JP2003303825A - 化合物半導体ウェーハの製造方法、及び化合物半導体素子 - Google Patents

化合物半導体ウェーハの製造方法、及び化合物半導体素子

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JP2003303825A JP2002104476A JP2002104476A JP2003303825A JP 2003303825 A JP2003303825 A JP 2003303825A JP 2002104476 A JP2002104476 A JP 2002104476A JP 2002104476 A JP2002104476 A JP 2002104476A JP 2003303825 A JP2003303825 A JP 2003303825A
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Hisashi Yamada
永 山田
Taketsugu Yamamoto
武継 山本
Tomoyuki Takada
朋幸 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流利得がサブコレクタ層のキャリア濃度に
より大きく依存しないようにしたHBT用化合物半導体
ウェーハの製造方法及びこれを利用した半導体素子を提
供すること。 【解決手段】 GaAs基板2上にサブコレクタ層4
1、コレクタ層42、ベース層43、及びエミッタ層4
4をMOCVD法を用いて気相成長させてHBT製造用
の半導体ウェーハ1を製造する場合、サブコレクタ層4
1として、n型GaAs層をGaAs基板2上にV/I
II比を20以下として成長させるようにした。成長温
度を620℃以下の比較的低い温度で成長させるように
してもよい。これによりサブコレクタ層41の結晶性を
良好なものとし、サブコレクタ層41のキャリア濃度に
よって電流増幅率βが大きく変化するのを抑えることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯以上
の周波数領域で作動する高速通信用の半導体素子のため
の化合物半導体ウェーハの製造方法及びこれを用いて製
作された化合物半導体素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(H
BT)は、エミッタ注入効率を高めるため、エミッタ層
にベース層よりもバンドギャップの大きい物質を用いて
エミッタ−ベース接合をヘテロ接合としたバイポーラト
ランジスタであり、マイクロ波帯以上の周波数領域で使
用する半導体素子として好適なため、次世代携帯電話用
の半導体素子として期待されている。
【0003】HBTの構造は、例えばGaAs系HBT
の場合、一般的には半絶縁性GaAs基板上に有機金属
熱分解法(MOCVD法)を用いて、n+ −GaAs層
(サブコレクタ層)、n−GaAs層(コレクタ層)、
p−GaAs層(ベース層)、n−InGaP層(エミ
ッタ層)、n−GaAs層(サブエミッタ層)を次々に
結晶成長させることにより、エミッタ−ベース接合であ
るpn接合がヘテロ接合の構造となっている上述した層
構造の薄膜結晶ウェーハを形成し、これを用いてHBT
が製造されている。
【0004】図4は、従来における一般的なGaAs系
HBTの構造を模式的に示す図である。HBT100
は、半絶縁性のGaAs基板101上にn+ −GaAs
層から成るサブコレクタ層102、n−GaAs層から
成るコレクタ層103、p−GaAs層から成るベース
層104、n−InGaP層から成るエミッタ層105
及びn+ −GaAs層から成るサブエミッタ層106、
+ −InGaAs層から成るエミッタコンタクト層1
07がこの順序でMOCVD法等の適宜の気相成長法を
用いて半導体薄膜結晶層として形成されており、サブコ
レクタ層102上にはコレクタ電極108が、ベース層
104上にはベース電極109が、そしてエミッタコン
タクト層107上にはエミッタ電極110がそれぞれ形
成された構造となっている。
【0005】ここで、サブコレクタ層102は、所定の
導電性を確保するためにそのキャリア濃度を3×1018
〜5×1018cm-3程度にすることが必要であり、この
ためドナーとしてシリコン(Si)を高ドープしてい
る。一方、コレクタ層103にはドナーとして同じくS
iをドープするが、そのキャリア濃度はサブコレクタ層
102のそれに比べて100分の1程度であるからSi
のドープ量は少ない。そして、ベース層104にはアク
セプタとしてカーボン(C)等をドープするがベース層
104のキャリア濃度は通常4×1019cm-3程度と高
くなっている。
【0006】このように構成されるHBTにあっては、
そのスイッチング時間はベース抵抗を通してコレクタ容
量(コレクタ−ベース接合の静電容量)を充放電する時
間により決まるので、ベース抵抗を下げることによって
HBT素子はより高速・高周波で動作することができ
る。したがって、より高い周波数での動作を良好に行う
ことができるようにするには、ベース抵抗の低減が必要
であることは勿論、各層における結晶欠陥が少なく、そ
れらの結晶性が高品質なものであることが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MOCVD法
によりサブコレクタ層を気相成長させる場合に添加する
Siの如きn型不純物の量が多いと気相成長時に欠陥が
生じやすくなり、これによりサブコレクタ層の結晶性が
損なわれる傾向を有している。このようにして、所定の
キャリア濃度を確保するためにドープしたn型不純物に
よってサブコレクタ層内に生じた格子欠陥は、その上に
順次形成されるコレクタ層及びベース層へと受け継が
れ、結局ベース層を構成する結晶層内にも欠陥を生じさ
せる原因となっている。
【0008】このため、従来においては、トランジスタ
特性の改善のためにサブコレクタ層の導電性を改善しよ
うとするとベース層の結晶性を低下させてしまい、これ
によって、出来上がった半導体素子の電流増幅率が低下
してしまうという問題点を有している。
【0009】本発明の目的は、したがって、サブコレク
タ層のキャリア濃度を高めるために不純物を高ドープし
ても、得られたHBT半導体素子の電流利得特性を良好
なものとすることができる、化合物半導体ウェーハの製
造方法及びこれを利用した化合物半導体素子を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等は種々の実験、研究を積み重ねた結果、
化合物半導体基板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベ
ース層及びエミッタ層をMOCVD法を用いた気相成長
により順次成膜して半導体素子を形成しようとする場
合、サブコレクタ層を形成するための気相成長条件を選
ぶことにより、サブコレクタ層に不純物を高ドープして
そのキャリア濃度を高めるようにしても、従来に比べて
極めて良好な電流利得特性を得ることができることを見
い出したものである。サブコレクタ層をMOCVD法に
よりエピタキシャル結晶成長させて成膜する場合、その
成長条件を選ぶことにより、その上に形成されるコレク
タ層及びベース層に悪影響が生じるのを抑制する効果が
得られるものと考えられる。
【0011】請求項1の発明によれば、化合物半導体基
板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベース層、及びエ
ミッタ層をこの順序でMOCVD法を用いて気相成長さ
せてHBT製造用の化合物半導体ウェーハを製造するた
めの方法であって、前記サブコレクタ層として、n型G
aAs層を前記化合物半導体基板上にV/III比を2
0〜1.0の範囲内として成長させるようにしたことを
特徴とする化合物半導体ウェーハの製造方法が提案され
る。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、前記n型GaAs層を前記化合物半導体基板
上に前記V/III比を10〜1.0の範囲内として成
長させるようにした化合物半導体ウェーハの製造方法が
提案される。
【0013】請求項3の発明によれば、化合物半導体基
板上にサブコレクタ層、コレクタ層、ベース層、及びエ
ミッタ層をこの順序でMOCVD法を用いて気相成長さ
せてHBT製造用の化合物半導体ウェーハを製造するた
めの方法であって、前記サブコレクタ層として、n型G
aAs層を成長温度を620℃〜550℃の範囲内とし
て成長させるようにしたことを特徴とする化合物半導体
ウェーハの製造方法が提案される。
【0014】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
において、前記n型GaAs層を成長させる際のV/I
II比を20〜1.0の範囲とした化合物半導体ウェー
ハの製造方法が提案される。
【0015】請求項5の発明によれば、請求項3の発明
において、前記n型GaAs層を成長させる際のV/I
II比を10〜1.0の範囲とした化合物半導体ウェー
ハの製造方法が提案される。
【0016】請求項6の発明によれば、請求項1、2、
3、4又は5いずれかに記載の化合物半導体ウェーハの
製造方法を用いて製作されたことを特徴とする化合物半
導体素子が提案される。
【0017】サブコレクタ層をMOCVD法による気相
成長で結晶成長させる場合、成長温度を若干低い温度に
することで、及び又はV/III比を小さくすること
で、Ga欠陥の発生が抑制される結果、電流増幅率を低
下させることがないものと考えられる。ここで、サブコ
レクタ層のキャリア濃度を所要のレベルとするために添
加する不純物は、公知の適宜のもの、例えば、Siを用
いることができ、特別な不純物を用いる必要はない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の方法によって製造された
HBT用薄膜結晶ウェーハの一例を模式的に示す層構造
図である。この薄膜結晶ウェーハはGaAs系HBTの
製造に用いる化合物半導体ウェーハであり、図1に示し
た層構造の半導体ウェーハを本発明の方法により製造す
る場合の実施の形態の一例について説明する。したがっ
て、本発明の方法を図1に示した構造の化合物半導体ウ
ェーハの製造にのみ限定する趣旨ではない。
【0020】図1に示した半導体ウェーハ1の構造は次
の通りである。半導体ウェーハ1は、半絶縁性のGaA
s化合物半導体結晶であるGaAs基板2上にMOCV
D法を用いて複数の半導体薄膜結晶成長層を次々と積層
させて構成されたものである。図1を参照して半導体ウ
ェーハ1について説明すると、GaAs基板2は半絶縁
性GaAs(001)層から成り、GaAs基板2上に
i−GaAs層から成るバッファ層3が形成されてい
る。
【0021】次に、バッファ層3の上に形成されている
HBT機能層4の構成について説明する。HBT機能層
4は、バッファ層3の上に、サブコレクタ層41として
働くn+ −GaAs層及びコレクタ層42として働くn
- −GaAs層が、順次半導体エピタキシャル成長結晶
層として所定の厚さに形成されている。そして、コレク
タ層42の上にベース層43として働くp+ −GaAs
層が同じく半導体エピタキシャル成長結晶層として形成
されており、ベース層43の上にはエミッタ層44とし
て働くn−InGaP層が形成されている。そしてエミ
ッタ層44の上にはn- −GaAs層がサブエミッタ層
45として、n+ −GaAs層及びn+−InGaAs
層がエミッタコンタクト層46、47として形成されて
いる。
【0022】上述した各層をMOCVD法によるエピタ
キシャル成長半導体薄膜結晶層として形成するための方
法について詳しく説明する。
【0023】図2には、図1に示した半導体ウェーハ1
をMOCVD法により製造するのに使用される気相成長
半導体製造装置10の要部が概略的に示されている。気
相成長半導体製造装置10は、図示しない原料供給系統
からの原料ガスが原料供給ライン11を介して供給され
る反応器12を備え、反応器12内にはGaAs基板2
を載せて加熱するためのサセプタ13が設けられてい
る。本実施の形態では、サセプタ13は多角柱体でその
表面にはGaAs基板2が複数枚取り付けられており、
サセプタ13は回転装置14によって回転できる公知の
構成となっている。符号15で示されるのはサセプタ1
3を高周波誘導加熱するためのコイルである。コイル1
5に加熱用電源16から加熱用の電流を流すことにより
GaAs基板2を所要の成長温度に加熱することができ
る。この加熱により、原料供給ライン11を介してバッ
ファ層3内に供給される原料ガスがGaAs基板2上で
熱分解し、GaAs基板2上に所望の半導体薄膜結晶を
気相成長させることができるようになっている。使用済
みのガスは排気ポート12Aより外部に排出され、排ガ
ス処理装置へ送られる。
【0024】反応器12内のサセプタ13上にGaAs
基板2を載せた後、キャリアガスとして水素を用い、原
料としてアルシン、トリメチルガリウム(TMG)を用
い、650℃でGaAsをバッファ層3として約500
nm成長させる。しかる後、サブコレクタ層41をバッ
ファ層3上にn+ −GaAs層として成長温度620
℃、V/III比15のようにして1400nm成長さ
せて形成する。
【0025】このように、従来の一般的な成長温度であ
る640℃よりも若干低い620℃の成長温度でサブコ
レクタ層41となるn+ −GaAs層を成長させること
により、その成長中にGa欠陥が発生するのを良好に抑
え、サブコレクタ層41の結晶性を従来に比べて大幅に
改善することができる。また、これに加えて、V/II
I比を20以下の適宜の値に設定する構成としたので、
これによってもサブコレクタ層41に欠陥が生じるのを
有効に抑え、サブコレクタ層41の結晶性を大幅に改善
することができる。
【0026】上記実施の形態では、成長温度を620℃
と低い値にすると共に、同時にV/III比を20と小
さくすることによりサブコレクタ層41における欠陥の
発生をより一層効果的に抑えるようにした。しかし、成
長温度を620℃とし、V/III比は従来の値とする
ことによっても欠陥の発生を充分に抑えることができ
る。このようにしてサブコレクタ層41での欠陥の発生
を抑えることによりHBTの電流増幅利得がサブコレク
タ層41の高キャリア濃度化のために低下してしまうの
を有効に抑えるのに役立つものと考えられる。
【0027】一方、V/III比を20以下とし、成長
温度は従来通り640℃とすることによっても、欠陥の
発生を充分に抑え、HBTの電流増幅利得がサブコレク
タ層41の高キャリア濃度化のために低下してしまうの
を有効に抑えることができる。成長温度が620℃〜5
50℃の範囲であれば、Ga欠陥の発生を十分抑制する
ことが可能である。550℃以下では、TMGの分解が
成長温度により律促されるために、成長機構が不安定な
状態となる。V/III比は20以下の範囲であれば、
V/III比を下げる程、Ga欠陥の発生をより一層抑
制できるようになる。V/III比は、好ましくは10
以下、より好ましくは5以下である。V/III比の下
限値は、1.0以下では、反応律則の成長機構になるた
め不安定な状態になる。
【0028】このようにして、サブコレクタ層41を欠
陥の発生を少なくして良好な半導体薄膜結晶層として形
成した後、コレクタ層42〜エミッタコンタクト層47
までをMOCVD法により形成する。コレクタ層42〜
エミッタコンタクト層47までの成長条件は、成長温度
を620℃〜550℃の範囲内の適宜の値とすることが
でき、サブコレクタ層41の成長温度には依存しない。
【0029】上述のようにして形成されたコレクタ層4
2及びベース層43は、結晶性の良好な、すなわち欠陥
の少ない状態に形成されたサブコレクタ層41の上に気
相成長により形成されるので、コレクタ層42及びベー
ス層43もまた欠陥が少なく、極めて良好な結晶性を有
する半導体薄膜結晶層として形成される。
【0030】したがって、サブコレクタ層41に不純物
であるSiを高ドープしてそのキャリア濃度を3×10
18〜4×1018cm-3と高くして、半導体ウェーハ1を
用いて図4に示す如きHBT素子を製造した場合、その
電流増幅率は従来に比べて高くすることができる。
【0031】
【実施例】図1に示した構造の半導体ウェーハを製造
し、これにより得られた半導体ウェーハを用いてHBT
素子を次のように製作した。エミッタサイズは100μ
m×100μmである。ここでは、コレクタ電流を1k
A/cm2 流したときのコレクタ電流/ベース電流を電
流増幅率βとする。
【0032】(実施例1)サブコレクタ層41の成長条
件を、成長温度が620℃で、そのときの原料ガスの供
給においてV/III比を15とした。上記成長条件の
下で、ドーパントであるSiのドープ量を調節してサブ
コレクタ層41のキャリア濃度を3×10 18cm-3とし
た。このときのHBT素子の電流増幅率βは84であっ
た。
【0033】(実施例2)実施例1とは、サブコレクタ
層41のキャリア濃度が4.00×1018cm-3である
点でのみ異なるHBT素子を実施例1と同様にして製作
した。このときのHBT素子の電流増幅率βは80であ
った。
【0034】このように、本発明の方法に従って製作さ
れたHBT素子によると、サブコレクタのキャリア濃度
を3×1018cm-3から4×1018cm-3に増大させて
も、電流増幅率βは僅か4だけ小さくなったにすぎなか
った。
【0035】(比較例1)サブコレクタ層41の成長条
件を成長温度640℃、V/III比30としたことを
除いて実施例1と同一の条件でHBT素子を製作した。
電流増幅率βを測定したところ75であった。
【0036】(比較例2)サブコレクタ層41の成長条
件を成長温度640℃、V/III比30としたことを
除いて実施例2と同一の条件でHBT素子を製作した。
電流増幅率βを測定したところ55であった。
【0037】図3にこれらの結果をまとめて示した。本
発明の方法によると、キャリア濃度を3×1018cm-3
とした場合においても電流増幅率βの値は従来に比べて
大きく改善される上に、キャリア濃度を4×1018cm
-3と大きくしても電流増幅率βの低下は僅かであること
が確認できた。
【0038】(実施例3)サブコレクタ層41の成長条
件を、成長温度620℃で、そのときのV/IIIを5
とした。上記成長条件の下でドーパントであるSiのド
ープ量を調整し、サブコレクタ層41のキャリア濃度を
3.7×1018cm-3とした。このときのHBT素子の
電流増幅率βを測定したところ90であった。
【0039】(実施例4)サブコレクタ層41の成長条
件を、成長温度620℃で、そのときのV/IIIを5
とした。上記成長条件の下でドーパントであるSiのド
ープ量を調整し、サブコレクタ層41のキャリア濃度を
4.1×1018cm-3とした。このときのHBT素子の
電流増幅率βを測定したところ86であった。
【0040】(実施例5)サブコレクタ層41の成長条
件を、成長温度640℃で、そのときのV/IIIを5
とした。上記成長条件の下でドーパントであるSiのド
ープ量を調整し、サブコレクタ層41のキャリア濃度を
3.85×1018cm-3とした。このときのHBT素子
の電流増幅率βを測定したところ81であった。
【0041】上記実施の形態及び実施例においては、I
nGaP系のHBTのための半導体ウェーハの製造を例
にとって説明したが、本発明は、InGaP系のHBT
に限定されるものではなく、AlGaAs系のHBT用
の半導体ウェーハの製造の場合においても、本発明を同
様にして適用することができ、同様の効果を得ることが
できる。
【0042】以上説明したように、V/III比を所定
の条件としてサブコレクタ層を成長させることにより、
サブコレクタ層のキャリア濃度を高めるために不純物を
高ドープしても、得られたHBT半導体素子の電流利得
特性を良好なものとすることができる。したがって、上
述した本発明による化合物半導体ウェーハの製造方法を
用いて、化合物半導体素子であるHBT半導体素子を作
製することにより電気的特性の極めて優れたものを得る
ことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、成長条件
を制御するだけで、サブコレクタ層のキャリア濃度によ
り半導体素子の電流利得が大きな影響を受けるのを有効
に抑えることができるので、低コストにて電気的特性に
優れた化合物半導体ウェーハの製造が可能になると共
に、低コストで高性能の半導体素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の説明のために、HBT用
半導体ウェーハの構造を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示した半導体ウェーハをMOCVD法に
より製造するのに使用される気相成長半導体製造装置の
要部を概略的に示す図。
【図3】本発明によるHBT素子の実施例の電流増幅率
とサブコレクタ層のキャリア濃度との関係を示す特性を
比較例の特性と共に示す図。
【図4】従来における一般的なGaAs系HBTの構造
を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 半導体ウェーハ 2 GaAs基板 3 バッファ層 4 HBT機能層 10 気相成長半導体製造装置 11 原料供給ライン 12 反応器 12A 排気ポート 13 サセプタ 15 コイル 41 サブコレクタ層 42 コレクタ層 43 ベース層 44 エミッタ層 45 サブエミッタ層 46、47 エミッタコンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 朋幸 茨城県つくば市北原6番 住友化学工業株 式会社内 Fターム(参考) 5F003 AZ01 BC01 BF06 BM03 BP32 5F045 AA04 AB10 AB17 AC08 AD09 AD10 AF04 AF13 BB16 CA02 CB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体基板上にサブコレクタ層、
    コレクタ層、ベース層、及びエミッタ層をこの順序でM
    OCVD法を用いて気相成長させてHBT製造用の化合
    物半導体ウェーハを製造するための方法であって、 前記サブコレクタ層として、n型GaAs層を前記化合
    物半導体基板上にV/III比を20〜1.0の範囲内
    として成長させるようにしたことを特徴とする化合物半
    導体ウェーハの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記n型GaAs層を前記化合物半導体
    基板上に前記V/III比を10〜1.0の範囲内とし
    て成長させるようにした請求項1記載の化合物半導体ウ
    ェーハの製造方法。
  3. 【請求項3】 化合物半導体基板上にサブコレクタ層、
    コレクタ層、ベース層、及びエミッタ層をこの順序でM
    OCVD法を用いて気相成長させてHBT製造用の化合
    物半導体ウェーハを製造するための方法であって、 前記サブコレクタ層として、n型GaAs層を成長温度
    を620℃〜550℃の範囲内として成長させるように
    したことを特徴とする化合物半導体ウェーハの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記n型GaAs層を成長させる際のV
    /III比を20〜1.0の範囲とした請求項3記載の
    化合物半導体ウェーハの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記n型GaAs層を成長させる際のV
    /III比を10〜1.0の範囲とした請求項3記載の
    化合物半導体ウェーハの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5いずれかに
    記載の化合物半導体ウェーハの製造方法を用いて製作さ
    れたことを特徴とする化合物半導体素子。
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