顕微鏡対物レンズに機械的に結合される光源(18;23)が、前記ビデオカメラ(12;22)に備えられることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項8又は9に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記光源(18)の光に対する遮断フィルター(21)が、前記顕微鏡の光路に配置されることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から10のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記顕微鏡対物レンズ(1)は筐体(2)を有し、前記筐体の外部に前記ビデオカメラ(12;22;25;32)が機械的に取り付けられることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項1から11のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
第2のビデオカメラ(25)が前記顕微鏡対物レンズ(1)に結合され、顕微鏡対物レンズ(1)が動作位置にある時、前記ビデオカメラ(25)は、顕微鏡対物レンズ(1)の介在なしで、少なくとも視野の一部を検出できることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項12に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記2つのビデオカメラ(12;22;25;32)によって検出される視野のそれぞれの部分は、少なくとも部分的に重なることを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 請求項12又は13に記載の顕微鏡対物レンズの構成において、
前記2つのビデオカメラ(12;22;25;32)は、それぞれ異なる光学倍率を有することを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成。 - 観察光学系を有する顕微鏡における、前述の請求項のいずれかに記載の顕微鏡対物レンズの構成の使用において、
動作位置における顕微鏡対物レンズ(1)は、観察光学系の前に配置され、視野から入射する光を観察光学系に結合することを特徴とする顕微鏡対物レンズの構成の使用。 - 顕微鏡対物レンズを有する顕微鏡を用いて試料を検査する方法において、
検査対象である試料の画像が、前記顕微鏡対物レンズの介在なしで、顕微鏡対物レンズに結合されたビデオカメラによって撮影され、
前記ビデオカメラによって撮影された画像が評価され、
前記評価に基づいて、試料が顕微鏡対物レンズの視野に配置され、その後、検査が行われることを特徴とする方法。 - 請求項16に記載の方法において、
前記顕微鏡対物レンズによって検出される試料領域以上からなる試料の領域を前記画像が含むように、前記ビデオカメラによる画像の撮影が行われることを特徴とする方法。 - 請求項16又は17に記載の方法において、
前記試料の所定の位置が検査され得るように、試料が位置決めされることを特徴とする方法。 - 請求項16から18のいずれかに記載の方法において、
前記評価に基づいた前記検査を行う前に、顕微鏡の焦点を試料に合わせるように、又は所定の焦点外れ量となるように、試料と顕微鏡対物レンズとの距離を調整することを特徴とする方法。 - 試料を検査するためのシステムにおいて、
顕微鏡対物レンズを設けた顕微鏡と、
前記顕微鏡対物レンズに結合され、顕微鏡対物レンズの介在なしで顕微鏡対物レンズの視野に配置された試料の画像を撮影することができるビデオカメラと、
前記ビデオカメラによって撮影された画像を評価し、その評価の結果に基づき顕微鏡対物レンズの視野における試料の位置決めを行う制御モジュールと、
を備えることを特徴とするシステム。
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