JP2007301581A - 鍛造製品の製造方法 - Google Patents

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直弥 石橋
Tomonori Kanai
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Abstract

【課題】空隙及びオーバーヒートが生じず、しかも優れた加工性が得られる鍛造製品製造方法の提供。
【解決手段】溶製(STEP1)及び鋳造(STEP2)を経て得られた鋼塊が、加熱炉に投入される(STEP3)。その中心温度が加熱炉の温度に達する前に、鋼塊が加熱炉から取り出される(STEP5)。この鋼塊が、鍛伸に供される(STEP6から8)。鍛伸が開始される時点における、鋼塊の表面温度Tsと中心温度Tcとの差(Ts−Tc)は、10℃以上40℃以下である。鍛伸において中心が到達する温度は、固相線の温度よりも低い。この鍛伸において、オーバーヒートは生じない。鍛伸によって中心温度が上昇するので、空隙は十分に圧着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、丸棒鋼等の鍛造製品の製造方法に関する。詳細には、本発明は、鍛伸工程を含む製造方法に関する。
大径である丸棒鋼の製造方法として、鍛伸が用いられている。この鍛伸は、自由鍛造法の一種である。鍛伸では、鋼塊が長手方向に間欠的に送られつつ、この鋼塊が上金敷及び下金敷で押圧される。押圧では、上金敷が下金敷に向かって圧下する。圧下により鋼塊の断面寸法が減少し、かつ鋼塊が長尺化する。圧下により、鋼塊の断面形状が整えられる。複数段の鍛伸により、鍛造製品である丸棒鋼が得られる。鍛伸方法の一例が、特開2000−24744公報に開示されている。
特開2000−24744公報
鋼塊には、その中心部に、鋳造時の凝固収縮に起因した空隙(いわゆる巣)が生じていることがある。この空隙は、鍛伸により押しつぶされる。押しつぶしにより、空隙周辺の金属が圧着される。圧着が不十分であると、製品である丸棒鋼に空隙が残存する。空隙は、欠陥である。鋼塊の温度が十分高く設定されることにより、又は圧下率が十分高く設定されることにより、鍛伸によって空隙がよりよく押しつぶされ、欠陥が解消される。
鋼塊の温度は、加工性にも影響する。温度が低い場合、圧下率が大きく設定され得ない。小さな圧下率は、パス回数の増加を招く。加工性の観点からも、鋼塊の温度が十分高く設定される必要がある。
鋼塊の鋳造時には、ミクロ偏析が生じる。具体的には、結晶粒界に沿って炭素原子がリッチな領域が生じる。状態図において、炭素原子濃度が多いほど、固相線の温度は低い。炭素原子がリッチな領域は、溶融しやすい。鍛伸では、圧下により摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、鋼塊の中心は昇温する。高温に加熱された鋼塊にさらに摩擦熱が発生することにより、鋼塊の中心は極めて高温に達する。この中心近傍の、炭素原子がリッチな領域において、溶融が生じることがある。この現象は、オーバーヒートと称される。オーバーヒートにより、製品である丸棒鋼の内部に疵が生じる。
このように、空隙の抑制及び加工性の観点からは、鋼塊の温度が高く設定される必要がある。一方、オーバーヒートの抑制の観点からは、鋼塊の高すぎる温度は好ましくない。鍛伸では、鋼塊の温度制御が極めて重要である。しかし、空隙及びオーバーヒートが生じず、しかも優れた加工性が得られる温度の範囲は狭い。鋼塊の温度制御には、困難が伴う。
本発明の目的は、空隙及びオーバーヒートが生じず、しかも優れた加工性が得られる鍛造製品製造方法の提供にある。
本発明に係る鍛造製品製造方法は、
母材が加熱装置に投入され、加熱される工程
及び
この加熱装置から取り出された母材が鍛伸に供される工程
を含む。この鍛伸が開始された時点において、母材の表面温度Tsは中心温度Tcよりも高い。
好ましくは、鍛伸が開始される時点における表面温度Tsと中心温度Tcとの差(Ts−Tc)は、10℃以上40℃以下である。
好ましくは、鍛伸において中心が到達する温度は、固相線の温度よりも低い。
この製造方法では、母材の表面温度が高いので、優れた加工性が得られる。母材の中心温度は低いが、鍛伸による摩擦熱でこの中心温度が上昇するので、空隙が十分に押しつぶされる。摩擦熱で中心温度が上昇するが、当初の中心温度は低いので、中心が到達する温度は高すぎない。この製造方法により、オーバーヒートも抑制される。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る鍛造製品製造方法が示されたフロー図である。この製造方法では、溶製(STEP1)、鋳造(STEP2)等の工程を経て、鋼塊が得られる。鋼塊の断面形状は、矩形又は八角形である。他の形状の鋼塊が準備されてもよい。この鋼塊には、鋳造時の凝固収縮により、中心近傍に空隙が生じている。鋼塊は、本発明に言う「母材」の一種である。
この鋼塊は、加熱炉(加熱手段)に投入される(STEP3)。鋼塊は、加熱炉において加熱に供される(STEP4)。所定時間の経過後、鋼塊が加熱炉から取り出される(STEP5)。
鋼塊の表面は、比較的短い時間で加熱炉の温度と同等の温度に達する。一方、鋼塊の中心が加熱炉の温度に達するには、長時間を要する。本発明に係る製造方法では、中心温度が加熱炉の温度に達する前に、鋼塊が加熱炉から取り出される。取り出された鋼塊には、温度分布が生じている。
この鋼塊が、鍛伸に供される。図2は、鍛伸に用いられるプレス機2が鋼塊4と共に示された斜視図である。このプレス機2は、上金敷6及び下金敷8を備えている。上下の金敷6、8の間には、鋼塊4が配置されている。
この鋼塊4が、第一回目の鍛伸に供される(STEP6)。この鍛伸では、鋼塊4が所定位置にセットされると、油圧等によって上金敷6が下降し、下金敷8が上昇する。これにより、上下の金敷6、8の間隔が狭まる。このとき、鋼塊4は金敷6、8によって加圧されて断面寸法が低減し、又は断面形状が変形する。所定の断面寸法及び断面形状が得られるように、コンピュータによって圧下寸法が制御される。鋼塊4は、図示されていない搬送手段により、矢印Aの方向に間欠的に搬送される。この搬送に同調して、圧下が繰り返される。
第一回目の鍛伸が終了すると、母材が90°回される。この母材に、第二回目の鍛伸が施される(STEP7)。この鍛伸によっても、母材の断面寸法が低減し、又は断面形状が変形する。母材にはさらに、所定回数の鍛伸が施される(STEP8)。これら鍛伸(STEP6からSTEP8)により、母材の断面形状が徐々に円に近づく。こうして、鍛造製品である丸棒鋼が得られる。
前述の通り、中心温度が加熱炉の温度に達する前に、鋼塊4が加熱炉から取り出される。鍛伸が開始される時点では、この鋼塊4の表面温度Tsは十分高く、この鋼塊4の中心温度Tcは十分低い。表面温度Tsが高いので、鍛伸(STEP6)における加工性は高い。表面温度Tsが高いので、鍛伸において母材の割れが生じにくい。
鍛伸前の鋼塊4の中心温度Tcは低いが、鍛伸による摩擦熱で中心温度は上昇する。従って、空隙が十分に圧着される。中心温度は上昇するが、当初の中心温度Tcが低いので、中心の到達する温度はさほど高くない。従って、オーバーヒートが生じない。この製造方法により、欠陥の少ない丸棒鋼が効率よく得られる。
表面温度Tsと中心温度Tcとの差(Ts−Tc)は、10℃以上40℃以下が好ましい。差(Ts−Tc)が上記範囲に設定されることにより、加工性、オーバーヒートの抑制及び空隙の抑制が達成されうる。この観点から、差(Ts−Tc)は15℃以上がより好ましい。差(Ts−Tc)の制御は、加熱時間の調整によってなされうる。
この製造方法は、変形抵抗が大きく、従って空隙が圧着されにくい鋼種において、特に効果を発揮する。具体的には、この製造方法は、冷間工具鋼において、効果を発揮する。冷間工具鋼の具体例としては、SKD11が挙げられる。
鍛伸中に中心が到達する最高温度Tmaxが、固相線の温度Tsolよりも低いことが好ましい。これにより、オーバーヒートが防止される。温度の差(Tsol−Tmax)は5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
鋼種がSKD11であり、断面形状が矩形であり、この断面の一辺の長さが925mmである鋼塊を用意した。この鋼塊を、1125℃の加熱炉に10時間保持して取り出し、圧下率が5%である鍛伸に供した。鍛伸開始時の表面温度Tsは1125℃である。CAE(FEMシミュレーション)によって求めた鍛伸開始時の中心温度Tcは、1110℃であった。この鋼塊にさらに多段の鍛伸を施し、直径が400mmである丸棒鋼を得た。
[実施例2から3及び比較例1]
加熱温度を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、丸棒鋼を得た。CAE(FEMシミュレーション)によって求めた鍛伸開始時の中心温度Tcが、下記の表1に示されている。
[実施例4]
鋼種がSKD11であり、断面形状が八角形であり、この八角形が内接する円の直径が900mmである鋼塊を用意した。この鋼塊を、1125℃の加熱炉に10時間保持して取り出し、圧下率が5%である鍛伸に供した。鍛伸開始時の表面温度Tsは1125℃である。CAE(FEMシミュレーション)によって求めた鍛伸開始時の中心温度Tcは、1110℃であった。この鋼塊にさらに多段の鍛伸を施し、直径が400mmである丸棒鋼を得た。
[実施例5から6及び比較例2]
加熱温度を下記の表1に示される通りとした他は実施例4と同様にして、丸棒鋼を得た。CAE(FEMシミュレーション)によって求めた鍛伸開始時の中心温度Tcが、下記の表1に示されている。
[不良率の算出]
20本の丸棒鋼を超音波探傷法を用いて検査し、不良率を算出した。この結果が、下記の表1に示されている。
[欠陥の観察]
欠陥が見つかった丸棒鋼の中心近傍を顕微鏡で観察し、欠陥の程度を判定した。この結果が、下記の表1に示されている。
Figure 2007301581
表1に示されるように、実施例の製造方法では高品質な丸棒鋼が得られる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
温度分布による不良の抑制は、2段目以降の鍛伸においても効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る鍛造製品製造方法が示されたフロー図である。 図2は、図1の製造方法に用いられるプレス機が鋼塊と共に示された斜視図である。
符号の説明
2・・・プレス機
4・・・鋼塊
6・・・上金敷
8・・・下金敷

Claims (3)

  1. 母材が加熱装置に投入され、加熱される工程
    及び
    この加熱装置から取り出された母材が鍛伸に供される工程
    を含む鍛造製品の製造方法であって、
    この鍛伸が開始された時点において、母材の表面温度Tsが中心温度Tcよりも高いことを特徴とする鍛造製品の製造方法。
  2. 上記表面温度Tsと中心温度Tcとの差(Ts−Tc)が10℃以上40℃以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記鍛伸において中心が到達する温度が固相線の温度よりも低い請求項1又は2に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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