JP5026214B2 - スパークプラグ用電極チップの製造方法 - Google Patents

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本発明は、内燃機関用スパークプラグの中心電極又は接地電極の先端に固定するIr固溶合金製電極チップの製造方法に関する。
従来、内燃機関用スパークプラグの中心電極又は接地電極の先端に固定するIr固溶合金製電極チップの製造方法としては、熔解工程、熱間鍛造工程、熱間溝ロール工程、線引き工程、切断工程を経て製造されている(例えば、特許文献1を参照。)。
高融点であるIr材を熔解するためには、アーク熔解法(特許文献1ではアーク熔解でインゴットを作製している)やエレクトロンビーム熔解法を用いて行われている。
特開平10‐32076号公報
しかし、アーク熔解法やエレクトロンビーム熔解法による熔解方法は、大きなインゴットを製作する上で局所的部分熔解となり偏析を起こしやすく、且つ内部欠陥(巣)を作りやすい熔解方法である。また、一般的に合金溶解に適している高周波熔解法は、溶融温度が非常に高い組成に対して、熔解ルツボが耐えられないため、活用できないのが現状である。したがって、電極チップの製造歩留を高め、かつ、スパークプラグの長寿命化を図るためには、偏析がなく、内部欠陥(巣)のないインゴットを元材として、Ir固溶合金製電極チップを製造することが望まれる。
さらにIr固溶合金製電極チップを製造する場合、様々な加工方法、例えば焼結技術を利用しインゴットを加工した後、上記の製造工程を通し加工するものもあるが、インゴット製造工程以降において、内部欠陥や偏析を生じさせることがないようにしなければならない。すなわち、健全な(内部欠陥のない)インゴットの製造から始まり、線引き工程に至るまで、組織制御が必須となる。
線引き加工において、インゴット内部に欠陥(巣)が存在した場合、細線化していく際に引張応力によって断線を起こし、加工ができない。また、インゴットに偏析が存在しても線材の強度にバラツキが生じて断線の要因となる。
例えば、Ir固溶合金に引張応力又は圧縮応力をかけた場合、いずれも粒界にて破壊を起こすため、細線化する際に断線を引き起こし、加工ができない。また、繊維組織が、線材の表面は繊維組織で、内部は粒状組織等の中途半端な状態であると、例え細線化できても、その線引き工程中に線材の内部に欠陥を発生させてしまい、スパークプラグ用の電極チップとしては内部欠陥を持った製品となる。その為、上述のとおり、線引き工程前までの組織制御が必須となり、線引き加工前に繊維組織をつくるように制御していくことが好ましいと考えられている。
このように線引き工程を必要とするスパークプラグ用のIr固溶合金製電極チップの製造方法においては、健全なインゴット(内部欠陥のない)の製造と線引き工程前までの組織制御が必須であるということを鑑みて、本発明の目的は、従来手法に比べ健全なインゴットを製作し、後工程である線引き工程での断線や内部欠陥の発生を抑制し、品質安定性の向上及びコスト低減を図ることである。
そこで本発明者らは、線引き工程を必要とするスパークプラグ用のIr固溶合金製電極チップを製造するに際して、健全なインゴットの製造方法としてプラズマ熔解法を用いることで、品質安定性の向上とコスト低減とを両立させることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るスパークプラグ用電極チップの製造方法は、スパークプラグの中心電極の先端部又は前記中心電極の先端部と放電ギャップを隔てて対向する接地電極の対向部の何れか一方或いはこれらの両方に固定されるIrを主とした固溶合金からなるスパークプラグ用電極チップの製造方法において、前記チップの加工の元材であるIrを主とした固溶合金からなるインゴットを製造するにあたり、熔解方法としてプラズマ熔解法を用い、かつ、前記インゴットは、インゴット径がφ40mm以上の柱状形状をなし、且つ、インゴット径:インゴット高さが1:0.8〜1:2であることを特徴とする。
本発明に係るスパークプラグ用電極チップの製造方法では、前記インゴットを熱間鍛造した後、熱間圧延して板材とし、該板材を棒材に切断加工し、前記棒材を熱間溝ロール加工し、さらに熱間線引き加工して線材とし、次いで該線材を切断加工してスパークプラグ用電極チップとすることが好ましい。
本発明は、プラズマ熔解法によってインゴットを製造することで、線引き工程前までの組織制御を可能とし、スパークプラグ用のIr固溶合金製電極チップの品質を安定性させ、また、その製造コストを低減することができる。
以下本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。なお、同一部材・同一部位には同一符号を付した。
(作用)
本実施形態に係るスパークプラグ用電極チップの製造方法においては、熔解工程においてプラズマ熔解法を用いて、電極チップの加工の元材となる健全なインゴットを製作する。健全なインゴットとは、内部欠陥がなく且つ偏析のないインゴットである。プラズマ熔解の構成としては、インゴットバーを製作する初期熔解(ハース熔解)と引き下げ方式によるロッドインゴットを製作するプラズマロッド熔解とのダブルメルト方式によって製作される。
プラズマ熔解の実施に伴っては、目的とする合金組成の粉末を混合し、Cuハース(バー状)に投入し、5,000℃〜10,000℃といわれるプラズマ炎を熱源として熔解し、バー状のインゴットを得る。アーク熔解法やエレクトロンビーム熔解法と同様にハース熔解ではあるが、熔融池は熱源が大きいことから他の方法に比較して非常に大きい。これは偏析防止にも効果が得られる。これが初期熔解となる。
次に、目的組成と同組成の材料(以下、種材と呼ぶ。)を引き下げ部の水冷チャックに取り付ける。種材は例えば径φ50〜80mmの円柱インゴットとする。その後、その種材の表面を熔融し、プール状(液体化)とする。初期熔解にて製作したインゴットバーをプラズマ火炎に当てる様に送り出すことで種材プールにインゴットバーから熔けた金属を滴下させていく。
種材プールの湯面の高さが一定となる様に、滴下された量に応じ種材を引き下げていく。種材の底部には水冷チャックが設けられているため、種材底部から温度勾配がついており、引き下げ速度をコントロールすることで、熔解技術で理想とされる一方向凝固をさせ、ロッド状の大きなインゴットを製作する。これによって、内部欠陥が無い理想の熔解が可能となっている。また、初期熔解(ハース熔解)にて目的組成としたものを再度プラズマロッド熔解することで偏析を抑制する方法となっている。この熔解方法にて線引き工程を必要とするIr固溶合金製のスパークプラグ用電極チップの加工の元材となる健全なインゴットが製造できる。
この熔解方法にて製作されたインゴットは、引き下げ方式で製作できるため、インゴット径に対して高さ方向を長くすることができる熔解方法であり、後工程で必要となる組織制御に有利となる。
電極チップの製造方法としては、健全なインゴットを製作し、その後、線引き工程前までに繊維組織を得ることが必要となる。そのために、インゴット径に対して高さがある大きなインゴットを製作することで、次工程の熱間鍛造にて大きな塑性加工を行うことができる。熱間鍛造工程において、柱状形状、好ましくは円柱形状のインゴットを基に、多軸熱間鍛造を行って、角インゴットに加工する。その後、熱間圧延加工にて板状に成形し、繊維組織を得る。繊維組織を得た板材(シート)を切断加工によって、正方角の棒を切り出す。なお、本発明では、大きな健全なインゴットを製作できるので、熱間圧延加工で正方角の棒に加工する工程を経ずに、板材を切断加工することによって正方角の棒としても、内部欠陥が少なく表面割れのない線材が得られる。続いて、繊維組織を得るために、正方角の棒について熱間溝ロール加工を行う。熱間圧延加工及び熱間溝ロール加工によって、延ばされることによって、線引き加工に適した繊維組織を得ることが可能となる。
次に、スパークプラグ用電極チップについて説明する。図1にスパークプラグの放電部の一形態を示す部分拡大概略図を示す。このスパークプラグでは、接地電極3と中心電極4とが火花放電ギャップ6を有するように対向している。中心電極4の側部には絶縁体7が設けられている。中心電極4はスパークプラグの鋼芯8と導通している。中心電極4の先端部5は、テーパ状に縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここに円板状の中心電極側チップ1が先端面に配置されている。中心電極側チップ1と先端面とは、接合面外縁部に沿ってレーザー溶接により固着されている。
一方、接地電極3の先端には、円板状の接地電極側チップ2が配置されている。接地電極側チップ2は、接地電極3の先端面に重ねあわされて、この状態で挟み付けて加圧しつつ、通電発熱する。これによって、接地電極側チップ2と接地電極3の先端との間で発熱し、接地電極側チップ2が電極母材に食い込みつつ、溶接される。
図1に示したスパークプラグにおいて、中心電極4及び接地電極3の両方に電極チップを配置した場合を示したが、中心電極4のみ或いは接地電極3のみにチップを設けても良い。
次に本発明に係るスパークプラグ用電極チップの製造方法について説明する。Ir固溶合金の電極チップの加工の元材となるインゴットを作製するために目的組成の粉末を混合する。ここで、目的組成としては、例えばIr−Pt,Ir−Rh,Ir−Pd,Ir−Ru等である。
混合粉末を初期熔解(ハース熔解)にて合金化させ、次にプラズマロッド熔解にて、例えば径φ50mm×長さ80mmの種材を利用してプールを作り、初期熔解で得られたインゴットを再度熔解してプールに溶融した合金を滴下し、種材を引き下げていく。この作業によって一方向凝固をさせたロッド状の大きなインゴットを製作する。この加工の元材となるインゴットは、内部欠陥と偏析が非常に少なくなっている。元材となるインゴットの大きさは、例えばインゴット径φ50〜90mmであり、その長さは50〜300mmである。元材となるインゴットは、柱状形状、好ましくは円柱形状とする。
加工の元材となるインゴットの径が例えばφ50mmとすると、φ50mm×50mmhに切断する。本実施形態においては、元材となるインゴットは、インゴット径がφ40mm以上の柱状形状をなし、且つ、インゴット径:インゴット高さが1:0.8〜1:2であることが好ましい。インゴット径に対してインゴット高さが2倍以上となると熱間鍛造工程での成形が困難となる。また、高さが30mmh以上であることが好ましく、30mmh未満では、組織制御に必要な微細結晶粒を得ることができず、熔解後の柱伏結晶と粒状結晶が残ってしまう。好ましくは、インゴット径:インゴット高さが1:0.8〜1:1.6であり、1:1が更には好ましい。
次に、φ50mm×50mmhの加工の元材となるインゴットを1200℃以上1800℃以下の温度に加熱し、当該温度範囲にて多軸熱間鍛造によって、肉厚(一辺)が25mmt以下(元の断面積から変形後の断面積の変化の割合を示す減面率が50%以上の加工、好ましくは減面率が60%以下までの加工)になる様に複数回にわたり、例えば6面体の角インゴットに加工するならば3方向から叩いて加工する。より好ましくは1400℃以上の温度範囲にて、肉厚(一辺)が20mmtになる様、複数回にわたり多軸熱間鍛造を行う。
20mmtに成形された角インゴットを1200℃〜1800℃に加熱し、熱間圧延にて減面率が15%を超えない範囲で肉厚10mm〜5mmtとなるまで、圧延方向を一方向に固定して、板延べ加工する。この加工によって、帯状の板材が得られる。より好ましくは、1250〜1500℃に加熱し、減面率5〜10%の範囲で成形を行うことが好ましい。初期肉厚から変形後の肉厚変化割合を示す最終加工度は、50%を超えることが好ましく、より好ましくは70〜80%の最終加工度となる様に加工することが好ましい。
熱間圧延方向を固定した方向と平行に1辺の長さが□10mm〜□5mmの正方角棒を適当な長さ、例えば200〜400mmに切断する。切断された角棒を1000〜1400℃に加熱し、減面率が20%を超えない範囲にて熱間溝ロール加工を行い、1辺の長さが4.0mm〜1.0mmの溝ロール加工あがりの不定柱形状に加工する。加熱温度としては、加工組成材の再結晶終了温度以下にて実施することが必要である。加熱温度が低すぎると、延性に欠け破断に至る。加熱温度が高すぎると再結晶化及び粒成長が発生し、繊維組織が得られなくなる。また、加工硬化能が非常に高い組成においては、成形途中に再結晶終了点以下の温度範囲にて熱処理を行い、一定の内部歪みを開放し加工することも必要である。
熱間溝ロール加工にて成形された後の棒材を1000℃〜1400℃の温度範囲にて加熱し、ダイスによる熱間線引き加工を行い、目的の線径、例えばφ3.0〜φ0.4mmまで加工を行う。加熱温度としては、熱間溝ロールと同様に実施することが必要である。その後、得られた線材をワイヤーソーにて切断し、Ir固溶合金製の電極チップを得る。
線引き加工前工程までに繊維組織が得られないと、線材内部に欠陥が生じ、また線材表面に表面割れが発生する。また、加熱温度が不適切であると線材の表面割れを発生させてしまう。そのため、これらの内部欠陥発生を抑制するために上記工程によって組織制御することで、これらの不良がなくなる。したがって、本実施形態に係るIr固溶合金製の電極チップによれば、従来製作方法に比較して品質向上且つ歩留まり向上によるコスト低減した製造工程を提供できる。
実施例1〜4について、表1に記載の製造工程及びそのときの加工形態にて電極チップを作製し、評価を行った。詳細には、最初に、Ir粉末に添加材(実施例1ではPt、実施例2ではRh、実施例3ではPd、実施例4ではRu)の粉末を用意し、容器内にて攪拌混合した粉末を、初期熔解(ハース熔解)にてインゴットバーを製作した。その後更に、プラズマロッド熔解を行い、得られた加工の元材となるインゴットをワイヤー放電加工機にて所定の寸法に切断を行った。その後、インゴットを高周波加熱炉にて1700℃まで加熱し、熱間鍛造にて複数回にわたり各実施例の目的形状まで成形を繰り返し、角インゴットを得た。角インゴットを電気炉1400℃にて加熱し、5分毎放置した後、10%の減面率を超えない範囲にて実施例1,2,3,4の目的形状まで圧延方向を一方向に熱間圧延を行い、これらを繰り返して行いプレートを得た。その後、プレートを切断機にて実施例1,2,3,4の形状に切断し角棒を得た。これらを1100℃の加熱炉に入れ、熱間溝ロール加工を行い、実施例1,2,3,4の形状に成形し、不定柱形状線を得た。更にこれらを線引き加工後の線長さが4000mmLになる様に切断し、1100℃に加熱した電気炉を利用し、熱間線引き加工を行った。これらの線材をワイヤーソーにて切断し、φ0.6×0.8mmhの電極チップを得た。
実施例1,2,3,4においては、各工程で表面割れ及び断線などの不具合が発生せず、良好な成形状態であった。また、チップ内部の欠陥を確認するため、チップを断面方向に樹脂埋め込み鏡面研磨し、確認を行ったが内部欠陥は皆無であった。これらの結果を図2に示す。更にこれらの断面及び側面組織観察を行った結果、微細で繊維状の組織から成り立っている状態が確認された。これらを図2,図3に示す。
比較例1〜4について、表2に記載の製造工程及びそのときの加工形態にて電極チップを作製し、評価を行った。
詳細には、比較例1においては、Ir粉末に添加材Ptの粉末を用意し、容器内にて攪拌混合した粉末を、アーク溶解炉を用い、ハース熔解によって角インゴットを得た。インゴットを高周波加熱炉にて1700℃まで加熱し、熱間鍛造を行った。
比較例2においては、Ir粉末に添加材Rhの粉末を用意し、容器内にて攪拌混合した粉末を、アーク溶解炉を用い、ハース熔解によって角インゴットを得た。インゴットを電気炉にて1400℃まで加熱し、圧延方向を一方向に固定し、熱間圧延にてプレートを得た。このプレートより、一辺が□5mmの棒を切り出し、これを1100℃の加熱炉に入れ、熱間溝ロール加工を行い、不定柱形状線を得た。更にこれらを線引き加工後の線長さが4000mmLになる様に切断し、熱間線引き加工を行った。これらの線材をワイヤーソーにて切断し、φ0.6×0.8mmhの電極チップを得た。
比較例3では、Ir粉末に添加材Pdの粉末を用意し、容器内にて攪拌混合した粉末を、プラズマハース熔解にてインゴットバーを製作した。その後更に、プラズマロッド熔解を行い、得られたインゴットをワイヤー放電加工機にて所定寸法で切断を行った。その後、インゴットを高周波加熱炉にて1700℃まで加熱し、熱間鍛造にて所定の形状まで複数回にわたり、目的形状まで成形を繰り返し、角インゴットを得た。角インゴットを電気炉1400℃にて加熱し、5分毎放置した後、10%の減面率を超えない範囲にて圧延方向を一方向に固定し熱間圧延を行い、これらを繰り返し行い、プレートを得た。その後、プレートを切断機にて切断し角棒を得た。これらを1100℃の加熱炉に入れ、熱間溝ロール加工を行い、不定柱形状線を得た。更にこれらを線引き加工後の線長さが4000mmLになる様に切断し、熱間線引き加工を行った。これらの線材をワイヤーソーにて切断し、φ0.6×0.8mmhのチップを得た。
比較例4では、Ir粉末に添加材Ruの粉末を用意し、容器内にて攪拌混合した粉末を、プラズマハース熔解にてバーを製作した。その後更に、プラズマロッド熔解を行い、得られたインゴットをワイヤー放電加工機にて所定寸法で切断を行った。その後、インゴットを高周波加熱炉にて1700℃まで加熱し、熱間鍛造にて所定の形状まで複数回にわたり目的形状まで成形を繰り返し、角インゴットを得た。角インゴットを電気炉1400℃にて加熱し、5分毎放置した後、10%の減面率を超えない範囲にて圧延方向を一方向に固定し、熱間圧延を行い、これらを繰り返し行い、プレートを得た。その後、プレートを切断機にて切断し角棒を得た。これらを1100℃の加熱炉に入れ、熱間溝ロール加工を行った。

比較例1の条件にて成形を行った結果、熱間鍛造時に破断してしまい、成形不可となった。アーク熔解後の柱伏組織に、熱間鍛造という大きな応力が加わったことによって、結晶粒に沿って破断した。
比較例2の条件にて成形を行った結果、チップ工程まで良好に成形することができた。しかし、実施例1同様にチップ内部の欠陥を確認するため、チップを断面方向に樹脂埋め込み鏡面研磨し、確認を行ったが、チップ内部に複数確認された。この内部欠陥状態の写真を図5に断面方向,図6に側面方向を示す。チップの断面及び側面組織観察を行った結果、側面方向は繊維組織が確認できたが、チップ断面の中央部は粒状の粗大組織となっていることが確認された。チップ断面の組織を図7に示す。この組織が要因で線引き加工中に内部欠陥を発生させている。
比較例3の条件にて成形を行った結果、比較例2と同様の結果となった。インゴットの高さが低いことによって、熱間鍛造工程にて十分な成形を行えなかったことが要因である。
比較例4の条件にて成形を行った結果、熱間溝ロール工程で棒材の表面に表面割れが発生した。これは、熱間鍛造による粒状微細結晶が得られた角棒は、結晶の配向がランダムになっている状態であり、熱間圧延工程を行わず、熱間溝ロール加工を行ったことによって、熱間圧延に比較して急激な結晶方位の整列が行われることが要因である。発生した表面割れをグラインダーによる研削にて取り除きながら次工程へと進め、線材を得た。これらの内部欠陥の確認を実施例1と同様に行ったが、比較例2と同様の内容が確認された。
スパークプラグの放電部の一形態を示す部分拡大概略図を示した。 実施例1のIr固溶合金チップの断面写真(画像)である。 実施例1のIr固溶合金チップの側面組織写真(画像)である。 実施例1のIr固溶合金チップの断面組織写真(画像)である。 比較例2のIr固溶合金チップの断面写真(画像)である。 比較例2のIr固溶合金チップの側面写真(画像)である。 比較例2のIr固溶合金チップの断面組織写真(画像)である。
符号の説明
1 中心電極側チップ
2 接地電極側チップ
3 接地電極
4 中心電極
5 先端部
6 火花放電ギャップ
7 絶縁体
8 鋼芯

Claims (2)

  1. スパークプラグの中心電極の先端部又は前記中心電極の先端部と放電ギャップを隔てて対向する接地電極の対向部の何れか一方或いはこれらの両方に固定されるIrを主とした固溶合金からなるスパークプラグ用電極チップの製造方法において、
    前記チップの加工の元材であるIrを主とした固溶合金からなるインゴットを製造するにあたり、熔解方法としてプラズマ熔解法を用い、かつ、前記インゴットは、インゴット径がφ40mm以上の柱状形状をなし、且つ、インゴット径:インゴット高さが1:0.8〜1:2であることを特徴とするスパークプラグ用電極チップの製造方法。
  2. 前記インゴットを熱間鍛造した後、熱間圧延して板材とし、該板材を棒材に切断加工し、前記棒材を熱間溝ロール加工し、さらに熱間線引き加工して線材とし、次いで該線材を切断加工してスパークプラグ用電極チップとすることを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ用電極チップの製造方法。
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