JPH11251329A - 半導体ウェハ及びその製造方法 - Google Patents

半導体ウェハ及びその製造方法

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JPH11251329A
JPH11251329A JP5305098A JP5305098A JPH11251329A JP H11251329 A JPH11251329 A JP H11251329A JP 5305098 A JP5305098 A JP 5305098A JP 5305098 A JP5305098 A JP 5305098A JP H11251329 A JPH11251329 A JP H11251329A
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JP
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emitter
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gaas
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JP5305098A
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English (en)
Inventor
Takeshi Meguro
健 目黒
Youhei Otogi
洋平 乙木
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面の凹凸が小さいGaAsをエミッタコンタ
クト層に用い且つそのコンタクト抵抗を十分に低くした
III /V族系HBT用半導体ウェハの製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】n型のコレクタコンタクト層2と、n型の
コレクタ層3と、p型のベース層4と、前記ベース層に
対してヘテロ接合を形成するn型のAlGaAsまたは
InGaP結晶からなるエミッタ層5と、Seをドープ
したn型のGaAs結晶からなるエミッタコンタクト層
16とを順次成長させた半導体ウェハの製造方法におい
て、前記エミッタコンタクト層16のn型のGaAs結
晶は、Ga源にTEGaを、As源にAsH3 などの水
素化合物を、そしてn型のドーパントにH2 Seを用
い、気相エピタキシャル成長法により、450℃〜55
0℃の成長温度で、1019cm-3台の高キャリア濃度のn
型のGaAsをエピタキシャル成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘテロバイポーラ
トランジスタ(HBT)などの半導体装置を形成する基
体となる半導体ウェハとその製造方法、より詳しくはエ
ミッタコンタクト層の表面の凹凸を無くしコンタクト抵
抗を低減したIII /V族系HBT用エピタキシャルウェ
ハとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エミッタ・ベース接合にヘテロ接合を用
いたヘテロ接合バイポーラートランジスタ(HBT)
は、エミッタ層のバンドギャップがベース層のバンドギ
ャップよりも広いことにより、エミッタ注入孔率を高く
することができるため、超高速、高出力デバイスとして
の利用が期待されている。特に、AlGaAs/GaA
sを材料とするHBTは、高速性・高電流駆動能力に優
れているため、光通信用の高速電子デバイスとして開発
が盛んに行われている。
【0003】HBTは、電界効果トランジスタ(FE
T)などに比べ素子内を流れる電流密度を飛躍的に高く
することが可能であり、半導体コンタクト層と金属電極
とのコンタクト抵抗の低減は、電流取り出し効率やそれ
に伴う発熱の点で重要である。特にエミッタコンタクト
層と金属電極とのコンタクト面積は、構造上エミッタ面
積より大きくできないため、エミッタコンタクト抵抗の
低減は最重要課題となっている。
【0004】従来、HBTでは微細化によるエミッタ電
極のコンタクト面積の縮小がコンタクト抵抗の増大を招
き、期待通りの高速化が計られないという問題があった
ことから、このエミッタコンタクト抵抗を低減するため
に、バンドギャップの狭いInGaAs層を高濃度にド
ーピングしてエミッタ領域の上部にエピタキシャル成長
し、エミッタコンタクト層とすることにより、エミッタ
電極金属との間のバリアハイトを実質的にほとんど無く
すようにしている。
【0005】この技術を用いた従来のAlGaAs/G
aAs系HBTのウェハ構造の一例を図2に示す。図2
において半絶縁性GaAs基板1上に、コレクタコンタ
クト層2と、コレクタ層3とが積層されている。上記コ
レクタコンタクト層2は厚さ500nm,キャリア濃度5
×1018cm-3のn+ 型GaAs層から、また上記コレク
タ層3は厚さ500nm,キャリア濃度2×1016cm-3
- 型GaAs層から構成されている。
【0006】4は上記コレクタ層3上に形成された厚さ
100nm,キャリア濃度が4×1019cm-3のp+ 型Ga
Asベース層で、その上にはエミッタ層5が形成されて
いる。
【0007】エミッタ層5は、Siドープによるキャリ
ア濃度5×1017cm-3、厚さ120nmのn型Al0.25
0.75As層5aと、この層5aの上にAlAs混晶比
xを0.25から0まで徐々に減少させて成長した、厚
さ約30nm、Siドープによるキャリア濃度5×1018
cm-3から5×1017cm-3のn+ 型Alx Ga1-x Asグ
レーデッド層5bとから構成されている。
【0008】そして、エミッタ層5上には、エミッタコ
ンタクト層6として、厚さ100nm、Siドープによる
キャリア濃度1.6×1019cm-3のn+ 型GaAs層6
aと、この層6aの上に形成された厚さ50nm、Seド
ープによるキャリア濃度が1×1019cm-3から4×10
19cm-3のn+ 型Iny Ga1-y As(y=0→0.5)
グレーデッド層6bと、このグレーデッド層6bの上に
形成された厚さ50nm、Seドープによるキャリア濃度
4×1019cm-3のn+ 型In0.5 Ga0.5 As層6cと
が、順に積層されている。上記n+ 型Iny Ga1-y
sグレーディッド層6bは、InAs混晶比yを下面か
ら上面にかけて0から0.5まで徐々に増加させた構造
となっている。このエミッタコンタクト層6は、エミッ
タ層5とエミッタ電極(図示せず)とのコンタクト抵抗
を低減させるものであるため、構成材料として、エミッ
タ電極との接触抵抗が低く、しかもシート抵抗の低いI
nGaAsが用いられている。
【0009】このように従来は、エミッタコンタクト抵
抗を下げるために、1019cm-3台の高濃度にn型ド−ピ
ング可能な高インジウム(In)組成比のインジウムガ
リウム砒素(InGaAs)層を用いていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術のように、エミッタコンタクト層に高In組成比のI
nGaAsを用いた場合、このInGaAs層の表面の
凹凸は20nm程度に達し、この凹凸が、デバイスの微細
化を制限したり、また素子形成プロセスを非常に難しく
していた。以下にその例を示す。
【0011】(1)微細化したエミッタにおける問題 HBTは電流密度を高くすることが可能なため、エミッ
タ面積の微細化が行われている。この微細化と電流密度
の増大により、面積が大きかった時は問題にならなかっ
たInGaAsnの凹凸に起因するコンタクト抵抗の不
均ー性により、部分的に電流が集中して素子破壊を引き
起こす場合があり、微細化を制限する要因になってい
た。
【0012】(2)ベース電極形成における問題 ベース電極を形成するにはエッチングによりベース層表
面を出す必要があるが、このエッチングにおいてInG
aAs表面の凹凸がそのまま引き継がれるため、部分的
にエミッタ層が残ったりベース層を削り過ぎたりして、
均ーなコンタクト抵抗の形成を難しくしていた。
【0013】前述の問題点(1)は、表面の凹凸が小さ
い層をエミッタコンタクト層に用いることができれば解
決することができると考えられるが、例えば平坦な表面
が得られるGaAsでは、従来技術において十分に低い
コンタクト抵抗を得るのに必要なn型で1019cm-3台の
高濃度ドーピングを実現することができなかった。
【0014】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、表面の凹凸が小さいGaAsをエミッタコンタクト
層に用い且つそのコンタクト抵抗を十分に低くしたIII
/V族系HBT用として適した半導体ウェハとその製造
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。
【0016】(1)請求項1に記載の発明は、n型の伝
導を示すコレクタコンタクト層と、n型の伝導を示すコ
レクタ層と、p型の伝導を示すベース層と、前記ベース
層に対してヘテロ接合を形成するn型の伝導を示すAl
GaAs(アルミニウムガリウム砒素)またはInGa
P(インジウムガリウムリン)結晶からなるエミッタ層
と、n型の伝導を示すエミッタコンタクト層とを順次積
層した半導体ウェハにおいて、前記エミッタコンタクト
層にSe(セレン)をドープしたn型のGaAsを用
い、そのキャリア濃度を1019cm-3台の高濃度としたも
のである。
【0017】本発明の半導体ウェハでは、GaAsをエ
ミッタコンタクト層に用いているので、InGaAsを
エミッタコンタクト層に用いた従来のウェハ構造に比
べ、表面の凹凸が極めて小さく、平坦な表面が得られ
る。しかも、このGaAsエミッタコンタクト層は、S
eをドープすることによりn型で1019cm-3台の高キャ
リア濃度のGaAs層としているので、十分に低いコン
タクト抵抗を得ることができる。この半導体ウェハは、
電流密度の高いHBTなどの半導体装置を形成する基体
として適する。
【0018】(2)請求項2に記載の発明は、n型の伝
導を示すコレクタコンタクト層と、n型の伝導を示すコ
レクタ層と、p型の伝導を示すベース層と、前記ベース
層に対してヘテロ接合を形成するn型の伝導を示すAl
GaAsまたはInGaP結晶からなるエミッタ層と、
Seをドープしたn型の伝導を示すGaAs結晶からな
るエミッタコンタクト層とを順次有機金属気相成長法
(MOVPE法)により成長させた半導体ウェハの製造
方法において、前記エミッタコンタクト層のn型のGa
As結晶は、Ga(ガリウム)源にトリエチルガリウム
(TEGa)を、As源に水素化砒素(AsH3 )など
の水素化合物を、またn型のドーパントにセレン化水素
(H2 Se)を用い、450℃〜550℃の成長温度
で、1019cm -3台の高キャリア濃度のn型のGaAsを
エピタキシャル成長させるものである。
【0019】本発明の製造方法に従い、エミッタコンタ
クト層の成長に際し、そのGa源にTEGa、そのn型
のドーパントとしてSeH2 を用い、その成長温度を4
50℃〜550℃にすることにより、従来では不可能で
あった1019cm-3台の高濃度にドーピングしたn型のG
aAsエミッタコンタクト層を実現することができる。
【0020】エミッタコンタクト層の成長温度を450
℃〜550℃の範囲とするのは、次の理由による。
【0021】(a) TEGaを用いたGaAsが輸送律速
で成長する温度範囲は450℃〜570℃である。即
ち、450℃未満であると3次元核成長により表面に凹
凸が発生し、また570℃以上であると、TEGaが気
相中で分解し始め、膜厚均一性が悪化する。
【0022】(b) 一方、GaAsに1019cm-3以上にS
e(H2 Se)をドーピングできる温度範囲は、400
℃〜550℃である。
【0023】以上の2つから、エミッタコンタクト層の
最適成長温度は450℃以上かつ550℃未満の範囲が
適切となる。
【0024】本発明の方法により製造される半導体ウェ
ハは、エミッタコンタクト層がGaAsから成るので、
表面の凹凸が極めて小さく平坦な表面が得られると共
に、Seをドープすることにより1019cm-3台の高キャ
リア濃度のn型GaAs層となっているので、十分に低
いコンタクト抵抗を得ることができ、電流密度の高いH
BTなどの半導体装置を形成する基体として適する。
【0025】要点を補足説明すると、本発明のSeドー
プGaAsエミッタコンタクト層は、従来のInGaA
sの場合よりワイドギャップになるため、同じキャリア
濃度で比較した場合、InGaAs層よりコンタクト抵
抗は高くなるが、それでも10-7Ωcm2 台を実現できる
ため実用上問題はない。
【0026】一方、従来のInGaAsをエミッタコン
タクト層に用いた場合、エミッタ電極に低融点金属を用
いると、熱による合金化により、逆にコンタクト抵抗が
高くなってしまう。そこで従来は、プロセス中の高温で
も合金化しない、高融点金属をエミッタ電極に用いてい
る。本発明のGaAsコンタクト層の場合も、エミッタ
電極に高融点金属を用いることができ、これにより実用
上問題がないコンタクト抵抗が得られるものである。し
かし、本発明のGaAsコンタクト層の場合には、エミ
ッタ電極に低融点金属を用いることができ、その合金化
により、高融点金属を用いた場合よりも低いコンタクト
抵抗を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。
【0028】本発明に従ったAlGaAs/GaAs系
HBT用エピタキシャルウェハ(半導体ウェハ)の構造
例を図1に示す。これは従来のエミッタコンタクト層6
の代わりに、Seをドープしたn+ 型GaAsエミッタ
コンタクト層16を用いている点で、図2に示した従来
のHBT用エピタキシャルウェハと構造が異なる。
【0029】図1において半絶縁性GaAs基板1上に
は、厚さ500nm,キャリア濃度5×1018cm-3のn+
型GaAsコレクタコンタクト層2と、厚さ500nm,
キャリア濃度2×1016cm-3のn- 型GaAsコレクタ
層3と、厚さ100nm,キャリア濃度が4×1019cm-3
のp+ 型GaAsベース層4とが、下から順に積層さ
れ、そのベース層4の上には、エミッタ層5として、S
iドープによるキャリア濃度5×1017cm-3、厚さ12
0nmのn型Al0.25Ga0.75As層5aと、この層5a
の上にAlAs混晶比xを0.25から0まで徐々に減
少させて成長した、厚さ約30nm、Siドープによるキ
ャリア濃度5×1018cm-3から5×1017cm-3のn+
Alx Ga1-x Asグレーデッド層5bとが積層され
る。
【0030】更に、このエミッタ層5の上にはSeをド
ープした厚さ100nm、キャリア濃度1.6×1019cm
-3のn+ 型GaAsエミッタコンタクト層16が形成さ
れる。従って、従来のエミッタコンタクト層6において
必要とされていた、n+ 型GaAs層6aの上に形成さ
れていたn+ 型Iny Ga1-y Asグレーデッド層6b
と、その上に形成されていたn+ 型In0.5 Ga0.5
s層6cとが省略された形態になっている。
【0031】次に、以上のようなHBT用エピタキシャ
ルウェハの製造方法について説明する。
【0032】有機金属気相成長(MOVPE:Metal Or
ganic Vaper Phase Epitaxy )法により、図1に示すウ
ェハ構造をエピタキシャル成長させる。成長原料には、
Gaの原料としてトリエチルガリウム(TEGa)、A
l原料としてTEAl(トリエチルアルミニウム)、A
s原料としてAsH3 (アルシン)を用いる。さらに、
n形のドーパント原料としてジシラン(Si2 6 )、
セレン化水素(H2 Se)を、p形のドーパント原料と
して炭素(C)のハロゲン化物(CBr4 、CCl
4 等)を用いる。なお、エミッタ層5に、AlGaAs
(アルミニウムガリウム砒素)の代わりにInGaP
(インジウムガリウムリン)を用いる場合は、Inの原
料にTEI(トリエチルインジウム)を、Pの原料にP
3 (ホスフィン)を用いる。
【0033】図示してない反応管内のサセプタに半絶縁
性GaAs基板1を配置し、高周波コイルによりサセプ
タを加熱して、GaAs基板1を暖める。
【0034】GaAs層2,3,4,16を成長する場
合、TEGa(トリエチルガリウム)とAsH3 (アル
シン)を反応管へ送り込み、GaAs基板1上でTEG
aとAsH3 の熱分解を生じさせ、GaAs結晶を成長
させる。また、AlGaAs層5a,5bの結晶の場合
には、TEGaとTEAl(トリエチルアルミニウム)
とAsH3 を同時に流し、同一反応管中で連続的に成長
する。
【0035】これらコレクタコンタクト層2、コレクタ
層3、エミッタ層5及びエミッタコンタクト層16の化
合物半導体を成長させる際には、成長温度を450℃〜
550℃の範囲内の一定温度に保って成長させる。ま
た、ベース層の化合物半導体を成長させる際には、成長
温度をより高温の例えば650℃に保って成長させる。
【0036】ドーピング材料は、コレクタコンタクト層
2及びコレクタ層3についてはドーパント原料としてジ
シランSi2 6 を用いてSiをドープする。ベース層
4のドーピング材料にはここではCのハロゲン化物とし
てCBr4 を用いる。また、エミッタ層5のn型Al
0.25Ga0.75As層5aについてもSi2 6 を用いて
Siをドープする。そして、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16については、セレン化水素(H2 Se)
を用いてSeをドープする。
【0037】まず、半絶縁性GaAs基板1上に、コレ
クタコンタクト層2としてn+ 型GaAs結晶を成長す
る場合には、TEGa及びAsH3 ガス中にドーパント
ガスのSi2 6 (ジシラン)を同時に流し、大量のS
iをガス中にドーピングしながらGaAs結晶を成長す
る。その上にコレクタ層3としてn- 型GaAs結晶を
成長する場合には、TMG及びAsH3 ガス中にSi2
6 を同時に流し、少量のSiをドーピングしながらn
- 型GaAs結晶を成長させる。
【0038】ベース層4については、ドーピング材料に
Cのハロゲン化物CBr4 を用いて、キャリア濃度4×
1019cm-3、厚さ約100nmのp型GaAsを成長させ
る。この場合、Cのハロゲン化物の供給量を一定とし、
V族原料の供給量を変化させてC濃度を制御することに
より、高温でも、p型GaAsからなるベース層4のキ
ャリア濃度及び膜厚を制御することができる。ここで
は、成長温度を650℃、CBr4 流量を4.9×10
-2cc/分、TEGa流量を2.0cc/分とした。このよ
うな条件で、AsH3 流量を13〜98cc/分に変える
と、キャリア濃度は、0.6〜3.3×1019cm-3に変
化した。一方、成長速度は、AsH3 流量を変えても一
定である。なお、ベース層4のGaAsのp型ドーパン
トとして炭素(C)を採用したのは、Cは拡散定数が小
さいためHBT素子の寿命が長く信頼性も高いためであ
る。
【0039】エミッタ層5としてn型AlGaAs層5
a、5bの結晶を成長させる場合には、TEGa、TE
Al及びAsH3 のガス中にドーパントガスのSi2
6 (ジシラン)を同時に流し、Siをガス中にドーピン
グしながらAlGaAs結晶を成長する。
【0040】エミッタコンタクト層16としてn+ 型G
aAs層の結晶を成長する場合には、TEGaとAsH
3 のガス中に、ドーパントガスとしてセレン化水素(H
2 Se)を同時に流し、Seをガス中に多量にドーピン
グしながらn+ 型GaAs結晶を成長する。エミッタコ
ンタクト層16は厚さ100nmでキャリア濃度1.6×
1019cm-3のn+ 型GaAs結晶に成長させる。
【0041】このときのエミッタコンタクト層16の成
長温度は450℃〜550℃に設定した。その理由は、
成長温度について次のような制約を受けるためである。
【0042】(1)TEGaを用いたGaAsが輸送律
速で成長する温度範囲は450℃〜570℃である。4
50℃以上とする理由は、450℃未満であると3次元
核成長により表面に凹凸が発生し、また570℃以上の
温度の場合には、TEGaが気相中で分解し始め、膜厚
均一性が悪化するためである。
【0043】(2)一方、GaAsに1019cm-3以上に
Se(H2 Se)をドーピングできる温度範囲は、40
0℃〜550℃である。
【0044】以上両面からの制約により、エミッタコン
タクト層16の最適成長温度は450℃以上かつ550
℃未満の範囲となる。
【0045】この成長条件の最適化により、エミッタコ
ンタクト層16は概略2×1019cm-3のキャリア濃度と
なり、コンタクト抵抗10-7Ωcm2 台が得られている。
【0046】本発明のHBT用エピタキシャルウェハ
は、SeをドープしたGaAs層を、エミッタコンタク
ト層6に用いた構造であるので、表面の凹凸が小さく十
分にコンタクト抵抗の小さいエミッタコンタクト層を有
するHBT用エピタキシャルウェハが提供される。従っ
て、微細化における問題やプロセスを難しくしていた問
題を解決した高性能なHBTおよびHBT用エピタキシ
ャルウェハを提供することが可能になる。
【0047】また、図2に示した従来のHBT用エピタ
キシャルウェハに比べ、図2中のInGaAs層6c
や、ヘテロ接合に起因するバンド不連続を解消するため
のInGaAsグレーデット層6bを省略することがで
きるため、エピタキシャルウェハ構造を簡略化できる。
【0048】さらに、本発明のHBT用エピタキシャル
ウェハでは、表面に凹凸が殆ど無いため、ベース電極形
成のためのベース層出しのエッチングにおいて、その表
面を確実に容易に出すことができ、均ーなコンタクトの
形成が可能になる。
【0049】また、ウェハ表面からベース層までの距離
を短くすることが可能になり、HBTのベース層出しエ
ッチングを精度を上げることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。
【0051】(1)請求項1に記載の半導体ウェハによ
れば、GaAsをエミッタコンタクト層に用いているの
で表面の凹凸が極めて小さく、しかも、Seをドープす
ることによりn型で1019cm-3台の高キャリア濃度とし
ているので、コンタクト抵抗を十分に低くすることがで
きる。従って、微細化における問題やプロセスを難しく
していた問題を解決し、高性能なHBTおよびHBT用
エピタキシャルウェハを提供することが可能になる。
【0052】また、従来のHBT用エピタキシャルウェ
ハにおいては、エミッタコンタクト層を構成するのに、
GaAs層の他にInGaAs層や、InGaAsグレ
ーデット層を設けているが、これらのInGaAs層や
InGaAsグレーデット層を省略することができるた
め、エピタキシャルウェハ構造を簡略化することができ
る。
【0053】さらに、本発明の半導体ウェハによれば、
表面に凹凸が殆ど無いため、HBTのベース電極形成の
ためのベース層出しのエッチングにおいて、その表面を
確実に容易に出すことができ、均ーなコンタクトの形成
が可能になる。
【0054】また、ウェハ表面からベース層までの距離
を短くすることが可能になり、HBTのベース層出しエ
ッチングを精度を上げることができる。
【0055】(2)請求項2、3の製造方法によれば、
エミッタコンタクト層の成長に際し、そのGa源にTE
Ga、そのn型のドーパントとしてSeH2 を用い、そ
の成長温度を450〜550℃に設定しているので、従
来では不可能であった1019cm-3台の高濃度にドーピン
グしたn型のGaAsエミッタコンタクト層を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のHBT用エピタキシャルウェハの構造
例を示す図である。
【図2】従来のHBT用エピタキシャルウェハの構造を
示す図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 コレクタコンタクト層 3 コレクタ層 4 ベース層 5 エミッタ層 6 エミッタコンタクト層 16 エミッタコンタクト層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n型の伝導を示すコレクタコンタクト層
    と、n型の伝導を示すコレクタ層と、p型の伝導を示す
    ベース層と、前記ベース層に対してヘテロ接合を形成す
    るn型の伝導を示すAlGaAsまたはInGaP結晶
    からなるエミッタ層と、n型の伝導を示すエミッタコン
    タクト層とを順次積層した半導体ウェハにおいて、前記
    エミッタコンタクト層にSeをドープしたn型のGaA
    sを用い、そのキャリア濃度を1019cm-3台の高濃度と
    したことを特徴とする半導体ウェハ。
  2. 【請求項2】n型の伝導を示すコレクタコンタクト層
    と、n型の伝導を示すコレクタ層と、p型の伝導を示す
    ベース層と、前記ベース層に対してヘテロ接合を形成す
    るn型の伝導を示すAlGaAsまたはInGaP結晶
    からなるエミッタ層と、Seをドープしたn型の伝導を
    示すGaAs結晶からなるエミッタコンタクト層とを順
    次有機金属気相成長法により成長させた半導体ウェハの
    製造方法において、前記エミッタコンタクト層のn型の
    GaAs結晶を、Ga源にトリエチルガリウムを、As
    源に水素化砒素などの水素化合物を、またn型のドーパ
    ントにセレン化水素を用い、450℃〜550℃の成長
    温度で成長させ、かつそのキャリア濃度を1019cm-3
    の高キャリア濃度とすることを特徴とする半導体ウェハ
    の製造方法。
JP5305098A 1998-03-05 1998-03-05 半導体ウェハ及びその製造方法 Pending JPH11251329A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002164533A (ja) * 2000-11-29 2002-06-07 Showa Denko Kk 化合物半導体積層構造体及びそれを用いたバイポーラトランジスタ
WO2009014011A1 (ja) * 2007-07-26 2009-01-29 Sumitomo Chemical Company, Limited ヘテロ接合バイポーラトランジスタ

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