JP5324525B2 - 化合物半導体エピタキシャル基板 - Google Patents

化合物半導体エピタキシャル基板 Download PDF

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本発明は、化合物半導体エピタキシャル基板に関し、特に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造用として好適な化合物半導体エピタキシャル基板に関するものである。
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(以下、HBTと称することがある)は、エミッタ注入効率を高めるため、エミッタ層にベース層よりもバンドギャップの大きい物質を用いてエミッタ−ベース接合をヘテロ接合としたバイポーラトランジスタであり、マイクロ波帯以上の周波数領域で使用する半導体素子として好適である。
例えばGaAs系HBTの場合、一般には半絶縁性GaAs基板上に有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いてn+ −GaAs層(サブコレクタ層)、n−GaAs層(コレクタ層)、p−GaAs層(ベース層)、n−AlGaAs層あるいはn−InGaP層(エミッタ層)、n−GaAs層(サブエミッタ層)を次々に結晶成長させることにより、エミッタ−ベース接合であるpn接合がヘテロ接合の構造となっている化合物半導体エピタキシャル基板を形成し、これを用いてHBTが製造されている。このほか、InP基板を用いたHBT用の化合物半導体エピタキシャル基板も広く用いられている。
図3は、従来における一般的なGaAs系HBTの構造を模式的に示す図である。HBT100は、半絶縁性のGaAs基板101上にn+ −GaAsから成るサブコレクタ層102、n−GaAsから成るコレクタ層103、p−GaAsから成るベース層104、n−InGaPあるいはn−AlGaAsから成るエミッタ層105及びn+ −GaAsから成るサブエミッタ層106、n+ −InGaAsから成るエミッタコンタクト層107がこの順序でMOCVD法等の適宜の気相成長法を用いて半導体薄膜結晶層として形成されている。サブコレクタ層102上にはコレクタ電極108が、ベース層104上にはベース電極109が、そしてエミッタコンタクト層107上にはエミッタ電極110がそれぞれ形成された構造となっている。
このように形成されるHBTにあっては、その電流増幅率βは、β=Ic/Ib=(In−Ir)/(Ip+Is+Ir)で表される。ここで、Icはコレクタ電流、Ibはベース電流を示し、Inはエミッタからベースへの電子注入電流、Ipはベースからエミッタへの正孔注入電流、Isはエミッタ/ベース界面再結合電流、Irはベース内での再結合電流を示す。
したがって、電流増幅率βを大きくするには、上式より、ベース内での再結合電流Irを低減させる必要がある。ベース内での再結合電流は、ベース層の結晶性により大きく影響されるが、それ以外にも、サブコレクタ層の結晶性、さらには、成長に使用する基板の結晶性によっても大きく影響を受け、これらの結晶性が低下するにつれ電流増幅率βも低下してしまう。
このため、基板の転位密度によって基板上に形成されるHBT機能層の電流増幅率βが影響を受けることとなり、同一の製造プロセスを適用しても使用する基板種によってHBTの電気的特性にばらつきを生じさせるという問題が生じる。この問題を解決するため、従来、基板上にバッファ層を設ける方法が提案されている。例えばGaAs系の基板の場合、GaAsやAlGaAs、あるいはGaAs/AlGaAs超格子構造をバッファ層内に設け、これにより基板内に存在する欠陥が基板上に形成されるエピタキシャル層に伝播するのを防ぐようにした構成が提案されている。
特開2000−315692号公報 特開2002−280545号公報
しかし、上述した超格子構造をバッファ層に設ける構成では基板内の欠陥がその上に形成されるエピタキシャル層に伝播するのを十分に抑制することができないためか、使用する基板の種類によって電流増幅率特性がなおばらつくことから、基板のロットによる振れ、結晶性等に依存せず製造上安定した電気的特性を得ることができる化合物半導体エピタキシャル基板が望まれている。また、基板内の欠陥に影響されずに電流増幅率特性の良好なデバイスを製造できるようにすることも望まれている。
本発明の目的は、従来技術における上述の問題点を解決することができるようにした化合物半導体エピタキシャル基板を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板上に、バッファ層、サブコレクタ層、コレクタ層、ベース層、エミッタ層が形成されている化合物半導体エピタキシャル基板において、基板とサブコレクタ層との間に酸素を含む層を設け、酸素を含む層により基板に存在する欠陥の伝播を抑制するようにしたもので、HBTの電流増幅率特性のばらつきを改善し得、該特性を向上することが可能となる。また、基板種に依存しない安定したデバイス特性を得ることができる化合物半導体エピタキシャル基板を提供できる。
請求項1の発明によれば、基板上に、サブコレクタ層、コレクタ層、ベース層、エミッタ層、コンタクト層がこの順序で形成されている化合物半導体エピタキシャル基板において、前記基板と前記サブコレクタ層との間に酸素を含む層を有することを特徴とする化合物半導体エピタキシャル基板が提案される。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記酸素を含む層が、Alx Ga1-x As (0≦x≦1)層である化合物半導体エピタキシャル基板が提案される。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、前記酸素を含む層の酸素濃度が1×1016cm-3以上である化合物半導体エピタキシャル基板が提案される。
本発明によれば、上述の如く、基板とサブコレクタ層の間に酸素を含む層を形成することにより、基板に存在する欠陥伝播を抑制し、基板種類に依存せず、良好かつ安定したHBT特性を得ることができる。また、欠陥伝播の抑制によりその電流増幅率を大きくすることができる。
本発明による化合物半導体エピタキシャル基板の一実施形態を模式的に示す層構造図。 図1に示した化合物半導体エピタキシャル基板を製造するのに使用される気相成長半導体製造装置の要部を概略的に示す図。 従来における一般的なGaAs系HBTの層構造を模式的に示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
図1は、本発明による実施の形態の一例を模式的に示す層構造図であり、ここでは、GaAs系HBTの製造に用いるHBT用薄膜結晶ウエーハとして用いられる化合物半導体エピタキシャル基板が示されている。
図1に示した化合物半導体エピタキシャル基板1の構造は次の通りである。化合物半導体エピタキシャル基板1は半絶縁性のGaAs単結晶から成るGaAs基板2上にMOCVD法を用いて複数の半導体薄膜結晶成長層を次々と積層させて構成されたものである。なお、本発明による化合物半導体エピタキシャル基板を作製するための方法は、本実施の形態で用いたMOCVD法に限定されるものではなく、液相エピタキシャル成長法、分子線エピタキシャル法、化学ビームエピタキシャル法、原子層エピタキシャル法等を用いることができる。
GaAs基板2の上には、酸素を含むバッファ層3が形成されている。バッファ層3は、一般式Alx Ga 1-xAs(0≦x≦1)で示される化合物半導体単結晶層としてMOCVD法により形成されている。本実施の形態では、バッファ層3のAl組成値は0.3である。そしてバッファ層3の酸素濃度は原子濃度で約1×1019cm-3である。バッファ層3への酸素のドーピング方法は、どのような方法であってもよい。例えば、水素や不活性ガスによって希釈された酸素ガスをバッファ層3の成膜時に反応炉内に供給する方法、あるいはその成長前に予めオゾン処理によってGaAs基板2上に酸化膜を形成した後にバッファ層3を成長させる方法を用いてもよい。また、酸素のドーピング原料としては、酸素ガスの他に、例えばエーテル類、窒素酸化物、アルコール類、二酸化炭素、一酸化炭素等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、酸素を結晶中に取り込むことが可能な酸素をもつ物質ならば使用できる。
酸素を含むAlGaAs層としてのバッファ層3の上に形成されているHBT機能層4は、該バッファ層3の上に、サブコレクタ層41として働くn+ −GaAs層及びコレクタ層42として働くn- −GaAs層が、順次化合物半導体エピタキシャル成長結晶層として所定の厚さに形成されている。そして、コレクタ層42の上にベース層43として働くp+ −GaAs層が同じく化合物半導体エピタキシャル成長結晶層として形成されている。ベース層43の上にはエミッタ層44として働くn−InGaP層が、エミッタ層44の上にはn+ −GaAs層がサブエミッタ層として、n+ −GaAs層及びn+ −InGaAs層がそれぞれエミッタコンタクト層46、47として形成されている。なお、酸素を含むAlGaAs層のみがバッファ層である必要はなく、例えばGaAs基板2とサブコレクタ層41との間に複数のバッファ層が形成されている場合は、複数の層中、酸素を含むGaAs層、酸素を含むAlGaAs層、酸素がプレーナ添加された層等が少なくとも1層形成されていればよい。
上述した各層をMOCVD法によるエピタキシャル成長半導体薄膜結晶層として形成するための方法について詳しく説明する。
図2には、図1に示した化合物半導体エピタキシャル基板1をMOCVD法により製造するのに使用される気相成長半導体製造装置10の要部が概略的に示されている。気相成長半導体製造装置10は、図示しない原料供給系統からの原料ガスが原料供給ライン11を介して供給される反応器12を備え、反応器12内にはGaAs基板2を載せて加熱するためのサセプタ13が設けられている。本実施の形態では、サセプタ13は多角柱体でその表面にはGaAs基板2が複数枚取り付けられており、サセプタ13は回転装置14によって回転できる公知の構成となっている。サセプタ13内部には、符号15で示されるサセプタ13を加熱するための赤外線ランプが備えられている。赤外線ランプ15に加
熱用電源16から加熱用の電流を流すことによりGaAs基板2を所要の成長温度に加熱することができる。この加熱により、原料供給ライン11を介して反応器12に供給される原料ガスがGaAs基板2上で熱分解し、GaAs基板2上に所望の化合物半導体薄膜結晶を気相成長させることができるようになっている。使用済みのガスは排気ポート12Aより外部に排出され、排ガス処理装置へ送られる。
ここで、GaAs基板として用いられるのは半絶縁性GaAs単結晶基板であり、LEC(Liquid Encapsulated Czochralski ) 法、VB(Vertical Bridgeman)法、VGF(Vertical Gradient Freezing)法等で製造されたGaAs基板が好適である。いずれの方法で製造された場合であっても、1つの結晶学的面方位から0.05°乃至10°程度の傾きをもった基板を用意するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
上述の如く用意したGaAs単結晶基板の表面を、脱脂洗浄、エッチング、水洗、乾燥処理した後、このGaAs単結晶基板を反応器12内のサセプタ13上にGaAs基板2として載せる。そして、反応炉12内を高純度水素で充分置換した後加熱を開始する。適度な温度に安定したところで、キャリアガスとして水素を用い、5族原料としてアルシン、3族原料として、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、酸素原料としてエーテルを用い、640℃で酸素を添加したAlGaAs層をGaAs基板2上に30nm成長させてバッファ層3を形成する。
そして、酸素を添加したバッファ層3上にサブコレクタ層41、コレクタ層42を640℃の成長温度で成長させる。さらに、コレクタ層42上に、ベース層43、エミッタ層44、サブエミッタ層45を620℃の成長温度で成長させ、サブエミッタ層45上にエミッタコンタクト層46、47を形成する。
化合物半導体エピタキシャル基板1において、GaAs基板2とサブコレクタ層41との間に、酸素を含むAlGaAs層であるバッファ層3を酸素を含む層として設けたので、GaAs基板2上に各化合物半導体単結晶薄膜層をMOCVD法を用いて順次積層する場合に、GaAs基板2内に存在する転位等の欠陥がサブコレクタ層41に伝播するのが酸素を含む層であるバッファ層3により有効に抑えられる。
バッファ層3に含まれる酸素によりGaAs基板2中の欠陥の伝播が抑制される理由は次の通りであると考えられる。酸素は電子親和力が大きいので電気的にトラップを引き付けるので、バッファ層3の成長時にGaAs基板2から受け継がれた転位等の欠陥が拡散されるのを有効に抑えることができる。また、酸素はイオン半径が小さいので、これにより酸素を含む層では酸素のまわりに局所歪が生じ、欠陥をトラップしやすいので、バッファ層3の成長時にGaAs基板2から受け継がれた転位等の欠陥が拡散されるのを有効に抑えることができる。
この結果、バッファ層3内においてGaAs基板2から受け継がれた欠陥の多くはバッファ層3内で終端してしまい、HBT機能層4の形成時にGaAs基板2内の欠陥の影響を極めて小さくすることができ、ベース層43の結晶性を著しく良好なものとすることができる。この結果、ベース層内での再結合電流を小さくすることができ、酸素を含まない従来のバッファ層を用いた場合と比べ、HBTの電流増幅率の振れの大幅改善を図ることができ、該特性を向上し得る。また、GaAs基板2内に転位等の欠陥があってもこれがHBT機能層4内に受け継がれるのを阻止できるので、GaAs基板2の基板種に依存しない良好かつ安定なデバイス特性を実現でき、歩留りの向上にも役立つ。
上記実施の形態では、化合物半導体エピタキシャル基板1をMOCVD法によって作製する場合について説明したが、本発明はこの方法による場合に限定されるものではなく、
他の適宜の方法を用いることもできる。例えば、分子線エピタキシー法(MBE法)等の各種気相成長法を用いることもできる。また、バッファ層3の形成時にAlGaAsに酸素を添加するための原料としてエーテルを用いたが酸素添加原料はエーテルに限定されず、この他、酸素を結晶に取り込むことができる原料であれば、前述した他の原料でもよく、それらを単独あるいは併用して使用することができる。また、従来では、GaAs基板をエッチングすることにより自然酸化膜を除去した後これを使用していたが、本発明においては、エッチングすること無く、故意に自然酸化膜を酸素原として用い、バッファ層3内に酸素を取り込むこともできる。
ここで、バッファ層3のAlx Ga1-x As (0≦x≦1)のAl組成値xは大きい程酸素を取り込む量が増大するので、Al組成値を大きくする程GaAs基板2の欠陥の影響を低減させることができ、ベース層43の結晶性を良好なものとすることができる。しかし、Al組成値が大きすぎると、AlGaAsが酸化されやすく不安定になる。したがって、Al組成値xは0.1<x<0.8の範囲が望ましく、より望ましくは、0.2≦x≦0.7である。
また、本発明においては、GaAs基板の代わりにInP基板を用いることもできる。GaAs基板の代わりにInP基板を使用したHBT用化合物半導体エピタキシャル基板の場合には、Iny Al1-y As (0≦y≦1)層を用いることができる。なかでもInP基板に格子整合するIn0.52Al0.48As層を使用することが好ましい。
そして、Iny Al1-y As層から成るバッファ層に酸素を添加することにより、図1に示した実施の形態の場合と同様の作用、効果を得ることができる。この場合においても、酸素を含むInAlAs層は必ずしもバッファ層である必要はなく、InP基板とその上に形成されるサブコレクタ層との間に適宜の形態で酸素を含む層が形成されていればよい。この場合の酸素濃度等は前記と略同じである。
ここで、バッファ層3の酸素濃度範囲については、通常1×1016cm-3以上、望ましくは、1×1017cm-3以上、より望ましくは、1×1018cm-3以上である。1×1016cm-3未満では、本発明の奏する効果が低下する傾向にある。一方、上限については、酸素が多すぎると、バッファ層3の上に成長するエピタキシャル層の表面状態を悪化させるので、望ましくは、1×1021cm-3以下、より望ましくは、1×1020cm-3以下である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した構造の化合物半導体エピタキシャル基板を次のようにして作製した。欠陥密度が5000個/cm2 のA社製のGaAs基板を用意し、このGaAs基板の上にAl0.3 Ga0.7 Asのバッファ層を30nm成長させた。このとき、酸素供給源としてエーテルを用い、バッファ層の酸素濃度を1×1019cm-3とした。このバッファ層の上にHBT機能層をMOCVD法により形成した。
なお、各層の厚み、In組成等は以下の通りであった。エミッタコンタクト層47はn+ −InGaAs層から成り、In組成が0.5、膜厚が50nm、キャリア濃度が2.0×1019cm-3。エミッタコンタクト層46はn+ −InGaAs層から成り、In組成がサブエミッタ層45の境界では0でエミッタコンタクト層47の境界では0.5となるように連続的に変化しており、膜厚が50nm、キャリア濃度が2.0×1019cm-3
。サブエミッタ層45はn+ −GaAs層から成り、膜厚が100nm、キャリア濃度が3.0×1018cm-3。エミッタ層44はn−InGaP層から成り、In組成が0.48、膜厚が30nm、キャリア濃度が3.0×1017cm-3。ベース層43はp+ −GaAs層から成り、膜厚が80nm、キャリア濃度が4.0×1019cm-3。コレクタ層42はn- −GaAs層から成り、膜厚が700nm、キャリア濃度が5.0×1015cm-3。サブコレクタ層41はn+ −GaAs層から成り、膜厚が500nm、キャリア濃度が3.0×1018cm-3
これにより得られた化合物半導体エピタキシャル基板を用いてHBT素子を製作した。エミッタサイズは100μm×100μmである。このHBT素子の電流増幅率βを測定したところ141であった。ここでは、コレクタ電流1kA/cm2 流したときのコレクタ電流/ベース電流を電流増幅率βとした。
(実施例2)
使用するGaAs基板の欠陥密度が3000〜4000個/cm2 のB社製であることを除き、実施例1の場合と同様にしてHBT素子を作製し、その電流増幅率βを測定したところ141であった。
(実施例3)
使用するGaAs基板の欠陥密度が3000〜4000個/cm2 のC社製であることを除き、実施例1の場合と同様にしてHBT素子を作製し、その電流増幅率βを測定したところ141であった。
(比較例1)
実施例1に用いたGaAs基板と基板種が同一の基板を用い、該基板の上に酸素を含まないAlGaAsから成るバッファ層を30nm成長させ、その上に実施例1の場合と同様にして、HBT機能層を形成した化合物半導体エピタキシャル基板を作製し、HBT素子を作製した。このHBT素子の電流増幅率βを測定したところ128であった。
(比較例2)
実施例2に用いたGaAs基板と基板種が同一の基板を用い、該基板の上に酸素を含まないAlGaAsから成るバッファ層を30nm成長させ、その上に実施例2の場合と同様にして、HBT機能層を形成した化合物半導体エピタキシャル基板を作製し、HBT素子を作製した。このHBT素子の電流増幅率βを測定したところ126であった。
(比較例3)
実施例3に用いたGaAs基板と基板種が同一の基板を用い、該基板の上に酸素を含まないAlGaAsから成るバッファ層を30nm成長させ、その上に実施例3の場合と同様にして、HBT機能層を形成した化合物半導体エピタキシャル基板を作製し、HBT素子を作製した。このHBT素子の電流増幅率βを測定したところ117であった。
実施例1〜3及び比較例1〜3の各結果から、バッファ層が酸素を含まない場合、電流増幅率は低く、また使用する基板によって様々な値となった。このことは、基板の結晶性によってデバイス特性が不安定になることを示している。基板の結晶性はその欠陥密度が最も電流増幅率に影響を及ぼしているものと考えられる。酸素を含む層を形成した場合には、いずれの基板を使用した場合にも、電流増幅率は大きくなり、かつ基板の種類に依存しない結果となった。このことは、酸素を含む層が基板に存在する欠陥がエピタキシャル層に伝播することを抑制する役割を果たしており、その結果ベース層の結晶性が向上し、電流増幅率が大きく改善されたものと考えられる。
以上のように、本発明による化合物半導体エピタキシャル基板は、基板種類に依存せず、良好かつ安定したHBT特性を得ることができ、基板種に依存しない安定したデバイス特性を得ることができる化合物半導体エピタキシャル基板を製造するのに有用である。
1 化合物半導体エピタキシャル基板
2 GaAs基板
3 バッファ層
4 HBT機能層
10 気相成長半導体製造装置
41 サブコレクタ層
42 コレクタ層
43 ベース層
44 エミッタ層
45 サブエミッタ層
46、47 エミッタコンタクト層
100 HBT
101 GaAs基板
102 サブコレクタ層
103 コレクタ層
104 ベース層
105 エミッタ層
106 サブエミッタ層
107 エミッタコンタクト層
108 コレクタ電極
109 ベース電極
110 エミッタ電極

Claims (2)

  1. LEC法、VB法、VGF法のいずれか一つの方法により製造されたGaAs基板上に、サブコレクタ層、コレクタ層、p型GaAsからなるベース層、n型InGaPからなるエミッタ層、コンタクト層がこの順序で形成されている化合物半導体エピタキシャル基板において、前記基板と前記サブコレクタ層との間に酸素を含む層を有し、前記酸素を含む層の酸素濃度が1×10 18 cm -3 以上1×10 20 cm -3 以下であることを特徴とする化合物半導体エピタキシャル基板。
  2. 前記酸素を含む層が、AlGa1−xAs(0≦x≦1)層である請求項1記載の化合物半導体エピタキシャル基板。
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