JPH06124908A - 有機金属気相成長法 - Google Patents
有機金属気相成長法Info
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- JPH06124908A JPH06124908A JP29936692A JP29936692A JPH06124908A JP H06124908 A JPH06124908 A JP H06124908A JP 29936692 A JP29936692 A JP 29936692A JP 29936692 A JP29936692 A JP 29936692A JP H06124908 A JPH06124908 A JP H06124908A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 III −V族化合物半導体のIII 族元素の原料
である1種以上のメチル系有機金属と、V族元素の原料
である水素化物とを含む原料ガスを反応炉内に流し、そ
の流れに略平行に設置した基板面上にIII −V族化合物
半導体エピタキシャル層を成長させる有機金属気相成長
法において、反応炉内を略常圧とし、V族原料とIII 族
原料との供給量比([V族原料]/[III 族原料])を
1以下として原料ガスの熱膨張を考慮しない平均流速を
15cm/秒以上とし、さらに基板面を500℃以下に加熱す
ることを特徴とする有機金属気相成長法。 【効果】 従来設備をそのまま用いて容易に炭素(C)
を高濃度に添加したGaAs等のIII −V族化合物半導
体薄膜が得られるので高品質のHBT等が安価に作製で
きる。
である1種以上のメチル系有機金属と、V族元素の原料
である水素化物とを含む原料ガスを反応炉内に流し、そ
の流れに略平行に設置した基板面上にIII −V族化合物
半導体エピタキシャル層を成長させる有機金属気相成長
法において、反応炉内を略常圧とし、V族原料とIII 族
原料との供給量比([V族原料]/[III 族原料])を
1以下として原料ガスの熱膨張を考慮しない平均流速を
15cm/秒以上とし、さらに基板面を500℃以下に加熱す
ることを特徴とする有機金属気相成長法。 【効果】 従来設備をそのまま用いて容易に炭素(C)
を高濃度に添加したGaAs等のIII −V族化合物半導
体薄膜が得られるので高品質のHBT等が安価に作製で
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速デバイスの作製に用
いるIII −V族化合物半導体薄膜を得るための有機金属
気相成長法に関するものである。
いるIII −V族化合物半導体薄膜を得るための有機金属
気相成長法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在GaAs化合物半導体薄膜を用いた
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)は、電界
効果トランジスタ(FET)や高電子移動度トランジス
タ(HEMT)に続く高速デバイスとして注目されてお
り、研究開発が盛んになされている。
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)は、電界
効果トランジスタ(FET)や高電子移動度トランジス
タ(HEMT)に続く高速デバイスとして注目されてお
り、研究開発が盛んになされている。
【0003】このHBTを作製するには図1に示すよう
な薄膜を積層した構成のエピタキシャルウエハを用い
る。このエピタキシャルウエハの構成は、GaAs基板
(1)上にノンドープのi−GaAsバッファ層(2)
を1000オングストロームの厚さに形成し、その上にSi
が添加されたキャリア濃度≧3×1018cm-3のn−GaA
sサブコレクタ層(3)を5000オングストロームの厚さ
で形成し、その上にSi添加でキャリア濃度3×1016cm
-3程度のn−GaAsコレクタ層(4)を4000オングス
トローム厚で形成し、その上に不純物を添加したキャリ
ア濃度1〜5×1019cm-3のP+ −GaAsベース層
(5)を 700オングストローム厚で形成し、その上にS
iを添加したキャリア濃度3×1017cm-3程度のn−Al
GaAs(Al組成 0.2〜0.3)エミッタ層(6)を1500
オングストロームの厚さで形成し、その上にSi添加に
よりキャリア濃度を、エミッタ層(6)から離れるにつ
れて3×1017cm-3から3×1018cm-3に連続的に変化させ
た 300オングストローム厚のn−AlGaAs中間層
(7)を介して、該中間層(7)に接する下層がSi添
加によりキャリア濃度≧3×1018cm-3のn+ −GaAs
で厚さ1000オングストローム、中層がSe添加によりキ
ャリア濃度≧1×1019cm-3のn+ −InGaAsで厚さ
500オングストローム、上層が同じくSe添加によりキ
ャリア濃度≧3×1019cm-3のn+ −InGaAsで厚さ
200オングストロームからなるキャップ層(8)を順に
積層してなるものである。なお上記サブコレクタ層
(3)とキャップ層(8)はそれぞれコレクタ電極とエ
ミッタ電極を形成するための層である。
な薄膜を積層した構成のエピタキシャルウエハを用い
る。このエピタキシャルウエハの構成は、GaAs基板
(1)上にノンドープのi−GaAsバッファ層(2)
を1000オングストロームの厚さに形成し、その上にSi
が添加されたキャリア濃度≧3×1018cm-3のn−GaA
sサブコレクタ層(3)を5000オングストロームの厚さ
で形成し、その上にSi添加でキャリア濃度3×1016cm
-3程度のn−GaAsコレクタ層(4)を4000オングス
トローム厚で形成し、その上に不純物を添加したキャリ
ア濃度1〜5×1019cm-3のP+ −GaAsベース層
(5)を 700オングストローム厚で形成し、その上にS
iを添加したキャリア濃度3×1017cm-3程度のn−Al
GaAs(Al組成 0.2〜0.3)エミッタ層(6)を1500
オングストロームの厚さで形成し、その上にSi添加に
よりキャリア濃度を、エミッタ層(6)から離れるにつ
れて3×1017cm-3から3×1018cm-3に連続的に変化させ
た 300オングストローム厚のn−AlGaAs中間層
(7)を介して、該中間層(7)に接する下層がSi添
加によりキャリア濃度≧3×1018cm-3のn+ −GaAs
で厚さ1000オングストローム、中層がSe添加によりキ
ャリア濃度≧1×1019cm-3のn+ −InGaAsで厚さ
500オングストローム、上層が同じくSe添加によりキ
ャリア濃度≧3×1019cm-3のn+ −InGaAsで厚さ
200オングストロームからなるキャップ層(8)を順に
積層してなるものである。なお上記サブコレクタ層
(3)とキャップ層(8)はそれぞれコレクタ電極とエ
ミッタ電極を形成するための層である。
【0004】上記各層のうちベース層に添加する不純物
としては、当該エピタキシャルウエハを製造する方法に
よって異なり、通常有機金属気相成長法(MOVPE)
を用いる場合はZnが、分子線エピタキシャル法(MB
E)を用いる場合はBeが使用される。
としては、当該エピタキシャルウエハを製造する方法に
よって異なり、通常有機金属気相成長法(MOVPE)
を用いる場合はZnが、分子線エピタキシャル法(MB
E)を用いる場合はBeが使用される。
【0005】しかしながら現在、このようにベース層に
用いられているP型不純物であるZn,Beはデバイス
の信頼性の点で問題があることが判明してきた。そこで
最近はZnやBeに比較してより拡散係数の小さい炭素
をP型不純物としてベース層に添加することが検討され
ており良好な結果が得られる。
用いられているP型不純物であるZn,Beはデバイス
の信頼性の点で問題があることが判明してきた。そこで
最近はZnやBeに比較してより拡散係数の小さい炭素
をP型不純物としてベース層に添加することが検討され
ており良好な結果が得られる。
【0006】このベース層であるGaAsに炭素(C)
を添加する方法としては、未分解の有機金属を用いるM
OVPE法が知られているが、以下に量産性に優れるM
OVPE法について説明する。MOVPE法でGaAs
を成長する場合、Ga源としてトリメチルガリウム(G
a(CH3 )3 :以下TMGa)を、As源としてAs
H3 を用い、これらを含む原料ガスを反応炉内に供給
し、該炉内の加熱された基板付近で最終的に次の反応に
よりGaAsが基板上に成長する。 Ga(CH3 )3 +AsH3 → GaAs+3CH4 なお実際の反応では途中でTMGaはGa−CH3 を形
成し、これにAsH3の分解により生じた水素ラジカル
が反応してGaAsとメタンCH4 となる。
を添加する方法としては、未分解の有機金属を用いるM
OVPE法が知られているが、以下に量産性に優れるM
OVPE法について説明する。MOVPE法でGaAs
を成長する場合、Ga源としてトリメチルガリウム(G
a(CH3 )3 :以下TMGa)を、As源としてAs
H3 を用い、これらを含む原料ガスを反応炉内に供給
し、該炉内の加熱された基板付近で最終的に次の反応に
よりGaAsが基板上に成長する。 Ga(CH3 )3 +AsH3 → GaAs+3CH4 なお実際の反応では途中でTMGaはGa−CH3 を形
成し、これにAsH3の分解により生じた水素ラジカル
が反応してGaAsとメタンCH4 となる。
【0007】そしてGaAs中に添加するC濃度は1019
cm-3台の高濃度としなければならない。そこでCをGa
As中へ不純物として高濃度に取り込むためには、上記
Ga−CH3 を水素ラジカルと反応させなければよく、
こうすることによってメチル基−CH3 のCがGaAs
中に取り込まれることになる。即ちCをGaAs中に高
濃度に添加するには、 A.水素ラジカルの発生を抑止すること、 B.メチル基と水素ラジカルとの衝突を抑止すること、 が肝要であることが判る。
cm-3台の高濃度としなければならない。そこでCをGa
As中へ不純物として高濃度に取り込むためには、上記
Ga−CH3 を水素ラジカルと反応させなければよく、
こうすることによってメチル基−CH3 のCがGaAs
中に取り込まれることになる。即ちCをGaAs中に高
濃度に添加するには、 A.水素ラジカルの発生を抑止すること、 B.メチル基と水素ラジカルとの衝突を抑止すること、 が肝要であることが判る。
【0008】そしてMOVPE法で上記A,Bを実現す
るには以下の4つの手段が知られている。 減圧成長 成長温度を下げる AsH3 の導入量を下げる AsH3 以外のAs源、例えばトリメチルヒ素(A
s(CH3 )3 :以下TMAs)の使用 このを実施することにより原料ガスの分子間の衝突が
抑止できるので上記Bの効果があり、かつガス温度の上
昇も抑止できるのでAsH3 の分解が抑えられることか
らAの効果もある。またを実施することによりAsH
3 の分解が抑止できるのでAの効果がある。さらに及
びについてはそれぞれAとB、及びAの効果があるこ
とは明らかである。
るには以下の4つの手段が知られている。 減圧成長 成長温度を下げる AsH3 の導入量を下げる AsH3 以外のAs源、例えばトリメチルヒ素(A
s(CH3 )3 :以下TMAs)の使用 このを実施することにより原料ガスの分子間の衝突が
抑止できるので上記Bの効果があり、かつガス温度の上
昇も抑止できるのでAsH3 の分解が抑えられることか
らAの効果もある。またを実施することによりAsH
3 の分解が抑止できるのでAの効果がある。さらに及
びについてはそれぞれAとB、及びAの効果があるこ
とは明らかである。
【0009】なお実操業においては上記の方法を組み合
わせて行っており、例えば,,を組み合わせた方
法(以下a法)が特開平3-5398号公報や同3-110829号公
報に、また,を組み合わせた方法(以下b法)が特
開平2-203530号公報に開示されている。
わせて行っており、例えば,,を組み合わせた方
法(以下a法)が特開平3-5398号公報や同3-110829号公
報に、また,を組み合わせた方法(以下b法)が特
開平2-203530号公報に開示されている。
【0010】上記a法でGaAs中にCを添加した例を
図2に示す。図2(Y.Ashizawa etal., J.Crystal Grow
th, 107(1991) 903)のものは反応炉内の圧力を70torr
とし、AsH3 とTMGaとの原料供給比を変化させ、
さらに成長温度を変化させてGaAs中にCを添加した
ときのキャリア濃度の測定結果を示している。図によれ
ばAsH3 の供給量を下げ、さらに成長温度を下げた方
がキャリア濃度としては1019cm-3台の高濃度が得られる
ことがわかる。
図2に示す。図2(Y.Ashizawa etal., J.Crystal Grow
th, 107(1991) 903)のものは反応炉内の圧力を70torr
とし、AsH3 とTMGaとの原料供給比を変化させ、
さらに成長温度を変化させてGaAs中にCを添加した
ときのキャリア濃度の測定結果を示している。図によれ
ばAsH3 の供給量を下げ、さらに成長温度を下げた方
がキャリア濃度としては1019cm-3台の高濃度が得られる
ことがわかる。
【0011】また図3及び図4に上記b法でGaAs中
にCを添加した例を示す。図3(嶋津充他、住友電気、
vol.139(1991) p.88)のものは原料としてTMGaとT
MAsを用い、さらに10torrの減圧下でC添加のGaA
s成長を行った結果である。図4のものは原料としてや
はりTMGaとTMAsを用い、常圧でC添加のGaA
s成長を行った結果である。いずれの図からも成長温度
が低くなる程キャリア濃度は上昇し、1019cm-3台の高濃
度が得られることがわかる。
にCを添加した例を示す。図3(嶋津充他、住友電気、
vol.139(1991) p.88)のものは原料としてTMGaとT
MAsを用い、さらに10torrの減圧下でC添加のGaA
s成長を行った結果である。図4のものは原料としてや
はりTMGaとTMAsを用い、常圧でC添加のGaA
s成長を行った結果である。いずれの図からも成長温度
が低くなる程キャリア濃度は上昇し、1019cm-3台の高濃
度が得られることがわかる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記a法
では減圧成長であるため排気ポンプや圧力コントロール
装置が必要であり設備が複雑でコスト高であった。また
上記b法ではベース層のAs源として新たにTMAsが
必要であり、そのためのガスラインの増設が必要であ
り、その付帯設備等と合わせてやはり設備費が上昇して
しまうという問題があった。
では減圧成長であるため排気ポンプや圧力コントロール
装置が必要であり設備が複雑でコスト高であった。また
上記b法ではベース層のAs源として新たにTMAsが
必要であり、そのためのガスラインの増設が必要であ
り、その付帯設備等と合わせてやはり設備費が上昇して
しまうという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらに鑑み種
々検討し、既存の従来装置の改造等を行なわずともGa
Asベース層へのCの高濃度添加が容易となる条件を見
い出したものである。
々検討し、既存の従来装置の改造等を行なわずともGa
Asベース層へのCの高濃度添加が容易となる条件を見
い出したものである。
【0014】即ち本発明は、III −V族化合物半導体の
III 族元素の原料である1種以上のメチル系有機金属
と、V族元素の原料である水素化物とを含む原料ガスを
反応炉内に流し、その流れに略平行に設置した基板面上
にIII −V族化合物半導体エピタキシャル層を成長させ
る有機金属気相成長法において、反応炉内を略常圧と
し、V族原料とIII 族原料との供給量比([V族原料]
/[III 族原料])を1以下として原料ガスの熱膨脹を
考慮しない平均流速を15cm/秒以上とし、さらに基板面
を 500℃以下に加熱することを特徴するものである。
III 族元素の原料である1種以上のメチル系有機金属
と、V族元素の原料である水素化物とを含む原料ガスを
反応炉内に流し、その流れに略平行に設置した基板面上
にIII −V族化合物半導体エピタキシャル層を成長させ
る有機金属気相成長法において、反応炉内を略常圧と
し、V族原料とIII 族原料との供給量比([V族原料]
/[III 族原料])を1以下として原料ガスの熱膨脹を
考慮しない平均流速を15cm/秒以上とし、さらに基板面
を 500℃以下に加熱することを特徴するものである。
【0015】
【作用】本発明で使用する反応炉としては、原料ガスの
流れが基板面と略平行となる型式の炉を用いる。具体的
には従来からMOVPE法で用いられている図5に示す
横型反応炉と図6のバレル型反応炉をいう。
流れが基板面と略平行となる型式の炉を用いる。具体的
には従来からMOVPE法で用いられている図5に示す
横型反応炉と図6のバレル型反応炉をいう。
【0016】即ち図5の装置は基板(10)をサセプタ
(11)上にほぼ水平にして載せ、反応管(12)の横方向
から原料を混合したキャリアガスを流して基板面上で該
基盤面とほぼ平行なガス流(13)をつくり、該基板(1
0)を反応管(12)外部のRFコイル(14)で加熱する
ことにより、基板上に化合物半導体薄膜を成長させるも
のである。なお図中(15)はガスの排気口であり、(1
6)は反応管を冷却する冷却ジャケットである。
(11)上にほぼ水平にして載せ、反応管(12)の横方向
から原料を混合したキャリアガスを流して基板面上で該
基盤面とほぼ平行なガス流(13)をつくり、該基板(1
0)を反応管(12)外部のRFコイル(14)で加熱する
ことにより、基板上に化合物半導体薄膜を成長させるも
のである。なお図中(15)はガスの排気口であり、(1
6)は反応管を冷却する冷却ジャケットである。
【0017】また図6の装置は多角錘台形サセプタ(1
7)の側面に基板(10)を設置し、該サセプタ(17)を
縦型反応管(18)内で縦方向に支持する軸(19)を回転
させ、反応管(18)の頂部から原料を混合したキャリア
ガスを流下させて基板面上で該基板面とほぼ平行なガス
流をつくり、基板(10)をRFコイル(14)で加熱する
ことにより基板面上に薄膜を成長させるものである。
7)の側面に基板(10)を設置し、該サセプタ(17)を
縦型反応管(18)内で縦方向に支持する軸(19)を回転
させ、反応管(18)の頂部から原料を混合したキャリア
ガスを流下させて基板面上で該基板面とほぼ平行なガス
流をつくり、基板(10)をRFコイル(14)で加熱する
ことにより基板面上に薄膜を成長させるものである。
【0018】なお従来MOVPE法で用いられる反応炉
としては図7に示すパンケーキ型もある。これは縦型反
応管(18')内に、下端を回転軸(19)で支持されて上面
が平坦なサセプタ(20)の該上面に基板(10)を載せ、
反応管(18')の上端から原料を混合したキャリアガスを
流下させて基板(10)をRFコイル(14)で加熱するこ
とにより基板面上に薄膜を成長させるものである。しか
しながらこの反応炉においては基板面とガスの流れとは
互いに垂直の関係にある。そしてCを添加したGaAs
を成長する際には基板は通常 500〜600 ℃に加熱されて
いるので、基板上に流下するガスは対流を起してガスの
温度が上昇してしまう。このため基板面の近傍でAsH
3 の分解が盛んになり、水素ラジカルが発生し易い傾向
にあった。そこでこの場合は反応管内を減圧してガスの
対流を抑止していた。
としては図7に示すパンケーキ型もある。これは縦型反
応管(18')内に、下端を回転軸(19)で支持されて上面
が平坦なサセプタ(20)の該上面に基板(10)を載せ、
反応管(18')の上端から原料を混合したキャリアガスを
流下させて基板(10)をRFコイル(14)で加熱するこ
とにより基板面上に薄膜を成長させるものである。しか
しながらこの反応炉においては基板面とガスの流れとは
互いに垂直の関係にある。そしてCを添加したGaAs
を成長する際には基板は通常 500〜600 ℃に加熱されて
いるので、基板上に流下するガスは対流を起してガスの
温度が上昇してしまう。このため基板面の近傍でAsH
3 の分解が盛んになり、水素ラジカルが発生し易い傾向
にあった。そこでこの場合は反応管内を減圧してガスの
対流を抑止していた。
【0019】これに対して上記横型反応炉及びバレル型
反応炉の場合はガスの流れと基板面とは概略平行である
ので、ガスの平均流速を15cm/秒(熱膨脹を考慮しな
い)以上とすればガスの対流を抑止でき、従って反応管
内を減圧しなくてもガスの温度の上昇を抑えられるもの
である。
反応炉の場合はガスの流れと基板面とは概略平行である
ので、ガスの平均流速を15cm/秒(熱膨脹を考慮しな
い)以上とすればガスの対流を抑止でき、従って反応管
内を減圧しなくてもガスの温度の上昇を抑えられるもの
である。
【0020】またV族原料である水素化物とIII 族原料
との供給量比を1以下と限定し、基板の加熱温度を 500
℃以下と低く限定することにより水素ラジカルの生成が
小さくなり、従来の原料ガス供給ラインをそのまま利用
してIII −V族化合物半導体中にCを十分高濃度に添加
することが可能となる。
との供給量比を1以下と限定し、基板の加熱温度を 500
℃以下と低く限定することにより水素ラジカルの生成が
小さくなり、従来の原料ガス供給ラインをそのまま利用
してIII −V族化合物半導体中にCを十分高濃度に添加
することが可能となる。
【0021】なお本発明で用いられるIII 族原料とV族
原料との組み合わせとしては、次のようなものが適当で
ある。即ちGaAsを成長する際にはIII 族原料として
TMGaと、V族原料としてAsH3 を用い、AlGa
Asを成長するにはIII族原料のGa源としてTMG
a、Al源としてトリエチルアルミニウム(Al(C2
H5 )3 :TEAl)またはトリメチルアルミアラン
((CH3 )3 NAlH3 :TMAA)、及びV族原料
としてAsH3 を用い、さらにIny Ga1-y As(y
≦0.05)を成長するにはIII 族原料としてTMGaとト
リメチルインジウム(In(CH3 )3 :TMIn)、
及びV族原料としてはAsH3 を用いる。
原料との組み合わせとしては、次のようなものが適当で
ある。即ちGaAsを成長する際にはIII 族原料として
TMGaと、V族原料としてAsH3 を用い、AlGa
Asを成長するにはIII族原料のGa源としてTMG
a、Al源としてトリエチルアルミニウム(Al(C2
H5 )3 :TEAl)またはトリメチルアルミアラン
((CH3 )3 NAlH3 :TMAA)、及びV族原料
としてAsH3 を用い、さらにIny Ga1-y As(y
≦0.05)を成長するにはIII 族原料としてTMGaとト
リメチルインジウム(In(CH3 )3 :TMIn)、
及びV族原料としてはAsH3 を用いる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさら詳細に説明
する。
する。
【0023】(実施例1)図6に示すバレル型反応炉を
用い、III 族原料としてTMGa、V族原料としてAs
H3 をその供給量比[AsH3 ]/[TMGa]を 0.4
〜1.8 の間で変化させてキャリアガスと共に平均ガス流
速20cm/秒で反応管内に流し、基板を 490℃に加熱して
基板上にCの添加されたGaAs化合物半導体薄膜の成
長を行った。このときのキャリア濃度を測定し、その結
果を図8に示した。図8から原料の供給量比が 0.4〜1
の場合キャリア濃度は2〜4×1019cm-3となり、HBT
のベース層として十分使用可能なレベルに達しているこ
とが判る。これに対して原料の供給量比が1を越える場
合はキャリア濃度が急激に減少している。
用い、III 族原料としてTMGa、V族原料としてAs
H3 をその供給量比[AsH3 ]/[TMGa]を 0.4
〜1.8 の間で変化させてキャリアガスと共に平均ガス流
速20cm/秒で反応管内に流し、基板を 490℃に加熱して
基板上にCの添加されたGaAs化合物半導体薄膜の成
長を行った。このときのキャリア濃度を測定し、その結
果を図8に示した。図8から原料の供給量比が 0.4〜1
の場合キャリア濃度は2〜4×1019cm-3となり、HBT
のベース層として十分使用可能なレベルに達しているこ
とが判る。これに対して原料の供給量比が1を越える場
合はキャリア濃度が急激に減少している。
【0024】次に上記本発明法を用いて図1に示すエピ
タキシャルウエハを作製した。即ちベース層(5)を成
長させる際に上記の基板温度 490℃、平均ガス流速20cm
/秒で[AsH3 ]/[TMGa]=0.4 の条件で実施
してキャリア濃度4×1019cm-3のベース層を作製し、他
の層は同じバレル型反応炉を用いて基板温度を 650℃と
する通常のMOVPE法で作製した。
タキシャルウエハを作製した。即ちベース層(5)を成
長させる際に上記の基板温度 490℃、平均ガス流速20cm
/秒で[AsH3 ]/[TMGa]=0.4 の条件で実施
してキャリア濃度4×1019cm-3のベース層を作製し、他
の層は同じバレル型反応炉を用いて基板温度を 650℃と
する通常のMOVPE法で作製した。
【0025】そして、得られたエピタキシャルウエハよ
りHBTを作製し、その電流ゲインβを測定したところ
60と良好な結果が得られ、本発明法によるC添加のGa
As層の品質が従来通り良好であることが判った。
りHBTを作製し、その電流ゲインβを測定したところ
60と良好な結果が得られ、本発明法によるC添加のGa
As層の品質が従来通り良好であることが判った。
【0026】(実施例2)バレル型反応炉を用い、V族
原料としてAsH3 を、III 族原料としてTMGaの他
にTEAl又はTMAAを同時に供給し、他の条件は実
施例1と同一としてC添加のAlGaAs(Alの組成
0.05)の成長を行った。なお原料の供給量比は 0.9に調
整した。そしてAlGaAs中のキャリア濃度を測定し
たところ以下の表1に示す結果が得られた。
原料としてAsH3 を、III 族原料としてTMGaの他
にTEAl又はTMAAを同時に供給し、他の条件は実
施例1と同一としてC添加のAlGaAs(Alの組成
0.05)の成長を行った。なお原料の供給量比は 0.9に調
整した。そしてAlGaAs中のキャリア濃度を測定し
たところ以下の表1に示す結果が得られた。
【0027】
【表1】
【0028】表1から本発明によりCを高濃度に添加し
たAlGaAsの成長が十分可能であることが判る。
たAlGaAsの成長が十分可能であることが判る。
【0029】(実施例3)バレル型反応炉を用い、V族
原料としてAsH3 を、III 族原料としてTMGaの他
にTMInを同時に供給し、これらV族原料とIII 族原
料の供給量比を 0.4〜1と変化させ、他の条件は実施例
1と同一としてC添加のInGaAs(In組成は1%
とした)を成長を行った。そして原料の供給量比の違い
によるInGaAs中のキャリア濃度を測定してそれら
の結果を表2に示した。
原料としてAsH3 を、III 族原料としてTMGaの他
にTMInを同時に供給し、これらV族原料とIII 族原
料の供給量比を 0.4〜1と変化させ、他の条件は実施例
1と同一としてC添加のInGaAs(In組成は1%
とした)を成長を行った。そして原料の供給量比の違い
によるInGaAs中のキャリア濃度を測定してそれら
の結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2より、単なるGaAsに比較して少量
のInを添加することでCの添加量は減少してはいるも
のの1019cm-3オーダーの高濃度添加が可能であることが
わかる。
のInを添加することでCの添加量は減少してはいるも
のの1019cm-3オーダーの高濃度添加が可能であることが
わかる。
【0032】以上各実施例はすべてバレル型反応炉を用
いた場合であるが、いずれの場合も図5に示す横型反応
炉を用いても同様あるいはそれ以上の効果がある。これ
はバレル型反応炉ではガスは下方に流れ重力方向と一致
しているのに対して横型反応炉ではガスの流れと重力方
向が直交しているので横型反応炉の方が熱対流が起りに
くいからである。
いた場合であるが、いずれの場合も図5に示す横型反応
炉を用いても同様あるいはそれ以上の効果がある。これ
はバレル型反応炉ではガスは下方に流れ重力方向と一致
しているのに対して横型反応炉ではガスの流れと重力方
向が直交しているので横型反応炉の方が熱対流が起りに
くいからである。
【0033】
【発明の効果】このように本発明によれば従来の反応炉
やガス系統等の設備をそのまま用いても、容易に炭素
(C)を高濃度に添加したGaAs,AlGaAs,I
nGaAs等のIII −V族化合物半導体薄膜が得られる
ので高品質のベース層を有するHBT等が安価に作製で
きる等の効果を奏する
やガス系統等の設備をそのまま用いても、容易に炭素
(C)を高濃度に添加したGaAs,AlGaAs,I
nGaAs等のIII −V族化合物半導体薄膜が得られる
ので高品質のベース層を有するHBT等が安価に作製で
きる等の効果を奏する
【図1】HBT作製用のエピタキシャルウエハの構造を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図2】減圧下にAsH3 とTMGaの供給量比を変化
させたときの各成長温度でのGaAs中のキャリア濃度
の値の一例を示す図表(Y.Ashizawa et al.,J.Crystal
Growth, 107(1991) 903)である。
させたときの各成長温度でのGaAs中のキャリア濃度
の値の一例を示す図表(Y.Ashizawa et al.,J.Crystal
Growth, 107(1991) 903)である。
【図3】減圧下にTMAsとTMGaによりGaAsを
成長させた時の各成長温度でのキャリア濃度の値の一例
を示す図表(嶋津充他、住友電気、vol.139(1991) 88)
である。
成長させた時の各成長温度でのキャリア濃度の値の一例
を示す図表(嶋津充他、住友電気、vol.139(1991) 88)
である。
【図4】常圧でTMAsとTMGaによりGaAsを成
長させた時の各成長温度でのキャリア濃度の値の一例を
示す図表である。
長させた時の各成長温度でのキャリア濃度の値の一例を
示す図表である。
【図5】横型反応炉を示す説明図である。
【図6】バレル型反応炉を示す説明図である。
【図7】パンケーキ型反応炉を示す説明図である。
【図8】実施例1の結果を示す図表である。
1 GaAs基板 2 GaAsバッファ層 3 サブコレクタ層 4 コレクタ層 5 ベース層 6 エミッタ層 7 中間層 8 キャップ層 10 基板 11 サセプタ 12 反応管 13 ガス流 14 RFコイル 15 排気口 16 冷却ジャケット 17 多角錐台径サセプタ 18, 18' 縦型反応管 19 回転軸 20 平坦サセプタ
Claims (1)
- 【請求項1】 III −V族化合物半導体のIII 族元素の
原料である1種以上のメチル系有機金属と、V族元素の
原料である水素化物とを含む原料ガスを反応炉内に流
し、その流れに略平行に設置した基板面上にIII −V族
化合物半導体エピタキシャル層を成長させる有機金属気
相成長法において、反応炉内を略常圧とし、V族原料と
III 族原料との供給量比([V族原料]/[III 族原
料])を1以下として原料ガスの熱膨脹を考慮しない平
均流速を15cm/秒以上とし、さらに基板面を 500℃以下
に加熱することを特徴とする有機金属気相成長法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29936692A JPH06124908A (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 有機金属気相成長法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29936692A JPH06124908A (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 有機金属気相成長法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06124908A true JPH06124908A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17871633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29936692A Pending JPH06124908A (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 有機金属気相成長法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06124908A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114753002A (zh) * | 2022-04-28 | 2022-07-15 | 西安唐晶量子科技有限公司 | 一种提高MOCVD生长GaAs本征掺杂均匀性的方法 |
-
1992
- 1992-10-12 JP JP29936692A patent/JPH06124908A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114753002A (zh) * | 2022-04-28 | 2022-07-15 | 西安唐晶量子科技有限公司 | 一种提高MOCVD生长GaAs本征掺杂均匀性的方法 |
CN114753002B (zh) * | 2022-04-28 | 2024-01-19 | 西安唐晶量子科技有限公司 | 一种提高MOCVD生长GaAs本征掺杂均匀性的方法 |
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