JP2009107289A - 画像形成システム、該システムに用いられる情報処理装置および方法 - Google Patents

画像形成システム、該システムに用いられる情報処理装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定方向にノズルを配列してなる記録ヘッドをそれぞれ保持し、所定方向に延在するラスタに対し協働して記録を行うために2次元状に配置された複数の印刷装置からなる印刷装置群を用いる画像形成システムにおいて、品位の高い画像形成を可能とする。
【解決手段】印刷装置群を記録媒体搬送方向に2つ配置する。所定方向の分割領域の画像形成に関し、それぞれの領域で、記録媒体の搬送方向の上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとを適切に設定して同じラスタの記録に関与させる。このため、1つの分割領域に関し、消費電力を低減するために1つの記録ヘッドのみを用いて記録を行う場合や、記録の高速化あるいは高品質化のために2つの記録ヘッドを用いて記録を行う場合に、画像品位を考慮した印刷装置ないし記録ヘッドの組合せを選択することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成システム、該システムに用いられる情報処理装置および方法に関し、特に比較的大判の記録媒体に対して行われる画像形成に適用して好適なものである。
インクジェット方式は、現在では産業用、オフィス用、パーソナル(個人や家庭)用など、様々な用途に使用されるに至っており、また記録目的も多様化している。また、これらにより、記録媒体としても種々のものが用いられ、特に産業分野においては、商品やその包装に貼付されるラベルなどの比較的小さいものから、A2判以上の比較的大判のものまで、そのサイズについても様々なものが用いられる。また、産業分野において利用される記録装置に対しては、記録の高速化や動作の安定化の要求がパーソナルユースのものに比べて格段に厳しい。
ここで、所謂シリアル記録方式のプリンタに比べて、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向に多数のインク吐出口を配列してなる記録ヘッドを用いるラインプリンタ形態のものは、画像形成を高速に行うことが可能である。これらのことから、ラインプリンタ形態のインクジェット記録装置は、特に産業用の印刷を行うのに好適な記録装置として注目されている。
しかし上述のように、産業分野においては様々なサイズの記録媒体が用いられ、時にはA2判以上の記録媒体に対しても対応しなければならない。このようなラインプリンタに適用される記録ヘッドでは、ノズル(特にことわらない限り、インクの吐出口、これに連通する液路、および液路に配されて吐出に利用されるエネルギを発生する素子を総称して言うこともある)を印刷領域の全幅など広範囲にわたって欠陥なく設ける加工を行うのが困難である。
そこで従来は、ラインプリンタ用のインクジェット記録ヘッドとして、比較的廉価で短尺の記録ヘッドチップを高精度に複数個配列することにより長尺化し、所望の長さを満たすようにされている。そのように記録ヘッドチップを適宜の個数配列することで、種々サイズの記録媒体に対応することは可能である。しかしながら、実際上はユーザの使用目的に合わせて専用の記録装置が構成されるものであり、ユーザの様々なニーズにフレキシブルに対応して様々なラインプリンタを迅速に設計し、廉価に提供することは困難であった。
その理由としては、記録ヘッドチップを適宜の個数配列することで長尺化を行う場合、記録ヘッドの構成に合わせて当然に、その制御系のハードウェアおよびソフトウェアが変更されなければならないからである。また、記録装置側の構成だけでなく、ホスト装置である情報処理装置側においても、画像データの展開や転送系に関して大きな仕様変更を伴うものとなる。
そこで本出願人は、記録の高速化の要求に応えつつも、記録媒体サイズの変更、特に大判化の要求に対して迅速かつ容易に対応できるようにした画像形成システムを提案した(特許文献1)。ここでは、各々相互の関係において空間上独立(分離)し、信号系において独立した複数の印刷装置を適切なレイアウトで配置し、ライン(ラスタ)順次の記録が行われるようにした構成が記載されている。そして情報処理装置は、作成した画像を複数の印刷データに分割して複数の印刷装置に転送一方、複数の印刷装置の配置領域に対して大判の記録媒体を搬送する搬送装置を配設し、この搬送装置から、複数の印刷装置各々の位置に対応して印刷タイミングを定める信号を転送するようにする構成が記載されている。
国際公開第2004/106068号公報
本発明は、かかる特許文献1に開示された構成の利点をさらに活用し、画像形成の高速化や省電力化の要望など、ユーザの様々な要望に応えつつも品位の高い画像形成を行い得るようにすることを目的とする。
そのために、本発明の第1の形態は、所定方向にノズルを配列してなる記録ヘッドを保持し、前記所定方向に延在するラスタに対し協働して記録を行うために前記所定方向および記録媒体の搬送方向に広がりをもって配置された複数の印刷装置からなる印刷装置群を用いる画像形成システムにおいて、
前記印刷装置群が前記搬送方向に少なくとも2つ配置されるとともに、
当該少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置を具え、
該情報処理装置は、同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
また、本発明の第2の形態は、同一色調に対応し、所定方向にノズルを配列してなる少なくとも2つの記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に並列に保持し、前記所定方向に延在するラスタに対し協働して記録を行うために前記所定方向および記録媒体の搬送方向に広がりをもって配置された複数の印刷装置を用いる画像形成システムにおいて、
前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置を具え、
該情報処理装置は、前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の形態は、上記第1の形態に係る画像形成システムに用いられ、前記少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置であって、
同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
また、本発明の第4の形態は、上記第2の形態に係る画像形成システムに用いられ、前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置であって、
前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
加えて、本発明の第5の形態は、上記第1の形態に係る画像形成システムに用いられ、前記少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理方法であって、
同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
また、本発明の第6の形態は、上記第2の形態に係る画像形成システムに用いられ、前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理方法であって、
前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする。
さらに加えて、本発明の第7の形態は、上記第5または第6の形態に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムに存する。
また、本発明の第8の形態は、上記第5または第6の形態に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを記憶した記憶媒体に存する。
本発明によれば、所定方向(記録媒体の幅方向)の分割領域の画像形成に関し、それぞれの領域で、記録媒体の搬送方向の上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとを適切に設定して同じラスタの記録に関与させることができる。このため、1つの分割領域に関し、消費電力を低減するために1つの記録ヘッドのみを用いて記録を行う場合や、記録の高速化あるいは高品質化のために2つの記録ヘッドを用いて記録を行う場合に、画像品位を考慮した印刷装置ないし記録ヘッドの組合せを選択することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「印刷」または「画像形成」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみを表すものではない。さらに、その「記録」とは、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、または媒体の加工を行う場合も含む。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。即ち、その「インク」は、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工に供される液体、或いは、インクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供される液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り、吐出口と、これに連通する液路と、インクの吐出に利用されるエネルギを発生する素子と、を総括して言うものとする。
1.第1実施形態
1−1.画像形成システム構成の概要(図1〜図3)
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概要を示すブロック図である。本実施形態の画像形成システムは、概して、情報処理装置100および画像形成装置200からなり、画像形成装置200は媒体搬送装置117およびプリンタ複合システム400を具え、プリンタ複合システムは独立した複数のエンジンである印刷装置116−1〜116−10を有する。
ここで、情報処理装置100は形成すべき画像データの供給源であり、1枚の画像を記録媒体の幅方向および搬送方向に領域分割し、プリンタ複合システム400を構成する複数の印刷装置116−1〜116−10のそれぞれに分割画像データを供給する。媒体搬送装置117は、印刷装置116−1〜116−10の配列によって記録可能な範囲に対応した幅方向のサイズを有する記録媒体206を搬送する。また、その紙端を検出して各印刷装置116−1〜116−10の記録開始位置を規定するための信号を出力する。
プリンタ複合システム400は、記録媒体206上の記録領域を分割して記録を行うべく配列された複数(本例では10台)の印刷装置116−1〜116−10を有する。各印刷装置は、情報処理装置100から供給された分割画像データに基づき、媒体搬送装置117により規定されるタイミングにて、担当する記録領域に対しそれぞれ独立して印刷動作を実行する。各印刷装置には、記録媒体206に対してフルカラー記録を行うべく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出するための記録ヘッド811Y、811C、811Mおよび811Kが設けられる。そして、各記録ヘッドに対しては、インク供給源であるインクタンク203Y、203M、203Cおよび203Kからそれぞれの色のインクが供給される。
1−2.情報処理装置(図1)
図1において、CPU101は、情報処理装置100全般のシステム制御を掌る中央演算処理装置である。情報処理装置100において、CPU101は、オペレーティングシステム(OS)の制御の下、画像データの生成や編集を行うためのアプリケーションプログラム、本実施形態に関わる画像分割プログラム(図5について後述)、複数の印刷装置116−1〜116−10の制御プログラム(プリンタドライバ)および図5に示す手順に対応するプログラム等が規定する処理を実行する。
CPU101のシステムバスは階層的なバス構成を有し、例えば、ホスト/PCIブリッジ102を介してローカルバスとしての例えばPCIバスに接続され、さらにPCI/ISAブリッジ105を介してISAバスと接続されて、各バス上の機器と接続される。
メインメモリ103はOS、アプリケーションプログラムおよび上記制御プログラムの一時的記憶領域が設けられるRAMであり、さらに各プログラム実行のための作業用メモリ領域としても用いられる。これらのプログラムは、例えばハードディスクドライブHDD104から読み出されてロードされるものである。なお、システムバスにはキャッシュメモリ120と呼ぶSRAM(Static RAM)を使用した高速のメモリをもち、メインCPU101が常時アクセスするようなコードおよびデータはここに保存される。
ROM112は入出力回路(図示せず)を介して接続されるキーボード114、マウス115、CDD111およびFDD110等の入出力機器を制御するプログラム(BIOS;Basic Input Output System)、システムのパワーON時の初期化プログラム、および自己診断プログラム等を格納する。EEPROM(Electronic Erasable ROM)113は恒久的に利用する各種のパラメータを記憶させるための不揮発性のメモリである。
ビデオコントローラ106はVRAM(Video RAM)107に書き込まれたRGBの表示データを連続的且つ循環的に読み出し、CRT,LCD,PDP(Plasma Display Panel)等のディスプレイ108に画面リフレッシュ信号として継続的に転送する。
印刷装置116−1〜116−10との通信インタフェース109はPCIバスに接続されており、使用可能なインタフェースとしては例えばIEEE1284の標準に準拠した双方向セントロニクスインターフェース,USB(Universal Serial Bus),Ethernet(登録商標)接続等がある。図1では通信インタフェース109を介してハブ140が接続され、さらにこのハブ140が印刷装置116−1〜116−10および媒体搬送装置117のそれぞれに接続された構成が示されている。また、本実施形態では有線タイプの通信インタフェース109を使用しているが、無線LAN等の通信インタフェースが用いられるものでもよい。
印刷プログラム(プリンタドライバ)は、情報処理装置100に接続されている複数の印刷装置116−1〜116−10が印刷を担当する領域を設定する手段(図4にて後述)を有している。そして、この設定手段によって設定された内容に基づいて1ページの画像を分割し、各々の印刷装置116−1〜116−10へ画像データを転送し、印刷を指示する。
前述した通り、印刷プログラムは複数の印刷装置116−1〜116−10に対して印刷データの生成および印刷データの転送処理を行うので、プログラム自身、または印刷プログラム内の印刷データ生成処理および印刷データ転送処理を並列(マルチプロセス、マルチスレッド)に動作させ、高速に処理できる。
1−3.プリンタ複合システム(図1〜図4)
図1に示すように、情報処理装置100と複数の印刷装置116−1〜116−10および媒体搬送装置117とはハブ140を介して接続され、印刷データ、動作開始および終了コマンド等の転送を行う。また、印刷装置116−1〜116−10の各々(以下、特定しない場合は符号116で参照する)と媒体搬送装置117との間も信号接続され、記録媒体206の先端検出ないし印刷先頭位置の設定や、媒体搬送速度と各印刷装置における印刷動作(インク吐出動作)とを同期させるための信号を授受する。
各印刷装置116には、図2に示すように、例えば記録媒体206に対して連続的なフルカラー記録を行うべく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出するための記録ヘッド811Y、811M、811Cおよび811Kの4本の記録ヘッド(以下、特定しない場合は符号811で参照する)が設けられている。媒体搬送方向における記録ヘッドの並び順は各印刷装置共等しく、従って色の重なり順も等しい。各記録ヘッドのインク吐出口は記録媒体の幅方向(媒体搬送方向に直交する方向)に600dpi(ドット/インチ;参考値)の密度で4インチ(参考値。約100mm)にわたって配列されている。
ここで、本実施形態においては、図3に示すように、印刷装置116−1〜116−5は、全体として約500mmの最大記録幅を満たすように配列されている。同様に、印刷装置116−6〜116−10についても、全体として約500mmの最大記録幅を満たすように配列されている。そして、印刷装置116−1〜116−5と、印刷装置116−6〜116−10とは、それぞれ、記録媒体搬送方向Yの上流側と下流側とに配設されている(以下、それぞれ、上流側印刷装置群および下流側印刷装置群と称することもある)。従って、印刷装置116-1と116−6の組、印刷装置116-2と116−7の組、印刷装置116-3と116−8の組、印刷装置116-4と116−9の組、および印刷装置116-5と116−10の組が、それぞれ、記録媒体幅方向Xにおける同じ領域A、B、C、DおよびE(幅100mm)の印刷を担当可能である。また、それぞれの組において、2つの印刷装置の対応する記録ヘッドは、媒体搬送方向Yにおける領域(例えば1ラスタ毎の領域)を分担して印刷することが可能である。
図4は、情報処理装置100に接続されている印刷装置116−1〜116−10が1ページの画像のどの部分を担当するかの設定(印刷担当部関連付け設定)を行うディスプレイユニット108上の設定画面の一例である。この設定画面の表示は、CPU101による印刷プログラム(プリンタドライバ)の実行によって制御される。
ディスプレイユニット108の画面上の設定欄301では、印刷対象である画像サイズの設定入力を行うことができる。本例では、印刷可能幅がそれぞれ100mmの印刷装置が図2および図3に示したように配置されているので、幅については500mm、長さ(媒体搬送方向)については任意のサイズの画像を印刷可能である。設定欄302では、記録媒体搬送基準をX方向のどこにするかの選択設定を行うことができる。設定欄303は、上流側および下流側印刷装置のいずれか一方またはその双方を印刷に関与させるための選択設定を行うことができる。すなわち、上流側および下流側印刷装置のいずれか一方の印刷装置で画像データの全ラスタの印刷を行うか(1パス印刷)、または双方の印刷装置で画像データの交互のラスタの印刷を行うか(2パス印刷)の設定を行うことができる。
本実施形態では、図2の左側から100mmずつの領域A〜Eを、印刷装置116-1と116−6の組、印刷装置116-2と116−7の組、印刷装置116-3と116−8の組、印刷装置116-4と116−9の組、および印刷装置116-5と116−10の組が担当可能である。従って、各々の印刷領域は各印刷装置が配置された物理的な位置(図2参照)によって一義的に決められる。そして図4の例では、画像サイズ(幅)として「500mm」が、搬送基準として「左端」が設定され、2パス印刷を行うことが選択されている。従って担当表示欄304には、印刷に関与する印刷装置116−1〜116−10(#1〜#10)が、X方向における印刷領域とY方向におけるラスタとに対応づけて表示される。印刷指示を行うと、各印刷装置は各々の担当領域およびラスタを印刷し、全体で一つの画像を形成する。
なお、305は、ラスタ毎の印刷に関与する印刷装置の組み合わせ(#1〜#5の組み合わせおよび#6〜#10の組み合わせ)を変更する設定を行う際に使用される欄であり、これについては後述する。
また、図4の例では、印刷担当設定をディスプレイユニット108の画面上で設定可能なものとしたが、OSが保持するレジストリ情報や独自の環境設定ファイルなどで設定するようにしてもよい。
さらに、本例では印刷装置116−1〜116−5および116−6〜116−10のそれぞれはY方向において重複しない領域を担当する配置構成とした。しかしこれらの配置精度に起因した隣接領域間の印刷の抜けを防ぐために、互いに隣接する領域を担当する印刷装置同士の境界部分が重畳するように印刷装置が配置されていてもよい。これについても後述する。
図5は、プリンタドライバにより印刷実行が指示されたときに起動される動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。
本シーケンスがCPU101により起動されると、図4の設定画面を用いた設定情報に基づいて、印刷装置116−1〜116−10毎の担当印刷領域およびラスタを決定する(ステップS502)。
次に印刷に使用する印刷装置の数だけ、次の処理を繰り返す(ステップS503)。すなわち、1ページの画像のどの領域およびラスタを印刷するかの情報に基づいて、印刷装置116−1〜116−10の各々に対し、個別に分割画像データを生成する処理(ステップS504)と、当該生成したデータを通信インタフェース109から転送する処理(ステップS505)とである。これらの処理を印刷に使用する印刷装置の数だけ繰り返すことによって、情報処理装置100から複数の印刷装置116−1〜116−10の各々に対する分割画像データが生成され、転送される。
そして媒体搬送装置117を起動し(ステップS506)、所要の印刷動作が終了して媒体搬送装置117あるいは印刷装置116−1〜116−10から終了ステイタスを受けると(ステップS507)、本手順の動作を終了する。
なお、図5のシーケンスでは、印刷データの生成処理および転送処理を印刷装置116−1〜116−10の各々に対して順次行うものとしたが、これらの処理が並列に行われるようにしてもよい。
1−4.印刷装置(図5)
図6は本実施形態に係る各印刷装置116における制御系の構成例を示す。
図において、800は図9に示す処理手順に対応したプログラム等に従って印刷装置116の全体的な制御を行うCPU、803はそのプログラムや固定データを格納したROM、805は作業用メモリ領域として用いられるRAM、814は各印刷装置固有のパラメータ等を記憶する不揮発性のEEPROMである。
802はUSBケーブルを介して情報処理装置100に対し印刷装置116を接続するためのインタフェースコントローラ、801は各色の記録ヘッド毎の印刷データを展開するためのVRAMである。804はメモリコントローラであり、インタフェースコントローラ802に受信した分割画像データ(図5のステップS504の処理にて生成され、ステップS505の処理にて情報処理装置100から送信されてくるデータ)をVRAM801に転送する。またこれとともに、印刷の進捗に従って各色記録ヘッドで印刷する印刷データを読み出すための制御を行う。情報処理装置100からUSBケーブルを介して、X方向の担当領域毎およびY方向の担当ラスタ毎に分割された分割画像データがインタフェースコントローラ802に受信されると、CPU800は、その分割画像データに付加されたコマンドを解析した後、各色成分毎のイメージデータ(各色記録ヘッド毎の印刷データ)をVRAM801にビットマップ展開する指示を行う。この指示を受けて、メモリコントローラ804は画像データをインタフェースコントローラ802からVRAM801に高速に書き込み、さらに各色記録ヘッド毎の印刷データにビットマップ展開させる。
810は各色記録ヘッド811Y、811M、811Cおよび811Kを制御するための制御回路である。809は記録ヘッド811の吐出口が形成された面のキャッピングを行うためのキャッピング機構(不図示)の駆動源であるキャッピングモータである。808は後述するインク系(インク供給系および回復系を含む)のポンプやバルブ等を含む作動部である。807はこれらインク系作動部808およびキャッピングモータ809を駆動するための駆動部である。印刷装置116の非使用時等においては、キャッピングモータ809を駆動することにより記録ヘッド811Y、811M、811Cおよび811Kとキャッピング機構とを相対移動させてキャッピングが行われる。一方、印刷すべき画像データがVRAM801に展開された場合には、不図示の記録ヘッド昇降(U/D)モータ、およびキャッピングモータ809を相互に駆動することにより、記録ヘッド811Y、811M、811Cおよび811Kとキャッピング機構とを相対移動させてキャッピング状態を解除し、後述の媒体搬送装置117からの印刷開始信号を待つことになる。
806は入出力(I/O)ポートであり、807はモータ駆動部807のほか所要の作動部の駆動手段や、所要のセンサなど(不図示)が接続されて、CPU800との間で信号の授受を行う。812は媒体搬送装置117から記録媒体の頭出し信号と媒体の移動に同期した位置パルス信号を受信し、これらに適切に同期して印刷動作を実行するためのタイミング信号を発生する同期化回路である。すなわち、記録媒体の搬送に伴う位置パルスに同期してVRAM801のデータがメモリコントローラ804にて高速に読み出され、記録ヘッド制御回路810を介して記録ヘッド811に転送されることで、カラー記録(印刷)が行われる。
1−5.媒体搬送装置(図7)
図3の媒体搬送装置117は、幅方向に大きく搬送方向には任意のサイズをもつ記録媒体の搬送にも適したものである。また、上流側印刷装置群である印刷装置116−1〜116−5(図3には示されない上流側印刷装置群である印刷装置116−6〜116−10についても同様)が有する記録ヘッド810との対向部位において記録媒体206の被記録面を平坦に規制するために、メディアステージ202が設けられている。記録媒体には種々の厚みを有するものが用いられるので、厚紙であってもその被記録面が平坦となるようにするために、記録媒体のメディアステージ202への密着性を向上させるための手段が付加されていてもよい。搬送モータ205は、メディアステージ202上面に密着した記録媒体を搬送するための搬送ローラ列205Aの駆動源である。
図7は本実施形態に係る媒体搬送装置117の制御系の構成例を示す。
図において、901は図9について後述する処理手順に対応したプログラム等に従って媒体搬送装置の全体的な制御を行うCPU、903はそのプログラムや固定データを格納したROM、904は作業用メモリ領域として用いられるRAMである。
902は情報処理装置100に対し媒体搬送装置117を接続するためのインタフェースである。905は画像形成装置に対してユーザが種々の指示や入力を行うための入力部や所要の表示を行うための表示部を有した操作パネルであり、本例では媒体搬送装置に設けてある。
908はサクションモータであり、記録媒体のメディアステージ202への密着性を向上させるための手段の一例として、メディアステージ202の下部からメディアステージ202の搬送面に開口させた多数の微細孔を介して吸引を行うことで記録媒体の吸着を行わせる真空ポンプの駆動源をなす。そして、情報処理装置100からインタフェース902を介し搬送開始コマンドを受信すると、CPU901によりまずサクションモータ908が起動され、記録媒体206がメディアステージ202の上面に吸着されるように動作する。
907はサクションモータ908およびその他所要の作動部を駆動するための駆動部である。909は搬送モータ205の駆動部である。
912はロジック回路であり、搬送モータ205の軸に備えられたロータリ(回転式)エンコーダ910の出力を受容し、記録媒体を定速度搬送させるべく搬送モータ205のフィードバック制御を行うためのサーボ系が構成される。ここで、搬送速度はCPU901からロジック回路912に書き込まれた速度指示値にて任意に設定可能である。なおロータリエンコーダ910は、搬送モータ205の軸ではなく搬送ローラ列205Aと同軸に備えられたものでもよい。また、始めから媒体搬送装置117に一体に組み込まれたものではなく、後に付加されたものでもよい。
ロジック回路912には、記録媒体206の先端が印刷開始位置近傍に到達したことを検出するべく、印刷位置より搬送方向上流側に設けた媒体検知センサ911(これについても、始めから媒体搬送装置117に一体に組み込まれたものではなく、後に付加されたものでもよい)の出力も入力される。そしてロジック回路912は、媒体検知センサ911が記録媒体先端を検出する位置から各印刷装置までの搬送方向上の距離に応じて、適切な印刷指示信号を各印刷装置に出力する。
本実施形態では、図3に示したように、上流側印刷装置群である印刷装置116−1〜116−5は搬送方向に2列に並んでいる。すなわち、印刷装置116−1、116−3および116−5は搬送方向上の同じ位置に配置され、これらより搬送方向に所定の間隔をおいて、印刷装置116−2および116−4が搬送方向上の同じ位置に配置されている。また、下流側印刷装置群である印刷装置116−6〜116−10についても同様であり、印刷装置116−6、116−8および116−10と、印刷装置116−7および116-9とが、それぞれ搬送方向上の同じ位置に配置されている。このため、ロジック回路912は4種の印刷指示信号914−1〜914−4を出力する。なお、印刷装置の取り付け位置には誤差のあることを考慮し、媒体検知センサ911から各印刷装置までの物理的な距離に応じて、各印刷装置毎に印刷開始信号914−1〜914−4に対して独立に補正を加えるようにしてもよい。
また、ロジック回路912はエンコーダ910の出力を適切に変換して記録媒体の位置パルス913を生成し、各印刷装置はこの位置パルス913に同期して印刷動作を行う。ここで、位置パルスの分解能は適宜のものであってよく、例えば複数の印刷ライン(行)分に設定されるものでもよい。
なお、媒体搬送装置117における記録媒体の搬送部の構成としては、図2に示したような固定のメディアステージ202を具えたものに限られない。例えば、印刷位置に対する媒体搬送方向の上流側および下流側に配された一対のドラムに架け渡された無端の搬送ベルトを具え、その搬送ベルト上に記録媒体を担持しつつ、ドラムの回転に伴う搬送ベルトの走行によって記録媒体の搬送を行うものでもよい。また記録媒体206はカット紙状、あるいはロール紙等連続紙、いずれも搬送可能である。
1−6.プリンタ複合システムへの信号系(図8)
図8は情報処理装置100、および媒体搬送装置117とプリンタ複合システムを構成する印刷装置116−1〜116−10との送受信信号の一例である。なお、この図においては、上流側印刷装置群200Uに含まれる印刷装置116−1〜116−5に対する信号路を詳細に示し、下流側印刷装置群200Dに対する信号路は簡略化して示してある。
印刷装置116−1〜116−10のそれぞれに接続される信号系としては大きく2系統ある。一方は情報処理装置100から供給される分割画像データ(動作開始および終了コマンド等を含む)の伝達に係るもの、他方は媒体搬送装置117から供給される記録タイミングの規定信号(印刷開始信号および位置パルスを含む)の伝達に係るものである。
図8の例では、前者は情報処理装置100と印刷装置116−1〜116−10とを中継するハブ140を具え、このハブ140は情報処理装置100に対しては例えば100BASE−T規格のコネクタ/ケーブル142を介して、印刷装置116−1〜116−10のそれぞれに対しては例えば10BASE−T規格のコネクタ/ケーブル144を介して接続されている。
記録タイミングの規定信号の伝達系統は、図8の例では、転送制御回路150と同期回路160とを有し、これらは図9におけるロジック回路912を構成する回路部として設けられていてもよい。転送制御回路150は、搬送モータ205の軸に備えられたロータリエンコーダ910の出力(ENCODER)と、媒体検知センサ911による記録媒体先端部の検出出力(TOF)とを同期回路160に供給する。
同期回路160には印刷動作許可回路166が設けられ、分割画像データの受信完了を示す各印刷装置116−1〜116−10からの動作準備完了信号PU1-RDY〜PU10-RDYの論理積を取ることで、すべての印刷装置の動作準備が完了した時点(キャップ状態の解除等)で印刷動作を許可する信号PRN-STARTを出力する。また、同期回路160には動作準備完了信号PU1-RDY〜PU5-RDYに関連した表示を行うLED等の表示部167が設けられ、ユーザの目視による印刷装置の動作準備完了の確認に供するようになっている。さらに、同期回路160にはユーザ等が手動で印刷装置を強制的にリセットするためのリセット回路部168および、例えば記録媒体1枚分の記録完了を待って一時停止させるためのおよびポーズ回路部169が付加されている。
また同期回路160は、各印刷装置が同期的な印刷動作を行うための同期信号(Hsync)に該当する位置パルス913(例えば記録媒体の搬送量1インチあたり300個のパルス信号)をエンコーダ出力(ENCODER)から生成する同期信号発生回路部162と、各印刷装置の媒体搬送方向上の位置に応じた遅延信号である印刷指示信号914−1〜914−4を記録媒体先端部検出出力(TOF)から生成する遅延回路164とを有する。
記録媒体搬送方向の最上流側の印刷装置116−1、116−3および116−5の記録動作は、媒体検知センサ911からこれら印刷装置の配設位置までの距離分だけ遅れをもった遅延信号である印刷指示信号(TOF-IN1)914−1の受信をもって開始する。媒体検知センサ911からこれら印刷装置の配設位置までの距離が零であれば、検出出力TOFとほぼ同時に印刷指示信号914−1が供給される。
より下流側に配置された印刷装置116−2および116−4の記録動作は、媒体検知センサ911からこれら印刷装置の配設位置までの距離分だけ遅れをもった遅延信号である印刷指示信号(TOF-IN2)914−2の受信をもって開始する。例えば、媒体検知センサ911からこれら印刷装置までの距離が450mmに設定されており、同期信号(Hsync)である位置パルス913が記録媒体の搬送量1インチ(25.4mm)あたり300パルスであれば、検出出力(TOF)から5315パルス分遅れて印刷指示信号914−2が供給される。
さらに下流側に配置された印刷装置116−6、116−8および116-10の記録動作も同様に、媒体検知センサ911からこれら印刷装置の配設位置までの距離分だけ遅れをもった遅延信号である印刷指示信号(TOF-IN3)914−3の受信をもって開始する。最下流側に配置された印刷装置116−8および116−9の記録動作についても同様に、媒体検知センサ911からこれら印刷装置の配設位置までの距離分だけ遅れをもった遅延信号である印刷指示信号(TOF-IN4)914−4の受信をもって開始する。
なお、印刷装置116−1、116−3および116−5と、印刷装置116−2および116−4と、印刷装置116−6、116−8および116−10と、印刷装置116−7および116−9との搬送方向における配列ピッチは適宜定め得るものである。しかし本実施形態では、これらは等しいピッチで配列されているものとする。
また、上述のように各印刷装置の媒体搬送方向の微小な記録位置を個別に補正するために、あるいは印刷装置を4列に整列させないような場合を考慮して、各々の印刷装置毎に独立して印刷指示信号を供給するようにしてもよい。
さらに、各印刷装置116において記録ヘッド811K〜811Yは搬送方向(Y方向)の異なる位置に配置されているので、印刷指示信号に基いて各記録ヘッドの位置に応じた駆動が行われるのは勿論である。
図8から明らかなように、印刷装置116−1〜116−10のそれぞれは情報処理装置100から分割印刷データの供給を受けるとともに、媒体搬送装置117から供給される記録タイミングの規定信号に応じ、独立して印刷動作を行うものである。つまり、それぞれの印刷装置116−1〜116−10は、信号系に関して完結した印刷装置であって、印刷データの供給や記録タイミングが一の印刷装置を経由して他の印刷装置に伝達されるような構成ではなく、自らが用いる記録ヘッド811Y〜811Kおよび各記録ヘッドに配列されるノズルに対応してそれぞれにデータを整列し、規定のタイミングにてインク吐出動作を行う手段(シフトレジスタやラッチ回路など)を個々に有するものである。すなわち、印刷装置116−1〜116−10はそれぞれ同様のハードウェアを有し、同様のソフトウェアにて動作を行うもので、一の印刷装置の動作が他の印刷装置の動作に直接影響を与えることはないが、全体として一つの画像データを印刷すべく協働するものである。
なお、本例では各印刷装置の記録タイミングの規定信号(印刷開始信号および位置パルスを含む)が媒体搬送装置117から供給される、すなわち各印刷装置は媒体搬送装置117からの指示に応じて印刷データの印刷動作を実行するものとしたが、当該指示は、記録媒体の搬送状態を把握しているのであれば、例えばホスト装置100側から与えられるものでもよい。この場合、ホスト装置100は所要の遅延を行ってデータを各印刷装置に送信するものでもよく、あるいは所要の遅延時間に見合ったNullデータを付加して送信するものでもよい。
1−7.画像形成システムの基本動作およびその効果(図9〜図13)
図9は、情報処理装置100と、プリンタ複合システム400を構成する印刷装置116、および媒体搬送装置117との相互の動作手順を示す。
印刷実行のため情報処理装置100上で各印刷装置への分割画像データ(XおよびY方向に分割された画像データ)を作成し(ステップS1001)、送信を行う。印刷装置116ではそのデータを受信したら記録ヘッドのキャッピング状態を解除するとともに、VRAM801へのデータ展開を行う(ステップS1041)。また、すべての印刷装置116−1〜116−10で受信が完了すると、情報処理装置100は媒体搬送装置117に搬送開始コマンドを送信する(ステップS1002)。
これに応じ、媒体搬送装置117ではまずサクションモータ908を駆動し(ステップS1061)、記録媒体206をメディアステージ202上に吸着する準備を行う。次に搬送モータ205を駆動して記録媒体206の搬送を開始し(ステップS1062)、その先端を検知(ステップS1063)した後、記録媒体の印刷開始位置が各印刷装置116−1〜116−10に到達すると印刷開始信号914−1〜914−4と、連続的な位置パルス913とを送信開始する(ステップS1064)。上述の通り、印刷開始信号は媒体検知センサ911から各印刷装置までの距離に関係して出力される。
印刷装置116において印刷動作(ステップS1042)が終了すると、印刷終了ステイタスを情報処理装置100に送信し(ステップS1043)、処理を終了する。この際、各記録ヘッド801をキャッピング機構によってキャッピングすることで、ノズル(吐出口)の乾燥や目詰まり等を防ぐようにする。
印刷が完了し、記録媒体206がメディアステージ202上から排出されると(ステップS1065)、媒体搬送装置117は情報処理装置100へ搬送終了ステイタスを送信し(ステップS1066)、次にサクションモータ908および搬送モータ205をそれぞれ停止して(ステップS1067、S1068)、動作を終了する。
図10は、図2の領域AおよびBの境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。ここで、一点鎖線で囲んだ811−1および811−6は、それぞれ、領域Aの印刷に関与する印刷装置116−1および116−6に配設される記録ヘッドを表し、その内部の円は、その記録ヘッドに配列されるノズル、ないしはそれによって形成されるドットを示している。また、811−2および811−7は、それぞれ、領域Bの印刷に関与する印刷装置116−2および116−7に配設される記録ヘッドを表し、その内部の円は記録ヘッドに配列されるノズルないしはそれによって形成されるドットを示している。なお、この図は画像印刷に対する各記録ヘッドの関与の態様を説明するための図であって、記録ヘッドの物理的位置を示すものではない。これは後述する図11〜図13、図17および図18においても同様である。
この図に示すように、記録媒体の搬送方向Yに対して奇数番目(1番目および3番目)のラスタは上流側印刷装置群に含まれる印刷装置116−1および116−2の記録ヘッド811−1および811−2で記録される。また、偶数番目(2番目および4番目)のラスタは下流側印刷装置群に含まれる印刷装置116−6および116−7の記録ヘッド811−6および811−7で、それぞれ記録される。
ここで、記録ヘッド811−1の右端部にあるノズル(領域Bに面するノズル)に不吐出が生じた場合を考える。
図11は、かかる不吐出が生じた場合の、領域AおよびBの境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。上流側または下流側印刷装置群と同様の構成配置を有する印刷装置群を1つのみ具えた画像形成システムにおいては、このような不吐出があると、Y方向に連続する線状の欠損領域が生じ、画像品位の低下が目立ってしまうことになる。しかし本実施形態のシステムでは、上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとで、交互のラスタの記録に関与させることができるため、不吐出による画像への影響は緩和される。
本実施形態は、単色のインクによるドット形成を行う場合だけに有効であるのではない。複数色のインクによって2次色のドット形成を行う場合でも、ある色のインクが吐出されなければそのドットの色味が変化してしまうことがあるので、本実施形態は有効である。
また、本実施形態は、不吐出が生じた場合だけでなく、インク吐出量が規定量より少ないために小径のドットが形成されてしまうような場合にも有効である。
図12は記録ヘッド811−1のインク吐出量が全体的に少なく、小径のドットが形成される場合の模式的拡大図である。このような場合でも、本実施形態のシステムでは、上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとで、交互のラスタの記録に関与させることができるため、画像への影響は緩和される。なお、このように小径のドットが形成される場合だけでなく、インク吐出量が規定量より多いために大径のドットが形成されてしまうような場合に対しても、本実施形態は有効である。
さらに、本実施形態は、インクの吐出方向の偏向(よれ)によってドット形成位置のずれが生じてしまうような場合にも有効である。
図13は記録ヘッド811−1により形成されるドットにずれが生じている場合の模式的拡大図である。このような場合でも、本実施形態のシステムでは、上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとで、交互のラスタの記録に関与させることができるため、画像への影響は緩和される。
1−8.画像形成システムの応用動作およびその効果(図14〜図19)
上述のように、本実施形態の基本動作として、上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと、下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとを交互のラスタの記録に関与させる(第1の設定による2パス記録を行う)ことを基本動作としている。このため、記録の高速化を図りつつも、インクの不吐出、吐出量の変動およびドット形成位置ずれに起因した画像品位の低下を緩和できるという基本的な効果、すなわち特許文献1に記載された印刷装置複合システムを記録媒体搬送方向に並列に配置したことによる効果が得られる。そしてこの効果が期待できる限り、上流側にある印刷装置ないし記録ヘッドと下流側にある印刷装置ないし記録ヘッドとを、1ラスタ毎に切り替えるだけでなく、数ラスタ毎またはランダムに切り替えるようにしてもよい。
しかし、本実施形態は印刷装置の構成配置が同等の印刷装置群を単に2つ具えたことによる基本的な効果にとどまらず、以下に述べるような応用動作を行うことによって、省電力化や、画像形成の高速化、高品質化など、ユーザの様々な要望に応えるものである。
例えば、上述の構成では、上流側印刷装置群または下流側印刷装置群のいずれかを用いた画像形成(第1の設定による1パス記録)を行うことが可能である。この場合、図4の画面を用いた設定に応じて、上流側印刷装置群または下流側印刷装置群のいずれかが固定的に使用されるようにしてもよいし、あるいは所定の記録量毎(例えば1ページ分毎)に切り替えて使用されるようにすることも可能である。2パス記録では、担当するラスタに対する実際のインク吐出動作時外にも電力供給を常時行う必要があるのに対し、1パス記録は省電力化の観点から有利である。しかし単純な1パス記録を行う場合、次のような問題が生じ得る。
図14(a)および(b)は、上流側印刷装置群のみを用いて印刷を行う際の、それぞれ、1ラスタにおけるドットの配置およびドットを形成するためのノズルの駆動タイミングを説明するための説明図である。ここで、円で囲んだ「1」〜「5」の数字は、それぞれ、印刷装置116−1〜116−5の記録ヘッド811に設けられたノズルで形成されるドットに対応している。
記録ヘッド811には多数のノズルが高密度に配列されており、電源の小容量化の観点から、これらを一斉に駆動するのではなく、ある規則性をもって時分割駆動を行うようにしている。図示の例では、各記録ヘッドにおいて図の右端側にあるノズルから順に駆動を行うようにしている。従って、各記録ヘッドにおけるノズルの駆動タイミングが順次ずれて行き、図14(b)に示すように、各記録ヘッドの右端側にあるノズルの駆動タイミングが最も早く、左端側にあるノズルの駆動タイミングが最も遅くなる。
本例の場合、図2に示したように、印刷装置116−1、116−3および116−5は記録媒体搬送方向Yの上流側に位置し、印刷装置116−2および116−4は記録媒体搬送方向Yの上流側に位置している。このため、印刷装置116−3の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングから、印刷装置116−2の記録ヘッドの右端にあるノズルの駆動タイミングまでの時間差t2は小さい(印刷装置116−5と印刷装置116−4との関係も同様)。これに対し、印刷装置116−1の記録ヘッドの右端にあるノズルの駆動タイミングから、印刷装置116−2の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングまでの時間差t1は大きい(印刷装置116−3と印刷装置116−4との関係も同様)。このように駆動タイミングすなわちインク吐出タイミングの時間差が大きくなる境界部では、濃度むらが発生しやすくなってしまう。
図15(a)〜(e)を用いてこの現象を説明する。同図(a)〜(d)は、隣接するドットが時間差を置いたインク滴の吐出により形成される様子を表した模式的断面図である。また、同図(e)は同図(d)に対応した模式的平面図である。
まず、同図(a)は、境界部BSの一方の側にある2つのノズルから吐出されたインク滴B−2およびB−3が記録媒体に着弾する直前の状態を示している。同図(b)は、着弾したこれらのインク滴が面方向(横方向)に広がりながら記録媒体に浸透してゆく一方、境界部BSの他方の側にある2つのノズルから吐出されたインク滴B−4およびB−5が記録媒体に着弾する直前の状態を示している。
同図(c)は、先に着弾したインク滴の浸透が最終段階となる一方、後から着弾したインク滴が記録媒体に浸透してゆく状態を示している。この状態では、先に着弾して浸透し、かつ横方向にも広がったインク滴B−3のドットによって、後に着弾したインク滴B−4は深さ方向への浸透が阻害され、横方向に広がり始める。
同図(d)および(e)は、それぞれ、後から着弾したインク滴の浸透も完了した状態を示す模式的断面図および模式的平面図である。この状態では、インク滴B−4のドットは深さ方向への浸透が阻害され、横方向に広がっている。このような広がりが生じると、記録媒体上では部分的にインクないしその色材の密度が高くなる。すなわち、境界部BSにおいて画像濃度が高まり、これが記録媒体搬送方向(図15(e)の上下方向)に連続することで、すじ状の濃度むらが発生してしまうのである。そしてこれは、隣接するドットが形成される時間差が大きいほど、先に着弾したインク滴の浸透および横方向の広がりが進んでいることから、顕著となる問題である。
従って、図14に示したように、1パス記録を行う場合に上流側印刷装置群または下流側印刷装置群のいずれかのみを用いるようにすると、左右でドット形成の時間差が大きい、すなわち濃度が高くなる境界部が2つ存在することになってしまうのである。
そこで本実施形態では、一応用動作として、1パス記録を行う場合に上流側印刷装置群および下流側印刷装置群から適切に印刷装置を選択する第2の設定を行うことで、濃度が高くなる境界部が極力存在しなくなるようにする。
図16(a)および(b)は、この応用動作を適用する際の、それぞれ、1ラスタにおけるドットの配置およびドットを形成するためのノズルの駆動タイミングを説明するための説明図である。ここで、円で囲んだ「6」、「7」、「8」、「4」および「5」の数字は、それぞれ、印刷装置116−6、116−7、116−8、116−4および116−5の記録ヘッド811に設けられたノズルで形成されるドットに対応している。すなわち、本例では、1パス記録時に、上流側印刷装置群から印刷装置116−4および116−5を、下流側印刷装置群から印刷装置116−6〜116−8を選択して使用している。ノズルの駆動条件は図14と同等である。
本例の場合、記録に使用する印刷装置116−5と、印刷装置116−4と、印刷装置116−6および116−8と、印刷装置116−7とは、等しいピッチpで配列されている(図2参照)。このため、
・印刷装置116−5の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングから印刷装置116−4の右端にあるノズルの駆動タイミングまでの時間差、
・印刷装置116−4の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングから印刷装置116−8の右端にあるノズルの駆動タイミングまでの時間差、および
・印刷装置116−8の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングから印刷装置116−7の右端にあるノズルの駆動タイミングまでの時間差、
は小さく、t2に等しくなる。比較的大きな時間差t1が生じるのは、印刷装置116−6の記録ヘッドの右端にあるノズルの駆動タイミングから、印刷装置116−7の記録ヘッドの左端にあるノズルの駆動タイミングまでだけである。
従って、領域A〜Eの全体にわたるような画像の形成を行う場合でも、比較的大きな時間差t1が生じる境界部は1つだけとなり、図14の場合よりも画像品位の低下を抑制できることになる。また、例えば4領域分、もしくは3領域分にわたる画像の形成を行う場合では、印刷装置116−5、116−4、116−8および116−7、もしくは印刷装置116−5、116−4および116−8を選択して使用することで、大きな時間差が生じる境界部を無くすことが可能となる。
なお、本応用動作の効果には搬送方向における印刷装置の配列ピッチが関与するが、時間差t2<t1の関係を満たすようにピッチが定められていればよく、本例のように配列ピッチが等しければ確実に効果的である。
また、上述のような印刷装置の選択は、1パス記録が選択された場合に自動的に行われるものでもよいし、あるいは、図4の「オプション」欄305をクリックすることで、領域毎に上記のような印刷装置の選択設定を行うことができるようにしてもよい。
さらに、そのような選択設定に応じ、図5の手順においては、各印刷装置ないし記録ヘッドが担当する印刷を行うための分割画像データを生成する処理が行われる。
以上のような1ラスタの記録に関与する印刷装置の組み合わせの変更すなわち第2の設定は、2パス記録を行う際にも適用できる。
図11について上述したように、本実施形態の基本動作によれば、例えば印刷装置116−1に含まれる記録ヘッド811の右端部にあるノズル(領域Bに面するノズル)に不吐出が生じた場合でも、これによる画像への影響は緩和される。しかしながら、印刷装置116−2に含まれる記録ヘッド811−2の左端部にあるノズルにも不吐出が生じていたような場合、図17に示すように、境界部では2ドット分が空いてしまい、画像品位の低下が目立つことがあり得る。
そのような場合には、ラスタの記録に協働する印刷装置の組合せを変えること、すなわち、例えば図18に示すように、印刷装置116−1および116−7に含まれる記録ヘッド811−1および811−7同士が対になり、印刷装置116−6および116−2に含まれる記録ヘッド811−2および811−6同士が対になるように組合せを変えることで、画像劣化を目立ちにくくすることができる。これは、図12に示したような吐出量の変動や、図13に示したようなドット形成位置のずれが生じるような場合に対しても同様に有効である。
印刷装置の組み合わせの変更は、例えば図4における「オプション」欄305のクリックによって行われるようにすることができる。
図19はこれによって起動される担当表示欄304に対する設定処理の例を示す。各印刷装置(#1〜#10)に対応して表示されるボタン307をクリックしてプルダウンメニュー308を表示することで、印刷装置の奇数ラスタおよび偶数ラスタの担当を変更することができる。そして、そのような変更設定に応じ、図5の手順においては、各印刷装置ないし記録ヘッドが担当する印刷を行うための分割画像データを生成する処理が行われる。
以上のように、本実施形態は、上流側印刷装置群および下流側印刷装置群を図2のように配置したことによる基本的動作に伴う効果のみならず、ラスタの記録に係る印刷装置ないし記録ヘッドを図2のような配置において選択設定可能とし、各印刷装置ないし記録ヘッドに対する画像データの振り分けをフレキシブルに行うことができる。従って、種々の条件に応じて画像品位の低下の影響を受けにくいシステムとすることができる。
2.第2実施形態(図20〜図22)
図20は第2実施形態に係る画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。基本的なシステム構成は第1の実施形態と同様であるが、本例は印刷装置116−1〜116−10内に配置される記録ヘッドが異なっている。
すなわち、上例では、各印刷装置にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出するための記録ヘッド811Y、811M、811Cおよび811Kの4本の記録ヘッドが設けられているものとした。これに対し、本例では、Kインクを吐出するための2本の記録ヘッド811KU,811KDおよびCインクを吐出するための2本の記録ヘッド811CU,811CDを有するものと、Mインクを吐出するための2本の記録ヘッド811MU,811MDおよびYインクを吐出するための2本の記録ヘッド811YU,811YDを有するものとの、2種の印刷装置が設けられている。そして、前者については上流側記録装置群として上述と同様に5台が千鳥状に配置され、後者については上流側記録装置群として5台が千鳥状に配置されている。領域A〜Eのすべてにおいて、搬送方向上流側から記録ヘッド811KU,811KD,811CU,811CD,811MU,811MD,811YU,811YDがこの順で並び、従って色の重なり順も等しい。
各印刷装置において、記録ヘッドは等ピッチ(L1)に配置されているものとする。また、ある印刷装置と、そのすぐ下流側の印刷装置との関係において、前者の最下流側に配置される記録ヘッドと、後者の最上流側にある記録ヘッドとの搬送方向のピッチ(L2)はすべて等しいものとする。
図21は、本実施形態に係る画像形成システムを用いて形成される画像の図20の領域AおよびBの境界部分における模式的拡大図である。ここで、一点鎖線で囲んだ811U−1および811D−1は、それぞれ、領域Aの印刷に関与する印刷装置116−1において上流側および下流側に位置する記録ヘッド(例えばKインクの記録ヘッド)を表し、その内部の円は、それらの記録ヘッドに配列されるノズルによって形成されるドットを示している。また、811U−2および811D−2は、それぞれ、領域Bの印刷に関与する印刷装置116−2において上流側および下流側に位置する記録ヘッド(例えばKインクの記録ヘッド)を表し、その内部の円は記録ヘッドに配列されるノズルによって形成されるドットを示している。また、円内の数字は、そのドットが形成される順番を示す。なお、この図は画像印刷に対する各記録ヘッドの関与の態様を説明するための図であって、記録ヘッドの物理的位置を示すものではない。これは後述する図22および図23においても同様である。
この図に示すように、記録媒体の搬送方向Yに対して奇数番目(1番目および3番目)のラスタは印刷装置116−1および116−2において上流側に位置する記録ヘッド811U−1および811U−2で記録される。また、偶数番目(2番目および4番目)のラスタは116−1および116−2において下流側に位置する記録ヘッド811D−1および811D−2で記録される。
ここで、図15について説明したように、互いに隣接するドットを形成する場合、インク滴が着弾する時間差が大きいと境界部に濃度むらが発生する。図15は記録媒体幅方向(X方向)についての説明であったが、記録媒体搬送方向(Y方向)でも同様の現象が生じる。
図21において、各領域の隣接ラスタ間の関係、例えば上流側に位置する記録ヘッド811U−1によって1番目に形成されるドットおよび下流側に位置する記録ヘッド811D−1によって3番目に形成されるドット間の関係について考える。印刷装置における記録ヘッドの配設ピッチをL1、記録媒体の搬送速度をVとすれば、それらのドットの形成時に生じる時間差は、T1=L1/Vとなる。また、記録ヘッド811U−1によって1番目にドットが形成されてから、記録ヘッド811U−2によって1番目にドットが形成されるまでに生じる時間差は、T2=(3×L1+L2)/Vである。
これに対し、図22は、第1実施形態に係る画像形成システムを用いて形成される画像の図2の領域AおよびBの境界部分における模式的拡大図である。ここで、一点鎖線で囲んだ811−1および811−6は、それぞれ、領域Aの印刷に関与する印刷装置116−1(上流側)および116−6(下流側)に配設される記録ヘッド(例えばKインクの記録ヘッド)を表し、その内部の円は、それらによって形成されるドットを示している。また、811−2および811−7は、それぞれ、領域Bの印刷に関与する印刷装置116−2(上流側)および116−7(下流側)に配設される記録ヘッド(例えばKインクの記録ヘッド)を表し、その内部の円はそれらによって形成されるドットを示している。ドット形成の順番は円内の数字の通りである。
第1実施形態において、各領域の隣接ラスタ間の関係、例えば上流側印刷装置116−1に配置されたる記録ヘッド811−1によって1番目に形成されるドットおよび下流側印刷装置116−6に配置された記録ヘッド811−6によって5番目に形成されるドット間の関係について考える。第1実施形態の場合、記録ヘッド811−1と記録ヘッド811−6とは、2×(3×L1+L2)の距離だけ離れているので、それらのドットの形成時に生じる時間差は、T1=2×(3×L1+L2)/Vとなる。また、記録ヘッド811−1によって1番目にドットが形成されてから、記録ヘッド811−2によって1番目にドットが形成されるまでに生じる時間差は、第2実施形態と同様、T2=(3×L1+L2)/Vである。
第1実施形態および第2実施形態の比較から明らかなように、隣接ラスタ間で生じるドット形成の時間差は第2実施形態の方が小さくなる。従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の基本的効果が得られることに加え、記録媒体搬送方向に生じる濃度むらを低減できるという効果が得られる。
また本実施形態においても、例えば1パス記録(同色インクについて上流側記録ヘッド811Uまたは下流側記録ヘッド811Dのみを用いる記録)を行う場合に、各領域において使用する記録ヘッドを適宜選択するという、第2の設定による応用動作を行うことができる。例えば、領域A、CおよびEについては下流側にある記録ヘッド811Dを用い、領域BおよびDについては上流側にある記録ヘッド811Uを用いるようにすれば、隣接領域間で生じるドット形成の時間差を小さくすることができるようになる。
さらに、2パス記録(同色インクについて上流側記録ヘッド811Uまたは下流側記録ヘッド811D双方を用いる記録)を行う場合に、ラスタの記録に協働する記録ヘッドの組合せを変えるという、第2の設定による応用動作を行うこともできる。すなわち、例えば印刷装置116−1および116−2の関係において、記録ヘッド811D−1および811U−2同士が対になり、記録ヘッド811U−1および811D−2同士が対になるように組合せを変えることも可能である。
なお、本実施形態に対して、次に述べる第3実施形態のように搬送方向(Y方向)において記録ヘッドの端部同士が重畳するような配置を適用することも可能である。
3.第3実施形態(図23〜図26)
第1および第2実施形態では、印刷装置116−1〜116−5および116−6〜116−10のそれぞれはY方向において重複しない領域を担当する配置構成とした。これに対し、互いに隣接する領域を担当する印刷装置同士の境界部分が重畳するように印刷装置が配置された実施形態について説明する。
図23は第3実施形態に係る画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。基本的なシステム構成は第1の実施形態と同様であるが、隣接領域の境界付近で、搬送方向(Y方向)において記録ヘッド813の端部同士が重畳するよう印刷装置116−1〜116−10が配置される点が異なっている。
かかる重畳配置は、基本的に、印刷装置116−1〜116−5および116−6〜116−10の配置精度に起因した隣接領域間の印刷の抜けを防ぐために行われる。具体的には、例えば領域Aの記録に関与する印刷装置(116−1,116−6)の記録ヘッドと、領域Bの記録に関与する印刷装置(116−2,116−7)の記録ヘッドとが、数ノズル分、互いの領域側に張り出すように配置される。そして、その重畳範囲において領域間の境界を設定し、境界から外れた部分のノズルを不使用ノズルとして印刷には用いないようにする。
このためには、例えば、情報処理装置100が各印刷装置の各色記録ヘッド毎に、使用ノズル範囲に対応した分割画像データを生成し、さらに不使用ノズルに対応してNullデータを付加して、各印刷装置に供給するようにすることができる。あるいは、各印刷装置に対し、各色記録ヘッド毎の使用ノズル範囲に対応した分割画像データを生成・送信するとともに使用ノズル範囲の設定データを送信し、各印刷装置では当該設定データに応じて、使用ノズル範囲からのみ分割画像データに基くインク吐出が行われるようにすることもできる。または、情報処理装置100が各印刷装置の各色記録ヘッド毎に、不使用ノズルも含めたノズル配列範囲に対応する分割画像データを生成・送信するとともに使用ノズル範囲の設定データを送信し、各印刷装置では当該設定データに応じて使用ノズル範囲に対応した画像データを抽出し、使用ノズル範囲からのみ当該抽出画像データに基くインク吐出が行われるようにすることもできる。
図24は本実施形態の重畳配置を説明するための図23における部分BPの模式的拡大図である。この図に示すように、印刷装置116−1の記録ヘッドと印刷装置116−2の記録ヘッド、および印刷装置116−6の記録ヘッドと印刷装置116−2の記録ヘッドは、互いに16ノズル分重畳して配置されている。符号Nは記録ヘッドの配列されるノズルであり、白抜きで示すものが不使用ノズル、ハッチを施して示すものが使用ノズルであり、同色インクの記録ヘッド、例えば印刷装置116−1の記録ヘッド811K−1の最右端の使用ノズルと、印刷装置116−2の記録ヘッド811K−2の最左端の使用ノズルとの間が境界となる。そしてこの図に示すように、本実施形態では、インク色毎に異なる境界が設定されるとともに、同色インクの記録ヘッドの関係でも、上流側印刷装置に含まれる記録ヘッドと下流側印刷装置に含まれる記録ヘッドとでも異なる境界が設定されるようにしている。
図25は図24の記録ヘッドの配置によって形成される画像の一例であり、奇数番目のラスタを上流側印刷装置に含まれる記録ヘッドによって、偶数番目のラスタを下流側印刷装置に含まれる記録ヘッドによって形成したドット群を示している。また、1ラスタ目および2ラスタ目はKインクのドットが、3ラスタ目および4ラスタ目はCインクのドットが、5ラスタ目および6ラスタ目はMインクのドットが、7ラスタ目および8ラスタ目はYインクのドットがそれぞれ連続して形成されたものである。
H1は記録ヘッド811K−1の最右端の使用ノズルと記録ヘッド811K−2の最左端の使用ノズルとの間の境界、H2は記録ヘッド811K−6の最右端の使用ノズルと記録ヘッド811K−7の最左端の使用ノズルとの間の境界となる。同様に、H3およびH4は、それぞれ、記録ヘッド811C−1および811C−2のそれぞれの最右端の使用ノズルと、記録ヘッド811C−6および811C−7のそれぞれの最左端の使用ノズルとの間の境界である。また、H5およびH6は、それぞれ、記録ヘッド811M−1および811M−2のそれぞれの最右端の使用ノズルと、記録ヘッド811M−6および811M−7のそれぞれの最左端の使用ノズルとの間の境界である。さらに、H7およびH8は、それぞれ、記録ヘッド811Y−1および811Y−2のそれぞれの最右端の使用ノズルと、記録ヘッド811Y−6および811C−7のそれぞれの最左端の使用ノズルとの間の境界である。
図15について上述したように、境界の左側のドットと右側のドットとでは形成タイミングに時間差が生じるために、この部分で濃度むらが発生しやすい。ここで、全色について画一的な境界を定めてしまうと、時間差に起因した境界部の濃度むらが画一的な境界に沿って顕れ、搬送方向に延在するすじ状のむらとなって視認されてしまう。
これに対し、本実施形態では、インク色毎に異なる境界が設定されるとともに、同色インクの記録ヘッドの関係でも、上流側印刷装置に含まれる記録ヘッドと下流側印刷装置に含まれる記録ヘッドとでも異なる境界が設定されるようにしている。このため、境界(H1〜H8)の位置は記録媒体搬送方向に連続せず、記録媒体幅方向に分散したものとなる。従って、すじ状のむらの発生を緩和できることになる。
なお、図25の例では、各ラスタ毎に1次色であるK、C、MまたはYのドットが形成されるものとして説明したが、混色によって2次色であるR,G,B等のドットを形成する場合においても、境界が分散するのは同様であり、すじ状のむらが視認されにくいものとなるのは勿論である。
また本実施形態においても、第1実施形態と同様、例えば1パス記録を行う場合に、各領域において使用する印刷装置を適宜選択するという、第2の設定による応用動作を行うことができる。
また、2パス記録を行う場合に、ラスタの記録に協働する印刷装置の組合せを変えるという、第2の設定による応用動作を行うこともできる。この場合、例えば記録ヘッド811K−1と811K−7との関係、および記録ヘッド811K−6と811K−2との関係で、使用ノズルまたは不使用ノズル同士の重畳が生じないよう、上記と同様の境界設定を行うことができる。ここで、本実施形態の場合、隣接領域の境界付近で搬送方向(Y方向)において記録ヘッドの端部同士が重畳するように配置されていることから、図11または図17のような不吐出が生じても、ノズルの使用/不使用を適宜変更設定することで対応可能である。しかし、例えば図12に示したような吐出量の変動が本来の組合わせ対象の記録ヘッド同士(例えば記録ヘッド811K−1と811K−2)で生じていたような場合を考慮し、組合せを変更可能とすることは好ましいことである。
加えて、第3実施形態では、隣接する領域の記録に関与する印刷装置ないしその記録ヘッドの重畳範囲を16ノズル分としたが、その範囲の大きさは適宜定め得るものであり、また一律でなくてもよい。また、上述のようにすじ状のむらを視認しにくくするという目的に適うものであれば、境界の分散の態様は図25に示したものに限られず、例えば一部が重複するものであってもよい。
さらに、図26に示すように、上流側印刷装置群と下流側印刷装置群とを、記録媒体の幅方向にずらして配置してもよい。ここで、BU1、BU2、BU3およびBU4は、それぞれ、印刷装置116−1と116−2との間、印刷装置116−2と116−3との間、印刷装置116−3と116−4との間、および印刷装置116−4と116−5との間の重畳範囲を簡略的に示すものである。また、BD1、BD2、BD3およびBD4は、それぞれ、印刷装置116−6と116−7との間、印刷装置116−7と116−8との間、印刷装置116−8と116−9との間、および印刷装置116−9と116−10との間の重畳範囲をそれぞれ簡略的に示す。
このように、図26の配置では、上流側印刷装置群における印刷装置間の重畳範囲(例えばBU1)と、下流側印刷装置群における印刷装置間の重畳範囲(例えばBD1)とは一致していない。つまり、図23に示した配置に比べ、境界をさらに分散させることが可能となり、すじ状のむらを一層視認しにくくすることができる。
なお、図26の配置では、2パス記録においてラスタの記録に協働する印刷装置ないし記録ヘッドの組み合わせの変更はできないが、印刷装置116−6、116−7、116−8、116−4および116−5を用いた1パス記録は可能である。
4.その他
なお、本発明は、上述した各実施形態に限られることなく、種々の変形が可能である。
例えば、ラスタの記録に協働する記録ヘッドの組み合わせは、各色毎に変更設定可能としてもよい。また、印刷に用いるインク色調(色および濃度を含む)についても、適宜の種類数とすることが可能である。
さらに、上述の実施形態では、上流側および下流側印刷装置群について、それぞれ5台の印刷装置を千鳥状に配置した構成について説明したが、印刷装置の台数は適宜定め得るものである。また、印刷装置群の数についても適宜定め得るものであり、例えば搬送方向の上流、中流および下流にそれぞれ配置することも可能である。
加えて、本発明情報処理方法をコンピュータを含む情報処理装置100で実施する場合の処理は、アプリケーションソフトウエアやプリンタドライバなどの制御プログラムによって実現される。すなわち、ソフトウェアまたはプリンタドライバのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを実行することによって達成される。
この場合、プログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになる。従って、そのプログラムコード自体、および通信や記憶媒体などによりプログラムコードをコンピュータに供給し、コンピュータに格納されたプログラムコードによって作動させるようにする手段も、本発明の範囲に含まれる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスクやCD−ROMのほか、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、読出したプログラムコードをコンピュータが実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合だけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれるものでもよい。そしてその後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概要を示すブロック図である。 図1の画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。 図1の画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの一部(上流側印刷装置群)の模式的斜視図である。 情報処理装置に接続されている各印刷装置が1ページの画像のどの部分を担当するかの設定を行うための設定画面の一例を示す図である。 プリンタドライバにより印刷実行が指示されたときに起動される情報処理装置の動作シーケンスの一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る印刷装置における制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る媒体搬送装置における制御系の構成例を示すブロック図である。 プリンタ複合システムを構成する複数の印刷装置に対する信号系の構成例を示すブロック図である。 画像形成システムにおける情報処理装置と、プリンタ複合システムの印刷装置と、媒体搬送装置との相互に関連した動作手順を示すフローチャートである。 図2の印刷装置の配置によって印刷される隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 印刷装置に配設される1つの記録ヘッドの端部のノズルに不吐出が生じた場合の隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 印刷装置に配設される1つの記録ヘッドのノズルに吐出量の変動が生じた場合の隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 印刷装置に配設される1つの記録ヘッドのノズルに吐出方向の偏向が生じた場合の隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 (a)および(b)は、図2印刷装置の配置において上流側印刷装置群のみを用いて印刷を行う際の、それぞれ、1ラスタにおけるドットの配置およびドットを形成するためのノズルの駆動タイミングを説明するための説明図である。 (a)〜(e)は、インク吐出タイミングの時間差に起因して濃度むらが発生する現象を説明するための説明図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態において応用動作を適用する際の、それぞれ、1ラスタにおけるドットの配置およびドットを形成するためのノズルの駆動タイミングを説明するための説明図である。 1ラスタの記録に協働する2つの記録ヘッドの端部のノズルに不吐出が生じた場合に、隣接2領域の境界部分において生じる画像劣化を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態において応用動作を適用した場合に、図17の画像劣化が緩和される状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態において応用動作を適用するために表示される設定画面の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。 図20の印刷装置の配置によって印刷される隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 図2の印刷装置の配置によって印刷される隣接2領域の境界部分における印刷画像の模式的拡大図である。 本発明の第3実施形態に係る画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。 第3実施形態におけるノズルの重畳配置を説明するために、図23の一部を拡大して示す模式的図である。 隣接領域間に生じるすじ状のむらが第3実施形態によって間合わされることを説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る画像形成システムにおけるプリンタ複合システムの模式的上面図である。
符号の説明
1 インクタンク
100 情報処理装置
116−1〜116−10 印刷装置
117 プリンタ複合システム
200 画像形成装置
400 媒体搬送装置
811、811Y、811C、811M、811K 記録ヘッド

Claims (11)

  1. 所定方向にノズルを配列してなる記録ヘッドを保持し、前記所定方向に延在するラスタに対し協働して記録を行うために前記所定方向および記録媒体の搬送方向に広がりをもって配置された複数の印刷装置からなる印刷装置群を用いる画像形成システムにおいて、
    前記印刷装置群が前記搬送方向に少なくとも2つ配置されるとともに、
    当該少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置を具え、
    該情報処理装置は、同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記記録ヘッドは、複数の色調に対応して前記印刷装置毎に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  3. それぞれの前記印刷装置群において前記複数の印刷装置は前記記録ヘッドの端部同士が前記搬送方向に関して重畳するように配置され、
    当該重畳する範囲において前記所定方向に画像を分割するための境界が設定され、前記配列されたノズルのうち前記境界の外にあるノズルが不使用となるようにするとともに、
    前記第1および第2の設定に応じて、前記ラスタの記録に協働する印刷装置間の関係において前記境界が設定されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  4. 前記記録ヘッドは複数の色調に対応して前記印刷装置毎に複数設けられ、前記色調毎に異なる境界が設定されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
  5. 同一色調に対応し、所定方向にノズルを配列してなる少なくとも2つの記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に並列に保持し、前記所定方向に延在するラスタに対し協働して記録を行うために前記所定方向および記録媒体の搬送方向に広がりをもって配置された複数の印刷装置を用いる画像形成システムにおいて、
    前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置を具え、
    該情報処理装置は、前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする画像形成システム。
  6. 請求項1に記載の画像形成システムに用いられ、前記少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置であって、
    同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする情報処理装置。
  7. 請求項5に記載の画像形成システムに用いられ、前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理装置であって、
    前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする情報処理装置。
  8. 請求項1に記載の画像形成システムに用いられ、前記少なくとも2つの印刷装置群における前記印刷装置の前記所定方向および前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理方法であって、
    同じ前記印刷装置群に含まれる前記複数の印刷装置が同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    一の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置が、これと前記所定方向上の位置が異なる、他の前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置と同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする情報処理方法。
  9. 請求項5に記載の画像形成システムに用いられ、前記印刷装置の前記所定方向の位置および前記前記印刷装置に配置される前記少なくとも2つの記録ヘッドの前記搬送方向の位置に対応して分割した分割画像データを生成し、当該生成された分割画像データをそれぞれ対応する前記印刷装置へ転送するための情報処理方法であって、
    前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応する位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第1の設定と、
    前記複数の印刷装置の前記搬送方向上の対応しない位置に配置された前記記録ヘッドが同じラスタの記録に協働するよう、前記分割画像データの生成を行わせるための第2の設定とが可能であることを特徴とする情報処理方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
  11. 請求項8または請求項9に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを記憶した記憶媒体。
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