JP5325201B2 - イリジウム含有合金からなる金属線材 - Google Patents

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Description

本発明は、点火プラグ電極、各種センサー電極等の用途で使用され、高温酸化雰囲気で使用されるイリジウム含有合金からなる金属線材に関する。
点火プラグの電極(中心電極、接地電極)や、各種センサーの電極等で使用される金属線材として、イリジウム線材が知られている。点火プラグ用電極は、燃焼室内で高温酸化環境に曝されることから、高温酸化による消耗が懸念される。イリジウムは、貴金属に属し高融点、耐酸化性が良好であることから、高温下でも長期間使用が可能である。
一方、高温酸化に対する耐久性がより良好なものが求められている。イリジウム線材の耐高温酸化特性改善の方法としては、構成材料の組成改良としてロジウム、白金、ニッケル等の添加元素を適宜合金化するのが一般的である。また、最近では2種類の材料を組み合わせたクラッド線材を用いる例も知られている(例えば、特許文献1)。Pt、Irのような貴金属はいずれも高融点材料であるが、厳密に比較すると、耐火花消耗性、耐酸化性が異なることから、これらのクラッド材を用いることで、それぞれの長所を活かすことができる。
特開2002−359052号公報
しかしながら、合金化による組成調整に基づく改善にも限界があり、むやみに添加元素量を増加させたところで耐高温酸化特性の改善を望むことはできない。また、クラッド線材に関しても、いかに加工技術が進歩しているとしても、かかる複合材料を均質な線材として製造するのは製造効率の観点から支障がある。
そこで本発明は、イリジウム又はイリジウムを含有する金属線材について、従来と異なる観点から耐酸化消耗性の改善が図られたものを提供し、その金属線材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題解決の手法として、線材を構成する金属結晶の配向性に着目した。本発明者等によれば、イリジウム或いはイリジウムを含む合金において、その高温酸化による消耗は結晶粒界を起点とし、そこから進行する傾向がある。そして、この傾向は隣接する結晶の結晶方位の差が大きい状態(大角粒界)においてより多く見られる。
ここで、イリジウム線材における結晶の配向性に関してみると、従来の線材も完全にランダムな結晶方位を有する結晶の集合体ではなく、ある程度の配向性を有する。これは、多結晶金属においては、加工により発現しやすい優先方位がその結晶構造に応じて存在し、イリジウム等の面心立方金属では<100>方向が優先方位であることから、線材への加工後は、<100>方向に配向する繊維集合組織を有する結晶が他の方位へ配向する結晶よりも多く存在する。もっとも、通常の線材への加工工程では、金属結晶を<100>方向に2軸配向させることはできない(後に詳述する)。そして、従来技術では、例えば<111>方位のような<100>方向に対して大角粒界を形成させる結晶が隣接して存在することもあり、線材全体としては耐酸化消耗性が高いものとはならない。
そこで、本発明者等は、上記見解をもとにイリジウム線材の耐酸化消耗性の改善方法として、好ましい<100>方向に配向する結晶の存在比率を高める製造工程として本発明に想到した。
即ち、本発明は、イリジウム又はイリジウム含有合金からなる金属線材であって、その断面において結晶方位が<100>方向に配向する結晶の存在比率が50%以上である2軸配向性を有する金属線材である。
本発明に係る金属線材は、結晶方位が<100>方向に2軸配向した結晶(以下、2軸配向結晶と記す)を主体として構成されるものである。より詳細には、優先方位が<100>の結晶が伸線軸方向(長手方向)および軸方向と垂直な方向に並んで延伸した結晶が構成され、その断面において<100>方位の結晶の存在比率が高いものである。この2軸配向結晶の存在比率を50%以上とするのは、これを下回ると、大角粒界減少による耐高温酸化特性の向上が望めない。また、2軸配向結晶の存在率の上限は、当然に100%が望ましいが、線材という長尺の材料形状を考慮すると80%を目標上限とするのが好ましい。
そして、この結晶の2軸配向性は、線材の側面部分において確保されていることが特に好ましい。酸化雰囲気における侵食は、プラグの電極においては側面の表層から生じることから、線材の側面において侵食要因を排除することが必要となる。具体的には、断面1/2円から外側の外周部において結晶が<100>方向に2軸配向する結晶の存在比率が50%以上であるものが好ましい。
本発明を構成するイリジウム含有合金は、ロジウム、白金、ニッケルを含む合金が挙げられる。具体的には、ロジウム、白金、ニッケルを5重量%以下含み残部がイリジウムからなるイリジウム合金が挙げられる。また、イリジウムを含有することが条件であり、主成分がイリジウム以外でも良い。そして、高温酸化特性に優れるという条件を加味すると、白金を主成分とするイリジウム含有合金(イリジウム30重量%以下)も好ましい。
次に、本発明に係る線材の製造方法について説明する。上述したように、従来のイリジウム線材においても、加工優先方位である<100>配向の結晶が比較的多く存在している。ここで、一般的な線材の製造工程としては、インゴットを製造し、これを鍛造等の熱間加工で小径の棒状体とし(第1工程)、これを線引き加工して目的の線径の線材へ加工する(第2工程)。また、インゴットから棒状体への加工途中において、加工により導入された加工歪による材料硬化を緩和するため中間熱処理を行いつつ加工を行っている。この加工工程において、インゴットから棒状体へ加工するときの鍛造加工や圧延(溝ロール圧延含む)では、<100>方位の結晶が発現し易いが、その後の線引き加工において、<111>方位の結晶が生じ易い。特に、線材の外周部においては、工具と被加工材との摩擦により<111>方位の結晶が生じやすくなる。
本発明に係る線材の製造工程も基本的には、従来の線材加工工程と同様であるが、上記のように、線引き加工での結晶方位の変化を考慮し、線引き加工前の段階で、<100>方位の結晶の存在率が従来以上に高い素材を得ることとした。
その具体的な手法としては、インゴットを棒状体に加工する第1工程における加工方法として、直交する2方向の圧力により同時又は交互に材料を圧縮する2軸加圧による加工を行う。2軸加工の繰り返しにより、被加工材の結晶の整列がなされ、結晶方位の制御が可能となる。この2軸加工としては、熱間鍛造、熱間圧延、溝ロールによる熱間加工等である。
そして、第1工程における2軸配向結晶の存在比率増加方法は、被加工材に過度の加工歪を残留させず、且つ、中間熱処理の温度制御を行うことである。第1工程においては、被加工材の加工性を維持するため加工歪減少のための中間熱処理を行いながら複数回の加工を行うが、過度の加工歪が導入された状態で、中間熱処理を行うと新たな再結晶粒の出現による結晶配向が生じ、制御途中にある加工による2軸配向性を損なうこととなる。本発明では、加工歪の上限及び中間熱処理の温度範囲を制限することで、配向性のある結晶組織を維持・成長させている。
具体的には、本発明では、第1工程における被加工材の硬度を550Hv以下に維持すると共に、中間熱処理の温度を再結晶温度以下に制御することとしている。被加工材の硬度を550Hv以下に設定するのは、これ以上の高硬度である場合、加工歪が過度に存在することを示し、中間熱処理を適切にしても十分な歪減少がなされず、その後の加工の際に、高歪み部を起点としたクラックが発生するおそれもあるからである。中間熱処理を再結晶温度以下とするのは、これを超えると新たな再結晶粒が生じて加工により形成した優先集合組織を変化させることとなるからである。
但し、ここでの再結晶温度とは、加工度に応じた中間熱処理時の温度である。即ち、第1工程においては、熱間鍛造を行った後に熱間溝ロール圧延を行うが、加工初期の熱間鍛造においては、加工歪の導入は少なく加工度は低いことから再結晶温度は高い状態にある(従って、被加工材の硬度を550Hv以下にする必要がある)。一方、熱間鍛造後の熱間溝ロール圧延は、第1工程の主体となる加工工程であり、加工度が高いので再結晶温度が低下する。そこで、第1工程における中間熱処理の温度管理としては、加工初期(熱間鍛造)においては、比較的高めの温度(1400〜1700℃)としつつ、その後の加工(溝ロール圧延)においては、800〜1200℃以下とするのが好ましい。800℃未満では、加工歪の減少が不十分であり、1200℃を超えると再結晶粒が生じるからである。
以上説明した第1工程における加工方向の限定、加工歪(硬度)及び中間熱処理温度の制御により、<100>2軸配向を示す結晶の存在率が高い棒状体を得ることができる。尚、この加工(鍛造加工、溝ロール圧延)の加工温度は、従来適用されている加工温度(1000〜1700℃)が適用できる。この加工温度は、上記中間熱処理温度よりも高くなることがあるが、加熱時間が短いために再結晶のおそれはない。尚、この第1工程における加工率は、50%以上に設定するのが好ましく、より好ましくは、90%以上とする。
そして、第1工程により製造される棒状体は、繰り返し受ける2軸加工により優先配向した結晶組織が生成されたものとなる。その後、伸線加工による第2工程を経て、線材に加工することで本発明に係る線材を得ることができる。この伸線加工は、従来の線材加工と同等の加工条件が適用できるが、加工歪減少の中間熱処理を行う場合、<100>配向を維持するため、加工率50%以下の段階で実施するのが好ましい。
尚、上記説明において、インゴットを繰り返し2軸加工することで2軸配向組織の形成が可能であることを述べたが、インゴットは加工初期の段階から配向性を有するものが好ましいといえる。そこで、本発明に係る線材製造法においては、イリジウム又はイリジウム含有合金のインゴットを、回転引き上げ法により製造するのが特に好ましい。
回転引き上げによるインゴット製造にあたっては、溶湯からの引き上げ速度5〜20mm/minとするのが好ましい。5mm/min未満ではインゴット径が大きくなり過ぎ、内部に鋳造欠陥が生じるおそれがある。また、20mm/minを超えるとインゴット径が細くなり過ぎ、十分な加工率を得られず、加工による均一な集合組織が得がたくなる。
本発明は、結晶に配向性を持たせた線材であり、この構成により高温酸化に対する耐久性を向上させることができる。
第1実施形態で回転引き上げ法により製造したイリジウムインゴットのX線回折結果。 第1実施形態のイリジウム線材の加工工程を説明する図。 第1実施形態のイリジウム加工材断面の{111}面X線極点図。 第2実施形態のイリジウム加工材断面の{111}面X線極点図。 比較例のイリジウム線材の{111}面X線極点図。
以下、本発明の好適な実施例を説明する。本実施形態では、イリジウム及び各種のイリジウム含有合金のインゴットを回転引き上げ法にて製造し、これを線材加工した。
第1実施形態
(イリジウムインゴットの製造)
水冷銅鋳型を用いて高周波溶解したイリジウム溶湯から、引き上げ法(引き上げ速度10mm/min)により直径12mmのイリジウムインゴットを製造した。本実施形態で製造したイリジウムインゴットについて、その中央部分についてX線回折を行った。その結果を図1に示すが、回転引き上げ法により製造されたインゴットは{100}面のピーク強度が極めて高く現れ、高い配向性を有する。
(線材加工)
上記で製造したイリジウムインゴットを図2に示す工程を経て線材へと加工した。この加工工程は、2軸加圧の熱間鍛造、熱間溝ロール圧延の各工程で目的寸法となるまで繰り返し加工を行っている。また、それぞれの加工工程においては、適宜に被加工材の硬度を測定し、硬度が550Hvを超えないことを確認している。そして、次の加工により硬度が550Hvを超える可能性がある際には、中間熱処理を行っている。本実施形態では、熱間溝ロール圧延の後に必要に応じて熱間スェージャー加工を加えている。
この加工工程において、加工途中の被加工材断面に関し、X線極点図解析(XPFA)を行った。図3は、被加工材断面の{111}面X線極点図を示すものである。図からわかるように、各加工段階における被加工材断面には、極点が明瞭に現れており、良好な<100>優先方位の集合組織を有すること、そして、その優先方位が維持されていることが確認できる。そして、線材となった状態でも<100>優先方位を有する。
第2実施形態:上記第1実施形態では引き上げ法により製造当初から配向性の高いインゴットを製造し、これを線材としている。本実施形態では、一般的な溶解法でイリジウムインゴットを製造し、配向性を高めつつ加工して線材を製造した。イリジウムインゴットの製造は、アルゴンアーク溶解法により、直径12mmのインゴットを得た。その後の加工工程は第1実施形態と同様とした。
図4は、被加工材断面の{111}面X線極点図を示すものである。図からわかるように、アルゴンアーク溶解法によるインゴットから製造した加工材も、良好な配向性を有することがわかる。
第3、第4実施形態:ここでは、第1実施形態と同様の工程により、Ir−5重量%Pt合金、Pt−10重量%Ir合金の線材を加工した。これらの線材は、引き上げ法により製造したインゴットを加工し、第1実施形態と同様の条件で加工して製造した。
比較例1〜3:ここでは、本実施形態における中間熱処理温度設定の意義を確認するため、加工工程自体は本実施形態と同様であるが、中間熱処理の温度を、再結晶温度である1200℃を超える温度に設定してイリジウム含有合金線材の製造を行った。尚、インゴットは製造をアーク溶解法により行った。
この比較例についての加工過程における被加工材の{111}X線極点図を図5に示す。図からわかるように、比較例の線材は配向性の少ないランダムな結晶といえる。
次に、各実施形態、比較例で製造した線材について、その断面における<100>方位を有する結晶の存在割合を検討した。この検討は、電子後方散乱解析像法(EBSP)による結晶方位解析を用いた。EBSPは、検査領域における結晶粒ごとの結晶方位や結晶系を測定可能である。ここでは、線材断面について、<100>方位の結晶の割合を断面全体及びその外周部について測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005325201
このEBSPの結果は、上記X線極点図測定の結果と符合するものであり、全体として<100>方位の結晶が多数を占める良好な集合組織を示すことがわかる。そして、外周部においても各実施形態の線材は、<100>方位の結晶が50%以上となっている。
以上の物性確認を行った後、各実施形態、比較例で製造した線材について、高温酸化試験を行った。この試験は、各線材から、長さ1.0mmのチップを切り出しこれを大気中で1100℃で20時間加熱し、試験前後の重量測定により、質量減少率を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005325201
表2より、<100>優先方位の集合組織を有する各実施形態の線材は、高温酸化による質量減少が、ランダム配向の線材に対して改善されていることがわかる。
本発明は、耐高温酸化特性が良好で、高温酸化雰囲気下で長期間使用可能な材料である。本発明は、点火プラグ電極、各種センサー電極、リード線ワイヤ等で高温酸化雰囲気下で使用される材料として好適である。

Claims (4)

  1. イリジウム、又は、ロジウム、白金、ニッケルのいずれか一種の元素を5重量%以下含み残部がイリジウムからなるイリジウム含有合金からなる金属線材であって、
    その断面の、少なくとも断面1/2円から外側の外周部において、結晶方位が<100>方向に優先方位を持つ集合組織の存在比率が50%以上である2軸配向性を有する金属線材。
  2. 断面全体において、結晶方位が<100>方向に優先方位を持つ集合組織の存在比率が50%以上である請求項1記載の2軸配向性を有する金属線材。
  3. 請求項1又は請求項2記載の金属線材の製造方法であって、
    イリジウム又はイリジウム含有合金のインゴットを中間熱処理を加えながら2軸加圧により棒状体にする第1工程と、
    前記棒状体を伸線加工して線材とする第2工程と、を含み、
    前記第1工程における加工材の硬度を550Hv以下に維持すると共に、前記中間熱処理の温度を再結晶温度以下とする方法。
  4. イリジウム又はイリジウム含有合金のインゴットを、回転引き上げ法により製造する請求項3記載の金属線材の製造方法。
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